JP4781454B2 - 内燃機関制御装置 - Google Patents

内燃機関制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4781454B2
JP4781454B2 JP2009134156A JP2009134156A JP4781454B2 JP 4781454 B2 JP4781454 B2 JP 4781454B2 JP 2009134156 A JP2009134156 A JP 2009134156A JP 2009134156 A JP2009134156 A JP 2009134156A JP 4781454 B2 JP4781454 B2 JP 4781454B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
feedback control
amount
electric load
rotational speed
time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009134156A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010281243A (ja
Inventor
和志 小田
尚史 東郷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2009134156A priority Critical patent/JP4781454B2/ja
Publication of JP2010281243A publication Critical patent/JP2010281243A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4781454B2 publication Critical patent/JP4781454B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

この発明は、例えばアイドル運転時において、電気負荷変化に伴なう内燃機関の回転速度の変動を、吸入空気量制御により抑制する内燃機関制御装置に関するものである。
従来、例えば、自動車に搭載される内燃機関のアイドル回転速度を制御するために、スロットル開度、またはスロットル弁をバイパスする空気弁の開度を調整している。これは、アイドル運転時における内燃機関の回転速度が目標回転速度になるように、スロットル弁の開度またはそれをバイパスする空気弁の開度を制御して、吸入空気量をフィードバック制御するものである。
しかし、アイドル運転時において、ラジエータファンやヘッドライト等の電気負荷が投入されると、内燃機関により駆動される交流発電機の発電量が変動し、この交流発電機の駆動トルクが急変するため、内燃機関の回転速度が変動してしまう問題がある。
このような内燃機関の回転速度の変動を抑制するために、電気負荷の投入により発生するバッテリの電圧変化量に応じて、吸入空気量を見込み補正量だけ増加させる技術がある。ところが、電気負荷には様々な種類が存在するため、電気負荷の投入に応じた見込み補正量を正確に設定することは困難である。このため、見込み補正量が正確でない場合には、回転変動が発生してしまう。この回転変動を抑制するために、特許文献1では、見込み補正量を設定した後に、内燃機関の回転速度を検出し、内燃機関の回転速度が、{(目標回転速度TNe)+(所定回転速度X)}を越えた場合に、フィードバック制御量から見込み補正量を差し引くとともに、見込み補正量をゼロに戻している。逆に、見込み補正量を設定した後に、内燃機関の回転速度が低くなり、{(目標回転速度TNe)-(所定回転速度Y)}未満となった場合に、フィードバック制御量に見込み補正量を加えるとともに、見込み補正量をゼロに戻している。特許文献1では、このような制御によって、アイドル回転速度の変動を抑制している。
特開2004−132276号公報
このように特許文献1の制御では、電気負荷の変動に伴ない、内燃機関の回転速度が、目標回転速度TNe±所定回転速度X,Yを超えたときに、算出した見込み補正量を減算または加算することで内燃機関の回転変動を抑制している。しかし、この特許文献1の制御では、電気負荷が変動した後、内燃機関の回転速度が目標回転速度TNe±所定回転速度X,Yを超えたときに、算出した見込み補正量を減算または加算するので、電気負荷が変動してから、内燃機関の回転速度を目標回転速度に収束させるまでの変動収束時間が長くなる不都合がある。この変動収束時間が長くなれば、内燃機関に不要な振動が誘発され、またはエンジンストールが誘発される問題が生じる。
この問題は、例えば、徐励制御の交流発電機で顕著となる。この徐励制御の交流発電機は、近年使用されるようになったもので、電気負荷の変化が発生した場合に、交流発電機の発電量変化を徐々に実施し、内燃機関への負荷変化を徐変させるものである。この徐励制御の交流発電機の徐変期間は、交流発電機の発電量により異なるが、一般的に数秒程度
の範囲である。
特許文献1による制御を、徐励制御の交流発電機に使用した場合の問題点を図10を参照して説明する。図10において、時刻t1で電気負荷が投入されたとする。電気負荷の発生によりバッテリ電圧VBが低下することから、このバッテリ電圧VBの変化量に応じて、見込み補正量ISCvbとして補正量bが算出される。このことにより内燃機関の実回転速度Neが上昇し、時刻t2において、{(目標回転速度TNe)+(所定回転速度X)}を越えると、フィードバック制御量ISCfbから補正量bが差し引かれ、補正量bがゼロに戻される。
徐励制御の交流発電機の徐変期間中に、内燃機関の実回転速度Neが、{(目標回転速度TNe)+(所定回転速度X)}を越えたときに見込み補正量bが差し引かれ、吸入空気量を減少すると、交流発電機の発電による内燃機関への負荷量は時間と共に所定期間増加し、時刻t3において、交流発電機の発電負荷は最大となり、内燃機関の回転低下が発生し、この回転低下による不快な車体振動が発生する。また、例えば時刻t3まで見込み補正量ISCvbとして補正量bを保持した場合は、内燃機関の実回転速度Neが吹き上がり、目標回転速度TNeへの収束が遅れる。近年では燃費向上を狙って、アイドル運転時における内燃機関の回転速度を低下させる動向があり、そのような車両においては、エンジンストールに至る懸念がある。
更に、アイドルからOFFアイドルにすると、目標回転収束制御は停止させるのが一般的である。例えば電気負荷変化が発生した直後にOFFアイドルにした場合の挙動について図11を参照して説明する。アイドル状態において時刻t2で内燃機関の実回転速度Neが{(目標回転速度TNe)+(所定回転速度X)}を越え、フィードバック制御量ISCfbか
ら見込み補正量bを差し引かれた状態において、時刻t3でOFFアイドルとなった場合、フィードバック制御量ISCfbは低く設定された状態で更新が停止してしまう。このことにより、時刻t4でアイドル状態に戻された場合、アイドル時の空気量が少ない状態となっているため、内燃機関の回転低下が発生する不具合がある。
また、負荷変化時に内燃機関の実回転速度Neが{(目標回転速度TNe)-(所定回転速度Y)}未満となる回転低下が発生した場合は、見込み補正量bをフィードバック制御量ISCfbに見込み補正量bを加算するとともに、見込み補正量bがゼロに戻され、見込み補正量bの加算後は(目標回転速度TNe−実回転速度Ne)による回転偏差で目標機関回転速度への収束性を高めているが、前述したとおり目標とするアイドル回転速度が低く設定されている場合、回転低下時の絶対回転速度は低くなり、不快な車体振動やエンジンストールに至る懸念がある。
このように、特許文献1の制御においては、電気負荷の変動に伴なう内燃機関の回転速度の変動収束時間が長く、例えば、徐励制御の交流発電機を使用した場合の内燃機関の回転低下、フィードバック制御量更新の停止による内燃機関の回転低下、燃費向上対策によるアイドル運転時の内燃機関回転速度低下の車両によるエンジンストールが誘発される課題が存在する。
この発明は、電気負荷の変動に伴なう内燃機関の回転速度の変動収束時間をより短縮することのできる改良された内燃機関制御装置を提案することを目的としている。
この発明による内燃機関制御装置は、内燃機関の吸入空気量を調整することにより、内燃機関の実回転速度を目標回転速度に制御する内燃機関制御装置であって、実回転速度を検出する回転速度検出手段と、内燃機関により駆動される交流発電機の電気負荷変化を検出する電気負荷変化検出手段と、電気負荷変化検出手段で検出した電気負荷変化に応じて吸入空気補正量を設定する吸入空気量補正演算手段、実回転速度と目標回転速度との偏差に応じて変化する通常フィードバック量に基づいて、実回転速度を目標回転速度に収束させる通常フィードバック制御を行なう通常フィードバック制御手段と、実回転速度と目標回転速度との偏差に応じて変化する電気負荷変化時フィードバック制御量に基づいて、実回転速度を目標回転速度に収束させる電気負荷変化時フィードバック制御を行なう電気負荷変化時フィードバック制御手段と、前記電気負荷変化時フィードバック制御が実行されているか否かを判定し、それが実行されていないときには、前記通常フィードバック制御制御手段により前記通常フィードバック制御を開始させ、また、それが実行されているときには、前記通常フィードバック制御を停止させる判定手段を備え、
前記電気負荷変化時フィードバック制御が実行されていないときに、前記通常フィードバック制御手段により前記通常フィードバック制御を実行し、
電気負荷変化検出手段が電気負荷変化を検出した時点において、電気負荷変化時フィードバック制御量に吸入空気補正量が加算され、この吸入空気補正量が加算された電気負荷変化時フィードバック制御量に基づいて、電気負荷変化時フィードバック制御手段が前記電気負荷変化時フィードバック制御を開始すると同時に、前記判定手段により、前記通常フィードバック制御手段による前記通常フィードバック制御を停止することを特徴とする。
この発明による内燃機関制御装置では、電気負荷変化検出手段が電気負荷変化を検出した時点において、電気負荷変化時フィードバック制御量に吸入空気補正量が加算され、こ
の吸入空気補正量が加算された電気負荷変化時フィードバック制御量に基づいて、電気負荷変化時フィードバック制御手段が電気負荷変化時フィードバック制御を開始すると同時に、判定手段により、通常フィードバック制御手段による通常フィードバック制御を停止するようにしたものであり、電気負荷変化時には、その電気負荷変化を検出した時点において、電気負荷変化時フィードバック制御量に吸入空気補正量が加算され、この吸入空気補正量が加算された電気負荷変化時フィードバック制御量に基づいて、電気負荷変化時フィードバック制御手段が電気負荷変化時フィードバック制御を開始するので、目標回転速度への収束性がより高められ、実回転速度の変動収束時間をより短縮することができる。その結果、内燃機関に不要な振動が誘発されるのを防止し、また、エンジンストールが誘発されるのを防止することができる。
この発明による内燃機関制御装置の実施の形態1を示すブロック構成図である。 実施の形態1に係る内燃機関制御装置におけるアイドル回転速度の制御処理を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る内燃機関制御装置におけるアイドル回転速度の制御動作を示すタイミングチャートである。 この発明による内燃機関制御装置の実施の形態2におけるアイドル回転速度の制御処理の一部を示すフローチャートである。 実施の形態2に係る内燃機関制御装置におけるアイドル回転速度の制御動作を示すタイミングチャートである。 この発明による内燃機関制御装置の実施の形態3におけるアイドル回転速度の制御処理の一部を示すフローチャートである。 実施の形態3に係る内燃機関制御装置におけるアイドル回転速度の制御動作を示すタイミングチャートである。 この発明による内燃機関制御装置の実施の形態4におけるアイドル回転速度の制御処理の一部を示すフローチャートである。 実施の形態4に係る内燃機関制御装置におけるアイドル回転速度の制御動作を示すタイミングチャートである。 従来の吸入空気量制御装置における制御処理の1つの問題点を説明するためのタイミングチャートである。 従来の吸入空気量制御装置における制御処理の他の問題点を説明するためのタイミングチャートである。
以下図面を参照して、この発明による内燃機関制御装置のいくつかの実施の形態について説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明による内燃機関制御装置の実施の形態1を示すブロック構成図であり
、吸入空気量制御に使用される燃料噴射式内燃機関の全体システム構成を示している。図1の内燃機関制御装置は、内燃機関本体10、この内燃機関本体10に対する吸気系20と排気系30、電子制御装置(ECU)40、交流発電機50、バッテリ60、電気負荷群70、電気負荷スイッチ情報80を含んでいる。内燃機関本体10は、車両に搭載され、シリンダ11と、ピストン12と、出力軸14と、吸気弁15と、排気弁16と、燃料噴射器17と、点火プラグ18と、回転センサ19を有する。ピストン12はシリンダ11内に往復運動可能に嵌め込まれ、燃焼室13を構成する。ピストン12は、その往復運動により、出力軸14を回転駆動する。吸気弁15と排気弁16は、出力軸14の回転と同期して開閉される。燃料噴射器17は、電子制御装置40により制御され、電子制御装置40によって演算された燃料噴射量に基づいて、それに対応する量の燃料を燃焼室13に噴射する。電子制御装置40は、回転センサ19からの回転パルス、圧力センサ23からの吸入空気圧、エアフローメータ26からの吸入空気量などに基づいて、燃料噴射量を演算し、制御されたタイミングで、演算された燃料噴射量に対応する燃料を噴射するように、燃料噴射器17を制御する。点火プラグ18は、燃焼室13に噴射された燃料に点火する。回転センサ19は、回転速度検出手段を構成し、出力軸14に近接して配置され、出力軸14の回転に伴ない、所定回転角度毎に回転パルス信号を発生し、電子制御装置40に供給する。電子制御装置40は、回転センサ19からの回転パルス信号により、内燃機関の実回転速度Neを検出する。
吸気系20は、吸気管21と、サージタンク22と、圧力センサ23と、スロットル弁24と、スロットル開度センサ25と、エアフローメータ26と、エアクリーナ27とを有する。吸気管21は、吸気弁15に接続され、燃焼室13へ吸入空気を供給する。圧力センサ23は、サージタンク22に配置され、吸入空気圧力を検出し、電子制御装置40へ入力する。スロットル弁24は、吸気管21内に配置される。このスロットル弁24は、電子制御装置40により制御され、燃焼室13に対する吸入空気量を調整する。電子制御装置40には、アクセルペダル41に連動するアクセル開度センサ25からアクセル開度が入力され、電子制御装置40は、このアクセル開度に応じて、スロットル弁24の開度を電気的に制御する。スロットル開度センサ25は、スロットル弁24のスロットル弁開度を検出し、電子制御装置40へ入力する。エアフローメータ26は、吸入空気量を検出し、電子制御装置40へ入力する。排気系30は、排気管31を有する。この排気管31は、排気弁16に接続され、燃焼室13からの排気を行なう。
交流発電機50は、例えば三相交流発電機であり、出力軸14に連結され、この出力軸14により駆動される。この交流発電機50は、三相全波整流回路51に接続され、その整流出力により、バッテリ60を充電し、また、車両に搭載された電気負荷群70の各種の電気負荷に給電する。電気負荷群70には、燃料噴射器17、点火プラグ18に対する点火回路、内燃機関始動モータの他、ラジエータファン、車両のヘッドランプ、車両のリアデホッガなどが含まれる。電気負荷スイッチ情報80は、これらの各種電気負荷に対する給電スイッチのオンオフ情報を発生し、電子制御装置40へ入力する。電気負荷スイッチ情報80には、例えば、ラジエータファン、ヘッドライト、リアデホッガに対する給電スイッチのオンオフ情報が含まれる。バッテリ60のバッテリ電圧VBは、電子制御装置40に入力される。電子制御装置40は、電気負荷変化検出手段を有し、この電気負荷変化検出手段は、電気負荷スイッチ情報80からの負荷スイッチオンオフ情報またはバッテリ電圧VBに基づいて、交流発電機50の電気負荷の変化量と、それが変化した時点taを検出する。
電子制御装置40は、加えて、この発明に関連して、内燃機関のアイドル回転速度を制
御する。電子制御装置40は、このアイドル制御に関連して、内燃機関の目標回転速度TNeを記憶し、また、回転速度検出手段により、回転センサ19からの回転パルスに基づいて、内燃機関の実回転速度Neを算出し、また、電気負荷変化検出手段により、電気負荷スイッチ情報80からの負荷スイッチオンオフ情報、またはバッテリ60からのバッテリ電圧VBに基づいて、交流発電機50の電気負荷が変化した時点taを検出するとともに、その負荷変化量Lchgを算出し、これらの目標回転速度TNe、実回転速度Ne、負荷変化量Lchg、変化タイミングtaに基づいて、内燃機関のアイドル回転速度を制御する。
この内燃機関のアイドル回転速度の制御では、電子制御装置40は、吸入空気量を制御して、内燃機関のアイドル回転速度を制御するフィードバック制御を行なう。電子制御装置40は、目標回転速度TNeと、回転速度検出手段により検出された内燃機関の実回転速
度Neとを比較し、これらが、もし目標回転速度TNe>実回転速度Neの関係であれば、スロ
ットル弁24を開き側に駆動する。これにより、燃焼室13への吸入空気量が増大し、実回転速度Neは上昇する。
スロットル弁24を通じた吸入空気量が更に増大し、目標回転速度TNe<実回転速度Ne
の関係になると、電子制御装置40は、スロットル弁24を閉じ側に駆動する。これにより、吸入空気量が減少し、実回転速度Neは低下する。このように、吸入空気量を増減させるフィードバック制御により実回転速度Neを制御している。
なお、スロットル弁24は、そのスロットル開度が電気的に制御される電気制御スロットルとしているが、スロットル弁24をバイパスする空気弁を使用している装置については、この空気弁を電子制御装置40により制御するようにしても同じ効果が得られる。また、電気負荷スイッチ情報80がなくても、電気負荷群70の各電気負荷の投入または遮断により、バッテリ60のバッテリ電圧VBが変化するので、このバッテリ電圧VBの変化を検出することで、電気負荷の投入を判断できる。このため、電気負荷スイッチ情報80がない構成とすることも可能である。さらに、エアフローメータ26の代わりに、圧力センサを用いた構成とすることもできる。
一方、このアイドル運転状態において、ラジエータファン、ヘッドライト、またはリアデフォッガなどの電気負荷が投入または遮断されると、内燃機関の出力軸14から駆動される交流発電機50の発電電流が変動し、この交流発電機50の駆動トルクが急変するため、内燃機関の実回転速度Neが変動してしまう。従って、これを防止するために、電気負荷の投入または遮断時の吸入空気量制御が行われる。
さて、図2は、実施の形態1に係る内燃機関制御装置におけるアイドル回転速度の制御処理を示すフローチャートである。図2のフローチャートを参照しながら、実施の形態1に係る内燃機関制御装置におけるアイドル回転速度の制御について説明する。このアイドル制御は、主として、電子制御装置40を使用して実行される。図2のフローチャートには、STARTとRETURNとの間に、ステップS101からS112が含まれる。この図2のフ
ローチャートは、主として、通常フィードバック制御QNFB1を行なう通常フィードバック制御手段と、電気負荷変化時フィードバック制御QNFB2を行なう電気負荷変化時フィードバック制御手段を含む。通常フィードバック制御QNFB1を行なう通常フィードバック制御手段は、ステップS110またはステップS111で構成される制御手段であり、実回転速度Neと目標回転速度TNeとの偏差に応じて変化する通常フィードバック制御量QNFBに基
づいて、実回転速度Neを目標回転速度TNeに収束させる制御を行なう。電気負荷変化時フ
ィードバック制御QNFB2を行なう電気負荷変化時フィードバック制御手段は、ステップS104で構成される制御手段であり、実回転速度Neと目標回転速度TNeとの偏差に応じて
変化する電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELに基づいて、実回転速度Neを目標
回転速度TNeに収束させる制御を行なう。
まず、ステップS101は、電気負荷変化検出手段を構成するステップであり、電子制御装置40により実行される。ステップS101では、電気負荷スイッチ情報80またはバッテリ60のバッテリ電圧VBの変化を検出することにより、電気負荷の投入または遮断があったか否かを判定する。例えば、電気負荷の投入があった場合には、ステップS101の判定結果は、電気負荷が投入された時点taにおいてYesとなり、この時点taでステップS101からステップS102に移行する。このステップS102では、時点taにおいて、電気負荷の変化量Lchgに対応した、吸入空気補正量Qchgを設定する。電子制御装置40は、電気負荷の変化量Lchgと、それに対応した、吸入空気補正量Qchgとの関係を表わすマップを記憶しており、このマップを参照し、電気負荷の変化量Lchgに対応した、吸入空気補正量Qchgを算出し、この吸入空気補正量Qchgを設定する。このように、ステップS102では、吸入空気補正量Qchgは、負荷変化量Lchgと、それに対応する吸入空気補正量Qchgとを表わすマップから算出されるが、電気負荷には様々な種類があり、また、実際の各車両でのバラツキも考慮されていないので、吸入空気補正量Qchgは余り正確な制御量ではない。
ステップS102からステップS103に移行する。このステップS103では、電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELに吸入空気補正量Qchgを加算し、それらの加算
量(QNFB_EL+Qchg)を新たに電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELとして設定する。ステップS102、S103は、吸入空気量補正手段を構成し、電子制御装置40により実行される。ステップS103からステップS104に移行する。このステップS104では、電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELにより、実回転速度Neを目標回転速度TNeに収束させる電気負荷変化時フィードバック制御QNFB2の制御処理を開始する。この電気負荷変化時フィードバック制御QNFB2は、吸入空気補正量Qchgが加算された電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELを初期値として、実回転速度Neと目標回転速度TNeとの偏差に基づいて、吸入空気量を制御し、実回転速度Neを目標回転速度TNeに収束させる。このステップS104からステップS105に移行する。一方、ステップS101において、電気負荷の投入または遮断がなかった場合には、ステップS101の判定結果はNoとなり、ステップS102〜S104をスキップし、ステップS105に移行する。
ステップS105では、電気負荷変化時フィードバック制御QNFB2が実施されているか否かの判定を実施し、このステップS105の判定結果がYesならば、ステップS106
へ移行し、ステップS105の判定結果がNoならば、ステップS111へ移行する。ステップS105は、言い換えれば、通常フィードバック制御QNFB1の制御中か、電気負荷変化時フィードバック制御QNFB2の制御中かを判定することにより、各々の処理ルーチンを切り換える役目をしている。例えば、電気負荷の投入があれば、ステップS102〜S104までの処理を行ない、ステップS104で電気負荷変化時フィードバック制御QNFB2による制御処理を実施し、また、ステップS105からステップS106に移行し、通常フィードバック制御量QNFBの更新を停止させ、ステップS111による通常フィードバック制御QNFB1を停止させる。また、電気負荷の変化がなく、電気負荷が継続している場合には、ステップS102〜S104をスキップし、ステップS111へ移行し、このステップS111において、通常フィードバック制御量QNFBによる通常フィードバック制御QNFB1による制御処理を開始する。この通常フィードバック制御量QNFBには、吸入空気補正量Qchgは加算されず、この通常フィードバック制御量QNFBは、実回転速度Neと目標回転速度TNeとの偏差に応じて変化し、通常フィードバック制御QNFB1は、この通常フィードバック制御量QNFBに基づいて、実回転速度Neを目標回転速度TNeに収束させる。
このように、電気負荷変化がない場合には、ステップS111により、通常フィードバック制御量QNFBに基づいて、通常フィードバック制御QNFB1が実行されるが、電気負荷変化時には、その電気負荷が変化した時点taにおいて、ステップS106で通常フィードバック制御QNFB1を停止させるとともに、ステップS111による通常フィードバック制御QNFB1に代わって、ステップS104により、吸入空気補正量Qchgが加算された電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELに基づいて、電気負荷変化時フィードバック制御QNFB2が実行される。電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELは、電気負荷の変化の時点taにおいて、吸入空気補正量Qchgが加算された制御量であり、時点taから通常フィードバック制御量QNFBとは異なる制御量とされるので、吸入空気補正量Qchgが必要量よりも大き過ぎて、電気負荷変化に伴ない実回転速度Neが上昇する第1のケースでも、また、吸入空気補正量Qchgが必要量よりも小さ過ぎて、電気負荷変化に伴ない実回転速度Neが低下する第2のケースでも、実回転速度Neの変動収束時間を短くして、実回転速度Neをより早く目標回転速度TNeに収束させることができる。
次に、ステップS107において、車両が走行か否かの判定を実施する。車両が停止している場合には、ステップS107の判定結果はNoとなり、ステップS108に移行する。
ステップS108では、電気負荷変化時フィードバック制御QNFB2により、実回転速度Neが、目標回転速度TNeに対する所定回転速度範囲(TNe±Y)以内となったか否かの判定を実
施する。実回転速度Neが、目標回転速度TNeに対する所定回転速度範囲(TNe±Y)以内と
なった場合には、ステップS108の判定結果はYesとなり、実回転速度Neが目標回転速
度TNeに収束したと判断され、ステップS109に移行する。このステップS109では
、実回転速度Neが所定回転速度範囲(Tne±Y)に収束した時点tbにおける電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELが通常フィードバック制御量QNFBと等しくなるように、通常フィードバック制御量QNFBが置き換えられ、ステップS110に移行する。このステップS110では、ステップS109で電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELと等しくなるように置き換えられた通常フィードバック制御量QNFBを初期値として、通常フィードバック制御QNFB1の制御処理が開始され、図2の処理ルーチンを終了する。
このように、電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELにより電気負荷変化時フィ
ードバック制御QNFB2を実施している場合に、ステップS106で、通常フィードバック制御量QNFBの更新を停止しても、ステップS109において、実回転速度TNeが所定回転
速度範囲(TNe±Y)に収束した時点tbにおける電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELと等しくなるように置き換えられた通常フィードバック制御量QNFBを初期値として通常フィードバック制御QNFB1の制御処理を開始する。
なお、ステップS107において、車両が走行中である場合には、ステップS107の判定結果はYesとなり、ステップS108、S109をスキップして、ステップS110
に移行し、通常フィードバック制御量QNFBによる通常フィードバック制御QNFB1の制御処理を開始し、図2の処理ルーチンを終了する。これにより、電気負荷変化前の安定したアイドル回転速度となる空気量に戻すことができ、図11に関連して説明したように、OFFアイドルからアイドル状態になった場合におけるフィードバック制御量の更新停止による実回転速度の低下を抑制することができる。
ステップS105において、電気負荷変化時フィードバック制御QNFB2が制御中でない場合には、ステップS105の判定結果はNoとなり、ステップS111に移行し、通常フィードバック制御QNFB1が実行されるが、このステップS111から、さらにステップS112に移行する。このステップS112では、ステップS111における通常フィードバック制御量QNFBが、電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELに等しくなるように、電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELを置き換えた後で、図2の処理ルーチンを終了する。このステップS112の制御により、電気負荷変化フィードバック制御QNFB2が実行されていない場合には、電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELは、通常フィードバック制御量QNFBと等しくされる。
ステップS108において、実回転速度Neが所定回転速度範囲(TNe±Y)の外にあり、ステップS108の判定結果がNoとなれば、実回転速度Neは目標回転速度TNeに収束して
いないと判断され、図2の処理ルーチンを終了する。
図2の処理ルーチンを、繰り返し行うことで、実施の形態1に係る内燃機関制御装置に
おける吸入空気量制御によるアイドル回転速度制御を実施している。
次に、実施の形態1に係る内燃機関制御装置におけるアイドル回転速度の制御について
、図3を参照して、さらに具体的に説明する。図3は、実施の形態1に係る内燃機関制御装置におけるアイドル回転速度の制御動作を示すタイムチャートである。図3(A)は交流発電機50に対する電気負荷の変化を、図3(B)はその電気負荷の変化に対応するバッテリ電圧VBの変化を、図3(C)はその電気負荷の変化に対応する吸入空気補正量Qchgをそれぞれ示す。図3(D)は、図3(A)の電気負荷の変化に対応して、実回転速度Neが上昇する第1のケースにおける各制御量の変化を示し、図3(D1)は、その通常フィードバック制御量QNFBの変化を、図3(D2)は、その電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELの変化を、図3(D3)は、その実回転速度Neの変化をそれぞれ示す。また、図3(E)は、図3(A)の電気負荷の変化に対応して、実回転速度Neが低下する第2のケースにおける各制御量の変化を示し、図3(E1)は、その通常フィードバック制御量QNFBの変化を、図3(E2)は、その電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELの変化を、図3(E3)は、その実回転速度Neの変化をそれぞれ示す。図3(A)(B)(C)、(D1)〜(D3)、(E1)〜(E3)の横軸は、それらに共通する時間軸である。
図3では、横軸に沿って時点ta、tbが間隔をおいてプロットされ、これらの時点ta、tbに関連して期間T1、T2、T3が示される。期間T1は、時点taまでの期間であり、期間T2は、時点taと時点tbの間の期間であり、期間T3は、時点tb以降の期間である。時点taは、電気負荷の変化が起こった時点を示し、図3(A)は、この時点taで、電気負荷群70のある負荷が投入され、交流発電機50に対する電気負荷が変化量Lchgだけ増大した場合を例示している。この時点taで電気負荷の変化に伴なう実回転速度Neの変動が起こる。
まず、期間T1では、電気負荷の新たな投入がないので、図2のステップS101の判定結果がNoとなり、またステップS105の判定結果もNoとなり、ステップS111において、通常フィードバック制御量QNFBに基づいて、通常フィードバック制御QNFB1が実行される。この通常フィードバック制御QNFB1では、ステップS111において、実回転速度Neと目標回転速度TNeとの偏差に応じて変化する通常フィードバック制御量QNFBに基づい
て、通常フィードバック制御QNFB1が行なわれ、実回転速度Neが目標回転速度TNeに等し
くなるよう制御が繰返される。なお、この期間T1では、ステップS111に続いてステップS112も実行され、このステップS112において、電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELが、通常フィードバック制御量QNFBと等しくなるように制御されるが、ス
テップS104は実行されないので、電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELが吸
入空気量を制御する作用はない。
期間T2では、時点taにおける電気負荷の投入により、図2のステップS102〜S104が実行され、ステップS104において、電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELに基づいて、電気負荷変化時フィードバック制御QNFB2が実行される。期間T2の終りの時点tbにおいて、実回転速度Neが所定回転速度範囲(Tne±Y)内に収束するとする。
期間T2について、さらに具体的に説明する。時点taにおいて、電気負荷の負荷変化量Lc
hgに対応して、バッテリ電圧VBが図3(B)に示すように低下し、このバッテリ電圧VBの低下に対応して、図2のステップS102で吸入空気補正量Qchg=bが設定される。この吸入空気補正量Qchg=bは、図2のステップS103において、電気負荷変化時フィードバ
ック制御量QNFB_ELに加算され、ステップS104において、この吸入空気補正量Qchg=b
が加算された電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELに基づいて、電気負荷変化時
フィードバック制御QNFB2が開始される。この電気負荷変化フィードバック制御QNFB2が開始されると、ステップS105の判定結果はYesとなり、ステップS106において、
通常フィードバック制御量QNFBの更新が停止され、通常フィードバック制御QNFB1は停止し、通常フィードバック制御量QNFB=aが維持される。吸入空気補正量Qchg=bは、前述の通り、余り正確な制御量ではなく、この吸入空気補正量Qchg=bが加算された電気負荷変化時フィードバック制御QNFB2により、実回転速度Neが上昇する第1のケースと、実回転速度Neが低下する第2のケースの2つのケースが想定される。図3(D)は、第1のケースを例示する。この図3(D)のケースは、吸入空気補正量Qchg=bが、必要量よりも大き過
ぎたケースである。図3(E)は、第2のケースを例示する。この図3(E)のケースは、吸入空気補正量Qchg=bが、必要量よりも小さ過ぎたケースである。
図3(D)の第1のケースでは、時点taにおいて、ステップS105の判定結果がYes
となり、ステップS111、S112は作動せず、また、ステップS106で通常フィードバック制御量QNFB=aは更新が停止されるので、通常フィードバック制御量QNFBは、期間T2を通じて、時点taと同じ制御量QNFB=aを維持する。また、時点taにおいて、図3(D2)に示すように、吸入空気補正量Qchg=bが電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELに加算され、この吸入空気補正量Qchg=bが加算された電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELを初期値として、電気負荷変化時フィードバック制御QNFB2が実行される。
図3(D)の第1のケースでは、吸入空気補正量Qchg=bが必要量よりも大き過ぎるので、実回転速度Neは図3(D3)に示すように、時点taの後、目標回転速度TNeよりも上昇し、電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELは、この実回転速度Neの上昇に伴なって減少する。図3(D)のケースでは、実回転速度Neが、時点tbにおいて、所定回転速度範囲(TNe+Y)以下に低下し、これがステップS108で判定され、ステップS109で、時点tbにおける通常フィードバック制御量QNFBの初期値を、時点tbにおける電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_EL=a+cと等しくした上で、ステップS110において、通常フィードバック制御QNFB1が開始される。時点tb以降の期間T3では、ステップS110において、時点tbにおける電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_EL=a+cと等しくされた通常フィードバック制御量QNFB=a+cを初期値として、通常フィードバック制御QNFB1が実行され、実回転速度Neは、目標回転速度TNeにより近付けられる。
図3(E)の第2のケースでは、吸入空気補正量Qchg=bが必要量よりも小さ過ぎるので、実回転速度Neは図3(E3)に示すように、時点taの後、目標回転速度TNeよりも低下し、電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELは、図3(E2)に示すように、この実回転速度Neの低下に伴なって上昇する。図3(E)のケースでは、図3(E3)に示すように、実回転速度Neが、時点tbにおいて、所定回転速度範囲(TNe−Y)以上に上昇し、これがステップS108で判定され、ステップS109で、時点tbにおける通常フィードバック制御量QNFBの初期値を、時点tbにおける電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_EL=a+dと等しくするように置換えた上で、ステップS110において、通常フィードバック制御QNFB1が開始される。時点tb以降の期間T3では、ステップS110において、時点tbにおける電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_EL=a+dと等しくされた通常フィードバック制御量QNFB=a+dを初期値として、通常フィードバック制御QNFB1が実行され、実回転速度Neは、目標回転速度TNeにより近付けられる。
なお、図3(D)(E)のいずれのケースでも、期間T3では、電気負荷変化フィードバ
ック制御QNFB2による吸入空気量の制御は行なわれない。
以上のように、実施の形態1に係る内燃機関制御装置におけるアイドル回転速度の制御によれば、電気負荷の変化が検出された時点taにおいて、通常フィードバック制御QNFBを停止するとともに、吸入空気補正量Qchg=bが加算された電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELに基づいて、電気負荷変化フィードバック制御QNFB2を開始するので、電気
負荷の変動の伴なう実回転速度Neの変動を、より短い変動収束時間で収束させることができる。
また、図11に関連して述べたように、OFFアイドルからアイドル状態になった場合のフィードバック制御量更新の停止による回転低下を抑制することができ、加えて、従来の制御とは違い、吸入空気補正量Qchg=bを電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_EL
に加算して、時点taから負荷変化時フィードバック制御QNFB2を実施することで、回転低下を抑制して、目標回転速度TNeへの収束性が、従来よりも速くなり、電気負荷変化によ
る回転速度Neの変動を、短い変動抑制時間で抑制することができる。
なお、ステップS102の説明で予め電気負荷に対応した吸入空気量を設定しているマップにより吸入空気補正量Qchg=bを算出するとしたが、バッテリ電圧VBの電圧変化量により算出する手段でも同様の効果が得られる。また、図示はしていないが、電気負荷が投入されると、交流発電機50の発電量に応じて、定量的に空気量補正する制御は同時に作動している。
実施の形態2.
実施の形態1では、算出した吸入空気補正量Qchgを、運転状態を考慮せずに、電気負荷
変化時フィードバック制御量QNFB_ELに加算したが、図4に示すように、所定回転速度、
および吸入空気補正量Qchgと電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELとの比較によ
り、吸入空気補正量Qchgの処理を変更することもできる。図4はこの発明の実施の形態2に係る内燃機関制御装置の制御処理の一部を示すフローチャートであり、この図4に示すフローチャートは、図2のステップS103の処理に代わって処理される。図4のSTART
は、図2のステップS102の出力に対応し、また、図4のRETURNは、図2のステップS104の入力に相当する。なお、実施の形態2に係る内燃機関制御装置でも、図1に示すシステム構成がそのまま使用される。
図5は、この実施の形態2に係る内燃機関制御装置におけるアイドル回転速度の制御動作を示すタイムチャートであり、電気負荷1、2の変化により、実回転速度Neが上昇するケースにおける各制御量の変化を例示する。図5(A1)は電気負荷1の変化を、図5(A2)は電気負荷2の変化を、図5(B)は吸入空気補正量Qchgの変化を、図5(C)は通常フィードバック制御量QNFBの変化を、図5(D)は電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELの変化を、図5(E)は実回転速度Neの変化をそれぞれ示す。時点ta1は、図5(A1)に示す電気負荷1の変化時点であり、時点ta2は、図5(A2)に示す電気負荷2の変化時点である。時点ta1において、図5(B)に示す吸入空気補正量Qchg=b1が算出され、時点ta2において、図5(B)に示す吸入空気補正量Qchg=b2が算出されるものとする。時点tb1は、図5(E)に示す実回転速度Neが、所定回転速度(TNe+X)に低下した時点であり、時点tb2は、実回転速度Neが、所定回転速度(TNe+Y)に低下した時点である。なお、X、Yは、X>Yの関係である。
まず、図4を参照しながら、この発明の実施の形態2について説明する。なお、内燃機関制御装置の構成は、図1に示した通りである。図4のフローチャートは、ステップS201〜S205を含んでいる。
ステップS201では、実回転速度Neが所定回転速度(TNe+X)以下か否かの判定を実施
する。実回転速度Neが所定回転速度(TNe+X)以下であれば、ステップS201の判定結果
はYesとなり、ステップS202に移行する。このステップS202では、電気負荷変化
時フィードバック制御量QNFB_ELに、図2のステップS102により、時点ta1において
、図2のステップS102により算出された吸入空気補正量Qchg=b1を加算し、図4の処
理ルーチンを終了する。これは、図2のステップS103と実質的に同じ処理を実施している。これは、実回転速度Neが所定回転速度(TNe+X)以下である場合には、ステップS2
02に移行し、電気負荷の投入による回転低下が予測されるため、電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELに吸入空気補正量Qchg=b1を加算する処理を実施している。
一方、ステップS201において、実回転速度Neが所定回転速度(TNe+X)より大きければ、ステップS201の判定結果はNoとなり、ステップS203に移行する。このステップS203では、フィードバック補正値(QNFB_EL-QNFB)が負方向であるか否かの判定を実施する。例えば、電気負荷2が時点ta2で投入されると、この時点ta2におけるフィードバック補正値(QNFB_EL-QNFB)が負方向であるか否かの判定を実施する。この時点ta2におけるフィードバック補正値(QNFB_EL-QNFB)は、図2のステップS106で更新を停止した時点ta1における通常フィードバック制御QNFB1の通常フィードバック制御量QNFB=aに対する、時点ta2における電気負荷変化時フィードバック制御QNFB2の電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELの補正方向を表わし、これは、時点ta2における電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELから、ステップS106で更新を停止した時点における通常フィードバック制御量QNFB=aを減算した値である。このフィードバック補正値(QNFB_EL-QNFB)が負方向であれば、ステップS203の判定結果はYesとなり、ステップS202に移行し、時点ta2における電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELに吸入空気補正量Qchg=b2を加算し、図4の処理ルーチンを終了する。
図4のステップS203の処理では、時点ta1において、電気負荷1が投入されたことにより、図2のステップ102で、図5(B)に示すように、吸入空気補正量Qchg=b1が
算出され、この吸入空気補正量Qchg=b1が正確でなくて、実回転速度Neが上昇し、所定回
転速度(Tne+X)以上となり、この状態において、時点ta2において、さらに電気負荷2が投入され、図2のステップS102で吸入空気補正量Qchg=b2が算出されることを想定
している。時点ta2では、実回転速度Neが所定回転速度(TNe+X)以上となるため、ステップS201からステップS203に移行し、このステップS203の判定結果がYesとなり、時点ta2における電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELが通常フィードバック制御量QNFBよりも小さくなっている場合、すなわち、フィードバック補正値(QNFB_EL-QNFB)が負となっている場合には、吸入空気量を電気負荷2の投入前よりも小さく補正していることを意味し、回転低下が発生し易いため、ステップS203からステップS202に移行し、時点ta2における電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELに、時点ta2における吸入空気補正量Qchg=b2を加算し、電気負荷の投入による回転低下を抑制している。
一方、時点ta2において、フィードバック補正値(QNFB_EL-QNFB)が、負方向でなければ、ステップS203の判定結果はNoとなり、ステップS204に移行し、吸入空気補正量Qchg=b2と、時点ta2におけるフィードバック補正値(QNFB_EL-QNFB)の比較により処
理を判定する。時点ta2において、吸入空気補正量Qchg=b2が、フィードバック補正値(QNFB_EL-QNFB)よりも大きい場合には、ステップS204の判定結果はYesとなり、ステップS205に移行し、更新を停止した時点ta1における通常フィードバック制御量QNFB=aに吸入空気補正量Qchg=b2を加算した値を、電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELに設定し、図4の処理ルーチンを終了する。
一方、時点ta2において、吸入空気補正量Qch=b2よりも、フィードバック補正値(QNFB
_EL-QNFB)が大きい場合には、ステップS204の判定結果はNoとなり、図4の処理ルーチンを終了する。これは、実回転速度Neが所定回転速度(TNe+X)以上であって、ステップS203に移行し、このステップS203において、電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELが通常フィードバック制御量QNFBよりも大きくなっている場合、すなわち、
時点ta2におけるフィードバック補正値(QNFB_EL-QNFB)が正であって、ステップS203の判定結果がNoである場合には、吸入空気量は電気負荷投入前よりも大きく補正していることを意味し、回転低下が発生しにくい状態となっている。よって、ステップS204において、フィードバック補正値(QNFB_EL-QNFB)と、電気負荷2の発生により算出された吸入空気補正量Qchg=b2の比較を行ない、例えば時点ta2において、吸入空気補正量Qchg=b2が、フィードバック補正値(QNFB_EL-QNFB)より大きければステップS205に移行し、時点ta2における通常フィードバック制御量QNFB=aに、時点ta2における吸入空気補正量Qchg=b2を加算した値を電気負荷変化時フィードバック制御QNFB_ELに設定する。逆に、ステップS204において、例えば時点ta2において、吸入空気補正量Qchg=b2が、フィードバック補正値(QNFB_EL-QNFB)より小さければ、電気負荷変化時フィードバック制御QNFB_ELに、吸入空気補正量Qchg=b2を加算しなくても、電気負荷に対して十分対応できるため、そのまま図4の処理ルーチンを終了する。
図4に示す制御処理を実施することで、電気負荷変化が連続的に発生した場合において、適切な要求空気量を設定することができるため、電気負荷変化による回転変動を抑制することができる。
次に、実施の形態2の係る内燃機関制御装置のアイドル回転速度について図5を参照しながら、さらに具体的に説明する。電気負荷変化が連続して発生した場合、時刻ta1で電気負荷1が投入されると、図2のステップS102において、図5(B)に示すように、吸入空気補正量Qchg=b1が設定され、また、図5(C)に示すように、通常フィードバッ
ク制御量QNFBは、図2のステップS106において、時点ta1から更新が停止され、通常フィードバック制御量QNFB=aを維持する。時点ta1における実回転速度Neは、図5(E
)に示すように、所定回転速度(TNe+X)よりも低いので、図4のステップS201の判
定結果はYesとなり、設定された吸入空気補正量Qchg=b1は、図4のステップS202において、電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELに加算されるとともに、図2のステ
ップS106において、通常フィードバック制御量QNFBの更新は停止する。図5では、算出された吸入空気補正量Qchg=b1が正確でなく、実回転速度Neが吹き上がってしまったと
想定する。
時点ta2において、さらに、電気負荷2が投入された場合、図2のステップS102において、吸入空気補正量Qchg=b2が算出される。このとき、実回転速度Neは所定回転速度
(TNe+X)よりも高いため、ステップS201の判定結果はNoとなり、次のステップS2
03において、フィードバック補正値(QNFB_EL-QNFB)の補正方向を判定する。フィードバック補正値(QNFB_EL-QNFB)は、電気負荷変化時フィードバック制御QNFB2の電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELから、通常フィードバック制御QNFB1の通常フィー
ドバック制御量QNFBを減算して求めることができるので、例えば時点ta2では、フィードバック補正値(QNFB_EL-QNFB)=eと設定される。このとき、フィードバック補正値(QNFB_EL-QNFB)=eは正の値であり、吸入空気補正量Qchg=b2よりも小さく、ステップS204の判定結果はYesとなる。よって、例えば時点ta2において、電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELは、ステップS205において、更新が停止した時点ta1における通常フィードバック制御量QNFB=aに吸入空気補正量Qchg=b2を加算した制御量に設定される。
その後、電気負荷変化時フィードバック制御QNFB2を実施し、上述した実施の形態1と同様の処理を行なう。時点tb2において、図5(E)に示すように、実回転速度Neが所定
回転速度範囲(TNe+Y)まで低下すれば、図2のステップS110による通常フィードバック制御QNFB1が、通常フィードバック制御量QNFB=a+cを初期値として実行され、実回転
速度Neは、目標回転速度TNeにさらに近付けられる。
このように、実施の形態2により制御処理を実施することで、電気負荷変化が連続的に発生した場合でも、吸入空気補正量が連続して加算されることがないため、機関回転速度の上昇を抑えることができ、更に、適切な吸入空気量が設定できるため、より早く回転変動抑制を行なうことができる。
実施の形態3.
実施の形態1と実施の形態2では、徐励制御の交流発電機を使用した場合について特に
考慮をしなかったが、図6に示すように、交流発電機の発電量に応じて処理を変更することもできる。実施の形態3に係る内燃機関制御装置は、この交流発電機の発電量に応じてアイドル回転速度の制御を変更したものである。図6は、この発明による内燃機関制御装置の実施の形態3におけるアイドル制御の制御処理の一部を示すフローチャートである。図6は、図2のステップS101からステップS104に至るフローチャートであるが、実施の形態1によるアイドル制御を示す図2と比較すると、ステップS301がステップ
S102の前に実施される点だけが異なっている。それ以外のステップS101、S102、S103、S104は実施の形態1と同じであるので、説明は割愛する。図6のRETURNは、図2のステップS105の入力に相当する。なお、実施の形態3に係る内燃機関制御装置でも、図1に示すシステム構成がそのまま使用される。
ステップS301では、交流発電機50の発電量が内燃機関の負荷変動に対して飽和状態にあるか否かの判定を実施する。この判定については、交流発電機50の負荷変化が飽和する発電量を所定値XFTとし、交流発電機50の発電量が所定値XFT以上か未満かによって判定すればよい。交流発電機50の発電量は、電子制御装置40で算出される。なお、交流発電機50の発電量は、その発電率に比例、発電率の変化と同じ変化となるので、この発電率の変化を用いてもよい。
交流発電機50の発電量が内燃機関の負荷変動に対して飽和状態にあり、所定値XFTで
あれば、ステップS301の判定結果はYesとなり、ステップS102〜S104をスキ
ップし、図6の処理ルーチンを終了する。例えば、交流発電機50の発電量が内燃機関の負荷変動に対して飽和状態にあり、所定値XFTであれば、さらに電気負荷が発生しても、
これ以上電力を供給することができない。言い換えれば、これ以上、交流発電機50の駆動トルクによる負荷は発生しない。このため、電気負荷の発生により吸入空気補正量Qchgを加算してしまうと、それを加算したことにより実回転速度Neに回転変動が発生してしまうため、交流発電機50の発電量が内燃機関の負荷変動に対して飽和状態にある場合には、ステップS102〜S104をスキップし、図6の処理ルーチンを終了する。一方、交流発電機50の発電量が内燃機関の負荷変動に対して飽和状態になければ、ステップS301の判定結果はNoとなり、ステップS102に移行し、実施の形態1と同様に、ステップS102〜S104が実行される。
図6に示す制御処理を実施することで、近年、一般的に使用されている、徐励制御の交流発電機50が搭載された車両において、発電量が内燃機関の負荷変動に対して飽和状態である場合に電気負荷変動を検出しても、吸入空気補正量Qchgを演算しないため、吸入空気補正量Qchgを加算することによる回転変動の発生を抑制することができる。
実施の形態3に係る内燃機関制御装置のアイドル回転速度の制御について、図7のタイムチャートを参照しながら、さらに具体的に説明する。図7(A1)は電気負荷1の変動を、図7(A2)は電気負荷2の変動を、図7(B)は吸入空気補正量Qchgの変動を、図
7(C)は電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELの変化を、図7(D)は実回転
速度Neの変化を、図7(E)は交流発電機50の発電量の変化をそれぞれ示す。この図7(A1)(A2)〜(E)の横軸は、それらに共通する時間軸である。時点ta1は、電気負荷1が変化した時点であり、時点ta2は電気負荷2が変化した時点である。
時点ta1において、電気負荷1が投入されると、ステップS102において、吸入空気補正量Qchg=b1が算出され、ステップS103において、電気負荷変化時フィードバック
制御量QNFB_ELに吸入空気補正量Qchg=b1が加算される。また、電気負荷1が投入されたことにより、交流発電機50の発電量が、所定値XFRを超えるとする。所定値XFRは、交流発電機50の負荷変化が飽和する発電量として設定される。時点ta2において、電気負荷2がさらに投入されても、交流発電機50の発電量が飽和状態であるため、電気負荷2の投入による吸入空気補正量Qchg=b2は算出しない。このように、交流発電機50の発電量が
所定値XFT以上であれば、吸入空気補正量Qchg=b2を算出しないため、吸入空気補正量Qchg=b2を加算することによる回転変動の発生を抑制することができる。
なお、図7では図示するのを省略したが、実回転速度Neが所定回転速度範囲(TNe+Y)に低下した後、図3(D)と同様に、通常フィードバック制御量QNFB=a+cを初期値として
、通常フィードバック制御QNFB1が実行される。
実施の形態4.
図8は、この発明による内燃機関制御装置の実施の形態4におけるアイドル回転速度の制御処理の一部を示すフローチャートである。この実施の形態4では、徐励制御の交流発電機50を使用し、この交流発電機50の発電量に応じてフィードバック制御処理を変更している。図8のフローチャートは、図2のステップS104とステップS105の間で実施されるもので、ステップS401〜S407を含む。図8のSTARTは、図2のステッ
プS104の出力に相当し、RETURNはステップS105の入力に相当する。なお、ステップS101の判定結果がNoとなった場合には、ステップS401の判定前にスキップする。なお、実施の形態4に係る内燃機関制御装置でも、図1に示すシステム構成がそのまま使用される。
まず、ステップS401において、交流発電機50の発電量が上昇しているか否かの判定を行なう。その発電量が上昇中であれば、ステップS401の判定結果はYesとなり、
図8の処理ルーチンを終了する。これは、電気負荷の投入により、電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELによる電気負荷変化時フィードバック制御QNFB2の処理中におい
て、交流発電機50の発電量が上昇している場合には、電気負荷変化による発電量が過渡変化中であるため、そのまま、電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELによる電気
負荷変化時フィードバック制御QNFB2の制御処理を実施する。
一方、ステップS401の判定結果がNoであれば、ステップS402に移行し、交流発電機50の発電量が下降しているか否かを判定する。交流発電機50の発電量が下降している場合には、ステップS402の判定結果はYesとなり、ステップS403に移行し、
所定時間Tをセットし、図8の処理ルーチンを終了する。所定時間Tは、交流発電機50の発電量が過渡変化終了後、電気負荷による変動が安定した期間を表わす。これは、ステップS401で交流発電機50の発電量が上昇しておらず、ステップS402に移行し、このステップS402において、電気負荷が遮断された場合、または、交流発電機50の発電によりバッテリ電圧VBが規定値に戻ることで、その発電量が一定となった場合に、ステップS403に移行し、所定時間Tをセットする。
ステップS402の判定結果がNoとなった場合、すなわち、交流発電機50による発電量が一定となっている状態の場合には、ステップS404に移行する。このステップS4
04において、初めて交流発電機50の発電量が飽和状態となったか否かの判定を行なう。このステップS404の判定結果がYesとなれば、ステップS403に移行し、所定時間Tをセットする。このように、交流発電機50の発電量が上昇し、初めて発電量が飽和状態に達した場合に、ステップS403に移行し、所定時間Tをセットする。このように処理することで、交流発電機50の発電量が上昇し、発電量が飽和状態となった時点で所定時間Tをセットすることができる。
一方、ステップS404の判定結果がNoとなった場合には、ステップS405に移行する。ステップS405では、ステップS403でセットした所定時間Tが経過したか否か
の判定を行なう。所定時間Tが経過していなければ、ステップS405の判定結果はNoと
なり、図8の処理ルーチンを終了する。この制御により、交流発電機50の発電量が一定となり、所定時間Tがセットされると、ステップS405に移行し、所定時間Tが経過していなければ、図2のステップS104における電気負荷変化時フィードバック制御QNFB_ELによる制御を継続する。
ステップS405において、所定時間Tが経過し、ステップS405の判定結果Yesとなった場合には、ステップS406に移行し、電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELを通常フィードバック制御量QNFBに置き換える。そして、ステップS407に移行し、通常フィードバック制御量QNFBによる通常フィードバック制御処理QNFB1を開始し、図8の処理ルーチンを終了する。この制御により、交流発電機50の発電量が一定となり、所定時間Tがセットされると、ステップS405に移行し、所定時間Tが経過していれば、電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELによる電気負荷変化フィードバック制御QNFB2から、通常フィードバック制御量QNFBによる通常フィードバック制御QNFB1に切り換えている。
この制御に基づき、交流発電機50の発電量が過渡変化中には、電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELによる電気負荷変化時フィードバック制御QNFB2を実施し、交流
発電機50の発電量の過渡変化後に所定時間Tをセットすることで、この所定時間Tの期間中は電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELによる電気負荷変化時フィードバック
制御QNFB2を実施する。所定時間Tの経過後では、電気負荷の投入による、交流発電機5
0の発電変動は収束しているため、電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELを通常
フィードバック制御量QNFBに置き換え、通常フィードバック制御量QNFBによる通常フィードバック制御QNFB1を実施する。
実施の形態4の構成によると、発電変化期間が正確に判定できるので、発電量が過渡変化中および過渡変化終了後の所定時間Tでは、電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELに切り換え、電気負荷変化による実回転速度Neの変動を抑えることができる。
なお、図2のステップS101で電気負荷の投入がなく、判定結果がNoとなった場合は、所定時間Tはゼロにセットされ、実施の形態4を実施する。
図9は、実施の形態4に係る内燃機関制御装置におけるアイドル回転速度の制御動作を示すタイムチャートである。この図9を参照しながら、実施の形態4について、さらに具体的に説明する。図9(A)は電気負荷の変化を、図9(B)はバッテリ電圧VBの変化を、図9(C)は吸入空気補正量Qchgの変化を、図9(D)は通常フィードバック制御量QNFBの変化を、図9(E)は電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELの変化を、図9(F)は内燃機関の実回転速度Neの変化を、図9(G)は交流発電機50の発電量の変化をそれぞれ示す。この図9(A)〜(G)の横軸は、それらに共通な時間軸である。時点taは図9(A)に示す電気負荷が変化した時点であり、時点tcは図9(B)に示すバッテリ電圧VBがもとの値に戻った時点であり、時点tdは時点tcから所定時間Tが経過した時点である。
時点taまでの期間T1では、通常フィードバック制御量QNFBによる通常フィードバック制御QNFB1が実行され、時点taと時点tdの間の期間T2では、電気負荷変化フィードバック制御量QNFB_ELによる電気負荷変化時フィードバック制御QNFB2が実行され、また、時点td
以降の期間T3では、通常フィードバック制御量QNFBによる通常フィードバック制御QNFB1が実行される。
時点taにおいて、電気負荷が投入されたとする。この時点taにおいて、通常フィードバック制御量QNFBは、その更新が停止され、通常フィードバック制御QNFB1が停止され、通常フィードバック制御量QNFBは、時点taにおける制御量QNFB=-aを維持する。併せて、時点taにおいて、電気負荷が投入されたことにより、交流発電機50は時点tcまで徐々に発電量を増加させ、ステップS401の判定結果はYesとなり、図2のステップS102において、吸入空気補正量Qchg=bが算出され、ステップS103において、この吸入空気補正量Qchg=bが電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELに加算され、ステップS104において、吸入空気補正量Qchg=bが加算された電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_EL=-a+bによる電気負荷変化時フィードバック制御QNFB2が開始される。このとき、電気負荷変化による発電量が過渡変化中であるため、ステップS401の判定結果はYesとなり、そのまま、電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELによる電気負荷変化時フィードバック制御QNFB2の制御処理が実施される。
時点tcにおいて、図9(B)に示すように、バッテリ電圧VBが規定値に戻ることにより、交流発電機50の発電量は、図9(G)に示すように一時低下し、ステップS402の判定結果がYesとなり、ステップS403で所定時間Tがセットされ、またステップS404の判定結果もNoとなる。
時点tcから所定時間Tが経過した時点tdでは、ステップS405の判定結果がYesとなり、ステップS406において、時点tdにおける電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_EL=cを通常フィードバック制御量QNFBに置き換え、ステップS407において、通常フィードバック制御量QNFBによる通常フィードバック制御QNFB1の制御処理を実施する。
このような制御にすることで、交流発電機50の発電量が過渡変化中および過渡変化終了後所定時間Tの期間では、電気負荷変化時フィードバック制御量QNFB_ELによる電気負荷時フィードバック制御QNFB2を実行することにより、電気負荷変化による内燃機関の実回転変動を抑えることができる。また、このようにすることで、電気負荷の投入後、電気負荷が徐々に変化する徐励制御を採用した場合においても、実回転速度Neが低下しにくい設定となっている。
上記実施の形態1〜4において、電気負荷の投入により算出された吸入空気補正量Qchgが必要量と合致する正確な値であった場合には、内燃機関の実回転速度の変動は生じないため、説明を割愛する。
なお、この発明は、上記実施の形態1〜4に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の精神を逸脱しない範囲で、設計において種々の変更を加えることができる。また、図1に示したシステム構成も、この発明を適用する際の一例に過ぎず、図示されたシステム以外の構成であってもこの発明が適応できることは言うまでもない。
この発明による内燃機関制御装置は、各種の車両に搭載された内燃機関制御装置として利用される。
19:回転速度検出手段、S101:電気負荷変化検出手段、
S104:電気負荷変化時フィードバック制御手段、
S110、S111、S407:通常フィードバック制御手段。

Claims (4)

  1. 内燃機関の吸入空気量を調整することにより、内燃機関の実回転速度を目標回転速度に制御する内燃機関制御装置であって、
    前記実回転速度を検出する回転速度検出手段と、
    内燃機関により駆動される交流発電機の電気負荷変化を検出する電気負荷変化検出手段と、
    前記電気負荷変化検出手段で検出した電気負荷変化に応じて吸入空気補正量を設定する吸入空気量補正演算手段、
    前記実回転速度と前記目標回転速度との偏差に応じて変化する通常フィードバック量に基づいて、前記実回転速度を前記目標回転速度に収束させる通常フィードバック制御を行なう通常フィードバック制御手段と、
    前記実回転速度と前記目標回転速度との偏差に応じて変化する電気負荷変化時フィードバック制御量に基づいて、前記実回転速度を前記目標回転速度に収束させる電気負荷変化時フィードバック制御を行なう電気負荷変化時フィードバック制御手段と、
    前記電気負荷変化時フィードバック制御が実行されているか否かを判定し、それが実行されていないときには、前記通常フィードバック制御手段により前記通常フィードバック制御を開始させ、また、それが実行されているときには、前記通常フィードバック制御を停止させる判定手段を備え、
    前記電気負荷変化フィードバック制御が実行されていないときに、前記通常フィードバック制御手段により前記通常フィードバック制御を実行し、
    前記電気負荷変化検出手段が電気負荷変化を検出した時点において、前電気負荷変化時フィードバック制御量に前記吸入空気補正量が加算され、この吸入空気補正量が加算された電気負荷変化時フィードバック制御量に基づいて、前記電気負荷変化時フィードバック制御手段が前記電気負荷変化時フィードバック制御を開始すると同時に、前記判定手段
    により、前記通常フィードバック制御手段による前記通常フィードバック制御を停止することを特徴とする内燃機関制御装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関制御装置であって、前記電気負荷変化検出手段で電気負荷変化を検出した後に、前記実回転速度が所定回転以上上昇している場合には、前記電気負荷変化時フィードバック制御量から前記通常フィードバック制御量を減算した制御量が正であって、かつ前記吸入空気補正量が、前記電気負荷変化時フィードバック制御量と前記通常フィードバック制御量との差より大きいときに、前記電気負荷変化時フィードバック制御量を、前記通常フィードバック制御量に前記吸入空気補正量を加算した値に設定することを特徴とする内燃機関制御装置。
  3. 請求項1または2記載の内燃機関制御装置であって、電気負荷変化時の発電量変化を抑制する発電量制御手段を備え、前記電気負荷変化検出手段で電気負荷変化を検出した直後に前記交流発電機の発電量が、内燃機関の負荷変動に対して飽和状態にある場合には、前記吸入空気補正量を設定しないことを特徴とする内燃機関制御装置。
  4. 請求項3記載の内燃機関制御装置であって、前記電気負荷変化検出手段で電気負荷変化を検出した後に、前記交流発電機の発電量が過渡変化中および過渡変化終了後の所定期間では、前記電気負荷変化時フィードバック制御手段により、前記実回転速度を目標回転速度に収束させることを特徴とする内燃機関制御装置。
JP2009134156A 2009-06-03 2009-06-03 内燃機関制御装置 Expired - Fee Related JP4781454B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009134156A JP4781454B2 (ja) 2009-06-03 2009-06-03 内燃機関制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009134156A JP4781454B2 (ja) 2009-06-03 2009-06-03 内燃機関制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010281243A JP2010281243A (ja) 2010-12-16
JP4781454B2 true JP4781454B2 (ja) 2011-09-28

Family

ID=43538188

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009134156A Expired - Fee Related JP4781454B2 (ja) 2009-06-03 2009-06-03 内燃機関制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4781454B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0914030A (ja) * 1995-06-27 1997-01-14 Daihatsu Motor Co Ltd 電気負荷制御によるアイドル回転制御方法
JP2003336532A (ja) * 2002-05-17 2003-11-28 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の空気量制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010281243A (ja) 2010-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5903812B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2011094561A (ja) エンジンの制御装置
US11378035B2 (en) Engine control device
JP5370567B2 (ja) 車両の制御装置
JP4979738B2 (ja) エンジン制御システム
JP4781454B2 (ja) 内燃機関制御装置
JP2016098786A (ja) 内燃機関の制御装置
JP5141673B2 (ja) 内燃機関のアイドルストップ制御装置
JP5245910B2 (ja) 内燃機関のアイドル回転速度制御装置
JP2003041973A (ja) 機関駆動式発電機の制御装置及び制御方法、並びに機関駆動式発電機の制御プログラムを記録した記録媒体
JP2009121360A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2006342706A (ja) エンジンのアイドル回転数制御装置及びアイドル回転数制御方法
JP5195639B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JP2005226656A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2010031710A (ja) 内燃機関の制御装置
JP5353392B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4238713B2 (ja) エンジンのアイドル回転速度制御装置
JP5556791B2 (ja) 内燃機関の暖機制御装置
JP5569545B2 (ja) エンジン制御装置
JP2010025040A (ja) ディーゼルエンジンの自動停止制御方法及び自動停止装置
JP2012082697A (ja) エンジン回転停止制御装置
JP4341551B2 (ja) 車両の制御装置
JP5170291B2 (ja) 車両の制御装置
JP2010185353A (ja) 燃料ポンプの制御装置
JP4998508B2 (ja) 車両の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110426

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110525

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110621

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110705

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140715

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4781454

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140715

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees