JP4779520B2 - 商品提案システム、商品販売システム、商品設計支援システム - Google Patents

商品提案システム、商品販売システム、商品設計支援システム Download PDF

Info

Publication number
JP4779520B2
JP4779520B2 JP2005261216A JP2005261216A JP4779520B2 JP 4779520 B2 JP4779520 B2 JP 4779520B2 JP 2005261216 A JP2005261216 A JP 2005261216A JP 2005261216 A JP2005261216 A JP 2005261216A JP 4779520 B2 JP4779520 B2 JP 4779520B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
product
human body
data
body model
image data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005261216A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006323804A (ja
Inventor
ピー ヴィ ハリーシュ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2005261216A priority Critical patent/JP4779520B2/ja
Publication of JP2006323804A publication Critical patent/JP2006323804A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4779520B2 publication Critical patent/JP4779520B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
  • Processing Or Creating Images (AREA)

Description

本発明は、仮想空間における人体モデルを用いて商品の使い勝手を視覚的に示すようにした商品提案システム、商品販売システム、商品設計支援システムに関するものである。
従来から、商品の使い勝手を評価する技術として、商品の実物に触れずにコンピュータプログラムを用いて構築した仮想空間内での人体モデルにより評価する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の技術では、利用者の現在の身体的特徴量(体形や体力)での商品の使い勝手を評価するが、加齢による利用者の体形や体力の変化については考慮しておらず、利用者の加齢後における商品の使い勝手を評価することはできないという問題を有している。
そこで、利用者の現在の年齢に対して加齢後の年齢の人体モデルを生成し、この人体モデルを用いることにより利用者の加齢後における商品の使い勝手を評価できるようにすることが提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
特開2003−256873号公報 特開2004−94337号公報
上述したように、特許文献1に記載の技術では、利用者の加齢後における商品の使い勝手を知ることができないから、長期間に亘って使用する商品について将来も使用し続けることができるか否かに不安を残すことになる。一方、特許文献2に記載の技術を採用すれば、利用者の加齢後における商品の使い勝手を評価することができるから、特許文献1における問題点をある程度は解決することができる。
ただし、特許文献2に記載の技術では、当該商品を利用者が加齢後においても使用可能であるか否かを評価することはできるとしても、同用途の他の商品との使い勝手を比較したり、利用者の現在の年齢と加齢後の年齢とでの使い勝手の違いを比較したりすることはできない。したがって、利用者が同用途の複数種類の商品から商品を選択することに利用するには不満が残る。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、同用途の複数種類の商品について使い勝手が比較可能になる形で視覚的に示すことにより、商品の使い勝手を利用者に直感的に理解させることができるようにし、しかも様々な年齢における使い勝手の比較も可能とする商品提案システムを提供し、また商品の使い勝手を確認した顧客による商品の購入を容易にする商品販売システムを提供し、さらに商品の設計者による商品の使い勝手の評価を容易にする商品設計支援システムを提供することにある。
請求項1の発明は、同用途の複数種類の商品についてそれぞれの三次元形状データを格納した商品データ記憶部と、人体の動きを推測するための身体的特徴量のパラメータと年齢とを入力データとして少なくとも入力するデータ入力部と、入力データを用いて三次元の人体モデルを生成し商品データ記憶部から選択した商品の操作に必要な当該人体モデルにおける各部位の可動範囲を推定する可動範囲推定部と、前記商品と前記人体モデルとを含む三次元画像データを生成する画像データ生成部と、三次元画像データによる三次元画像を表示するディスプレイ装置と、商品の使い勝手を比較できる組み合わせで複数の三次元画像データによる三次元画像をディスプレイ装置の1画面に並べて表示させるように複数の三次元画像データを結合する表示処理部とを備え、画像データ生成部は、人体モデルの特定部位が到達する容易度に応じた複数段階の可動ゾーンを生成してディスプレイ装置に表示させ、各段階の可動ゾーンとして、少なくとも、人体モデルの特定部位が容易に到達する第1の可動ゾーンと、無理をすれば人体モデルの特定部位が到達する第2の可動ゾーンと、人体モデルの特定部位が容易には届かない第3の可動ゾーンとの3段階の可動ゾーンとを含むことを特徴とする。
この構成によれば、身体的特徴量と年齢との異なる種々の人体モデルについて各部位の可動範囲を推定することができ、このような人体モデルと商品とを組み合わせた複数種類の三次元画像データを結合した三次元画像をディスプレイ装置の1画面に表示するから、商品の種類や人の可動範囲の相違による商品の使い勝手の違いを1画面上で比較することができ、商品の使い勝手を利用者に直感的に理解させることができる。とくに、到達の容易度に応じた可動ゾーンをディスプレイ装置に複数段階で表示するから、商品の使用の容易さの程度を利用者に直観的に理解させることができる。
請求項2の発明は、同用途の商品について少なくとも従来商品と提案商品との複数種類の三次元形状データが格納される商品データ記憶部と、年齢に応じた人体の動きを推測するための利用者の身体的特徴量のパラメータと利用者の現在の年齢である第1の年齢および加齢後の年齢である第2の年齢とを入力データとして入力するデータ入力部と、入力データを用いて三次元の人体モデルを生成し商品データ記憶部から選択した商品の特定部位の操作に必要な当該人体モデルの特定部位の可動範囲を示す可動ゾーンデータを第1の年齢と第2の年齢との各場合について推定する可動範囲推定部と、当該商品の三次元形状データと前記可動ゾーンデータとを用い第1の年齢と第2の年齢とについて商品と人体モデルと可動範囲とを含む三次元画像データを生成する画像データ生成部と、三次元画像データによる三次元画像を表示するディスプレイ装置と、従来商品と提案商品との使い勝手を比較できる組み合わせで複数の三次元画像データによる三次元画像をディスプレイ装置の1画面に並べて表示させるように複数の三次元画像データを結合する表示処理部とを備え、画像データ生成部は、人体モデルの特定部位が到達する容易度に応じた複数段階の可動ゾーンを生成してディスプレイ装置に表示させ、各段階の可動ゾーンとして、少なくとも、人体モデルの特定部位が容易に到達する第1の可動ゾーンと、無理をすれば人体モデルの特定部位が到達する第2の可動ゾーンと、人体モデルの特定部位が容易には届かない第3の可動ゾーンとの3段階の可動ゾーンとを含むことを特徴とする。
この構成によれば、利用者の現在の年齢と加齢後の年齢とに対応する三次元の人体モデルを生成し、商品の三次元形状データと人体モデルとの組合せにより仮想の三次元空間で商品の特定部位の操作が可能か否かを判断することができる。また、ディスプレイ装置には複数の人体モデルが同時に表示され、各人体モデルの特定部位の可動範囲が示されるから、人体モデルとともにディスプレイ装置に表示される商品の特定部位が人体モデルの特定部位の可動範囲に含まれるか否かを確認することにより、当該商品が当該人体モデルで使用可能か否かを容易に判断することができる。とくに、到達の容易度に応じた可動ゾーンをディスプレイ装置に複数段階で表示するから、商品の使用の容易さの程度を利用者に直観的に理解させることができる。したがって、ディスプレイ装置に表示する際に、従来商品と提案商品との使い勝手を比較できるように組み合わせて複数の三次元画像データによる三次元画像を表示すれば、提案商品の使い易さを視覚的に示すことができ、結果的に商品の購入意欲を高めることができる。
ここにおいて、従来商品と提案商品との使い勝手を比較できる組合せは、種々考えられる。たとえば、2つの三次元画像データを組み合わせた三次元画像をディスプレイ装置に表示する場合であれば、従来商品と提案商品とをディスプレイ装置の画面に順に表示するとともにそれぞれ第1の年齢と第2の年齢との人体モデルを並べて表示する方法と、第1の年齢と第2の年齢との人体モデルをディスプレイ装置の画面に順に表示するとともにそれぞれ従来商品と提案商品とを並べて表示する方法と、従来商品に第1の年齢の人体モデルを組合せ、提案商品に第2の年齢の人体モデルを組合せ、両者を並べて表示する方法とが考えられる。3組以上の三次元画像データを組み合わせて表示することは可能であるが、2組の三次元画像データを比較するのがもっとも容易である。
請求項3の発明では、請求項2の発明において、前記画像データ生成部は、従来商品と提案商品とにそれぞれ人体モデルを組み合わせた三次元画像データを生成し、前記表示処理部は、両三次元画像データによる三次元画像が前記ディスプレイ装置の左右に並ぶように結合することを特徴とする。
この構成によれば、従来商品と提案商品とをディスプレイ装置の1画面に同時に表示することにより、従来商品と提案商品との入力した年齢での使い勝手を1画面で比較することができる。とくに、利用者の加齢後の年齢である第2の年齢において提案商品の使い勝手が従来商品よりもよいことをディスプレイ装置の画面上で利用者に印象付けることができ、提案商品の購入意欲を高めることができる。
請求項4の発明では、請求項2または請求項3の発明において、前記商品データ記憶部には、用途の異なる複数種類の商品に関して各用途別に従来商品と提案商品との複数種類の商品に関する三次元形状データが格納され、前記データ入力部は、商品データ記憶部に格納された商品について用途を選択するデータも入力されることを特徴とする。
この構成によれば、商品データ記憶部には、同用途の商品について従来商品と提案商品とが格納されるだけではなく、用途の異なる商品についても従来商品と提案商品とが格納されるから、複数種類の商品について従来商品と提案商品との使い勝手を比較することができる。
請求項5の発明では、請求項2ないし請求項4のいずれかの発明において、前記データ入力部は、入力データの少なくとも一部の内容が書き込まれたデータ担体を読み取る読取装置を備えることを特徴とする。
この構成によれば、データ担体に書き込んだデータ担体を用意しておけば、使用のたびにすべての入力データを手入力する必要がなくなり、入力データの入力の手間を省くことができる。たとえば、種々の商品が展示される展示会場などで商品ごとに商品提案システムが設置されているような場合には、展示会場への入場時あるいは入場前にデータ担体に入力データを書き込んでおくことにより、商品ごとに入力データを入力する無駄を省くことができる。
請求項6の発明は、商品販売システムであって、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の商品提案システムのうち少なくともデータ入力部とディスプレイ装置とを備える端末装置と、端末装置との間で通信ネットワークを介してデータ伝送が可能であって少なくとも商品データ記憶部を備えるサーバとを有し、端末装置は、サーバが提供する複数種類の商品から購入を希望する商品を選択する選択入力部を備え、サーバは、端末装置の選択入力部で選択された商品を受注する受注処理部を備えることを特徴とする。
この構成によれば、インターネットのような通信ネットワークを通してサーバとの間でデータ通信を行う端末装置で商品の使い勝手を確認した上で、通信ネットワークを通して商品を発注することができるから、顧客にとっては商品購入時の情報が多くなることにより、通信ネットワークを通して購入する際に安心感が得られる。
請求項7の発明は、商品設計支援システムであって、同用途の複数種類の商品についてそれぞれの三次元形状データを格納した商品データ記憶部と、人体の動きを推測するための身体的特徴量のパラメータと年齢とを入力データとして少なくとも入力するデータ入力部と、入力データを用いて三次元の人体モデルを生成し商品データ記憶部から選択した商品の操作に必要な当該人体モデルにおける各部位の可動範囲を推定する可動範囲推定部と、前記商品と前記人体モデルとを含む三次元画像データを生成する画像データ生成部と、三次元画像データによる三次元画像を表示するディスプレイ装置と、複数の三次元画像データによる三次元画像をディスプレイ装置の1画面に並べて表示させるように複数の三次元画像データを結合する表示処理部とを備え、画像データ生成部は、人体モデルの特定部位が到達する容易度に応じた複数段階の可動ゾーンを生成してディスプレイ装置に表示させ、各段階の可動ゾーンとして、少なくとも、人体モデルの特定部位が容易に到達する第1の可動ゾーンと、無理をすれば人体モデルの特定部位が到達する第2の可動ゾーンと、人体モデルの特定部位が容易には届かない第3の可動ゾーンとの3段階の可動ゾーンとを含んでおり、商品データ記憶部に格納した三次元形状データの少なくとも一部は商品設計に用いるCADのデータを変換して作成され、表示処理部は、異なる複数の商品と同じ人体モデルとの組み合わである複数の三次元画像データと、同じ商品と異なる複数の人体モデルとの組合せである複数の三次元画像データとの一方を選択してディスプレイ装置の1画面に並べて表示可能であることを特徴とする。
この構成によれば、請求項1の発明と同様の効果が得られる上に、商品の設計を行う利用者が商品設計に用いるCADのデータを視覚化して使い勝手を評価することができ、よりよい商品の開発に役立てることができる。
請求項8の発明では、請求項7の発明において、前記身体的特徴量は、車椅子の利用の有無を含むことを特徴とする。
この構成によれば、健常者だけではなく車椅子を利用する利用者による商品の使い勝手を評価することができ、いわゆるユニバーサルデザインの商品の設計を支援することができる。
本発明の構成によれば、種々の人体モデルについて各部位の可動範囲を推定することができ、このような人体モデルと商品とを組み合わせた複数種類の三次元画像データを結合した三次元画像をディスプレイ装置の1画面に表示することにより、商品の種類や人の可動範囲の相違による商品の使い勝手の違いを1画面上で比較することができる。つまり、ディスプレイ装置の1画面上で商品の使い勝手の相違を利用者に直感的に理解させることができるという利点がある。とくに、到達の容易度に応じた可動ゾーンをディスプレイ装置に複数段階で表示するから、商品の使用の容易さの程度を利用者に直観的に理解させることができるという利点がある。また、商品の使い勝手を比較できるから、使い勝手のよい商品を提案したり、新設計の商品の使い勝手を評価したりすることが可能になる。
本発明は、コンピュータシミュレーションにより仮想空間を設定し、仮想空間内に商品および人体モデルを配置するとともに、人体モデルの動きを商品に対応付けることによって、人体モデルを用いて商品の使い勝手を評価可能とするものである。したがって、以下に説明する構成は、基本的には、コンピュータに適宜のプログラムを実行させることで実現される。また、以下に説明する実施形態では、商品の展示場において本発明を使用する場合を想定する。したがって、展示場の来場者が見やすいように図1に示すディスプレイ装置6には大型のものを用いている。一例としては、50インチのプラズマディスプレイを用いることができる。
本実施形態は、図1に示す構成を有し、商品データ記憶部1には複数種類の商品の三次元形状データが格納される。商品データ記憶部1に格納される商品には、1つの用途の商品について、従来から提供されている従来商品と、利用者に使用を勧める提案商品とを含む。たとえば、システムキッチン、ユニットバス、洗濯機、冷蔵庫などはそれぞれが一つの用途の商品になる。したがって、商品をシステムキッチンとすれば、仕様の異なる複数種類のシステムキッチンが商品データ記憶部1に格納される。ただし、複数の用途の商品について、それぞれ従来商品と提案商品とを含む複数種類ずつの商品を商品データ記憶部1に格納しておいてもよい。この場合には、商品データ記憶部1から所望の1つの用途の商品を選択する必要がある、複数の用途の商品から1つの用途の商品を選択する例については後述する。
商品データ記憶部1には、各商品について人手による操作が必要な特定部位の情報と、当該特定部位を操作する際の商品に対する人の相対位置の情報とが、商品に対応付けて格納され、さらに、当該特定部位を操作することにより商品の形態が変化するときには変化過程の情報も三次元形状データとして商品データ記憶部1に格納される。たとえば、電気機器のスイッチなどは、操作しても商品の形態に実質的な変化を生じないから、スイッチのような部材が特定部位であるときには、変化過程の情報は不要である。
本実施形態では、吊り戸棚の仕様が異なるシステムキッチンを商品の例として説明するが、以下に説明するシステムキッチンは吊り戸棚だけではなく、他の部位の仕様も異なるものである。ただし、説明を簡単にするために、吊り戸棚についてのみ着目して説明する。
ここでは、図2、図3に示すように、従来商品の吊り戸棚が、スイング式の扉11を備えた箱体10のみの構成であり、提案商品の吊り戸棚が箱体10の下面から可動棚12が昇降する構成である場合を例として示す。可動棚12は電動式であり、手元のリモコン(図示せず)あるいは吊り戸棚に設けたスイッチ(図示せず)を操作することにより昇降させることができる。つまり、扉11が不要になっている。
このような構成の吊り戸棚が商品である場合には、商品データ記憶部1には、吊り戸棚の三次元形状データだけではなく、扉11の開閉を操作する際に手を掛ける特定部位(把手や凹所)の情報、扉11の開閉や可動棚12の出し入れの際に人が立つ標準的な位置の情報が格納される。また、扉11が閉じた状態(変化前の状態)と開いた状態(変化後の状態)との間の変化過程の情報や、可動棚12が箱体10に収納された状態(変化前の状態)と可動棚12が箱体10から引き出された状態(変化後の状態)との間の変化過程の情報なども商品データ記憶部1に格納される。
ところで、仮想空間に配置した商品の特定部位を仮想空間に配置した人体モデルが操作可能か否かのシミュレーションを行うために、人体モデルを生成する必要がある。人体モデルの基本形状は人体モデル生成部3aにあらかじめ登録されており、人体モデル生成部3aに登録されている人体モデルに対してパラメータを与えることにより、利用者を模擬した人体モデルを生成する。人体モデルは、たとえば、人体において関節以外の部位であるセグメントと、関節に相当する部位であるジョイントとで表現したものを用いる。たとえば、セグメントを18個とし、ジョイントを16個として人体モデルを設定することができる。各セグメントは長さと幅とをパラメータに持ち、各ジョイントは回転角度をパラメータに持つ。ここに、セグメントとジョイントとを用いた骨格モデルをそのままディスプレイ装置6に表示すると現実感に欠けるから、セグメントおよびジョイントに肉付けを行うとともに表面にテクスチャを与える。この種の技術は、三次元コンピュータグラフィックの技術では「スキン」として知られている。
人体モデル生成部3aにおいて人体モデルを生成するのに必要なパラメータ(セグメントの長さと幅、ジョイントの回転角度)は、データ入力部2から入力される入力データに基づいて設定される。データ入力部2はキーボードを用いてもよいが、タッチパネル式としておけば操作の案内を行いながら利用者に操作させることができる。たとえば、初期画面において使用する言語を選択させるようにしておけば、以後の操作を選択された言語で案内することが可能になる。
人体モデルは、仮想空間に設置した商品を操作する利用者を模擬するから、データ入力部2には利用者の身体的特徴量と、利用者の現在の年齢(第1の年齢)および利用者の加齢後の年齢(第2の年齢)とが入力データになる。また、上述のように使用言語も入力データになる。本実施形態では、吊り戸棚を操作することを想定しているから、身体的特徴量としては、身長、胴回り寸法、腕の長さ寸法、性別が含まれる(身体的特徴量として車椅子の利用の有無を含む場合があるが、これについては後述する)。もっとも胴回り寸法や腕の長さ寸法を計測している人は多くはないから、服のサイズを入力させ規定の割合で修正を加えた値を用いるようにしてもよい。
データ入力部2は、たとえば図4に示すような対話型の入力装置として構成してあり、図示例では利用者の現在の年齢と加齢後の年齢とを入力する状態を示している。現在の年齢はテンキー部2bを用いて入力し、加齢後の年齢はあらかじめ年齢を割り付けてある年齢キー部2cを用いて選択する。
入力データが利用者の現在の年齢と加齢後の年齢とを含んでいるのは、年齢によって姿勢や関節の回転範囲が変化するからである。すなわち、データ入力部2から与えられる入力データは可動範囲推定部3に入力され、可動範囲推定部3に格納されている年齢ごとの標準的な関節の回転範囲のデータと、データ入力部2から与えられた入力データのうちの身体的特徴量および年齢とを用いることにより、人体モデルの各部位の可動範囲が推定される。実際には、セグメントやジョイントには標準値が定められており、入力データを用いて標準値に対する補正がなされる。したがって、年齢以外の入力データがない場合でも標準値で人体モデルの各部位の可動範囲を推定することが可能である。また、運動機能に障害がある場合には別途の入力データを用いる必要があるが、本実施形態では健常者用の商品についてのみ説明する。
なお、人体モデルをディスプレイ装置6の画面に表示する際に人体モデルの動きを動画で表す場合には、商品を操作する際の一連の動作を行うための時間変化のデータを人体モデル生成部3aに格納しておく必要がある。この種のデータはモーションキャプチャの技術を用いて実際の人の動きから獲得することができる。ただし、本実施形態では人体モデルの動きを動画で表すことは必須ではない。
可動範囲推定部3では、人体モデルのすべての可動部位の可動範囲を推定するのではなく、本実施形態の操作の対象が吊り戸棚であるから、吊り戸棚の扉11と可動棚12とを操作するときに用いる手先の可動範囲が人体モデルの特定部位の可動範囲として推定される。ここに、手先の可動範囲を推定するには、吊り戸棚に対する人体モデルの相対位置と、身長から求められる肩の高さ位置と、腕の長さと、手首関節、肘関節、肩関節の回転範囲とが少なくとも必要である。
可動範囲推定部3において人体モデルの特定部位の可動範囲を推定した後、画像データ生成部4において、商品と人体モデルとを仮想空間に配置した三次元画像データを生成する。すなわち、画像データ生成部4では、商品データ記憶部1に格納された従来商品と提案商品とに対して、可動範囲推定部3で特定部位の可動範囲を求めた人体モデルを対応付ける。商品データ記憶部1には、商品の特定部位を操作する際の商品に対する人体の相対位置が規定されているから、当該相対位置を体形や年齢を考慮して補正した位置に人体モデルを配置する。たとえば、胴回り寸法が大きくなればカウンタから離れて立つことになるから、足の位置を胴回り寸法に応じて段階的に調節するのである。あるいはまた、高年齢で前屈みの姿勢になると推定される場合にも、カウンタから離れて立つことになるから、人体モデルの位置を調節する。
画像データ生成部4では、商品に対する人体モデルの位置を調節した後に、可動範囲推定部3で求めた人体モデルの特定部位(上述の例では手先)の可動範囲を適用する。ここで、可動範囲は、人体モデルの特定部位が到達する容易度に応じて複数段階(ここでは、3段階)の可動ゾーンZ1〜Z3(図2、図3参照)に分割してある。可動ゾーンZ1は容易に到達することができる範囲であって、可動ゾーンZ2はやや無理をすれば(たとえば、爪先立ちをすれば)到達することができる届きにくい範囲であり、可動ゾーンZ3は非常に届きにくい範囲を表す。したがって、商品の特定部位が可動ゾーンZ1の範囲内に収まっていれば、商品の特定部位を容易に操作できることを表す。なお、各可動ゾーンZ1〜Z3は円柱の一部に近似した形状になっているが、これは両手を用いる場合を想定しているからであり、片手のみを用いる場合には、球の一部に近似した形状になる。また、図示していないが、可動ゾーンとして届かない範囲を付加してもよい。
画像データ生成部4では、従来商品と提案商品とについて、それぞれ利用者の現在の年齢と加齢後の年齢とに相当する人体モデルを適用した場合の可動ゾーンデータを生成する。したがって、商品が1種類の従来商品と1種類の提案商品との2種類であるものとし、利用者の加齢後の年齢が1種類(たとえば、70歳)であるとすれば、画像データ生成部4で生成する三次元画像データは4種類になる。
画像データ生成部4で生成された三次元画像は、ディスプレイ装置6に表示することができるが、本実施形態では、各三次元画像を単独で表示するのではなく、ディスプレイ装置6の画面上に複数個並べて表示する。ディスプレイ装置6の画面上に複数個同時に表示する技術としては画面を分割する技術が知られているが、画面を分割するのではなくディスプレイ装置6に表示する個数の商品が1画面内で並んで表示されるように合成する技術を採用している。
本実施形態では、従来商品と提案商品とが1画面に並んで表示されるように商品と人体モデルとを組み合わせた三次元画像データを表示処理部5において2種類ずつ選択する。表示処理部5は選択した2種類の三次元画像データを組み合わせ、ディスプレイ装置6の画面上で横に並んで表示されるように三次元画像データを配列する。
表示処理部5での三次元画像データの選択ルールは、従来商品と提案商品との使い勝手を比較できる組合せになるように規定されている。したがって、通常は上述したように、従来商品と提案商品とが1画面に並ぶように三次元画像データが選択される。ただし、両方を従来商品としたり、両方を提案商品とすることも可能である。また、選択された商品と組み合わされる人体モデルとしては、同じ年齢の人体モデルを用いる場合と、異なる年齢の人体モデルを用いる場合とがある。さらに、2種類の三次元画像データではなく4種類の三次元画像データによる画像が1画面に配列されるように選択することも可能である。
図2、図3には、従来商品G1を画面の左側に表示し、提案商品G2を画面の右側に表示した例を示しており、図2では両商品G1,G2に現在の年齢の人体モデルMを対応付け、図3では両商品に加齢後の年齢(80歳)の人体モデルMを対応付けている。また、ディスプレイ装置6に表示する画面には、各人体モデルMに対応付けて可動ゾーンZ1〜Z3を同時に表示してある。図2、図3には示していないが、実際の画面上では各可動ゾーンZ1〜Z3を色分けしてあり、たとえば容易に届く可動ゾーンZ1は緑、届きにくい可動ゾーンZ2は黄色、非常に届きにくい可動ゾーンZ3は赤などで示す。
さらに、表示処理部5では商品G1,G2を見る視点を時間とともに変化させてもよい。たとえば、商品G1に対応する人体モデルMの左背後の視点から、商品G2に対応する人体モデルMの右背後の視点までの間で視点を移動させ、商品G1,G2がステージ上で回転しているような表示を行うことも可能になっている。図示例では、従来商品と提案商品とを左右に並べ、まず図2のように現在の年齢の人体モデルMでの使い勝手を表示した後、図3のように加齢後の年齢の人体モデルMでの使い勝手を示すようにしてある。
従来商品G1と提案商品G2とを並べて比較することにより、従来商品G1で、加齢後に吊り戸棚の扉11の開閉は可能(可動ゾーンZ1)ながらも吊り戸棚の中身を出すのが困難になる(可動ゾーンZ3)ような場合でも、提案商品G2であれば、リモコンあるいはスイッチを操作することで可動棚12を引き出し、可動棚12を下降させることにより可動棚12の中身を可動ゾーンZ1に引き寄せて取り出すことができることをディスプレイ装置6の画面で示すことができる。したがって、利用者に対して、従来商品G1は加齢後に使いにくくなるものの、提案商品G2ならば加齢後でも容易に使用することができるという認識を持たせることができ、購買意欲を強化することができる。
上述の表示例では、従来商品G1と提案商品G2とを左右に並べて表示しているが、現在の年齢の人体モデルMと加齢後の年齢の人体モデルMとを左右に並べて表示し、従来商品G1の表示を行った後に提案商品G2の表示を行うように従来商品G1と提案商品G2とを順に表示してもよい。このような表示を行えば、従来商品G1について、現在の年齢では簡単に使用できても、加齢後の年齢では使いにくくなることを1画面で比較して容易に理解させることができる。その後に、提案商品G2を示すことで、提案商品G2の使い勝手の良さをアピールすることができる。さらに、画面上の人体モデルMに手を動かす動作をさせ、左の人体モデルMで吊り戸棚に物を入れる動作をさせた後に、右の人体モデルMで同様の動作をさせるのが望ましい。このように人体モデルMに動作を付与するとともに、現在の年齢に対応する人体モデルMの動作の次に加齢後の人体モデルMの動作を行えば、年齢による動作の相違を比較しやすくなる。
上述した実施形態では、データ入力部2としてタッチパネルを想定したが、展示場のような場所であって、用途の異なる複数種類の商品に対して上述のような人体モデルを用いたシミュレーションを行う場合には、用途の異なる商品ごとにデータ入力部2を操作するのでは面倒である。そこで、言語、性別、年齢、身長などの入力データのすべて、あるいは入力データの一部を、展示場の入口などにおいて適宜のデータ担体に書き込み、データ入力部2に設けた読取装置2aを用いてデータ担体から入力データを読み込むようにすれば、利用者による入力の手間を省くことができる。
データ担体としては、RFID(Radio Frequency IDentification )、磁気カード、移動体電話機などを用いることができる。ここでは、RFIDを想定する。たとえば、カード型のRFIDを用い、入口で所要のデータを登録しておけば、読取装置2aにかざすだけで入力データの一部または全部をデータ入力部2に入力することができる。入力データの一部のみをRFIDで入力する場合には、データ入力部2のタッチパネルを併用して残りの入力データも入力する。
なお、複数種類の用途の商品について1台の装置でシミュレーションを行う場合には、商品の種類を選択する必要がある。したがって、データ入力部2において商品の種類を選択するようにしてもよい。たとえば、「システムキッチン」と「洗濯機」とを選択する釦を設けておき、利用者にどちらの商品かを選択させるようにすればよい。
一般に、提案商品は現在の年齢から加齢後の年齢まで使用可能な一般の健常者向けの商品を意味しているが、車椅子を使用する高齢者や身体障害者、あるいは子供が使用することのできる特定利用者向けの商品の使い勝手も示すことができれば、利用者にとって利便性が高くなる。たとえば、車椅子を使用する場合を想定すれば、車椅子でも使用できるシステムキッチンを提示できれば、この種の商品に関心を持つ利用者に購入意欲を持たせることができる。
この種の特定利用者向けの商品は、一般的な従来商品と比較できるように表示することにはあまり意味がないから、データ入力部2の操作で選択されたときにディスプレイ装置6に表示するようにすればよい。また、データ入力部2からの入力データによる動作を行っていない状態、つまりディスプレイ装置6に表示する内容がない期間に、この種の特定利用者向けの商品の使い勝手を示す画像を、デモンストレーション画面としてディスプレイ装置6に表示するようにしてもよい。特定利用者向けの商品についても人体モデルを用いて利用者を模擬するのはいうまでもない。
なお、上述した処理負荷は比較的大きく、とくに人体モデル生成部3aを含む可動範囲推定部3は処理負荷が他の部位よりも大きいから、可動範囲推定部3の処理時間を短縮するために、複数台のコンピュータを用いることで負荷を分散させてもよい。負荷分散を行えば、データ入力部2から入力データを与えてからディスプレイ装置6に表示されるまでの時間を短くすることができる。
上述の例では、提案商品の吊り戸棚として可動棚12が昇降するものを示したが、スイング式の扉11を備えた箱体10と、箱体10に収納される位置と箱体10から前下方に引き出される位置との間で移動する可動棚12とを備える構成のものを提案商品としてもよい。可動棚12は箱体10の両側壁の内側面に取り付けたアームを介して箱体10に連結され、可動棚12の下端部に設けた把手バーに手を掛けることにより可動棚12の出し入れが容易にできるように構成される。この種の提案商品でも可動棚12が手前に引き出されるから、加齢後にも使用可能である。
なお、上述のような加齢後の使い勝手を評価する以外に、低年齢層の使い勝手を評価してもよく、あるいは身体的特徴量として身長の低い人や高い人、胴回り寸法の大きい人、車椅子を使用する人などについて、人体モデルMを用いて使い勝手を確認することも可能である。
上述の例では、展示場などでの使用例について説明したが、インターネットのような通信ネットワークが普及していることに鑑みれば、展示場での利用に限らず、商品の購入を希望する利用者が通信ネットワークに接続された端末装置を操作することによっても上述の動作が可能になる。この場合、図5に示すように、端末装置21には、少なくともデータ入力部2とディスプレイ装置6とが必要であり、通信ネットワーク22には、商品データ記憶部1を備えたサーバ20を設ける必要がある。人体モデル生成部3aを含む可動範囲推定部3、画像データ生成部4、表示処理部5は端末装置に設けることが可能ではあるが、サーバ20に設けるほうが端末装置21の負荷が軽減される。端末装置21には購入を希望する商品を選択するための選択入力部23が設けられ、一方、サーバ20には選択入力部23で選択された商品を受注する受注処理部24が設けられる。
商品の購入を希望する利用者は、通常は既製の商品について人体モデルMを適用して使い勝手を確認し、使い勝手のよい商品を購入する。ただし、本実施形態では、利用者に相当する人体モデルMを生成しているから、当該人体モデルMに適合するように商品を組み合わせたり寸法を調節したりすることが可能になる。そこで、オーダーメードの商品を注文して購入する方法も選択できるようにすることが望ましい。
オーダーメードの商品を購入する場合には、端末装置21のデータ入力部2を用いて身体的特徴量および年齢を入力すると、サーバ20ではデータ入力部2からの入力データに基づいて利用者に相当する人体モデルMが生成され、この人体モデルMに適合するような組合せや寸法の商品が提案され、ディスプレイ装置6に提示される。このとき、提案された商品についても、人体モデルMを用いて使い勝手が示される。
受注処理部24では、端末装置21において購入を希望する商品が入力されると、一般的な通信ネットワーク22上での商品の購入の手順と同様にして、購入者の住所、氏名、支払方法などの必要事項の入力を促し(注文書の形でディスプレイ装置6の画面に表示すればよい)、さらに受注時には受注確認の電子メールを返送することによって、購入を希望する本人による購入の意思を確認する。このような受注処理が完了すれば、購入者に対して商品を発送する手続が開始される。ここに、既製の商品ではなく、オーダーメードの商品を受注するときには、受注生産品としての受注処理を行い、当該商品を作成してから発送する。なお、データ入力部2および選択入力部23は、ディスプレイ装置6の画面上に表示されるチェックボックスやラジオボタンなどをチェックする形で実現しておけばよく、キーボードやマウスは両者で共用される。
上述のように、提案商品の使い勝手がわかるように、端末装置21に設けたディスプレイ装置6に比較対象を並べて表示することができるから、購入希望者は、異なる商品について使い勝手を比較したり、同じ商品について年齢の違いによる使い勝手を比較したりすることができ、比較の上で商品購入の意思決定ができる。つまり、商品の使い勝手に不安があるときに、画面上で使い勝手を確認した上で購入意思を決定できるから、購買意欲の向上につながる。
ところで、最近では、すべての利用者に使い易い商品が要求されるようになってきており、いわゆるユニバーサルデザインと称する設計が望まれている。そこで、大人の健常者だけではなく、子供にも利用しやすくしたり、車椅子を利用する高齢者や身体障害者にも利用しやすくした商品の開発が要求されてきている。以下では、この種の要求を満たす商品の開発を支援するために上述した人体モデルを利用する例について説明する。
上述した人体モデルは、身体的特徴量と年齢とを入力データに用いており、身体的特徴量には、上述のように、身長や胴回り寸法などが含まれるが、ユニバーサルデザインの商品を設計する場合には、車椅子の利用の有無を身体的特徴量に含むことができる。以下では、一例として商品が洗濯機である場合と洗面台である場合とを示す。
図6は洗濯機Aの従来商品と新設計の商品とについて、車椅子Vを使用する利用者にとっての使い勝手を評価するために、車椅子Vに着座した状態の同じ人体モデルMを用い複数種類の商品について使用時の姿勢をディスプレイ装置6の画面上に並べて表示した状態を示している。新設計の商品に関する三次元形状データは、商品設計に用いるCAD(コンピュータ支援設計)のデータによって与えられる。つまり、商品データ記憶部1に格納される三次元形状データの少なくとも一部には、CADのデータから変換した三次元形状データが用いられる。この変換は比較的簡単に行うことができ、CADに三次元形状データに変換する機能が付属していれば、その機能を用いることができる。あるいはまた、CADのデータを三次元形状データに変換する機能を専用に設けてもよい。
図6に示している商品は、最奧が洗濯物を上下に出し入れする形式(つまり、洗濯機Aの上面に出し入れ口を設けたもの)、中央が洗濯物を左右に出し入れする形式(つまり、洗濯機Aの側面に出し入れ口を設けたもの)、手前が洗濯物を斜めに出し入れする形式(つまり、洗濯機Aに傾斜面を設け、その傾斜面に出し入れ口を設けたもの)である。この比較から手前の形式であれば車椅子Vでの使用が比較的容易であると評価することができる。
図6のように一画面上に複数種類の商品を並べて表示することにより、商品設計者は、特定の利用者(この場合、車椅子Vを使用する利用者)にとって、図6の最奧および中央の商品よりも手前の商品のほうが使い勝手がよいことを確認することができる。ただし、図6の手前の商品をユニバーサルデザインであることを確認するには、他の利用者にとっての使い勝手も評価しなければならない。
そこで、図7に示すように、同じ商品(図6の手前の商品)について、身体的特徴量と年齢とが異なる複数の人体モデルMを用い、使用時の姿勢を一画面上に並べて表示することにより、対象とする商品について種々の利用者による使い勝手を評価することができる。図示例では、左端が子供(身長が低い利用者)、中央が大人(標準身長の利用者)、右端が車椅子Vを使用する利用者を示している。図7の例からどの利用者にとっても負担なく利用できることがわかる。
図8は商品が洗面台Bである場合におけるディスプレイ装置6の画面の一例を示している。すなわち、1種類の商品について各種の利用者にとっての使い勝手を評価するために種々の利用者を並べて表示した例である。左から順に、身長の低い利用者、標準身長の利用者、身長の高い利用者、高齢者(関節の可動範囲が狭くなった利用者)を示している。この洗面台Bでは身長の高い利用者でも膝を曲げるスペースが確保されており、多くの利用者にとって使い勝手がよいと評価できる。ただし、高齢者にとって洗面台Bの上部に手が届かないことがわかるから、掃除やランプ交換のための対策が必要であることもわかる。
なお、商品の設計に利用する際にも、図2、図3に示したような特定部位の可動ゾーンを画面上に表示することが可能であり、可動ゾーンによって商品の使い勝手を評価し、商品の設計に役立てることができる。
ところで、上述のようにして、各種の利用者にとっての使い勝手を評価することによって、ユニバーサルデザインの商品について全体の基本的な設計はできるものの、設計が進むと細部の使い勝手も評価する必要が生じる。この場合には、ディスプレイ装置6に表示される画像のデータが三次元画像データであることを利用し、ビューポイント(視点)や距離を変更することによって、一つの商品を特定の利用者が使用する場合の使い勝手を評価する。つまり、様々な方向から使い勝手を観察し、細部の使い勝手についても評価することが可能になる。図9は商品がシステムキッチンCであり、ビューポイントと距離とを変更した例を示しており、このように様々な位置から観察することによって使い勝手の評価が可能になる。
上述のように、ディスプレイ装置6の一画面上において、異なる複数の商品を並べて同じ利用者による使い勝手を評価したり、同じ商品について異なる利用者による使い勝手を評価することによって、ユニバーサルデザインの商品を設計する際に使い勝手の評価が容易になり、実際に人に使用させて使い勝手を評価する前に、設計条件を絞り込むことができ、ユニバーサルデザインの商品の設計に要する時間を大幅に短縮することが可能になる。
本発明の実施形態を示すブロック図である。 同上における現在の年齢での動作説明図である。 同上における加齢後の年齢での動作説明図である。 同上に用いるデータ入力部の一例を示す図である。 同上を通信ネットワークで用いた例を示す概略構成図である。 同上を商品設計に用いた表示例を示す図である。 同上を商品設計に用いた表示例を示す図である。 同上を商品設計に用いた表示例を示す図である。 同上を商品設計に用いた表示例を示す図である。
符号の説明
1 商品データ記憶部
2 データ入力部
2a 読取装置
3 可動範囲推定部
3a 人体モデル生成部
4 画像データ生成部
5 表示処理部
6 ディスプレイ装置
20 サーバ
21 端末装置
22 通信ネットワーク
23 選択入力部
24 受注処理部
A 洗濯機
B 洗面台
C システムキッチン
G1 従来商品
G2 提案商品
Z1〜Z3 可動ゾーン

Claims (8)

  1. 同用途の複数種類の商品についてそれぞれの三次元形状データを格納した商品データ記憶部と、人体の動きを推測するための身体的特徴量のパラメータと年齢とを入力データとして少なくとも入力するデータ入力部と、入力データを用いて三次元の人体モデルを生成し商品データ記憶部から選択した商品の操作に必要な当該人体モデルにおける各部位の可動範囲を推定する可動範囲推定部と、前記商品と前記人体モデルとを含む三次元画像データを生成する画像データ生成部と、三次元画像データによる三次元画像を表示するディスプレイ装置と、商品の使い勝手を比較できる組み合わせで複数の三次元画像データによる三次元画像をディスプレイ装置の1画面に並べて表示させるように複数の三次元画像データを結合する表示処理部とを備え、画像データ生成部は、人体モデルの特定部位が到達する容易度に応じた複数段階の可動ゾーンを生成してディスプレイ装置に表示させ、各段階の可動ゾーンとして、少なくとも、人体モデルの特定部位が容易に到達する第1の可動ゾーンと、無理をすれば人体モデルの特定部位が到達する第2の可動ゾーンと、人体モデルの特定部位が容易には届かない第3の可動ゾーンとの3段階の可動ゾーンとを含むことを特徴とする商品提案システム。
  2. 同用途の商品について少なくとも従来商品と提案商品との複数種類の三次元形状データが格納される商品データ記憶部と、年齢に応じた人体の動きを推測するための利用者の身体的特徴量のパラメータと利用者の現在の年齢である第1の年齢および加齢後の年齢である第2の年齢とを入力データとして入力するデータ入力部と、入力データを用いて三次元の人体モデルを生成し商品データ記憶部から選択した商品の特定部位の操作に必要な当該人体モデルの特定部位の可動範囲を示す可動ゾーンデータを第1の年齢と第2の年齢との各場合について推定する可動範囲推定部と、当該商品の三次元形状データと前記可動ゾーンデータとを用い第1の年齢と第2の年齢とについて商品と人体モデルと可動範囲とを含む三次元画像データを生成する画像データ生成部と、三次元画像データによる三次元画像を表示するディスプレイ装置と、従来商品と提案商品との使い勝手を比較できる組み合わせで複数の三次元画像データによる三次元画像をディスプレイ装置の1画面に並べて表示させるように複数の三次元画像データを結合する表示処理部とを備え、画像データ生成部は、人体モデルの特定部位が到達する容易度に応じた複数段階の可動ゾーンを生成してディスプレイ装置に表示させ、各段階の可動ゾーンとして、少なくとも、人体モデルの特定部位が容易に到達する第1の可動ゾーンと、無理をすれば人体モデルの特定部位が到達する第2の可動ゾーンと、人体モデルの特定部位が容易には届かない第3の可動ゾーンとの3段階の可動ゾーンとを含むことを特徴とする商品提案システム。
  3. 前記画像データ生成部は、従来商品と提案商品とにそれぞれ人体モデルを組み合わせた三次元画像データを生成し、前記表示処理部は、両三次元画像データによる三次元画像が前記ディスプレイ装置の左右に並ぶように結合することを特徴とする請求項2記載の商品提案システム。
  4. 前記商品データ記憶部には、用途の異なる複数種類の商品に関して各用途別に従来商品と提案商品との複数種類の商品に関する三次元形状データが格納され、前記データ入力部は、商品データ記憶部に格納された商品について用途を選択するデータも入力されることを特徴とする請求項2または請求項3記載の商品提案システム。
  5. 前記データ入力部は、入力データの少なくとも一部の内容が書き込まれたデータ担体を読み取る読取装置を備えることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記
    載の商品提案システム。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の商品提案システムのうち少なくともデータ入力部とディスプレイ装置とを備える端末装置と、端末装置との間で通信ネットワークを介してデータ伝送が可能であって少なくとも商品データ記憶部を備えるサーバとを有し、端末装置は、サーバが提供する複数種類の商品から購入を希望する商品を選択する選択入力部を備え、サーバは、端末装置の選択入力部で選択された商品を受注する受注処理部を備えることを特徴とする商品販売システム。
  7. 同用途の複数種類の商品についてそれぞれの三次元形状データを格納した商品データ記憶部と、人体の動きを推測するための身体的特徴量のパラメータと年齢とを入力データとして少なくとも入力するデータ入力部と、入力データを用いて三次元の人体モデルを生成し商品データ記憶部から選択した商品の操作に必要な当該人体モデルにおける各部位の可動範囲を推定する可動範囲推定部と、前記商品と前記人体モデルとを含む三次元画像データを生成する画像データ生成部と、三次元画像データによる三次元画像を表示するディスプレイ装置と、複数の三次元画像データによる三次元画像をディスプレイ装置の1画面に並べて表示させるように複数の三次元画像データを結合する表示処理部とを備え、画像データ生成部は、人体モデルの特定部位が到達する容易度に応じた複数段階の可動ゾーンを生成してディスプレイ装置に表示させ、各段階の可動ゾーンとして、少なくとも、人体モデルの特定部位が容易に到達する第1の可動ゾーンと、無理をすれば人体モデルの特定部位が到達する第2の可動ゾーンと、人体モデルの特定部位が容易には届かない第3の可動ゾーンとの3段階の可動ゾーンとを含んでおり、商品データ記憶部に格納した三次元形状データの少なくとも一部は商品設計に用いるCADのデータを変換して作成され、表示処理部は、異なる複数の商品と同じ人体モデルとの組み合わである複数の三次元画像データと、同じ商品と異なる複数の人体モデルとの組合せである複数の三次元画像データとの一方を選択してディスプレイ装置の1画面に並べて表示可能であることを特徴とする商品設計支援システム。
  8. 前記身体的特徴量は、車椅子の利用の有無を含むことを特徴とする請求項7記載の商品設計支援システム。
JP2005261216A 2005-04-19 2005-09-08 商品提案システム、商品販売システム、商品設計支援システム Active JP4779520B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005261216A JP4779520B2 (ja) 2005-04-19 2005-09-08 商品提案システム、商品販売システム、商品設計支援システム

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005121690 2005-04-19
JP2005121690 2005-04-19
JP2005261216A JP4779520B2 (ja) 2005-04-19 2005-09-08 商品提案システム、商品販売システム、商品設計支援システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006323804A JP2006323804A (ja) 2006-11-30
JP4779520B2 true JP4779520B2 (ja) 2011-09-28

Family

ID=37543412

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005261216A Active JP4779520B2 (ja) 2005-04-19 2005-09-08 商品提案システム、商品販売システム、商品設計支援システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4779520B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5118220B2 (ja) * 2011-02-16 2013-01-16 株式会社スクウェア・エニックス 動作モデリング装置及び方法、並びにプログラム
JP5785074B2 (ja) * 2011-12-22 2015-09-24 国立大学法人 東京大学 モデル生成装置、モデル生成方法及びモデル生成プログラム
JP2019041340A (ja) * 2017-08-28 2019-03-14 株式会社Dapリアライズ 多重映像配信システム

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100365664B1 (ko) * 1998-02-03 2003-01-24 츄요시 사이고 안경 착용 시뮬레이션 시스템
JP2001147959A (ja) * 1999-11-24 2001-05-29 Fuji Photo Film Co Ltd 商品発注装置
JP2002073727A (ja) * 2000-08-25 2002-03-12 Gunze Ltd 画像表示装置及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP2003256873A (ja) * 2002-03-05 2003-09-12 Matsushita Electric Works Ltd 商品擬似体験システム
JP2003271891A (ja) * 2002-03-15 2003-09-26 Matsushita Electric Works Ltd 商品仮想体験システム
JP4032885B2 (ja) * 2002-08-29 2008-01-16 松下電工株式会社 加齢効果予測人体モデル生成システム
JP2005050122A (ja) * 2003-07-28 2005-02-24 Matsushita Electric Works Ltd リフォームシミュレーションシステム
JP2005049601A (ja) * 2003-07-28 2005-02-24 Matsushita Electric Works Ltd 擬似体験システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006323804A (ja) 2006-11-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103384892B (zh) 在实体零售环境的虚拟图示上显示实体零售环境的数据
Hall Prototyping for usability of new technology
US7346421B2 (en) Production of made to order clothing
US8538562B2 (en) Camera based interactive exercise
US8140989B2 (en) Virtual room use simulator and room planning system
EP4080465A1 (en) Interactive cubicle and method for determining a body shape
JP4779520B2 (ja) 商品提案システム、商品販売システム、商品設計支援システム
WO2010007935A1 (ja) 製品設計評価装置、製品設計評価用のプログラム
JPH1097558A (ja) インターネットによる建築・生活関連備品配置デザイン及びその関連データの構築システム装置
JP6468666B1 (ja) 寝具選択支援システム
CN107908286A (zh) 一种虚拟现实展厅中实现人体感受的方法和系统
JP2016024742A (ja) 三次元形状模擬システム、試着シミュレーションシステム、販売支援システム、三次元形状模擬方法、試着シミュレーション方法及び販売支援方法、並びに、三次元形状模擬方法、試着シミュレーション方法若しくは販売支援方法のプログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体
CN109118590B (zh) 一种基于机器学习的3d试衣平台
CN107944906A (zh) 一种构建虚拟现实展厅的方法和系统
TWI301890B (ja)
WO2020054203A1 (ja) 表示装置、方法およびプログラム
Chen et al. Applying augmented reality to consumer garment try-on experience
CN109493131A (zh) 无人值守试衣系统及电子设备
JP6873448B1 (ja) Ec化装置
JP2005050122A (ja) リフォームシミュレーションシステム
JP2013127654A (ja) 物品設計支援装置
KR101011476B1 (ko) 배경이미지를 제공하는 온라인 기반 상품 이미지의 코디네이트 서비스 시스템
Rajab et al. The development of 3D visualization and its potential impact on interior design and its clients
CN116911961B (zh) 一种用于电商直播的商品展示方法、用户终端及存储介质
TWI514297B (zh) 規劃式禮盒購物系統

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080513

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100713

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100813

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100824

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101025

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110607

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110620

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140715

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4779520

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140715

Year of fee payment: 3