JP4780812B2 - Aluminum electrolytic capacitor - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は電解コンデンサ、特に高温寿命特性、耐湿性の良好なアルミニウム電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム電解コンデンサは、一般的には図1、図2に示すような構造からなる。すなわち、図2に示すように、帯状の高純度のアルミニウム箔に、化学的あるいは電気化学的にエッチング処理を施して、アルミニウム箔表面を拡大させるとともに、このアルミニウム箔をホウ酸アンモニウム水溶液等の化成液中にて化成処理して表面に酸化皮膜層を形成させた陽極電極箔2と、エッチング処理のみを施した高純度のアルミニウム箔からなる陰極電極箔3とを、マニラ紙等からなるセパレータ11を介して巻回してコンデンサ素子1を形成する。そして、図1に示すように、このコンデンサ素子1はアルミニウム電解コンデンサ駆動用の電解液を含浸した後、アルミニウム等からなる有底筒状の外装ケース10に収納する。外装ケース10の開口部には弾性ゴムからなる封口体9を装着し、絞り加工により外装ケース10を密封している。
【0003】
陽極電極箔2、陰極電極箔3には、図2に示すように、それぞれ両極の電極を外部に引き出すのための電極引出し手段であるリード線4、5がステッチ、超音波溶接等の手段により接続されている。それぞれの電極引出し手段であるリード線4、5は、アルミニウムからなる丸棒部6と、両極電極箔2、3に当接する接続部7と、さらに丸棒部6の先端に溶接等の手段で固着された半田付け可能な金属からなる外部接続部8とからなる。
【0004】
コンデンサ素子1に含浸されるアルミニウム電解コンデンサ駆動用の電解液には、使用されるアルミニウム電解コンデンサの性能によって種々のものがあり、その中で高電導度を有する電解液として、γ─ブチロラクトンに四級アンモニウム塩を溶解したものが知られている。さらに、最近では、γ−ブチロラクトンを主溶媒とし、溶質として環状アミジン化合物を四級化したカチオンであるイミダゾリニウムカチオンやイミダゾリウムカチオンを、カチオン成分とし、酸の共役塩基をアニオン成分とした塩、を溶解させたものがある。(特開平8−321440号公報、特開平8−321441号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、車載分野において、自動車性能の高機能化に伴い、高温となるエンジンルーム内での電子部品の使用の要求が高まっているが、前記電解液を用いた電解コンデンサでは、この高温使用に耐えられない。さらに、電解コンデンサにも半導体と同様の耐湿性が求められるようになっているが、前記電解液は耐湿性も低いという問題点があった。
【0006】
そこで、この発明の目的は、高温寿命特性、耐湿性が良好で、さらに、誘電損失、低温特性も良好なアルミニウム電解コンデンサを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、陽極引出し手段を備えた陽極電極箔と、アルミニウムからなる陰極引出し手段を備えた陰極電極箔とを、セパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子にスルホランと溶媒全体の10〜70重量%のγ−ブチロラクトンとを含む混合溶媒に四級化イミダゾリニウム塩、又は、四級化ピリミジニウム塩を電解質として溶解した電解液を含浸して外装ケースに収納したことを特徴としている。
【0009】
また、陰極電極箔として、表面の一部又は全部に、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化タンタル、窒化ニオブから選ばれた金属窒化物、又は、チタン、ジルコニウム、タンタル、ニオブから選ばれた金属からなる皮膜を形成したアルミニウム箔を用いることができる。
【0010】
さらに、陰極引出し手段の表面の一部又は全部に、陽極酸化によって形成された酸化アルミニウム層を形成することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
アルミニウム電解コンデンサの構造は図1、図2に示すように、従来と同じ構造をとっている。コンデンサ素子1は陽極電極箔2と陰極電極箔3をセパレータ11を介して巻回して形成する。また図2に示すように陽極電極箔2、陰極電極箔3には陽極引出し用のリード線4、陰極引出し用のリード線5がそれぞれ接続されている。これらのリード線4、5は、電極箔に当接する接続部7とこの接続部7と一体に形成した丸棒部6、および丸棒部6の先端に固着した外部接続部8からなる。また、接続部7および丸棒部6は高純度のアルミニウム、外部接続部8ははんだメッキを施した銅メッキ鉄鋼線からなる。このリード線4、5は、接続部7においてそれぞれステッチや超音波溶接等の手段により両極電極箔2、3に電気的に接続されている。
【0012】
陽極電極箔2は、純度99%以上のアルミニウム箔を酸性溶液中で化学的あるいは電気化学的にエッチングして拡面処理した後、ホウ酸アンモニウム、リン酸アンモニウムあるいはアジピン酸アンモニウム等の水溶液中で化成処理を行い、その表面に陽極酸化皮膜層を形成したものを用いる。
【0013】
前記のように構成したコンデンサ素子1に、アルミニウム電解コンデンサの駆動用の電解液を含浸する。
【0014】
以上のような電解液を含浸したコンデンサ素子1を、有底筒状のアルミニウムよりなる外装ケース10に収納し、外装ケース10の開口部に封口体9を装着するとともに、外装ケース10の端部に絞り加工を施して外装ケース10を密封する。封口体9は例えばブチルゴム等の弾性ゴムからなり、リード線4、5をそれぞれ導出する貫通孔を備えている。
【0015】
電解液としては、溶媒として、スルホランとγ−ブチロラクトンとを含む混合溶媒を用いるが、他の溶媒との混合溶媒としても用いることができる。そして、溶質としては、酸の共役塩基をアニオン成分とし、アルキル化イミダゾリンを四級化したカチオン、又は、アルキル化ピリミジンを四級化したカチオンをカチオン成分とする塩を溶解した電解液を用いた。
【0016】
混合する溶媒としては、プロトン性の有機極性溶媒として、一価アルコール類(エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類およびオキシアルコール化合物類(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピレングリコール、ジメトキシプロパノール等)などが挙げられる。また、非プロトン性の有機極性溶媒としては、アミド系(N−メチルホルムアミド、N,N─ジメチルホルムアミド、N─エチルホルムアミド、N,N─ジエチルホルムアミド、N─メチルアセトアミド、N,N─ジメチルアセトアミド、N─エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等)、ラクトン類(δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン等)、環状アミド系(N─メチル─2─ピロリドン、エチレンカーボネイト、プロピレンカーボネイト、イソブチレンカーボネイト等)、ニトリル系(アセトニトリル等)、オキシド系(ジメチルスルホキシド等)、2−イミダゾリジノン系〔1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ(n−プロピル)−2−イミダゾリジノン等)、1,3,4−トリアルキル−2−イミダゾリジノン(1,3,4−トリメチル−2−イミダゾリジノン等)〕などが代表として挙げられる。
【0017】
そして、アニオン成分となる酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、安息香酸、トルイル酸、エナント酸、マロン酸等を挙げることができる。
【0018】
また、カチオン成分となる四級化イミダゾリニウムとしては、1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム等が挙げられる。
【0019】
また、四級化ピリミジニウムとしては、1,3−ジメチル−4,5,6−トリヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−4,5,6−トリヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−5,6−ジヒドロピリミジニウム、1−エチル−3−メチル−4,5,6−トリヒドロピリミジニウム、1−エチル−2,3−ジメチル−4,5,6−トリヒドロピリミジニウム等が挙げられる。
【0020】
さらに、本発明の電解コンデンサ用電解液に、ほう酸系化合物、例えばほう酸、ほう酸と多糖類(マンニット、ソルビットなど)との錯化合物、ほう酸と多価アルコール(エチレングリコール、グリセリンなど)との錯化合物等、界面活性剤、コロイダルシリカ等を添加することによって、耐電圧の向上をはかることができる。
【0021】
また、漏れ電流の低減や水素ガス吸収等の目的で種々の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、芳香族ニトロ化合物、(p−ニトロ安息香酸、p−ニトロフェノールなど)、リン系化合物(リン酸、亜リン酸、ポリリン酸、酸性リン酸エステル化合物)、オキシカルボン酸化合物等を挙げることができる。
【0022】
以上のような本発明のアルミニウム電解コンデンサは、高温寿命特性、耐湿性が良好で、さらに誘電損失、低温特性も良好なアルミニウム電解コンデンサである。また、液出も少ない。
【0023】
なお、本発明の電解液において、γ−ブチロラクトンの混合溶媒中の含有率が70%より小さい場合は、寿命特性が向上し、10%より大きい場合は誘電損失、低温特性が向上するので、高温長寿命、低誘電損失、高低温特性を得ることができる。
【0024】
ここで、従来の四級化イミダゾリニウム塩又は四級化ピリミジニウム塩等の四級化環状アミジニウム塩を溶質とした電解液においては、溶媒としてγ─ブチロラクトンを用いていたが、この電解液では、寿命試験中に封口体9とリード線の丸棒部6の間から電解液が漏れるという問題があったが、本発明の電解液においては、この液出は発生しない。この理由は以下のようであると推察される。
【0025】
四級化環状アミジニウム塩を溶解した電解液が、陰極リード部より液出するメカニズムについては次のように考えられる。すなわち、従来の電解コンデンサにおいては、陰極リード線5の自然浸漬電位の方が陰極電極箔3の自然浸漬電位よりも貴な電位を示すので、直流負荷状態においては、陰極リード線に陰極箔よりも多くのカソード電流が流れることになる。また、無負荷で放置した場合は、陰極リード線と陰極箔とで局部電池が構成されて、陰極リード線にカソード電流が流れることになる。このように、負荷、無負荷、双方の場合において、陰極リード線にカソード電流が流れることになり、その結果、陰極リード線側で溶存酸素又は水素イオンの還元反応が起こり、陰極リード線の丸棒部6と接続部7の電解液界面部分で水酸イオンが生成する。
【0026】
そして、このような溶存酸素又は水素イオンの還元反応によって生成した水酸イオンは、四級化環状アミジニウムと反応し、四級化環状アミジニウムが開環して、二級アミンとなる。そして、この二級アミンは揮発性が高く、しかも吸湿性が低いので、陰極リード線の丸棒部と封口体の間に生成しても、速やかに蒸散し、液出状態とはならないことが予想される。
【0027】
しかしながら、水酸イオンが発生すると、溶媒であるγ─ブチロラクトンもこの水酸イオンと反応して、γ─ヒドロキシ酪酸となる。そして、上述した二級アミンとこのγ─ヒドロキシ酪酸が混在することになり、γ─ヒドロキシ酪酸のpH低下作用によって、四級化環状アミジニウムが開環して生成された、二級アミンが閉環して、再び四級化環状アミジニウム塩が生成される。そして、この四級化環状アミジニウム塩には揮発性はなく、吸湿性も高いので、陰極リード線の丸棒部と封口体の間に再生成した四級化環状アミジニウム塩は、吸湿して液出状態となる。以上のことは、液出した液が大部分の水と四級化環状アミジニウム塩から成っているという分析結果から、推測された。
【0028】
これに対して、本発明においては、溶媒としてスルホランと、γ─ブチロラクトンの混合溶媒を用いているので、液出状態が抑制される。すなわち、スルホランは水酸イオンと反応しないので、上述したγ−ブチロラクトンのようなpHを低下させるような物質は生成されない。したがって、γ─ブチロラクトンからγ─ヒドロキシ酪酸が生成されても、そのpH低下作用は低減され、再び生成される四級化環状アミジニウム塩の量は少なく、生成した二級アミンは揮発してしまうので、液出状態が抑制されているものと考えられる。
【0029】
さらに、本発明の電解コンデンサに、逆電圧が印加された場合にも、液出は発生しない。通常、逆電圧が印加されると、陽極側にカソード電流が流れることになるが、陽極箔の分極抵抗は陰極箔に比べて極めて大きいので、陽極側のカソード電流の大部分が陽極リード線に流れることになる。したがって、従来の電解コンデンサでは、逆電圧試験のはやい時期から、陽極リード線からの液出が発生することがあった。しかしながら、本発明の電解コンデンサにおいては、前述したような陰極側と同様の本発明の電解液の作用によるものと思われるが、この逆電圧試験においても、液出状態が抑制される。以上のように、本発明の液出防止効果は極めて強いものである。
【0030】
以上のように、本願発明の構成によると、陰極リード線の丸棒部近傍で発生した水酸イオンは四級化環状アミジニウムと反応して消失し、再生成される四級化環状アミジニウムの量は少なく、生成される二級アミンは揮発してしまうので、液出状態が抑制される。
【0031】
また、従来の電解コンデンサにおいては、無負荷放置の際に、陰極リード線4と陽極リード線5が接触した場合には、陽極リード線も陰極電極箔3と局部電池を構成することになり、陽極リード線側で溶存酸素又は水素イオンの還元反応が発生し、水酸イオンを生成して、陰極リード部と同様の理由により、陽極リード部においても液出状態となっていた。
【0032】
しかしながら、この場合も、本発明の構成によれば、陰極リード部と同様の、本発明の電解液の作用によって、液出は防止される。
【0033】
以上のような理由によって、本願発明においては、液出が防止されているものと思われる。
【0034】
また、陰極電極箔3として、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化タンタル、窒化ニオブから選ばれた金属窒化物、又は、チタン、ジルコニウム、タンタル、ニオブから選ばれた金属を蒸着法、メッキ法、塗布など従来より知られている方法により被覆した陰極電極箔を用いることができる。ここで、被覆する部分は陰極電極箔の全面に被覆してもよいし、必要に応じて陰極電極箔の一部、例えば陰極電極箔の一面のみに金属窒化物又は金属を被覆してもよい。このことによって、陰極箔の自然浸漬電位の方が陰極リード線の自然浸漬電位より貴な電位となり、さらに、カソード分極抵抗も小さくなる。したがって、過電圧が印加された際に、陰極リード線のカソード電流は微小となり、陰極リード線側の水酸イオンの生成が抑制されるので、液出防止には、さらに好適である。
【0035】
また、リード線4、5の、少なくとも丸棒部6の表面には、ホウ酸アンモニウム水溶液、リン酸アンモニウム水溶液あるいはアジピン酸アンモニウム水溶液等による陽極酸化処理によって形成した酸化アルミニウム層を形成したり、Al2 O3 、SiO2 、ZrO2 などからなるセラミックスコーティング層等の絶縁層を形成することができる。このことによって、無負荷の場合に、陰極リード線と陰極箔の局部電池を構成する面積が小さくなり、また、負荷の場合には、陰極リード線に流れるカソード電流が少なくなり、双方の場合において、陰極リード線側の水酸イオンの生成が抑制されるので、液出防止効果はさらに向上する。
【0036】
【実施例】
次にこの発明について実施例を示して説明する。図1に示すように、コンデンサ素子1は陽極電極箔2と陰極電極箔3をセパレータ11を介して巻回して形成する。また図2に示すように陽極電極箔2、陰極電極箔3には陽極引出し用のリード線4、陰極引出し用のリード線5がそれぞれ接続されている。
【0037】
これらのリード線4、5は、電極箔に当接する接続部7とこの接続部7と一体に形成した丸棒部6、および丸棒部6の先端に固着した外部接続部8からなる。また、接続部7および丸棒部6は99%のアルミニウム、外部接続部8ははんだメッキを施した銅メッキ鉄鋼線からなる。このリード線4、5は、接続部7においてそれぞれステッチや超音波溶接等の手段により両極電極箔2、3に電気的に接続されている。
【0038】
陽極電極箔2は、純度99.9%のアルミニウム箔を酸性溶液中で化学的あるいは電気化学的にエッチングして拡面処理した後、アジピン酸アンモニウムの水溶液中で化成処理を行い、その表面に陽極酸化皮膜層を形成したものを用いる。また、陰極電極箔3は、純度99.7%のアルミニウム箔をエッチングしたものを用いる。
【0039】
そして、前記のように構成したコンデンサ素子1に、アルミニウム電解コンデンサの駆動用の電解液を含浸する。電解液の組成、及び30℃と−40℃の電導度を(表1)に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
(表1)から明らかなように、本発明の実施例1〜6の30℃及び−40℃の電導度は、フタル酸テトラメチルアンモニウム又は、フタル酸トリエチルアンモニウムを溶質として用いた比較例2〜5より高く、良好な値を得ている。また、溶媒にスルホランのみを用いた比較例1の電解液は、−40℃で凝固しているが、γ─ブチロラクトンの含有率が10%以上の実施例1〜6は、−40℃においても高電導度を保っている。
【0042】
次に、高温寿命特性を評価するために、実施例2、6の電解液、及び、従来例1としてγ─ブチロラクトン75%、フタル酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム25%の電解液を、コンデンサ素子1に含浸し、有底筒状のアルミニウムよりなる外装ケース10に収納し、外装ケース10の開口部に封口体9を装着するとともに、外装ケース10の端部に絞り加工を施して外装ケース10を密封した。
【0043】
以上のように構成したアルミニウム電解コンデンサの定格は16V−47μF、ケースサイズはφ6.3mm×5mmである。そして、実施例2、実施例6及び従来例1の電解コンデンサの、各試料25個に125℃の下で定格電圧を印加し、1000時間、2000時間経過後の静電容量の変化率(ΔC)、損失角の正接(tan)の測定を行った。結果を(表2)に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
(表2)から明らかなように、溶媒中のγ─ブチロラクトンの含有率が10〜70%の範囲にある実施例2、6の電解コンデンサの高温寿命特性は、γ─ブチロラクトンのみを溶媒に用いた従来例1よりも、良好であり、初期のtanδも低く保たれている。
【0046】
次に、耐湿性を評価するために、実施例7、比較例6として、6%の水分を含む、実施例2及び従来例1の電解液を作成し、同様に電解コンデンサを作成した。そして、これらの電解コンデンサの、各試料25個を125℃の下で放置し、1000時間、2000時間経過後の静電容量の変化率(ΔC)、損失角の正接(tan)、漏れ電流(LC)の測定を行った。結果を(表3)に示す。
【0047】
【表3】
【0048】
(表3)から明らかなように、本発明の電解液に6%の水分を含有した実施例7においては、従来の電解液に6%の水分を含有した比較例6よりも、静電容量変化、損失角の正接、漏れ電流の全ての特性が良好であり、本発明の電解コンデンサにおいては耐湿性が向上していることがわかる。
【0049】
次に、液出特性を評価するために、実施例8として、実施例2の電解液を用い、陰極電極箔3の表面の全部に窒化チタンを蒸着法により被覆したものを用いて、同様に電解コンデンサを作成した。
【0050】
また、実施例9として、リード線4、5の、少なくとも丸棒部6の表面には、リン酸アンモニウム水溶液による陽極酸化処理により酸化アルミニウム層を形成したものを用いて、実施例8と同様に電解コンデンサを作成した。
【0051】
以上の実施例2、8、9の電解コンデンサ及び、従来例2としてγ─ブチロラクトン75%、フタル酸テトラメチルアンモニウム25%の電解液を用いた電解コンデンサ、従来例3としてγ─ブチロラクトン75%、フタル酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム25%の電解液を用いた電解コンデンサについて、各試料25個に125°Cの下で定格電圧を印加し、1500時間、3000時間、及び5000経過後の液出の有無について目視での観察を行った。その結果を(表4)に示す。
【0052】
【表4】
【0053】
(表4)から明らかなように、本発明の電解液を用いた実施例2の電解コンデンサは1500時間後に液出はなく、従来の電解液を用いた従来例2、3より優れており、125℃仕様においても良好な結果を得ている。また、実施例2の電解液を用い、陰極電極箔の表面の全部に窒化チタンを被覆した実施例8は、さらに液出は少なく、この電解コンデンサのリード線の丸棒部の表面に酸化アルミニウム層を形成した実施例9では、さらに液出は少ない。
【0054】
また、実施例2、8、9、従来例2、3の電解液を用いた電解コンデンサを用いて、各試料25個に85℃、85%RHの下で−1.5Vの逆電圧を印加し、250時間、500時間、及び1000時間経過後の液出の有無について目視での観察を行った。その結果を(表5)に示す。
【0055】
【表5】
【0056】
(表5)から明らかなように、逆電圧試験においても、従来例2、3では250時間において液出が発生し、それぞれ、500時間、1000時間で全数液出が発生しているが、本発明の実施例においては1000時間でも液出は発生せず、液出防止効果は極めて強い。以上のように、本発明の電解コンデンサによって、液出防止が実現されていることがわかる。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、この発明は、アルミニウム電解コンデンサにおいて、陽極引出し手段を備えた陽極電極箔と、アルミニウムからなる陰極引出し手段を備えた陰極電極箔とを、セパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子にスルホランと溶媒全体の10〜70重量%のγ−ブチロラクトンとを含む混合溶媒に四級化イミダゾリニウム塩、又は、四級化ピリミジニウム塩を電解質として溶解した電解液を含浸して外装ケースに収納したものである。
【0058】
この電解コンデンサは、高温寿命特性、耐湿性が良好で、さらに、誘電損失、低温特性も良好である。また、液出も少ない。
【0060】
また、陰極電極箔として、表面の一部又は全部に、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化タンタル、窒化ニオブから選ばれた金属窒化物、チタン、ジルコニウム、タンタル、ニオブから選ばれた金属からなる皮膜を形成したアルミニウム箔を用いることによって、液出はより少なくなる。
【0061】
さらに、陰極引出し手段の表面の一部又は全部に、陽極酸化によって形成された酸化アルミニウム層を形成することによって、液出特性はより向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルミニウム電解コンデンサの構造を示す内部断面図である。
【図2】コンデンサ素子の構造を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 コンデンサ素子
2 陽極電極箔
3 陰極電極箔
4 陽極引出し用のリード線
5 陰極引出し用のリード線
6 丸棒部
7 接続部
8 外部接続部
9 封口体
10 外装ケース
11 セパレータ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an electrolytic capacitor, and particularly to an aluminum electrolytic capacitor having a high temperature life characteristic and good moisture resistance.
[0002]
[Prior art]
An aluminum electrolytic capacitor generally has a structure as shown in FIGS. That is, as shown in FIG. 2, a strip-like high-purity aluminum foil is chemically or electrochemically etched to enlarge the surface of the aluminum foil, and this aluminum foil is formed into an aqueous solution of ammonium borate or the like.
[0003]
As shown in FIG. 2, the
[0004]
There are various electrolytic solutions for driving an aluminum electrolytic capacitor impregnated in the capacitor element 1, depending on the performance of the aluminum electrolytic capacitor used. Among them, γ-butyrolactone has four types as electrolytic solutions having high conductivity. The thing which melt | dissolved the quaternary ammonium salt is known. In addition, recently, a salt having an imidazolinium cation or an imidazolium cation, which is a cation quaternized with a cyclic amidine compound as a solute, as a cation component and an acid conjugate base as an anion component, using γ-butyrolactone as a main solvent. , Is dissolved. (Unexamined-Japanese-Patent No. 8-32440, Unexamined-Japanese-Patent No. 8-32441).
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, in recent years, in the in-vehicle field, there has been an increasing demand for the use of electronic components in an engine room that is at a high temperature as the performance of automobiles becomes higher. I can't stand it. Furthermore, the electrolytic capacitor is required to have the same moisture resistance as that of the semiconductor, but the electrolytic solution has a problem of low moisture resistance.
[0006]
Accordingly, an object of the present invention is to provide an aluminum electrolytic capacitor that has good high-temperature life characteristics and moisture resistance, as well as good dielectric loss and low-temperature characteristics.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present invention forms a capacitor element by winding an anode electrode foil provided with an anode extraction means and a cathode electrode foil provided with a cathode extraction means made of aluminum through a separator, and sulfolane and a solvent are formed on the capacitor element. A mixed solvent containing 10 to 70% by weight of γ-butyrolactone as a whole is impregnated with an electrolytic solution in which a quaternized imidazolinium salt or a quaternized pyrimidinium salt is dissolved as an electrolyte, and is stored in an outer case. It is a feature.
[0009]
Moreover, as a cathode electrode foil, a part or all of the surface is made of a metal nitride selected from titanium nitride, zirconium nitride, tantalum nitride, niobium nitride, or a metal selected from titanium, zirconium, tantalum, niobium. An aluminum foil on which a film is formed can be used.
[0010]
Furthermore, an aluminum oxide layer formed by anodic oxidation can be formed on part or all of the surface of the cathode extraction means.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The structure of the aluminum electrolytic capacitor is the same as the conventional structure as shown in FIGS. Capacitor element 1 is formed by winding anode electrode foil 2 and cathode electrode foil 3 with
[0012]
Anode electrode foil 2 is an aluminum foil having a purity of 99% or more subjected to surface expansion treatment by etching chemically or electrochemically in an acidic solution, and then in an aqueous solution such as ammonium borate, ammonium phosphate or ammonium adipate. A chemical conversion treatment is performed and an anodized film layer is formed on the surface.
[0013]
The capacitor element 1 configured as described above is impregnated with an electrolytic solution for driving an aluminum electrolytic capacitor.
[0014]
The capacitor element 1 impregnated with the electrolytic solution as described above is housed in an outer case 10 made of bottomed cylindrical aluminum, and the sealing body 9 is attached to the opening of the outer case 10, and the end of the outer case 10 The outer case 10 is sealed by drawing. The sealing body 9 is made of, for example, an elastic rubber such as butyl rubber, and has through holes through which the
[0015]
As the electrolytic solution, a mixed solvent containing sulfolane and γ-butyrolactone is used as a solvent, but it can also be used as a mixed solvent with other solvents. As the solute, an electrolytic solution in which a salt having an conjugated base of an acid as an anion component and a quaternized alkylated imidazoline or a cation quaternized as an alkylated pyrimidine as a cation component was used was used. .
[0016]
As a solvent to be mixed, as a protic organic polar solvent, monohydric alcohols (ethanol, propanol, butanol, pentanol, hexanol, cyclobutanol, cyclopentanol, cyclohexanol, benzyl alcohol, etc.), polyhydric alcohols and Examples include oxyalcohol compounds (ethylene glycol, propylene glycol, glycerin, methyl cellosolve, ethyl cellosolve, methoxypropylene glycol, dimethoxypropanol, and the like). Examples of aprotic organic polar solvents include amides (N-methylformamide, N, N-dimethylformamide, N-ethylformamide, N, N-diethylformamide, N-methylacetamide, N, N-dimethylacetamide). , N-ethylacetamide, N, N-diethylacetamide, hexamethylphosphoricamide, etc.), lactones (δ-valerolactone, γ-valerolactone, etc.), cyclic amides (N-methyl-2-pyrrolidone, ethylene carbonate) , Propylene carbonate, isobutylene carbonate, etc.), nitrile (acetonitrile, etc.), oxide (dimethyl sulfoxide, etc.), 2-imidazolidinone [1,3-dialkyl-2-imidazolidinone (1,3-dimethyl-2, etc.) -Imidazolidinone, 1,3-diechi Lu-2-imidazolidinone, 1,3-di (n-propyl) -2-imidazolidinone, etc.), 1,3,4-trialkyl-2-imidazolidinone (1,3,4-trimethyl-) 2-imidazolidinone etc.)] and the like.
[0017]
And as an acid used as an anion component, phthalic acid, isophthalic acid, terephthalic acid, maleic acid, benzoic acid, toluic acid, enanthic acid, malonic acid, etc. can be mentioned.
[0018]
Further, quaternized imidazolinium serving as a cation component includes 1,3-dimethylimidazolinium, 1,2,3-trimethylimidazolinium, 1,2,3,4-tetramethylimidazolinium, 1 -Ethyl-3-methylimidazolinium, 1-ethyl-2,3-dimethylimidazolinium and the like.
[0019]
The quaternized pyrimidinium includes 1,3-dimethyl-4,5,6-trihydropyrimidinium, 1,2,3-trimethyl-4,5,6-trihydropyrimidinium, 1,2 , 3,4-tetramethyl-5,6-dihydropyrimidinium, 1-ethyl-3-methyl-4,5,6-trihydropyrimidinium, 1-ethyl-2,3-dimethyl-4,5 , 6-trihydropyrimidinium and the like.
[0020]
Further, in the electrolytic solution for electrolytic capacitors of the present invention, boric acid compounds such as boric acid, complex compounds of boric acid and polysaccharides (mannitol, sorbit, etc.), complexes of boric acid and polyhydric alcohols (ethylene glycol, glycerin, etc.) are used. The withstand voltage can be improved by adding a compound, a surfactant, colloidal silica or the like.
[0021]
Various additives can be added for the purpose of reducing leakage current or absorbing hydrogen gas. Examples of additives include aromatic nitro compounds, (p-nitrobenzoic acid, p-nitrophenol, etc.), phosphorus compounds (phosphoric acid, phosphorous acid, polyphosphoric acid, acidic phosphoric acid ester compounds), oxycarboxylic acids A compound etc. can be mentioned.
[0022]
The aluminum electrolytic capacitor of the present invention as described above is an aluminum electrolytic capacitor having good high-temperature life characteristics and moisture resistance, and good dielectric loss and low-temperature characteristics. Moreover, there is little liquid discharge.
[0023]
Note that in the electrolytic solution of the present invention, when γ- butyrolactone mixture is less than 70% content in the solvent is improved life characteristics, greater than 10% dielectric loss, so to improve the low-temperature characteristics, high-temperature Long life, low dielectric loss, and high temperature characteristics can be obtained.
[0024]
Here, in a conventional electrolytic solution using a quaternized cyclic amidinium salt such as a quaternized imidazolinium salt or a quaternized pyrimidinium salt as a solute, γ-butyrolactone was used as a solvent. There was a problem that the electrolyte solution leaked between the sealing member 9 and the round bar portion 6 of the lead wire during the life test. However, this discharge does not occur in the electrolyte solution of the present invention. The reason is assumed to be as follows.
[0025]
The mechanism by which the electrolytic solution in which the quaternized cyclic amidinium salt is dissolved is discharged from the cathode lead portion is considered as follows. That is, in the conventional electrolytic capacitor, the natural immersion potential of the cathode lead wire 5 shows a higher potential than the natural immersion potential of the cathode electrode foil 3, so that in the DC load state, the cathode lead wire is more negative than the cathode foil. However, a lot of cathode current will flow. When left unloaded, a local battery is constituted by the cathode lead wire and the cathode foil, and a cathode current flows through the cathode lead wire. In this way, in both cases of load and no load, a cathode current flows through the cathode lead wire. As a result, a reduction reaction of dissolved oxygen or hydrogen ions occurs on the cathode lead wire side, and the cathode lead wire becomes round. Hydroxide ions are generated at the electrolyte solution interface portion of the rod portion 6 and the connecting portion 7.
[0026]
And the hydroxide ion produced | generated by the reduction reaction of such dissolved oxygen or a hydrogen ion reacts with quaternized cyclic | annular amidinium, and quaternized cyclic | annular amidinium opens a ring and becomes a secondary amine. And since this secondary amine has high volatility and low hygroscopicity, even if it is generated between the round bar part of the cathode lead wire and the sealing body, it may be quickly evaporated and not be in a liquid discharge state. is expected.
[0027]
However, when hydroxyl ions are generated, the solvent γ-butyrolactone also reacts with the hydroxide ions to form γ-hydroxybutyric acid. Then, the secondary amine mentioned above and this γ-hydroxybutyric acid are mixed, and the secondary amine produced by ring opening of the quaternized cyclic amidinium is closed by the pH lowering action of γ-hydroxybutyric acid. Thus, a quaternized cyclic amidinium salt is produced again. And since this quaternized cyclic amidinium salt is not volatile and has high hygroscopicity, the quaternized cyclic amidinium salt regenerated between the round part of the cathode lead wire and the sealing body absorbs moisture and becomes liquid. It goes out. The above was inferred from the analysis result that the liquid discharged consisted of most water and quaternized cyclic amidinium salt.
[0028]
On the other hand, in the present invention, since a mixed solvent of sulfolane and γ-butyrolactone is used as the solvent, the liquid discharge state is suppressed. That is, since sulfolane does not react with hydroxide ions, a substance that lowers the pH like γ-butyrolactone described above is not generated. Therefore, even if γ-hydroxybutyric acid is produced from γ-butyrolactone, its pH lowering action is reduced, the amount of quaternized cyclic amidinium salt produced again is small, and the produced secondary amine volatilizes. It is considered that the liquid discharge state is suppressed.
[0029]
Furthermore, liquid discharge does not occur even when a reverse voltage is applied to the electrolytic capacitor of the present invention. Normally, when a reverse voltage is applied, a cathode current flows to the anode side. However, since the polarization resistance of the anode foil is very large compared to the cathode foil, most of the cathode current on the anode side is applied to the anode lead wire. Will flow. Therefore, in the conventional electrolytic capacitor, liquid discharge from the anode lead wire may occur from the early stage of the reverse voltage test. However, in the electrolytic capacitor of the present invention, it seems that this is due to the action of the electrolytic solution of the present invention similar to that on the cathode side as described above, but the liquid discharge state is suppressed also in this reverse voltage test. As described above, the liquid discharge preventing effect of the present invention is extremely strong.
[0030]
As described above, according to the configuration of the present invention, the hydroxide ions generated in the vicinity of the round bar portion of the cathode lead wire disappear by reacting with the quaternized cyclic amidinium, and the amount of quaternized cyclic amidinium regenerated. The secondary amine produced is volatilized and the liquid discharge state is suppressed.
[0031]
Further, in the conventional electrolytic capacitor, when the
[0032]
However, also in this case, according to the configuration of the present invention, liquid discharge is prevented by the action of the electrolytic solution of the present invention similar to the cathode lead portion.
[0033]
For the reasons as described above, it is considered that liquid discharge is prevented in the present invention.
[0034]
Further, as the cathode electrode foil 3, a metal nitride selected from titanium nitride, zirconium nitride, tantalum nitride, niobium nitride, or a metal selected from titanium, zirconium, tantalum, niobium is deposited, plated, or coated. A cathode electrode foil coated by a conventionally known method can be used. Here, the part to be coated may be coated on the entire surface of the cathode electrode foil, or a part of the cathode electrode foil, for example, only one surface of the cathode electrode foil may be coated with metal nitride or metal as necessary. . As a result, the natural immersion potential of the cathode foil is nobler than the natural immersion potential of the cathode lead wire, and the cathode polarization resistance is also reduced. Therefore, when an overvoltage is applied, the cathode current of the cathode lead wire becomes minute, and the generation of hydroxide ions on the cathode lead wire side is suppressed, which is more suitable for preventing liquid discharge.
[0035]
In addition, an aluminum oxide layer formed by anodizing treatment with an aqueous solution of ammonium borate, an aqueous solution of ammonium phosphate, an aqueous solution of ammonium adipate or the like is formed on at least the surface of the round bar portion 6 of the
[0036]
【Example】
Next, the present invention will be described with reference to examples. As shown in FIG. 1, the capacitor element 1 is formed by winding an anode electrode foil 2 and a cathode electrode foil 3 through a
[0037]
These
[0038]
Anode electrode foil 2 was subjected to surface expansion treatment by chemically or electrochemically etching an aluminum foil of 99.9% purity in an acidic solution, followed by chemical conversion treatment in an aqueous solution of ammonium adipate. What formed the anodic oxide film layer is used. The cathode electrode foil 3 is obtained by etching an aluminum foil having a purity of 99.7%.
[0039]
Then, the capacitor element 1 configured as described above is impregnated with an electrolytic solution for driving an aluminum electrolytic capacitor. The composition of the electrolytic solution and the conductivity at 30 ° C. and −40 ° C. are shown in (Table 1).
[0040]
[Table 1]
[0041]
As apparent from (Table 1), the electrical conductivity at 30 ° C. and −40 ° C. of Examples 1 to 6 of the present invention is that of Comparative Examples 2 and 4 using tetramethylammonium phthalate or triethylammonium phthalate as a solute. A value higher than 5 is obtained. The electrolyte solution of Comparative Example 1 using only sulfolane as the solvent coagulates at −40 ° C., but Examples 1 to 6 in which the content of γ-butyrolactone is 10% or more also at −40 ° C. High conductivity is maintained .
[0042]
Next, in order to evaluate the high-temperature life characteristics, the electrolytic solutions of Examples 2 and 6 and, as Conventional Example 1, 75% γ-butyrolactone, 25% 1-ethyl-2,3-dimethylimidazolinium phthalate The electrolytic solution is impregnated into the capacitor element 1 and stored in the outer case 10 made of bottomed cylindrical aluminum. The sealing body 9 is attached to the opening of the outer case 10, and the end of the outer case 10 is drawn. And the outer case 10 was sealed.
[0043]
The aluminum electrolytic capacitor configured as described above has a rating of 16V-47 μF and a case size of φ6.3 mm × 5 mm. The rated voltage was applied to each of the 25 electrolytic capacitors of Example 2, Example 6 and Conventional Example 1 at 125 ° C., and the rate of change in capacitance (ΔC after 1000 hours and 2000 hours). ), The loss angle tangent (tan) was measured. The results are shown in (Table 2).
[0044]
[Table 2]
[0045]
As is clear from Table 2, the high-temperature life characteristics of the electrolytic capacitors of Examples 2 and 6 in which the content of γ-butyrolactone in the solvent is in the range of 10 to 70% are obtained using only γ-butyrolactone as the solvent. It is better than the conventional example 1 and the initial tan δ is kept low .
[0046]
Next, in order to evaluate moisture resistance, as Example 7 and Comparative Example 6, electrolytic solutions of Example 2 and Conventional Example 1 containing 6% of water were prepared, and electrolytic capacitors were similarly prepared. Then, 25 samples of these electrolytic capacitors were allowed to stand at 125 ° C., and the change rate of capacitance (ΔC), loss angle tangent (tan), leakage current (1000 hours and 2000 hours later) LC) was measured. The results are shown in (Table 3).
[0047]
[Table 3]
[0048]
As is clear from Table 3, the capacitance of Example 7 containing 6% moisture in the electrolytic solution of the present invention was higher than that of Comparative Example 6 containing 6% moisture in the conventional electrolytic solution. All the characteristics of change, tangent of loss angle and leakage current are good, and it can be seen that the moisture resistance is improved in the electrolytic capacitor of the present invention.
[0049]
Next, in order to evaluate the liquid discharge characteristics, as Example 8, the electrolytic solution of Example 2 was used, and the entire surface of the cathode electrode foil 3 was coated with titanium nitride by vapor deposition. An electrolytic capacitor was created.
[0050]
Moreover, as Example 9, using at least the surface of the round bar portion 6 of the
[0051]
Electrolytic capacitors of Examples 2, 8 and 9 above, electrolytic capacitors using 75% γ-butyrolactone and tetramethylammonium phthalate 25% as conventional example 2, 75% γ-butyrolactone as conventional example 3, For an electrolytic capacitor using an electrolytic solution of 25% 1-ethyl-2,3-dimethylimidazolinium phthalate, a rated voltage was applied to each of 25 samples at 125 ° C. for 1500 hours, 3000 hours, and The presence or absence of liquid discharge after lapse of 5000 was visually observed. The results are shown in (Table 4).
[0052]
[Table 4]
[0053]
As is clear from (Table 4), the electrolytic capacitor of Example 2 using the electrolytic solution of the present invention does not drain after 1500 hours, and is superior to Conventional Examples 2 and 3 using the conventional electrolytic solution, Good results have been obtained even at 125 ° C. Further, in Example 8 in which the electrolytic solution of Example 2 was used and titanium nitride was entirely coated on the surface of the cathode electrode foil, the amount of liquid was further reduced, and aluminum oxide was formed on the surface of the round bar portion of the lead wire of this electrolytic capacitor. In Example 9 in which the layer was formed, the amount of liquid was further reduced.
[0054]
In addition, using the electrolytic capacitors using the electrolytic solutions of Examples 2, 8, and 9 and Conventional Examples 2 and 3, a reverse voltage of −1.5 V was applied to 25 samples at 85 ° C. and 85% RH. Then, the presence or absence of liquid discharge after the lapse of 250 hours, 500 hours, and 1000 hours was visually observed. The results are shown in (Table 5).
[0055]
[Table 5]
[0056]
As apparent from (Table 5), even in the reverse voltage test, in the conventional examples 2 and 3, liquid discharge occurred in 250 hours, and all liquid discharge occurred in 500 hours and 1000 hours, respectively. In the embodiment of the present invention, liquid discharge does not occur even after 1000 hours, and the liquid discharge preventing effect is extremely strong. As described above, it can be seen that liquid discharge prevention is realized by the electrolytic capacitor of the present invention.
[0057]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, in an aluminum electrolytic capacitor, an anode electrode foil provided with an anode extraction means and a cathode electrode foil provided with a cathode extraction means made of aluminum are wound through a separator to obtain a capacitor element. An electrolytic solution in which a quaternized imidazolinium salt or a quaternized pyrimidinium salt is dissolved as an electrolyte in a mixed solvent containing sulfolane and 10 to 70% by weight of γ-butyrolactone based on the total solvent is formed in this capacitor element. It is impregnated and stored in an outer case.
[0058]
This electrolytic capacitor has good high-temperature life characteristics and moisture resistance, and also has good dielectric loss and low-temperature characteristics. Moreover, there is little liquid discharge.
[0060]
Further, as a cathode electrode foil, a film made of a metal nitride selected from titanium nitride, zirconium nitride, tantalum nitride, niobium nitride, a metal selected from titanium, zirconium, tantalum, niobium is formed on a part or all of the surface. By using the formed aluminum foil, liquid discharge is reduced.
[0061]
Furthermore, by forming an aluminum oxide layer formed by anodic oxidation on part or all of the surface of the cathode extraction means, the liquid discharge characteristics are further improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an internal cross-sectional view showing the structure of an aluminum electrolytic capacitor.
FIG. 2 is an exploded perspective view showing a structure of a capacitor element.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Capacitor element 2 Anode electrode foil 3
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