JP4774614B2 - カシメ結合装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カシメ結合装置に関するものであり、特に、2箇所以上のカシメを連続的に行う技術に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
薄板部材にボルトを結合する場合、結合部を溶接若しくはカシメにより結合する場合が一般的である。この場合、薄板部材を補強する目的で補強板を重ねて使用する場合もある。例えば、図6に示すブレーキ倍力装置の外郭を構成するシェルと呼ばれる部品では、外郭を構成する薄板部材1と補強板2は溶接部Aで溶接結合されている。また、薄板部材1、補強板2とボルト3も、溶接部Bで溶接結合されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来は、薄板部材と補強板の溶接、及び薄板部材、補強板とボルトとの溶接を、それぞれ別々の装置で行なっていた。生産性を向上させるためには、上記の別々に行なっていた溶接による結合を同時に行えるのが望ましい。しかし、多数箇所を同時に溶接すると、加工時に溶接箇所が熱歪により変形し、加工部に残留応力が残るため、気密漏れが発生することがあり、上記ブレーキ倍力装置のような、製品性能を確保するために結合部の気密漏れの管理が必要な製品には適用し難い。加えて、安定して工程を維持するためには、溶接の電極管理や、溶接される部品の表面状態特に溶接前に付着する油等、溶接条件の管理を厳しくしなければならず、これでは却って夫々の溶接工程を別々の装置で行なった場合よりもコストアップとなり、他の工法が検討されている。
【0004】
その有力な方法としてカシメによる挟着固定がある。この場合、薄板部材と補強板、及びボルトとのボルトカシメを行なってから、薄板部材と補強板との補強板カシメを行なう場合と、その逆に、薄板部材と補強板との補強板カシメを行なってから、ボルトとのボルトカシメを行なう場合が考えられる。
【0005】
いずれの場合も、夫々のカシメ加工を行なう時点で、カシメられるものが動いてしまうと、ボルトカシメの孔がずれたりボルトの軸がずれて、一旦カシメを行なったボルト結合部に不要な応力が働く。それ故に気密漏れの不具合を発生させる要因となる。当然、上記の2つの異なるカシメを同時に行なう場合も同様にカシメられるものが動いてしまうと不具合が発生する。
【0006】
それ故に本発明は、上記の気密漏れ不具合が惹起されないように、カシメ組み付けを可能とすることをその技術的課題とする。
【0007】
【課題を解決する為の手段】
技術的課題を解決する為に講じた技術手段は、従来は上記したように、薄板部材、補強板及びボルトの溶接による結合は別々に行っていた。それらの溶接による加工に代わりカシメにより、同一装置内でも互いの部品が加工中にずれないように予め位置決めされるように保持し、一体でカシメを行うことにより、気密漏れのないような工法を確立した。即ち、請求項1の発明は、駆動手段により駆動され、所定方向に移動するカシメ用パンチが固定された第1のベースプレートと、該第1のベースプレートに離間して対向配置され、前記第1のベースプレートの当接により移動し、第1の型合せ面側にて第1のカシメを行う第1の型と、前記第1のベースプレートの駆動力を前記第1の型に伝達する第1の弾性部材と、前記第1の型の移動により第2のカシメを行うボルトカシメ用ダイスの基端部が固定された第2のベースプレートと、ボルト孔を共に有する薄板部材と補強部材とがセットされる第2の型合せ面を有し、前記第1の型と前記薄板部材と前記補強部材との一体的な降下により前記第2のカシメを行う第2の型と、前記第2のベースプレートと前記第2の型との間に介装された第2の弾性部材とを備え、頭部、軸部および両者の間にセレーション部を有するボルトを用いて、前記ボルト孔に前記軸部を挿入して前記薄板部材と前記補強部材と同軸にし、前記薄板部材と前記補強部材のカシメ結合を行うカシメ結合装置において、前記第1の型の移動により、前記セレーション部を前記ボルト孔に圧入して、前記第1の型合せ面側にて前記カシメ用パンチで前記第1のカシメを行い、前記第1の型の更なる移動により、前記基端部と前記第1の型との相対的距離が前記第2の弾性部材の付勢力に抗して減少し、前記ボルトカシメ用ダイスは前記セレーション部を変形させ前記第2のカシメを行うようにしたカシメ結合装置である。
【0008】
例えば、前工程がボルトカシメ工程、後工程が補強板カシメ工程であり、前工程の時点で薄板部材と補強板とが固定されていない場合、両者のボルト孔位置がずれた状態でボルトカシメが行われると、ボルトが前記薄板部材及び前記補強板のボルト孔の軸にならおうとして傾き、前記薄膜部材及び前記補強板とは略垂直方向にはカシメられないため、薄膜部材及び補強板はボルトに引っ張られ位置ずれを起こす。そのため、後工程のカシメの際、カシメ位置がずれる不具合が発生する恐れがある。
【0009】
また逆に、前工程が補強板カシメ工程、後工程がボルトカシメ工程であり、前工程の時点で薄板部材と補強板とが固定されていない場合、補強板カシメ時の応力で両者の位置がずれてボルト孔に挿通されたボルトに不要な応力を与え、これが影響して後工程のボルトカシメ工程で気密漏れの不良を発生するといった恐れがある。
【0010】
以上の不具合に対し本発明によれば、ボルトカシメ工程と補強板カシメ工程の両工程とも、薄板部材と補強板との位置関係が固定された状態で行われるので、前工程のカシメの影響が後工程のカシメに及ぶことがないのみならず、後工程のカシメの影響が前工程のカシメに及ぶこともない。このため、別工程のカシメの影響により不要な応力が働くなどして、気密漏れ等の不具合を発生させることはない。
【0011】
尚、カシメ結合は、薄板部材と補強板との補強板カシメと、薄板部材、補強板及びボルトとのボルトカシメは、夫々のカシメ順序、カシメを薄板部材、補強板の表裏どちらの面の方向から行うかは限定しない。また、各々のカシメを同時に行ってもよい。
【0013】
本発明によれば、駆動手段の駆動によって第1のベースプレートが所定方向に駆動されると、第1の弾性部材を介して該第1のベースプレートに対面して配置された第1の型も所定方向に駆動する。第1の型の第1の型合せ面には、第2の型の第2の型合せ面が対面しているので、この所定方向が両型合せ面を近づける方向の場合、駆動手段の駆動によって第1の型合せ面と第2の型合せ面とが当接する。従って、第1の型合せ面と第2の型合せ面との間にカシメ結合を行う材料(カシメワーク)をセットしておけば、これらのカシメワークは第1の型及び第2の型に挟まれ、これらの位置関係が固定される。そして、さらに駆動手段の駆動によって第1のベースプレートが所定方向に駆動されると、第1のベースプレートと第1の型との間に介装された第1の弾性部材の弾性力が駆動手段からの押圧力に屈し、該第1の弾性部材が弾性変形するとともに、第1のベースプレートと第1の型との相対的距離が減少する(第1のベースプレートと第1の型との間の隙間が減少する)。第1のベースプレートには第1のカシメ手段の基端が固定されており、かつ第1のカシメ手段の先端は第1の背面から第1の型合せ面にかけて第1の型に形成された第1の貫通孔に挿通されているので、この相対的距離の減少によって、第1のカシメ用パンチの先端部分が第1の貫通孔から飛び出して第1の型合せ面に突出し、第1及び第2の型合せ面間にセットされた材料にカシメ結合を行う。このとき、第1の弾性部材の弾性変形により、第1の型と第2の型の両型合せ面が当接する方向に弾性力を付与しているので、カシメワークが第1及び第2の型合せ面間に挟まれてその位置が固定された状態で上記カシメ結合が行われる。さらに駆動手段の駆動によって第1のベースプレートが所定方向に駆動されると、第2のベースプレートと第2の型との間に介装された第2の弾性部材の弾性力も駆動手段からの押圧力に屈し、該第2の弾性部材も弾性変形するとともに、第2のベースプレートと第2の型との相対的距離が減少する(第2のベースプレートと第2の型との間の隙間が減少する)。第2のベースプレートには第2のカシメ手段の基端が固定されており、かつ第2のカシメ手段の先端は第2の背面から第2の型合せ面にかけて第2の型に形成された第2の貫通孔に挿通されているので、この相対的距離の減少によって、第2のカシメ手段の先端部分が第2の貫通孔から飛び出して第2の型合せ面に突出し、第1及び第2の型合せ面間にセットされた材料にカシメ結合を行う。このとき、第1及び第2の弾性部材の弾性変形により、第1の型と第2の型の両型合せ面が当接する方向に弾性力を付与しているので、カシメワークが第1及び第2の型に挟まれてその位置が固定された状態で上記カシメ結合が行われる。
【0014】
このように、本発明のカシメ結合装置でカシメ結合を行うことにより、カシメワークが第1及び第2の型に挟まれてその位置が固定された状態で、第1のカシメ手段によるカシメ結合と第2のカシメ手段によるカシメ結合が行われるため、前工程のカシメ(第1のカシメ手段によるカシメ)の影響が後工程のカシメ(第2のカシメ手段によるカシメ)に及ぶことがないのみならず、後工程のカシメの影響が前工程のカシメに及ぶこともない。このため、別工程のカシメの影響により不要な応力が働くなどして、気密漏れ等の不具合を発生させることはない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明におけるカシメ結合方法及びカシメ結合装置の具体例を添付図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は本例のカシメ結合方法を適用する倍力装置の断面図,図2は本例におけるカシメ結合装置の要部断面図、図3、図4及び図5は図2のカシメ結合装置を用いて結合を行なう際の作用を示す図である。
【0017】
図1に示すように、倍力装置は、その表面に薄板部材1を備える。薄板部材1には、その内面に補強板2が取り付けられている。この薄板部材1と補強板2は、カシメ部Cでカシメ結合されている。また、薄板部材1及び補強板2には、各々同軸的に薄板部材のボルト孔1a及び補強板のボルト孔2aが形成されており、該ボルト孔1a及び2aにボルト3が挿入され、カシメ部Dでカシメ結合されている。薄板部材1、補強板2、ボルト3におけるカシメ部C及びDでのカシメ結合は、図2に示すカシメ結合装置によって行われる。
【0018】
図2は、カシメ結合装置全体の断面図で、該カシメ結合装置は、上型11及び下型12を備える。
【0019】
上型11は、上型ベースプレート111及び該上型ベースプレート111から分離された上型ストリッパープレート112とを備えて構成されている。尚、本例における上型ベースプレート111が本発明における第1のベースプレートを表し、上型ストリッパープレートが本発明における第1の型を表す。
【0020】
上型ベースプレート111には、バネ13及び補強板カシメ用パンチ14が備わっている。補強板カシメ用パンチ14は、図に示すようにその基端14aが上型ベースプレート111に固定されており、基端14aから下方に延在してその先端14bが上型ベースプレート111から突出している。また、上型ベースプレート111は駆動手段20に連結されており、該駆動手段20の駆動によって、上下方向に駆動可能とされている。
【0021】
上型ストリッパープレート112は、薄板部材1の内面に当接するように略逆円錐台形状に形成され、その図示下面が上型合せ面112a、該上型合せ面112aと反対側の面である図示上面が上型背面112bとされている。図からわかるように、上型合せ面112aは、上型ベースプレート111が駆動される方向である上下方向とは垂直の水平方向の面である。また上型ストリッパープレート112は、上型背面112b側で上型ベースプレート111と対面配置している。上型ストリッパープレート112の内部には、上型背面112bから上型合せ面112aにかけて貫通した上型貫通孔112cが形成されており、この上型貫通孔112cには、補強板カシメ用パンチ14の上型ベースプレート111から突出した部分が挿通されている。さらに、上型合せ面112aにはボルトカシメ用パンチ112dが形成されている。
【0022】
バネ13は、一端が上型ベースプレート111の有底孔111aの底部に連結され、他端が上型ストリッパープレート112の上型背面112bに連結されている。従って、バネ13は、上型ベースプレート111と上型ストリッパープレート112との間に介装された状態となっている。尚、113は、ガイド軸である。
【0023】
下型12は、下型ベースプレート121及び該下型ベースプレート121から分離された下型ストリッパープレート122とを備えて構成されている。尚、本例における下型ベースプレート121が本発明における第2のベースプレートを表し、下型ストリッパープレート122が本発明における第2の型を表す。
【0024】
下型ベースプレート121は、図に示すようにその一部がくり貫かれ、このくり貫かれた部分にガスクッション15が配設されている。ガスクッション15は、ガスが充填された本体部15a及びガス圧及び外部からの力によって可動する可動部15bとを備えて構成されており、可動部15bの先端は下型ベースプレート121の上面から露出している。また、下型ベースプレート121には、ボルトカシメ用ダイス16が固定されている。このボルトカシメ用ダイス16は、内部にボルトセット用位置決め孔16cが形成された円筒形状に形成されており、その基端16a側で下型ベースプレート121に固定され、基端16aから上方に延在してその先端16bが下型ベースプレート121から突出している。
【0025】
下型ストリッパープレート122は、その図示上面が下型合せ面122a、該下型合せ面122aとは反対側の面である図示下面が下型背面122bとされている。図からわかるように、下型ストリッパープレート122は、下型背面122b側で、下型ベースプレート121と対面配置している。
【0026】
また、下型ストリッパープレート122はガスクッション15の可動部15b上に配置されている。従って、ガスクッション15の可動部15bは、下型ベースプレート121と下型ストリッパープレート122との間に介装された状態となっている。
【0027】
また、下型ストリッパープレート122には、補強板カシメ用ダイス17が嵌め込まれている。この補強板カシメ用ダイス17は、補強板カシメ用パンチ14と同軸になるように対面配置されている。さらに、下型ストリッパープレート122には、下型背面122bから下型合せ面122aにかけて貫通した下型貫通孔122cが形成されており、この下型貫通孔122cには、ボルトカシメ用ダイス16の下型ベースプレート121から突出した部分が挿通されている。尚、この下型貫通孔122cは、ボルトカシメ用パンチ112dと同軸となるよう対面して形成されている。尚、補強板カシメ用パンチ14が本発明の第1のカシメ手段を、ボルトカシメ用ダイス16が本発明の第2のカシメ手段を構成する。尚符号18は位置決めガイド軸である。
【0028】
上記構成のカシメ結合装置において、図3、図4及び図5の順で以上の図に基づいてそのカシメ作動を説明する。
【0029】
まず、図3に示すように、下型ストリッパープレート122に、カシメワークとして薄板部材1、補強板2、及びボルト3をセットする(セット工程)。この時、薄板部材1に貫通形成されたボルト孔1aと補強板2に貫通形成されたボルト孔2aとが軸を同一とするように薄板部材1と補強板2とを対面して設置させ、かつ、薄板部材1に形成されたボルト孔1aと補強板2に形成されたボルト孔2aにボルト3を挿入した状態とする。この状態では、ボルトカシメ用ダイス16に形成されたボルトセット用位置決め孔16aに、ボルト3の軸部3eが保持されている。
【0030】
次に、駆動手段20を駆動させて上型ベースプレート111を降下させる。すると、バネ13を媒介して、上型ベースプレート111に付与された駆動力が上型ストリッパープレート112に伝達され、該上型ストリッパープレート112も連動して降下する。そして、上型合せ面112aと下型合せ面122aとが当接し、上型ストリッパープレート112でボルト3のボルト頭部3bを保持するとともに、バネ13の荷重でボルト3のセレーション部3cを薄板部材1と補強板2のボルト孔1a及び2aに押し付け、圧入する。この時、図3に示すようにバネ13の付勢力によって、上型ベースプレート111と上型ストリッパープレート112は上下に離間している。またこの状態では、図から明らかなように補強板カシメ用パンチ14は、上型ストリッパープレート112内に収納されたままである。
【0031】
更に駆動手段20が駆動して上型ベースプレート111が降下すると、上型ベースプレート111と上型ストリッパープレート112との間に介装されたバネ13の弾性力が駆動手段20による駆動力に屈し、図4に示すようにバネ13が縮む。これにより上型ベースプレート111と上型ストリッパープレート112との間の相対的距離が減少し、両者が当接する。これに伴い、補強板カシメ用パンチ14の先端部分14bが上型ストリッパープレート112から飛び出て補強板と接する。この時、バネ13の付勢力によって上型ストリッパープレート112の上型合せ面112aと下型ストリッパープレート122の下型合せ面122aとが互いに当接する方向に付勢されているので、補強板2と薄板部材1は、上型ストリッパープレート112と下型ストリッパープレート122とで挟まれて固定される。
【0032】
また、補強板カシメ用パンチ14はその先端がさらに補強板2及び薄板部材1に押し込まれる。そして、下型ストリッパープレート122に取り付けている補強板カシメ用ダイス17と、補強板カシメ用パンチ14で薄板部材1と補強板2を挟み込んで、薄板部材1と補強板2とのカシメ部Cを結合する(補強板カシメ工程)。尚、この工程中、バネ13の付勢力によって上型ストリッパープレート112と下型ストリッパープレート122との型合せ面が互いに当接する方向に付勢されているので、補強板2と薄板部材1は、上型ストリッパープレート112と下型ストリッパープレート122で固定された状態を維持している。また、この状態では、ガスクッション15の可動部15bには下型ストリッパープレート122から荷重が加えられるが、この荷重は未だガスクッション15の本体部15a内のガス圧よりも小さく、ガスクッション15の耐荷重以下であるので、可動部15bが下方に移動することもなく、可動部15bは下型ベースプレート121の上面から露出したままとなっており、この可動部15bが介在しているために下型ベースプレート121と下型ストリッパープレート122との間には一定の隙間が存在した状態である。
【0033】
更に駆動手段20が駆動して上型ベースプレート111を降下させると、ガスクッション15が下型ストリッパープレート122から受ける力が耐荷重を超え、図5に示すように下型ストリッパープレート122、薄板部材1、補強板2、ボルト3、及び上型ストリッパープレート112は一体的に降下する。このような一体的な降下により、下型ベースプレート121と下型ストリッパープレート122との間の相対的距離が減少する。この減少に伴いボルトカシメ用ダイス16の先端部16aがボルト3のセレーション部3cの端がボルトカシメ用ダイス16に当接する。そして、下型ベースプレート121と下型ストリッパープレート122との間の相対的距離がさらに減少し、両者が当接すると、ボルトのセレーション部3cがボルトカシメダイス16によってカシメられ、塑性変形されて膨張した塑性変形部3dを形成し、この塑性変形部3dとボルト頭部3bで薄板部材1と補強板2を挟着固定する(ボルトカシメ工程)。尚、この工程中でも、バネ13の付勢力によって上型ストリッパープレート112と下型ストリッパープレート122との型合せ面が互いに当接する方向に付勢されているので、補強板2と薄板部材1は、下型ストリッパープレート122と上型ストリッパープレート112で固定された状態を維持している。
【0034】
尚、下型12と上型11に用いるバネ13及びガスクッション15の代わりに、クッションゴムを用いる方法、及びプレスの油圧やエアー圧を制御して保持させる方法等も考えられる。
【0035】
以上の過程で結合する薄板部材、補強板、及びボルトを装置内に設置する方向は、型の構造により下型と上型の構造が逆になる場合もあるし、部品を設置する方向も、型によっては図2と逆に下向きの場合もある。
【0036】
以上の説明のように、薄板部材と補強板の結合、及びボルトのセレーション部と上記薄板部材、補強板との結合形成は、予め、加工の過程において型内での保持により位置決め及び固定がなされる。そのため薄板部材、補強板、及びボルトは加工中にずれることがない。前記ボルトカシメ工程及び前記補強板カシメ工程は、順序不同で構わない。また前記の2つのカシメ工程は、同時に行なう場合でも、ボルトを補強板のボルト孔及び薄板部材のボルト孔に挿通セットされた後、ボルトが型内で軸がずれない様に予め位置決め保持されれば、同様の結合となる。
【0037】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明においては、ボルト部の気密もれを防止すると同時に、溶接により行なっていた従来の結合と比較し、大幅に生産性を向上できる方法として、実用上、多大な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるカシメ結合方法を適用した、倍力装置の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態における、カシメ結合装置の要部断面図である。
【図3】本発明の実施の形態における、カシメ結合装置の作動を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における、カシメ結合装置の作動を示す図であり、図3に続く工程を示す。
【図5】本発明の実施の形態における、カシメ結合装置の作動を示す図であり、図4に続く工程を示す。
【図6】従来技術における溶接結合を適用した、倍力装置の断面図である。
【符号の説明】
1 :薄板部材
1a:薄板部材のボルト孔
2 :補強板
2a:補強板のボルト孔
3 :ボルト
3b:ボルト頭部
3c:ボルトのセレーション部
3d:ボルトの塑性変形部
3e:ボルトの軸部
11:上型
12:下型
13:バネ
14:補強板カシメ用パンチ
14a:補強板カシメ用パンチの基端
14b:補強板カシメ用パンチの先端
15:ガスクッション
15a:ガスクッションの本体部
15b:ガスクッションの可動部
16:ボルトカシメ用ダイス
16a:ボルトカシメ用ダイスの基端
16b:ボルトカシメ用ダイスの先端
16c:ボルトセット用位置決め孔
17:補強板カシメ用ダイス
18:ガイド軸
20:駆動手段
111:上型ベースプレート
111a:上型ベースプレートの有底孔
112:上型ストリッパープレート
112a:上型合せ面
112b:上型背面
112c:上型貫通孔
112d:ボルトカシメ用パンチ
113:ガイド軸
121:下型ベースプレート
122:下型ストリッパープレート
122a:下型合せ面
122b:下型背面
122c:下型貫通孔
C :補強板カシメ部
D :ボルトカシメ部
Claims (1)
- 駆動手段により駆動され、所定方向に移動するカシメ用パンチが固定された第1のベースプレートと、
該第1のベースプレートに離間して対向配置され、前記第1のベースプレートの当接により移動し、第1の型合せ面側にて第1のカシメを行う第1の型と、
前記第1のベースプレートの駆動力を前記第1の型に伝達する第1の弾性部材と、
前記第1の型の移動により第2のカシメを行うボルトカシメ用ダイスの基端部が固定された第2のベースプレートと、
ボルト孔を共に有する薄板部材と補強部材とがセットされる第2の型合せ面を有し、前記第1の型と前記薄板部材と前記補強部材との一体的な降下により前記第2のカシメを行う第2の型と、
前記第2のベースプレートと前記第2の型との間に介装された第2の弾性部材とを備え、
頭部、軸部および両者の間にセレーション部を有するボルトを用いて、前記ボルト孔に前記軸部を挿入して前記薄板部材と前記補強部材と同軸にし、前記薄板部材と前記補強部材のカシメ結合を行うカシメ結合装置において、
前記第1の型の移動により、前記セレーション部を前記ボルト孔に圧入して、前記第1の型合せ面側にて前記カシメ用パンチで前記第1のカシメを行い、前記第1の型の更なる移動により、前記基端部と前記第1の型との相対的距離が前記第2の弾性部材の付勢力に抗して減少し、前記ボルトカシメ用ダイスは前記セレーション部を変形させ前記第2のカシメを行うようにしたことを特徴とするカシメ結合装置。
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