JP4779119B2 - 可視化センサ - Google Patents

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Description

本発明は、物体のインピーダンスの空間変化を検出するセンサに関し、特に、高周波発振回路に接続したアンテナを用いて周波数変化を検出することにより、物体の可視化を実現するセンサに関する。
従来、サブミクロンの解像度でインピーダンスの空間変化を検出し、物体の可視化を実現する装置として、走査電子顕微鏡や走査型プローブ顕微鏡等が用いられている。走査電子顕微鏡は、物体に電子線を照射して二次電子等を発生させ、この二次電子等を検出することにより、物体の可視化を実現する。また、走査型プローブ顕微鏡は、物体とプローブとの間に発生する現象を検出する(例えば、トンネル電流、原子間力を検出する)ことにより、物体の可視化を実現する。現在、顕微鏡のサイズや解像度に着目した開発や改良がなされ、さらに、様々な形状や性質を有する物体に対応するための研究等がなされている(例えば、特開2001−108596号公報を参照。)。
また、走査型静電容量顕微鏡の例が特開平9−101106号公報に記載されている。この走査型静電容量顕微鏡は、容量センサを用いて電極と被測定体表面との間の静電容量を測定し、被測定体表面の静電容量分布を求める装置である。具体的には、固定周波数の信号を発振する発振回路、被測定容量CmをLC並列共振回路に並列に接続した共振回路、及び、共振周波数の変化を電圧として出力する出力回路により構成された容量センサにより、被測定容量Cmの影響で共振周波数が変化することを利用して、静電容量分布が求められる。容量センサが共振周波数の変化を出力回路の電圧の変化に変換することにより、静電容量分布が求められる。尚、特開平11−30622号公報にも、同様の測定原理を用いた走査型静電容量顕微鏡が記載されている。
また、静電容量式変位センサの例が特開2004−170163号公報に記載されている。この静電容量式変位センサは、電極と被測定体表面との間の静電容量を測定し、この静電容量が両者の距離に反比例することを利用して距離を測定するセンサである。具体的には、静電容量式変位センサは、被測定容量Cmと基準容量Crとが直列に接続された回路、被測定容量Cmにおける交流電圧の分圧を検出する回路、被測定容量Cmに依存した交流電圧を生成して増幅する回路、交流電圧の振幅を周波数に変換する回路、及び、周波数を検出する回路により構成される。このような構成の下で、静電容量式変位センサは、V/Fコンバータが被測定容量Cmにおける交流電圧を周波数に変換することにより、周波数情報を得て発振周波数を特定し、距離を測定する。
また、静電容量の変化を検出するセンサとして、指紋センサが知られている。この指紋センサは、直流電圧源が一定値の抵抗を介して被測定容量Cmを充電した場合に、その充電のために要する時間変化を静電容量の変化として検出するセンサである。つまり、静電容量の変化を電圧値の変化に変換することにより、一定時間後の電圧値から静電容量を求める。
また、指表面の凹凸をインピーダンスの変化として捉え、高周波信号によってそのインピーダンス変化を読み出すセンサが特開平2001−17412号公報に記載されている。具体的には、このセンサは、複数の出力電極、単一の入力電極、前記複数の出力電極のうちの一つを選択して高周波のキャリア信号を供給するドライブ回路、及び、入力電極から前記キャリア信号を入力し、このキャリア信号の振幅からインピーダンス情報を取り出す検出回路により構成される。つまり、キャリア信号の振幅がインピーダンス(指表面の凹凸)によって異なることから、インピーダンス情報をデジタル信号化することにより、指表面の凹凸情報を得ることができる。このように、物体の可視化を実現するための開発や研究が、様々な技術を用いて行われている。
しかしながら、前述の走査電子顕微鏡では、真空状態を用意する必要があり、また電子線を物体に照射する必要がある。このため、観測物体が生物の場合には、生物を生きたまま観測できず、生体物質の可視化に適応することができない。一方、走査型プローブ顕微鏡では、高度な雑音対策及び精密な機械制御が必要になるため、装置全体として大規模かつ複雑な構成になってしまう。
また、前述の走査型静電容量顕微鏡では、共振周波数を用いて静電容量を測定するため、被測定容量Cm及びLC並列共振回路を並列に接続した共振回路を設ける必要がある。このため、小型化が実現できず、集積化も困難である。
また、前述の静電容量式変位センサでは、静電容量の変化を交流電圧の変化に変換するため、電子回路のSN比により感度が制限され高精度化を実現できない。さらに、この静電容量式変位センサでは、分圧検出回路、増幅回路、電圧周波数変換回路等の多くの回路が必要になるため、回路規模が大きくなってしまう。また、前述の指紋センサでは、静電容量式変位センサと同様に、電子回路のSN比により感度が制限され高精度化を実現できない。
そこで、本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その第1の目的は、真空状態を用意する必要がなく、小型でかつ簡易な構成により物体の可視化を実現可能な可視化センサを提供することにある。また、本発明の第2の目的は、高感度化及び高精度化を実現する可視化センサを提供することにある。さらに、本発明の第3の目的は、高解像度化を実現する可視化センサを提供することにある。
〔本発明の原理〕
本発明による物体の可視化は、「テルミン」という楽器の動作原理に基づいている。この「テルミン」は、当該楽器に設けられた2つのアンテナを手で遮ることによってアンテナと手との間の静電容量を変化させ、発生楽音の音程及び音量を変化させるものである。具体的には、静電容量がアンテナと手との間の距離に反比例することから、当該静電容量に応じた周波数の信号を発振させ、その発振周波数を音程及び音声に変換する。
まず、前述の「テルミン」の動作原理に基づいた本発明による物体の観測原理について、図1を参照して詳細に説明する。図1において、本システムは、プローブアレイ1、発振器2,3、ミキサ4、フィルタ5、カウンタ6及びPC(パーソナルコンピュータ)7を備えている。プローブアレイ1は、格子状に配置された複数のアンテナ電極8から構成され、当該プローブアレイ1上に観測対象の物体(図示せず)が置かれる。アンテナ電極8は、物体との間で静電容量を有するキャパシタの電極である。
発振器2は、物体とプローブアレイ1の1点であるアンテナ電極8との間の距離をキャパシタの静電容量として捉え、当該静電容量に応じた周波数fの信号を発振する。この場合、物体とアンテナ電極8との間の距離が変化すると静電容量が変化し、静電容量が変化すると発振周波数fも変化するという関係がある。発振器2は、静電容量に応じた周波数fの信号を発振する回路であり、例えば、LC発振回路を用いた場合には、静電容量Cと発振周波数fとは次式の関係になる。
式:f=1/2π√(L×C)
また、発振器3は、常に固定周波数fの信号を発振する。尚、物体がプローブアレイ1上に置かれていない場合には、発振器2が発振する信号の周波数fと発振器3が発振する固定周波数fとは同一であるものとする。
ミキサ4は、発振器2から周波数fで発振した信号と、発振器3から固定周波数f1で発振した信号とを入力し、乗算処理を施し、その結果として周波数f,f,f−f,f+f,2f,2fの信号を出力する。フィルタ5は、高周波の信号成分を除去するLPF(Low Pass Filter)である。フィルタ5は、ミキサ4から入力した信号について周波数f,f,f+f,2f,2fの信号成分を除去し、周波数f−fの信号のみを出力する。
カウンタ6は、フィルタ5から入力した周波数f−fの信号について周波数のカウントを行い、単位時間当たりのカウント値すなわち周波数f−fを算出する。PC7は、カウンタ6からカウント値を入力し、当該カウント値に基づいて物体とプローブアレイ1におけるアンテナ電極8との間の距離を算出する。この場合、物体とアンテナ電極8との間の静電容量は、プローブアレイ1のアレイ面に対して垂直方向における物体の面であって、プローブアレイ1のアンテナ電極8の電極面から垂直方向に存在する物体面における当該物体面付近とアンテナ電極8の電極面との間の静電容量であるため、静電容量から算出される距離は、アンテナ電極8の電極面と物体面付近との間の平均距離になる。そして、物体とプローブアレイ1におけるアンテナ電極との間の距離を、アンテナ電極毎に算出することにより、プローブアレイ1から見た物体の形状(物体像)を画像化することができる。
このように、発振器を用いて、物体とプローブアレイ1におけるアンテナ電極との間の静電容量に応じた周波数で発振させ、当該周波数に基づいて距離を算出することにより、物体の形状を画像化することができる。
発振器2,3にLC発振回路を用いた場合において、発振周波数に基づいて算出された距離と周波数変化の割合との関係を、図2に示す。図2から、距離が長くなるに従って周波数変化の割合が小さくなり、距離が短くなるに従って周波数変化の割合が大きくなることがわかる。また、周波数が高くなる程、距離の感度が良くなることがわかる。実験によって、5GHz付近まで周波数を上げると発振しなくなる結果が得られている。5GHzに近い周波数であって、かつ発振する周波数を用いることにより、感度の良い距離の算出が可能になる。
前述の原理に基づいて、本発明による可視化センサは、物体に対向して設けられたアンテナ電極、該アンテナ電極に接続され、物体と該アンテナ電極との間の静電容量に応じた発振周波数の信号を出力する第1の発振器、基準となる発振周波数の信号を出力する第2の発振器、及び、前記第1の発振器により出力された信号の発振周波数と、第2の発振器により出力された信号の基準発振周波数との間の差に相当する周波数の信号を生成して出力する出力手段を備えたことを特徴とする。静電容量は物体とアンテナ電極との間の距離に依存するから、出力手段から出力される信号に基づいて、物体とアンテナ電極との間の距離を算出することが可能となる。
前記出力手段に代えて、前記第1の発振器により出力された信号について、その発振周波数を1倍の周波数比に分周した周波数を生成し、該周波数の信号と入力する基準周波数信号とが一致するように第1の発振器に対する制御用周波数信号を生成して出力する第1の同期回路、及び、前記第2の発振器により出力された基準発振周波数の信号を入力し、該基準発振周波数を所定の周波数比に分周した周波数を生成し、該分周した周波数の信号を前記基準周波数信号として出力する第2の同期回路を備えるように構成するのが好適である。これにより、第1の同期回路から出力される信号及び第2の同期回路から出力される信号に基づいて、物体とアンテナ電極との間の距離を算出することが可能となる。この場合、より高い周波数を用いて制御用周波数信号を出力することができ、物体とアンテナ電極との間の距離を感度良く算出することが可能となる。
前記可視化センサの構成に加えて、物体に対向して設けられ、接地状態に保持されたグランド電極を備えるようにするのが好適である。これにより、物体とアンテナ電極との間の静電容量以外に物体に依存して変化する静電容量を考慮しなくて済むから、グランド電極を備えない場合に比べて、物体とアンテナ電極との間の距離を精度高く算出することが可能となる。前記可視化センサにおいて、アンテナ電極を複数備え、第1の発振器、第2の発振器及び出力手段は、複数のアンテナ電極毎に設けられるように構成するのが好適である。
また、本発明に係る可視化センサは、物体に対向して設けられたアンテナ電極、該アンテナ電極に接続されて物体とアンテナ電極との間の静電容量に応じた発振周波数の信号を出力する第1の発振器、基準となる発振周波数の信号を出力する第2の発振器、及び、前記第1の発振器により出力された信号の発振周波数と、第2の発振器により出力された信号の基準発振周波数との間の差に相当する周波数の信号を生成して出力する出力手段を備えたことを特徴とする。これにより、出力手段から出力される信号に基づいて、物体とアンテナ電極との間の距離を算出することが可能となる。前記可視化センサにおいて、アンテナ電極を複数備え、第1の発振器、第2の発振器及び出力手段は、複数のアンテナ電極毎に設けられるように構成するのが好適である。
前記可視化センサに加えて、アンテナ電極毎に設けられた出力手段のうちの一つの出力手段を選択するためのスイッチを備えるようにするのが好適である。また、前記第1の発振器、第2の発振器及び出力手段を、複数のアンテナ電極からみて物体に対して反対側に設けるように構成するのが好適である。また、前記第1の発振器及び第2の発振器は、奇数個のインバータが直列にそれぞれ接続され、コモンセントロイド配置に構成されているのが好適である。
また、本発明に係る可視化センサは、物体に対向して設けられた単一のアンテナ電極、該アンテナ電極に接続され、物体と該アンテナ電極との間の静電容量に応じた発振周波数の信号を出力する第1の発振器、基準となる発振周波数の信号を出力する第2の発振器、前記第1の発振器により出力された信号の発振周波数と、第2の発振器により出力された信号の基準発振周波数との間の差に相当する周波数の信号を生成して出力する出力手段、及び、前記アンテナ電極からみて物体が存在する側に設けられた部材であって、該部材により複数の交点が構成され、該複数の交点のうちの一つの交点が選択された場合に、該交点を構成する2つの部材が開放状態に保持され、他の部材が接地状態に保持される複数の線状部材を備えたことを特徴とする。これにより、出力手段から出力される信号に基づいて、線状部材の交点における物体とアンテナ電極との間の距離を算出することが可能となる。
前記複数の線状部材は、アンテナ電極の面に対して縦方向の複数の線状部材及び横方向の複数の線状部材を含み、前記記単一のアンテナ電極の代わりに、縦方向または横方向の複数の線状部材にそれぞれ対抗した複数のアンテナ電極を備えるように構成するのが好適である。また、可視化センサまたはアンテナ電極を、物体に対して移動させる手段を備えるように構成するのが好適である。
本発明によれば、物体との距離を算出し、物体の可視化を実現する場合に、真空状態を用意する必要がなく、物体に電子線を照射する必要もないため、生体物質を生きたまま観測することができる。また、高度な雑音対策や精密な機械制御が必要なく、光や電子線等の光学系も必要ないから、小型でかつ簡易な構成により物体の可視化を実現することができる。また、ミクロンからサブミクロン領域における物体の可視化が可能となり、走査電子顕微鏡や走査型プローブ顕微鏡等と同等な解像度を得ることができる。このように、第1の目的を達成することが可能となる。
また、本発明によれば、アンテナ電極と第1の発振器とが接続され、第1の発振器と出力手段とが接続されるように構成したから、アンテナ電極と出力手段との間にアンテナ電極を選択するためのトランジスタ等が存在しない。これにより、配線容量の影響が少なく、かつトランジスタ等の容量の影響を受けることがない。従って、物体とアンテナ電極との間の距離を算出する際に、第2の目的である高感度化及び高精度化を実現することが可能となる。
また、本発明によれば、アンテナ電極に対して複数の線状部材を設け、その線状部材の交点における物体とアンテナ電極との間の静電容量に応じた周波数に基づいて、その距離を算出するようにした。これにより、画素毎にアンテナ電極を設ける必要がない。従って、第3の目的である高解像度化を実現することが可能となる。
図1は、「テルミン」の動作原理に基づいた本発明による物体の観測原理を説明するブロック構成図である。 図2は、LC発振回路を用いた場合の距離と周波数変化の割合と間の関係を示す図である。 図3は、本発明による可視化センサの実施例1の構成を示すブロック図である。 図4は、図3に示した実施例1の変形例の構成を示すブロック図である。 図5は、図4に示したPLL回路の構成を示すブロック図である。 図6は、グランド電極を配置した場合におけるプローブアレイの上面図である。 図7は、物体(導体)とプローブアレイとの間の静電容量を説明するための断面図である。 図8は、物体(導体)、プローブアレイ及び発振器の等価回路図である。 図9は、発振周波数を決定する静電容量C1とCprとの間の関係を示す図である。 図10は、Cgndの影響による誤差率εとP(=Cgrd/Cpr)との間の関係を示す図である。 図11は、本発明による可視化センサの実施例2の構成を示すブロック図である。 図12は、図11に示した発振器の構成を示す論理回路図である。 図13は、本発明による可視化センサの実施例3の構成を示すブロック図である。 図14は、図13に示した実施例3による測定の仕組みを説明するためのアンテナ電極及び配線の断面側面図である。 図15は、センサ電極の静電容量を示すための図である。 図16は、図13に示した実施例3の変形例の概要を示す図である。 図17は、物体(絶縁体)とプローブアレイとの間の静電容量及び等価回路を説明するための図である。 図18は、センサまたはアンテナ電極を移動させる例を説明するための概略構成図である。 図19は、アンテナ電極を1cm角の面積に配置した場合の画素数を示すグラフである。 図20は、図11に示した可視化センサの回路配置を説明するための模式図である。 図21は、CMOS0.09μmを使用した場合の数値換算グラフである。 図22は、センサ位置と発振器の周波数との関係を示すグラフである。 図23は、アンテナ電極の寸法の見積りを示すグラフである。
以下、本発明による可視化センサの実施例について、図面を用いて詳細に説明する。
〔実施例1〕
図3は、本発明による可視化センサの実施例1の構成を示すブロック図である。このシステム10は、物体との間の距離をキャパシタの静電容量として捉え、当該静電容量に応じた周波数の信号を出力するセンサ(可視化センサ)30と、当該センサ30に備えたプローブアレイ11におけるアンテナ電極を特定するためのアドレス信号を出力すると共に、周波数のカウント値を算出するインタフェース40と、物体とセンサ30との間の距離を算出し、物体の形状を画像化するPC17とを備えている。センサ30は、プローブアレイ11、発振器12,13、ミキサ14、フィルタ15及びデコーダ31を備えている。また、インタフェース40は、カウンタ16及び入出力部41を備えている。
センサ30に備えたプローブアレイ11は、図1に示したプローブアレイ1と同様に、複数のアンテナ電極から構成され、当該プローブアレイ11上に観測対象の物体(図示せず)が置かれる。デコーダ31は、アンテナ電極を選択するためのトランジスタがアンテナ電極毎に設けられ、プローブアレイ11における複数のアンテナ電極のうちの1個のアンテナ電極を特定するためのアドレス信号をインタフェース40から入力し、当該アドレス信号に基づいて1個のトランジスタを動作させ、1個のアンテナ電極を特定して選択する。
発振器12は、図1に示した発振器2と同様の機能を有し、物体とデコーダ31により特定された1個のアンテナ電極との間の静電容量に応じた周波数fの信号を発振する。また、発振器13は、図1に示した発振器3と同等の機能を有し、常に固定周波数fの信号を発振する。尚、物体がプローブアレイ11上に置かれていない場合には、発振器12が発振する信号の周波数fと発振器13が発振する固定周波数fとは同一であるものとする。
ミキサ4は、図1に示したミキサ4と同様の機能を有し、周波数f,f,f−f,f+f,2f,2fの信号を出力する。フィルタ5は、図1に示したフィルタ5と同様の機能を有し、周波数f−fの信号のみを出力する。
インタフェース40に備えたカウンタ16は、図1に示したカウンタ6と同様の機能を有し、周波数f−fの信号について周波数のカウントを行い、そのカウント値すなわち周波数f−fを算出する。入出力部41は、物体との間の距離を算出するための1個のアンテナ電極を特定するためのアドレス信号をPC17から入力し、当該アドレス信号をセンサ30のデコーダ31へ出力する。また、入出力部41は、そのアドレス信号により特定された1個のアンテナ電極における周波数のカウント値をカウンタ16から入力し、そのアドレス信号及び周波数のカウント値をPC17へ出力する。
PC17は、アンテナ電極を特定するためのアドレス信号をインタフェース40の入出力部41へ出力し、当該アドレス信号及び周波数のカウント値を入出力部41から入力する。そして、PC17は、当該カウント値に基づいて物体とプローブアレイ11におけるアンテナ電極との間の距離を算出する。この場合、物体とアンテナ電極との間の静電容量は、前述のように、特定されたアンテナ電極からみて、プローブアレイ11のアレイ面に対して垂直方向における物体面付近と当該アンテナ電極との間の静電容量である。従って、アドレス信号の情報は、アンテナ電極からみて、プローブアレイ11のアレイ面に対して垂直方向における物体面に対応することになる。PC17は、プローブアレイ11における全てのアンテナ電極のうちの一つのアンテナ電極を特定するためのアドレス信号を順次出力し、周波数のカウント値を入力し、物体とアンテナ電極との間の距離をそれぞれ算出することにより、プローブアレイ11から見た物体の形状を画像化することができる。
以上説明したように、実施例1の可視化センサ30によれば、発振器12が物体とプローブアレイ11のアンテナ電極との間の静電容量に応じた周波数fの信号を発振し、ミキサ14が周波数fと基準周波数fとの差を出力するようにした。これにより、周波数の差f−fに基づいて、物体とアンテナ電極との間の距離を算出することができ、プローブアレイ11から見た物体の形状(物体像)を画像化することができる。
また、実施例1の可視化センサ30において、発振器12,13としてコルビッツ発振回路のようなLC発振回路を用いることができる。この場合、コルビッツ発振回路よりも低利得で発振する発振回路を用いることもできるが、コルビッツ発振回路はその回路構成が単純だから、センサ30全体として小型でかつ簡易な構成を実現することができる。
〔変形例1〕
次に、実施例1の変形例について、図4及び5を用いて詳細に説明する。図4に示す変形例1は、図1の「テルミン」の動作原理に示したブロック構成とは異なる構成を有するが、物体とアンテナ電極との間の静電容量に着目し、その間の距離を算出する点において共通する。図3に示した「テルミン」の動作原理に基づいた実施例1では、プローブアレイ11上に物体が置かれていない状態で、発振器12の発振周波数f2と発振器13の発振周波数f1とを同一にする必要がある。この場合、発振器12及び発振器13は別々の回路であるため、同一になるように精度高く設計することは極めて困難である。そこで、本変形例1は、このような設計上の問題を解決するためになされたものである。
図4を参照して、このシステム100は、物体との間の距離をキャパシタの静電容量として捉え、当該静電容量に応じた周波数制御電圧を出力するセンサ130と、当該センサ130に備えたプローブアレイ111におけるアンテナ電極を特定するためのアドレス信号を出力すると共に、周波数制御電圧信号をセンサ130から入力するインタフェース140と、物体との間の距離を算出し、物体の形状を画像化するPC117と、センサ130へ高精度な基準発振周波数の信号を出力する発振器150とを備えている。センサ130は、プローブアレイ111、デコーダ131及びPLL(Phase Locked Loop/位相同期ループ)回路132,133を備えている。また、インタフェース140は、入出力部141及び比較部142を備えている。
センサ130に備えたプローブアレイ111は、図1に示したプローブアレイ1及び図3に示したプローブアレイ11と同様である。デコーダ131は、図3に示したデコーダ31と同様の機能を有し、プローブアレイ111における複数のアンテナ電極のうちの1個のアンテナ電極を特定するアドレス信号をインタフェース140から入力し、当該アドレス信号に基づいて1個のアンテナ電極を特定して選択する。
PLL回路132は、発振器150から高精度な基準発振周波数frの信号A1を入力する。PLL回路132は、発振器150から入力した信号A1の基準周波数frを所定の周波数比に分周した周波数fo(fo×fr(N=1,2,4,8,・・・))の信号B1を出力すると共に、信号B2を生成するための基準周波数制御電圧信号C1を出力する。ここで、PLL回路は、一般に、入力信号に対して周波数や位相のズレのない出力信号を生成する回路である。具体的には、外部からの入力信号と内蔵した発振器からの出力信号とを比較し、周波数や位相の誤差分を検出し、発振器にフィードバックすることにより、両信号を一致させ、入力信号に対してズレのない出力信号を得る回路である。
PLL回路133は、PLL回路132から周波数foの信号B1すなわち信号A2を入力し、1倍の周波数比に分周した周波数foの信号B2を出力する。物体がプローブアレイ111上に存在しない場合(物体がプローブアレイ111から無限大の位置に存在する場合)は、信号B2を生成するための周波数制御電圧信号C2(=α)を出力する。この場合、周波数制御電圧信号C2(=α)は、PLL回路132により出力された信号C1と同一の信号になる。一方、物体がプローブアレイ111上に存在する場合は、物体とプローブアレイ111のアンテナ電極との間の距離を静電容量としたキャパシタ負荷の存在により、信号B2が変化する。そうすると、PLL回路133は、信号B2と信号A2とが同一になるように、信号B2を生成するための周波数制御電圧信号C2が変化する。すなわち、物体とプローブアレイ111のアンテナ電極との間の距離の変化が、周波数制御電圧信号C2の変化(C2=β)に現れることになる。
PLL回路132,133の具体的な構成を示すブロック図を図5に示す。PLL回路132は、基準用の回路であり、発振器132−1、分周器132−2、位相比較器132−3及びフィルタ132−4を備えている。PLL回路133は、測定用の回路であり、発振器133−1、分周器133−2、位相比較器133−3及びフィルタ133−4を備えている。PLL回路132の分周器132−2は、入力する信号の周波数を定数倍(N倍)に変化させる。位相比較器132−3は、外部の発振器150から入力した基準周波数frの信号A1と、分周器132−2から入力した信号とを入力し、当該周波数の差を出力する。フィルタ132−4は、入力した周波数の差を電圧(周波数制御電圧)に変換して出力する。発振器132−1は、周波数制御電圧(基準周波数電圧)を入力し、当該電圧に応じた周波数foの信号B1(基準周波数frを所定の定数倍に分周した信号)を出力する。つまり、PLL回路132は、発振器150から基準周波数frの信号A1を入力し、N倍に分周した高周波信号である周波数foの信号B1を出力するとともに、周波数foの信号を生成するための基準周波数電圧信号C1(=α)を出力する。
PLL回路133の発振器133−1、分周器133−2、位相比較器133−3及びフィルタ133−4は、PLL回路132の発振器132−1、分周器132−2、位相比較器132−3及びフィルタ132−4とそれぞれ同様の機能を有する。PLL回路133の分周器133−2は、入力した信号A2の周波数foに対して1倍の周波数比の信号B2を出力する。このようにして、PLL回路133は、PLL回路132から周波数foの信号A2を入力し、周波数foに対して1倍の周波数比の信号B2を出力すると共に、信号B2を生成するための周波数制御電圧C2を出力する。この場合、前述のように、物体とプローブアレイ111のアンテナ電極との間の距離に応じて信号B2の周波数が変化するので、発振器133−1は、信号B2の周波数foを一定に保つように、当該距離に応じた周波数制御電圧信号C2(=β)を入力する。
つまり、PLL回路132は、基準周波数制御電圧信号C1(=α)をインタフェース140へ出力し、PLL回路133は、物体とプローブアレイ111のアンテナ電極との間の静電容量に応じた周波数の信号であって、信号C1を基準とした周波数制御電圧信号C2(=β)をインタフェース140へ出力する。
図4に戻って、インタフェース140に備えた比較部142は、PLL回路132から基準周波数制御電圧信号C1と、PLL回路133から周波数制御電圧信号C2とを入力し、両信号を比較して、両信号の差を算出する。そして、比較部142は、当該差の信号を入出力部141へ出力する。入出力部141は、物体との間の距離を算出するための1個のアンテナ電極を特定するためのアドレス信号をPC117から入力し、当該アドレス信号をセンサ130のデコーダ131へ出力する。また、入出力部141は、そのアドレス信号により特定された1個のアンテナ電極における周波数制御電圧の差の値を比較部142から入力し、そのアドレス信号及び差の値をPC117へ出力する。
PC117は、アンテナ電極を特定するためのアドレス信号をインタフェース140の入出力部141へ出力し、当該アドレス信号及び周波数制御電圧の差の値を入出力部141から入力する。そして、PC117は、当該差の値に基づいて物体とプローブアレイ111におけるアンテナ電極との距離を算出する。この場合、前述の実施例1において説明したように、アドレス信号の情報は、その1個のアンテナ電極により観測される物体の観測面における位置情報、すなわち当該アンテナ電極からみて、プローブアレイ111のアレイ面に対して垂直方向における物体面に対応することになる。従って、PC117は、プローブアレイ111における全てのアンテナ電極のうちの一つのアンテナ電極を特定するためのアドレス信号を順次出力し、周波数制御電圧の差の値を入力し、物体とアンテナ電極との間の距離をそれぞれ算出することにより、プローブアレイ111から見た物体の形状を画像化することができる。
以上説明したように、変形例1の可視化センサ130によれば、PLL回路133が、基準周波数frよりも高い周波数foの信号B1を生成し、PLL回路133が、信号A2の周波数foと信号B2の周波数が同一になるように周波数制御電圧信号C2を出力し、PC117が、当該周波数制御電圧C2によりアンテナ電極と物体との間の距離を算出するようにした。図2に示したように、周波数が高くなる程、距離の感度が良くなることから、2つのPLL回路132,133を用いて基準周波数frよりも高い周波数foの信号B1を用いることにより、物体とアンテナ電極との間を距離を感度良く算出することができる。
〔変形例2〕
次に、前述の実施例1及びその変形例1のプローブアレイ11,111に、グランド電極を配置した実施例について、図6から図10を用いて詳細に説明する。図6は、プローブアレイにグランド電極を配置した場合の上面図である。図6(1)は、アンテナ電極151間に点状グランド電極150を配置した例であり、(2)は、アンテナ電極153間に格子状グランド電極152を配置した例である。図7は、物体160,170とプローブアレイ164,173のアンテナ電極との間の静電容量を説明する断面図である。図7(1)において、グランド電極を配置した場合、物体160とアンテナ電極163との間に静電容量Cpr、物体160とグランド電極162−1との間に静電容量Cgnd1、物体160とグランド電極162−2との間に静電容量Cgnd2、アンテナ電極163とグランド電極162−1,160−2との間の静電容量Cd、物体全体の浮遊容量(グランド電極以外の周辺の金属等との間の意図しない静電容量の合計)Ct、及び発振器161等による配線容量Csが存在する。また、図7(2)において、グランド電極を配置しない場合、物体170とアンテナ電極172との間に静電容量Cpr、物体全体の浮遊容量Ct、及び発振器171等による配線容量Csが存在する。
ここで、Cgnd=ΣCgndi+Ct(i=1,2・・・)とすると、図7(1)及び(2)に示した断面図の等価回路は、図8(1)に示す回路になる。Cpr及びCgnd(Ctを含む)は物体により変化する静電容量であり、Cd及びCsは物体により変化しない固定の静電容量であってプローブアレイ164,173固有の静電容量である。従って、全体の静電容量は、図8(2)に示すように、
式:C=Cpr×Cgnd/(Cpr+Cgnd)+Cd+Cs
となり、全体の静電容量CのうちのCpr×Cgnd/(Cpr+Cgnd)部分が変化すると、発振器161が発振する信号の発振周波数が変化することになる。つまり、物体160,170との間の距離は、Cpr×Cgnd/(Cpr+Cgnd)に応じた発振周波数を用いて算出される。尚、図7(2)に示したグランド電極を配置しない場合には、Cgnd=Ctである。
このように、図7(1)に示したグランド電極を配置した場合及び図7(2)に示したグランド電極を配置しない場合のいずれの場合も、Cgndは物体毎に異なるから、発振周波数に変換される静電容量Cpr×Cgnd/(Cpr+Cgnd)にCgndを含む限り、Cprに基づいて物体とアンテナ電極との間の距離を算出する原理を適用できないことになる。しかしながら、Cgnd>Cprの場合(図9及び図10を参照、詳細については後述する。)は、発振周波数を決定する静電容量はCgndを無視することができ、Cprにほぼ等しくなるから、前述した問題を解消することができる。すなわち、Cgnd>Cprの場合は、物体とアンテナ電極との間の距離を精度高く算出することができる。以下、詳細に説明する。
物体とアンテナ電極との間の距離を算出するための発振周波数を決定する静電容量をC1とすると、前述したように、
式:C1=Cpr×Cgnd/(Cpr+Cgnd)
となる。この場合、C1とCprとがほぼ等しいときに、Cgndを無視でき、物体とアンテナ電極との間の距離を精度高く算出することが可能になる。図9は、C1とCprとの間の関係を示す図である。図中、曲線aはC1=Cprの場合(Cgndの影響を全く受けない場合)、曲線bはCgnd=10×Cprの場合、曲線cはCgnd=Cprの場合、曲線dはCgnd=0.1×Cprの場合をそれぞれ示している。図9より、C1とCprとのズレは、Cgnd<Cprでは大きく、Cgnd>Cprでは小さくなる。図9に示した静電容量のスケールにおいて、CgndがCprの10倍程度になると、C1は、Cgndにほとんど影響されず、Cprのみに影響されることになる。この場合、図7(2)に示したグランド電極を配置しない場合はCgnd=Ctであり、一般に浮遊容量CtはCprに比べて小さい値だから、図7(1)に示したグランド電極を配置した場合の方が(2)よりも誤差が少なくなり、精度高く距離を算出することができる。
また、Cgndの影響による誤差率εは、以下の式に表される。
式:ε=(C1−Cpr)/Cpr=−1/(1+P)、P=Cgnd/Cpr
図10は、上式におけるCgndの影響による誤差率εとP(=Cgnd/Cpr)との間の関係を示す図である。図10より、CgndがCprに対して大きい程Cgndの影響による誤差率εはゼロに近くなる。上式より、Nビットの精度を必要とする場合は、次式を満たす必要がある。
式:P=Cgnd/Cpr≧|2−1|
現実には、物体がアンテナ電極間よりも十分に大きい場合は、Cgndの影響を無視することができるが、同程度の場合は、Cgndの値が異なれば、物体とアンテナ電極との距離は一意的に決定できず、ノイズになってしまう。この場合、ローパスフィルタ等の画像処理によりノイズを除去することができる。つまり、物体がアンテナ電極間の距離と同程度の大きさの場合は、物体との距離を算出することができないため、物体を可視化することができず、解像度は、アンテナ電極間の距離の数倍程度まで下がることになる。
以上説明したように、変形例2の可視化センサによれば、プローブアレイにグランド電極を配置するようにしたから、物体とアンテナ電極との間の静電容量以外に物体に依存して変化する静電容量を考慮する必要がなく、グランド電極を配置しない例に比べて、Cgnd>Cprの場合に発振周波数を決定する静電容量C1がCgndの影響を受けない限り、物体とアンテナ電極との間の距離を精度高く算出することができる。
〔実施例2〕
図11は、本発明による可視化センサの実施例2の構成を示すブロック図である。図3に示した実施例1と実施例2を比較すると、実施例1では、トランジスタを含むデコーダ31により、プローブアレイを構成する複数のアンテナ電極のうちのいずれか一つを選択するが、実施例2では、デコーダ231及びトランジスタ236により、複数のアンテナ電極237、発振器232,233及びミキサ234のうちのいずれか一つを選択する点で相違する。図3に示した実施例1では、発振器12からデコーダ31を介してプローブアレイ11のアンテナ電極までの間の配線容量、及び、アンテナ電極に対してそれぞれ設けられたデコーダ31内のトランジスタの静電容量が存在するため、アンテナ電極と物体との間の静電容量の変化は全体の静電容量からすると小さくなってしまい、発振器12による周波数fの変化も小さくなってしまう。つまり、実施例1では、高感度化及び高精度化を十分に実現することができない。そこで、本実施例2は、このような問題を解決するため、アンテナ電極237毎に発振器232,233及びミキサ234を備えるように構成したものである。
図11を参照して、このシステム200は、物体とアンテナ電極237との間の静電容量に応じた周波数の信号を出力するセンサ230と、当該センサ230に備えた複数のアンテナ電極237、発振器232,233及びミキサ234のうちの一つの組を選択するためのアドレス信号を出力すると共に、周波数のカウント値を算出するインタフェース240と、物体とアンテナ電極237との間の距離を算出し、物体の形状を画像化するPC217とを備えている。センサ230は、デコーダ231、フィルタ235、複数のアンテナ電極237、当該アンテナ電極237に対応する発振器232,233、アンテナ電極237に対応するミキサ234、及びアンテナ電極237に対応するトランジスタ236を備えている。また、インタフェース240は、入出力部241及び比較部242を備えている。
センサ230において、物体とアンテナ電極237との間の静電容量に応じた周波数fの信号を発振する発振器232、固定周波数fの信号を発振するアンテナ電極237、ミキサ234、フィルタ235、インタフェース240の入出力部241、入出力部242、及びPC217は、図3に示したセンサ30の発振器12,13、ミキサ14、フィルタ15、インタフェース40の入出力部41、カウンタ16及びPC17とそれぞれ同等の機能を有する。センサ230のアンテナ電極237は、図3に示したプローブアレイ11のアンテナ電極と同様に構成され、観測対象の物体がその上に置かれる。デコーダ231は、インタフェース240の入出力部241からアドレス信号を入力し、複数のトランジスタ236のうちの一つのトランジスタを動作させる。これにより、複数のアンテナ電極237、発振器232,233及びミキサ234のうちの一つの組が選択される。
PC217は、アンテナ電極237、発振器232,233及びミキサ234の組を特定するためのアドレス信号を順次出力し、その周波数のカウント値を入力し、物体とアンテナ電極との間の距離をそれぞれ算出する。これにより、アンテナ電極から見た物体の形状を画像化することができる。
以上説明したように、実施例2の可視化センサ230によれば、アンテナ電極237毎に発振器232,233及びミキサ234を備え、デコーダ231及びトランジスタ236が、複数のアンテナ電極237、発振器232,233及びミキサ234のうちの一つの組を選択するようにした。これにより、発振器232からアンテナ電極237までの間にはデコーダ231及びトランジスタ236が存在しないから、物体とアンテナ電極237との間の静電容量に応じた周波数fは、配線容量の影響が少なく、かつトランジスタ236の容量の影響がない。従って、アンテナ電極237と物体との間の静電容量の変化は全体の静電容量からすると、図3に示した実施例1に比べて大きくなる。つまり、発振器232による周波数fの変化を大きくすることができ、高感度化及び高精度化を実現することができる。
ここで、図11に示した実施例2の可視化センサ230における発振器232,233、ミキサ234及びトランジスタ236の回路配置の模式図を図20に示す。発振器232−1,233−1、ミキサ234−1及びトランジスタ236−1はアンテナ電極237−1の下部に、発振器232−2,233−2、ミキサ234−2及びトランジスタ236−2はアンテナ電極237−2の下部に、行選択線及び列選択線を介してそれぞれ配置される。このように配置することにより、配線容量の影響をさらに抑えることができるから、より一層、周波数fの変化を大きくすることができ、高感度化及び高精度化を実現することができる。
図3に示した実施例1と図11に示した実施例2との間における発振周波数fの変化の比較を表1に示す。表1は、物体がアンテナ電極上に置かれていない場合(静電容量0F)と置かれた場合(46.5F)における発振周波数fを示している。実施例1の周波数fの変化は4MHzであり、実施例2の周波数fの変化は52MHzであるから、実施例2の方が変化が大きいことがわかる。尚、実施例1の条件は、アンテナ電極であるセンサプレートの面積が38.5μm×38.5μm、アンテナ電極と発振器12,13との間の配線長が4mmであり、実施例2の条件は、アンテナ電極237であるセンサプレートの面積が38.5μm×38.5μm、アンテナ電極237の下部に発振器232,233及びミキサ234を配置した場合である。また、両者ともアンテナ電極は1つである。
表1:
Figure 0004779119
表1に示したセンサ検出容量は、アンテナ電極よりも大きい物体を1μmの距離に置いた場合の値であり、1μm付近の物体を検出するための能力でもある。また、表1の数値は、CMOS0.35μmの製造技術のパラメータに基づいて算出したものであり、この数値は製造技術に依存する。CMOSの場合、一般に、トランジスタのサイズと発振器の最高周波数とは、ほぼ反比例する関係にある。現在の量産レベルにおけるCMOS0.09μmを使用した場合、表1に示す数値に換算される。また、テクノロジノード(製造技術の技術世代)との関係を図21に示す。
表2:
Figure 0004779119

また、図22に、図3に示した実施例1と同じ条件の下で、4mm角に80個のアンテナ電極を配置して行ったシミュレーションの結果を示す。図22において、各位置における周波数の差は時間変化しないため、雑音が混入しても後に取り除くことが可能であるが、周波数の測定精度が十分に高くない場合は大きな誤差になる。尚、図11に示した実施例2の場合は、アンテナ電極の数(画素数)の影響は全くない。また、図23に、アンテナ電極の寸法の見積りを示す。図23には、表1に示した実施例2から予想されるアンテナ電極の寸法、発振器を内蔵した場合のアンテナ電極の最小寸法、及び、発振器を外部に設けた場合のアンテナ電極の最小寸法が示されている。
図12は、図11に示した実施例2の発振器232−1,233−1の構成を示す論理回路図である。尚、他の発振器232−2,233−2等も同様の構成である。物体とアンテナ電極237との間の距離に応じた周波数fの信号を発振する発振器232−1は、3つのインバータ232−1−1,232−1−2,232−1−3により構成される。同様に、基準となる固定周波数fの信号を発振する発振器233−1も、3つのインバータ233−1−1,233−1−2,233−1−3により構成される。このような構成をコモンセントロイド配置(共通中心形配置)といい、発振器232−1,233−1は近接配置され、発振器232−1のインバータ232−1−2及び発振器233−1のインバータ233−1−2の配置が入れ替わった構成になっている。
このように、発振器232−1と発振器233とを近接配置させることにより、二つの発振器の周波数は同じようにばらつくことになる。実施例1及び2において、ミキサ14,234が周波数の差の信号を出力するから、前記周波数のばらつきを吸収することができる。また、コモンセントロイド配置に構成することにより、一層周波数のばらつきを吸収することができ、周波数の誤差を小さくすることができる。尚、図12は、発振器232−1,233−1の構成の一例を示した論理回路図であり、本発明は、このような構成の発振器に限定するものではない。
〔実施例3〕
図13は、本発明による可視化センサの実施例3の構成を示すブロック図である。図11に示した実施例2と実施例3を比較すると、実施例2では、センサ230が複数のアンテナ電極237を備え、デコーダ231及びトランジスタ236が複数のアンテナ電極237、発振器232,233及びミキサ234のうちのいずれか一つの組を選択するが、実施例3では、センサ330が単一のアンテナ電極337、発振器332,333及びミキサ334をそれぞれ備え、当該アンテナ電極337の上部(物体方向)に微細な配線(線状部材)338が格子上に設けられ、デコーダ331及びトランジスタ336が列(縦)方向の配線338−Lのうちの一つを、及び行(横)方向の配線338−Cのうちの一つを選択する点で相違する。図11に示した実施例2では、アンテナ電極237の下部に発振器232,233及びミキサ234を配置することにより、高感度化及び高精度化を実現するようにしたが、1画素に相当するアンテナ電極237のプレート面積が大きくなり高解像度化の実現が困難になってしまう。そこで、本実施例3は、このような問題を解決するため、一つのアンテナ電極337の上に、位置検出用の微細な配線338を縦方向及び横方向に配置し、各交点における物体の距離を算出するように構成したものである。
図13を参照して、このシステム300は、物体とアンテナ電極337との間の静電容量に応じた周波数の信号を出力するセンサ330と、配線338の交点位置を選択するためのアドレス信号を出力すると共に、周波数のカウント値を算出するインタフェース340と、物体とアンテナ電極237との間の距離を算出し、物体の形状を画像化するPC317とを備えている。センサ330は、デコーダ331、フィルタ335、単一のアンテナ電極337、当該アンテナ電極237の上面に、縦方向に配置されたM本の配線338−L1〜LM、横方向に配置されたN本の配線338−C1〜CN、これらの配線338を選択するトランジスタ336−L1〜LM,C1〜CN、ミキサ234、発振器332,333を備えている。また、インタフェース340は、入出力部341及び比較部342を備えている。
センサ330において、物体とアンテナ電極337との間の静電容量に基づいた周波数fの信号を発振する発振器332、固定周波数fの信号を発振するアンテナ電極333、ミキサ334、フィルタ335、インタフェース340の入出力部341、入出力部342、及びPC317は、図11に示したセンサ230の発振器232,233、ミキサ234、フィルタ235、インタフェース240の入出力部241、入出力部242、及びPC217とそれぞれ同等の機能を有する。センサ330のアンテナ電極337は、観測対象の物体がその上に置かれる。デコーダ331は、インタフェース340の入出力部341からアドレス信号を入力し、L用デコーダが縦方向の配線338−L1〜LMに対応するトランジスタ336−L1〜LMのうちの一つを、C用デコーダが横方向の配線338−C1〜CNに対応するトランジスタ336−C1〜CNのうちの一つをそれぞれ動作させる。これにより、縦方向の配線338−L1〜LMのうちの一つ、及び横方向の配線338−C1〜CNのうちの一つが選択され、その選択された配線は解放状態になり、その他の配線はグランド状態に保持される。つまり、観測される物体に対するアンテナ電極337のプレート面内の位置が選択される。
PC317は、アンテナ電極337のプレート面内の位置(配線338の交点)を特定するためのアドレス信号を順次出力し、その交点位置における周波数のカウント値を入力し、その交点位置における物体とアンテナ電極337との間の距離をそれぞれ算出する。全ての交点位置における距離を算出することにより、アンテナ電極337から見た物体の形状を画像化することができる。
図14は、図13に示した実施例3による測定の仕組みを説明するためのアンテナ電極337及び配線338の断面側面図である。以下、アンテナ電極337及び配線338とこれらの上に置かれた物体との間の距離に応じた周波数fを発振する原理について説明する。尚、図14において、アンテナ電極337と配線338−C1との間の静電容量をCp1、配線338−C1と配線338−L1との間の静電容量をCg1、配線338−C1と配線338−L2との間の静電容量をCg2、配線338−L1,C1が重なり合う位置における配線338−L1と物体との間の静電容量をCo1、配線338−L2,C1が重なり合う位置における配線338−L2と物体との間の静電容量をCo2、物体とグランドとの間の静電容量をCとする。
ここで、PC317が、配線338−L1,C1の交点における物体とアンテナ電極337との間の距離を算出するために、その交点を特定するためのアドレス信号を、入出力部341を介してデコーダ331へ出力する。デコーダ331は、当該アドレス信号を入力し、L用デコーダがトランジスタ336−L1を動作させて配線338−L1を開放し、C用デコーダがトランジスタ336−C1を動作させて配線338−C1を開放する。これにより、配線338−L2〜LM,C2−CNがグランドに接続されるから、Co2,Cg2〜CgMは物体と配線338−C1との間をシールドする。従って、配線338−L1,C1以外の交点上の静電容量(例えばCo2)はアンテナ電極337に影響を与えず、配線338−L1,C1の交点における静電容量Co1,Cg1、及びC,Cp1のみが発振器332に影響を与えることになる。このように、発振器332は、配線338−L1,C1の交点上の静電容量Co1に応じた周波数fの信号を発振する。そして、PC317は、ミキサ334、フィルタ335、カウンタ342及び入出力部341を介して周波数のカウント値を入力し、当該カウント値に基づいて、配線338−L1,C1の交点における物体とアンテナ電極337との間の距離(当該交点における垂直上部に位置する物体と垂直下部に位置するアンテナ電極337面との間の距離)を算出する。
同様にして、PC317が、配線338−L2,C1の交点における物体とアンテナ電極337との間の距離を算出するためにその交点のアドレス信号を出力し、その交点における静電容量Co2のみに応じた周波数fの信号に対応するカウント値を入力し、距離を算出する。このように、配線338の交点のアドレス信号を順次出力し、周波数のカウント値を入力し、その交点における物体とアンテナ電極337との間の距離をそれぞれ算出することにより、アンテナ電極337から見た物体の形状を画像化することができる。
図15は、図14におけるセンサ電極337の静電容量を示すための図である。ここで、アンテナ電極337の静電容量(センサ電極容量)は、配線338の交点における物体とアンテナ電極337との間の静電容量である。配線338−Li,Cjの交点における物体とアンテナ電極337との間のセンサ電極容量は、図15に示す式により表される。ここで、Csは、センサ電極337上の物体の浮遊容量、Coijは、物体とi列配線(配線338−Li)との間に発生する容量、Cgijは、i列配線(配線338−Li)とj行配線(配線338−Cj)との間に発生する容量、Cpjは、j行配線(配線338−Cj)とアンテナ電極337との間に発生する容量、Cpkは、k行配線(配線338−Ck)とアンテナ電極337との間に発生する容量であり、全ての(i,j)に対して、Cpj=Cpk=Cp、Cgij=Cgが成り立つ。尚、検出対象である物体の座標は、アンテナ電極337の座標と、配線338のアンテナ電極337に対する相対座標とを加算したものとなる。
以上説明したように、実施例3の可視化センサ330によれば、単一のアンテナ電極337上に、位置検出用の微細な配線338を縦方向及び横方向に配置し、各交点における物体とアンテナ電極337との間の静電容量に応じた周波数を検出するようにした。これにより、画素毎にアンテナ電極を設ける必要がないから高解像度化を実現することができる。
〔変形例3〕
次に、実施例3の変形例について、図16を用いて説明する。図13に示した実施例3では、単一のアンテナ電極337が設けられているが、本例では、図16に示すように、細長状のアンテナ電極337−1〜Mが縦方向の配線338−L1〜LMに対向してそれぞれ設けられている。このような構成の下で、デコーダ331及びトランジスタ336が、配線338及びアンテナ電極337を選択し、これらを切り換えることにより、発振器332が、配線338の各交点における物体とアンテナ電極337との間の静電容量に応じた周波数の信号を発振する。配線338−Li,Cjの交点における物体とアンテナ電極337との間のセンサ電極容量は、図16に示す式により表される。
以上説明したように、変形例3の可視化センサによれば、細長形状のアンテナ電極337−1〜Mを備えることにより、センサ電極容量は図16に示した式になり、また、アンテナ電極337−iは、縦方向の配線338−L1〜LMのうち、配線338−Li,Cjの交点以外の縦方向の配線との間で重なりがなく、物体の有無に関係しない静電容量の発生を防ぐことができるから、物体の検出感度が高くなる。
次に、図19に、アンテナ電極を1cm角の面積に配置した場合における画素数(アンテナ電極の数)のグラフを示す。図中、図3に示した実施例1、図11に示した実施例2、及び実施例2の説明において示した表1の条件における例の予想限界が示されている。尚、図11に示した実施例2の予想限界は、CMOS0.35μmテクノロジにおいて設計した最適値に基づいた計算結果である。
以上、実施例及び変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記例に限定されるものではなく、本発明の精神及び意図を逸脱しない限り、種々変形が可能である。例えば、上記変形例1では、2つのPLL回路132,133を備え、2つの周波数制御電圧信号の差C1−C2により物体とアンテナ電極との間の距離を算出するようにしたが、PLL回路133が外部の発振器150から基準周波数の信号を入力し、当該PLL回路133から出力される周波数制御電圧信号C2のみにより距離の変化を算出し、物体の形状を画像化するようにしてもよい。
また、上記実施例1では、発振器12,13としてLC発振回路を例示したが、これに限定されるのものではなく、種々の発振回路に適用できる。例えば、図12に示したコモンセントロイド配置の複数のインバータから構成される発振器を用いてもよい。また、上記実施例2,3及び変形例1〜3の発振器にLC発振回路を用いてもよいし、図12に示した発振器を用いてもよい。
また、上記変形例1では、PLL回路132において所定の周波数比に分周し、高周波の信号B1を出力するようにしたが、PLL回路132における分周器132−2の周波数比を設定可能な周波数比設定手段を外部に設け、当該周波数比設定手段に対して外部から周波数比を設定できるようにしてもよい。この場合、周波数比を設定変更することにより、距離の検出感度を変更または調整することができる。これにより、物体の形状に応じた検出感度を設定することができ、より精度の高い距離の算出及び形状の画像化を実現できる。
また、上記変形例1では、センサ130において、PLL回路132が基準周波数制御電圧信号C1を出力し、PLL回路133が周波数制御電圧信号C2を出力するようにしたが、センサ130がこれらの信号を入力し、その差を出力する手段を備えようにしてもよい。
また、図12では、発振器232−1,233−1が3段のインバータにより構成されているが、3段に限定するものではなく、1,5,7等の奇数段のインバータにより構成されるようにしてもよい。この場合、段数が多いほど、周波数は安定してばらつきは一層吸収されるが、感度が下がってしまう。従って、図12に示したように3段のインバータにより構成されるのが好適である。
また、図6に示したグランド電極を実施例2,3または変形例3に適用するように構成してもよいし、図16に示した細長状のアンテナ電極337−1〜Mの代わりに、横方向の配線338−C1〜CNに対向した細長状のアンテナ電極をそれぞれ備えるように構成してもよい。
また、上記実施例及び変形例では、観察物体が導体の場合を説明したが、絶縁体であってもよい。図7及び図8に対応した図17を用いて、絶縁体である物体とプローブアレイとの間の静電容量、及びその等価回路について説明する。図17(1)は、物体160とプローブアレイ164のアンテナ電極との間の静電容量を説明する断面図である。物体160とアンテナ電極163との間に静電容量Cpr、物体160とグランド電極162−2との間に静電容量Cgnd、アンテナ電極163とグランド電極162−1,160−2との間の静電容量Cd、物体全体の浮遊容量Ct、及び発振器161等による配線容量Cs、物体160内部の静電容量Cb,Ccが存在する。
ここで、容量Ctは小さい浮遊容量であり、容量Ccはこの容量Ctと直列に接続されているから、容量Ct,Ccを無視することができる。従って、図17(1)に示した断面図の等価回路は、図17(2)に示す回路になる。Cpr、Cb及びCgndは物体により変化する静電容量であり、Cd及びCsは物体により変化しない固定の静電容量であってプローブアレイ164固有の静電容量である。従って、全体の静電容量は、図17(2)に示すように、
式:C=Cpr×Cb×Cgnd/(Cpr×Cb+Cb×Cgnd+Cgnd×Cpr)+2Cd+Cs
となり、全体の静電容量CのうちのCpr×Cb×Cgnd/(Cpr×Cb+Cb×Cgnd+Cgnd×Cpr)部分が変化すると、発振器161が発振する信号の発振周波数が変化することになる。つまり、物体160との間の距離は、前記部分に応じた発振周波数を用いて算出される。
また、上記実施例及び変形例では、センサ及びアンテナ電極を固定して構成したが、これらと観察物体との間の相対位置を変化させるように構成してもよい。図18(1)は、センサを移動させる場合を説明するための概略構成図である。本例は、観察物体を載せるための簡便な指示フィルムが設けられ、センサの下部に圧電素子等の横方向に振動可能な部材が設けられている。この圧電素子等を横方向に振動させることにより、観察物体を静止させたままセンサを横方向に移動させることができる。また、図18(2)は、アンテナ電極を移動させる場合を説明するための概略構成図である。図において、センサの上部にはアンテナ電極を覆う保護膜が設けられ、アンテナ電極周辺にはアンテナ電極が移動できるように空間が設けられ、さらに、アンテナ電極を移動させるためのコンタクト電極が設けられている。このような構成の下で、アンテナ電極は、MEMS(マイクロマシン)技術等を用いることにより移動させることができる。このようにして、センサまたはアンテナ電極と観察物体との間の相対位置を変化させ、それぞれの位置における観測物体との間の距離を算出し、画像データを生成する。そして、これらの画像を重ね合わせることにより、より一層高解像度化を実現することが可能となる。
また、可視化センサにおいて、複数のアンテナ電極を、実施例3に示した例(縦)方向の配線338−L及び行(横)方向の配線388−Cのように、縦方向のアンテナ電極及び横方向のアンテナ電極として設けるように構成してもよい。縦方向及び横方向に設けられた複数のアンテナ電極のうち、それぞれ一つのアンテナ電極が選択されると、選択された交点におけるいずれか一方のアンテナ電極が発振器に接続されて、物体とその交点との間の距離が算出される。

Claims (10)

  1. 物体との間の静電容量を発振周波数に変換し、該物体の可視化を実現するセンサであって、
    物体に対向して設けられたアンテナ電極、
    該アンテナ電極に接続され、物体とアンテナ電極との間の静電容量に応じた発振周波数の信号を出力する第1の発振器、
    基準となる発振周波数の信号を出力する第2の発振器、及び、
    前記第1の発振器により出力された信号の発振周波数と、第2の発振器により出力された信号の基準発振周波数との間の差に相当する周波数の信号を生成して出力する出力手段と、
    物体に対向して設けられ、接地状態に保持されたグランド電極を備えたことを特徴とする可視化センサ
  2. 請求項1に記載の可視化センサにおいて、
    前記第1の発振器により出力された信号について、その発振周波数を1倍の周波数比に分周した周波数を生成し、該周波数の信号と入力する基準周波数信号とが一致するように第1の発振器に対する制御用周波数信号を生成して出力する第1の同期回路、及び、
    前記第2の発振器により出力された基準発振周波数の信号を入力し、該基準発振周波数を所定の周波数比に分周した周波数を生成し、該分周した周波数の信号を前記基準周波数信号として出力する第2の同期回路を備え、
    前記出力手段に代えて第1の同期回路及び第2の同期回路を備えたことを特徴とする可視化センサ。
  3. 請求項1または2に記載の可視化センサにおいて、
    前記アンテナ電極を複数備え、前記第1の発振器は、複数のアンテナ電極のうちの一つのアンテナ電極に順次接続されることを特徴とする可視化センサ。
  4. 請求項1に記載の可視化センサにおいて、
    前記アンテナ電極を複数備え、前記第1の発振器、前記第2の発振器及び出力手段は、複数のアンテナ電極毎に設けられることを特徴とする可視化センサ。
  5. 請求項に記載の可視化センサにおいて、
    さらに、前記アンテナ電極毎に設けられた出力手段のうちの一つの出力手段を選択するためのスイッチを備えたことを特徴とする可視化センサ。
  6. 請求項またはに記載の可視化センサにおいて、
    前記第1の発振器、前記第2の発振器及び前記出力手段を、複数のアンテナ電極からみて物体に対して反対側に設けたことを特徴とする可視化センサ。
  7. 請求項からまでのいずれか一項に記載の可視化センサにおいて、
    前記第1の発振器及び前記第2の発振器は、奇数個のインバータが直列にそれぞれ接続され、コモンセントロイド配置に構成されていることを特徴とする可視化センサ。
  8. 物体との間の静電容量を発振周波数に変換し、該物体の可視化を実現するセンサであって、
    物体に対向して設けられた単一のアンテナ電極、
    該アンテナ電極に接続され、物体と該アンテナ電極との間の静電容量に応じた発振周波数の信号を出力する第1の発振器、
    基準となる発振周波数の信号を出力する第2の発振器、
    前記第1の発振器により出力された信号の発振周波数と、第2の発振器により出力された信号の基準発振周波数との間の差に相当する周波数の信号を生成して出力する出力手段、及び、
    前記アンテナ電極からみて物体が存在する側に設けられた部材であって、該部材により複数の交点が構成され、該複数の交点のうちの一つの交点が選択された場合に、該交点を構成する2つの部材が開放状態に保持され、他の部材が接地状態に保持される複数の線状部材を備えたことを特徴とする可視化センサ。
  9. 請求項に記載の可視化センサにおいて、
    前記複数の線状部材は、アンテナ電極の面に対して縦方向の複数の線状部材及び横方向の複数の線状部材を含み、
    前記単一のアンテナ電極の代わりに、縦方向または横方向の複数の線状部材にそれぞれ対向した複数のアンテナ電極を備えたことを特徴とする可視化センサ。
  10. 請求項1からまでのいずれか一項に記載の可視化センサにおいて、
    前記可視化センサまたはアンテナ電極を、物体に対して移動させる手段を備えたことを特徴とする可視化センサ。
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