(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図14に基づき説明する。
図1及び図2に示すように、天井面Tに沿って配設されるハンガーレール10には、多数枚の間仕切りパネル11が夫々ランナ12を介して移動可能に支持されている。また、夫々の間仕切りパネル11は、天井面T及び床面Yとの間に夫々隙間Hが設けられており、その隙間Hにより当該パネル11が移動可能になっている。そして、ハンガーレール10の一端側に位置する壁面Kには、召し合わせ框13が取着され、間仕切りパネルとしての先頭用のパネル(以下、「先頭パネル」と示す)14(壁面の最も近くに位置する間仕切りパネル)を召し合わせ可能となっている。また、先頭パネル14を召し合わせ框13に召し合わせた状態で、後続の間仕切りパネル11を先行する当該パネル11(先頭パネル14)に順次召し合わせ可能となっている。
各間仕切りパネル11(先頭パネル14)のパネル本体11c(パネル本体14c)の上縁部11a(14a)には、接圧部材15が上下動可能に支持され、各間仕切りパネル11(先頭パネル14)の下縁部11b(14b)には、接圧部材15が上下動可能に支持されている。そして、接圧部材15が天井面T及び床面Yと面接触することで、前記隙間Hを接圧部材15により塞ぎ、間仕切りパネル11(先頭パネル14)は、移動可能状態から移動を規制されるように天井面Tと床面Yの間に固定されるようになっている。また、各間仕切りパネル11には、先行する当該パネル11(先頭パネル14)との作動面としての召し合わせ面17aに作動手段としてのロッド18が上方及び下方の2箇所に左右動可能に支持されている。接圧部材15は、図3に示すように、間仕切りパネル11内に配設される接圧装置としてのロック装置19により昇降駆動(出没可能に駆動)され、ロッド18は、該ロック装置19によりスライド駆動されるようになっている。また、先頭パネル14において、接圧部材15は、当該先頭パネル14内に配設される先頭用ロック装置20により昇降駆動(出没可能に駆動)され、ロッド18は、該ロック装置19によりスライド駆動されるようになっている。
そして、本実施形態では、ロッド18の左右動に連動して接圧部材15が上下動するようになっている。すなわち、先行する間仕切りパネル11(先頭パネル14)に対して間仕切りパネル11の召し合わせ面17aから衝突させ、その衝突力を利用してロッド18を動作させるようにしている。そして、間仕切りパネル11(先頭パネル14)は、パネル同士を衝突させ召し合わされることにより、天井面T及び床面Yの間に接圧部材15を介して固定されるようになっている。なお、先頭パネル14には、それ以外の間仕切りパネル11とは逆に向ってロッド18が配設されている。すなわち、先頭パネル14は、召し合わせ面17aに後続の間仕切りパネル11を召し合わせることにより、天井面T及び床面Yの間に固定されるようになっている。
次に、図3〜図6に基づき、間仕切りパネル11内に実装されるロック装置19及び、先頭パネル14内に実装される先頭用ロック装置20について説明する。なお、間仕切りパネル11及び先頭パネル14には、上縁部11a,14a側(天井面T側)と、下縁部11b,14b側(床面Y側)とにロック装置19及び先頭用ロック装置20がそれぞれ実装される。ロック装置19(及び先頭用ロック装置20)は、間仕切りパネル11(及び先頭パネル14)に上下一対で設けられることにより、接天接床装置を構成する。以下の説明では、上縁部11a,14a側(天井面T側)に実装されるロック装置19及び先頭用ロック装置20について中心に説明し、下縁部11b,14b側(床面Y側)に実装されるロック装置19及び先頭用ロック装置20については、同一構成であるため、その重複する説明を省略する。また、ロック装置19及びロック装置20において、その構成で重複する説明を省略する。
図4(a)に示すように、ロック装置19は、支持部材としての支持板21を備え、当該支持板21は、平面視長方形の平板状をなす底面21dの長辺方向周縁に一対の側壁21a及び側壁21bが垂直に立設され、側面視凹状(チャネル状)に形成されている。各側壁21a,21bには、各側壁21a,21bを貫通する貫通孔21cが各2箇所ずつ形成されており、当該貫通孔21cにはピンなどが挿通可能となっている。
図4(b)に示すように、ロック装置19は、移動部材としての前記支持板21の長辺方向に移動可能に配設される支持板22を備え、当該支持板22は、平面視長方形の平板状をなす底面22gの長辺方向周縁に一対の側壁22a及び側壁22bが垂直に立設され、側面視凹状(チャネル状)に形成されている。各側壁22a,22bには、中央部から右方と左方の各1箇所ずつに各側壁22a,22bの上端からさらに上方に延設される延設部22cが2箇所に形成されている。各側壁22a,22bの左方には、ロッド18を取り付ける取付部22dが形成されているとともに、該取付部22dにロッド18を所定の固定手段で固定する固定部22eが形成されている。
各延設部22cの間には、2箇所の貫通孔22fが形成されている。また、側壁22a,22bの各延設部22cの下方位置には、支持板22の移動を案内する第1溝23が支持板22の長辺方向に直線状に形成され、該各延設部22cには、後述するリンク部材27の移動を案内する第2溝24が形成されている。
第1溝23は、支持板21に対する支持板22の移動量を規制し得る長さに形成されているとともに、第2溝24は、後述する連結ピンP2の移動量を規制し得る長さに形成されている。また、第2溝24は、延設部22cの下方(基端側)から上方(先端側)へ向うように円弧状に形成されているとともに、ロッド18側に湾曲するように形成されている。なお、側壁22bには、側壁22aと対向するように、延設部22cと、取付部22dと、固定部22eと、貫通孔22fが形成されているとともに、第1溝23及び第2溝24が形成されている。
図4(c)に示すように、ロック装置19は、支持板21,22に対して昇降可能に配設される昇降板25を備え、当該昇降板25は、平面視長方形の平板状をなす上面25dの長辺方向周縁に一対の側壁25a及び側壁25bが垂直に立設され、側面視凹状(チャネル状)に形成されている。
側壁25aには、ピンなどを挿通可能な複数個の貫通孔25cが各側壁25a及び25bを貫通して形成されているとともに、後述するリンク部材27の移動を案内する第3溝26が形成されている。第3溝26は、後述する連結ピンP3の移動方向及び移動量を規制するように形成されている。一方、側壁25bには、側壁25aと対向するように、複数個の貫通孔25cと、第3溝26とが形成されている。
また、図4(d)に示すように、ロック装置19は、支持板21と支持板22とを連結するとともに、支持板22と昇降板25とを連結するリンク部材27を備えている。リンク部材27は、正面視長方形の平板状であって、左右両端が半円状に形成され、両端で半円の径を異ならせている。そして、半円の径の小さい小径部27a側であって、下方片27cには、切り欠き部27eが形成されているとともに、ピンなどを挿通可能な2箇所の貫通孔27fと貫通孔27gがリンク部材27を貫通して形成されている。
一方、半円の径が小径部27aに比較して大きい大径部27b側には、第4溝28が形成されている。第4溝28は、後述する連結ピンP3の移動方向及び移動量を規制するように形成されている。また、第4溝28は、リンク部材27の中央下方部から大径部27bに向うように形成されている。第4溝28は、リンク部材27の中央下方部において直線状に形成されており、大径部27bに向かうに連れて先端が上方を向くように円弧状(円弧部28a)に形成されている。
また、リンク部材27は、長辺方向周縁に一対の側壁27h及び側壁27iが垂直に立設され、側面視凹状(チャネル状)に形成されている。なお、側壁27h,27iには、対向するように、貫通孔27fと、貫通孔27gと、第4溝28とが形成されている。また、本実施形態のロック装置19では、支持板21、支持板22及び昇降板25の側壁21a,22a,25a側を連結するとともに、側壁21b,22b、25b側を連結するため、該ロック装置19の全体で2つのリンク部材27を備えることとなる。
図4(e)に示すように、ロック装置19は、第1の付勢手段としての圧縮ばね29と、第2の付勢手段としての引っ張りばね30の付勢方向の異なる2種類のばねを備えている。圧縮ばね29は、三角形状であり、その一端29aと他端29bが拡がる方向に付勢力を発生するものである。また、引っ張りばね30は、その両端が近づく収縮する方向に付勢力を発生するものである。なお、本実施形態のロック装置19では、2つの圧縮ばね29と1つの引っ張りばね30が配設されるようになっている。なお、本実施形態において、圧縮ばね29の付勢力は、引っ張りばね30の付勢力よりも大きく設定されている。
次に、図3に示すように、組み付けた状態のロック装置19について説明する。
ロック装置19の支持板21は、図1に示す間仕切りパネル11内の所定位置(外部から視認不能な位置)に該間仕切りパネル11に対して動かないように固定されている。すなわち、間仕切りパネル11が動けばそれに伴い支持板21も動いていることとなる。また、図3(b)に示すように、支持板21の各側壁21a,21bの間には、支持板22が移動可能に配設される。支持板22は、当該支持板22の各側壁22a,22bの4箇所の第1溝23と、4箇所の貫通孔21cの位置が合うように支持板21に対して配置される。そして、各側壁22a,22bの各対向する第1溝23と、各貫通孔21cと、各リンク部材27の貫通孔27fとは、夫々連結ピンP1により連結されるようになっている。この結果、支持板21と支持板22が連結されるとともに、リンク部材27も支持板21,22に連結されるようになっている。
支持板22とリンク部材27では、支持板22の各側壁22a,22bの各対向する第2溝24と、各第2溝24に配設される各リンク部材27の貫通孔27gとが夫々連結ピンP2により連結されるようになっている。昇降板25と、リンク部材27では、昇降板25の各側壁25a,25bの各対向する第3溝26と、各第3溝26に配設される各リンク部材27の第4溝28とが夫々連結ピンP3により連結されるようになっている。このとき、側壁22a,22bの間であって、連結ピンP2には、圧縮ばね29の一端29aも同時に連結されるとともに、連結ピンP3には、圧縮ばね29の他端29bも連結されている。さらに、支持板22の貫通孔22fと引っ張りばね30の一端と、昇降板25の貫通孔25cと引っ張りばね30の他端とが夫々連結ピンP4及び連結ピンP5により連結されている。
この結果、支持板22と昇降板25とは、リンク部材27と圧縮ばね29を介して連結されるとともに、引っ張りばね30を介して連結されるようになっている。また、リンク部材27には、圧縮ばね29の両端(リンク部材27の貫通孔27gに一端29aが、リンク部材27の第4溝28に他端29bが)が連結されている。また、支持板22の取付部22dには、ロッド18が固定部22eに所定の固定手段により、支持板22の長辺方向に延びるように取り付けられる。また、昇降板25の長辺方向両側には、ねじNにより一対の接圧部材15が装着される(図3(b)参照)ようになっている。なお、接圧部材15は、昇降板25の上方部の全体に配設されるようにしても良い。また、本実施形態では、昇降板25と接圧部材15により、接圧材が構成されている。
このように組み付けられるロック装置19では、連結ピンP1が支持板22に形成された第1溝23の最右方に位置する場合を初期位置としている。この初期位置において、支持板22は、支持板21の左方側に位置するとともに、連結ピンP2は、支持板22に形成された第2溝24の最右方に位置している。このため、連結ピンP1と連結ピンP2の位置関係は、水平に対して鋭角であり、リンク部材27が傾いている状態となっている。また、初期位置において、連結ピンP3は、昇降板25に形成された第3溝26の最左方に位置するとともに、リンク部材27に形成された第4溝28の最左方に位置している。初期位置において昇降板25は、支持板21及び支持板22に最も近づいている。
初期位置の状態では、圧縮ばね29が連結ピンP2及び連結ピンP3を離間する方向に付勢している。この結果、連結ピンP2,P3は、圧縮ばね29により両端方向に広げられ、該連結ピンP2と連結ピンP3との距離が最も離間されるようになっている。また、初期位置の状態では、引っ張りばね30が昇降板25を支持板22に近づけるように付勢している。この結果、連結ピンP4,P5は、その両者間の距離が最も近づくようになっている。すなわち、支持板22と昇降板25が最も近づくようになっている。昇降板25は、外部から力を加えない状態において支持板22に最も近づくように維持されている。本実施形態において、各連結ピンP1〜P3の示す初期位置を夫々初期位置Sとする。
本実施形態のロック装置19では、各連結ピンP1〜P3により連結される支持板22、昇降板25、リンク部材27、圧縮ばね29によりリンク機構が構成され、当該リンク機構は、ロッド18に加えられる衝突力により作動されるようになっている。また、1つのロック装置19には、前記リンク機構が2箇所に形成されるようになっている。
次に、図5及び図6に基づき、先頭パネル14に実装されるロック装置20の構成について説明する。
図6(b)に示すように、ロック装置20は、支持部材としての支持板33を備え、当該支持板33は、前記支持板22と略同形状となっている。また、図6(a)に示すように、ロック装置20は、前記支持板33に対して移動可能に配設される移動部材としての支持板32を備え、当該支持板32は、前記支持板21と略同形状となっている。
支持板32の各側壁32a,32bには、当該側壁32a,32bの両端側の2箇所と中央部側の2箇所に貫通孔32cが4箇所ずつ形成されている。また、側壁32aの右方には、ロッド18を取り付ける取付部32dが形成されているとともに、該取付部32dにロッド18を所定の固定手段で固定する固定部32eが形成されている。すなわち、ロック装置19とロック装置20では、ロッド18の接続される方向が各部材(支持板32,33、昇降板36、リンク部材38及びばね40,41)に対して逆になっている。
本実施形態のロック装置20及びロック装置19において、支持板32の側壁32a,32bは、支持板21の側壁21a,21bに対応し、支持板32の底面32fは、支持板21の底面21dに対応している。また、支持板33の側壁33a,33b、延設部33c、底面33d、第1溝34及び第2溝35は、支持板22の側壁22a,22b、延設部22c、底面22g、第1溝23及び第2溝24に対応している。なお、第2溝35は、延設部22cの下方(基端側)から上方(先端側)へ向うように円弧状に形成されているが、支持板22の第2溝24とは異なりロッド18から離間する方向に湾曲するように形成されている。また、昇降板36の側壁36a,36b、貫通孔36c、上面36d及び第3溝37は、昇降板25の側壁25a,25b、貫通孔25c、上面25d及び第3溝26に対応している。さらに、リンク部材38の小径部38a、大径部38b、下方片38c、上方片38d、切り欠き部38e、及び貫通孔38f,38gは、リンク部材27の小径部27a、大径部27b、下方片27c、上方片27d、切り欠き部27e、及び貫通孔27f,27gに対応している。そして、圧縮ばね40及び引っ張りばね41は、圧縮ばね29及び引っ張りばね30に対応している。
次に、図5に示すように、組み付けた状態のロック装置20について説明する。
ロック装置20の支持板33は、図5(a)に示す先頭パネル14内の所定位置(外部から視認不能な位置)に該先頭パネル14に対して動かないように固定されている。また、図5(b)に示すように、支持板33の各側壁33a,33bの間には、支持板32が移動可能に配設される。支持板32は、支持板33の各側壁33a,32bに形成された4箇所の第1溝34と、4箇所の貫通孔32cの位置が合うように支持板33に対して配置される。そして、ロック装置20では、先頭パネル14に固定される支持板33と、昇降板36及びリンク部材38によりリンク機構が構成されている。すなわち、ロック装置19では、スライドする間仕切りパネル11に対して移動可能にリンク機構が構成されるが、ロック装置20では、スライドする先頭パネル14に対してリンク機構が構成されるようになっている。このため、支持板33(先頭パネル14)に対して移動可能な支持板32には、ロッド18が配設されるとともに、引っ張りばね41により昇降板36が連結されている。
本実施形態のロック装置20では、各連結ピンP1〜P3により連結される支持板33、昇降板36、リンク部材38、圧縮ばね40によりリンク機構が構成され、当該リンク機構は、ロッド18に加えられる衝突力により作動されるようになっている。また、1つのロック装置20には、前記リンク機構が合計2箇所に形成されるようになっている。
次に、ロック装置19及びロック装置20の動作態様について説明する。
まず、間仕切りパネル11に実装されるロック装置19の動作態様について説明する。以下の説明では、ロック装置19及びロック装置20において、支持板21及び支持板33は、動かないように固定されているとともに、昇降板25及び昇降板36の移動方向である上方又は下方には、天井面T又は床面Yが存在しているものとする。
図7に示すように、間仕切りパネル11が移動可能な状態のとき、ロック装置19では、各連結ピンP1〜P3が初期位置Sとなっている。そして、ロッド18に対して当該ロッド18のロック装置19が接続されている側とは逆方向から力(間仕切りパネル11同士が衝突する衝突力など)を加えることにより、支持板22が支持板21に対して移動する。すなわち、連結ピンP1と連結ピンP2が初期位置Sに比較して水平距離で近づいている状態となる。この状態を第1状態(図7の状態)とする。
第1状態のロック装置19において、連結ピンP2は、第2溝24に沿って上方に移動している状態である。また、連結ピンP2の移動に関連して、リンク部材27が初期位置Sの傾いている状態から連結ピンP2を回動中心として回動する(連結ピンP1と連結ピンP2の位置関係は、初期位置Sに対して大きい鋭角となる)ようになっている。
続いて、連結ピンP2の移動に関連して、連結ピンP2と連結ピンP3は、当該連結ピンP2と連結ピンP3が離間される方向に付勢されているため、一定の距離を保とうとし、連結ピンP3も上方に移動する。その結果、昇降板25が支持板21に対して上昇(離間)する方向(間仕切りパネル11に対し出方向)に移動することになる。
さらに、ロッド18に力が加えられ、支持板21に対して支持板22の移動量を増やすと、図8に示すように、連結ピンP1と連結ピンP2の水平距離が第1状態に比較してさらに近づいている状態となる。この状態を第2状態(図8の状態)とする。
第2状態において、連結ピンP2は、第2溝24に沿って、第1状態からさらに上方に移動している状態である。また、連結ピンP2は、さらに上方に移動するため、リンク部材27が第1状態から連結ピンP2を回動中心としてさらに回動する(連結ピンP1と連結ピンP2の位置関係は、第1状態に対して大きい鋭角となる)ようになっている。
続いて、連結ピンP2の移動に関連して、連結ピンP2と連結ピンP3は、一定の距離を保とうとし、連結ピンP3は、第1状態からさらに上方に移動する。したがって、昇降板25が支持板21に対して第1状態からさらに上方に移動(離間)することになる。
本実施形態のロック装置19では、昇降板25が支持板21に対して上昇することで、天井面Tと昇降板25の接圧部材15が面接触するようになる。すなわち、ロック装置19が接圧部材15を介して、天井面Tに仮固定されている状態となる。
さらに、ロッド18に力が加えられ、支持板21に対して支持板22の移動量が増えると、図9に示すように、連結ピンP1と連結ピンP2の水平距離がさらに近づいている(鉛直直線状に並ぶ)状態となる。この状態を第3状態(図9の状態)とする。
第3状態のロック装置19では、連結ピンP2が、第2溝24に沿って、第1状態からさらに上方に移動している状態である。また、連結ピンP2は、さらに上方に移動するため、リンク部材27が傾いている状態から連結ピンP2を回動中心としてさらに回動する(連結ピンP1と連結ピンP2の位置関係は、直角に近い角)ようになっている。
続いて、連結ピンP2の移動に関連して、連結ピンP2と連結ピンP3は、一定の距離を保とうとするが、連結ピンP3は、接圧部材15が天井面Tと面接触されることにより、上方への移動が規制される。そして、連結ピンP3は、第4溝28に沿って水平方向に移動する。すなわち、圧縮ばね29の両端29a,29bの距離が縮まることとなり、圧縮ばね29の付勢力が高まる。また、圧縮ばね29の一端29aは、リンク部材27の貫通孔27gにより固定されているため、前記一端29aから他端29b方向に向う付勢力が作用する。この結果、接圧部材15は、圧縮ばね29の付勢力と同等の大きさの力により、天井面Tに付勢され、天井面Tにロック装置19が固定されている状態となる。
さらに、ロッド18に力が加えられ、支持板21に対する支持板22の移動量が増えると、図10に示すように、連結ピンP1と連結ピンP2の位置が逆転している状態となる。この状態を第4状態(図10の状態)とする。
第4状態のロック装置19では、連結ピンP1が第1溝23の最左方に位置している状態であり、これ以上支持板21に対して支持板22が移動することができない状態となっている。また、連結ピンP1の移動に関連して、リンク部材27が第1〜第3状態で傾いている方向と、逆方向に傾くように貫通孔27gを中心に回動する(連結ピンP1と連結ピンP2の位置関係は、直角に近い角)ようになっている。
連結ピンP1の移動に関連して、連結ピンP2と連結ピンP3は、鉛直直線状に並び、圧縮ばね29の両端29a,29bが最も近づいている状態となっている。すなわち、圧縮ばね29の付勢力が最も大きくなっており、接圧部材15が天井面Tに最も強く接圧されている状態であり、ロック装置19により間仕切りパネル11が完全にロックされた状態となる。
なお、ここまでは、間仕切りパネル11の上縁部11aに実装されるロック装置19の動作について説明したが、下縁部11bに実装されるロック装置19についても同様に動作することで、床面Yにロック装置19が固定されるようになっている。図7〜図10には、天井面T側のロック装置19と床面Y側のロック装置19の両ロック装置19の動作を模式的に示している。また、ロック装置19において、昇降板25を床面Yに対して実装する場合であっても、初期位置Sの状態では、圧縮ばね29の付勢力と、引っ張りばね30の付勢力により該昇降板25が支持板21,22に付勢される(引き付けられる)ため、初期位置Sの状態を保持することができるようになっている。
次に、先頭パネル14に実装されるロック装置20の動作態様について説明する。
図11に示すように、ロック装置20では、各連結ピンP1〜P3が初期位置Sとなるようになっている。そして、ロッド18に対して当該ロッド18のロック装置20が接続されている側とは逆方向から力(間仕切りパネル11に衝突される衝突力など)を加えることにより、支持板32が支持板33に対して移動し、第1状態(図11の状態)となる。
さらに、ロッド18に力が加えられ、支持板33に対して支持板32の移動量が増えると、図12に示すように、連結ピンP1と連結ピンP2の水平距離が第1状態に比較してさらに近づいている第2状態(図12の状態)となる。
さらに、ロッド18に力が加えられ、支持板33に対して支持板32の移動量が増えると、図13に示すように、連結ピンP1と連結ピンP2の水平距離がさらに近づいている(鉛直直線状に並ぶ)第3状態(図13の状態)となる。
さらに、ロッド18に力が加えられ、支持板33に対する支持板32の移動量が増えると、図14に示すように、連結ピンP1と連結ピンP2の位置が逆転している第4状態(図14の状態)となる。
なお、ここまでは、先頭パネル14の上縁部14aに実装されるロック装置20の動作について説明したが、下縁部14bに実装されるロック装置20についても同様に動作することで、床面Yにロック装置20が固定されるようになっている。図11〜図14には、天井面T側のロック装置20と床面Y側のロック装置20の両ロック装置20の動作を模式的に示している。また、ロック装置20において、昇降板36を床面Yに対して実装する場合であっても、初期位置Sの状態では、圧縮ばね40の付勢力と、引っ張りばね41の付勢力により該昇降板36が支持板33に付勢される(引き付けられる)ため、初期位置Sの状態を保持することができるようになっている。
本実施形態のロック装置19,20では、第2溝24,35が上方に向うように形成することで、ロッド18に加えられる水平方向の力が、連結ピンP2を上方に移動させる方向の力に変換されるようになっている。また、第2溝24,35を円弧状に形成することで、第2溝24,35を直線状に形成する場合に比較して、水平方向の力は、鉛直方向の力へと効果的に変換されている。また、リンク部材27,38に形成される第4溝28,39に円弧部28a,39aを形成することで、前記水平方向の力は、該リンク部材27,38を回動させるように作用し、水平方向から鉛直方向に効果的に変換されるようになっているとともに、リンク部材27,38を回動させるための抵抗力を逃がすようになっている。
また、第4状態におけるロック装置19及びロック装置20において圧縮ばね29,40の付勢力は、初期位置Sの状態で水平方向へ作用しており、第4状態で鉛直方向へ作用するようになっている。その結果、第4状態から勝手に(外部から力を加えることなく)ロッド18が初期位置Sに戻ろうとすることを防止している。
また、本実施形態のロック装置19,20は、リンク機構と、間仕切りパネル11及び先頭パネル14(支持板21及び支持板33)とを3種類の連結ピンP1〜P3で連結して構成している。すなわち、3箇所の連結部にてリンク機構が構成されている。
本実施形態において、連結ピンP1による連結部が第1の連結部となり、連結ピンP2による連結部が第2の連結部となり、連結ピンP3による連結部が第3の連結部となる。また、第2の連結部を構成する連結ピンP2が第1の連結部材となり、第3の連結部を構成する連結ピンP3が第2の連結部材となる。
次に、間仕切りパネル11及び先頭パネル14にロック装置19及びロック装置20を実装し、部屋空間を区画する態様について説明する。
本実施形態の間仕切りパネル11では、当該間仕切りパネル11からロック装置19の初期位置Sの状態でロッド18が突出可能な位置に実装されるようになっている。また、間仕切りパネル11の上縁部11aには、接圧部材15が天井面T方向を向くように実装され、下縁部11bには、接圧部材15が床面Y方向を向くように実装される。また、前記初期位置Sの状態では、間仕切りパネル11及び先頭パネル14の上縁部11a,14a、下縁部11b,14bから接圧部材15が見えないようになっている(パネル内部に被覆されるようになっている)。
まず壁面Kに配設されている召し合わせ框13に先頭パネル14が召し合わされる。この状態では、先頭パネル14は、天井面T及び床面Yに固定されておらず、移動可能である。続いて、先頭パネル14の召し合わせ面17aに対して間仕切りパネル11をスライドさせることで先頭パネル14及び間仕切りパネル11で壁を配設するようになっている。
そして、先頭パネル14に間仕切りパネル11がスライドしながら近づくと、先頭パネル14の上下に実装されるロッド18が間仕切りパネル11の召し合わせ面17aに当接するとともに、間仕切りパネル11の上下に実装されるロッド18が先頭パネル14の召し合わせ面17aに当接する。
間仕切りパネル11が先頭パネル14の召し合わせ面17aに当接し、さらにスライドしている勢いにより、間仕切りパネル11から突出しているロッド18が間仕切りパネル11内に押し込まれる。このとき、ロック装置19では、ロッド18が押し込まれることに関連して、支持板21に対して支持板22が移動している第1状態(図7の状態)となっている。そして、間仕切りパネル11の上縁部11a及び下縁部11bから接圧部材15の先端が突出している状態(接圧部材15が間仕切りパネル11に対して出方向に移動している状態)となる。
一方、先頭パネル14では、間仕切りパネル11がスライドしている勢いにより、ロッド18が先頭パネル14内に押し込まれる。このとき、ロック装置20では、ロッド18が押し込まれることに関連して、支持板33に対して支持板32が移動している第1状態(図11の状態)となっている。そして、先頭パネル14の上縁部14a及び下縁部11bから接圧部材15の先端が突出している状態となる。
その後、間仕切りパネル11から突出しているロッド18が間仕切りパネル11内にさらに押し込まれる。このとき、ロック装置19では、ロッド18が押し込まれることに関連して、支持板21に対する支持板22の移動量が増えている第2状態(図8の状態)となっている。そして、間仕切りパネル11の上縁部11a及び下縁部11bから接圧部材15の全体が突出し、間仕切りパネル11の上方では、天井面Tと接圧部材15が面接触する。また、間仕切りパネル11の下方では、床面Yと接圧部材15が面接触する。このため、間仕切りパネル11は、天井面T及び床面Yに仮固定され、間仕切りパネル11のスライド方向以外には、移動しにくい状態となっている。
一方、先頭パネル14では、間仕切りパネル11のスライドの勢いにより、ロッド18が先頭パネル14内にさらに押し込まれる。このとき、ロック装置20では、ロッド18が押し込まれることに関連して、支持板33に対する支持板32の移動量が増えている第2状態(図12の状態)となっている。そして、先頭パネル14の上縁部14a及び下縁部14bから接圧部材15の全体が突出し(先頭パネル14に対し出方向に移動し)、先頭パネル14の上方では、天井面Tと接圧部材15が面接触する。また、先頭パネル14の下方では、床面Yの接圧部材15が面接触する。このため、先頭パネル14は、天井面T及び床面Yに固定され、移動が規制される状態となっている。この時点(第2状態)において、先頭パネル14は、召し合わせ框13と後続の間仕切りパネル11により挟まれるとともに、上下方向を天井面T及び床面Yにより固定されている。この結果、先頭パネル14は、左右方向の移動が規制され、部屋空間を区画する壁となっている。
その後、間仕切りパネル11から突出しているロッド18が間仕切りパネル11内にさらに押し込まれる。このとき、ロック装置19では、ロッド18が押し込まれることに関連して、支持板21に対する支持板22の移動量がさらに増えている第3状態(図9の状態)となっている。そして、間仕切りパネル11は、天井面T及び床面Yへの接圧力が増すことにより、天井面T及び床面Yに固定されるようになっている。
一方、先頭パネル14では、間仕切りパネル11のスライドの勢いにより、ロッド18が先頭パネル14内にさらに押し込まれる。このとき、ロック装置20では、ロッド18が押し込まれることに関連して、支持板33に対する支持板32の移動量がさらに増えている第3状態(図13の状態)となっている。そして、先頭パネル14は、天井面T及び床面Yへの接圧力が増すことにより、さらに強い力で天井面T及び床面Yに固定されるようになっている。
また、本実施形態では、接圧部材15に図示しない昇降框が当該接圧部材15に連動可能に併設されている。昇降框は、接圧部材15の昇降に合わせて昇降されるようになっている。昇降框は、天井面T及び床面Yとの接触面において、わずかな隙間を被覆するために設けられている。また、昇降框は、接圧部材15に連動して動作するため、接圧部材15を被覆する効果も兼ね備えている。
その後、間仕切りパネル11から突出しているロッド18が間仕切りパネル11内に完全に押し込まれる。このとき、ロック装置19では、第4状態(図10の状態)となっている。一方、先頭パネル14から突出しているロッド18が先頭パネル14内に完全に押し込まれる場合、ロック装置20では、第4状態(図14の状態)となっている。そして、間仕切りパネル11と先頭パネル14の召し合わせ面17a同士が面接触し、間仕切りパネル11と先頭パネル14とが一体となる壁が形成されるようになっている。
以後、先頭パネル14とともに壁を形成する間仕切りパネル11に、さらに間仕切りパネル11をスライドさせ同じ要領で連設することにより、部屋空間を区画することができる。また、間仕切りパネル11は、ロック装置19により固定されるため、パネルにより形成される壁の一番後方(後続する間仕切りパネル11がない)に位置した場合であっても、ロッド18が初期位置Sに戻ろうとすることがないため、間仕切りパネル11の固定が解除されないようになっている。
また、本実施形態では、ロッド18を召し合わせ面17aに衝突させることで、ロック装置19が作動するようにした。このため、召し合わせ面17aにロッド18が衝突したとしても、当該召し合わせ面17aに対して大きな傷が残ったりしないようになっている。例えば、間仕切りパネル11に備える昇降框自体を回動可能に配設し、当該昇降框を回動させることで、天井面T及び床面Yを接圧するようなロック装置では、召し合わせ面17aに昇降框が直接ぶつかることになり、召し合わせ面17aに大きな傷が付く可能性がある。また、昇降框を直接押し当てるためには、間仕切りパネル11から昇降框を突出させるため、意匠的に見栄えが悪くなる可能性がある。
また、部屋空間の区画を解除する場合には、間仕切りパネル11をスライドさせた方向とは逆方向に所定の大きさ以上の力で移動させる。このとき、ロック装置19では、第4状態から接圧部材15が天井面T及び床面Yに固定されている状態でリンク部材27が回動し、当該リンク部材27が第3状態となる。第3状態となってさらに力を加えることで、リンク部材27が初期位置Sに戻ろうとする(圧縮ばね29及び引っ張りばね30が昇降板25を支持板21に付勢する)ことにより、昇降板25が下降(下方では上昇)し(間仕切りパネル11に対し没方向に移動し)、固定が解除され前記区画が解除されるようになっている。同様の要領で先頭パネル14の固定も解除することができるようになっている。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)間仕切りパネル11では、ロッド18を先行する間仕切りパネル11又は先頭パネル14の召し合わせ面17aに当接させることで、昇降板25の昇降ができるようにした。すなわち、間仕切りパネル11をスライドさせるのみで、接圧部材15を天井面T及び床面Yに接圧させることができる。したがって、間仕切りパネル11を容易に天井面T及び床面Yに固定することができる。
(2)また、先頭パネル14では、ロッド18を後続の間仕切りパネル11の召し合わせ面17aに当接させることで、昇降板36の昇降ができるようにした。すなわち、後続の間仕切りパネル11をスライドさせるのみで、接圧部材15を天井面T及び床面Yに接圧させることができる。したがって、先頭パネル14を容易に天井面T及び床面Yに固定することができる。
(3)リンク部材27,38は、連結ピンP1〜P3の3箇所で連結するようにした。そして、リンク機構は、連結ピンP1〜P3で構成されるようにした。このため、連結ピンによる連結部が増加することにより構造が複雑になることを抑制することができる。したがって、ロック装置19,20の構造を容易にすることができる。
(4)第2溝24,35は、上方に向かって円弧状に形成した。このため、ロッド18に作用する水平方向の衝突力は、連結ピンP2を上方へ移動させる鉛直方向の力へと好適に変換させることができる。したがって、第2溝24,35を直線状に形成する場合に比較して、小さい力により連結ピンP2を移動させるとともに、リンク機構を動作させることができる。
(5)また、第2溝24,35を直線状に形成する場合に比して、支持板22,33の移動量を減少させることができる。すなわち、ロッド18の移動量を減少させることができるため、ロッド18のストロークを短くすることができる。
(6)また、第4溝28,39には、円弧部28a,39aを形成した。このため、ロッド18に作用する水平方向の衝突力は、リンク部材27,38を回動させる力に好適に変換させることができる。したがって、第4溝28,39を直線状に形成する場合に比較して、小さい力によりリンク部材27,38を回動させることができる。また、リンク部材27,38の回動は、連結ピンP3が円弧部28a,39aに沿って回動されるため、該回動時に作用する抵抗力を軽減させることができる。
(7)また、第4溝28,39は、円弧部28a,39aを形成することにより、全体を直線状に形成する場合に比して、溝の全長が同じでもより天井面T及び床面Yに近づく方向に昇降板25,36を移動させることができる。このため、リンク部材27,38の回動を速やかに行わせるとともに、昇降板25,36の昇降をも速やかに行わせることができる。したがって、接圧部材15により速やかに天井面T及び床面Yに間仕切りパネル11及び先頭パネル14を固定することができる。
(8)ロック装置19,20の圧縮ばね29,40は、初期位置Sの状態では、昇降板25,36を支持板21,33に付勢する。一方、前記圧縮ばね29,40は、第3状態及び第4状態では、昇降板25,36を天井面T及び床面Yに付勢する。このため、一つの圧縮ばね29,40の状態により別々の役割を持たせることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図15〜図20に基づき説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成は、同一の符号を付すなどして、その重複する説明を簡略又は省略する。
図15及び図16に基づき、間仕切りパネル11内に実装されるロック装置19について説明する。なお、間仕切りパネル11には、上縁部11a側(天井面T側)と、下縁部11b(床面Y側)とにロック装置19がそれぞれ実装される。以下の説明では、上縁部11a,14a側(天井面T側)に実装されるロック装置19について中心に説明し、下縁部11b,14b側(床面Y側)に実装されるロック装置19については、その重複する説明を省略する。
図15及び図16に示すように、ロック装置19は、支持板21と、支持板22とを連結するとともに、支持板22と、昇降板25とを連結するリンク部材42を備えている。リンク部材42は、側面視長方形の平板状であって、その両端が半円状に形成され、両端で半円の径を異ならせている。そして、半円の径の小さい小径部42a側であって、下方片42cには、切り欠き部42eが形成されているとともに、ピンなどを挿通可能な3箇所の貫通孔42f、貫通孔42g及び貫通孔42hが形成されている。
一方、半円の径が小径部42aに比較して大きい大径部27b側には、第4溝43が形成されている。第4溝43は、後述する連結ピンP3の移動方向を規制するように形成されている。また、第4溝43は、リンク部材42の中央部から大径部42bに向うように直線状に形成されている。
また、リンク部材42は、長辺方向周縁に一対の側壁42i及び側壁42jが垂直に立設され、側面視凹状(チャネル状)に形成されている。なお、側壁42i,42jには、対向するように、貫通孔42fと、貫通孔42gと、貫通孔42hと、第4溝43とが形成されている。また、本実施形態のロック装置19では、支持板21、支持板22及び昇降板25の側壁21a,22a,25a側を連結するとともに、側壁21b,22b、25b側を連結するため、該ロック装置19の全体で2つのリンク部材42を備えることとなる。
次に、組み付けた状態のロック装置19について図15に基づき説明する。
ロック装置19では、各側壁22a,22bの各対向する第1溝23と、各貫通孔21cと、各リンク部材42の貫通孔42fとは、夫々連結ピンP1により連結されるようになっている。この結果、支持板21と支持板22が連結されるとともに、リンク部材42も支持板21,22に連結されるようになっている。
支持板22とリンク部材42では、支持板22の各側壁22a,22bに形成された各対向する第2溝24と、各第2溝24に配設される各リンク部材42の貫通孔42hとが夫々連結ピンP2により連結されるようになっている。支持板22とリンク部材42では、支持板22の各側壁22a,22bに形成された各対向する第2溝24と、各第2溝24に配設される各リンク部材42の貫通孔42fとが夫々連結ピンP2により連結されるようになっている。昇降板25とリンク部材42では、昇降板25の各側壁25a,25bに形成された各対向する第3溝26と、各第3溝26に配設される各リンク部材42の第4溝43とが夫々連結ピンP3により連結されるようになっている。また、圧縮ばね29は、その一端29aが連結ピンP3に連結されるとともに、その他端29bが連結ピンP6によりリンク部材42の貫通孔42gに連結されている。
この結果、支持板22と昇降板25とは、リンク部材42と圧縮ばね29を介して連結されるとともに、引っ張りばね30を介して連結されるようになっている。また、リンク部材42には、圧縮ばね29の両端(リンク部材42の第4溝43に一端29aが、リンク部材42の貫通孔42gに他端29b)が連結されている。
本実施形態のロック装置19では、各連結ピンP1〜P3,P6により連結される支持板22、昇降板25、圧縮ばね29、リンク部材42によりリンク機構が構成されるようになっている。すなわち、4箇所で連結されるリンク機構が構成されている。また、本実施形態では、連結ピンP6で連結される連結部が第4の連結部となる。
次に、間仕切りパネル11に実装されるロック装置19の動作態様について説明する。以下の説明では、ロック装置19において、支持板21は、動かないように固定されているとともに、昇降板25の移動方向である上方又は下方には、天井面T又は床面Yが存在しているものとする。
図17に示すように、ロック装置19では、各連結ピンP1〜P3が初期位置Sとなるようになっている。そして、ロッド18に対して当該ロッド18のロック装置19が接続されている側とは逆方向から力(間仕切りパネル11同士が衝突する衝突力など)を加えることにより、支持板22が支持板21に対して移動する。すなわち、連結ピンP1と連結ピンP2が初期位置Sに比較して水平距離で近づいている第1状態(図17の状態)となる。
続いて、連結ピンP2の移動に関連して、圧縮ばね29により連結ピンP3と連結ピンP6は、離間される方向に付勢されている。すなわち、連結ピンP3は、一定の距離を保とうとし、連結ピンP3も第4溝43に沿って上方に移動する。その結果、昇降板25が支持板21に対して上昇(離間)する方向に移動することになる。
さらに、ロッド18に力が加えられ、支持板21に対して支持板22の移動量を増やすと、図18に示すように、連結ピンP1と連結ピンP2の水平距離が第1状態に比較してさらに近づき、第2状態(図18の状態)となる。第2状態のロック装置19では、連結ピンP2は、第2溝24に沿って、第1状態からさらに上方に移動している状態である。
さらに、ロッド18に力が加えられ、支持板21に対して支持板22の移動量が増えると、図19に示すように、連結ピンP1と連結ピンP2の水平距離がさらに近づき(鉛直直線状に並ぶ)、第3状態(図19の状態)となる。第3状態のロック装置19において連結ピンP2は、第2溝24に沿って、第1状態からさらに上方に移動している状態である。また、連結ピンP2は、さらに上方に移動するため、リンク部材27が傾いている状態から連結ピンP2を回動中心としてさらに回動する(連結ピンP1と連結ピンP2の位置関係は、直角に近い角)ようになっている。
さらに、ロッド18に力が加えられ、支持板21に対する支持板22の移動量が増えると、図20に示すように、連結ピンP1と連結ピンP2の位置が逆転し、第4状態(図20の状態)となる。なお、本実施形態の構成により先頭パネル14のロック装置20を構成することも可能である。すなわち、ロック装置20は、連結ピンP1〜P3,P6から構成されるリンク機構を備えることとなる。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1),(2),(4),(5)及び(8)と同様の効果に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(9)リンク機構は、4つの連結ピンP1〜P3及びP6から構成され、4箇所がリンクして昇降板25を昇降させるようにした。このため、ロック装置19において、各連結ピンP1〜P3,P6の役割を細分化して1つのピンに掛かる負荷を分散させることができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更しても良い。
・各実施形態において、先頭パネル14を設けないようにしても良い。すなわち、先頭となる間仕切りパネル11は、ロッド18を直接召し合わせ框13に押し当てることとなる。
・各実施形態において、ロック装置19及びロック装置20は、上縁部11a,14a及び下縁部11b,14bのいずれか一方に実装するようにしても良い。上縁部11a,14a又は下縁部11b,14bのいずれかにロック装置19及びロック装置20を実装する場合には、天井面T又は床面Yのいずれかに接圧される接圧力により、間仕切りパネル11(先頭パネル14)は、該両面間に固定される。
・各実施形態において、上縁部11a,14aに実装されるロック装置では、第2の付勢手段としての引っ張りばね30,41を配設しなくても良い。この場合、昇降板25,36は、間仕切りパネル11及び先頭パネル14の天井面T及び床面Yに対する固定の解除時、該昇降板25,36の自重により間仕切りパネル11及び先頭パネル14に近づく方向(接圧面としての天井面T及び床面Yから離間する方向)に移動することができる。
・各実施形態において、第2溝24,35及び第4溝28,43を直線状に形成するようにしても良い。
・各実施形態において、昇降板25は、斜めに昇降可能であっても良い。
T…天井面、Y…床面、P1〜P6…連結ピン、10…ハンガーレール、11…間仕切りパネル、14…先頭パネル、15…接圧部材、17a…召し合わせ面、18…ロッド、19,20…ロック装置、21,22,32,33…支持板、23,34…第1溝、24,35…第2溝、25,36…昇降板、26,37…第3溝、27,38,42…リンク部材、28,39,43…第4溝、29,40…圧縮ばね、30,41…引っ張りばね。