JP4774316B2 - カラーフィルタ、その製造方法、およびそれを備えた表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ、その製造方法、およびそれを備えた表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、カラーフィルタ、その製造方法、およびそれを備えた表示装置に関し、詳しくは色再現域が広く、透過率が高く、かつ、耐光性・耐熱性に優れるカラーフィルタ、その製造方法、およびそれを備えた表示装置に関する。
カラーフィルタは、LCDパネルの表示画像に着色する機能を持ち、LCDパネルの色特性を大きく左右する。しかも、LCDパネルのコントラスト、明るさ(輝度)、表面反射などの表示性能にも大きな影響を与える。
現在、カラーフィルタを製造する方法の主流は顔料分散法である。この方法では、着色材として顔料を用い、その顔料をバインダ樹脂中に分散させた着色樹脂についてフォトリソグラフィ法によりパターン形成を行う。
カラーフィルタの特性は、透過率、色純度、コントラスト比、低反射化などによって表される。特に、透過率が低いと光が減衰してディスプレイとして暗くなるため高透過率であることが望まれる。また、RGBを組み合わせて得られる色の再現域が広く色純度の高いことが望まれる。
カラーフィルタの透過率は着色層の材料に大きく依存し、カラーフィルタの透過率は顔料より染料の方が高くなることが知られているが、染料を用いたカラーフィルタは光学特性に優れるものの耐熱性・耐光性・耐薬品性に劣るという問題があった。
また、カラーフィルタの透過率を向上させるには顔料の粒径を小さくすればよいことが知られている。しかし、カラーフィルタの透過率を高めると色純度の低下(色再現域の減少)が発生する一方、色再現域を広げるために顔料濃度を上げると透過率が下がるという、相反する傾向がある。特に、画面の鮮やかさは青色画素に大きく起因するため、高い色再現域と高い透過率を両立する青色画素が望まれている。また、例えばソルトミリングのような物理的な方法で顔料を微細化していくと顔料の分散液は高粘度を示すことが多い。そのため、この顔料分散液を工業的規模で調製するとき該顔料分散液の分散機からの取り出しが困難となったり、パイプラインによる輸送ができなくなったり、更には貯蔵中にゲル化したりする等の問題があった。
それらの点を改善し、流動性、分散性に優れた顔料分散液あるいは着色感光性組成物を得るため、有機顔料の表面処理を行ったり(例えば、特許文献1及び2参照)、種々の分散剤を使用したりすることが知られている(例えば、特許文献3及び4参照)。また、良溶媒に溶解した試料を貧溶媒に混入することにより、粒子を得る再沈法を用いる方法が特許文献5及び6に述べられている。
しかしながら、特許文献6に記載されている再沈法により作製した有機顔料分散体をカラーフィルタ用画素の作製に使用したところ、作製途中で使用される溶剤や加熱によって画素が溶解して表面形状に「あれ」が起こるという表面状態の不良を起こすため、カラーフィルタを作製することができなかった。
また、顔料をカラーフィルタに用いるには、その着色感光性組成物による層は一般に極めて薄く、かつ薄厚で高い着色濃度を示すことが要求される。そのため、例えば有機溶媒中に有機顔料を高濃度にまた均一に微細化した状態で分散させることが必要となる。
これらの要求を満足する顔料系カラーフィルタは、未だ提供されていないのが現状である。
特開平11−269401号公報 特開平11−302553号公報 特開平8−48890号公報 特開2000−239554号公報 特開2004−123853号公報 特開2003−336001号公報
本発明は、色再現域が広く、透過率が高く、かつ、耐光性・耐熱性に優れるカラーフィルタ及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、そのようなカラーフィルタを備えた表示装置を提供することを目的とする。
上記課題は下記の手段により達成された。
[1]C光源を用いた時の色度がx≦0.15、y≦0.12である青色画素を有するカラーフィルタの製造方法であって、前記青色画素をなす顔料分散液を調製するに当たり、
青色顔料を良溶媒に溶解させて顔料溶液を作成した後、前記良溶媒と相溶性であり、かつ、前記青色顔料に対しては貧溶媒となる溶媒中に、前記顔料溶液を混入し、平均粒径2〜100nm、単分散度(Mv/Mn)1.0〜2.0の有機顔料微粒子を生成させた分散液を調製するに当たり、前記顔料溶液及び貧溶媒の少なくともいずれか一方に分散剤を含有させて前記分散液を調製し、
該分散液を濃縮し、これを有機溶媒中で再分散化させることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
[2]前記有機ナノ粒子の少なくとも1種がC.I.ピグメントブルー15:6であることを特徴とする[1]記載のカラーフィルタの製造方法。
[3]前記有機ナノ粒子の少なくとも1種がC.I.ピグメントバイオレット23を含むことを特徴とする[1]又は[2]に記載のカラーフィルタの製造方法。
[4]前記分散剤が、高分子分散剤であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
[5]良溶媒がスルホキシド系溶媒、アミド系溶媒、またはその混合溶媒であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
[6]良溶媒に前記分散剤を含有させることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
[7]前記有機顔料溶液と貧溶媒の比(良溶媒/貧溶媒)が体積比で1/50〜2/3であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
[8]前記貧溶媒が水系溶媒であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
[9]前記分散液の濃縮及び再分散化を、
(i)前記分散液中の顔料微粒子を有機溶媒に抽出して、バインダーを添加する工程、または
(ii)前記分散液中の顔料微粒子を、バインダーを含む抽出溶媒に抽出する工程
を含む操作により行う[1]〜[8]のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
[10]前記分散物が、前記混合によって生成された顔料微粒子、バインダー、モノマーもしくはオリゴマー、および光重合開始剤もしくは光重合開始剤系を含むことを特徴とする[1]〜[9]のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
11[1]〜[10]いずれかに記載の製造方法で作製された、C光源を用いた時の色度がx≦0.15、y≦0.12である青色画素を有するカラーフィルタであって、前記青色画素が平均粒径2〜100nm、単分散度(Mv/Mn)1.0〜2.0の有機顔料微粒子を含むことを特徴とするカラーフィルタ。
12][11]記載のカラーフィルタを備えたことを特徴とする表示装置。
本発明のカラーフィルタは、色再現域が広く、透過率が高く、かつ、耐光性・耐熱性に優れる。
本発明のカラーフィルタを用いた液晶表示装置は、色再現域が広く色純度が高い。また、透過率(白色輝度)が高くディスプレイを明るく表示できる。さらに、耐光性・耐熱性などの耐久性に優れる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、顔料を含有するカラーフィルタであって、C光源を用いた時の色度がx≦0.15、y≦0.12である青色画素を有するカラーフィルタである。そして、そのカラーフィルタは、青色顔料を良溶媒に溶解させて顔料溶液を作成した後、前記良溶媒と相溶性であり、かつ、前記青色顔料に対しては貧溶媒となる溶媒中に、前記顔料溶液を混入し形成させた少なくとも1種類以上の有機ナノ粒子を、カラーフィルタにおける青色画素中に含有させて製造される。以下本発明について詳細に説明する。
[有機ナノ粒子として用いられる材料]
顔料ナノ粒子を形成するための有機顔料は、色相的に限定されるものではない。詳しくは、ペリレン、キナクリドン、ベンズイミダゾロン、インダントロン、フタロシアニン、トリアリールカルボニウム、ジオキサジンもしくはイソビオラントロン系顔料、またはそれらの混合物などである。
更に詳しくは、たとえば、C.I.ピグメントバイオレット29(C.I.番号71129)等のペリレン系顔料、C.I.ピグメントバイオレット19(C.I.番号73900)、C.I.ピグメントバイオレット42等のキナクリドン系顔料、C.I.ピグメントバイオレット32(C.I.番号12517)、等のベンズイミダゾロン系顔料、C.I.ピグメントブルー60(C.I.番号69800)等のインダントロン系顔料、ピグメントブルー16(C.I.番号74100)、C.I.ピグメントブルー75(C.I.番号74160:2)、もしくはC.I.ピグメントブルー15(C.I.番号74160)等のフタロシアニン系顔料、C.I.ピグメントブルー56(C.I.番号42800)、もしくはC.I.ピグメントブルー61(C.I.番号42765:1)等のトリアリールカルボニウム系顔料、C.I.ピグメントバイオレット23(C.I.番号51319)、もしくはC.I.ピグメントバイオレット37(C.I.番号51345)等のジオキサジン系顔料、またはC.I.ピグメントバイオレット31(60010)等のイソビオラントロン系顔料が挙げられる。
本発明のカラーフィルタにおいては、2種類以上の有機顔料または有機顔料の固溶体を組み合わせて用いることもできる。また、本発明として好適に用いられるものは、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー60が挙げられる。
[有機ナノ粒子形成時の良溶媒]
次に、有機ナノ粒子作製時の好ましい良溶媒について説明する。
良溶媒は用いる有機顔料を溶解することが可能で、有機顔料粒子作製時に用いる貧溶媒と相溶するもしくは均一に混ざるものであれば特に制限はない。有機顔料の良溶媒への溶解性は有機材料の溶解度が0.2質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。この溶解度は酸性またはアルカリ性で溶解された場合の溶解度であってもよい。また、良溶媒と貧溶媒との相溶性もしくは均一混合性は、良溶媒の貧溶媒に対する溶解度が30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
良溶媒としては、例えば、水系溶媒(例えば、水、または塩酸、水酸化ナトリウム水溶液)、アルコール系溶媒、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒、二硫化炭素、脂肪族系溶媒、ニトリル系溶媒、スルホキシド系溶媒、ハロゲン系溶媒、エステル系溶媒、イオン性液体、これらの混合溶媒などが挙げられ、水系溶媒、アルコール系溶媒、エステル系溶媒、スルホキシド系溶媒またはアミド系溶媒が好ましく、水系溶媒、スルホキシド系溶媒またはアミド系溶媒がより好ましく、スルホキシド系溶媒またはアミド系溶媒が特に好ましい。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノールなどが挙げられる。アミド系溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリジノン、ε−カプロラクタム、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロパンアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどが挙げられる。ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンが挙げられる。エーテル系溶媒としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどが挙げられる。芳香族系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。脂肪族系溶媒としては、例えば、ヘキサンなどが挙げられる。ニトリル系溶媒としては、例えば、アセトニトリルなどが挙げられる。スルホキシド系溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキド、ヘキサメチレンスルホキシド、スルホランなどが挙げられる。ハロゲン系溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、トリクロロエチレンなどが挙げられる。エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、乳酸エチル、2−(1−メトキシ)プロピルアセテートなどが挙げられる。イオン性液体としては、例えば、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムとPF6 -との塩などが挙げられる。
また、良溶媒に有機顔料を溶解した有機顔料溶液の濃度としては、溶解時の条件における有機顔料の良溶媒に対する飽和濃度乃至これの1/100程度の範囲が好ましい。
有機顔料溶液の調製条件は、有機顔料溶液の調製条件に特に制約はなく、常圧から亜臨界、超臨界条件の範囲を選択できる。常圧での温度は−10〜150℃が好ましく、−5〜130℃がより好ましく、0〜100℃が特に好ましい。
本発明のカラーフィルタを作製する際、用いられる有機顔料溶液に含まれる有機顔料は、良溶媒中に均一に溶解されなければならないが、酸性でもしくはアルカリ性で溶解することも好ましい。一般に分子内にアルカリ性で解離可能な基を有する顔料の場合はアルカリ性が、アルカリ性で解離する基が存在せず、プロトンが付加しやすい窒素原子を分子内に多く有するときは酸性が用いられる。例えば、キナクリドン、ジケトピロロピロール、ジスアゾ縮合系顔料はアルカリ性で、フタロシアニン系顔料は酸性で溶解される。
アルカリ性で溶解させる場合に用いられる塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、もしくは水酸化バリウムなどの無機塩基、またはトリアルキルアミン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、金属アルコキシドなどの有機塩基であるが、好ましくは無機塩基である。
使用される塩基の量は、顔料を均一に溶解可能な量であり、特に限定されないが、無機塩基の場合、好ましくは有機顔料に対して1.0〜30モル当量であり、より好ましくは1.0〜25モル当量であり、さらに好ましくは1.0〜20モル当量である。有機塩基の場合、好ましくは有機顔料に対して1.0〜100モル当量であり、より好ましくは5.0〜100モル当量であり、さらに好ましくは20〜100モル当量である。
酸性で溶解させる場合に用いられる酸は、硫酸、塩酸、もしくはリン酸などの無機酸、または酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、もしくはトリフルオロメタンスルホン酸などの有機酸であるが好ましくは無機酸である。特に好ましくは硫酸である。
使用される酸の量は、有機顔料を均一に溶解可能な量であり、特に限定されないが、塩基に比べて過剰量用いられる場合が多い。無機酸および有機酸の場合を問わず、好ましくは有機顔料に対して3〜500モル当量であり、より好ましくは10〜500モル当量であり、さらに好ましくは30〜200モル当量である。
[有機ナノ粒子形成時の貧溶媒]
次に、有機ナノ粒子作製時の好ましい貧溶媒について説明する。
貧溶媒は用いる有機顔料を溶解せず、有機顔料粒子作製時に用いる良溶媒と相溶する、あるいは均一に混ざるものであれば特に制約はない。有機材料の貧溶媒に対する溶解度は0.02質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以下であることがより好ましい。貧溶媒と良溶媒との相溶性もしくは均一混合性の好ましい範囲は前述のとおりである。
貧溶媒としては、例えば、水系溶媒(例えば、水、または塩酸、水酸化ナトリウム水溶液)、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒、二硫化炭素、脂肪族系溶媒、ニトリル系溶媒、ハロゲン系溶媒、エステル系溶媒、イオン性液体、これらの混合溶媒などが挙げられ、水系溶媒、アルコール系溶媒またはエステル系溶媒が好ましい。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノールなどが挙げられる。ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンが挙げられる。エーテル系溶媒としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどが挙げられる。芳香族系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。脂肪族系溶媒としては、例えば、ヘキサンなどが挙げられる。ニトリル系溶媒としては、例えば、アセトニトリルなどが挙げられる。ハロゲン系溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、トリクロロエチレンなどが挙げられる。エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、乳酸エチル、2−(1−メトキシ)プロピルアセテートなどが挙げられる。イオン性液体としては、例えば、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムとPF6 -との塩などが挙げられる。
[アルカリ可溶性バインダ]
本発明のカラーフィルタに用いられる顔料微粒子を製造する際、バインダをその有機ナノ粒子形成時に添加することが好ましい。バインダは、酸性基を有するアルカリ可溶性バインダであることが好ましい。有機顔料溶液および有機顔料溶液を添加して有機ナノ粒子を生成させるための貧溶媒の両方もしくは一方に酸性基を有するアルカリ可溶性バインダを添加することができる。または酸性基を有するアルカリ可溶性バインダ溶液を別系統で有機ナノ粒子形成時に添加することも好ましい。本発明のカラーフィルタに含有させる顔料微粒子を製造する際に用いられる酸性基を有するアルカリ可溶性バインダ(以下、単に「バインダ」ということがある。)としては、側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するポリマーが好ましい。その例としては、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報及び特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等を挙げることができる。また側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げることができ、またこの他にも、水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用することができる。また、特に好ましい例として、米国特許第4,139,391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体や、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体を挙げることができる。これらの極性基を有するバインダポリマーは、単独で用いてもよく、或いは通常の膜形成性のポリマーと併用する組成物の状態で使用してもよく、有機顔料100質量部に対する添加量は10〜200質量部が一般的であり、25〜100質量部が好ましい。
酸性基を有するアルカリ可溶性バインダが高分子化合物である場合、該高分子化合物中の酸性基の数に特に制限はないが、1分子中に含まれる繰り返し単位の数を100としたとき、酸性基を有する繰り返し単位が5〜100であることが好ましく、10〜100であることがより好ましい。また、(1)カルボキシル基を有する化合物から導かれた繰り返し単位と、前記(2)カルボン酸エステル基を有する化合物から導かれた繰り返し単位との重合比率としていえば、繰り返し単位(1)のモル%が5〜40であることが好ましく、繰り返し単位(2)が40〜90であることが好ましく、繰り返し単位(1)または(2)以外の繰り返し単位が25以下であることが好ましい。また酸性基を有するアルカリ可溶性のバインダの高分子化合物の分子量は3000〜1000000が好ましく、4000〜200000がより好ましく、5000〜80000が特に好ましい。
[有機ナノ粒子形成時の分散剤]
本発明のカラーフィルタを形成するための有機ナノ粒子分散物を作成する際に、有機顔料溶液および有機顔料溶液を添加して有機ナノ粒子を生成させるための貧溶媒の両方もしくは一方に分散剤を添加する。分散剤は(1)析出した顔料表面に素早く吸着して、微細な顔料粒子を形成し、かつ(2)これらの粒子が再び凝集することを防ぐ作用を有するものである。
分散剤として、例えば、アニオン性、カチオン性、両イオン性、ノニオン性もしくは顔料性の、低分子または高分子分散剤を使用することができる。なお、高分子分散剤の分子量は溶液に均一に溶解できるものであれば制限なく用いることができるが、好ましくは分子量1,000〜2,000,000であり、5,000〜1,000,000がより好ましく、10,000〜500,000がさらに好ましく、10,000〜100,000が特に好ましい(本発明においては、特に断りのない限り、分子量とは重量平均分子量を意味し、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)により測定し、ポリスチレン換算したものを意味する。高分子化合物は多分散系であり、必ずしも同一の分子量または粒子量を持たない。したがって、分子量を測定すると得られた値はなんらかの形で平均された平均分子量になる。その主なものは次の3種類である。すなわち、1)数平均分子量Mn、2)重量平均分子量Mw、3)Z平均分子量Mzであり、Mn<Mw<Mzの関係が成立する。)。
高分子分散剤としては、具体的には、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール−部分ホルマール化物、ポリビニルアルコール−部分ブチラール化物、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック共重合体、ポリアクリル酸塩、ポリビニル硫酸塩、ポリ(4−ビニルピリジン)塩、ポリアミド、ポリアリルアミン塩、縮合ナフタレンスルホン酸塩、セルロース誘導体、澱粉誘導体などが挙げられる。その他、アルギン酸塩、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、アラビアゴム、トンガントゴム、リグニンスルホン酸塩などの天然高分子類も使用できる。なかでも、ポリビニルピロリドンが好ましい。これら高分子は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの分散剤は、単独あるいは併用して使用することができる。顔料の分散に用いる分散剤に関しては、「顔料分散安定化と表面処理技術・評価」(化学情報協会、2001年12月発行)の29〜46頁に詳しく記載されている。
アニオン性分散剤(アニオン性界面活性剤)としては、N−アシル−N−アルキルタウリン塩、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができる。なかでも、N−アシル−N−アルキルタウリン塩が好ましい。N−アシル−N−アルキルタウリン塩としては、特開平3−273067号公報に記載されているものが好ましい。これらアニオン性分散剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
カチオン性分散剤(カチオン性界面活性剤)には、四級アンモニウム塩、アルコキシル化ポリアミン、脂肪族アミンポリグリコールエーテル、脂肪族アミン、脂肪族アミンと脂肪族アルコールから誘導されるジアミンおよびポリアミン、脂肪酸から誘導されるイミダゾリンおよびこれらのカチオン性物質の塩が含まれる。これらカチオン性分散剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
両イオン性分散剤は、前記アニオン性分散剤が分子内に有するアニオン基部分とカチオン性分散剤が分子内に有するカチオン基部分を共に分子内に有する分散剤である。
ノニオン性分散剤(ノニオン性界面活性剤)としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステルなどを挙げることができる。なかでも、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルが好ましい。これらノニオン性分散剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
「顔料性分散剤」とは、親物質としての有機顔料から誘導され、その親構造を化学修飾することで製造される顔料性分散剤と定義する。例えば、糖含有顔料性分散剤、ピペリジル含有顔料性分散剤、ナフタレンまたはペリレン誘導顔料性分散剤、メチレン基を介して顔料親構造に連結された官能基を有する顔料性分散剤、ポリマーで化学修飾された顔料親構造、スルホン酸基を有する顔料性分散剤、スルホンアミド基を有する顔料性分散剤、エーテル基を有する顔料性分散剤、あるいはカルボン酸基、カルボン酸エステル基またはカルボキサミド基を有する顔料性分散剤などがある。
また、特開2000−239554号公報に記載の一般式(I)で表される化合物も好ましく用いられる。
有機顔料溶液と貧溶媒とを混合してナノ粒子を形成する際の分散剤の含有量は、顔料の均一分散性および保存安定性をより一層向上させるために、顔料100質量部に対して0.1〜1000質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜500質量部の範囲であり、さらに好ましくは10〜250質量部の範囲である。0.1質量部未満であると有機顔料微粒子の分散安定性の向上が見られない場合がある。
[有機ナノ粒子形成時の条件]
有機顔料を有機ナノ粒子として生成させる際の条件に特に制限はなく、常圧から亜臨界、超臨界条件の範囲を選択できる。常圧での温度は−30〜100℃が好ましく、−10〜60℃がより好ましく、0〜30℃が特に好ましい。
有機顔料溶液と貧溶媒との混合方法に特に制約はないが、一方を撹拌しておき、そこに他方を添加することが好ましく、有機顔料溶液を撹拌された貧溶媒に添加することが特に好ましい。添加にはポンプ等を用いることもできるし、用いなくてもよい。また、液中添加でも液外添加でもよいが、液中添加がより好ましい。液中添加の際の添加口は1つでもよいし、複数用いてもよい。添加口径は20mm以下であることが好ましく、10mm以下であることがより好ましい。
一方を撹拌する際の撹拌速度は100〜10000rpmが好ましく150〜8000rpmがより好ましく、200〜6000rpmが特に好ましい。
有機顔料溶液と貧溶媒の比(良溶媒/貧溶媒)は体積比で1/50〜2/3が好ましく、1/40〜1/2がより好ましく、1/20〜3/8が特に好ましい。
有機ナノ粒子として調製したのちの分散液の濃度は有機ナノ粒子を分散させることができれば特に制限されないが、分散溶媒1000mlに対してナノ粒子が10〜40000mgの範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜30000mgの範囲であり、特に好ましくは50〜25000mgの範囲である。
[有機ナノ粒子の粒径、単分散性]
有機ナノ粒子の粒径に関しては、計測法により数値化して集団の平均の大きさを表現する方法があるが、よく使用されるものとして、分布の最大値を示すモード径、積分分布曲線の中央値に相当するメジアン径、各種の平均径(数平均、長さ平均、面積平均、重量平均、体積平均等)などがあり、本発明においては、特に断りのない限り、粒径とは数平均径をいう。顔料微粒子(一次粒子)の粒径は(例えば、その大きさの結晶または会合体であり)、2〜100nmであ、5〜80nmであることが特に好ましい。
また、粒子の単分散性を表す指標として、本発明においては、特に断りのない限り、体積平均粒径(Mv)と数平均粒径(Mn)の比(Mv/Mn)を用いる。顔料分散組成物を製造する際に調製する有機ナノ粒子分散液に含まれる粒子(一次粒子)の単分散性、つまりMv/Mnは、1.0〜2.0であ、1.0〜1.8であることがより好ましく、1.0〜1.5であることが特に好ましい。
[有機ナノ粒子分散液の濃縮]
本発明のカラーフィルタを作製するにあたり、有機ナノ粒子分散液を、脱塩濃縮することによって、カラーフィルタ塗布液やインクジェット用インクに適した有機ナノ粒子分散液を工業的な規模で生産することが可能である。
以下に、分散液を濃縮する方法について説明する。
濃縮方法に関しては、有機ナノ粒子液を濃縮できれば特に制約されないが、例えば、有機ナノ粒子分散液に、抽出溶媒を添加混合し、有機ナノ粒子を該抽出溶媒相に濃縮抽出して、その濃縮抽出液をフィルタなどによりろ過して濃縮ナノ粒子液とする方法、遠心分離によって有機ナノ粒子を沈降させて濃縮する方法、限外ろ過により脱塩濃縮を行う方法、真空凍結乾燥により溶媒を昇華させて濃縮する方法、加熱ないし減圧による溶媒を乾燥させて濃縮する方法等が好ましい。またはこれらの組合せなどが非常に好ましく用いられる。
濃縮後の有機ナノ粒子濃度に関しては、1〜100質量%が好ましく、5〜100質量%がより好ましく、10〜100質量%が特に好ましい。
以下に、濃縮抽出する方法について説明する。この濃縮抽出に用いられる抽出溶媒は特に制約されないが、有機ナノ粒子分散液の分散溶媒(例えば、水系溶媒)と実質的に混じり合わず(本発明において、実質的に混じり合わずとは、相溶性が低いことをいい、溶解量50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい)、混合後、静置すると界面を形成する溶媒であることが好ましい。また、この抽出溶媒は、有機ナノ粒子が抽出溶媒中で再分散しうる弱い凝集(ミリングまたは高速攪拌などの高いせん断力を加えなくても再分散が可能である)を生ずる溶媒であることが好ましい。このような状態であれば、粒子サイズを変化させる強固な凝集を起こさず、目的の有機ナノ粒子を抽出溶媒で湿潤させる一方、フィルタろ過などにより容易に水などの分散溶媒を除去することができる点で好ましい。抽出溶媒としてはエステル系溶媒、アルコール系溶媒、芳香族系溶媒、脂肪族系溶媒が好ましく、エステル系溶媒、芳香族系溶媒または脂肪族系溶媒がより好ましく、エステル系溶媒が特に好ましい。
エステル系溶媒としては、例えば、2−(1−メトキシ)プロピルアセテート、酢酸エチル、乳酸エチルなどが挙げられる。アルコール系溶媒としては、例えば、n−ブタノール、イソブタノールなどが挙げられる。芳香族系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。脂肪族系溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどが挙げられる。また、抽出溶媒は上記の好ましい溶媒による純溶媒であっても、複数の溶媒による混合溶媒であってもよい。
抽出溶媒の量は有機ナノ粒子を抽出できれば特に制約されないが、濃縮して抽出することを考慮して有機ナノ粒子分散液より少量であることが好ましい。これを体積比で示すと、有機ナノ粒子分散液を100としたとき、添加される抽出溶媒は1〜100の範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜90の範囲であり、20〜80の範囲が特に好ましい。多すぎると濃縮化に多大な時間を要し、少なすぎると抽出が不十分で分散溶媒中にナノ粒子が残存する。
抽出溶媒を添加した後、分散液と十分に接触するように攪拌混合することが好ましい。攪拌混合は通常の方法を用いることができる。抽出溶媒を添加し混合するときの温度に特に制約はないが、1〜100℃であることが好ましく、5〜60℃であることがより好ましい。抽出溶媒の添加、混合はそれぞれの工程を好ましく実施できるものであればどのような装置を用いてもよいが、例えば、分液ロート型の装置を用いて実施できる。
限外ろ過による場合、例えばハロゲン化銀乳剤の脱塩/濃縮に用いられる方法を適用することができる。リサーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure)No.10208(1972)、No.13122(1975)およびNo.16351(1977)が知られている。操作条件として重要な圧力差や流量は、大矢春彦著「膜利用技術ハンドブック」幸書房出版(1978),p275に記載の特性曲線を参考に選定することができるが、目的の有機ナノ粒子分散物を処理する上では、粒子の凝集を抑えるために最適条件を見いだす必要がある。また、膜透過より損失する溶媒を補充する方法においては、連続して溶媒を添加する定容式と断続的に分けて添加する回分式とがあるが、脱塩処理時間が相対的に短い定容式が好ましい。こうして補充する溶媒には、イオン交換または蒸留して得られた純水を用いるが、純水の中に分散剤、分散剤の貧溶媒を混合してもよいし、有機ナノ粒子分散物に直接添加してもよい。
限外ろ過膜は、すでにモジュールとして組み込まれた平板型、スパイラル型、円筒型、中空糸型、ホローファイバー型などが旭化成(株)、ダイセル化学(株)、(株)東レ、(株)日東電工などから市販されているが、総膜面積や洗浄性の観点より、スパイラル型もしくは中空糸型が好ましい。また、膜を透過することができる成分のしきい値の指標となる分画分子量は、用いられる分散剤の分子量より決定する必要があるが、5,000以上50,000以下のものが好ましく、5,000以上15,000以下のものがより好ましい。
有機ナノ粒子分散液の分散溶媒と濃縮抽出液を分離するため、フィルタろ過することが好ましい。フィルタろ過の装置は、例えば、加圧ろ過のような装置を用いることができる。好ましいフィルタとしては、ナノフィルタ、ウルトラフィルタなどが挙げられる。フィルタろ過により、残された分散溶媒の除去を行い、濃縮抽出液中の有機ナノ粒子をさらに濃縮して濃縮ナノ粒子液とすることが好ましい。
凍結乾燥の方法は特に限定されず、当業者が利用可能な方法であればいかなるものを採用してもよい。例えば、冷媒直膨方法、重複冷凍方法、熱媒循環方法、三重熱交換方法、間接加熱凍結方法が挙げられるが、好ましくは冷媒直膨方法、間接加熱凍結方法、より好ましくは間接加熱凍結方法を用いるのがよい。いずれの方法においても、予備凍結を行なった後凍結乾燥を行なうことが好ましい。予備凍結の条件は特に限定されないが、凍結乾燥を行なう試料がまんべんなく凍結されている必要がある。
間接加熱凍結方法の装置としては、小型凍結乾燥機、FTS凍結乾燥機、LYOVAC凍結乾燥機、実験用凍結乾燥機、研究用凍結乾燥機、三重熱交換真空凍結乾燥機、モノクーリング式凍結乾燥機、HULL凍結乾燥機が挙げられるが、好ましくは小型凍結乾燥機、実験用凍結乾燥機、研究用凍結乾燥機、モノクーリング式凍結乾燥機、より好ましくは小型凍結乾燥機、モノクーリング式凍結乾燥機を用いるのがよい。
凍結乾燥の温度は特に限定されないが、例えば−190〜−4℃、好ましくは−120〜−20℃、より好ましくは−80〜−60℃程度である。凍結乾燥の圧力も特に限定されず、当業者が適宜選択可能であるが、例えば、0.1〜35Pa、好ましくは1〜15Pa、さらに好ましくは、5〜10Pa程度で行なうのがよい。凍結乾燥時間は、例えば2〜48時間、好ましくは6〜36時間、より好ましくは16〜26時間程度である。もっとも、これらの条件は当業者に適宜選択可能である。凍結乾燥方法については、例えば、製剤機械技術研究会編,「製剤機械技術ハンドブック」,地人書館,p.120−129(2000年9月);日本真空技術株式会社編,「真空ハンドブック」オーム社,p.328−331(1992年);伊藤孝治他,「凍結及び乾燥研究会会誌」No.15,p.82(1965)などを参照することができる。
以下に遠心分離について説明する。遠心分離による有機ナノ粒子の濃縮に用いられる遠心分離機は有機ナノ粒子分散液(または有機ナノ粒子濃縮抽出液)中の有機ナノ粒子を沈降させることができればどのような装置を用いてもよい。遠心分離機としては、例えば、汎用の装置の他にもスキミング機能(回転中に上澄み層を吸引し、系外に排出する機能)付きのものや、連続的に固形物を排出する連続遠心分離機などが挙げられる。
遠心分離条件は、遠心力(重力加速度の何倍の遠心加速度がかかるかを表す値)で50〜10000が好ましく、100〜8000がより好ましく、150〜6000が特に好ましい。遠心分離時の温度は、分散液の溶剤種によるが、−10〜80℃が好ましく、−5〜70℃がより好ましく、0〜60℃が特に好ましい。
以下に乾燥について説明する。減圧乾燥による有機ナノ粒子の濃縮に用いられる装置は有機ナノ粒子分散液(または有機ナノ粒子濃縮抽出液)の溶媒を蒸発させることができれば特に制限はない。例えば、汎用の真空乾燥器およびロータリーポンプや、液を撹拌しながら加熱減圧乾燥できる装置、液を加熱減圧した管中に通すことによって連続的に乾燥ができる装置等が挙げられる。
加熱減圧乾燥温度は30〜230℃が好ましく、35〜200℃がより好ましく、40〜180℃が特に好ましい。減圧時の圧力は、100〜100000Paが好ましく、300〜90000Paがより好ましく、500〜80000Paが特に好ましい。
上述のような濃縮方法によれば、有機ナノ粒子分散液から効率よく有機ナノ粒子を濃縮することができる。濃縮倍率に関しては、例えば、原料となる有機ナノ粒子分散液中のナノ粒子の濃度を1とすると、濃縮有機ナノ粒子ペーストにおける濃度を好ましくは100〜3000倍程度、より好ましくは500〜2000倍程度まで濃縮することができる。
[有機ナノ粒子分散液の再分散]
本発明のカラーフィルタを製造するにあたり、得られた有機ナノ粒子を濃縮し、バインダを含む有機溶媒中で再び微細分散化する(以下、再分散化ともいい、本発明において微細分散化とは分散液中の粒子の凝集を解き分散度を高めることをいう)。
カラーフィルタ用途においてはビヒクルに添加して分散させることができる。前記ビヒクルとは、塗料が液体状態にあるときに顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって前記顔料と結合して塗膜を固める部分(バインダ)と、これを溶解希釈する成分(有機溶媒)とを含む。なお本発明においては、ナノ粒子形成時に用いるバインダと再分散化に用いるバインダとが同じであっても異なっていてもよく、それぞれ、ナノ粒子形成バインダおよび再分散化バインダとして区別していうこともある。
再分散化後の顔料分散組成物の顔料濃度は目的に応じて適宜定められるが、好ましくは分散組成物全量に対して顔料が2〜30質量%であることが好ましく、4〜20質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることが特に好ましい。上記のようなビヒクルにより分散される場合に、バインダおよび溶解希釈成分の量は顔料の種類などにより適宜定められるが、顔料分散組成物全量に対して、バインダは1〜30質量%であることが好ましく、3〜20質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることが特に好ましい。溶解希釈成分は5〜80質量%であることが好ましく、10〜70質量%であることがより好ましい。
上述の濃縮抽出したナノ粒子液において、速やかなフィルタろ過を可能とする状態では、有機ナノ粒子は、通常、濃縮化により凝集を起こしている。また、遠心分離または乾燥により濃縮化した有機ナノ粒子も濃縮化による凝集をおこしている。
このような凝集ナノ粒子(本発明において、凝集ナノ粒子とは、凝集体などナノ粒子が二次的な力で集まっているものをいう。)を分散する方法として、例えば超音波による分散方法や物理的なエネルギーを加える方法を用いることができる。
用いられる超音波照射装置は10kHz以上の超音波を印加できる機能を有することが好ましく、例えば、超音波ホモジナイザー、超音波洗浄機などが挙げられる。超音波照射中に液温が上昇すると、ナノ粒子の熱凝集が起こるため、液温を1〜100℃とすることが好ましく、5〜60℃がより好ましい。温度の制御方法は、分散液温度の制御、分散液を温度制御する温度調整層の温度制御、などによって行うことができる。
物理的なエネルギーを加えて濃縮した有機ナノ粒子を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、ニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の分散機が挙げられる。
<1>分散の方式
本発明において組成物の好ましい製造方法としては、着色剤を樹脂成分で混練分散処理後の25℃における粘度が好ましくは10,000mPa・s以上、より好ましくは100,000mPa・s以上の比較的高粘度になるように混練分散処理し、次いで溶剤を添加して、微分散処理後の粘度が好ましくは1,000mPa・s以下、より好ましくは100mPa・s以下の比較的低粘度になるように微分散処理する方法が好ましい。
混練分散処理で使用する機械は二本ロール、三本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸および2軸の押出機等であり、強い剪断力を与えながら分散する。次いで、溶剤を加えて、主として縦型若しくは横型のサンドグラインダー、ピンミル、スリットミル、超音波分散機、高圧分散機等を使用し、0.1〜1mmの粒径のガラス、ジルコニア等でできたビーズで微分散処理する。さらに0.1mm以下の微小粒子ビーズを用いて精密分散処理をすることもできる。尚、混練分散処理を省くことも可能である。その場合には、顔料と分散剤若しくは表面処理剤と、本発明におけるアクリル系共重合体および溶剤でビーズ分散を行う。
また主顔料と補顔料を別々に分散処理した後、両者の分散液を混合して更に分散処理を加えたり、主顔料と補顔料をいっしょに分散処理することも可能である。
尚、混練、分散についての詳細はT.C. Patton著“Paint Flow and ピグメント Dispersion”(1964年 John Wiley and Sons社刊)等にも記載されており、この方法を用いてもよい。
<2>分散剤の例
本発明において、顔料の分散性を向上させる目的で通常の顔料分散剤や界面活性剤を添加することが出来る。これらの分散剤としては、多くの種類の化合物が用いられるが、例えば、フタロシアニン誘導体(市販品EFKA−6745(商品名、エフカ社製))、ソルスパース5000(商品名、ゼネカ(株)製);オルガノシロキサンポリマーKP341(商品名、信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(いずれも商品名、共栄社油脂化学工業(株)製)、W001(商品名、裕商社製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(裕商社製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(いずれも商品名、森下産業(株)製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(いずれも商品名、サンノプコ社製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(商品名、ゼネカ(株)製);アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P−123(旭電化(株)製)およびイソネットS−20(商品名、三洋化成(株)製)が挙げられる。また、2000−239554号公報に記載の顔料分散剤や、特公平5−72943号公報に記載の化合物(C)や、特開2001−31885号公報に記載の合成例1の化合物なども好適に用いることができる。
再分散時に有機ナノ粒子形成時に用いる分散剤として[有機ナノ粒子形成時の分散剤]に示した化合物を再度用いることも好ましい。
本発明のカラーフィルタを形成するための顔料分散組成物においては、再分散後の有機ナノ粒子(一次粒子)を微細分散化した粒子とすることができ、粒径を好ましくは1〜200nmとすることができ、2〜100nmがより好ましく、5〜50nmが特に好ましい。また、再分散後の粒子のMv/Mnは、1.0〜2.0であることが好ましく、1.0〜1.8であることがより好ましく、1.0〜1.5であることが特に好ましい。
本発明において顔料分散組成物、着色感光性樹脂組成物に含まれる顔料粒子は、ナノメートルサイズ(例えば、10〜100nm)という微小な粒径にもかかわらず、目的とした粒子サイズで有機ナノ粒子が濃縮再分散化されている。このため、カラーフィルタに用いたときには、光学濃度が高く、フィルタ表面の均一性に優れ、コントラストが高く、かつ画像のノイズを少なくすることができる。
さらに、本発明において顔料分散組成物、着色感光性組成物に含まれる有機顔料の粒子は、高度に、また均一に、微細化した状態で分散させられているため、薄い膜厚さで、高い着色濃度を発揮し、例えばカラーフィルタ等の薄層化を可能とするものである。
また本発明において顔料分散組成物、着色感光性樹脂組成物は、鮮明な色調と高い着色力とを示す顔料を含有させることで、カラーフィルタを作製するための画像形成材料として有用である。
さらに、着色画像形成時の露光・現像に用いられるアルカリ性の現像液に対して、本発明において顔料分散組成物、着色感光性樹脂組成物には、結合剤(バインダ)としてアルカリ性水溶液に可溶なものを用いることができ、環境上の要求にも応えることができる。
また本発明において顔料分散組成物、着色感光性樹脂組成物に用いられる溶媒(顔料の分散媒)として適度な乾燥性を有する有機溶媒を用いることができ、塗布後の乾燥の点でもその要求を満足することができる。
[着色感光性樹脂組成物]
本発明のカラーフィルタを製造する際用いられる着色感光性樹脂組成物は、少なくとも、(a)有機顔料溶液を貧溶媒に混入してナノ粒子として生成させた顔料微粒子、(b)バインダ、(c)モノマーもしくはオリゴマー、および(d)光重合開始剤もしくは光重合開始剤系を含み、(1)バインダ(A)の存在下において良溶媒に溶解したピロロピロール系顔料の溶液と、該溶媒と相溶する貧溶媒とを混合し、該有機顔料を粒径1μm以下の粒子として形成した有機ナノ粒子と、(2)バインダ(B)と、(3)モノマー又はオリゴマーと、(4)光重合開始剤又は光重合開始剤系とを含有することが好ましい。ただし(A)と(B)は同じであっても異なっていてもよい。以下に上記(1)〜(4)の成分について説明する。
(1)有機ナノ粒子
有機ナノ粒子を作製する方法については既に詳細に述べた。有機ナノ粒子の含有量は、着色感光性樹脂組成物中の全固形分(本発明において、全固形分とは、有機溶媒を除く組成物合計をいう。)に対し、3〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、25〜60質量%がさらに好ましい。この量が多すぎると分散液の粘度が上昇し製造適性上問題になることがある。少なすぎると着色力が十分でない。着色剤として機能する有機ナノ粒子(顔料粒子)としては、粒径0.1μm以下、特には粒径0.08μm以下であることが好ましい。また、調色のために通常の顔料と組み合わせて用いてもよい。顔料は上記で記述したものを用いることができる。
(2)バインダ
再分散化に用いられる再分散化バインダとしては、酸性基を有するものが好ましく、上記[バインダ]の項で述べたものを好ましく用いることができ、有機顔料粒子形成時に添加したナノ粒子形成アルカリ可溶性バインダと類似の構造をもつ化合物が好ましく、両者が同一であることが最も好ましい。再分散化アルカリ可溶性バインダの含有量は(ナノ粒子形成アルカリ可溶性バインダが残留している場合はそれとの合計含有量としてもよい)、着色感光性樹脂組成物の全固形分に対して15〜50質量%が一般的であり、20〜45質量%が好ましい。この量が多すぎると組成物の粘度が高くなりすぎ製造適性上問題となる。少なすぎると塗布膜の形成上問題がある。
(3)モノマー又はオリゴマー
着色感光性樹脂組成物に含有させるモノマー又はオリゴマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合するモノマー又はオリゴマーであることが好ましい。そのようなモノマー及びオリゴマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。その例としては、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。また、特開平10−62986号公報に一般式(1)および(2)に記載のように、多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化した化合物も好適なものとして挙げられる。
更に特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報及び特開昭51−37193号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報及び特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレー卜やメタクリレートを挙げることができる。
これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとして挙げることができる。
これらのモノマー又はオリゴマーは(モノマー又はオリゴマーとしては、分子量200〜1000のものが好ましい。)、単独でも、二種類以上を混合して用いてもよく、着色感光性樹脂組成物の全固形分に対する含有量は5〜50質量%が一般的であり、10〜40質量%が好ましい。この量が多すぎると現像性の制御が困難になり製造適性上問題となる。少なすぎると露光時の硬化力が不足する。
(4)光重合開始剤又は光重合開始剤系
着色感光性樹脂組成物に含有させる光重合開始剤又は光重合開始剤系(本発明において、光重合開始剤系とは複数の化合物の組み合わせで光重合開始の機能を発現する混合物をいう。)としては、米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール二量体とp−アミノケトンの組み合わせ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げることができる。特に、トリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾール及びトリアリールイミダゾール二量体が好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」や、オキシム系として、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、O−ベンゾイル−4’−(ベンズメルカプト)ベンゾイル−ヘキシル−ケトキシム、2,4,6−トリメチルフェニルカルボニル−ジフェニルフォスフォニルオキサイド、ヘキサフルオロフォスフォロ−トリアルキルフェニルホスホニウム塩等も好適なものとしてあげることができる。
これらの光重合開始剤又は光重合開始剤系は、単独でも、2種類以上を混合して用いてもよいが、特に2種類以上を用いることが好ましい。少なくとも2種の光重合開始剤を用いると、表示特性、特に表示のムラが少なくできる。
着色感光性樹脂組成物の全固形分に対する光重合開始剤又は光重合開始剤系の含有量は、0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。この量が多すぎると感度が高くなりすぎ制御が困難になる。少なすぎると露光感度が低くなりすぎる。
(その他の添加剤)
〔溶媒〕
着色感光性樹脂組成物においては、上記成分の他に、更に有機溶媒を用いてもよい。有機溶媒の例としては、特に限定されないが、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、等;ケトン類、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレシ等が挙げられる。これら溶剤のうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が本発明における溶剤として好ましく用いられる。これらの溶剤は、単独で用いてもあるいは2種以上組み合わせて用いてもよい。
また沸点が180℃〜250℃である溶剤を必要によって使用することができる。これらの高沸点溶剤としては、次のものが例示される。ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、ブチルラクテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール−n−プロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、2−エチルヘキシルアセテート、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、γブチルラクトン、トリプロピレングリコールメチルエチルアセテート、ジプロピレングリコール−n−ブチルアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテルアセテート、1,3−ブタンジオールジアセテート。
溶媒の含有量は、樹脂組成物全量に対して10〜95質量%が好ましい。
〔界面活性剤〕
従来用いられてきたカラーフィルタにおいては、高い色純度を実現するために各画素の色が濃くなり、画素の膜厚のムラが、そのまま色ムラとして認識されるという問題があった。そのため、画素の膜厚に直接影響する、感光性樹脂層の形成(塗布)時の、膜厚変動の良化が求められていた。
本発明のカラーフィルタにおいては、均一な膜厚に制御でき、塗布ムラ(膜厚変動による色ムラ)を効果的に防止するという観点から、該着色感光性樹脂組成物中に適切な界面活性剤を含有させることが好ましい。
上記界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。界面活性剤の含有量は、樹脂組成物全量に対して5質量%以下が好ましい。
〔熱重合防止剤〕
着色感光性樹脂組成物は、熱重合防止剤を含むことが好ましい。該熱重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン等が挙げられる。熱重合防止剤の含有量は、樹脂組成物全量に対して1質量%以下が好ましい。
〔補助的に使用する染料、顔料〕
着色感光性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じ前記着色剤(顔料)に加えて、着色剤(染料、顔料)を添加することができる。着色剤のうち顔料を用いる場合には、着色感光性樹脂組成物中に均一に分散されていることが望ましく、そのため粒径が0.1μm以下、特には0.08μm以下であることが好ましい。
染料ないし顔料としては、具体的には、前記顔料として、特開2005−17716号公報[0038]〜[0040]に記載の色材や、特開2005−361447号公報[0068]〜[0072]に記載の顔料や、特開2005−17521号公報[0080]〜[0088]に記載の着色剤を好適に用いることができる。補助的に使用する染料もしくは顔料の含有量は、樹脂組成物全量に対して5質量%以下が好ましい。
〔紫外線吸収剤〕
着色感光性樹脂組成物には、必要に応じて紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤としては、特開平5−72724号公報記載の化合物のほか、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系などが挙げられる。
具体的には、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2,2’−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ニッケルジブチルジチオカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピリジン)−セバケート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、サルチル酸フェニル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮合物、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリデニル)−エステル、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、7−{[4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−5−トリアジン−2−イル]アミノ}−3−フェニルクマリン等が挙げられる。紫外線吸収剤の含有量は、樹脂組成物全量に対して5質量%以下が好ましい。
また、着色感光性樹脂組成物においては、上記添加剤の他に、特開平11−133600号公報に記載の「接着助剤」や、その他の添加剤等を含有させることができる。
<着色感光性樹脂組成物の塗布膜>
本発明のカラーフィルタに用いられる着色感光性樹脂組成物の塗布膜における、含有成分については、既に[着色感光性樹脂組成物]の項において記載したものと同様である。また、着色感光性樹脂組成物の塗布膜の厚さは、その用途により適宜定めることができるが、0.5〜5.0μmであることが好ましく、1.0〜3.0μmであることがより好ましい。この着色感光性樹脂組成物の塗布膜においては、そこに含まれる(3)モノマー又はオリゴマーを重合させて着色感光性樹脂組成物の重合膜とし、それを有するカラーフィルタを作製することができる(カラーフィルタの作製については後述する。)。重合性モノマー又は重合性オリゴマーの重合は、光照射により(4)光重合開始剤又は光重合開始剤系を作用させて行うことができる。
(スリット状ノズル)
尚、上記塗布膜は、着色感光性樹脂組成物を、通常の塗布方法により塗布し乾燥することによって形成することができるが、本発明においては、液が吐出する部分にスリット状の穴を有するスリット状ノズルによって塗布することが好ましい。具体的には、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報等に記載のスリット状ノズル、及びスリットコータが好適に用いられる。
着色感光性樹脂組成物の基板への塗布方法は、1〜3μmの薄膜を均一に高精度に塗布できるという点からスピン塗布が優れており、カラーフィルタの作製に広く一般的に用いることができる。しかし、近年においては、液晶表示装置の大型化および量産化に伴って、製造効率および製造コストをより高めるために、スピン塗布よりも広幅で大面積な基板の塗布に適したスリット塗布がカラーフィルタの作製に採用されるようになってきている。尚、省液性という観点からもスリット塗布はスピン塗布よりも優れており、より少ない塗布液量で均一な塗膜を得ることができる。
スリット塗布は、先端に幅数十ミクロンのスリット(間隙)を有し且つ矩形基板の塗布幅に対応する長さの塗布ヘッドを、基板とのクリアランス(間隙)を数10〜数100ミクロンに保持しながら、基板と塗布ヘッドとに一定の相対速度を持たせて、所定の吐出量でスリットから供給される塗布液を基板に塗布する塗布方式である。このスリット塗布は、(1)スピン塗布に比して液ロスが少ない、(2)塗布液の飛びちりがないため洗浄処理が軽減される、(3)飛び散った液成分の塗布膜への再混入がない、(4)回転の立ち上げ停止時間がないのでタクトタイムが短縮化できる、(5)大型の基板への塗布が容易である、等の利点を有する。これらの利点から、スリット塗布は大型画面液晶表示装置用のカラーフィルタの作製に好適であり、塗布液量の削減にとっても有利な塗布方式として期待されている。
スリット塗布は、スピン塗布よりも遥かに大面積の塗布膜を形成するため、幅の広いスリット出口から塗布液を吐出する際、コーターと被塗布物との間にある程度の相対速度を保つ必要がある。このため、スリット塗布方式に用いる塗布液には良好な流動性が求められる。また、スリット塗布には、塗布ヘッドのスリットから基板に供給される塗布液の諸条件を、塗布幅全般に渡って一定に保持することが特に求められる。塗布液の流動性や粘弾性特性等の液物性が不充分であると、塗布ムラが生じやすく、塗布幅方向に塗布厚を一定に保つのが困難になり、均一な塗布膜を得ることができないという問題が生じてしまう。
これらのことから、ムラがなく均一な塗布膜を得るために塗布液の流動性や粘弾性特性を改良しようとする試みが多くなされている。しかし、上述したようにポリマーの分子量を低下させたり、溶剤への溶解性に優れたポリマーを選択したり、蒸発速度をコントロールするために溶剤を種々選択したり、界面活性剤を利用するなどの手段が提案されているが、いずれも上記の諸問題を改良するには充分ではなかった。
<感光性樹脂転写材料>
次に、本発明のカラーフィルタの製造に用いられる感光性樹脂転写材料について説明する。
感光性樹脂転写材料は、特開平5−72724号公報に記載されている感光性樹脂転写材料、すなわち一体型となったフィルムを用いて形成することが好ましい。該一体型フィルムの構成の例としては、仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光性樹脂層/保護フィルムを、この順に積層した構成が挙げられ、感光性樹脂転写材料としては、前述の着色感光性樹脂組成物を用いることによって感光性樹脂を設けたものが好ましい。
(仮支持体)
感光性樹脂転写材料において、仮支持体としては、可撓性を有し、加圧、若しくは加圧及び加熱下においても著しい変形、収縮若しくは伸びを生じないものであることが好ましい。そのような仮支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等を挙げることができ、中でも2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
(熱可塑性樹脂層)
熱可塑性樹脂層に用いる成分としては、特開平5−72724号公報に記載されている有機高分子物質が好ましく、ヴイカーVicat法(具体的にはアメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法)による軟化点が約80℃以下の有機高分子物質より選ばれることが特に好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニル或いはそのケン化物の様なエチレン共重合体、エチレンとアクリル酸エステル或いはそのケン化物、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニル及びそのケン化物の様な塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロンの様なポリアミド樹脂等の有機高分子が挙げられる。
(中間層)
感光性樹脂転写材料においては、複数の塗布層の塗布時、及び塗布後の保存時における成分の混合を防止する目的から、中間層を設けることが好ましい。該中間層としては、特開平5−72724号公報に「分離層」として記載されている、酸素遮断機能のある酸素遮断膜を用いることが好ましく、この場合、露光時感度がアップし、露光機の時間負荷が減り、生産性が向上する。
該酸素遮断膜としては、低い酸素透過性を示し、水又はアルカリ水溶液に分散又は溶解するものが好ましく、通常のものの中から適宜選択することができる。これらの内、特に好ましいのは、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの組み合わせである。
(保護フィルム)
感光性樹脂層の上には、貯蔵の際の汚染や損傷から保護するために薄い保護フィルムを設けることが好ましい。保護フィルムは仮支持体と同じか又は類似の材料からなってもよいが、感光性樹脂層から容易に分離されねばならない。保護フィルム材料としては例えばシリコーン紙、ポリオレフィン若しくはポリテトラフルオロエチレンシートが適当である。
(感光性樹脂転写材料の作製方法)
感光性樹脂転写材料は、仮支持体上に熱可塑性樹脂層の添加剤を溶解した塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布し、乾燥することにより熱可塑性樹脂層を設け、その後熱可塑性樹脂層上に熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤からなる中間層材料の溶液を塗布、乾燥し、その後感光性樹脂層を、中間層を溶解しない溶剤で塗布、乾燥して設けることにより作製することができる。
また、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層及び中間層を設けたシート、及び保護フィルム上に感光性樹脂層を設けたシートを用意し、中間層と感光性樹脂層が接するように相互に貼り合わせることによっても、更には、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層を設けたシート、及び保護フィルム上に感光性樹脂層及び中間層を設けたシートを用意し、熱可塑性樹脂層と中間層が接するように相互に貼り合わせることによっても、作製することができる。
感光性樹脂転写材料において、感光性樹脂層の膜厚としては、1.0〜5.0μmが好ましく、1.0〜4.0μmがより好ましく、1.0〜3.0μmが特に好ましい。また、特に限定されるわけではないが、その他の各層の好ましい膜厚としては、仮支持体は15〜100μm、熱可塑性樹脂層は2〜30μm、中間層は0.5〜3.0μm、保護フィルムは4〜40μmが、一般的に好ましい。
尚、上記作製方法における塗布は、通常の塗布装置等によって行うことができるが、本発明においては、既に<着色感光性樹脂組成物の塗布膜>の項において説明した、スリット状ノズルを用いた塗布装置(スリットコータ)によって行うことが好ましい。スリットコータの好ましい具体例等は、前記と同様である。
<カラーフィルタ及びカラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタは、色再現域が広く、透過率が高く、かつ、耐光性・耐熱性に優れていることが特徴である。
本発明のカラーフィルタは、テレビ用として用いる場合は、C光源による、レッド(R)、グリーン(G)、及びブルー(B)のそれぞれ全ての単色の色度が、下表に記載の値(以下、本発明において「目標色度」という。)との差(ΔE)で5以内の範囲であることが好ましく、更に3以内であることがより好ましく、2以内であることが特に好ましい。
x y Y
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
R 0.654 0.331 19.5
G 0.275 0.603 50.7
B 0.137 0.102 18.1
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
本発明において色度は、顕微分光光度計(オリンパス光学社製;OSP100又は200)により測定し、C光源視野2度の結果として計算して、xyz表色系のxyY値で表す。また、目標色度との差は、La**表色系の色差で表す。
本発明のカラーフィルタはC光源を用いた時の色度が、xが0.15以下でかつyが0.12以下である青色画素を有する。xは0.14以下が好ましく、yは0.11以下が好ましい。また、Yは17.0以上であることが好ましく、18.0以上であることがより好ましい。
(感光性樹脂層)
本発明のカラーフィルタは、基板上に感光性樹脂層を形成し、露光して現像することを色の数だけ繰り返す方法などの方法によって製造することができる。尚、必要に応じて、その境界を、遮光性を有する隔壁(ブラックマトリックス)で区分した構造とすることもできる。
上記の製造方法において、基板上に上記感光性樹脂層を形成する方法としては、(a)上記の各着色感光性樹脂組成物を通常の塗布装置等によって塗布する方法、及び(b)前述の感光性樹脂転写材料を用い、ラミネーターによって貼り付ける方法などが挙げられる。
(a)塗布装置による塗布
本発明のカラーフィルタを製造する際、着色感光性樹脂組成物の塗布には、通常の塗布装置を用いることができるが、中でも特に、既に<着色感光性樹脂組成物の塗布膜>の項において説明した、スリットコータを好適に用いることができる。尚、スリットコータの好ましい具体例等は、前記と同様である。感光性樹脂層を塗布により形成する場合、その膜厚としては、1.0〜3.0μmが好ましく、1.0〜2.5μmがより好ましく、1.5〜2.5μmが特に好ましい。
(b)ラミネーターによる貼り付け
前記の感光性樹脂転写材料を用い、フィルム状に形成した感光性樹脂層を、後述する基板上に、加熱及び/又は加圧した、ローラー又は平板で、圧着又は加熱圧着することによって、貼り付けることができる。具体的には、特開平7−110575号公報、特開平11−77942号公報、特開2000−334836号公報、特開2002−148794号公報に記載のラミネーター及びラミネート方法が挙げられるが、低異物の観点で、特開平7−110575号公報に記載の方法を用いるのが好ましい。尚、感光性樹脂層を前記の感光性樹脂転写材料により形成する場合の、その好ましい膜厚は、<感光性樹脂転写材料>の項において記載した好ましい膜厚と同様である。
(基板)
本発明において、カラーフィルタが形成される基板としては、例えば、透明基板が用いられ、表面に酸化ケイ素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板等の公知のガラス板、或いは、プラスチックフィルム等を挙げることができる。
また、上記基板は、予めカップリング処理を施しておくことにより、着色感光性樹脂組成物、又は感光性樹脂転写材料との密着を良好にすることができる。該カップリング処理としては、特開2000−39033号公報記載の方法が好適に用いられる。尚、特に限定されるわけではないが、基板の膜厚としては、700〜1200μmが一般的に好ましく、500〜1100μmが特に好ましい。
(酸素遮断膜)
本発明のカラーフィルタは、感光性樹脂層を、着色感光性樹脂組成物の塗布によって形成する場合において、該感光性樹脂層上に更に酸素遮断膜を設けることができ、これにより、露光感度をアップすることができる。該酸素遮断膜としては、既に<感光性樹脂転写材料>の(中間層)の項において説明したものと同様のものが挙げられる。尚、特に限定されるわけではないが、酸素遮断膜の膜厚としては、0.5〜3.0μmが一般的に好ましい。
(露光及び現像)
上記基板上に形成された感光性樹脂層の上方に所定のマスクを配置し、その後該マスク、熱可塑性樹脂層、及び中間層を介してマスク上方から露光し、次いで現像液による現像を行う、という工程を色の数だけ繰り返すことにより、本発明のカラーフィルタを得ることができる。
ここで、前記露光の光源としては、感光性樹脂層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できるものであれば適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。露光量としては、通常5〜200mJ/cm2程度であり、好ましくは10〜100mJ/cm2程度である。
また、前記現像液としては、特に制約はなく、特開平5−72724号公報に記載のものなど、通常の現像液を使用することができる。尚、現像液は感光性樹脂層が溶解型の現像挙動をするものが好ましく、例えば、pKa=7〜13の化合物を0.05〜5mol/Lの濃度で含むものが好ましいが、更に水と混和性を有する有機溶剤を少量添加してもよい。
水と混和性を有する有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。該有機溶剤の濃度は0.1質量%〜30質量%が好ましい。
また、上記現像液には、更に通常の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の濃度は0.01質量%〜10質量%が好ましい。
現像の方式としては、パドル現像、シャワー現像、シャワー&スピン現像、ディップ現像等の方法を用いることができる。
ここで、上記シャワー現像について説明すると、露光後の感光性樹脂層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、未硬化部分を除去することができる。尚、現像の前に感光性樹脂層の溶解性が低いアルカリ性の液をシャワーなどにより吹き付け、熱可塑性樹脂層、中間層などを除去しておくことが好ましい。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。
現像液の液温度は20℃〜40℃が好ましく、また、現像液のpHは8〜13が好ましい。
尚、本発明のカラーフィルタを製造する際、特開平11−248921号公報、特許3255107号公報に記載のように、カラーフィルタを形成する着色感光性樹脂組成物を重ねることで土台を形成し、その上に透明電極を形成し、更に分割配向用の突起を重ねることでスペーサを形成することが、コストダウンの観点で好ましい。
着色感光性樹脂組成物を順次塗布して重ねる場合は、塗布液のレベリングのため重ねるごとに膜厚が薄くなってしまう。このため、K(ブラック)・R・G・Bの4色を重ね、更に分割配向用突起を重ねることが好ましい。一方、熱可塑性樹脂層を有する転写材料を用いる場合は、厚みが一定に保たれるため、重ねる色は3又は2色とすることが好ましい。
また上記土台のサイズは、転写材料を重ねてラミネートする際の感光性樹脂層の変形を防止し一定の厚みを保持する観点から、25μm×25μm以上が好ましく、30μm×30μm以上が特に好ましい。
<液晶表示装置>
本発明のカラーフィルタは液晶表示装置に好ましく適用できる。液晶表示装置の作製方法は特に限定されないが、例えば特開2002−372710号公報などの記載を参照して作製することができる。
本発明のカラーフィルタを用いた液晶表示装置は、色再現域が広く色純度が高い。また、透過率(白色輝度)が高くディスプレイを明るく表示できる。さらに、耐光性・耐熱性などの耐久性に優れる。ノートパソコン用ディスプレイやテレビモニター等の大画面の液晶表示装置等としても好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、以下の実施例において「部」とは「質量部」を表し、「%」は「質量%」を表し、「分子量」は「重量平均分子量」を表す。
実施例1
[A]顔料分散組成物の作製
(1)顔料分散組成物Aの作製(ピグメントブルー15:6の再沈処理分散物)
(1−1)ペースト状の濃縮顔料液Aの作製
ジメチルスルホキシド100mlに、ナトリウムメトキシド28%メタノール溶液3.3ml、顔料(C.I.ピグメントブルー15:6)6000mg、ポリビニルピロリドン6000mg、EFKA−6745(商品名、EFKA ADDITIVES B.V.社製)300mg、ディスパロンDA−725(商品名、楠本化成(株)製)300mgを添加し、顔料溶液Aを調製した。
これとは別に貧溶媒として、1mol/L塩酸4.3mlを含有した水1000mlを用意した。
ここで、1℃に温度コントロールし、GK−0222−10型ラモンドスターラー(商品名、藤沢薬品工業社製)により500rpmで攪拌した貧溶媒の水1000mlに、NP−KX−500型大容量無脈流ポンプ(商品名、日本精密化学社製)を用いて、顔料溶液Aを流速50ml/minで200ml混入することにより、ナノ顔料粒子を形成し顔料分散液Aを調製した。この顔料分散液Aに含まれる顔料微粒子について、ナノトラックUPA−EX150(商品名、日機装社製)を用いて、その粒径、単分散度を測定したところ、数平均粒径36nm、Mv/Mn1.29であった。
調製した顔料分散液A(ナノ顔料濃度約0.5質量%)に、500mlの2−(1−メトキシ)プロピルアセテートを加えて25℃で10分間、500rpmで攪拌した後1日静置して、ナノ顔料を2−(1−メトキシ)プロピルアセテート相に抽出し、濃縮抽出液とした。
ナノ顔料を抽出した濃縮抽出液を、FP−010型フィルタ(商品名、住友電工ファインポリマ社製)を用いてろ過することにより、ペースト状の濃縮顔料液A(ナノ顔料濃度35質量%)を得た。
(1−2)顔料分散組成物Aの作製
前記のペースト状の濃縮顔料液Aを用いて下記組成の組成物を調製し、これをモーターミルM−50(商品名、アイガー・ジャパン社製)により、直径0.65mmのジルコニアビーズを用いて周速9m/sで1時間分散し、顔料分散組成物Aを調製した。
<顔料分散組成物A>
・ペースト状の濃縮顔料液A(C.I.ピグメントブルー15:6) 18.6部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3.8万) 13部
・EFKA−6745 0.5部
(商品名、EFKA ADDITIVES B.V.社製)
・ディスパロンDA−725(商品名、楠本化成(株)製) 0.63部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 57.27部
(2)顔料分散組成物Bの作製(ピグメントバイオレット23の再沈処理分散物)
(2−1)ペースト状の濃縮顔料液Bの作製
ジメチルスルホキシド100mlに、ナトリウムメトキシド28%メタノール溶液3.3ml、顔料(C.I.ピグメントバイオレット23(Hostaperm Violet RL−NF、商品名、クラリアントジャパン(株)製))6000mg、ポリビニルピロリドン6000mg、下記顔料分散剤Aを600mg添加し、10気圧に加圧して、顔料溶液Bを調製した。
Figure 0004774316
顔料溶液Aを顔料溶液Bに変更したこと以外は(1−1)と同様にして顔料分散液Bを調製した。粒径、単分散度を測定したところ、数平均粒径36nm、Mv/Mn1.29であった。さらに(1−1)と同様にして、ペースト状の濃縮顔料液B(ナノ顔料濃度35質量%)を調製した。
(2−2)顔料分散組成物Bの作製
前記のペースト状の濃縮顔料液Bを用いて下記組成の組成物を調製したこと以外は(1−2)と同様にして顔料分散組成物Bを調製した。
<顔料分散組成物B>
・ペースト状の濃縮顔料液B(C.I.ピグメントバイオレット23) 15部
・顔料分散剤A 2.3部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 74.7部
(3)顔料分散組成物Cの作製(ピグメントバイオレット23の分散物)
下記の組成物を、モーターミルM−50(アイガー・ジャパン(株)製)と、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで27時間分散し、顔料分散組成物Cを調製した。
<顔料分散組成物C>
・C.I.ピグメントバイオレット23 15部
(Hostaperm Violet RL-NF、商品名、クラリアントジャパン(株)製)
・顔料分散剤A 2.3部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 74.7部
[B]カラーフィルタの作製(スリット状ノズルを用いた塗布による作製)
(1)ブラック(K)画像の形成
(1−1)着色感光性樹脂組成物K1の作製
着色感光性樹脂組成物K1は、まず下記表1に記載の量のK顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量のメチルエチルケトン、バインダ2、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpmで30分間攪拌することによって得た。
Figure 0004774316
尚、表1に記載の組成物のうち、下記成分についてその組成を以下に示した。
<K顔料分散物1>
・カーボンブラック 13.1部
(Nipex 35、商品名、デグサ ジャパン(株)製)
・顔料分散剤A 0.65部
・ポリマー 6.72部
(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比の
ランダム共重合物、分子量3.7万)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53部
<バインダ2>
・ポリマー 27部
(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比の
ランダム共重合物、分子量3.8万)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73部
<DPHA液>
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 76部
(KAYARAD DPHA、商品名、日本化薬(株)製、
重合禁止剤MEHQ 500ppm含有)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24部
<界面活性剤1>
・下記化合物1 30部
・メチルエチルケトン 70部
Figure 0004774316
(1−2)ブラック(K)画像の形成
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。該基板を120℃で3分熱処理して表面状態を安定化させた。
該基板を冷却し23℃に温調後、スリット状ノズルを有すガラス基板用コーター(MH−1600、商品名、エフ・エー・エス・アジア社製)にて、着色感光性樹脂組成物K1を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置;東京応化工業(株)製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性を無くした後、120℃3分間プリベークして膜厚2.4μmの感光性樹脂層K1を得た。
超高圧水銀灯を有するプロキシミティ型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該感光性樹脂層の間の距離を200μmに設定し、露光量300mJ/cm2でパターン露光した。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、該感光性樹脂層K1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)にて23℃で80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残留物除去を行い、ブラック(K)の画像Kを得た。引き続き、220℃で30分間熱処理した。
(2)レッド(R)画素の形成
(2−1)着色感光性樹脂組成物R1の作製
着色感光性樹脂組成物R1は、まず下記表2に記載の量のR顔料分散物1、R顔料分散物2、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、次いで、表2に記載の量のメチルエチルケトン、バインダ1、DPHA液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、フェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)でこの順に添加して150rpmで30分間攪拌し、更に、表2に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30rpmで5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得た。
Figure 0004774316
尚、表2に記載の組成物のうち、下記成分についてその組成を以下に示した。また、R顔料分散物1は前記[A]項の顔料分散組成物Aと同様にして得たものであり、その組成が下記質量部となるようにして調製したものである。
<R顔料分散物1>
・C.I.ピグメントレッド254 8部
(Irgaphor Red B−CF、商品名、チバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ(株)製)
・顔料分散剤A 0.8部
・ポリマー 8部
(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比の
ランダム共重合物、重量平均分子量3.7万)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 83.2部
<R顔料分散物2>
・C.I.ピグメントレッド177 18部
(Cromophtal Red A2B、商品名、チバ・スペ
シャルティ・ケミカルズ(株)製)
・ポリマー 12部
(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比の
ランダム共重合物、分子量3万)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 70部
<バインダ1>
・ポリマー 27部
(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート
=38/25/37モル比のランダム共重合物、分子量4万)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73部
(2−2)レッド(R)画素の形成
前記画像Kを形成した基板に、着色感光性樹脂組成物R1を用い、前記ブラック(K)画像の形成と同様の工程で、熱処理済み画素Rを形成した。
該感光性樹脂層R1の膜厚、並びに顔料(C.I.ピグメントレッド254及びC.I.ピグメントレッド177)の塗布量を以下に示す。
感光性樹脂膜厚(μm) 1.60
顔料塗布量(g/m2) 1.00
C.I.ピグメントレッド254塗布量(g/m2) 0.8
C.I.ピグメントレッド177塗布量(g/m2) 0.2
(3)グリーン(G)画素の形成
(3−1)着色感光性樹脂組成物G1の作製
着色感光性樹脂組成物G1は、まず下記表3に記載の量のG顔料分散物1、Y顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、次いで、表3に記載の量のメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、バインダ2、DPHA液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、フェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)でこの順に添加して150rpmで30分間攪拌し、更に、表3に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30rpmで5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得た。
Figure 0004774316
尚、表3に記載の組成物のうち、G顔料分散物1は「GT−2」(商品名、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を用いた。また、Y顔料分散物1は「CFエローEX3393」(商品名、御国色素(株)製)を用いた。
(3−2)グリーン(G)画素の形成
前記画像Kと画素Rを形成した基板に、着色感光性樹脂組成物G1を用い、前記ブラック(K)画像の形成と同様の工程で、熱処理済み画素Gを形成した。
該感光性樹脂層G1の膜厚、及び顔料(C.I.ピグメントグリーン36及びC.I.ピグメントイエロー150)の塗布量を以下に示す。
感光性樹脂膜厚(μm) 1.60
顔料塗布量(g/m2) 1.92
C.I.ピグメントグリーン36塗布量(g/m2) 1.34
C.I.ピグメントイエロー150塗布量(g/m2) 0.58
(4)ブルー(B)画素の形成
(4−1)着色感光性樹脂組成物B1の作製
着色感光性樹脂組成物B1は、まず下記表4に記載の量の顔料分散組成物A、顔料分散組成物C、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、次いで、表4に記載の量のメチルエチルケトン、バインダ3、DPHA液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、フェノチアジンをはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpmで30分間攪拌し、更に、表4に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30rpmで5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得た。
Figure 0004774316
尚、表4に記載の組成物のうち、下記成分についてその組成を以下に示した。また、顔料分散組成物A及びCの組成は、前記[A]項に記載されているとおりである。
<バインダ3>
・ポリマー 27部
(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート
=36/22/42モル比のランダム共重合物、分子量3.8万)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73部
(4−2)ブルー(B)画素の形成
前記画像K、画素R及び画素Gを形成した基板に、着色感光性樹脂組成物B1を用い、前記ブラック(K)画像の形成と同様の工程で、熱処理済み画素Bを形成し、目的のカラーフィルタAを得た。
該感光性樹脂層B1の膜厚、並びに顔料(C.I.ピグメントブルー15:6及びC.I.ピグメントバイオレット23)の塗布量を以下に示す。
感光性樹脂膜厚(μm) 1.60
顔料塗布量(g/m2) 0.75
C.I.ピグメントブルー15:6塗布量(g/m2) 0.705
C.I.ピグメントバイオレット23塗布量(g/m2) 0.045
(4−3)色度測定試験評価用単色基板の形成
また、前記ブルー(B)画素の形成方法と同様の方法で、無アルカリガラス基板上にブルー(B)着色層を形成し、色度測定試験評価用単色基板とした。このとき、ガラス基板として、ガラス自体の着色の影響と表面状態差による散乱の影響を排除するため、一般に液晶表示装置に用いるガラス基板と同等のものを用いた。塗布、減圧乾燥、紫外線照射及び現像等の形成のそれぞれの条件は、液晶表示装置のカラーフィルタを作製するときと同一とした。それらの条件がカラーフィルタ作製時のものと異なった場合、結果として評価用着色層の表面の凹凸が、カラーフィルタのものと異なり、正確な測定値が得られない場合があるからである。
[C]液晶表示装置の作製
上記で作製したカラーフィルタAを用いて液晶表示装置を形成した。
(ITO電極の形成)
カラーフィルタが形成されたガラス基板をスパッタ装置に入れて、100℃で1300Å厚さのITO(インジウムスズ酸化物)を全面真空蒸着した後、240℃で90分間アニールしてITOを結晶化し、ITO透明電極を形成した。
(スペーサの形成)
特開2004−240335号公報の[実施例1]に記載のスペーサ形成方法と同様の方法で、上記で作製したITO透明電極上にスペーサを形成した。
(液晶配向制御用突起の形成)
下記のポジ型感光性樹脂層用塗布液を用いて、前記スペーサを形成したITO透明電極上に液晶配向制御用突起を形成した。
但し、露光、現像、及び、ベーク工程は、以下の方法を用いた。
所定のフォトマスクが感光性樹脂層の表面から100μmの距離となるようにプロキシミティ露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)を配置し、該フォトマスクを介して超高圧水銀灯により照射エネルギー150mJ/cm2でプロキシミティ露光した。
続いて、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を、シャワー式現像装置にて33℃で30秒間基板に噴霧しながら現像した。こうして、感光性樹脂層の不要部(露光部)を現像除去することにより、カラーフィルタ側基板上に、所望の形状にパターニングされた感光性樹脂層よりなる液晶配向制御用突起が形成された液晶表示装置用基板を得た。
次いで、該液晶配向制御用突起が形成された液晶表示装置用基板を230℃下で30分ベークすることにより、液晶表示装置用基板上に硬化された液晶配向制御用突起を形成した。
<ポジ型感光性樹脂層用塗布液処方>
・ポジ型レジスト液 53.3質量部
(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製FH−2413F)
・メチルエチルケトン 46.7質量部
・メガファックF−780F(大日本インキ化学工業(株)製) 0.04質量部
(液晶表示装置の作成)
上記で得られた液晶表示装置用基板上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリックス外枠に相当する位置にエポキシ樹脂のシール剤を印刷すると共に、MVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板を熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、偏光板(HLC2−2518、商品名、(株)サンリツ製)を貼り付けた。次いで、3波長冷陰極管光源(FWL18EX−N、商品名、東芝ライテック(株)製)のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
実施例2
カラーフィルタの作製方法を下記の転写法に変更したこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタ及び液晶表示装置を作製した。
[カラーフィルタの作製(感光性樹脂転写材料のラミネートによる作製)]
(1)感光性樹脂転写材料K1の作製
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に、下記処方P1からなる中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。更に、前記着色感光性樹脂組成物K1を塗布、乾燥させ、該仮支持体の上に乾燥膜厚が14.6μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、乾燥膜厚が2.4μmの感光性樹脂層を設け、保護フィルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。
こうして仮支持体と熱可塑性樹脂層と中間層(酸素遮断膜)とブラック(K)の感光性樹脂層とが一体となった感光性樹脂転写材料を作製し、サンプル名を感光性樹脂転写材料K1とした。
<熱可塑性樹脂層用塗布液:処方H1>
・メタノール 11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.36部
・メチルエチルケトン 52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベン 5.83部
ジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、
分子量:9万、Tg:約70℃)
・スチレン/アクリル酸共重合体 13.6部
(共重合組成比(モル比)=63/37、
分子量:1万、Tg:約100℃)
・ビスフェノールAにペンタエチレングリコールモノメタクリート 9.1部
を2当量脱水縮合した化合物
(2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]
プロパン、商品名、新中村化学工業(株)製)
・前記界面活性剤1 0.54部
<中間層用塗布液:処方P1>
・ポリビニルアルコール 32.2部
(PVA205、商品名、(株)クラレ社製;
鹸化度=88%、重合度550)
・ポリビニルピロリドン 14.9部
(K−30、商品名、アイエスピー・ジャパン(株)製)
・蒸留水 524部
・メタノール 429部
(2)感光性樹脂転写材料R101、G101及びB101の作製
次に、前記感光性樹脂転写材料K1の作製において用いた前記着色感光性樹脂組成物K1を、下記表5〜7に記載の組成よりなる下記着色感光性樹脂組成物R101、G101及びB101に変更し、それ以外は上記と同様の方法により、感光性樹脂転写材料R101、G101及びB101を作製した。尚、着色感光性樹脂組成物R101、G101及びB101の調製方法は、それぞれ前記着色感光性樹脂組成物R1、G1及びB1の調製方法に準ずる。
Figure 0004774316
尚、表5に記載の組成物のうち、添加剤1は、リン酸エステル系特殊活性剤(楠本化成(株)製、商品名:HIPLAAD ED152)を用いた。
Figure 0004774316
Figure 0004774316
(3)ブラック(K)画像の形成
無アルカリガラス基板を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板を基板予備加熱装置で100℃2分加熱して次のラミネーターに送った。
前記感光性樹脂転写材料K1の保護フィルムを剥離後、ラミネーター((株)日立インダストリイズ社製(LamicII型))を用い、前記100℃に加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートした。
仮支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥離後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティ型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該熱可塑性樹脂層の間の距離を200μmに設定し、露光量70mJ/cm2でパターン露光した。
次に、トリエタノールアミン系現像液(T−PD1、商品名、富士写真フイルム(株)製;2.5%のトリエタノールアミン含有、ノニオン界面活性剤含有、ポリプロピレン系消泡剤含有)にて30℃50秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し熱可塑性樹脂層と中間層を除去した。
引き続き炭酸Na系現像液(T−CD1、商品名、富士写真フイルム(株)製;0.06モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、同濃度の炭酸ナトリウム、1%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、安定剤含有)を用い、29℃30秒、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像し感光性樹脂層を現像しパターニング画像を得た。
引き続き洗浄剤(T−SD1(商品名、富士写真フイルム(株)製;リン酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有)、或いは、T−SD2(商品名、富士写真フイルム(株)製;炭酸ナトリウム・フェノキシオキシエチレン系界面活性剤含有))を用い、33℃20秒、コーン型ノズル圧力0.02MPaでシャワーとナイロン毛を有す回転ブラシにより残留物除去を行い、ブラック(K)の画像を得た。その後更に、該基板に対して該樹脂層の側から超高圧水銀灯で500mJ/cm2の光でポスト露光後、220℃、15分熱処理した。
この画像Kを形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置に送った。
(4)レッド(R)画素の形成
前記感光性樹脂転写材料R101を用い、前記感光性樹脂転写材料K1と同様の工程で、熱処理済みのレッド(R)の画素Rを得た。但し露光量は40mJ/cm2、炭酸Na系現像液による現像は35℃35秒とした。
該感光性樹脂層R101膜厚、及び顔料(C.I.ピグメントレッド254及びC.I.ピグメントレッド177)の塗布量を以下に示す。
感光性樹脂膜厚(μm) 2.00
顔料塗布量(g/m2) 1.00
C.I.ピグメントレッド177塗布量(g/m2) 1.00
この画像K、及び画素Rを形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置に送った。
(5)グリーン(G)画素の形成
前記感光性樹脂転写材料G101を用い、前記感光性樹脂転写材料R101と同様の工程で、熱処理済みのグリーン(G)の画素Gを得た。但し露光量は40mJ/cm2、炭酸Na系現像液による現像は34℃45秒とした。
該感光性樹脂層G101膜厚、及び顔料(C.I.ピグメントグリーン36及びC.I.ピグメントイエロー150)の塗布量を表以下に示す。
感光性樹脂膜厚(μm) 2.00
顔料塗布量(g/m2) 1.92
C.I.ピグメントグリーン36塗布量(g/m2) 1.34
C.I.ピグメントイエロー150塗布量(g/m2) 0.58
この画像K、画素R、および画素Gを形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置に送った。
(6)ブルー(B)画素の形成
前記感光性樹脂転写材料B101を用い、前記感光性樹脂転写材料R101と同様の工程で、熱処理済みのブルー(B)の画素Bを得た。但し露光量は30mJ/cm2、炭酸Na系現像液による現像は36℃40秒とした。
該感光性樹脂層B101膜厚、及び顔料(C.I.ピグメントブルー15:6及びC.I.ピグメントバイオレット23)の塗布量を以下に示す。
感光性樹脂膜厚(μm) 2.00
顔料塗布量(g/m2) 0.75
C.I.ピグメントブルー15:6塗布量(g/m2) 0.705
C.I.ピグメントバイオレット23塗布量(g/m2) 0.045
(7)色度測定試験評価用単色基板の形成
また、前記ブルー(B)画素の形成方法と同様の方法で、無アルカリガラス基板上にブルー(B)の着色層を形成し、色度測定試験評価用単色基板とした。
(8)カラーフィルタA1の作製
前記の画素R、画素G、画素B、および画像Kを形成した基板を240℃で50分ベークして、カラーフィルタA1を得た。
実施例3
実施例1において、ブルー(B)画素形成に用いた顔料分散組成物Cを顔料分散組成物Bに変更したこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタ及び液晶表示装置を作製した。
比較例1
実施例1と同様にガラス基板上にブラックマトリクスを形成したあと、ゼラチンに感光性を付与した感光性樹脂塗料をロールコートにより均一に塗布し乾燥させゼラチン感光膜を形成した後、マスク露光法で1色目の赤色のパターンを露光し現像する。現像後、残存するパターン状のゼラチン膜を下記赤色の染料液で65℃にて染色を行い、次いで水洗し、70℃のタンニン酸水溶液に1分間浸漬して染料の定着を行い、続いて70℃の吐酒石水溶液に1分間浸漬して染料の固着を行なう。こうして、1色目の赤色着色画素を形成する。
次に同様にして、上記感光性樹脂塗料を再度均一に塗布し感光膜を形成した後、マスク露光法で露光し現像して2色目の緑色のパターンを形成する。前記と同様に上記2色目のパターンを下記緑色の染料液で65℃にて染色を行い、次いで、水洗及び前記定着・固着処理を施し、2色目の緑色着色画素を形成する。
更に同様にして、上記感光性樹脂塗料を再度均一に塗布し感光膜を形成した後、マスク露光法で露光し現像して3色目の青色のパターンを形成する。前記と同様に上記3色目のパターンを下記青色の染料液で65℃にて染色を行い、次いで、水洗及び前記定着・固着処理を施し、3色目の青色着色画素を形成する。
使用する染料液の配合を以下に示す。
赤色
ダイアシドファストルビノール3G(三菱化成(株)製) 5g
カヤノールオレンジG(日本化薬(株)製) 3g
酢酸 5ml
水 1000ml
緑色
パテントグリーン(東京化成(株)製) 3g
クリソフェノン(東京化成(株)製) 5g
カヤノールミーリングイエロー5GW(日本化薬(株)製) 2g
酢酸 5ml
水 1000ml
青色
ソロフェノールターキスブルーBRL(チバガイギー社製) 10g
カヤノールサイアニンG(日本化薬(株)製) 1g
酢酸 2ml
水 1000ml
比較例2
[A]顔料分散組成物Dの作製
1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液中に、顔料(ピグメントブルー15:6)の粉体、ポリビニルピロリドン6g、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体を投入攪拌し、混合液を得た。次にこの混合液をモーターミルM−50(商品名、アイガー・ジャパン社製)で、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで9時間分散し、下記組成の顔料分散組成物Dを調製した。
<顔料分散組成物D>
・顔料(ピグメントブルー15:6) 6.4g
・顔料分散剤A 0.6g
・ポリビニルピロリドン 6g
(和光純薬(株)社製、商品名、K30、分子量40,000)
・メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体 15.8g
(モル比28/72、重量平均分子量:3万、
40%1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液)
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート 45.3g
[B]カラーフィルタ及び液晶表示装置の作製
実施例1において、ブルー(B)画素形成に用いた顔料分散組成物Aを顔料分散組成物Dに変更したこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタ及び液晶表示装置を作製した。
<評価>
[色度]
上記より得られたブルー(B)画素の色度を、色度測定試験評価用単色基板を用いて顕微分光光度計(OSP100、商品名、オリンパス光学社製)を用い、ピンホール径5μmにて測定し、C光源視野2度の結果として計算した。結果(xyY値)を表8に示す。
また、得られた結果(xyY値)から、前記目標色度との差(ΔE)をLa**表色系の色差として算出した。結果を表8に示す。
[耐光性]
実施例および比較例のカラーフィルタに対し、10万lxの照度での耐光性試験を1000時間行った。ブルー画素部の色差を測定した。ΔEが3以下の場合を○、ΔEが3より大きく7以下の場合を△、ΔEが7より大きい場合を×と評価した。結果を表8に示す。
[耐熱性]
実施例および比較例のカラーフィルタについて260℃60分加熱を行い、その後ブルー画素部の色差を測定した。ΔEが3以下の場合を○、ΔEが3より大きく7以下の場合を△、ΔEが7より大きい場合を×と評価した。結果を表8に示す。
Figure 0004774316
表8の結果から明らかなように、染料を用いた比較例1は、色再現性は問題ないが耐光性・耐熱性に劣るものであった。また、顔料分散組成物Dを用いた比較例2は、耐光性・耐熱性は問題ないが透過率に劣るものであった。
これらに対し、実施例1〜3はいずれも、高い色再現域と高い透過率を両立し、かつ、耐光性・耐熱性に優れることがわかった。

Claims (12)

  1. C光源を用いた時の色度がx≦0.15、y≦0.12である青色画素を有するカラーフィルタの製造方法であって、前記青色画素をなす顔料分散液の調製につき、
    青色顔料を良溶媒に溶解させて顔料溶液を作成した後、前記良溶媒と相溶性であり、かつ、前記青色顔料に対しては貧溶媒となる溶媒中に、前記顔料溶液を混入し、平均粒径2〜100nm、単分散度(Mv/Mn)1.0〜2.0の有機顔料微粒子を生成させた分散液を調製するに当たり、前記顔料溶液及び貧溶媒の少なくともいずれか一方に分散剤を含有させて前記分散液を調製し、
    該分散液を濃縮し、これを有機溶媒中で再分散化させることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 前記有機ナノ粒子の少なくとも1種がC.I.ピグメントブルー15:6であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 前記有機ナノ粒子の少なくとも1種がC.I.ピグメントバイオレット23を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 前記分散剤が、高分子分散剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 良溶媒がスルホキシド系溶媒、アミド系溶媒、またはその混合溶媒であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  6. 良溶媒に前記分散剤を含有させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  7. 前記有機顔料溶液と貧溶媒の比(良溶媒/貧溶媒)が体積比で1/50〜2/3であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  8. 前記貧溶媒が水系溶媒であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  9. 前記分散液の濃縮及び再分散化を、
    (i)前記分散液中の顔料微粒子を有機溶媒に抽出して、バインダーを添加する工程、または
    (ii)前記分散液中の顔料微粒子を、バインダーを含む抽出溶媒に抽出する工程
    を含む操作により行う請求項1〜8のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  10. 前記分散物が、前記混合によって生成された顔料微粒子、バインダー、モノマーもしくはオリゴマー、および光重合開始剤もしくは光重合開始剤系を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  11. 請求項1〜10いずれかに記載の製造方法で作製された、C光源を用いた時の色度がx≦0.15、y≦0.12である青色画素を有するカラーフィルタであって、前記青色画素が平均粒径2〜100nm、単分散度(Mv/Mn)1.0〜2.0の有機顔料微粒子を含むことを特徴とするカラーフィルタ。
  12. 請求項11記載のカラーフィルタを備えたことを特徴とする表示装置。
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