JP4775529B2 - 遊戯機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊戯機に関し、より詳細には、遊戯者を包み込むような音場を再生し得る遊戯機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、遊戯機(例えば、パチスロ遊戯機、パチンコ遊戯機)は、効果音や遊戯中の報知音をモノラルスピーカで再生していた。しかし、モノラルスピーカによる音の再生では臨場感に乏しく、遊戯者は十分な満足感が得られなかった。
【0003】
このような問題を解決するために、効果音や遊戯中の報知音をステレオスピーカで再生するパチンコ遊戯機が提案されている。図8は、このようなパチンコ遊戯機における効果音または報知音の再生を説明するためのブロックダイアグラムである。パチンコ遊戯機51における効果音および報知音の音信号は、CPU52(これは、パチンコ遊戯機の遊戯状態も制御する)により制御されるステレオまたはモノラル音源53から発せられ、増幅器57(57A、57B)を経てステレオスピーカ58(すなわち、Lスピーカ58AよびRスピーカ58B)により遊戯者に再生される。このようにスピーカおよび/または音源をステレオ化することにより、遊戯者は、より臨場感のある遊戯を楽しめるようになった。しかし、ステレオスピーカでは、図9に示すように、再生音場が遊戯者の左右前方の領域に限られるので、遊戯者を包み込むような音場再生は不可能である。その結果、遊戯における臨場感は未だ不十分である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような問題を解決するために、2チャンネルのステレオまたはモノラル音源からの信号をミキシングや仮想音像定位処理を用いて、仮想的にサラウンド音場を形成する遊戯機が提案されている(特開2000−93579号)。しかし、この遊戯機によれば、音像の移動により遊戯者を包み込むような音場を形成するためには、ミキシングの際に、係数処理を時間的に変化させる必要が有り煩雑である。また、3チャンネル以上のサラウンド音源ではなく、2チャンネルのステレオまたはモノラル音源から、仮想的に3チャンネル以上のサラウンド音場を形成しているにすぎないので、臨場感のある音場再生はまだ不十分であるという問題がある。
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、きわめて臨場感にあふれた音場(遊戯者を包み込むような音場、耳元でささやかれるような音場、または音像が前後に移動し得る音場)を再生し得る遊戯機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による遊戯機は、遊戯状態を制御する制御手段と、3チャンネル以上の効果音および/または報知音を発生させる音源情報または音源ソースが収められた音源と、該制御手段および該音源からの信号を受けて3チャンネル以上のサラウンドデジタル信号に変換するサラウンド変換手段と、該サラウンド変換手段からの信号を受けて仮想音像定位処理を行なう仮想音像定位手段と、該サラウンド変換手段または該仮想音像定位手段からのデジタル信号をアナログ音声信号に変換する複数の信号変換手段と、該信号変換手段に接続する複数の増幅器と、該増幅器に接続する複数のスピーカとを備え、該サラウンド変換手段からの信号が、少なくとも前方左チャンネル信号、前方右チャンネル信号、サラウンド左チャンネル信号、サラウンド右チャンネル信号を含み、該複数のスピーカが、いずれも遊戯者の前方に位置するように取り付けられるとともに、仮想音像定位処理手段を通過しない該前方左チャンネル信号に対応した音声信号を再生する前方左スピーカと、仮想音像定位処理手段を通過しない前方右チャンネル信号に対応した音声信号を再生する前方右スピーカと、サラウンド左チャンネル信号およびサラウンド右チャンネル信号を仮想音像定位処理して得られる仮想音像定位処理済左信号に対応した音声信号を再生するサラウンド左スピーカと、サラウンド左チャンネル信号およびサラウンド右チャンネル信号を仮想音像定位処理して得られる仮想音像定位処理済右信号に対応した音声信号を再生するサラウンド右スピーカと、を含む。
【0007】
好ましい実施形態においては、遊戯機は、前記サラウンド変換手段からの信号が、前方中央チャンネル信号を含み、前記複数のスピーカが、該前方中央チャンネル信号に対応した音声信号を再生する前方中央スピーカをさらに含む
【0008】
好ましい実施形態においては、遊戯機は、前記サラウンド変換手段からの信号が、低域チャンネル信号を含み、前記複数のスピーカが、該低域チャンネル信号に対応した音声信号を再生する低域スピーカをさらに含む
【0012】
以下、本発明による遊戯機の作用について説明する。
本発明による遊戯機は、3チャンネル以上の効果音および/または報知音を発生させる音源情報または音源ソースが収められた音源、および音源からの信号を受けて3チャンネル以上のサラウンド信号に変換するサラウンド変換手段を備えている。従って、2チャンネルのステレオまたはモノラル音源から仮想的にサラウンド音場を形成するのではなく、音源に収納された3チャンネル以上の効果音および/または報知音を発生させる音源情報または音源ソースからの信号を、サラウンド変換手段により実際に3チャンネル以上のサラウンド信号に変換しサラウンド音場を形成するので、遊戯者の周りには、きわめて臨場感あふれる3チャンネル以上のサラウンド音場を形成することができる。
【0013】
好ましくは、遊戯機は仮想音像定位処理を行なう仮想音像定位手段を備えているので、遊戯機前面に設けられたサラウンドスピーカから、仮想音像定位処理により遊戯者を包み込むような位置(例えば、側方、斜め前方、後方)に定位することができる。したがって、遊戯者の側(後)方にサラウンドスピーカを配置することなく、遊戯機が前面に備えるサラウンドスピーカのみできわめて臨場感あふれる音場を形成することができる。
【0014】
音源には、あらかじめ各サラウンドチャンネルへのミキンシング処理(すなわち、遊戯者を包み込むような位置(例えば、側方、斜め前方、後方)に定位された音像の移動を行なう処理)が行われた音源情報または音源ソースを収めることができるので、音像の移動を行なう場合に遊戯機内で仮想音像定位手段への入出力のミキシングをする必要がなく、また、係数処理を時間的に変化させる必要がなく、きわめて容易に臨場感あふれる音場を形成することができる。
【0015】
好ましくは、遊戯機は前方左スピーカ、前方右スピーカ、サラウンド左スピーカ、サラウンド右スピーカを備えており、少なくとも前方左チャンネル信号、前方右チャンネル信号、サラウンド左チャンネル信号およびサラウンド右チャンネル信号を含む4チャンネル以上のサラウンド信号を再生できるので、きわめて臨場感あふれるサラウンド音場を形成することができる。
【0016】
好ましくは、遊戯機は、仮想音像定位処理済左信号を前方左チャンネル信号に混合し、仮想音像定位処理済右信号を前方右チャンネル信号に混合することができるので、サラウンド左スピーカおよびサラウンド右スピーカを使用することなく(または、サラウンド左スピーカおよびサラウンド右スピーカを備えることなく)、前方左スピーカおよび前方右スピーカから、仮想音像定位処理済左信号および仮想音像定位処理済右信号を再生することができる。
【0017】
好ましくは、遊戯機は少なくとも前方左スピーカ、前方右スピーカ、前方中央スピーカを備えており、少なくとも前方左チャンネル信号、前方右チャンネル信号、前方中央チャンネル信号を含む3チャンネル以上のサラウンド信号を再生できるので、きわめて臨場感あふれるサラウンド音場を形成することができる。
【0018】
好ましくは、遊戯機は、前方中央チャンネル信号を前方左チャンネル信号および前方右チャンネル信号に混合することができるので、前方中央スピーカを使用することなく(または、前方中央スピーカを備えることなく)、前方左スピーカおよび前方右スピーカから、前方中央チャンネル信号を再生することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。簡単のため、本明細書においてはスロットマシン(例えば、パチスロ機)について説明するが、本発明は、これ意外に、例えば、パチンコ機、ピンボールマシン、いわゆるアーケードゲーム機(すなわち、ゲームセンターで利用されるゲーム機)、ファミコンなどの家庭用ゲーム機に適用されることが明らかである。
【0020】
図1は、本発明の好ましい実施形態による遊戯機における効果音および/または報知音の再生を説明するためのブロックダイアグラムである。図2は、本発明の好ましい実施形態による遊戯機を示す概略正面図である。図3は、本発明の好ましい実施形態による遊戯機を用いた場合の再生音場を説明するための概念図である。
【0021】
遊戯機1は、遊戯状態を制御する制御手段(例えば、CPU)2、音源3、サラウンド変換手段4、仮想音像定位手段5、信号変換手段6、増幅器7およびスピーカ8を備えている。
【0022】
音源3には、効果音および/または遊戯中の報知音を発生させるための音源ソース(例えば、「リーチ」、「大当たり」などの音)が収められている。音源ソースは、例えば、3チャンネル以上のサラウンド信号が圧縮音声符号化されて収められている。または、音源3は、3チャンネル以上の効果音および/または報知音を発生させるための音源情報(例えば、FM音源等のシンセサイザ音源)のみが収められていてもよい。さらに、音源3は、音源ソースと音源情報とを組み合わせて使用してもよい。好ましくは、音源ソースまたは音源情報は、遊戯者を包み込むような位置(例えば、側方、斜め前方、後方)に定位された音像の移動を行なうミキシング、いわばサラウンドエンコード処理が行われて、音源3に収められている。
【0023】
音源ソースを圧縮音声符号化して収める場合に、任意の適切な方式が採用され得るが、好ましくは、圧縮率の高いサラウンドエンコード方式が採用され得る。音源3に収納する音源ソースの量、種類を増加することができ、遊戯状態に応じて多種類の音源を再生することができるからである。音声圧縮符号化の方式は、例えば、DOLBY DIGITAL、DTS、MPEGまたはDOLBY PRO LOGIC等が採用され得る。音源3は、代表的には、半導体メモリから構成された音源ICが採用され得る。また、音源3は、ハードディスク、CD、CD−ROM、DVDなどの記録媒体も採用することができ、さらに音源ICと記録媒体とを組み合わせて使用することもできる。ハードディスク、DVD等は記録容量が大きいので、音源3に収納する音源ソースの量、種類を増加することができる。
【0024】
サラウンド変換手段4は、音源3に収められた音源ソースの圧縮音声符号化方式に対応した方式のサラウンドデコーダが採用され得る。サラウンドデコーダ4は、音源3からの圧縮音声符号化された信号を量子化されたデジタル信号として3チャンネル以上のサラウンド信号に復号化する。サラウンドデコーダ4は、代表的には、DSP(Digital Signal Processor)から構成されている。
【0025】
仮想音像定位手段5は、例えば、シャフラー型フィルタ、ラティス型フィルタが用いられる。本実施形態においては、図4に示すような、非相関化処理回路を有するシャフラー型フィルタが用いられる。
【0026】
スピーカ8は、サラウンドデコーダ4で復号化されたサラウンド信号のチャンネル数に対応して、遊戯機前面に設けられている。例えば、6チャンネルのサラウンド信号である場合には、図2のように、前方中央スピーカ8A、前方左スピーカ8B、前方右スピーカ8C、サラウンド左スピーカ8D、サラウンド右スピーカ8Eおよび低域スピーカ8Fが設けられている。増幅手段7(7A〜7F)および信号変換手段6(6A〜6F)もサラウンド信号のチャンネル数に対応して設けられている。信号変換手段6は、例えば、与えられる信号がデジタル信号である場合にはD/Aコンバータが採用され得る。
【0027】
以下、本発明の遊戯機の動作について説明する。遊戯状態に応じて、例えば、CPU2の制御により音源3から6チャンネルの圧縮音声符号化された信号が、サラウンドデコーダ4に与えられる。サラウンドデコーダ4は、CPU2の制御により音源3からの圧縮音声符号化された信号を、前方中央チャンネル信号CF、前方左チャンネル信号LF、前方右チャンネル信号RF、サラウンド左チャンネル信号LS、サラウンド右チャンネル信号RS、低域チャンネル信号LFEに復号化する。その後、各々の信号は係数乗算器9(9A〜9F)によって所定の係数が乗算され、信号量が適切に調節され、スピーカ8A〜8Fから再生される音の音量が適切に調節される。
【0028】
所定の係数が乗算されたサラウンド左チャンネル信号LSおよびサラウンド右チャンネル信号RSはそれぞれ仮想音像定位手段5に与えられる。仮想音像定位手段5においては、サラウンド左チャンネル信号LSおよびサラウンド右チャンネル信号RSは、非相関化処理回路10に与えられる。任意の適切な非相関化処理回路10が用いられるが、代表例としては、オールパスフィルタ(APF)が挙げられる。APF10D、10Eを通すことにより、図5に示すように、サラウンド左チャンネル信号LSとサラウンド右チャンネル信号RSとの間に周波数に応じて所定の(例えば、140度〜160度の)位相差が得られる。所定の位相差を有するサラウンド左チャンネル信号LSおよびサラウンド右チャンネル信号RSは、加算器11および減算器12を通される。加算器11により加算された信号は、所定の伝達関数Hsumを有するフィルタ部13で処理され、減算器12により減算された信号は、所定の伝達関数Hdifを有するフィルタ部14で処理される。伝達関数Hsumおよび伝達関数Hdifは、例えば、図6に示すような周波数対ゲイン特性を有するように設定される。さらに、フィルタ部13および14で処理された信号は、加算器15および減算器16を通され、仮想音像定位処理済左信号LS’および仮想音像定位処理済右信号RS’が出力される。
【0029】
前方中央チャンネル信号CF、前方左チャンネル信号LF、前方右チャンネル信号RF、仮想音像定位処理済左信号LS’、仮想音像定位処理済右信号RS’、低域チャンネル信号LFEは、DAコンバータ6A〜6Fによって、各々アナログ音声信号に変換される。
【0030】
DAコンバータ6A〜6Fからの各々のアナログ信号は、増幅器7A〜7Fで増幅され、スピーカ8A〜8Fに与えられる。そして、遊戯機前面に設けられた前方中央スピーカ8A、前方左スピーカ8B、前方右スピーカ8C、低域スピーカ8Fから、遊戯機前方にサラウンド音場を形成することができる。さらに、遊戯機前面に設けられたサラウンド左スピーカ8D、サラウンド右スピーカ8Eからは、図3に示すように、例えば遊戯者の側方に、仮想スピーカXLおよびXRを設けるように、この仮想スピーカの位置に効果音および/または報知音の音像を定位することができる。従って、遊戯機前面に設けたスピーカ8A〜8Fのみで臨場感あふれる音場を形成することができる。また、サラウンド音源3には各チャンネル間においてミキシング処理が行なわれた信号を圧縮音声符号化して収納することができるので、遊戯状態に応じて適宜に仮想スピーカの定位位置を所定の位置(例えば、遊戯者の左右斜め前方、遊戯者の後方)に移動することができる。従って、図3に示すように、遊戯者を包み込むような再生音場の移動範囲17が形成される。
【0031】
次に本発明の別の実施形態について説明する。図7は、本実施形態による効果音および/または報知音の再生を説明するためのブロックダイアグラムである。図1と同一部分には同一符号を付け説明を省略する。本実施形態においては、左右サラウンドスピーカ、前方中央スピーカを使用しない場合においても、きわめて臨場感のあふれたサラウンド音場を形成することができる(すなわち、図7はサラウンド左右スピーカおよび前方中央スピーカを備えている場合について説明するが、サラウンド左右スピーカおよび前方中央スピーカを備えなくてもよい)。
【0032】
遊戯機21は、前方中央チャンネル信号CFを前方左チャンネル信号LFおよび前方右チャンネル信号RFに混合する混合器22および23、仮想音像定位処理済左信号LS’を前方左チャンネル信号LFに混合する混合器24、仮想音像定位処理済右信号RS’を前方右チャンネル信号RFに混合する混合器25、係数乗算器9G〜9Mをさらに備えている。
【0033】
遊戯機21を前方中央スピーカ8Aを使用することなく6チャンネルサラウンド再生を行なう場合には、係数乗算器9Gの係数を所定の値に、係数乗算器9Aの係数を0にそれぞれ設定し、前方中央チャンネル信号CFを前方左チャンネル信号LFおよび前方右チャンネル信号RFにそれぞれ混合する。そのため、前方左スピーカ8Bおよび前方右スピーカ8Cからは、前方中央チャンネル信号CFを含んだ信号を再生することができる。したがって、前方中央スピーカ8Aを使用することなく(または、備えることなく)、きわめて臨場感にあふれた6チャンネルサラウンド音場を形成することができる。なお、前方中央スピーカ8Aを使用する場合には、係数乗算器9Aの係数を所定の値に、係数乗算器9Gの値を0に設定すればよい。
【0034】
遊戯機21をサラウンド左スピーカ8D、サラウンド右スピーカ8Eを使用することなく6チャンネルサラウンド再生を行なう場合には、係数乗算器9L、9Mの係数を所定の値に、係数乗算器9J、9Kの係数を0にそれぞれ設定し、仮想音像定位処理済左信号LS’を前方左チャンネル信号LFに混合し、仮想音像定位処理済右信号RS’を前方右チャンネル信号RFに混合する。したがって、前方左スピーカ8Bからは仮想音像定位処理済左信号を含んだ信号を、前方右スピーカ8Cからは仮想音像定位処理済右信号を含んだ信号をそれぞれ再生することができる。したがって、サラウンド左スピーカ8D、サラウンド右スピーカ8Eを使用することなく(または、備えることなく)、きわめて臨場感にあふれた6チャンネルサラウンド音場を形成することができる。なお、サラウンド左スピーカ8Dおよびサラウンド右スピーカ8Eを使用する場合には、係数乗算器9J、9Kの係数を所定の値に、係数乗算器9L、9Mの値を0に設定すればよい。
【0035】
同様にして、低域スピーカ8Fを使用しない場合には、低域チャンネル信号LFEを前方左チャンネル信号LFおよび前方右チャンネル信号RFに所定の係数を乗算し混合すればよい(図示せず)。
【0036】
また、係数乗算器9B、9C、9Gを例えば1/2以下に設定することにより、前方中央チャンネル信号CFを、前方左チャンネル信号LFおよび前方右チャンネル信号RFに混合する際に、フルスケールのデジタル信号を加算することにより生じるオーバーフローを防止できる。同様に、係数乗算器9H、9I、9L、9Mを例えば1/2以下に設定することにより、仮想音像定位処理済左信号LS’を前方左チャンネル信号LFに、仮想音像定位処理済右信号RS’を前方右チャンネル信号RFに混合する際にオーバーフローを防止できる。
【0037】
好ましくは、遊戯機21は、音源ソースまたは音源情報をステレオまたはモノラルで収めた音源26、係数乗算器9N、9O、混合器27、28を備えている。そして、必要に応じて、CPU2は音源3の代わりに、音源26を動作させる。すなわち、遊戯機21は、音源3から3チャンネル以上のサラウンド信号を再生する代わりに、音源26からのステレオまたはモノラル信号を再生する。音源26からの例えば、ステレオ左信号Lおよびステレオ右信号Rは、係数乗算器9N、9Oで所定の係数が乗算された後、混合手段27、28を介して、増幅器7B、7C、そしてスピーカ8B、8Cに与えられる。音源26に収納されているステレオ左信号Lおよびステレオ右信号Rがデジタル信号である場合には、DAコンバータ(図示せず)を用いてアナログ信号に変換した後に混合手段27、28に与えられる。このようにして、遊戯機21は音源3からのサラウンド音場だけではなく、音源26によるステレオもしくはモノラル音場も形成することができる。したがって、音源3からのサラウンド音場と音源26からのステレオもしくはモノラル音場とを遊戯状態に応じて使用することができるので、サラウンド音場の臨場感をより際立たせることができ、かつ、遊戯者は遊戯状態に応じた様々な臨場感により遊戯を楽しむことができる。
【0038】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。例えば、サラウンドデコーダ4の方式がDOLBY PRO LOGICである場合には、音源ソースとして2チャンネルのステレオ信号が収められている場合にも対応することができる。すなわち、DOLBY PRO LOGICでは、3チャンネル以上の圧縮音声符号化された信号を3チャンネル以上のサラウンド信号に復号化するだけでなく、音源3に圧縮されずに収められた2チャンネルのステレオ信号を3チャンネル以上のサラウンド信号に変換することができる。
【0039】
また、遊戯者の側(後)方にサラウンド左右スピーカを配置する場合には、遊戯機に仮想音像定位手段を設ける必要はない。さらに、遊戯機に仮想音像定位処理を行なう経路と仮想音像定位処理を行なわない経路とを並列に設け、これらの経路を係数乗算器等により切換えることにより、遊戯者の側(後)方に配置したサラウンド左右スピーカを使用する場合と遊戯機に設けたサラウンド左右スピーカを使用する場合との両方に対応することができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明による遊戯機は、3チャンネル以上の効果音および/または報知音を発生させる音源情報または音源ソースが収められた音源と、サラウンド音源からの信号を3チャンネル以上のサラウンド信号に変換するサラウンド変換手段とを備えているので、きわめて臨場感あふれた音場を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態による遊戯機における効果音および/または報知音の再生を説明するためのブロックダイアグラムである。
【図2】本発明の好ましい実施形態による遊戯機を示す概略正面図である。
【図3】本発明の好ましい実施形態による遊戯機を用いた場合の再生音場を説明するための概念図である。
【図4】本発明に用いられる仮想音像定位手段を説明するための概念図である。
【図5】本発明に用いられる非相関化処理回路の周波数と移相との関係の一例を示す模式的グラフである。
【図6】本発明に用いられるシャフラー型フィルタの伝達関数HsumおよびHdifの周波数とゲイン特性との関係を示すグラフである。
【図7】本発明の別の好ましい実施形態による遊戯機における効果音および/または報知音の再生を説明するためのブロックダイアグラムである。
【図8】従来技術における効果音または報知音の再生を説明するためのブロックダイアグラムである。
【図9】従来技術における再生音場を説明するための概念図である。
【符号の説明】
1 遊戯機
2 制御手段
3 音源
4 サラウンド変換手段
5 仮想音像定位手段
6 信号変換手段
7 増幅器
8 スピーカ

Claims (3)

  1. 遊戯状態を制御する制御手段と、
    3チャンネル以上の効果音および/または報知音を発生させる音源情報または音源ソースが収められた音源と、
    該制御手段および該音源からの信号を受けて3チャンネル以上のサラウンドデジタル信号に変換するサラウンド変換手段と、
    該サラウンド変換手段からの信号を受けて仮想音像定位処理を行なう仮想音像定位手段と、
    該サラウンド変換手段または該仮想音像定位手段からのデジタル信号をアナログ音声信号に変換する複数の信号変換手段と、
    該信号変換手段に接続する複数の増幅器と、
    該増幅器に接続する複数のスピーカとを備え、
    該サラウンド変換手段からの信号が、少なくとも前方左チャンネル信号、前方右チャンネル信号、サラウンド左チャンネル信号、サラウンド右チャンネル信号を含み、
    該複数のスピーカが、
    いずれも遊戯者の前方に位置するように取り付けられるとともに、
    該仮想音像定位処理手段を通過しない該前方左チャンネル信号に対応した音声信号を再生する前方左スピーカと、
    該仮想音像定位処理手段を通過しない該前方右チャンネル信号に対応した音声信号を再生する前方右スピーカと、
    サラウンド左チャンネル信号およびサラウンド右チャンネル信号を仮想音像定位処理して得られる仮想音像定位処理済左信号に対応した音声信号を再生するサラウンド左スピーカと、
    サラウンド左チャンネル信号およびサラウンド右チャンネル信号を仮想音像定位処理して得られる仮想音像定位処理済右信号に対応した音声信号を再生するサラウンド右スピーカと、を含む、
    遊戯機。
  2. 前記サラウンド変換手段からの信号が、前方中央チャンネル信号を含み、
    前記複数のスピーカが、該前方中央チャンネル信号に対応した音声信号を再生する前方中央スピーカをさらに含む、請求項1に記載の遊戯機。
  3. 前記サラウンド変換手段からの信号が、低域チャンネル信号を含み、
    前記複数のスピーカが、該低域チャンネル信号に対応した音声信号を再生する低域スピーカをさらに含む、請求項1または2に記載の遊戯機。
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