JP4779676B2 - 金型装置 - Google Patents
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Description
前記の先金部203は、主に射出成形などの樹脂によって成形されていることが多く、前記のバリ状凸部202は金型が拡開する際に発生してしまっていると考えられ、また、金型の寸法精度も災いし発生してしまっていると推測される。以下、その金型装置について説明する。
先金部203の外側には、大外径部204の後方の外側には、割型キャビティ301で形成されたアンダ−カット部(雄ネジ形状)205が形成されている。そのアンダ−カット部205は、一対の割型キャビティ301によって成形され、その割型キャビティ301が開閉することによって形成される。よって、アンダ−カット部205の中心部分には、パ−ティングライン206が発生することになる。
このとき、前記先金部203の大外径部204の端面が前記一対の割型キャビティブロック303の端面305に接触しているため、そして、その接触状態を維持しながら一対の割型キャビティブロック303が移動するため、前記大外径部204の端面の周縁部にはバリ状凸部が発生してしまう。この摺接・移動は、先金部203の熱収縮により割型キャビティブロック303の端面305に押し付けられた状態で行われることになり、前記のバリ状凸部の発生は顕著となる。
そこで、その摺接抵抗を緩和するために、前記割型キャビティブロック303の端面305に円錐状の抜き勾配306を形成することも試みられた。しかし、前記割型キャビティブロック303の端面305に抜き勾配306を形成するために形成した割型キャビティ内径寸法307と、キャビティ301に先金部203の大外径部204を形成するために形成したキャビティ内径寸法308を同一な形状とし合致させなければならない。それらの寸法を合致させることで大外径部204のバリ状凸部202の発生を防止できるのである。尚、円柱状部208に抜き勾配209を形成した場合には、その抜き勾配209が形成されることで、円すい形状部210が形成されることになる。その円すい形状部210は、前記円柱状部208の軸長方向寸法211と、勾配角度212で構成され、これによって軸径方向寸法213は三角関数で算出されることになる。ちなみに、前記割型キャビティブロック303の端面305に形成する円すい形状部309の抜き勾配306の勾配角度310は、0.5度〜3度の範囲が一般的である。よって、前記の勾配角度310が1度の抜き勾配209を割型キャビティブロック303に形成した場合には、軸長方向寸法311の変化に対して、軸径方向寸法312は約57倍も変化することになる。また、前記割型キャビティブロック303をパ−ティング面314を基準とし、軸長方向寸法315を0.01ミリ切削することで、軸径方向寸法316は0.57ミリ変化することになる。以上説明したように、軸径方向寸法316の前記割型キャビティ内径寸法307を軸長方向寸法311で正確の形成することは非常に困難であり、仮に形成しようとしても、精度を実現する為には多くの時間と多額の費用が必要となり、生産性を考慮すると現実的ではない。
また、前記キャビティ301に形成したキャビティ大外径部寸法318よりも抜き勾配306Bを形成したことで割型キャビティ内径寸法317が大きくなり、その結果、先金部の収縮による抵抗を防止し、スム−ズに離脱させることもできるが、先金部203の抜き勾配軸径寸法215が大外径部204よりも大きくなり、その結果、鋭利なバリ状凸部202が発生してしまい、製品としての価値を著しく落としてしまうことになる。
前記金型100は、固定側型板群101と可動側型板群101Aとから構成されており、開閉が可能なものとなっている。そして、前記固定側型板群101には前軸1の先金部2を成形するキャビティブロック117が配置されており、そのキャビティブロック117の内面には、樹脂が流れ込み先金部2が形成されるキャビティ102が形成されている。一方、前記可動側型板群101Aには、前軸1の雄ネジ部3を成形する一対の割型キャビティブロック103a、103bが開閉可能に配置されており、それら一対の割型キャビティブロック103a、103bの合い対向する内面には、樹脂が流れ込み雄ネジ部3が形成される割型キャビティ104が形成されている。つまり、前軸1の雄ネジ部3は、一対の割型キャビティ104によって成形されるのである。
尚、前記前軸1は、各々のキャビティに樹脂が充填された後、金型100内で冷却され、硬化する。
そして、冷却・硬化後、前記固定側型板群101と可動側型板群101Aが拡開し、このとき、前記前軸1の先金部2がキャビティ102から抜け出て露出する。
更に、前記固定側型板群101と可動側型板群101Aの拡開が進行すると、前記一対の割型キャビティブロック103a、103bがスライドレール105に沿って拡開し、このとき前記雄ネジ部3が割型キャビティ104から抜け出て露出する。前記一対の割型キャビティブロック103a、103bは、固定側型板群101に固定されているアンギュラピン107によってなされる一方、割型キャビティブロック103a、103bの閉鎖動作もアンギュラピン107によってなされる。
そこで、抜き勾配110を構成する軸径寸法115とキャビティ102の内径寸法118を同一な径に形成するより良い手段について説明する。最初に、抜き勾配110構成する軸径寸法115を決定し、その軸径寸法を成形基準119する。次に、勾配角度116を形成する。この時点で、前記軸長寸法114は、軸径寸法115と相まって、前記の勾配角度116で形成された寸法に加工される。その結果、抜き勾配110の成形基準119である加工基準120を、常に軸径寸法115とすることで、前記前軸1の外観である先金部2へのバリ状凸部202の発生を防止することができる。更に具体的に説明すると、金型100の固定側型板群101のキャビティブロック117に形成されたキャビティ102の内径寸法118は、前軸1の先金部2の大外径部4を形成する寸法となっており、前記抜き勾配110の軸径寸法115の加工基準120としている。そして、その加工基準120を基準として、軸長方向121に加工している。ちなみに、その軸長方向の寸法深さ122を0.0ミリ〜0.3ミリの範囲で設定している。
尚、本例においては、抜き勾配110を形成する勾配面123を直線状の円錐孔として形成しているが、曲面124形状としても良く、また、直線面と曲面125とを連結させても良く、更には、前記大外径部4から後方に向けてストレート孔を形成し、そのストレート孔から連続して前記と同様の円錐孔を形成しても良い。
2 先金部
3 雄ネジ部
4 大外径部
5 外径部
6 段差
100 本金型
101 固定側型板群
101A 可動側型板群
102 キャビティ
103A 割型キャビティブロック
103B 割型キャビティブロック
104 割型キャビティ
105 スライドレ−ル
106 固定側型板
107 アンギュラピン
108 型開方向
109 垂直方向
110 抜き勾配
111 軸径方向分割面
112 先ピン
113 コアピン
114 軸長寸法
115 軸径寸法
116 勾配角度
117 キャビティブロック
118 内径寸法
119 形成基準
120 加工基準
121 軸長方向
122 軸長方向の寸法深さ
123 勾配面
124 曲面
125 テーパー面と曲面
201 筆記具
202 バリ状凸部
203 先金部(成形品)
204 大外径部
205 アンダ−カット
206 パ−ティングライン
207 軸長方向
208 円柱状部
209 抜き勾配
210 円すい形状部
211 軸長方向寸法
212 勾配角度
213 軸径方向寸法
214 フラット面
215 抜き勾配軸径寸法
301 キャビティ
302 割型キャビティ
303 割型キャビティブロック
304 方向
305 端面
306 抜き勾配
306A 抜き勾配
306B 抜き勾配
307 割型キャビティ内径寸法
308 キャビティ内径寸法
309 円すい形状部
310 勾配角度
311 軸長方向寸法
312 軸径方向寸法
314 パ−ティング面
315 軸長方向寸法
316 軸径方向寸法
316A 割型キャビティ軸径寸法
317 割型キャビティ内径寸法
318 割型キャビティ内径寸法
319 基準位置
Claims (2)
- 軸筒に鍔部が形成され、その鍔部を境に開閉可能な1対の割型キャビティブロックを有する金型装置であって、その割型キャビティブロックの前記鍔部が成形される面に鍔部の外周縁を基点とする円錐孔を形成したことを特徴とする金型装置。
- 前記鍔部が成形される面に鍔部の外周縁を基点とするストレート孔を形成すると共に、そのストレート孔から連続して円錐孔を形成したことを特徴とする請求項1記載の金型装置。
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