JP4777167B2 - ロックボルト用穿孔装置およびロックボルト用孔の穿孔方法 - Google Patents
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そして、この種のロックボルト用穿孔装置でロックボルト孔と座金孔とを有するロックボルト用孔を穿孔する場合は、従来、まず、ロックボルト孔を穿孔するロックボルト孔用ビットを穿孔用ロッドに装着してロックボルト孔を穿孔する。次いで、ロックボルト孔用ビットを取り外し、座金孔を穿孔するための座金孔用ビットとして、例えば特許文献1での図5にあるような大径の親子ビットに付け替える。そして、再び、先に穿孔されたロックボルト孔との軸心を合わせてから座金孔を穿孔していた。
また、座金孔を穿孔する度に、穿孔されたロックボルト孔との軸心を合わせる必要があるので、作業員には負担となり、その時間が更に掛かる。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、ロックボルト孔と座金孔とを有するロックボルト用孔の穿孔作業において、その穿孔作業を容易にし、その能率を向上させ得るロックボルト用穿孔装置およびロックボルト用孔の穿孔方法を提供することを目的としている。
図1は本発明に係るロックボルト用穿孔装置としてのガイドシェルユニットを備えたドリルジャンボの概略説明図である。
同図に示すように、このドリルジャンボ1は、前後にアウトリガ6を備えた台車2を備えている。その台車2上部の左右両側には、架台8が装備されており、この架台8上には、前後移動可能なブーム台9が設けられている。ブーム台9には、旋回、起伏、伸縮可能な作業台ブーム10が支持されており、この作業台ブーム10の先端部に作業台11の後端部が枢支されている。この作業台11は、傾動シリンダ12で傾動可能になっており、傾動シリンダ12は作業台ブーム10に設けられた同調シリンダ13に接続されていて、作業台ブーム10の起伏に伴って傾動し常に水平状態で保持されるようになっている。なお、作業台11には作業台ブーム10の旋回、起伏、伸縮操作を行って作業台11を移動させる操作器14が設けられている。
図1および図2に示すように、このガイドシェルユニット20には、穿孔時にガイドシェル5上をフィードされる、公知の油圧式のドリフタ4が搭載されている。なお、ガイドシェルユニット20の先端側にはフートパット25が装着されている。
同図に示すように、サーフェイスビット23は、中心部に、軸方向に貫通する六角貫通孔23aを有している(同図(a)参照)。この六角貫通孔23aは、穿孔用ロッド21の横断面がもつ六角形に適宜の隙間で外側から嵌合する相似な六角形状に形成されている。さらに、同図(a)に示すように、この六角貫通孔23aの六角形の各頂点に対向する位置に穿孔用の刃23bが、周方向で等間隔に六枚形成されている。また、隣り合う刃23b同士の間には、略台形状の凹部が形成され、この六枚の穿孔用の刃23bの外周面は、同一円周上の円弧になっており、同図(b)に示すように、軸方向に適宜の厚さWを有している。そして、その同一円周上に形成されている各円弧がドリフタ4側に向けて徐々に縮径して前記台形状の凹部の面と面一になるように軸方向に延びており、これにより形成される外周面が凹の曲面をもつ略円錐台状になって刃面とは反対側の端面を形成している。
図4は、ディスタンスカラーの説明図であり、同図(a)は軸直方向から見た図、また、同図(b)は軸方向から見た図である。
同図に示す一連の穿孔作業を行なって、トンネルTの周壁Sに補強用ロックボルトRを打設する場合には、まず、打設位置付近までトンネルジャンボ1を移動させ、アウトリガ6を張り出して台車2の安定を確保する。次いで、ブーム台9を後退させ、作業台ブーム10は側方へ旋回し作業台11を下げておく。次いで、ドリルブーム3を移動させてガイドシェルユニット20をトンネルTの周壁S方向に向ける。
このように、このガイドシェルユニット20によれば、ロックボルト孔用ビット22と、サーフェイスビット23と、ディスタンスカラー24と、を穿孔用ロッド21に同軸でその先端側からこの順に有しているので、このガイドシェルユニット20で、ロックボルト孔Jと座金孔Kとを有するロックボルト用孔Hを穿孔すれば、ロックボルト孔用ビット22でロックボルト孔Jを穿孔しつつ、これと同軸に設けたサーフェイスビット23で座金孔Kを同時に穿孔することができる。すなわち、この穿孔作業では、いわば一工程でロックボルト孔Jと座金孔Kとを穿孔することができる。そのため、従来のようにロックボルト孔用ビット22から座金孔用ビットに付け替える作業が不要である。また、ロックボルト孔用ビット22と座金孔用ビットとなるサーフェイスビット23とは予め同軸に設けているので、上記従来例で説明したような軸心を合わせる作業も不要であり、さらに、その芯ズレの対策としての上記例示したような専用の親子ビットへの付け替え作業等も不要になる。したがって、ロックボルト用孔Hの穿孔作業を容易にし、その能率を向上させることができる。
なお、本発明に係るロックボルト用穿孔装置およびロックボルト用孔の穿孔方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能であることは勿論である。
すなわち、これらの内外形形状は、穿孔用ロッドにその回転方向ではこれに係合するとともに軸方向では摺動可能に外側から嵌合可能であればよく、例えばこれらの横断面を、三角形、矩形等、その他の多角形形状とすることができる。また、例えばスプライン軸のように周方向等間隔に配置された凸部とこれに嵌り合う凹部とからこれらの内外形形状を形成してもよい。
2 台車
3 ブーム
4 ドリフタ
5 ガイドシェル
6 アウトリガ
7 オペレータキャビン
8 架台
9 ブーム台
10 作業台ブーム
11 作業台
12 傾動シリンダ
13 同調シリンダ
14 操作器
20 ガイドシェルユニット(ロックボルト用穿孔装置)
21 穿孔用ロッド
22 ロックボルト孔用ビット
23 サーフェイスビット(座金孔用ビット)
24 ディスタンスカラー
25 フートパット
T トンネル
S 周壁
R 補強用ロックボルト
H ロックボルト用孔
J ロックボルト孔
K 座金孔
Claims (4)
- 穿孔用ロッドを有するとともに穿孔時にガイドシェル上をフィードされるドリフタを備えるロックボルト用穿孔装置であって、
ロックボルト孔を穿孔するロックボルト孔用ビットと、穿孔用ロッドにその回転方向では穿孔用ロッドに係合するとともに軸方向では摺動可能に外側から嵌合してロックボルト固定用の座金およびナットを収容するための座金孔を穿孔するサーフェイスビットと、このサーフェイスビットに軸方向後方から当接してドリフタのフィード力を穿孔用ロッドに伝達するとともに座金孔の深さを所望の深さにする軸方向長さをもつディスタンスカラーと、を穿孔用ロッドに同軸でその先端側からこの順に備えることを特徴とするロックボルト用穿孔装置。 - 穿孔用ロッドは、横断面が多角形形状をなし、サーフェイスビットは、その中心部に、穿孔用ロッドの多角形形状に外側から嵌合する相似な多角形形状の孔が、軸方向に貫通して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のロックボルト用穿孔装置。
- 穿孔用ロッドは、横断面が多角形形状をなし、ディスタンスカラーは、その中心部に、穿孔用ロッドの多角形形状に外側から嵌合する相似な多角形形状の孔が、軸方向に貫通して形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のロックボルト用穿孔装置。
- 既設のトンネルでの補強用ロックボルトを施工するための、ロックボルト孔と座金孔とを有するロックボルト用孔を穿孔する方法であって、
穿孔用ロッド先端のロックボルト孔用ビットでロックボルト孔を穿孔しつつ、予め穿孔用ロッドと同軸に且つ軸方向では摺動可能に設けた座金孔用ビットを、座金孔を穿孔するときのみ軸方向後方から押圧して座金孔を穿孔することを特徴とするロックボルト用孔の穿孔方法。
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