JP4779675B2 - 還元金属の製造方法 - Google Patents

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本発明は、移動型炉床炉を使って金属含有物から還元金属を製造する方法に関し、とくに炉内を水平移動する炉床上に堆積させた金属含有物を、その炉床が炉内を移動する間に加熱還元することによって還元金属を連続的に製造する方法について提案する。
近年、金属含有物から還元金属を製造する方法として、移動型炉床炉を用いる方法が注目されている。この方法は、特許文献1にも開示されているように、原料として、炭材を内装したペレットを用いるのが普通である。この炭材内装ペレットというのは、金属含有物(以下、「酸化鉄」の例で説明する)を還元するのに必要な炭素量として、化学量論的必要量(以下、「化学等量」という)よりも多く含有させたものが用いられている。その理由は、酸化鉄の還元および還元後の再酸化を防止するためである。
ただし、この技術の場合、次のような問題点があった。それは、還元金属(以下、「還元鉄」の例で述べる)を炉床上で溶融させると、その炉床の耐火物に溶融鉄が融着するだけでなく、炉床耐火物に発生した微細な割れ目などに侵入し、その溶融鉄が凝固後の鉄排出時に、炉床耐火物を損傷するといったような問題が生じるからである。また、原料成分が変動した場合に、正確な還元材量の調整が求められること、そして、過剰の還元材は操業負荷を大きくするという問題が生じるからである。
このような問題点を解決するために、従来、溶融鉄が炉床耐火物に直接接触することがないように、炉床耐火物上にあらかじめ粉状の固体還元材などのスペーサーを堆積させることにより、内装還元材の使用量を抑制する方法が提案されている。たとえば、特許文献2では、炉内の炉床上にまず固体還元材を床敷材として装入し、その固体還元材層の上に、内装還元材(炭材)の量を酸化鉄を還元するのに必要な化学等量よりも少なくした造粒原料を装入して操業する方法が提案されている。
特開昭63−108188号公報 特開2001−181719号公報
しかしながら、上掲の従来技術についてはなお、次のような問題があった。それは、酸化鉄含有原料が、たとえば製鉄ダストや製鉄スラッジなどのように、多くの炭素分を含有するために、Fe分の含有量が相対的に低いものである場合には、Fe量が少ない分だけ溶融物メタル、スラグの凝集が起らないままに溶融が進行し、そのために、粒径が小さいままの還元鉄が多数生成するということである。このような粒径の小さい還元鉄が生成すると、製品の回収率が悪くなり、しかも製鉄用鉄源などとして使用する際に、粒径が小さすぎて鉄源原料として適さないという問題があった。
従って、従来の移動型炉床炉における酸化鉄含有物の処理方法では、酸化鉄含有原料中に内装される固体還元材、即ち該原料中の炭素含有量が酸化鉄の還元に必要な理論炭素量よりも多くすると、とくに特許文献2に記載の方法による限り、上記問題の有効な処理方法が存在しないという課題が残った。
そこで、本発明の目的は、移動型炉床炉の操業における上述した課題を解決することにあり、とくに粒径の大きい還元金属を生成させることができ、しかも金属成分の含有量が少ない金属含有物などから高品位の還元金属を有利に製造することにある。
本発明は、従来技術が抱えていた上述した課題を克服し、上記目的を実現できる方法として、下記の課題解決手段を開発した。すなわち、本発明は、金属含有物および固体還元材を含む混合原料を、移動型炉床炉内を水平移動する炉床上の固体還元材層の上に装入堆積させ、その炉床が炉内を移動する間に前記混合原料からなる原料装入層を加熱還元して、少なくとも一度は溶融状態にまで導くことによって、還元金属を製造する方法において、前記原料装入層および前記固体還元材層として境界部分に平坦部を形造ることなく縦横に連続して形成されている四角錐状凹部連なりからなる凹凸層を用いることを特徴とする還元金属の製造方法である。
本発明にかかる還元金属の製造方法おいては、
a.前記凹凸層は、装入原料層が加熱されることによって生成する溶融物が、前記四角錐状凹部のいずれかに凝集して溜まるように構成されたものであること、
.前記四角錐状凹部は、原料装入層およびその下層の固体還元材層の両方に亘る窪みがあること、
.前記四角錐状凹部は、凹部斜面が炉床面と平行な面に対してなす角をθとし、θ≧20°であること、
.前記混合原料は、金属酸化物含有湿原料に対し、少なくとも乾燥粉と固化剤とを加えて造粒した造粒原料と粉状原料とを含むこと、
.前記粉状原料は、前記造粒原料よりも溶融しやすい成分組成を有する金属酸化物含有原料であること、
.前記混合原料中に含まれる固体還元材は、炭素の含有量が金属含有物の還元に必要な理論炭素量の0.8から4.0倍であること、
が、より有効と考えられる解決手段となり得る。
上記要旨構成にかかる本発明の製造方法によれば、加熱還元工程を経て生成するメタルやスラグの溶融粒が、原料装入層と固体還元材層とに設けられた凹部内にもれなく流入しやすくなるため、所定の大きさに肥大化した粗粒状の還元金属が得られやすい。従って、本発明によれば、取扱いやすい形態となった還元金属を効率よく回収することができるようになる。この意味において、本発明により得られた還元金属は、溶製金属製造用原料として、また、焼結金属用原料として、あるいはその他の原料として有用であり、これらの原料を低コストで提供することができる。とくに、本発明によれば、造粒原料の他に粉状原料を加えた場合、上記凹部の作用と相俟って、粒径の大きなメタルの粒が生成しやすくなる。この場合、粉状原料として金属成分の含有量が多く溶けやすい微粉を用いると、炭素含有量が高く一方では鉄分の少ないという特徴をもつ製鉄ダストなどから、従来技術の下では到底得られないような高品位の還元鉄を低コストで製造することができるようになる。
さらに、本発明によれば、原料装入層および固体還元材層に四角錐状凹部(窪み)の連なりからなる凹凸層を設けておくことで、脈石や灰分の混入が少なく、粒の大きさが揃った高品位の還元金属を、適当に分散した状態で回収することができる。
この発明は、移動する炉床上の、とくに固体還元材層の上に、混合原料を装入して堆積させ、このようにして形成した原料装入層および固体還元材層の両方に凹部(窪み)を設けると共に、この凹部の形状を、該原料装入層の表面からその下層にある固体還元材層にかかるような深さをもつ四角錐状の窪みとした点に特徴がある。
なお、この凹部(窪み)の底面部分は角錐状でなくとも円錐状になったものでもよい。つまり、本発明において、四角錐状凹部とは、このような場合も含むものであり、この意味で本発明の四角錐状とは、少なくとも原料装入層の上部が四角錐状になっていれば足りるものである。
そして、これらの凹部は、互いに隣接するものどうしの境界部分には平坦部を形造ることなく、隙間のない状態で、縦横に連続して設けられたものである。即ち、図1に示すように、原料装入層1aから固体還元材層1bに跨って、四角錐状(擂り鉢状)の窪みからなる凹凸が連続的に設けられた層となっている。
原料装入層や固体還元材層をこのような四角錐状凹部の連なりからなる凹凸層とすると、炉床上に装入した混合原料(原料装入層1a)が炉内で加熱されて還元溶融するとき、生成する溶融物が凝集したのち、自動的にこれらの凹部3、とくに最終的には固体還元材層1bに設けられた凹部3内のいずれかに必ず流入し、この凹部3の大きさに応じたサイズの溶融粒となり、しかも、均一に分散した状態で生成するようになるので、後々の作業が容易になる。
以下、積層状態にある原料装入層および固体還元材層に、前記四角錐状凹部を形成することにした理由について説明する。一般に、移動型炉床炉炉内で加熱された混合原料は、加熱還元後、溶融し、還元金属を生成する。生成したその還元金属は、溶融が進むにつれて表面張力によって小粒状の溶融メタルとなって、固体還元材層1b上に保持される。このとき、環境内に十分な量の固体還元材が存在すると、金属酸化物の還元によって発生した一酸化炭素により、以下の反応が同時に進行する。
CO+C → CO
上記反応式は、吸熱反応であることから、周辺の物質は熱が奪われる結果、温度低下を招く。例えば、移動型炉床炉内の還元生成物の場合も、炉内で粒状の溶融メタルが生成したとしても、その溶融メタルは上記反応式による温度低下のために、周囲の原料の溶融を待つことなく、即ち、それ以上粒成長することなく、独立した小粒状メタルとなったまま排出部まで運ばれる。その結果、小粒径の還元金属しか得られない状態となる。
この点、もし、前記原料装入層1aおよび固体還元材層1bに、上述した四角錐状の凹部の連なりからなる凹凸層が形成してあれば、生成した溶融メタルおよび溶融スラグが該原料装入層1aおよび固体還元材層1bの凹部3内に凝集しやすくなり、粒成長を促進する。この点について、溶融したメタルおよびスラグの体積は、混合原料時の体積に対して、約10〜60vol%程度にまで収縮するので、炉床上のとくに固体還元材層に形成された凹部内に十分収容することができ、還元生成物の大径化を阻害することはない。この意味において、前記凹部3は、原料装入層1aが加熱によって溶融物に変わったときに、その溶融物量の全てを収容できるような大きさにすることが好ましいと言える。
一方、同じように凹部を形成したとしても、例えば、図2に示すような従来の凹部3aの場合、形成されたこの凹部3a以外の表面、それは隣り合う凹部3aどうしの境界部分は、平坦部3bになっているのが普通である。そのため、凹部3a以外の所に堆積している原料は、溶融した後も元のままの平坦部3bに残って凹部3a内に流入せず、凹部3a間に滞留し、凹部内に移動することなくそのまま排出部まで運ばれることになる。
そこで、発明者らは、炉床上の原料装入層1aや固体還元材層1bに形成する前記凹部3の形態そのものを工夫することにした。それは凹部3を、図1に示すように、上述した平坦部3bをつくることなく隙間なく形成させること(そのためには、平面視で四角形の凹部3、つまり四角錐状凹部とすることが有利である)により、凹部と凹部の間を限りなく小さくし、生成する溶融物の全てがいずれかの凹部3内に確実に流入するようにした。このようにすると、全ての溶融物がいずれか至近の凹部3内に凝集して流入し、溶融メタル粒子の肥大化が起こるようになる。
なお、かかる四角錐状凹部3は、その傾斜角度が小さく浅いと、溶融メタル等が流入しにくくなるので、少なくとも凹部斜面が炉床面と平行な面に対してなす角をθとすると、θが20°以上で傾斜するような斜面をもつ四角錐状とすることが望ましい。このような凹部3は、図4に示すように四角錐状の凸起をもつローラ(a)や板状プレス(b)を利用して形成することができる。
本発明においては、上記凹部3の形成に加えて、さらに、炉床上に装入堆積させる混合原料として、平均粒径が相対的に大きい造粒原料(平均粒径≧1mm)と、この造粒原料とは粒径および/または成分組成の異なる粉状原料(平均粒径<1mm)との2種類の原料を混合したものを用いることが好ましい。以下、その理由について説明する。
粉状原料に比べて粒径の大きい(平均粒径≧1mm)ものの、この粒状原料が加熱されると、含有する揮発分や水分が蒸発して粒径が小さくなる。ただし、この場合、生成した溶融物は、従来のように原料装入層の表面の全面に亘って濡れ拡がるようなことはないものの、炉床上に散在したままの状態となり、いわゆる小粒状のメタルが分散した状態で生成する。
このような小粒状のメタルが生成する(小さいために回収が難しく生産性が低下する)のを防止するために、本発明では、第1に、上述したように、混合原料の装入に際し、原料装入層および固体還元材層に四角錐状凹部を設けることを提案した。このことに加え、本発明では、第2に、造粒原料に対してこれとは別に、粉状原料を添加装入するか、その造粒原料を装入後、その上から粉状原料を撒布する方法を提案する。これらの原料調整方法によれば、そのいずれであっても、小粒状メタルの生成抑制に有効であることがわかった。
ただし、上記造粒原料については、粒径があまり大きいと、前記凹部3の型崩れが起こるので、1〜10mm程度、望ましくは、平均粒径5mm程度の大きさにするのがよい。
このように、造粒原料に対し溶融しやすい組成を有する粉状原料を添加する本発明方法の場合、その粉状原料の粒径が小さい程、添加の効果が顕著である。それは、粉状原料の場合、粒径が小さい分だけ粒子内部まで熱が伝わりやすく、そのため、供給される熱量が同じであれば、粒径が小さく溶けやすい粉状原料表面ほど速く昇温して溶融する。すなわち、粒径が小さく溶けやすい粉末原料は、隣接する粒子どうしの距離が小さいため、溶融が始まると、その速度が速く原料表面全体に拡がりやすい。そして、このとき生成する溶融物は、小区画毎に凝集して、適度の大きさのメタルおよびスラグを生成すると同時に、造粒原料どうしの間に介在して、これら造粒原料相互間を該溶融物でつなぎとめるように作用する。
このように、粒径が相対的に大きい造粒原料に対して、粒径が相対的に小さく溶けやすい粉状原料を一緒に混合すると、該造粒原料どうしの間に生成する間隙が、これらの粉状原料によって埋め合わされる。そして、この粉状原料の溶融が始まると、隣接する造粒粒子にまたがって融液が発生するから、造粒原料のみを使用する場合に比べ、より多数の造粒粒子が連なった状態で溶融する。その結果、より大きい粒径の溶融メタルが生成するのである。
しかも、生成した溶融メタルは、本発明の場合、直ちに前記四角錐状凹部3内に溜まり、一定の大きさの溶融メタルとなる。
次に、酸化鉄造粒原料中に内装すべき固体還元材の含有量について説明する。
混合原料中に含まれる酸化鉄含有物の還元に必要な理論炭素量をA、原料中に含まれる固体還元材中の炭素量をBとし、Aに対するBの割合(B/A)を炭材比とする。
ところで、たとえば、ミルスケールのようにFe分が多くC分の少ない、いわゆる炭材比の小さい原料の場合、溶融しやすく生成するメタル重量も大きいので、小粒メタルの生成量が少なくなる。たとえば、ダストのように炭材比の大きい原料の場合、溶融しにくく生成するメタルの重量が小さいので小粒メタルの生成量が多くなる。もし、これを解消しようとすると、原料の装入堆積層の層厚を大きくする必要がある。その結果、原料装入層の伝熱が不十分となり、操業負荷が増大するので好ましくない。そこで、本発明においては、原料の炭材比は、0.8〜4.0とすることにした。炭材比が0.8未満では、溶融物の還元に時間がかかり生産性が低下するからであり、一方、炭材比が4.0を超えると、還元生成物の溶融が困難となり、さらには原料装入層厚が大きくなり操業負荷が増大するからである。
次に、混合原料について説明する。
a.本発明において用いる金属含有物としては、鉄鉱石、Cr鉱石、Ni鉱石、砂鉄、還元鉄粉、製鉄ダスト、ステンレス精練ダスト、製鉄スラッジなどの鉄分、Ni分、Cr分、Zn分、Pb分などを含有するものを使用する。
b.本発明において用いる前記固体還元材としては、石炭チャー、コークス、一般炭、無煙炭などの炭素含有材料を主として用いることができる。
c.これら金属含有物および固体還元材は、それぞれ単一種類のものを使用してもよいし、また、各々2種以上のものを混合して使用してもよい。
d.また、混合原料中には、溶融時に還元鉄や灰分の溶融を容易にするために必要な最小限の副原料を添加してもよい。このような副原料としては、石灰石、螢石、蛇紋岩、ドロマイトなどが使用できる。さらに、これらの原料素材は、ブリケットやペレットなどのように予め塊状化したものを用いてもよい。
次に、発明者らは、ガス加熱炉等からなる実験設備を用い、混合原料中に内装する固体還元材の含有量が金属含有物の還元に必要な量よりも多いものを原料を使用し、前記凹部3の形状を変えた時の小粒径メタルの生成比率について調査したので、その結果について説明する。この調査では、金属含有物として、平均粒径1mm程度に造粒した製鉄ダストを用い、固体還元材として粒径3mm以下に整粒した無煙炭を用いた。また、1mm以下の固体還元材を所定の割合で配合したものも原料として使用した。そして、製鉄ダストと無煙炭の割合を種々変えた混合原料を、試料容器(0.5m×0,5m)内に積み付け、その容器内には、まず、固体還元材を30mmの厚さで敷き、その上に原料を積載した。さらに、その原料装入層と固体還元材層とには、四角錐状凹部を設けた。この実験では装入する原料中の鉄分量を一定にして実験した。
試料容器を実験装置内に装入し、1500℃に一定時間加熱保持して還元し、少なくとも一部は溶融した状態にしたのち取り出し、還元生成物の状態を調査した。
上記実験結果を図3に示す。生成した全てのメタル重量に対する−5mmのメタル重量比率を小粒径メタル比率の指標とした。
この図から明らかなように、図に示すような千鳥状の凹部3がある場合の小粒径メタル比率は凹部3がない場合に比べて低い。しかし、図1に示すような四角錐状凹部を用いた場合は、小粒径メタル比率がさらに低減することがわかった。
この実施例は、移動型炉床炉として、図5に示すような直径2.2mの回転テーブル上(移動炉床)に、アルミナ系耐火物を取り付けた炉床1と、その炉床上を環状の炉体にて覆うと共にバーナー13を設置してなる回転炉床炉10を用いて、還元鉄を製造する操業例である。
図2に示す回転炉床炉は、予熱帯10a、還元帯10b、溶融帯10cおよび冷却帯10dに区画されている。また、この回転炉炉床10の移動炉床上には、鉄系原料とコークスとを含む混合原料を堆積した原料層2が形成されてる。
なお、移動炉床に生成したメタルおよびスラグの排出に当たっては、これらを固体還元材層の上層部分と共に炉外に排出し、篩によってメタルとスラグと固体還元材とに分離し、固体還元材については再び固体還元材層として利用した。また、炉内の予熱帯〜冷却帯間の温度パターンは変更せず、排出装置11の位置でのスラグ、メタルの分離状況を確認し、分離が十分できる速度に移動炉床1の速度を設定した。
また、炉の供給口における原料の積みつけ方法は、移動炉床1上の装入装置12により、該移動炉床1上には予め固体還元材層を形成しておき、その上に混合原料を積みつけた。さら四角錐状凹部を形成させたもの、および図2にしめすような通常の凹部3をもうけたもの、凹部3の全くないものを準備した。
(比較例1)
この例では、凸部ローラーを全く使用せずに、原料装入層の表面に凹部3を形成せず平坦なもので操業した。その結果、小粒径メタルが多数生成し、排出されたメタルの粒度は−5mmの比率が平均20%であった。さらに、凹部3がないために、溶融した小粒メタル同士が、平面上の連続的に繋がった大きな塊を形成し、板上のメタルとなる現象が見られた。そのため、製品回収装置において排出不良が発生し、炉床速度低下アクションおよび原料装入量低減などにより、生産性が低下した。
(比較例2)
上記の操業において、凸部を有するローラーを使用した。しかし、原料層表面に形成する凹部3を千鳥格子状として分散した状態のものである。この場合、連続的に繋がった大きな塊を形成するようなことはなく、これらの凹部3にメタル、スラグが流入した。排出されたメタルの−5mm比率は平均15%であった。溶融帯における炉内観察の結果、凹部3以外の場所に生成した小粒メタルは、凹部3に流入せずに、そのまま排出部に運ばれていることが観察された。
(発明例)
そこで、図4(a)に示すように、凸部形状が四角錐状のローラーを用いて、原料装入層と固体還元材層に図1に示すような四角錐状凹部3を形成して同様の操業を行った。その結果、排出されたメタルの−5mm比率は平均10%未満となり、問題のない操業が可能であることが確かめられた。
Figure 0004779675
本発明は、製鉄所で発生するダストやスラッジの如き副生物から還元金属を製造する方法だけでなく、鉄鉱石の還元操業において、ハンドリングの容易な電気炉等への原料用粒状メタルの製造技術として有用である。
本発明例に適合する四角錐状凹部を形成した原料装入層の断面図である。 比較例である楔形円錐状凹部を千鳥状に形成した原料装入層の断面図である。 炭材比と小径メタル生成量との関係を示すグラフである。 凹部形成用のローラ(a)および板状プレス(b)の例を示す略線図である。 回転炉床炉の一例を示す略線図である。
符号の説明
1 移動炉床
1a 原料装入層
1b 固体還元材層
2 原料層
3 凹部
10a 予熱帯
10b 還元帯
10c 溶融帯
10d 冷却帯
11 排出装置
12 装入装置

Claims (7)

  1. 金属含有物および固体還元材を含む混合原料を、移動型炉床炉内を水平移動する炉床上の固体還元材層の上に装入堆積させ、その炉床が炉内を移動する間に前記混合原料からなる原料装入層を加熱還元して、少なくとも一度は溶融状態にまで導くことによって、還元金属を製造する方法において、
    前記原料装入層および前記固体還元材層として境界部分に平坦部を形造ることなく縦横に連続して形成されている四角錐状凹部連なりからなる凹凸層を用いることを特徴とする還元金属の製造方法。
  2. 前記凹凸層は、装入原料層が加熱されることによって生成する溶融物が、前記四角錐状凹部のいずれかに凝集して溜まるように構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の還元金属の製造方法。
  3. 前記四角錐状凹部は、原料装入層およびその下層の固体還元材層の両方に亘る窪みであることを特徴とする請求項1または2に記載の還元金属の製造方法。
  4. 前記四角錐状凹部は、凹部斜面が炉床面と平行な面に対してなす角をθとし、θ≧20°であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の還元金属の製造方法。
  5. 前記混合原料は、金属酸化物含有湿原料に対し、少なくとも乾燥粉と固化剤とを加えて造粒した造粒原料と粉状原料とを含むことを特徴とする請求項1に記載の還元金属の製造方法。
  6. 前記粉状原料は、前記造粒原料よりも溶融しやすい成分組成を有する金属酸化物含有原料であることを特徴とする請求項に記載の還元金属の製造方法。
  7. 前記混合原料中に含まれる固体還元材は、炭素の含有量が金属含有物の還元に必要な理論炭素量の0.8から4.0倍であることを特徴とする請求項1に記載の還元金属の製造方法。
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