JP4776806B2 - 手動工具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペンチ、プライヤーなどの手動工具に関し、特に、手動工具の摺動部分の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ペンチを例として従来の手動工具の構造を以下に説明する。
【0003】
一般的には、ペンチは、第1の部品と、第2の部品と、第1の部品と第2の部品とを相互に回動自在に結合するピン部材と、からなっている。
【0004】
第1の部品の一端には、使用者が手で持つための把手部が形成されており、他端には、対象物を挟み込む挟み込み部と対象物を切断する刃とが形成されている。把手部と挟み込み部との中間において、第1の部品の厚さ方向に貫通している第1の貫通孔が形成されている。
【0005】
同様に、第2の部品の一端には、使用者が手で持つための把手部が形成されており、他端には、対象物を挟み込む挟み込み部と対象物を切断する刃とが形成されている。把手部と挟み込み部との中間において、第2の部品の厚さ方向に貫通している第2の貫通孔が形成されている。
【0006】
ピン部材は第1の貫通孔及び第2の貫通孔に挿入される。これによって、第1及び第2の部品はそれぞれ1つの面において相互に接触した状態に保持され、さらに、このピン部材を中心として第1の部品と第2の部品とが相互に回動し得るようになっている。
【0007】
使用者は、第1及び第2の部品の各把手部を持ち、ピン部材を中心として第1及び第2の部品を、第1及び第2の部品の挟み込み部または刃が相互に離れる方向に、または、相互に近づく方向に、回動させることにより、対象物を挟み込み、あるいは、切断することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、ペンチその他の手動工具においては、第1及び第2の部品はそれぞれ1つの面において相互に接触した状態で製造され、かつ、使用される。すなわち、第1及び第2の部品は常にこの面において相互に摺動し合うことになる。
【0009】
このため、ペンチその他の手動工具においては、この摺動面において、最も摩耗が激しい。この摺動面が摩耗すると、第1及び第2の部品の間にガタが生じ、対象物を挟み込んだり、あるいは、切断するというペンチ本来の機能を達成する際に大きな支障となる。
【0010】
これまでに、この摺動面における摩耗を防止するための種々の方策が提案されてきたが、摺動面の摩耗を十分に防止できるものはなかった。
【0011】
本発明はこの点に鑑みてなされたものであり、第1の部品と第2の部品との間の摺動面における摩耗を十分に防止することができる手動工具を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明は、第1の貫通孔が設けられている第1の部品と、第2の貫通孔が設けられている第2の部品と、前記第1の貫通孔及び前記第2の貫通孔に挿入され、前記第1の部品と前記第2の部品とを結合するピン部材であって、該ピン部材を中心として前記第1の部品と前記第2の部品とが相互に回動し得るようにするピン部材と、からなる手動工具において、前記ピン部材を挿入し得る貫通孔が形成され、かつ、前記第1及び第2の部品とは異なる材質からなる少なくとも一つの座金をさらに備えており、前記ピン部材は前記第1の貫通孔、前記座金の貫通孔及び前記第2の貫通孔に挿入され、前記座金が前記第1及び第2の部品の間に挟み込まれるようになっており、前記座金は前記第1の部品または第2の部品の何れかに固定されていることを特徴とする手動工具を提供する。
【0013】
本発明に係る手動工具によれば、第1の部品と第2の部品との間には座金が挿入される。この座金は第1及び第2の部品とは異なる材質からなるものであるため、同じ材質からなる第1の部品と第2の部品とが直接摺動し合う場合と比較して、摺動による摩擦力を低減させることができる。このため、第1及び第2の部品の摺動面における摩耗の程度を減少させることができる。
【0014】
後述するように、本発明に係る手動工具、すなわち、座金を備えた手動工具と、座金を備えていない手動工具との比較実験を行ったところ、同一の使用回数後に生じたガタの大きさは、本発明に係る手動工具の方が、座金を備えない手動工具よりも極めて小さくすることができた。これは、座金を備える本発明に係る手動工具の方が、座金を備えない手動工具よりも、第1及び第2の部品の摺動面における摩耗の度合いが少ないことを示すものである。
【0015】
従来は、手動工具を組み立てた後、手動工具の作動を円滑にするために、手動工具をハンマーで叩くことにより、手動工具の作動の具合を調節する円滑化作業を行っていた。本発明に係る手動工具においては、座金を備えたことにより、第1及び第2の部品間の作動が円滑になり、従来行われていた円滑化作業を行うことが不要になった。このため、手動工具を完成させるために必要な時間を短縮することも可能になった。
【0016】
例えば、ピン部材としてはリベットを使用することができる。リベットは、第1及び第2の貫通孔に挿入した後、第1の部品と第2の部品の表面に対して押しつぶされることにより、第1の部品及び第2の部品に対して固定される。
【0018】
座金は第1または第2の部品の何れかに固定されることにより、座金を第1の部品と第2の部品の間に挟み込んだ状態で保持しておくことが不要となり、本手動工具を製造する際の作業効率を上げることができる。
【0019】
ピン部材としてリベットを用いる場合には、座金の貫通孔には、座金の表面において、少なくとも一つの切り欠きを形成しておくことが好ましい。
【0020】
ピン部材は、押しつぶされるときに、座金の切り欠きにも進入し、これにより、座金がピン部材に対して、ひいては、第1または第2の部品に対して確実に固定される。
【0021】
座金の材質としては、高炭素鋼、銅合金、亜鉛合金または貴金属を選択することが好ましい。
【0022】
また、ピン部材としてリベットを用いる場合には、第1の貫通孔は第1の部品の表面において皿もみされ、第2の貫通孔は第2の部品の表面において皿もみされていることが好ましい。
【0023】
このように、第1及び第2の貫通孔を第1及び第2の部品の表面において皿もみしておくことにより、ピン部材は皿もみにより形成された凹部に食い込んだ状態になるため、より確実にピン部材を第1及び第2の部品に対して固定させることができる。
【0024】
また、本発明に係る手動工具は、第1の部品または第2の部品の表面に埋め込まれるブッシュをさらに備えていることが好ましい。このブッシュは第1の部品及び第2の部品とは異なる材質からできている。このブッシュには貫通孔が形成されており、貫通孔はブッシュの表面において皿もみされている。ブッシュが第1の部品または第2の部品の表面に埋め込まれたときに、ブッシュの貫通孔が第1の部品の第1の貫通孔または第2の部品の第2の貫通孔に連通する。
【0025】
このブッシュは、例えば、銅合金からなる。
【0026】
このように、第1の部品及び第2の部品の材質とは異なる材質のブッシュを第1の部品または第2の部品の表面に埋め込むことにより、ピン部材が押しつぶされる部分の強度を第1の部品及び第2の部品よりも向上させることができる。
【0027】
第1または第2の貫通孔には、皿もみされている部分において、少なくとも一つの突起が形成されていることが好ましい。
【0028】
このような突起を設けることにより、ピン部材を第1また第2の部品に対して押しつぶしたときに、押しつぶされたピン部材が突起を包み込んだ状態になるため、より確実にピン部材を第1及び第2の部品に対して固定させることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第一の実施形態に係る手動工具の分解斜視図である。本実施形態においては、手動工具としてペンチを例にとる。
【0030】
本実施形態に係るペンチ10は、第1の部品20と、第2の部品30と、第1の部品と第2の部品とを相互に回動自在に結合するピン部材としてのリベット40と、第1の部品20と第2の部品30との間に挿入される座金50と、からなっている。
【0031】
第1の部品20の一端には、使用者が手で持つための把手部21が形成されており、第1の部品20の他端には、対象物を挟み込む挟み込み部22と対象物を切断する刃23とが形成されている。把手部21と刃23との中間には、第2の部品30と結合するための平面部24が形成されており、平面部24には、第1の部品20の厚さ方向に貫通し、リベット40を挿入し得る程度の大きさの第1の貫通孔25が形成されている。さらに、平面部24において、第2の部品30と向かい合う側において、ほぼ円形の凹部24aが形成されている。
【0032】
同様に、第2の部品30の一端には、使用者が手で持つための把手部31が形成されており、他端には、対象物を挟み込む挟み込み部32と対象物を切断する刃33とが形成されている。把手部31と刃33との中間には、第1の部品20と結合するための平面部34が形成されており、平面部34には、第2の部品30の厚さ方向に貫通し、リベット40を挿入し得る程度の大きさの第2の貫通孔35が形成されている。さらに、平面部34において、第1の部品20と向かい合う側において、ほぼ円形の凹部34aが形成されている。
【0033】
図2に示すように、第1の部品20の平面部24には、ブッシュ26が埋め込まれている。
【0034】
図3(A)はブッシュ26の側面図、図3(B)はブッシュの上面図である。
【0035】
図3(A)に示すように、ブッシュ26は円筒形の部材からなり、貫通孔26aと、貫通孔26aの一端から徐々に拡径され、ブッシュ26の上面において、ブッシュ26の直径と等しい内径を有するに至る拡径部26bと、が形成されている。
【0036】
本実施形態における拡径部26bの広がり角は90度に設定されているが、60度乃至90度の範囲内の角度であれば、任意の角度を選定することができる。
【0037】
ブッシュ26の材質は銅合金である。
【0038】
図2に示すように、ブッシュ26は、その貫通孔26aが、第1の部品20の平面部24に形成された貫通孔25と連通するように、第1の部品20の内部に埋め込まれている。
【0039】
また、図4に示すように、第2の貫通孔35は第2の部品30の表面(図1で見た場合には、第2の部品30の底面)において、皿もみされている。すなわち、第2の貫通孔35は、内径が一定である平孔35aと、平孔35aの一端から徐々に拡径され、第2の部品30の表面において、最大径を有するに至る拡径部35bと、からなっている。
【0040】
また、拡径部35bには、円周方向に複数の突起36が設けられている。
【0041】
本実施形態に係るペンチ10においては、図1に示すように、第1の部品20の平面部24に形成されている凹部24aと、第2の部品30の平面部34に形成されている凹部34aとの間において、座金50が挿入される。
【0042】
なお、座金50は、第1の部品20の平面部24に形成されている凹部24aまたは第2の部品30の平面部34に形成されている凹部34aの何れか一方に予め固着しておいてもよい。
【0043】
図6は座金50を示す。図6(A)は座金50の上面図であり、図6(B)は図6(A)のX−X線における断面図である。
【0044】
図6に示すように、座金50はリング状の部材であり、軸線方向には、軸心と同心に、リベット40を挿入し得る程度の大きさの貫通孔51が設けられている。
【0045】
また、貫通孔51には、座金50の表面において、一直径上に2つの切り欠き52が形成されている。
【0046】
第1の部品20及び第2の部品30は鋼鉄からなるのに対して、座金50は銅合金からなっている。
【0047】
なお、座金50は、銅合金に代えて、高炭素鋼、亜鉛合金または貴金属からなるものとすることもできる。
【0048】
第1の部品20及び第2の部品30は次のようにして結合される。
【0049】
先ず、第1の部品20の第1の貫通孔25と第2の部品30の第2の貫通孔35とを位置合わせした後、第1の部品20の凹部24aと第2の部品30の凹部34aとの間に座金50を挟み込む。
【0050】
この状態の下で、リベット40を下方から、第2の貫通孔35、座金50の貫通孔51、第1の部品20の貫通孔24及びブッシュ26の貫通孔26aの順番に、挿入する。
【0051】
次いで、図5に示すように、リベット40を上方から、すなわち、第1の部品20の側から、ハンマー60で叩く。これにより、リベット40は圧壊し、ブッシュ26の拡径部26bと第2の貫通孔35の拡径部35bの内部を充填するように、変形する。
【0052】
この結果、リベット40は第1の部品20及び第2の部品30に対して固定される。第1及び第2の部品20、30は座金50を介して相互に接触した状態に保持され、さらに、第1の部品20と第2の部品30とは、このピン部材50を中心として相互に回動し得るようになる。
【0053】
なお、リベット40が押しつぶされるときに、リベット40はブッシュ26の拡径部26bと第2の貫通孔35の拡径部35bの内部を充填すると同時に、座金50の切り欠き52にも充填される。このため、座金50がリベット40に対して、ひいては、第1及び第2の部品20、30に対して確実に固定される。
【0054】
また、リベット40が押しつぶされるときに、押しつぶされたリベット40が第2の貫通孔35に形成された突起36を包み込んだ状態になるため、より確実にリベット40を第1及び第2の部品20、30に対して固定させることができる。
【0055】
本実施形態に係るペンチ10においては、第1の部品20と第2の部品30との間には座金50が挿入される。この座金50は第1及び第2の部品20、30とは異なる材質からなるものであるため、同じ材質からなる第1の部品20と第2の部品30とが直接摺動し合う場合と比較して、摺動による摩擦力を低減させることができる。このため、第1及び第2の部品20、30の摺動面、すなわち、第1の部品20の凹部24aの底面と第2の部品30の凹部34aの底面における摩耗の程度を減少させることができ、ひいては、長年使用しても円滑な動作を保証することができる。
【0056】
本発明者は、この点を確認するため、以下のような実験を行った。
【0057】
この実験においては、次の(A)、(B)、(C)の3種のペンチを作成した。
(A)従来のペンチ。すなわち、座金50を備えていないペンチである。
(B)本実施形態に係るペンチ10と同一の構造を有するペンチ。ただし、座金50は、銅合金ではなく、亜鉛合金からなっている。
(C)本実施形態に係るペンチ10。
【0058】
(B)及び(C)のペンチにおける座金50の厚さはともに2mmである。
【0059】
実験においては、これら3種のペンチを1万回、2万回及び3万回使用したときに発生するガタ(単位:mm)をそれぞれ測定した。
【0060】
さらに、上記3種のペンチの最終仕上げに要した作業時間を測定した。
【0061】
図7に実験結果を示す。
【0062】
従来のペンチ(A)は3万回使用する以前にガタが大きくなりすぎ、使用に耐えられなくなった。このため、他の2種のペンチ(B)及び(C)との比較に際しては、2万回使用時におけるガタの値を用いることとする。従来のペンチ(A)の2万回使用時におけるガタは0.23mmであった。
【0063】
ペンチ(B)の3万回使用時におけるガタは0.11mmであった。
【0064】
また、本実施形態に係るペンチ(C)の3万回使用時におけるガタは0.05mmであった。
【0065】
このように、従来のペンチ(A)は3万回の使用には耐えられなかったが、座金50の材質以外は本実施形態に係るペンチと同一の構造を有するペンチ(B)及び本実施形態に係るペンチ(C)は3万回の使用後においても、円滑な動作が保証されていることが判明した。
【0066】
さらに、3種のペンチのガタの値を比較しても、ペンチ(B)は従来のペンチ(A)と比較して、ガタの値が52.2%減少しており、本実施形態に係るペンチ(C)は従来のペンチ(A)と比較して、ガタの値が77.3%減少している。
【0067】
この実験結果は、座金50を備える本実施形態に係るペンチ(B)、(C)の方が、座金50を備えない従来のペンチ(A)よりも、第1及び第2の部品20、30の凹部24a、34aの摺動面における摩耗の度合いが少ないことを示すものである。
【0068】
この実験結果からも明らかであるように、本実施形態に係るペンチ10は、従来のペンチと比較して、摺動面における摩耗の度合いが少なく、このため、長年使用しても、円滑な動作を保証できるものである。
【0069】
図7には、上記の3種のペンチ(A)、(B)、(C)を組み立てた後、最終仕上げを行うまでに必要な作業時間も示してある。
【0070】
従来のペンチ(A)を1つ最終仕上げするために必要な時間は、円滑化作業と刃付け作業とを合わせて、34秒であった。
【0071】
ここに、円滑化作業とは、ペンチを組み立てた後、ペンチの作動を円滑にするために、ペンチをハンマーで叩くことにより、ペンチの作動の具合を調節する作業をいう。
【0072】
これに対して、座金50の材質以外は本実施形態に係るペンチと同一の構造を有するペンチ(B)及び本実施形態に係るペンチ(C)によれば、座金50を組み込んだことにより、従来行われていた円滑化作業を行わなくても、ペンチの作動を十分に円滑にすることができた。このため、ペンチ(B)、(C)の最終仕上げとしては、刃付け作業を行うだけとなり、そのための時間はいずれも18.7秒であった。従来のペンチ(A)における最終仕上げの時間と比較して、約55%の減少率である。
【0073】
このように、本実施形態に係るペンチ10においては、座金50を備えたことにより、第1及び第2の部品20、30の間の作動が円滑になり、従来行われていた円滑化作業を行うことが不要になった。このため、ペンチ10を組み立てた後、最終仕上げを行うのに必要な時間を短縮することも可能になった。
【0074】
以下、図8乃至29を参照して、上述の実施形態に係るペンチ10の製造方法を説明する。
【0075】
まず、図8に示すように、ペンチ10の材料となる丸棒70を適当な長さの丸棒71に切断する。
【0076】
次いで、図9に示すように、高周波コイル72その他適当な加熱手段により、切断した丸棒71を鍛造が可能になる温度まで加熱する。
【0077】
次いで、図10に示すように、加熱した丸棒71を鍛造し、ペンチ10の大体の形をなす鍛造品73を生成する。
【0078】
次いで、図11に示すように、鍛造品73から、ペンチ10の粗形品74を切断し、残りの屑75は廃棄する。
【0079】
次いで、図12に示すように、ペンチ10の粗形品74を加熱炉76で焼鈍する。
【0080】
次いで、図13に示すように、第1の部品20及び第2の部品30のそれぞれの平面部24、34に第1の貫通孔25、第2の貫通孔35を形成する。
【0081】
次いで図14に示すように、第1の部品20及び第2の部品30の平面部24、34にザグリ加工を施し、凹部24a、34aを形成する。
【0082】
次いで、図15に示すように、第1の部品20及び第2の部品30のそれぞれの側面77、78にフライス加工を施す。
【0083】
次いで、図16及び17に示すように、第2の部品30の表刃79及び裏刃80を付ける。
【0084】
次いで、図18に示すように、第1の部品20に孔開け加工を施した後、その孔にブッシュ26をはめ込む。さらに、第2の部品30の貫通孔35に拡径部35bを形成する。
【0085】
次いで、図19に示すように、第1の部品20と第2の部品30との間に座金50を挟み込んだ後、リベット40を第2の部品30の貫通孔35、座金50の貫通孔51、第1の部品20の貫通孔25及びブッシュ26の貫通孔26aに通し、図5に示したように、リベット40をハンマー60で圧壊し、リベット40を第1の部品20及び第2の部品30に対して固定する。これにより、ペンチ10の中間品10aができあがる。
【0086】
次いで、図20に示すように、ペンチ10aの挟み込み部22、32と刃23、33と平面部24、34の領域において、ペンチ10aに対して平面研削を施す。
【0087】
次いで、図21に示すように、無酸化電気炉81、焼き入れ油槽82及び電気焼き戻し炉83の順にペンチ10aを搬入し、ペンチ10aに対して無酸化焼き入れ及び焼き戻しを行う。
【0088】
次いで、図22に示すように、表刃79及び裏刃80に対して仕上げを行い、刃付けの仕上げを行う。
【0089】
次いで、図23に示すように、表刃79及び裏刃80に対して高周波焼き入れを施す。
【0090】
次いで、図24に示すように、ペンチ10aの挟み込み部22、32と刃23、33と平面部24、34の領域において、ペンチ10aに対して仕上げの平面研削を施す。
【0091】
次いで、図25に示すように、ペンチ10aの適当な箇所に製品名、製造者名などをレーザで印字する。
【0092】
次いで、図26に示すように、ペンチ10aが正常に作動するかどうかに関しての品質検査を行う。
【0093】
次いで、図27に示すように、ペンチ10aの把手部21、31を塗料槽84に浸し、把手部21、31に塗料をコーティングする。これにより、最終製品としての上述の実施形態に係るペンチ10が完成する。
【0094】
次いで、図28に示すように、最終的な出荷検査を行った後、図29に示すように、包装及び出荷を行う。
【0095】
なお、上述の実施形態においては、一枚の座金50を第1の部品20と第2の部品30との間に挿入したが、挿入する座金50の枚数は一枚には限定されない。必要に応じて、2枚または3枚以上の座金50を重ねて、第1の部品20と第2の部品30との間に挿入することができる。
【0096】
また、上述の実施形態においては、手動工具としてペンチ10を例に挙げたが、他の種類の手動工具、例えば、プライヤー、ニッパなど、2つの部品が相互に摺動しながら作動するような工具であれば、どのような工具であっても、本発明を適用することが可能である。
【0097】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る手動工具によれば、第1の部品と第2の部品との間には座金が挿入される。この座金は第1及び第2の部品とは異なる材質からなるものであるため、同じ材質からなる第1の部品と第2の部品とが直接摺動し合う場合と比較して、摺動による摩擦力を低減させることができる。このため、第1及び第2の部品の摺動面における摩耗の程度を減少させることができる。
【0098】
さらに、上述の実験結果から明らかであるように、同一の使用回数後に生じたガタの大きさは、本発明に係る手動工具の方が、従来の手動工具よりも極めて小さくすることができた。このため、座金を備える本発明に係る手動工具は、座金を備えない手動工具よりも、第1及び第2の部品の摺動面における摩耗の度合いが少なくすることができ、長年の使用後においても、円滑な動作が保証される。
【0099】
さらに、本発明に係る手動工具においては、座金を備えたことにより、第1及び第2の部品間の作動が円滑になり、従来行われていた円滑化作業を行うことが不要になった。このため、手動工具を完成させるために必要な時間を短縮することも可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るペンチの分解斜視図である。
【図2】第1の部品にブッシュを埋め込んだ状態を示す断面図である。
【図3】ブッシュの側面図及び上面図である。
【図4】第2の部品の貫通孔と座金との位置関係を示す断面図である。
【図5】ピン部材を押しつぶす工程を示す断面図である。
【図6】座金の上面図及び断面図である。
【図7】従来のペンチと本発明の実施形態に係るペンチの比較実験の結果を示すグラフである。
【図8】本発明の一実施形態に係るペンチの製造方法の一工程を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るペンチの製造方法の一工程を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るペンチの製造方法の一工程を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に係るペンチの製造方法の一工程を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態に係るペンチの製造方法の一工程を示す図である。
【図13】本発明の一実施形態に係るペンチの製造方法の一工程を示す図である。
【図14】本発明の一実施形態に係るペンチの製造方法の一工程を示す図である。
【図15】本発明の一実施形態に係るペンチの製造方法の一工程を示す図である。
【図16】本発明の一実施形態に係るペンチの製造方法の一工程を示す図である。
【図17】本発明の一実施形態に係るペンチの製造方法の一工程を示す図である。
【図18】本発明の一実施形態に係るペンチの製造方法の一工程を示す図である。
【図19】本発明の一実施形態に係るペンチの製造方法の一工程を示す図である。
【図20】本発明の一実施形態に係るペンチの製造方法の一工程を示す図である。
【図21】本発明の一実施形態に係るペンチの製造方法の一工程を示す図である。
【図22】本発明の一実施形態に係るペンチの製造方法の一工程を示す図である。
【図23】本発明の一実施形態に係るペンチの製造方法の一工程を示す図である。
【図24】本発明の一実施形態に係るペンチの製造方法の一工程を示す図である。
【図25】本発明の一実施形態に係るペンチの製造方法の一工程を示す図である。
【図26】本発明の一実施形態に係るペンチの製造方法の一工程を示す図である。
【図27】本発明の一実施形態に係るペンチの製造方法の一工程を示す図である。
【図28】本発明の一実施形態に係るペンチの製造方法の一工程を示す図である。
【図29】本発明の一実施形態に係るペンチの製造方法の一工程を示す図である。
【符号の説明】
10 本発明の一実施形態に係るペンチ
20 第1の部品
25 第1の貫通孔
26 ブッシュ
30 第2の部品
35 第2の貫通孔
36 突起
40 リベット
50 座金

Claims (7)

  1. 第1の貫通孔が設けられている第1の部品と、
    第2の貫通孔が設けられている第2の部品と、
    前記第1の貫通孔及び前記第2の貫通孔に挿入され、前記第1の部品と前記第2の部品とを結合するピン部材であって、該ピン部材を中心として前記第1の部品と前記第2の部品とが相互に回動し得るようにするピン部材と、
    からなる手動工具において、
    前記ピン部材を挿入し得る貫通孔が形成され、かつ、前記第1及び第2の部品とは異なる材質からなる少なくとも一つの座金をさらに備えており、
    前記ピン部材は前記第1の貫通孔、前記座金の貫通孔及び前記第2の貫通孔に挿入され、前記座金が前記第1及び第2の部品の間に挟み込まれるようになっており、
    前記座金は前記第1の部品または第2の部品の何れかに固定されていることを特徴とする手動工具。
  2. 前記座金の前記貫通孔には、前記座金の表面において、少なくとも一つの切り欠きが形成されており、
    前記ピン部材は前記第1の部品と前記第2の部品の表面に対して押しつぶされることにより、前記第1の部品または前記第2の部品に対して固定されるものであり、
    前記ピン部材は、押しつぶされるときに、前記座金の前記切り欠きにも進入し、これにより、前記座金が固定されるものであることを特徴とする請求項に記載の手動工具。
  3. 前記座金は、高炭素鋼、銅合金、亜鉛合金または貴金属からなるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の手動工具。
  4. 前記第1の貫通孔は前記第1の部品の表面において皿もみされ、前記第2の貫通孔は前記第2の部品の表面において皿もみされていることを特徴とする請求項に記載の手動工具。
  5. 前記第1の部品または前記第2の部品の表面に埋め込まれるブッシュをさらに備えており、前記ブッシュは前記第1の部品及び前記第2の部品とは異なる材質からできており、前記ブッシュには貫通孔が形成されており、前記貫通孔は前記ブッシュの表面において皿もみされており、前記ブッシュが前記第1の部品または前記第2の部品の表面に埋め込まれたときに、前記ブッシュの前記貫通孔が前記第1の部品の前記第1の貫通孔または前記第2の部品の前記第2の貫通孔に連通することを特徴とする請求項に記載の手動工具。
  6. 前記ブッシュは銅合金からなるものであることを特徴とする請求項に記載の手動工具。
  7. 前記第1または第2の貫通孔には、皿もみされている部分において、少なくとも一つの突起が形成されていることを特徴とする請求項4乃至6の何れか一項に記載の手動工具。
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