JP4779675B2 - 還元金属の製造方法 - Google Patents
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a.前記凹凸層は、装入原料層が加熱されることによって生成する溶融物が、前記四角錐状凹部のいずれかに凝集して溜まるように構成されたものであること、
b.前記四角錐状凹部は、原料装入層およびその下層の固体還元材層の両方に亘る窪みがあること、
c.前記四角錐状凹部は、凹部斜面が炉床面と平行な面に対してなす角をθとし、θ≧20°であること、
d.前記混合原料は、金属酸化物含有湿原料に対し、少なくとも乾燥粉と固化剤とを加えて造粒した造粒原料と粉状原料とを含むこと、
e.前記粉状原料は、前記造粒原料よりも溶融しやすい成分組成を有する金属酸化物含有原料であること、
f.前記混合原料中に含まれる固体還元材は、炭素の含有量が金属含有物の還元に必要な理論炭素量の0.8から4.0倍であること、
が、より有効と考えられる解決手段となり得る。
なお、この凹部(窪み)の底面部分は角錐状でなくとも円錐状になったものでもよい。つまり、本発明において、四角錐状凹部とは、このような場合も含むものであり、この意味で本発明の四角錐状とは、少なくとも原料装入層の上部が四角錐状になっていれば足りるものである。
CO+C → CO2
ただし、上記造粒原料については、粒径があまり大きいと、前記凹部3の型崩れが起こるので、1〜10mm程度、望ましくは、平均粒径5mm程度の大きさにするのがよい。
しかも、生成した溶融メタルは、本発明の場合、直ちに前記四角錐状凹部3内に溜まり、一定の大きさの溶融メタルとなる。
混合原料中に含まれる酸化鉄含有物の還元に必要な理論炭素量をA、原料中に含まれる固体還元材中の炭素量をBとし、Aに対するBの割合(B/A)を炭材比とする。
ところで、たとえば、ミルスケールのようにFe分が多くC分の少ない、いわゆる炭材比の小さい原料の場合、溶融しやすく生成するメタル重量も大きいので、小粒メタルの生成量が少なくなる。たとえば、ダストのように炭材比の大きい原料の場合、溶融しにくく生成するメタルの重量が小さいので小粒メタルの生成量が多くなる。もし、これを解消しようとすると、原料の装入堆積層の層厚を大きくする必要がある。その結果、原料装入層の伝熱が不十分となり、操業負荷が増大するので好ましくない。そこで、本発明においては、原料の炭材比は、0.8〜4.0とすることにした。炭材比が0.8未満では、溶融物の還元に時間がかかり生産性が低下するからであり、一方、炭材比が4.0を超えると、還元生成物の溶融が困難となり、さらには原料装入層厚が大きくなり操業負荷が増大するからである。
a.本発明において用いる金属含有物としては、鉄鉱石、Cr鉱石、Ni鉱石、砂鉄、還元鉄粉、製鉄ダスト、ステンレス精練ダスト、製鉄スラッジなどの鉄分、Ni分、Cr分、Zn分、Pb分などを含有するものを使用する。
b.本発明において用いる前記固体還元材としては、石炭チャー、コークス、一般炭、無煙炭などの炭素含有材料を主として用いることができる。
c.これら金属含有物および固体還元材は、それぞれ単一種類のものを使用してもよいし、また、各々2種以上のものを混合して使用してもよい。
d.また、混合原料中には、溶融時に還元鉄や灰分の溶融を容易にするために必要な最小限の副原料を添加してもよい。このような副原料としては、石灰石、螢石、蛇紋岩、ドロマイトなどが使用できる。さらに、これらの原料素材は、ブリケットやペレットなどのように予め塊状化したものを用いてもよい。
試料容器を実験装置内に装入し、1500℃に一定時間加熱保持して還元し、少なくとも一部は溶融した状態にしたのち取り出し、還元生成物の状態を調査した。
この図から明らかなように、図に示すような千鳥状の凹部3がある場合の小粒径メタル比率は凹部3がない場合に比べて低い。しかし、図1に示すような四角錐状凹部を用いた場合は、小粒径メタル比率がさらに低減することがわかった。
図2に示す回転炉床炉は、予熱帯10a、還元帯10b、溶融帯10cおよび冷却帯10dに区画されている。また、この回転炉炉床10の移動炉床上には、鉄系原料とコークスとを含む混合原料を堆積した原料層2が形成されてる。
また、炉の供給口における原料の積みつけ方法は、移動炉床1上の装入装置12により、該移動炉床1上には予め固体還元材層を形成しておき、その上に混合原料を積みつけた。さら四角錐状凹部を形成させたもの、および図2にしめすような通常の凹部3をもうけたもの、凹部3の全くないものを準備した。
この例では、凸部ローラーを全く使用せずに、原料装入層の表面に凹部3を形成せず平坦なもので操業した。その結果、小粒径メタルが多数生成し、排出されたメタルの粒度は−5mmの比率が平均20%であった。さらに、凹部3がないために、溶融した小粒メタル同士が、平面上の連続的に繋がった大きな塊を形成し、板上のメタルとなる現象が見られた。そのため、製品回収装置において排出不良が発生し、炉床速度低下アクションおよび原料装入量低減などにより、生産性が低下した。
上記の操業において、凸部を有するローラーを使用した。しかし、原料層表面に形成する凹部3を千鳥格子状として分散した状態のものである。この場合、連続的に繋がった大きな塊を形成するようなことはなく、これらの凹部3にメタル、スラグが流入した。排出されたメタルの−5mm比率は平均15%であった。溶融帯における炉内観察の結果、凹部3以外の場所に生成した小粒メタルは、凹部3に流入せずに、そのまま排出部に運ばれていることが観察された。
そこで、図4(a)に示すように、凸部形状が四角錐状のローラーを用いて、原料装入層と固体還元材層に図1に示すような四角錐状凹部3を形成して同様の操業を行った。その結果、排出されたメタルの−5mm比率は平均10%未満となり、問題のない操業が可能であることが確かめられた。
1a 原料装入層
1b 固体還元材層
2 原料層
3 凹部
10a 予熱帯
10b 還元帯
10c 溶融帯
10d 冷却帯
11 排出装置
12 装入装置
Claims (7)
- 金属含有物および固体還元材を含む混合原料を、移動型炉床炉内を水平移動する炉床上の固体還元材層の上に装入堆積させ、その炉床が炉内を移動する間に前記混合原料からなる原料装入層を加熱還元して、少なくとも一度は溶融状態にまで導くことによって、還元金属を製造する方法において、
前記原料装入層および前記固体還元材層として、境界部分に平坦部を形造ることなく縦横に連続して形成されている四角錐状凹部の連なりからなる凹凸層を用いることを特徴とする還元金属の製造方法。 - 前記凹凸層は、装入原料層が加熱されることによって生成する溶融物が、前記四角錐状凹部のいずれかに凝集して溜まるように構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の還元金属の製造方法。
- 前記四角錐状凹部は、原料装入層およびその下層の固体還元材層の両方に亘る窪みであることを特徴とする請求項1または2に記載の還元金属の製造方法。
- 前記四角錐状凹部は、凹部斜面が炉床面と平行な面に対してなす角をθとし、θ≧20°であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の還元金属の製造方法。
- 前記混合原料は、金属酸化物含有湿原料に対し、少なくとも乾燥粉と固化剤とを加えて造粒した造粒原料と粉状原料とを含むことを特徴とする請求項1に記載の還元金属の製造方法。
- 前記粉状原料は、前記造粒原料よりも溶融しやすい成分組成を有する金属酸化物含有原料であることを特徴とする請求項5に記載の還元金属の製造方法。
- 前記混合原料中に含まれる固体還元材は、炭素の含有量が金属含有物の還元に必要な理論炭素量の0.8から4.0倍であることを特徴とする請求項1に記載の還元金属の製造方法。
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