JP4780520B2 - マグネシウム合金板の製造方法とそのマグネシウム合金板 - Google Patents

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Description

本発明は、マグネシウム合金を圧延ロールにて圧延するマグネシウム合金板の製造方法とそのマグネシウム合金板に関する。
マグネシウム合金は、室温における延性、加工性、衝撃延性が低く、また、展伸用マグネシウム合金板は、鋳塊から圧延により得られるが、その結晶粒は20μm以上と粗く、粗大粒を含んだものとなり、成形性に劣る問題がある。
また、その圧延板は稠密六方晶の底面[ミラー指数で(0001)面]が板面(圧延面)に列びその稜線が圧延方向に向いた圧延集合組織をとっている。これは200〜400℃における熱間及び温間一方向圧延により形成される集合組織で、その後の張出し,深絞り,曲げなどのプレス加工において、成形性の面で好ましいものでない。
そして、このような稠密六方晶の結晶構造では、底面[(0001)面]が主要な滑り面であり、その底面[(0001)面]の滑る方向は(1120)方向であり、この方向は圧延などにおいて、圧延面と平行な方向である。このため、結晶粒の方位をできるだけランダム化すれば、成形性に優れた製品が得られる。
そこで、このような点を考慮して、マグネシウム合金材を、250〜350℃に加熱して圧延を1回または2回以上行うこと、および第1圧延工程で得られた圧延板を250〜350℃に加熱する熱処理を行った後、複数パスの合計圧下率が12パーセント以上の冷間圧延を行う第2圧延工程を2回以上行い、平均結晶粒径が10μm以下で、結晶粒径の80%以上が、平均結晶粒径±(平均結晶粒径×0.5)μmの範囲にあるマグネシウム合金板(例えば特許文献1)が提案されている。
特開2004−107743号公報
上記特許文献1の製法では、250〜350℃に加熱して圧延を複数回行うと共に、熱処理を行い、さらに、冷間圧延複数回行うことにより、平均結晶粒径を10μmとし、結晶粒の微細化により、成形性の向上を図っているが、結晶粒の方位による成形性については何等考慮されていなかった。
そこで、本発明は、結晶粒の微細化を図ると共に、稠密六方晶の底面の底面方位を分散させ、成形性に優れたマグネシウム合金板を製造できるマグネシウム合金板の製造方法とそのマグネシウム合金板を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、マグネシウム合金を圧延ロールにて圧延するマグネシウム合金板の製造方法において、温間圧延工程の次に熱間圧延工程を行い、各圧延工程において圧延方向を交差する方向に変えて複数回の圧延を行う製造方法である。
また、請求項2の発明は、前記熱間圧延工程の次に温間圧延工程を行い、この温間圧延工程において圧延方向を交差する方向に変えて複数回の圧延を行う製造方法である。
また、請求項3の発明は、前記マグネシウム合金がAl,Zn,Zr,Mn,Th及びLiのうちのいずれか1種〜3種を10質量%以下含む製造方法である。
また、請求項4の発明は、前記圧延方向をほぼ90度交差する方向に変えて前記複数回の圧延を行う製造方法である。
また、請求項5の発明は、Al,Zn,Zr,Mn,Th及びLiのうちのいずれか1種〜3種を10質量%以下含むマグネシウム合金板において、平均結晶粒径が8μm以下であり、面積率で結晶粒径の90%以上が(平均結晶粒径×1.5)μm以下の範囲であり、結晶粒の底面[(0001)面]が圧延面に列んだ集合組織の他、延面に対して所定角度で傾いた集合組織を、圧延方向及び板幅方向に分散したものである。
また、請求項6の発明は、X線回析でのX線強度比[(0001)面のX線強度]/[(101- 1)面のX線強度]が4.5〜6.5である。
請求項1の構成によれば、結晶粒内に高転位密度領域を形成する先の温間圧延工程と、静的及び動的再結晶を起させるための熱間圧延工程とを順に行い、各圧延工程において、圧延方向を交差する方向に変えて複数回の圧延を行うことにより、効果的に再結晶させ、微細化を進行させることができると共に、結晶粒の底面方位を分散させることができる。
また、請求項2の構成によれば、後の温間圧延工程により、結晶粒の成長を防ぐことができ、微細化に寄与する。
また、請求項3の構成によれば、機械的性質に優れた合金板が得られる。
また、請求項4の構成によれば、合金板を方向的に均一に圧延して、微細化を進行させることができると共に、結晶粒の底面方位を分散させることができる。
また、請求項5の構成によれば、平均結晶粒度が低く、結晶粒径の90%以上が(平均結晶粒径×1.5)μm以下の範囲であり、しかも、底面が圧延面に列んだ集合組織の他、所定角度の傾き角を有する集合組織が圧延方向及び板幅方向に略均等に分散したため、成形性に優れたマグネシウム合金板となる。
また、請求項6の構成によれば、曲げ加工などの加工性に優れたものとなる。
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。各実施例では、従来とは異なるマグネシウム合金板の製造方法を採用することにより、従来にないマグネシウム合金板が得られ、そのマグネシウム合金板の製造方法とそのマグネシウム合金板を夫々記述する。
発明者らは、従来、展伸用マグネシウム合金の熱間,温間圧延では結晶粒の大きさは20〜30μmの混粒組織であり、これを1〜10μmの微細な整粒組織にするため、圧延温度を変化させて温間或は室温圧延で結晶粒内に核生成,成長に必要な歪を蓄積させて熱処理により静的再結晶を生じさせ、熱間圧延で変形中主として結晶粒界に再結晶を生ずる動的連続再結晶を生じさせ、それらを組合せて結晶粒の微細化と整粒化を同時に行わせ、さらに、熱間,温間及び室温圧延において板面に稠密六方晶の底面が列び、圧延方向にその稜線方向が向くことに対して、この底面方位を少しでも分散させ、大きく傾けた方位とするために、鋭意研究の結果、本発明に至った。
以下、本発明の実施例1について図1〜図8を参照して説明する。
圧延に用いるマグネシウム合金板は、ASTM記号におけるAZ系合金を用いた。このAZ系におけるAZ10は質量%でAl:1.0〜1.5%、Zn:0.2〜0.6%、Mn:0.2%以上、Cu:0.1%以下、Si:0.1%以下、Ca:0.4%以下を含有するマグネシウム合金である。AZ21は質量%でAl:1.4〜2.6%、Zn:0.5〜1.5%、Mn:0.15〜0.35%、Ni:0.03%以下、Si:0.1%以下を含有するマグネシウム合金である。AZ31は質量%でAl:2.5〜3.5%、Zn:0.5〜1.5%、Mn:0.15%以上、Cu:0.10%以下、Si:0.10%以下、Ca:0.04%以下を含有するマグネシウム合金である。AZ61は質量%でAl:5.5〜7.2%、Zn:0.4〜1.5%、Mn:0.15〜0.35%、Ni:0.05%以下、Si:0.1%以下を含有するマグネシウム合金である。AZ91は質量%でAl:8.1〜9.7%、Zn:0.35〜1.0%、Mn:0.13%以上、Cu:0.1%以下、Ni:0.03%以下、Si:0.5%以下を含有するマグネシウム合金である。尚、Zr,Th,Liを含有してもよい。
そして、この例では、AZ61合金からなる合金板を用いて実験及び比較を行った。この合金板の静的再結晶温度は200〜250℃の範囲にあり、従って300℃での圧延は熱間圧延、200℃での圧延は温間圧延である。すなわち、合金の静的再結晶温度を超えた温度で行う圧延が熱間圧延、合金の静的再結晶温度以下で行う圧延が温間圧延である。
圧延は、対をなす圧延ロール間に合金板を通過させることにより行った。300℃の熱間圧延においては、図2に示すように動的再結晶を起し、この動的再結晶は圧延中に起こる。この場合、同図に示すように、元の結晶粒の周囲(粒界)に複数の動的再結晶が起こるが、元の結晶粒に大きな変化はない。
一方、200℃の温間圧延においては、図2に示すように元の結晶粒に、圧延によって結晶粒内に結晶粒の核となる歪みが蓄積し、その後の熱処理によってその核から再結晶により、複数の微細結晶粒が形成され、粒内から組織の微細化が図られる。
次に、図1,図3及び図4に基いて、実験例(本発明)と比較例(従来例)と市販圧延材(従来例)との製造方法及び比較実験を説明する。
実験例(本発明):本発明の製造方法による実験例は、マグネシウム合金板を、温間圧延工程(S1)において、200℃で4回の圧延を行った。この温間圧延工程(S1)において、圧延方向(RD)を90°ずつ回転させて4回の圧延を行った。即ち、1パス目の圧延方向に対して、90°回転した向きで2パス目を行い、1パス目の圧延方向に対して、180°回転した向き(1パスと逆向き)で3パス目の圧延を行い、1パス目の圧延方向に対して、270°回転した向きで4パス目の圧延を行った。この温間圧延工程(S1)後、熱間圧延工程(S2)を行い、この熱間圧延工程(S2)において、300℃で4回の圧延を行った。この熱間圧延工程(S2)において、圧延方向(RD)を90°ずつ回転させて4回の圧延を行った。この熱間圧延工程(S2)後、同様にして温間圧延工程(S3)を行い、200℃で圧延方向(RD)を90°ずつ回転させて4回の圧延を行った。
尚、微細均一組織とするために、温間圧延工程(S1)(S3)は、180℃〜250℃とすることが好ましく、熱間圧延工程(S2)は250℃〜350℃とすることが好ましい。
図4は、上記実験例における圧延工程のパスと、温度と、圧下率と、合金板の厚さを示し、圧下率は、圧延後に減じた厚さを圧延前の厚さで除した百分率で表される。
この実施例の合金板の縦断面組織は、図3中、右に示すように、平均結晶粒径が5μmと微細化を生じている。また、実験例では、面積率で結晶粒径の92%が(平均結晶粒径×1.5)μm以下の範囲であり、(平均結晶粒径×1.5)μmを越える結晶粒の割合である混粒度が8%であった。尚、面積率で92%とは、(平均結晶粒径×1.5)μm以下の結晶粒の占める面積の測定面積における割合である。
比較例(従来例):従来技術である比較例として、前記実験例で用いた圧延前のマグネシウム合金板を、熱間圧延工程において、400℃で同一圧延方向で8回の圧延を行った。この熱間圧延工程後、温間圧延工程を行い、この温間圧延工程において、200℃で同一圧延方向で4回の圧延を行った。
この比較例の縦断面組織は、図3中、中央に示すように、平均結晶粒径が8μmであったが、粗大結晶粒径は35μmであり、混粒度は20.5%であり、結晶粒径のバラツキが大であった。
市販圧延材(従来例):従来例である市販圧延材を、熱間圧延工程において、400℃で同一圧延方向で8回の圧延を行った。この縦断面組織は、図3中、左下に示すように、平均結晶粒径が25μmで、粗大結晶粒径が35μmであって、混粒度が37.5%であり、結晶粒径のバラツキが大であった。
図5は、X線極点図測定法により得られた実施例の合金板および市販圧延材の圧延集合組織を示し、この圧延集合組織は、市販圧延板では、稠密六方晶の底面が板面(圧延面)垂直方向から横方向に分散する方位をとるのに対して、実験例では底面[(0001)面]が板面垂直方向に均一に集中するとともに板面から65°付近に面内一様に均一に傾いた集合組織をとっており、このことから実施例の面内等方性が立証された。
また、図5に示すように、市販圧延材では、底面の圧延面との傾き角は、圧延方向(RD)に対して30°以下、板幅方向(TD)に対して45°であるのに対して、実施例では、結晶粒の底面[(0001)面]が圧延面に対して所定角度である60〜70°程度に傾いた集合組織が、圧延方向及び板幅方向に略均等に分散しており、市販圧延材に比べて、性質が圧延方向及び板幅方向に等方的で且つ集合組織を分散させた方位分布を示すことが分かる。そして、従来は、前記傾き角が0°付近に集中する集合組織として表れるのに対して、実施例では、これが分散され、ほぼ65°方向に傾いた集合組織が確認され、これにより成形性が向上した。
図6は、X線回析装置により求めた市販圧延材と実験例の合金板のX線回析パターンであり、図8(A)は、底面[(0001)面]、図8(B)は、錐面[(101- 1)面]を示し、底面[(0001)面のX線強度]/錐面[(101- 1)面のX線強度]である強度比は、市販圧延材が19.6であるのに対して、実施例が5.5であり、実験例が加工性に優れることが分かる。尚、1-は、1上バーを表す。そして、圧延工程における温度とパス数を変えた場合でも、本発明の製造方法による圧延材の前記強度比は、4.5〜6.5程度で、6.5以下となり、市販圧延材より小さくなった。
図7は、市販圧延板材と実験例の成形限界線図(Forming Limit Diagram)を示す。張出し試験装置を用いて得られた実験結果より本発明の製造方法で作製した実験例の合金板は市販板材と比較して,成形性に優れていることが確認された。
また、実験例で、圧延工程の4回の圧延を8回の圧延とした場合、静的及び動的再結晶が同時に内部全体に広がり、更に微細均一化され、12回の圧延とした場合では、加工中の粒成長を防ぎながら、更なる微細化が進行し、最終的に平均結晶粒径5μmの微細均一組織が得られた。
以上の実験から、以下のことが分かった。
圧延において,熱間圧延工程(S2)の前後で、前工程では室温圧延工程と温間圧延工程(S1)あるいは温間圧延工程(S1),後工程では温間圧延工程(S3)と室温圧延工程あるいは温間圧延工程(S3)を行うことで、結晶粒の大きさを1〜8μmに微細化できる。尚、室温圧延工程の温度は、0℃以上、180℃未満程度である。
圧延工程において圧延方向を90°宛順次回転させて圧延することにより稠密六方晶の底面を板面に均一に集中させると同時に板面から65°付近に均一に一様に傾いた集合組織をとらせることができ、成形性が市販圧延材よりも向上する。
上記のように本実施例では、熱間圧延工程と、温間圧延工程と、圧延方向を略90°ずつ回転しながら、複数回の圧延を行うことにより、微細均一組織を得ることができる。即ち、熱間圧延工程(S2)において、粒界がセレーション化されることで新粒が生成する動的再結晶と、温間圧延工程(S2)において、圧延によって、結晶粒内に導入された高転位密度領域から、その後の加熱により粒内に新粒が生成する静的再結晶との組み合わせた2つの再結晶を利用し、好ましくは、結晶流内に高転位密度領域を形成する先の温間圧延工程(S1)と、静的及び動的再結晶を起させるための熱間圧延工程(S2)と、結晶粒の成長を防ぐ後の温間圧延工程(S3)とを順に行うことにより、効果的に再結晶させ、微細化を進行させることができる。
したがって、実施例のように温間圧延(S1)→熱間圧延(S2)→温間圧延(S3)とする他にも、室温圧延→温間圧延(S1)→熱間圧延(S2)→温間圧延(S3)→室温圧延としてもよいし、温間圧延(S1)→熱間圧延(S2)→温間圧延(S3)→室温圧延としてもよいし、室温圧延→温間圧延(S1)→熱間圧延(S2)→温間圧延(S3)としても、同様な作用・効果が得られる。尚、前記室温圧延においても、各圧延工程(S1),(S2),(S3)と同様に圧延方向を交差する方向に変えて複数回の圧延を行う。
このように本実施例では、請求項1に対応して、マグネシウム合金を圧延ロールにて圧延するマグネシウム合金板の製造方法において、温間圧延工程(S1)の次に熱間圧延工程(S2)を行い、各圧延工程(S1),(S2)において圧延方向を交差する方向に変えて複数回の圧延を行うから、結晶粒内に高転位密度領域を形成する先の温間圧延工程(S1)と、静的及び動的再結晶を起させるための熱間圧延工程(S2)とを順に行い、各圧延工程(S1),(S2)において、圧延方向を交差する方向に変えて複数回の圧延を行うことにより、効果的に再結晶させ、微細化を進行させることができると共に、結晶粒の底面方位を分散させることができる。
また、このように本実施例では、請求項2に対応して、熱間圧延工程(S2)の次に温間圧延工程(S3)を行い、この温間圧延工程(S3)において圧延方向を交差する方向に変えて複数回の圧延を行うから、後の温間圧延工程(S3)により、結晶粒の成長を防ぐことができ、微細化に寄与する。
また、このように本実施例では、請求項3に対応して、マグネシウム合金がAl,Zn,Zr,Mn,Th及びLiのうちのいずれか1種〜3種を合計で10質量%以下含むから、機械的性質に優れた合金板が得られる。
また、このように本実施例では、請求項4に対応して、圧延方向をほぼ90度交差する方向に変えて複数回の圧延を行うから、合金板を方向的に均一に圧延して、微細化を進行させることができると共に、結晶粒の底面方位を分散させることができる。
また、このように本実施例では、請求項5に対応して、Al,Zn,Zr,Mn,Th及びLiのうちのいずれか1種〜3種を10質量%以下含むマグネシウム合金板において、平均結晶粒径が8μm以下であり、面積率で結晶粒径の90%以上が(平均結晶粒径×1.5)μm以下の範囲であり、結晶粒の底面[(0001)面]が圧延面に列んだ集合組織の他、圧延面に対して所定角度で傾いた集合組織を、圧延方向及び板幅方向に分散したから、成形性に優れたマグネシウム合金板となる。尚、平均平均結晶粒径が8μmの場合、(平均結晶粒径×1.5)は12μmである。
また、このように本実施例では、請求項6に対応して、X線回析でのX線強度比[(0001)面のX線強度]/[(101- 1)面のX線強度]が4.5〜6.5であるから、曲げ加工などの加工性に優れたものとなる。
また、実施例上の効果として、請求項1又は2記載のマグネシウム合金板の製造方法により製造され、平均結晶粒径が8μm以下であるから、成形性に優れたマグネシウム合金となる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、実施例では、圧延方向(RD)を90°ずつ回転させて複数回の圧延を行ったが、例えば、圧延方向(RD)を120°ずつ回転させる等その角度は適宜選定可能であり、また、その角度は、360°を等分に分割した角度とすることが好ましい。
本発明の実施例1を示す製造方法のフローチャート図である。 同上、熱間圧延と温間圧延における再結晶を説明する説明図である。 同上、実験例と比較例と市販圧延材の顕微鏡写真の図である。 同上、実験例における圧延工程のパスと、温度と、圧下率と、合金板の厚さを示す図である。 同上、(0001)面の極点図であり、図5(A)は市販圧延材、図5(B)は実施例を示す。 同上、X線解析パターンである。 同上、市販圧延板材と実験例の成形限界線図である。 同上、稠密六方晶の結晶構造を示す模式図であり、図8(A)は、底面(0001)面に斜線を施し、図8(B)は、錐面(101- 1)面に斜線を施している。

Claims (6)

  1. マグネシウム合金を圧延ロールにて圧延するマグネシウム合金板の製造方法において、温間圧延工程の次に熱間圧延工程を行い、各圧延工程において圧延方向を交差する方向に変えて複数回の圧延を行うことを特徴とするマグネシウム合金板の製造方法。
  2. 前記熱間圧延工程の次に温間圧延工程を行い、この温間圧延工程において圧延方向を交差する方向に変えて複数回の圧延を行うことを特徴とする請求項1記載のマグネシウム合金板の製造方法。
  3. 前記マグネシウム合金がAl,Zn,Zr,Mn,Th及びLiのうちのいずれか1種〜3種を10質量%以下含むことを特徴とする請求項1記載のマグネシウム合金板の製造方法。
  4. 前記圧延方向をほぼ90度交差する方向に変えて前記複数回の圧延を行うことを特徴とする請求項1又は2記載のマグネシウム合金板の製造方法。
  5. Al,Zn,Zr,Mn,Th及びLiのうちのいずれか1種〜3種を10質量%以下含むマグネシウム合金板において、平均結晶粒径が8μm以下であり、面積率で結晶粒径の90%以上が(平均結晶粒径×1.5)μm以下の範囲であり、結晶粒の底面[(0001)面]が圧延面に列んだ集合組織の他、圧延面に対して所定角度で傾いた集合組織を、圧延方向及び板幅方向に分散したことを特徴とするマグネシウム合金板。
  6. X線回析でのX線強度比[(0001)面のX線強度]/[(101- 1)面のX線強度]が4.5〜6.5であることを特徴とする請求項5記載のマグネシウム合金板。

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