JP4775189B2 - 医療診断装置 - Google Patents

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Description

この発明は、医療診断を行う医療診断装置に関する。
医療診断装置として全身スクリーニング検査がある。全身スクリーニング検査の方法として、主に形態画像診断、機能画像診断または生化学検査などがある。形態画像診断として例えばX線CT(Computed Tomography)やMRI(Magnetic Resonance Imaging)や超音波などがある。機能画像診断としてPET(Positron Emission Tomography)やSPECT(Single Photon Emission CT)などがある(例えば、特許文献1参照)。生化学検査として、例えば腫瘍マーカー検査などがある(例えば、特許文献2、非特許文献1−4参照)。形態画像診断は、主に外部からX線や磁場や超音波を照射して被検体(例えば人体)との反応を捕らえて画像化・定量化するものである。機能画像診断は、主に被検体の内部から放射されたものを外部で捕らえて画像化・定量化するものである。生化学検査は、尿や血清中に含まれる生体内の生物学的変化を数値化・定量化するものである。
上述した診断や検査を用いた癌検診の一例として、先ず、負担の少ない腫瘍マーカー検査を行い、腫瘍マーカー検査の結果から癌の疑いが高い人に対して機能診断や形態診断を行うことがある。また、非特許文献2に記載されているように人間ドックなどではこれらを全て行うケースもあり、さらに生化学検査をすることもある。ここで腫瘍マーカーとは、生化学検査の指標であるバイオマーカーで、主に腫瘍に特異なものをいう。臨床検査の場では、主に、採取した血液を自動分析装置にかけ、目的の腫瘍マーカーについて検査する。
また、上述した診断や検査を用いた治療効果判定の一例として、癌治療後でPETやCTでは見つからなかったが、一旦下がった腫瘍マーカー値が再び上昇した場合には、癌の転移を疑って抗がん剤治療を行うことがある。
このように、癌の全身スクリーニング検診や治療効果判定においては単独の検査手段で行うことよりも、非特許文献1,2,4に記載されているように複数の検査手段を用いて診断を行うことの方が一般的である。特に、腫瘍マーカーの場合には、腫瘍マーカー値は個体差に応じて変わり、体調や睡眠や食事のタイミング、たばこや別の病気でも変動するので、腫瘍マーカー単独で行われずに、他のPETやCTと組み合わせて診断を行う。
また、癌組織を含む関心領域を経時的に撮影して癌組織を含んだ画像を取得して、その画像中の癌組織のバイオマーカーを識別して、さらに定量的測定値を得ることで、癌および癌の時間的変化を定量的に評価する技術もある(例えば、特許文献3参照)。
特開平07−113873号公報 国際公開第WO01/020333号パンフレット 特表2005−516643号公報 "腫瘍マーカー"、[online]、2006年3月10日、国立がんセンター、インターネット< URL : http://www.ncc.go.jp/jp/ncc-cis/pub/diagnosis/010601.html> "関西メディカルネット:PETを含むがん検診・総合人間ドックの検査内容"、[online]、株式会社 関西メディカルネット、インターネット< URL : http://www.k-medicalnet.co.jp/pet/petcourse/index.html> 丹野 正敏、"腫瘍マーカーリスト"、[online]、丹野クリニック、インターネット< URL : http://tanno-holistic-medicine-japan.com/html2/mark.html> "がんの検査:腫瘍マーカー検査"、[online]、白山通りクリニック、インターネット< URL : http://www.hakusan-s.jp/kensa/syuyou/>
しかしながら、上述した診断や検査には一長一短があり、特に、早期癌の発見や治療効果判定には上述したように複数の診断や検査を組み合わせて行う必要がある。特に、生化学検査の定量値は、他の診断や検査と独立に比較して評価されて、その評価に基づいて診断されている。すなわち、各検査で診断材料を個別に取得して、診断医は独自に判断して評価している。その理由は、形態診断で得られた定量値は時間に対してあまり急変しないが、機能診断や生化学検査で得られた定量値は、上述したように、体調や睡眠や食事のタイミング、たばこや別の病気でも変動する値であるので、時間変化の大きい、形態診断と機能診断または生化学検査との両者の定量値の相関性や信頼性は時間の経過とともに失われてしまうからである。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、診断精度を向上させることができる医療診断装置を提供することを目的とする。
発明者は、上記の問題を解決するために鋭意研究した結果、次のような知見を得た。
すなわち、CT用の断層画像や吸収補正データに代表される生体形態画像またはPET用の断層画像やPET用の投影データに代表される生体機能画像と、体脂肪率や血糖値に代表される生体基本情報または腫瘍マーカー値に代表される生化学情報との相関性や信頼性が時間の経過とともに失われるので、両者間で相互に融合していなかったが、敢えて融合してみた。融合によって得られる情報を付加情報としたときに、その付加情報も、相関性や信頼性は時間の経過とともに失われるものの、形態画像診断または機能画像診断と、生体基本情報を得るための検査または生化学情報を得るための生化学検査との間の時間差が少なければ、付加情報の相関性や信頼性は損なわれにくい。してみれば、両者間で積極的に融合して付加情報を求めれば、その付加情報に基づいて診断精度を向上させることができるという知見を得た。
このような知見に基づくこの発明は、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、医療診断装置であって、形態画像診断から得られた生体形態画像および機能画像診断から得られた生体機能画像の少なくとも1つの画像から定量的に測定して測定値を得る第1測定手段と、生体基本情報および生化学情報の少なくとも1つの情報から定量的に測定して測定値を得る第2測定手段と、前記第1測定手段で定量的に測定された測定値および前記第2測定手段で定量的に測定された測定値を複数に出力する出力手段を備えるとともに、画像および情報に対して付加的な情報である付加情報を求める付加情報算出手段とを備え、その付加情報は、第1測定手段で定量的に測定された測定値および第2測定手段で定量的に測定された測定値に基づいて求められ、各測定値および付加情報に基づいて医療診断を行うことを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、第1測定手段と第2測定手段と出力手段とを備えている。第1測定手段は、形態画像診断から得られた生体形態画像および機能画像診断から得られた生体機能画像の少なくとも1つの画像から定量的に測定して測定値を得る。第2測定手段は、生体基本情報および生化学情報の少なくとも1つの情報から定量的に測定して測定値を得る。出力手段は、第1測定手段で定量的に測定された測定値および第2測定手段で定量的に測定された測定値を複数に出力する。これらの各測定値を出力することで医療診断の閲覧に供する。さらに、付加情報算出手段を備え、この付加情報算出手段は、画像および情報に対して付加的な情報である付加情報を求める。この付加情報は、第1測定手段で定量的に測定された測定値および第2測定手段で定量的に測定された測定値に基づいて求められるものであるので、診断医が個別に診断材料としていた各測定値を相互に融合して付加情報として、各測定値のみならず付加情報にも基づいて医療診断を行うことで、診断精度を向上させることができる。
上述した発明において、上述した出力手段は、付加情報を新たに出力するのが好ましい(請求項2に記載の発明)。付加情報を新たに出力することで、より精密な医療診断の閲覧に供することができる。
上述したこれらの発明において、出力手段は、モニタに代表される、表示出力する表示手段であってもよいし(請求項3に記載の発明)、プリンタに代表される、印刷出力する印刷手段であってもよい。
この発明に係る医療診断装置によれば、画像および情報に対して付加的な情報である付加情報を求める付加情報算出手段を備え、この付加情報は、第1測定手段で定量的に測定された測定値および第2測定手段で定量的に測定された測定値に基づいて求められるものであるので、診断医が個別に診断材料としていた各測定値を相互に融合して付加情報として、各測定値のみならず付加情報にも基づいて医療診断を行うことで、診断精度を向上させることができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
図1は、実施例に係るPET(Positron Emission Tomography)装置の側面図およびブロック図である。なお、本実施例では、医療診断装置として、PET装置を例に採って説明し、PET装置の外部から、形態画像診断から得られた生体形態画像、生体基本情報および生化学情報をPET装置に転送して、PET装置のコントローラ7で医療診断を行う。また、本実施例では、形態画像診断としてX線CTを例に採って説明するとともに、生化学検査として腫瘍マーカー検査を例に採って説明し、生体基本情報として体脂肪率を例に採って説明する。したがって、PET装置からみた外部装置としては、X線CT装置や腫瘍マーカーを検査する自動分析装置となる。
本実施例に係るPET装置は、図1に示すように、被検体Mを載置する天板1を備えている。この天板1は、上下に昇降移動、被検体Mの体軸Zに沿って平行移動するように構成されている。このように構成することで、天板1に載置された被検体Mは、後述するガントリ2の開口部2aを通って、頭部から順に腹部、足部へと走査されて、被検体Mの投影データや断層画像といった生体機能画像を得る。
天板1の他に、本実施例に係るPET装置は、開口部2aを有したガントリ2と、互いに近接配置された複数個のシンチレータブロック3aと複数個のフォトマルチプライヤ3bとを備えている。図1(b)に示すように、シンチレータブロック3aおよびフォトマルチプライヤ3bは、被検体Mの体軸Z周りを取り囲むようにしてリング状に配置されており、ガントリ2内に埋設されている。フォトマルチプライヤ3bは、シンチレータブロック3aよりも外側に配設されている。シンチレータブロック3aの具体的な配置としては、例えば、被検体Mの体軸Zと平行な方向にはシンチレータブロック3aが2個並び、被検体Mの体軸Z周りにはシンチレータブロック3aが多数個並ぶ形態が挙げられる。シンチレータブロック3aおよびフォトマルチプライヤ3bで後述する投影データ(『エミッションデータ』とも呼ばれる)用のγ線検出器3を構成する。
また、本実施例では、点線源4と後述する吸収補正データ(『トランスミッションデータ』とも呼ばれる)用のγ線検出器5を備えている。吸収補正データ用のγ線検出器5は、投影データ用のγ線検出器3と同様にシンチレータブロックとフォトマルチプライヤとで構成されている。点線源4は、被検体Mに投与する放射性薬剤、すなわち放射性同位元素(RI)と同種の放射線(本実施例ではγ線)を照射させる線源であって、被検体Mの外部に配設されている。本実施例では、ガントリ2内に埋設されている。点線源4は被検体Mの体軸Z周りに回転する。
その他にも、本実施例に係るPET装置は、天板駆動部6とコントローラ7と入力部8と出力部9と投影データ導出部10と吸収補正データ導出部11と吸収補正部12と再構成部13と第1測定部14と第2測定部15と付加情報算出部16とメモリ17とケーブル18とを備えている。
コントローラ7は、本実施例に係るPET装置を構成する各部分を統括制御する。コントローラ7は、中央演算処理装置(CPU)などで構成されている。
入力部8は、オペレータが入力したデータや命令をコントローラ7に送り込む。入力部8は、マウスやキーボードやジョイスティックやトラックボールやタッチパネルなどに代表されるポインティングデバイスで構成されている。出力部9はモニタなどに代表される表示部やプリンタなどで構成されている。出力部9は、この発明における出力手段に相当し、特にモニタは表示手段に相当する。
メモリ部17は、ROM(Read-only Memory)やRAM(Random-Access Memory)などに代表される記憶媒体で構成されている。本実施例では、投影データ導出部10や再構成部13で処理された生体機能画像や、吸収補正データ導出部11で求められた吸収補正データや、ケーブル18を介して外部から転送されてきたCT用の断層画像や腫瘍マーカー値や体脂肪率や、第1測定部14で求められた関心領域ROI(Region Of Interest)内でのSUV(Standardized Uptake Value)の分散や平均や、第2測定部15で求められた陽性パラメータや腫瘍の存在確率や、付加情報算出部16で求められた補正後の存在確率についてはRAMに書き込んで記憶し、必要に応じてRAMから読み出す。ROMには、各種のPETでの核医学診断を含めて医療診断を行うためのプログラム等を予め記憶しており、そのプログラムをコントローラ7が実行することでそのプログラムに応じた医療診断をそれぞれ行う。
本実施例では、メモリ部17は、投影データ導出部10や再構成部13で処理された生体機能画像を一旦記憶するPET用データメモリ部17aと、ケーブル18を介して外部から転送されてきたCT用の断層画像を一旦記憶するCT用データメモリ部17bと、ケーブル18を介して外部から転送されてきた腫瘍マーカー値や体脂肪率を一旦記憶する生体/生化学情報メモリ部17cと、第1測定部14で求められたROI内のSUVの分散や平均を一旦記憶する第1測定値メモリ部17dと、第2測定部15で求められた陽性パラメータや腫瘍の存在確率を一旦記憶する第2測定値メモリ部17eと、付加情報算出部16で求められた補正後の存在確率を一旦記憶する付加情報メモリ部17fとを備えている(図2を参照)。
投影データ導出部10と吸収補正データ導出部11と吸収補正部12と再構成部13と第1測定部14と第2測定部15と付加情報算出部16とは、例えば上述したメモリ部17などに代表される記憶媒体のROMに記憶されたプログラムあるいは入力部8などに代表されるポインティングデバイスで入力された命令をコントローラ7が実行することで実現される。
放射性薬剤が投与された被検体Mから発生したγ線をシンチレータブロック3aが光に変換して、変換されたその光をフォトマルチプライヤ3bが光電変換して電気信号に出力する。その電気信号を画像情報(画素)として投影データ導出部10に送り込む。
具体的には、被検体Mに放射性薬剤を投与すると、ポジトロン放出型のRIのポジトロンが消滅することにより、2本のγ線が発生する。投影データ導出部10は、シンチレータブロック3aの位置とγ線の入射タイミングとをチェックし、被検体Mを挟んで互いに対向位置にある2つのシンチレータブロック3aでγ線が同時に入射したときのみ、送り込まれた画像情報を適正なデータと判定する。一方のシンチレータブロック3aのみにγ線が入射したときには、投影データ導出部10は、ポジトロンの消滅により生じたγ線ではなくノイズとして扱い、そのときに送り込まれた画像情報もノイズと判定してそれを棄却する。
投影データ導出部10に送り込まれた画像情報を投影データとして、吸収補正部12に送り込む。吸収補正部12に送り込まれた投影データに、吸収補正データ導出部11から吸収補正部12に送り込まれた吸収補正データ(トランスミッションデータ)を作用させて、被検体Mの体内でのγ線の吸収を考慮した投影データに補正する。
なお、点線源4が被検体Mの体軸Zの周りを回転しながら被検体Mに向けてγ線を照射し、照射されたγ線を吸収補正データ用のγ線検出器5のシンチレータブロック(図示省略)が光に変換して、変換されたその光をγ線検出器5のフォトマルチプライヤ(図示省略)が光電変換して電気信号に出力する。その電気信号を画像情報(画素)として吸収補正データ導出部11に送り込む。
吸収補正データ導出部11に送り込まれた画像情報に基づいて吸収補正データを求める。吸収補正データ導出部11は、γ線またはX線の吸収係数とエネルギーとの関係を表す演算を利用することで、CT用の投影データ、すなわちX線吸収係数の分布データをγ線吸収係数の分布データに変換して、γ線吸収係数の分布データを吸収補正データとして求める。導出された吸収補正データは上述した吸収補正部12に送られる。
補正後の投影データを再構成部13に送り込む。再構成部13がその投影データを再構成して、被検体Mの体内でのγ線の吸収を考慮した断層画像を求める。このように、吸収補正部12、再構成部13を備えることで、吸収補正データに基づいて投影データを補正するとともに、断層画像を補正する。補正された断層画像を、コントローラ7を介して出力部9や第1測定部14や第2測定部15や付加情報算出部16やメモリ部17などに送り込む。
次に、第1測定部14や第2測定部15や付加情報算出部16、それらに関するデータの流れについて、図2を参照して説明する。図2は、第1測定部14や第2測定部15や付加情報算出部16、それらに関するデータの流れを模式的に示したブロック図である。
投影データ導出部10(図1を参照)や再構成部13で処理された生体機能画像をPET用データメモリ部17aに書き込んで一旦記憶する。また、ケーブル18を介して外部から転送されてきたCT用の断層画像をCT用データメモリ部17bに書き込んで一旦記憶する。PET用データメモリ部17aから生体機能画像を適宜読み出すとともに、CT用データメモリ部17bからCT用の断層画像に代表される生体形態画像を適宜読み出して、その生体機能画像や生体形態画像から定量的に測定して第1測定部14は測定値を得る。本実施例では、第1測定部14は測定値としてROI内のSUVの分散や平均を求める。
一方、ケーブル18を介して外部から転送されてきた腫瘍マーカー値や体脂肪率を生体/生化学情報メモリ部17cに書き込んで一旦記憶する。生体/生化学情報メモリ部17cから腫瘍マーカー値に代表される生化学情報や体脂肪率に代表される生体基本情報を適宜読み出して、生体基本情報や生化学情報から定量的に測定して第2測定部15は測定値を得る。本実施例では、第2測定部15は測定値として陽性パラメータや腫瘍の存在確率を求める。
第1測定部14で求められたROI内のSUVの分散や平均を第1測定値メモリ部17dに書き込んで一旦記憶する。また、第2測定部15で求められた陽性パラメータや腫瘍の存在確率を第2測定値メモリ部17eに書き込んで一旦記憶する。第1測定値メモリ部17dからROI内のSUVの分散を適宜読み出すとともに、第2測定値メモリ部17eから腫瘍の存在確率を適宜読み出して、第1測定部14で定量的に測定されたROI内のSUVの分散および第2測定部15で定量的に測定された腫瘍の存在確率に基づいて、付加情報算出部16は分散によって存在確率を補正することで、補正後の存在確率を求める。
付加情報算出部16で求められた補正後の存在確率を付加情報メモリ部17fに書き込んで一旦記憶する。このように、第1測定部14は、この発明における第1測定手段に相当し、第2測定部15は、この発明における第2測定手段に相当し、付加情報算出部16は、この発明における付加情報算出手段に相当する。
次に、医療診断の具体的な流れについて、図3を参照して説明するとともに、医療診断に関係する各値について、図4〜図7を参照して説明する。図3は、実施例に係る一連の医療診断の流れを示すフローチャートであり、図4は、陽性パラメータを求めるための一覧であり、図5は、腫瘍名(悪性疾患)と腫瘍マーカー名と期待陽性率との一覧であり、図6は、腫瘍名(悪性疾患)ごとの腫瘍の存在確率を求めるための一覧であり、図7は、体脂肪率とSUV補正係数との関係を示した図である。
(ステップS1)腫瘍マーカー値に基づいて腫瘍の存在確率を算出
ケーブル18を介して外部から転送されてきた腫瘍マーカー値を生体/生化学情報メモリ部17cに書き込んで一旦記憶し、生体/生化学情報メモリ部17cから適宜読み出す。その腫瘍マーカー値に基づいて、第2測定部15は定量的に測定して陽性パラメータを求めて、さらに腫瘍の存在確率を求める。
具体的には、図4に示すように、腫瘍マーカーごとに測定値(腫瘍マーカー値)、基準値を一覧にして並べて、腫瘍マーカーごとに腫瘍マーカー値および基準値に基づいて陽性パラメータを求める。
基準値は予め既知の値である。この陽性パラメータは多々の統計臨床データから得られるパラメータであり、腫瘍の部位に依存するパラメータである。以下では、yを腫瘍の部位(腫瘍名)、zを腫瘍マーカーの名前(腫瘍マーカー名)とし、この陽性パラメータをRy(z)とする。また説明の便宜上、ここでは陽性パラメータは腫瘍の部位によらず一意とし、図4では、その具体的な数値として0.5〜2.0の間で適当に割り当てている。
陽性パラメータが求まれば、図5に示すような腫瘍名(悪性疾患)ごとに一覧に並んだ腫瘍マーカー名と期待陽性率とに基づいて、腫瘍の部位(腫瘍名)ごとに存在し得る確率、すなわち腫瘍の存在確率を求める。なお、図5に示す一覧は、バイオテクノロジーの応用によって可能になった検査法によって予めわかっている。
具体的には、図6に示すように、腫瘍名(悪性疾患)ごとに腫瘍マーカーにおける各期待陽性率(図5も参照)と各陽性パラメータ(図4も参照)とを対応させて一覧にして、それら期待陽性率および陽性パラメータに基づいて腫瘍の存在確率を求める。
腫瘍マーカーにおける各期待陽性率をQyとし、期待陽性率Qy中のyを腫瘍の部位(腫瘍名)とし、因子数をnとし、因子数パラメータをS(n)とし、腫瘍の存在確率をPyとする。また、上述したように、Ry(z)を陽性パラメータとすると、腫瘍の存在確率Pyは下記(1)式のように表される。
Py=(ΣQy×Ry(z))/S(k) …(1)
ただし、Σは1〜kまでの総和で、kは腫瘍マーカー名の種類数によって決定される。上記(1)式によって、例えば図6に示すように各腫瘍の存在確率Pyをそれぞれ求めることができる。このように求められた腫瘍の陽性パラメータRy(z)や存在確率Pyを第2測定値メモリ部17eに書き込んで記憶することになる。
(ステップS2)生体機能画像においてROIをとる
その一方で、投影データ導出部10(図1を参照)や再構成部13で処理された生体機能画像をPET用データメモリ部17aに書き込んで一旦記憶し、PET用データメモリ部17aから適宜読み出す。その生体機能画像に基づいて、第1測定部14は定量的に測定して生体機能画像における関心領域ROIをとって、後述するステップS3のようにROI内のSUVの分散を求める。
なお、関心領域ROIについては、入力部8(図1を参照)で関心領域ROIを設定する座標を入力するなど手動で設定してもよいし、生体機能画像の画素値などに基づいてコントローラ7(図1を参照)などで関心領域ROIを区分けする領域を演算することで自動的に設定してもよい。
(ステップS3)生体機能画像に基づいてROI内のSUVの分散を算出
次に、関心領域ROI内でのSUV(Standardized Uptake Value)の分散を求める。このときに平均も求まる。ここで、体内特定領域で実測された放射能濃度を(A)とし、放射能の全身均一分布を過程したときの全身平均放射能濃度を(B)としたときに、SUVは下記(2)式のように表される。
SUV=A/B …(2)
すなわち、SUVは体内特定領域における放射能集積倍率であって、上記(2)式のように(A/B)のような比でSUVを求めることができる。なお、上記(2)式中の(A)は(組織放射線カウント[cps]/組織重量[g])で表され、上記(2)式中の(B)は(投与放射線カウント[cps]/体重[g])で表される。例えば、仮に体内に全く偏りがなく薬剤が投与されていればSUVは「1」となり、また、ある臓器に薬剤が集積されていると、その臓器は「2」や「3」といった「1」よりも大きな数値になる。このように、SUVを用いることにより、癌の発生や転移などを客観的に判断することができる。
より具体的に、SUVについて説明すると、放射性薬剤の単位量当たりの放射能と、被検体Mに投与された放射性薬剤の全液量と、被検体Mの体重とに基づいて、放射性薬剤が被検体Mの全身に均一に分布すると仮定したときの全身平均放射能濃度を算出する。つまり、放射性薬剤の単位量当たりの放射能に放射性薬剤の全液量を乗算し、その乗算値を被検体Mの体重で除算することにより(すなわち、B:(投与放射線カウント[cps]/体重[g]))、全身平均放射能濃度を算出する。そして、生体機能画像として(PET用の)断層画像を関心領域ROI内で以下のように用いてSUVを求める。
すなわち、PET用の断層画像の1ピクセルに相当する放射能(組織放射能)を、1ピクセルに相当する組織重量(つまり、1ピクセルに相当する水の重量)で除算して、被検体Mの組織放射能濃度を算出する。そして、被検体Mの組織放射能濃度を全身平均放射能濃度で除算することにより、SUVを算出する。
このSUVの分散は関心領域ROI内では以下のように求めることができる。すなわち、ROI内の分散をσとするとともに、ROI内の平均をAvgとし、ROI内の全ピクセル数をNとすると、分散σは下記(3)式のように表される。
σ=Σ(SUV−Avg)/(N−1) …(3)
ただしROI内の平均AvgはAvg=Σ(SUV/N)で表され、ROI内のSUVの相加平均である。ステップS2を経てステップS3で求められたROI内の分散σや平均Avgを第1測定値メモリ部17dに書き込んで記憶することになる。
なお、SUVを生体基本情報によって補正してもよい。この場合には、補正後のSUVは、この発明における付加情報に相当する。したがって、付加情報算出部16は、生体基本情報を用いてSUVを補正することで補正後のSUVを求めて、その補正後のSUVを付加情報メモリ部17cに書き込んで記憶することになる。
生体基本情報の一例として体脂肪率を例に採って説明する。なお、体脂肪率は以下のようにして求められる。すなわち、被検体Mの身長をHとし、被検体Mの生体電気インピーダンスをZとし、aを性別・年齢に応じて予め決められた比例係数とし、Wを被検体Mの体重とし、被検体Mの除脂肪重量(脂肪以外の組織の重量)をLBMとし、体脂肪率をFATとすると、除脂肪重量LBMは下記(4)式のように表されて、さらに体脂肪率FATは下記(5)式のように表される。
LBM=a×H/Z …(4)
FAT=(W−LBM)/W …(5)
ただし、FATの単位は[%]である。上記(4)式によって除脂肪重量LBMを求めて、その除脂肪重量LBMを用いて上記(5)式によって体脂肪率FATを求める。この体脂肪率FATのデータを、ケーブル18(図1を参照)を介して生体/生化学情報メモリ部17cに書き込んで記憶して、体脂肪率FATを読み出してSUVの補正に用いればよい。
付加情報算出部16は、この体脂肪率FATを用いてSUVを補正する。図7に示すようなSUV補正関数f(FAT)をメモリ部17に予め記憶している。この補正関数f(FAT)に体脂肪率を代入することでSUV補正係数αを求める。そして、SUVに補正係数αを乗算することによりSUVを補正する。
このような補正関数は、被検体モデルを想定・作成し、別途実験により最適化する。図7から明らかなように、補正係数は体脂肪率が中位(標準)では「1」であり、体脂肪率が低い場合は「1」よりも小さい数値になり、体脂肪率が高い場合は「1」よりも大きい数値になる。したがって、例えば肥満の被検体Mの場合、体脂肪の影響でSUVが低めに算出されても、体脂肪率に応じた「1」よりも大きな補正係数をそのSUVに乗じるので、低めに評価されたSUVが適正に補正される。体脂肪率FATを用いてSUVを補正した場合には、その補正後のSUVから上記(3)に代入して分散σを求めればよい。
(ステップS4)分散によって存在確率を補正
第1測定部14で定量的に測定されたROI内のSUVの分散ρおよび第2測定部15で定量的に測定された腫瘍の存在確率Pyに基づいて、付加情報算出部16は、以下のようにして分散σによって存在確率Pyを補正する。分散σを用いて存在確率Pyを補正する関数をf(σ)とし、その関数を存在確率Pyに乗じることで補正を行う。
このように、補正後の存在確率は、この発明における付加情報に相当する。したがって、付加情報算出部16は、分散σを用いて存在確率を補正することで補正後の存在確率を付加情報メモリ部17cに書き込んで記憶することになる。
上述の構成を備えた本実施例に係るPET装置によれば、第1測定部14と第2測定部15と出力部9とを備えている。第1測定部14は、形態画像診断から得られた生体形態画像および機能画像診断から得られた生体機能画像の少なくとも1つの画像(本実施例では生体機能画像の一例としてPET用の断層画像、吸収補正データは生体形態画像の一種)から定量的に測定して測定値(本実施例ではROI内のSUVの分散や平均)を得る。第2測定部15は、生体基本情報および生化学情報の少なくとも1つの情報(本実施例では生体基本情報の一例として体脂肪率、生化学情報の一例として腫瘍マーカー値)から定量的に測定して測定値(本実施例では陽性パラメータや腫瘍の存在確率)を得る。出力部9(モニタなどに代表される表示部やプリンタなどに代表される印刷手段)は、第1測定部14で定量的に測定された測定値および第2測定部15で定量的に測定された測定値を複数に出力する(モニタの場合には表示出力、印刷の場合には印刷出力)。これらの各測定値を出力することで医療診断の閲覧に供する(例えば図8を参照)。
さらに、付加情報算出部16を備え、この付加情報算出部16は、画像および情報に対して付加的な情報である付加情報(本実施例では補正後のSUVや存在確率)を求める。この付加情報は、第1測定部14で定量的に測定された測定値および第2測定部15で定量的に測定された測定値に基づいて求められるものであるので、診断医が個別に診断材料としていた各測定値を相互に融合して付加情報として、各測定値のみならず付加情報にも基づいて医療診断を行うことで、診断精度を向上させることができる。
図8は、医療診断のための出力表示の一態様である。乳頭部付近に関する各値をモニタ9aに表示出力している。図8では、生体形態画像としてCT用の断層画像をPET用の断層画像に重ね合わせて重畳させている。したがって、第1測定部14はCT用の断層画像を定量的に測定してCT値を求めている。
図8(a)の左領域9LにはSUV(図8(a)では「SUV(max)」)やCT値(図8(a)では「CT(ave.)」)や血糖値や体脂肪率や腫瘍マーカー名(図8(a)では「SLX」,「CA19−9」,「PSA」,「AFP」,「SCC」,「CFA」,「サイログロブリン」)などを表示している。また、図8(b)の右領域9RにはCT用の断層画像をPET用の断層画像に重ね合わせた画像を表示している。
出力部9(モニタなどに代表される表示部やプリンタなどに代表される印刷手段)は付加情報(本実施例では補正後のSUVや存在確率)を新たに出力する(モニタの場合には表示出力、印刷の場合には印刷出力)のが好ましい。例えば、図8(b)の左領域9Lには上述の重ね合わせた画像を表示している。図8(b)の右領域9Rには付加情報(図8(b)では悪性疾患ごとの補正後の存在確率)を表示している。このように付加情報を新たに出力することで、より精密な医療診断の閲覧に供することができる。
なお、出力部9は、モニタに代表される、表示出力する表示手段であってもよいし、プリンタに代表される、印刷出力する印刷手段であってもよい。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、医療診断装置として、PET装置を例に採って説明したが、この発明は、単一のγ線を検出して被検体の断層画像を再構成するSPECT(Single Photon Emission CT)装置などにも適用することができる。
(2)上述した実施例では、医療診断装置として、PET装置やSPECT装置などに代表される核医学診断装置、すなわちECT(Emission Computed Tomography)装置を例に採って説明したが、X線CT装置や腫瘍マーカーを検査する自動分析装置などにも適用することができる。X線CT装置に適用した場合には、X線CT装置から見た外部装置としては、PET装置や自動分析装置となり、自動分析装置に適用した場合には、自動分析装置から見た外部装置としては、PET装置やX線CT装置となる。
(3)上述した実施例では、PET装置などに代表される装置とX線CT装置や自動分析装置などに代表される外部装置とをケーブル18(図1および図2を参照)で接続して、ケーブル18を介して外部から転送されてきたデータをも用いて医療診断を行ったが、PET装置、X線CT装置および自動分析装置などの複数の装置を1つに統合して医療診断装置として構成してもよい。また、PET装置も外部装置として、医療診断を行う装置を独立して設けて、PET装置、X線CT装置および自動分析装置などの複数の装置を外部装置としてケーブルなどの伝送手段を介してデータを転送するように構成してもよい。
(4)上述した実施例では、PET装置などに代表される装置とX線CT装置や自動分析装置などに代表される外部装置とをケーブル18(図1および図2を参照)で接続して、ケーブル18を介して外部から転送されてきたデータをも用いて医療診断を行ったが、例えば体脂肪率や血糖値などの数値については、入力部8(図1を参照)から数値を入力して、その入力データを用いて医療診断を行うようにしてもよい。
(5)上述した実施例では、シンチレータブロック3aおよびフォトマルチプライヤ3bから構成される投影データ用のγ線検出器3が静止したままでγ線を検出する静止型であったが、シンチレータブロック3aおよびフォトマルチプライヤ3bが被検体Mの周りを回転しながらγ線を検出する回転型でもよい。
(6)上述した実施例では、PET装置が点線源4(図1を参照)を備え、点線源4が放射性薬剤と同じγ線を照射して被検体Mを透過することで、その放射線に基づいて生体形態画像として吸収補正データを求めたが、CT用の投影データを吸収補正データとして用いてもよい。CT用の投影データは、実施例で述べた吸収補正データと同じように生体形態画像であるので、実施例で述べた吸収補正データの替わりにCT用の投影データを用いて吸収補正を行うことが可能である。同様に、吸収補正された生体機能画像を用いて医療診断を行えばよい。
(7)上述した実施例では、PET装置が点線源4(図1を参照)を備え、点線源4が放射性薬剤と同じγ線を照射して被検体Mを透過することで、その放射線に基づいて生体形態画像として吸収補正データを求めたが、CTなどから吸収補正データを求めてもよい。また、必ずしも吸収補正を行う必要はない。したがって、吸収補正されない生体機能画像を用いて医療診断を行えばよい。
(8)上述した実施例では、第1測定部14(図1を参照)は、生体形態画像(実施例では吸収補正データおよび重ね合わせの対象となるCT用の断層画像)および生体機能画像(実施例ではPET用の断層画像)の両方から定量的に測定して測定値(実施例では吸収補正後の断層画像に基づくROI内のSUVの平均や分散)を得て、第2測定部15(図1を参照)は、生体基本情報(実施例では体脂肪率)および生化学情報(実施例では腫瘍マーカー値)の両方から定量的に測定して測定値(実施例では陽性パラメータや腫瘍の存在確率)を得て、付加情報算出部16(図1を参照)は、第1測定部14で定量的に測定された測定値および第2測定部15で定量的に測定された測定値に基づいて付加情報(実施例では補正後のSUVや存在確率)を求めたが、これに限定されない。
すなわち、第1測定部14は、生体形態画像および生体機能画像の少なくとも1つの画像から定量的に測定して測定値を得て、第2測定部15は、生体基本情報および生化学情報の少なくとも1つの情報から定量的に測定して測定値を得て、付加情報算出部16が、第1測定部14で定量的に測定された測定値および第2測定部15で定量的に測定された測定値に基づいて付加情報を求めるなら、画像や情報の種類や数については特に限定されない。したがって、第1測定部14は、生体形態画像のみから定量的に測定して測定値を得てもよいし、生体機能画像のみから定量的に測定して測定値を得てもよいし、生体形態画像および生体機能画像の両方から定量的に測定して測定値を得てもよい。また、第2測定部15は、生体基本情報のみから定量的に測定して測定値を得てもよいし、生体基本情報のみから定量的に測定して測定値を得てもよいし、生化学情報のみから定量的に測定して測定値を得てもよいし、生体基本情報および生化学情報の両方から定量的に測定して測定値を得てもよい。
(9)上述した実施例では、第2測定部15が、生化学情報(実施例では腫瘍マーカー値)から定量的に測定して測定値(実施例では陽性パラメータや腫瘍の存在確率)を求めるときには、体脂肪率や血糖値などに代表される生体基本情報を直接的に用いなかったが、体脂肪率や血糖値などに代表される生体基本情報を直接的に用いて生化学情報から定量的に得られた測定値を求めてもよい。例えば、実施例において、図7に示すように、SUVと体脂肪率との間に相関がある場合には、体脂肪率を用いてSUVを補正したが、これと同様に、生化学情報から得られた腫瘍の存在確率と体脂肪率や血糖値との間に相関がある場合には、上述した分散の他に体脂肪率や血糖値を用いて腫瘍の存在確率をさらに補正してもよい。
(10)上述した実施例では、付加情報として、体脂肪率によって補正されたSUVあるいは分散によって補正された腫瘍の存在確率を例に採って説明したが、付加情報が、画像および情報に対して付加的な情報であって、かつ第1測定部14で定量的に測定された測定値および第2測定部15で定量的に測定された測定値に基づいて求められるものであれば、これに限定されない。
例えば、生体基本情報として脳内物質(以下、「ドーパミン」と呼ぶ)を例に採って説明すると、先ず、1)PETあるいはSPECTで脳の活性を測定する。この場合には、実施例と同様にSUVを求めることで脳の活性を評価することができる。また、SPECTの場合にはSPECTによって脳血流量の測定を主に行う。
一方で、2)血中の脳内物質を測定する、あるいは電極などで脳内活動を測定する。脳内活動値(ドーパミン量)は年齢によって変化する(加齢とともに減少する)ので、年齢などに対して適切なドーパミン量を設定する。3)測定されたドーパミン量とその設定されたドーパミン量との比をとることで、年齢を除外したドーパミンに関する比例定数を得ることができる。このドーパミン量比を求める部分は第2測定部15が行い、その第2測定部15がドーパミン量から定量的に測定して測定値としてドーパミン量比を求めればよい。このとき、PETやSPECTによって得られる生体機能画像を定量的に測定することで得られた(特にSUVに限らない)測定値と、ドーパミン量比との間に相関がある場合には、4)ドーパミン量比を用いて測定値を補正することで、活動値を得ることができる。この活動値が付加情報となる。
なお、この活動値は脳内の活動を表す値(例えばSUV)に対してドーパミン量が適切(両者の値が互いにバランス)あるか否かの目安となるパラメータである。もし、脳の活動が活発(高SUV)でドーパミン量比が多い場合には、脳内の活動を表す値に対してドーパミン量が適切であって、活動値は正常活動値を示して、正常の可能性の判断を活動値に基づいて行うことができる。逆に、脳の活動が活発(高SUV)でドーパミン量比が少ない場合には、活動値は異常活動値を示して、脳疾患の可能性の判断を活動値に基づいて行うことができる。同様に、脳の活動が活発でない(低SUV)の場合には、活動値が異常活動値あるいは正常活動値であるのかに基づいて、脳内の活動を表す値に対してドーパミン量が適切であるか否かを判断する。
したがって、異常活動値の場合には、両者の値が互いにアンバランスであって、脳疾患の可能性が示唆される。また、過多活動値なのか過少活動値なのか、脳の活動が局所的なのか全体的なのかなどは、アルツハイマー・パーキンソン・麻薬中毒などの判断材料となる。
図1は、実施例に係るPET(Positron Emission Tomography)装置の側面図およびブロック図である。 第1測定部や第2測定部や付加情報算出部、それらに関するデータの流れを模式的に示したブロック図である。 実施例に係る一連の医療診断の流れを示すフローチャートである。 陽性パラメータを求めるための一覧である。 腫瘍名(悪性疾患)と腫瘍マーカー名と期待陽性率との一覧である。 腫瘍名(悪性疾患)ごとの腫瘍の存在確率を求めるための一覧である。 体脂肪率とSUV補正係数との関係を示した図である。 医療診断のための出力表示の一態様である。
符号の説明
9 … 出力部
14 … 第1測定部
15 … 第2測定部
16 … 付加情報算出部

Claims (3)

  1. 医療診断装置であって、形態画像診断から得られた生体形態画像および機能画像診断から得られた生体機能画像の少なくとも1つの画像から定量的に測定して測定値を得る第1測定手段と、生体基本情報および生化学情報の少なくとも1つの情報から定量的に測定して測定値を得る第2測定手段と、前記第1測定手段で定量的に測定された測定値および前記第2測定手段で定量的に測定された測定値を複数に出力する出力手段を備えるとともに、画像および情報に対して付加的な情報である付加情報を求める付加情報算出手段とを備え、その付加情報は、第1測定手段で定量的に測定された測定値および第2測定手段で定量的に測定された測定値に基づいて求められ、各測定値および付加情報に基づいて医療診断を行うことを特徴とする医療診断装置。
  2. 請求項1に記載の医療診断装置において、前記出力手段は前記付加情報を新たに出力することを特徴とする医療診断装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の医療診断装置において、前記出力手段は表示出力する表示手段であることを特徴とする医療診断装置。
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