JP4745471B2 - Electrolytic solution for electrolytic capacitor and electrolytic capacitor using the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は電解コンデンサ用電解液、特に高温寿命特性の良好な電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いた電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
電解コンデンサは、一般的には、帯状の高純度のアルミニウム等の弁金属の箔に、化学的あるいは電気化学的にエッチング処理を施して、箔表面を拡大させるとともに、この箔をホウ酸アンモニウム水溶液等の化成液中にて化成処理して表面に酸化皮膜層を形成させた陽極電極箔と、エッチング処理のみを施した高純度の箔からなる陰極電極箔とを、マニラ紙等からなるセパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形成する。そして、このコンデンサ素子は電解コンデンサ駆動用の電解液を含浸した後、有底筒状の外装ケースに収納する。外装ケースの開口部には弾性ゴムからなる封口体を装着し、絞り加工により外装ケースを密封している。
【0003】
陽極電極箔、陰極電極箔には、それぞれ両極の電極を外部に引き出すための電極引出し手段であるリード線がステッチ、超音波溶接等の手段により接続されている。それぞれの電極引出し手段であるリード線は、丸棒部と、両極電極箔に当接する接続部と、さらに丸棒部の先端に溶接等の手段で固着された半田付け可能な金属からなる外部接続部とからなる。
【0004】
コンデンサ素子に含浸される電解コンデンサ駆動用の電解液には、使用される電解コンデンサの性能によって種々のものがあり、その中で、低圧用の、特に高温長寿命特性を有する電解液として、エチレングリコールにアジピン酸を溶解したものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、車載分野において、自動車性能の高機能化に伴い、高温となるエンジンルーム内での電子部品の使用の要求が高まっているが、前記電解液を用いた電解コンデンサでも、この高温使用に耐えることができなかった。また、低温特性も、最低使用温度は−25℃使用が限界であり、−40℃使用が要求される車載用途として使用に耐えることができず、この分野で使用可能な電解コンデンサ用電解液は実現されていなかった。
【0006】
また、従来から良好な高温特性が得られる、高沸点の溶媒として、スルホラン(特開平1−124210号公報、特開平8−31699号公報)が知られているが、上記の所望の特性を得ることができなかったため、良好な高温特性と、低温特性の両者が要求される車載用途に用いることはできなかった。
【0007】
そこで、この発明の目的は、高温寿命特性が良好で、さらに、低温特性も良好な電解コンデンサ、およびこの電解コンデンサに用いる電解液を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の電解コンデンサ用電解液は、溶媒として、スルホラン、3─メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランの3種から選ばれる2種以上と、γ─ブチロラクトンの混合溶媒を用い、溶質として、四級化イミダゾリニウム塩又は四級化ピリミジニウムを用いたことを特徴としている。
【0009】
また、本発明の電解コンデンサは、スルホラン、3─メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランの3種から選ばれる2種以上と、γ─ブチロラクトンの混合溶媒を用い、四級化イミダゾリニウム塩又は四級化ピリミジニウムを溶質とした電解液を用いることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のアルミニウム電解コンデンサの構造は図1、図2に示すように、従来と同じ構造をとっている。コンデンサ素子1は陽極電極箔2と陰極電極箔3をセパレータ11を介して巻回して形成する。また図2に示すように陽極電極箔2、陰極電極箔3には陽極引出し用のリード線4、陰極引出し用のリード線5がそれぞれ接続されている。これらのリード線4、5は、電極箔に当接する接続部7とこの接続部7と一体に形成した丸棒部6、および丸棒部6の先端に固着した外部接続部8からなる。また、接続部7および丸棒部6は高純度のアルミニウム、外部接続部8ははんだメッキを施した銅メッキ鉄鋼線からなる。このリード線4、5は、接続部7においてそれぞれステッチや超音波溶接等の手段により両極電極箔2、3に電気的に接続されている。
【0011】
陽極電極箔2は、純度99%以上のアルミニウム箔を酸性溶液中で化学的あるいは電気化学的にエッチングして拡面処理した後、ホウ酸アンモニウム、リン酸アンモニウムあるいはアジピン酸アンモニウム等の水溶液中で化成処理を行い、その表面に陽極酸化皮膜層を形成したものを用いる。
【0012】
前記のように構成したコンデンサ素子1に、アルミニウム電解コンデンサの駆動用の電解液を含浸する。
【0013】
以上のような電解液を含浸したコンデンサ素子1を、有底筒状のアルミニウムよりなる外装ケース10に収納し、外装ケース10の開口部に封口体9を装着するとともに、外装ケース10の端部に絞り加工を施して外装ケース10を密封する。封口体9は例えばブチルゴム等の弾性ゴムからなり、リード線4、5をそれぞれ導出する貫通孔を備えている。
【0014】
本発明においては、この電解液の溶媒としてスルホラン、3─メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランの3種から選ばれる2種以上と、γ─ブチロラクトンの混合溶媒を用いる。また、他の溶媒との混合溶媒としても用いることができる。
【0015】
混合する溶媒としては、プロトン性の有機極性溶媒として、一価アルコール類(エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類およびオキシアルコール化合物類(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピレングリコール、ジメトキシプロパノール等)などが挙げられる。また、非プロトン性の有機極性溶媒としては、アミド系(N−メチルホルムアミド、N,N─ジメチルホルムアミド、N─エチルホルムアミド、N,N─ジエチルホルムアミド、N─メチルアセトアミド、N,N─ジメチルアセトアミド、N─エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等)、ラクトン類(δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン等)、環状アミド系(N─メチル─2─ピロリドン、エチレンカーボネイト、プロピレンカーボネイト、イソブチレンカーボネイト等)、ニトリル系(アセトニトリル等)、オキシド系(ジメチルスルホキシド等)、2−イミダゾリジノン系〔1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ(n−プロピル)−2−イミダゾリジノン等)、1,3,4−トリアルキル−2−イミダゾリジノン(1,3,4−トリメチル−2−イミダゾリジノン等)〕などが代表として挙げられる。
【0016】
そして、本発明の電解液の溶質として、カチオン成分として、四級化イミダゾリニウム及び四級化ピリミジニウムを用いた、四級化イミダゾリニウム塩又は四級化ピリミジニウム塩を用いる。アニオン成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、安息香酸、トルイル酸、エナント酸、マロン酸等のカルボン酸、フェノール類、ほう酸、りん酸、炭酸、けい酸等の酸の共役塩基が例示される。
【0017】
この四級化イミダゾリニウムとしては、1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム等が挙げられる。
【0018】
また、四級化ピリミジニウムとしては、1,3−ジメチル−4,5,6−トリヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−4,5,6−トリヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−5,6−ジヒドロピリミジニウム、1−エチル−3−メチル−4,5,6−トリヒドロピリミジニウム、1−エチル−2,3−ジメチル−4,5,6−トリヒドロピリミジニウム等が挙げられる。
【0019】
さらに、本発明の電解コンデンサ用電解液に、ほう酸系化合物、例えばほう酸、ほう酸と多糖類(マンニット、ソルビットなど)との錯化合物、ほう酸と多価アルコール(エチレングリコール、グリセリンなど)との錯化合物等、界面活性剤、コロイダルシリカ等を添加することによって、耐電圧の向上をはかることができる。
【0020】
また、漏れ電流の低減や水素ガス吸収等の目的で種々の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、芳香族ニトロ化合物、(p−ニトロ安息香酸、p−ニトロフェノールなど)、リン系化合物(リン酸、亜リン酸、ポリリン酸、酸性リン酸エステル化合物)、オキシカルボン酸化合物等を挙げることができる。
【0021】
以上のような本発明の電解液を用いたアルミニウム電解コンデンサは、高温寿命特性が良好で、さらに、低温特性も良好である。
【0022】
また、前記の電解液において、γ─ブチロラクトンの混合溶媒中の含有率が、20重量%以下の場合は、高温寿命特性がさらに良好である。
【0023】
ここで、従来の四級化イミダゾリニウム塩又は四級化ピリミジニウム塩等の四級化環状アミジニウム塩を溶質とした電解液においては、溶媒としてγ─ブチロラクトンを用いていたが、この電解液では、寿命試験中に封口体9とリード線の丸棒部6の間から電解液が漏れるという問題があったが、本発明の電解液においては、漏液は発生しない。この理由は以下のようであると推察される。
【0024】
四級化環状アミジニウム塩を溶解した電解液が、陰極リード部より漏液するメカニズムについては次のように考えられる。すなわち、従来の電解コンデンサにおいては、陰極リード線5の自然浸漬電位の方が陰極電極箔3の自然浸漬電位よりも貴な電位を示すので、無負荷で放置した場合、陰極リード線と陰極箔で局部電池が構成され、陰極リード線にカソード電流が流れることになり、また、直流負荷状態においては、陰極リード線に陰極箔よりも多くのカソード電流が流れることになる。このように、負荷、無負荷、双方の場合において、陰極リード線にカソード電流が流れることになり、その結果、陰極リード線側で溶存酸素又は水素イオンの還元反応が起こり、陰極リード線の丸棒部6と接続部7の電解液界面部分で水酸イオンが生成する。
【0025】
そして、このような溶存酸素又は水素イオンの還元反応によって生成した水酸イオンは、四級化環状アミジニウムと反応し、四級化環状アミジニウムが開環して、二級アミンとなる。この二級アミンは揮発性が高く、しかも吸湿性が低いので、陰極リード線の丸棒部と封口体の間に生成しても、速やかに蒸散し、漏液状態とはならないことが予想される。
【0026】
しかしながら、水酸イオンが発生すると、溶媒であるγ─ブチロラクトンもこの水酸イオンと反応して、γ─ヒドロキシ酪酸となる。そして、上述した二級アミンとこのγ─ヒドロキシ酪酸が混在することになり、γ─ヒドロキシ酪酸のpH低下作用によって、四級化環状アミジニウムが開環して生成された、二級アミンが閉環して、再び四級化環状アミジニウム塩となる。そして、この四級化環状アミジニウム塩には揮発性はなく、吸湿性も高いので、陰極リード線の丸棒部と封口体の間に再生成した四級化環状アミジニウム塩は、吸湿して漏液状態となる。以上のことは、漏液が大部分の水と四級化環状アミジニウム塩から成っているという分析結果から、推測された。
【0027】
これに対して、本発明においては、溶媒としてスルホラン、3─メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランの3種から選ばれる2種以上と、γ─ブチロラクトンの混合溶媒を用いているので、漏液状態が抑制される。すなわち、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランの3種から選ばれる2種以上は水酸イオンと反応しないので、上述したpHを低下させるような物質は生成されない。したがって、γ─ブチロラクトンからγ─ヒドロキシ酪酸のようなpH低下作用のある物質が生成されても、その作用は弱く、四級化環状アミジニウムが開環して生成された、二級アミンが閉環して、再び四級化環状アミジニウム塩となる量は少なく、生成した二級アミンは揮発してしまうので、漏液状態が抑制されているものと考えられる。
【0028】
さらに、本発明の電解コンデンサに、逆電圧が印加された場合にも、漏液は発生しない。すなわち、逆電圧が印加されると、陽極側にカソード電流が流れることになるが、陽極箔の分極抵抗は陰極箔に比べて極めて大きいので、陽極側のカソード電流の大部分は陽極タブに流れることになる。したがって、従来の電解コンデンサでは、逆電圧試験の初期に漏液が発生することがあった。しかしながら、本発明の電解コンデンサにおいては、前述したような陰極側の挙動と同様の挙動によって、漏液状態が抑制される。以上のように、本発明の漏液防止効果は極めて強いものである。
【0029】
以上のように、本願発明の構成によると、陰極リード線の丸棒部近傍で発生した水酸イオンは四級化環状アミジニウムと反応して消失し、再生成される四級化環状アミジニウムの量は少なく、生成される二級アミンは揮発してしまうので、漏液状態が抑制される。
【0030】
また、従来の電解コンデンサにおいては、無負荷放置の際に、陰極リード線4と陽極リード線5が接触した場合には、陽極リード線と陰極電極箔3で局部電池を構成することになり、陽極リード線側で溶存酸素又は水素イオンの還元反応が発生し、水酸イオンを生成して、陰極リード部と同様の理由により、漏液状態となっていた。
【0031】
しかしながら、この場合も、本発明の構成によれば、陰極リード部で漏液が防止される理由と同様の理由によって、漏液は防止される。
【0032】
以上のような理由によって、本願発明においては、漏液が防止されているものと思われる。
【0033】
また、陰極電極箔3として、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化タンタル、窒化ニオブから選ばれた金属窒化物、又は、チタン、ジルコニウム、タンタル、ニオブから選ばれた金属を蒸着法、メッキ法、塗布など従来より知られている方法により被覆した陰極電極箔を用いることができる。ここで、被覆する部分は陰極電極箔の全面に被覆してもよいし、必要に応じて陰極電極箔の一部、例えば陰極電極箔の一面のみに金属窒化物又は金属を被覆してもよい。このことによって、陰極箔の自然浸漬電位の方が陰極リード線の自然浸漬電位より貴な電位となり、さらに、カソード分極抵抗も小さくなる。したがって、過電圧が印加された際に、陰極リード線のカソード電流は微小となり、陰極リード線側の水酸イオンの生成が抑制されるので、漏液防止には、さらに好適である。
【0034】
また、リード線4、5の、少なくとも丸棒部6の表面には、ホウ酸アンモニウム水溶液、リン酸アンモニウム水溶液あるいはアジピン酸アンモニウム水溶液等による陽極酸化処理によって形成した酸化アルミニウム層を形成したり、Al2 O3 、SiO2 、ZrO2 などからなるセラミックスコーティング層等の絶縁層を形成することができる。このことによって、無負荷の場合に、陰極リード線と陰極箔の局部電池を構成する面積が小さくなり、また、負荷の場合には、陰極リード線に流れるカソード電流が少なくなり、双方の場合において、陰極リード線側の水酸イオンの生成が抑制されるので、漏液防止効果はさらに向上する。
【0035】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0036】
(表1)〜 (表3) は、本発明の各実施例の電解コンデンサ用電解液の組成、及び30℃と−40℃の比抵抗を示したものである。
【0037】
【表1】
* SL :スルホラン
3-MSL :3−メチルスルホラン
GBL :γ─ブチロラクトン
EDMIP :フタル酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム
TMAP :フタル酸テトラメチルアンモニウム
GBL の欄の( ) :γ─ブチロラクトンの混合溶媒中の重量%
【0038】
【表2】
* 2,4-DMSL:2,4−ジメチルスルホラン
【0039】
【表3】
【0040】
また、実施例9として、実施例4、100部に、p−ニトロ安息香酸、1部、りん酸、0.3部添加したものの比抵抗を測定したところ、30℃で246Ω−cm、−40℃では9.6kΩ−cmであった。また、実施例18として、実施例13、100部に、p−ニトロ安息香酸、1部、りん酸、0.3部添加したものの比抵抗を測定したところ、30℃で268Ω−cm、−40℃では9.2kΩ−cmであった。また、実施例27として、実施例22、100部に、p−ニトロ安息香酸、1部、りん酸、0.3部添加したものの比抵抗を測定したところ、30℃で282Ω−cm、−40℃では8.5kΩ−cmであった。
【0041】
従来例として、エチレングリコール、87重量%に、アジピン酸アンモニウム、13重量%を溶解したものの比抵抗を測定したところ、30℃で320Ω−cm、−40℃では凝固した。
【0042】
(表1)〜(表3)から明らかなように、本発明の実施例1〜30の30℃及び−40℃の比抵抗は、良好である。特に、−40℃においても低比抵抗を保っており、−40℃使用が可能であることがわかる。これに対して、従来例においては、−40℃では凝固しており、−40℃で使用することはできない。ここで、従来例の−25℃の比抵抗は、9kΩ−cmであった。
【0043】
また、溶質としてフタル酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムを用いた実施例4、13、22は、それぞれフタル酸テトラメチルアンモニウムを用いた比較例1、2、3より、30℃、−40℃ともに、比抵抗は低く保たれている。なお、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランを単独で用いた比較例4、5、6は、−25℃でも凝固し、電解コンデンサ用電解液の溶媒としては用いることができない。
【0044】
次に、高温寿命特性を評価するために、実施例2、4、8、11、13、17、20、22、26の電解液、従来例の電解液を用いてアルミニウム電解コンデンサを作成した。ここで使用したアルミニウム電解コンデンサの定格は、16V−47μF、ケースサイズはφ6.3mm×5mmである。そして、これらの電解コンデンサの、各試料25個に125℃の下で定格電圧を印加し、2000時間、4000時間経過後の静電容量の変化率(ΔC)、損失角の正接(tanδ)の測定を行った。結果を(表4)に示す。
【0045】
【表4】
* Cap(μF)、ΔC(%)、LC(μA)
【0046】
(表4)から明らかなように、実施例の電解コンデンサの高温寿命特性は、従来例よりも、良好であり、初期のtanδも低く保たれており、125℃、4000時間保証が可能となっている。特に、γ─ブチロラクトンが20重量%以下である実施例2、4、11、13、20、22は、4000時間後も良好な特性を維持している。
【0047】
次いで、漏液特性を評価するために、実施例4、13、22、比較例1〜3の電解液を用いた電解コンデンサ、比較例7としてγ─ブチロラクトン75重量%、フタル酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム25重量%の電解液を用いた電解コンデンサについて、各試料25個に85℃、85%RHの下で定格電圧を印加し、500時間、1000時間、及び2000時間経過後の漏液の有無について目視での観察を行った。その結果を(表5)に示す。また、実施例4、13、22、比較例4の電解液を用いた電解コンデンサを用いて、各試料25個に85℃、85%RHの下で−1.5Vの逆電圧を印加し、250時間、500時間、及び1000時間経過後の漏液の有無について目視での観察を行った。その結果を(表6)に示す。
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】
(表5)から明らかなように、四級アンモニウム塩を用いた比較例1〜3では500時間後に、γ─ブチロラクトンを溶媒として用いた比較例7では1000時間後に漏液が発生しているが、本発明の実施例4、13、22の電解液を用いた電解コンデンサは2000時間後にも漏液はなく、良好な結果を得ている。また、(表6)から明らかなように、逆電圧試験においても、比較例7では250時間で漏液が発生しているが、本発明の実施例においては1000時間においても漏液は発生せず、漏液防止効果は極めて強い。以上のように、本発明の電解液によって、漏液防止が実現されていることがわかる。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、この発明の電解コンデンサ用電解液は、溶媒としてスルホラン、3─メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランの3種から選ばれる2種以上と、溶媒中の含有率が7〜20重量%のγ─ブチロラクトンの混合溶媒を用い、溶質として四級化イミダゾリニウム塩又は四級化ピリミジニウムを用いたものである。
【0052】
この電解液を用いた電解コンデンサは、高温寿命特性が良好で、さらに、低温特性も良好である。
【0054】
さらに、本発明の電解コンデンサにおいては、漏液することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルミニウム電解コンデンサの構造を示す内部断面図である。
【図2】コンデンサ素子の構造を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 コンデンサ素子
2 陽極電極箔
3 陰極電極箔
4 陽極引出し用のリード線
5 陰極引出し用のリード線
6 丸棒部
7 接続部
8 外部接続部
9 封口体
10 外装ケース
11 セパレータ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an electrolytic solution for electrolytic capacitors, in particular, an electrolytic solution for electrolytic capacitors having good high-temperature life characteristics, and an electrolytic capacitor using the electrolytic solution.
[0002]
[Prior art]
Electrolytic capacitors are generally obtained by chemically or electrochemically etching a strip of high-purity aluminum or other valve metal foil to enlarge the surface of the foil, and using this foil as an aqueous solution of ammonium borate. A separator made of manila paper or the like is formed of an anode electrode foil formed by chemical conversion treatment in a chemical conversion solution such as an oxide film layer on the surface, and a cathode electrode foil made of high-purity foil subjected only to etching treatment. To form a capacitor element. The capacitor element is impregnated with an electrolytic solution for driving an electrolytic capacitor, and then stored in a bottomed cylindrical outer case. A sealing body made of elastic rubber is attached to the opening of the outer case, and the outer case is sealed by drawing.
[0003]
Lead wires, which are electrode lead-out means for pulling out electrodes of both electrodes to the outside, are connected to the anode electrode foil and the cathode electrode foil by means such as stitching and ultrasonic welding. The lead wire as each electrode lead-out means is an external connection composed of a round bar part, a connection part that contacts the bipolar electrode foil, and a solderable metal fixed to the tip of the round bar part by welding or the like. It consists of parts.
[0004]
There are various electrolytic solutions for driving an electrolytic capacitor impregnated in a capacitor element depending on the performance of the electrolytic capacitor used. Among them, ethylene is used as an electrolytic solution for low pressure, particularly having high temperature and long life characteristics. A solution in which adipic acid is dissolved in glycol is known.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, in recent years, in the in-vehicle field, there has been an increasing demand for the use of electronic components in an engine room that is at a high temperature as the performance of automobiles becomes higher. Could not withstand. In addition, the low temperature characteristics are limited to the use of -25 ° C as the minimum use temperature, and cannot be used for in-vehicle applications requiring use at -40 ° C. It was not realized.
[0006]
Further, sulfolane (JP-A-1-124210, JP-A-8-31699) is known as a high-boiling solvent that can provide good high-temperature characteristics, but the above-mentioned desired characteristics are obtained. Therefore, it could not be used for in-vehicle applications requiring both good high temperature characteristics and low temperature characteristics.
[0007]
SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to provide an electrolytic capacitor having good high-temperature life characteristics and good low-temperature characteristics, and an electrolytic solution used for the electrolytic capacitor.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The electrolytic solution for an electrolytic capacitor according to the present invention uses a mixed solvent of two or more selected from sulfolane, 3-methylsulfolane, and 2,4-dimethylsulfolane, and γ-butyrolactone as a solvent, and four solutes as solutes. It is characterized by using quaternized imidazolinium salt or quaternized pyrimidinium.
[0009]
In addition, the electrolytic capacitor of the present invention uses a mixed solvent of two or more selected from sulfolane, 3-methylsulfolane, and 2,4-dimethylsulfolane and γ-butyrolactone, and uses a quaternized imidazolinium salt or It is characterized by using an electrolytic solution containing quaternized pyrimidinium as a solute.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The structure of the aluminum electrolytic capacitor of the present invention is the same as that of the prior art as shown in FIGS. Capacitor element 1 is formed by winding anode electrode foil 2 and cathode electrode foil 3 with
[0011]
Anode electrode foil 2 is an aluminum foil having a purity of 99% or more subjected to surface expansion treatment by etching chemically or electrochemically in an acidic solution, and then in an aqueous solution such as ammonium borate, ammonium phosphate or ammonium adipate. A chemical conversion treatment is performed and an anodized film layer is formed on the surface.
[0012]
The capacitor element 1 configured as described above is impregnated with an electrolytic solution for driving an aluminum electrolytic capacitor.
[0013]
The capacitor element 1 impregnated with the electrolytic solution as described above is housed in an outer case 10 made of bottomed cylindrical aluminum, and the sealing
[0014]
In the present invention, a mixed solvent of two or more selected from sulfolane, 3-methylsulfolane, and 2,4-dimethylsulfolane and γ-butyrolactone is used as a solvent for the electrolytic solution. It can also be used as a mixed solvent with other solvents.
[0015]
As a solvent to be mixed, as a protic organic polar solvent, monohydric alcohols (ethanol, propanol, butanol, pentanol, hexanol, cyclobutanol, cyclopentanol, cyclohexanol, benzyl alcohol, etc.), polyhydric alcohols and Examples include oxyalcohol compounds (ethylene glycol, propylene glycol, glycerin, methyl cellosolve, ethyl cellosolve, methoxypropylene glycol, dimethoxypropanol, and the like). Examples of aprotic organic polar solvents include amides (N-methylformamide, N, N-dimethylformamide, N-ethylformamide, N, N-diethylformamide, N-methylacetamide, N, N-dimethylacetamide). , N-ethylacetamide, N, N-diethylacetamide, hexamethylphosphoricamide, etc.), lactones (δ-valerolactone, γ-valerolactone, etc.), cyclic amides (N-methyl-2-pyrrolidone, ethylene carbonate) , Propylene carbonate, isobutylene carbonate, etc.), nitrile (acetonitrile, etc.), oxide (dimethyl sulfoxide, etc.), 2-imidazolidinone [1,3-dialkyl-2-imidazolidinone (1,3-dimethyl-2, etc.) -Imidazolidinone, 1,3-diechi Lu-2-imidazolidinone, 1,3-di (n-propyl) -2-imidazolidinone, etc.), 1,3,4-trialkyl-2-imidazolidinone (1,3,4-trimethyl-) 2-imidazolidinone etc.)] and the like.
[0016]
As the solute of the electrolytic solution of the present invention, a quaternized imidazolinium salt or a quaternized pyrimidinium salt using quaternized imidazolinium and quaternized pyrimidinium is used as a cation component. Anionic components include phthalic acid, isophthalic acid, terephthalic acid, maleic acid, benzoic acid, toluic acid, enanthic acid, malonic acid and other carboxylic acids, phenols, boric acid, phosphoric acid, carbonic acid, silicic acid and other acid conjugates. Examples are bases.
[0017]
Examples of the quaternized imidazolinium include 1,3-dimethylimidazolinium, 1,2,3-trimethylimidazolinium, 1,2,3,4-tetramethylimidazolinium, 1-ethyl-3- Examples thereof include methyl imidazolinium and 1-ethyl-2,3-dimethyl imidazolinium.
[0018]
The quaternized pyrimidinium includes 1,3-dimethyl-4,5,6-trihydropyrimidinium, 1,2,3-trimethyl-4,5,6-trihydropyrimidinium, 1,2 , 3,4-tetramethyl-5,6-dihydropyrimidinium, 1-ethyl-3-methyl-4,5,6-trihydropyrimidinium, 1-ethyl-2,3-dimethyl-4,5 , 6-trihydropyrimidinium and the like.
[0019]
Further, in the electrolytic solution for electrolytic capacitors of the present invention, boric acid compounds such as boric acid, complex compounds of boric acid and polysaccharides (mannitol, sorbit, etc.), complexes of boric acid and polyhydric alcohols (ethylene glycol, glycerin, etc.) are used. The withstand voltage can be improved by adding a compound, a surfactant, colloidal silica or the like.
[0020]
Various additives can be added for the purpose of reducing leakage current or absorbing hydrogen gas. Examples of additives include aromatic nitro compounds, (p-nitrobenzoic acid, p-nitrophenol, etc.), phosphorus compounds (phosphoric acid, phosphorous acid, polyphosphoric acid, acidic phosphoric acid ester compounds), oxycarboxylic acids A compound etc. can be mentioned.
[0021]
The aluminum electrolytic capacitor using the electrolytic solution of the present invention as described above has good high-temperature life characteristics and also good low-temperature characteristics.
[0022]
Further, in the above electrolyte solution, when the content of γ-butyrolactone in the mixed solvent is 20% by weight or less, the high temperature life characteristics are further improved.
[0023]
Here, in a conventional electrolytic solution using a quaternized cyclic amidinium salt such as a quaternized imidazolinium salt or a quaternized pyrimidinium salt as a solute, γ-butyrolactone was used as a solvent. There was a problem that the electrolyte solution leaked between the sealing
[0024]
The mechanism by which the electrolyte solution in which the quaternized cyclic amidinium salt is dissolved leaks from the cathode lead portion is considered as follows. That is, in the conventional electrolytic capacitor, the natural immersion potential of the cathode lead wire 5 shows a higher potential than the natural immersion potential of the cathode electrode foil 3, so that when left unloaded, the cathode lead wire and the cathode foil. Thus, a local battery is formed, and a cathode current flows through the cathode lead wire. In a DC load state, more cathode current flows through the cathode lead wire than the cathode foil. In this way, in both cases of load and no load, a cathode current flows through the cathode lead wire. As a result, a reduction reaction of dissolved oxygen or hydrogen ions occurs on the cathode lead wire side, and the cathode lead wire becomes round. Hydroxide ions are generated at the electrolyte solution interface portion of the rod portion 6 and the connecting portion 7.
[0025]
And the hydroxide ion produced | generated by the reduction reaction of such dissolved oxygen or a hydrogen ion reacts with quaternized cyclic | annular amidinium, and quaternized cyclic | annular amidinium opens a ring and becomes a secondary amine. Since this secondary amine has high volatility and low hygroscopicity, it is expected that even if it is generated between the round part of the cathode lead wire and the sealing body, it will quickly evaporate and not leak. The
[0026]
However, when hydroxyl ions are generated, the solvent γ-butyrolactone also reacts with the hydroxide ions to form γ-hydroxybutyric acid. Then, the secondary amine mentioned above and this γ-hydroxybutyric acid are mixed, and the secondary amine produced by ring opening of the quaternized cyclic amidinium is closed by the pH lowering action of γ-hydroxybutyric acid. Then, it becomes a quaternized cyclic amidinium salt again. Since this quaternized cyclic amidinium salt is not volatile and has a high hygroscopic property, the quaternized cyclic amidinium salt regenerated between the round part of the cathode lead and the sealing body absorbs moisture and leaks. It becomes a liquid state. The above was inferred from the analysis results that the liquid leakage consisted of most of the water and the quaternized cyclic amidinium salt.
[0027]
On the other hand, in the present invention, since a mixed solvent of two or more selected from sulfolane, 3-methylsulfolane and 2,4-dimethylsulfolane and γ-butyrolactone is used as a solvent, The state is suppressed. That is, two or more kinds selected from the three kinds of sulfolane, 3-methylsulfolane, and 2,4-dimethylsulfolane do not react with the hydroxide ion, and thus the above-described substance that lowers the pH is not generated. Therefore, even if a substance having a pH lowering action such as γ-hydroxybutyric acid is produced from γ-butyrolactone, the action is weak, and the secondary amine produced by ring opening of quaternized cyclic amidinium is closed. Thus, the amount of the quaternized cyclic amidinium salt again is small, and the generated secondary amine is volatilized, so it is considered that the liquid leakage state is suppressed.
[0028]
Furthermore, no leakage occurs even when a reverse voltage is applied to the electrolytic capacitor of the present invention. That is, when a reverse voltage is applied, a cathode current flows to the anode side. However, since the polarization resistance of the anode foil is extremely larger than that of the cathode foil, most of the cathode current on the anode side flows to the anode tab. It will be. Therefore, in the conventional electrolytic capacitor, liquid leakage may occur at the initial stage of the reverse voltage test. However, in the electrolytic capacitor of the present invention, the liquid leakage state is suppressed by the same behavior as the behavior on the cathode side as described above. As described above, the leakage preventing effect of the present invention is extremely strong.
[0029]
As described above, according to the configuration of the present invention, the hydroxide ions generated in the vicinity of the round bar portion of the cathode lead wire disappear by reacting with the quaternized cyclic amidinium, and the amount of quaternized cyclic amidinium regenerated. The secondary amine produced is volatilized and the liquid leakage state is suppressed.
[0030]
In the conventional electrolytic capacitor, when the
[0031]
However, also in this case, according to the configuration of the present invention, the leakage is prevented for the same reason as the leakage is prevented in the cathode lead portion.
[0032]
For the reasons as described above, it is considered that liquid leakage is prevented in the present invention.
[0033]
Further, as the cathode electrode foil 3, a metal nitride selected from titanium nitride, zirconium nitride, tantalum nitride, niobium nitride, or a metal selected from titanium, zirconium, tantalum, niobium is deposited, plated, or coated. A cathode electrode foil coated by a conventionally known method can be used. Here, the part to be coated may be coated on the entire surface of the cathode electrode foil, or a part of the cathode electrode foil, for example, only one surface of the cathode electrode foil may be coated with metal nitride or metal as necessary. . As a result, the natural immersion potential of the cathode foil is nobler than the natural immersion potential of the cathode lead wire, and the cathode polarization resistance is also reduced. Therefore, when an overvoltage is applied, the cathode current of the cathode lead wire becomes minute and the generation of hydroxide ions on the cathode lead wire side is suppressed, which is more suitable for preventing leakage.
[0034]
In addition, an aluminum oxide layer formed by anodizing treatment with an aqueous solution of ammonium borate, an aqueous solution of ammonium phosphate, an aqueous solution of ammonium adipate or the like is formed on at least the surface of the round bar portion 6 of the
[0035]
【Example】
Examples of the present invention will be described below.
[0036]
(Table 1)-(Table 3) show the composition of the electrolytic solution for electrolytic capacitors and the specific resistance at 30 ° C. and −40 ° C. of each example of the present invention.
[0037]
[Table 1]
* SL: Sulfolane
3-MSL: 3-methylsulfolane
GBL: γ-Butyrolactone
EDMIP: 1-ethyl-2,3-dimethylimidazolinium phthalate
TMAP: Tetramethylammonium phthalate
() In the GBL column:% by weight in the mixed solvent of γ-butyrolactone
[0038]
[Table 2]
* 2,4-DMSL: 2,4-Dimethylsulfolane [0039]
[Table 3]
[0040]
Further, as Example 9, when the specific resistance of p-nitrobenzoic acid, 1 part, phosphoric acid and 0.3 part added to Example 4, 100 parts was measured, 246 Ω-cm, −40 at 30 ° C. At ℃, it was 9.6 kΩ-cm. Further, as Example 18, the specific resistance of p-nitrobenzoic acid, 1 part, phosphoric acid and 0.3 part added to Examples 13 and 100 parts was measured, and it was 268 Ω-cm, −40 at 30 ° C. It was 9.2 kΩ-cm at ° C. Moreover, as Example 27, when specific resistance of what added p-nitrobenzoic acid, 1 part, phosphoric acid, and 0.3 part to Example 22, 100 parts was measured, it was 282 ohm-cm and -40 at 30 degreeC. It was 8.5 kΩ-cm at ° C.
[0041]
As a conventional example, when specific resistance of ethylene glycol, 87% by weight of ammonium adipate dissolved in 13% by weight, was measured, it was solidified at 30Ω at 320Ω-cm and −40 ° C.
[0042]
As is clear from (Table 1) to (Table 3), the specific resistance at 30 ° C. and −40 ° C. of Examples 1 to 30 of the present invention is good. In particular, the low specific resistance is maintained even at -40 ° C, and it can be seen that -40 ° C can be used. On the other hand, in the conventional example, it solidifies at −40 ° C. and cannot be used at −40 ° C. Here, the specific resistance at −25 ° C. of the conventional example was 9 kΩ-cm.
[0043]
Moreover, Examples 4, 13, and 22 using 1-ethyl-2,3-dimethylimidazolinium phthalate as a solute were 30 ° C. from Comparative Examples 1, 2, and 3 using tetramethylammonium phthalate, respectively. The resistivity is kept low at -40 ° C. In addition, Comparative Examples 4, 5, and 6 using sulfolane, 3-methylsulfolane, and 2,4-dimethylsulfolane alone solidify even at −25 ° C. and cannot be used as a solvent for an electrolytic solution for electrolytic capacitors.
[0044]
Next, in order to evaluate the high-temperature life characteristics, aluminum electrolytic capacitors were prepared using the electrolytic solutions of Examples 2, 4, 8, 11, 13, 17, 20, 22, and 26, and the electrolytic solution of the conventional example. The rating of the aluminum electrolytic capacitor used here is 16V-47 μF, and the case size is φ6.3 mm × 5 mm. Then, a rated voltage was applied to each of 25 samples of these electrolytic capacitors at 125 ° C., and the rate of change in capacitance (ΔC) and loss tangent (tan δ) after 2000 hours and 4000 hours had elapsed. Measurements were made. The results are shown in (Table 4).
[0045]
[Table 4]
* Cap (μF), ΔC (%), LC (μA)
[0046]
As apparent from Table 4, the high-temperature life characteristics of the electrolytic capacitors of the examples are better than those of the conventional examples, the initial tan δ is kept low, and a guarantee of 125 ° C. for 4000 hours is possible. ing. In particular, Examples 2, 4, 11, 13, 20, and 22 in which γ-butyrolactone is 20% by weight or less maintain good characteristics even after 4000 hours.
[0047]
Next, in order to evaluate the liquid leakage characteristics, electrolytic capacitors using the electrolytic solutions of Examples 4, 13, and 22 and Comparative Examples 1 to 3, 75% by weight of γ-butyrolactone, 1-ethyl phthalate as Comparative Example 7 For an electrolytic capacitor using an electrolyte solution of 25% by weight of 2,3-dimethylimidazolinium, a rated voltage was applied to 25 samples at 85 ° C. and 85% RH for 500 hours, 1000 hours, and 2000 hours. Visual observation was performed about the presence or absence of the liquid leakage after progress. The results are shown in (Table 5). Further, using the electrolytic capacitors using the electrolytic solutions of Examples 4, 13, and 22 and Comparative Example 4, a reverse voltage of −1.5 V was applied to 25 samples at 85 ° C. and 85% RH, The presence or absence of leakage after 250 hours, 500 hours, and 1000 hours was visually observed. The results are shown in (Table 6).
[0048]
[Table 5]
[0049]
[Table 6]
[0050]
As apparent from (Table 5), in Comparative Examples 1 to 3 using a quaternary ammonium salt, leakage occurs after 500 hours, and in Comparative Example 7 using γ-butyrolactone as a solvent, leakage occurs after 1000 hours. The electrolytic capacitors using the electrolytic solutions of Examples 4, 13, and 22 of the present invention did not leak even after 2000 hours and obtained good results. Further, as is clear from (Table 6), also in the reverse voltage test, the leakage occurred in 250 hours in Comparative Example 7, but the leakage did not occur in 1000 hours in the examples of the present invention. The leakage prevention effect is extremely strong. As described above, it can be seen that liquid leakage prevention is realized by the electrolytic solution of the present invention.
[0051]
【The invention's effect】
As described above, the electrolytic solution for an electrolytic capacitor according to the present invention has two or more kinds selected from three kinds of sulfolane, 3-methylsulfolane, and 2,4-dimethylsulfolane as a solvent, and a content in the solvent of 7 to 20 A mixed solvent of γ-butyrolactone by weight% is used, and quaternized imidazolinium salt or quaternized pyrimidinium is used as a solute.
[0052]
An electrolytic capacitor using this electrolytic solution has good high-temperature life characteristics and also low-temperature characteristics.
[0054]
Furthermore, the electrolytic capacitor of the present invention does not leak.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an internal cross-sectional view showing the structure of an aluminum electrolytic capacitor.
FIG. 2 is an exploded perspective view showing a structure of a capacitor element.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Capacitor element 2 Anode electrode foil 3
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