JP4773595B2 - 塗装装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリンダ内を摺動するピストンの回転動、および往復動の複合動作によって液体を送出するポンプの送出量調整機構を備えた塗装装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体の送り出しを行うポンプの機構には、種々の態様が、既に公知であり、例えば、ギヤポンプ、ベーンポンプ等がある。
ギヤポンプは、密閉されたケーシング内で、互いに噛み合う歯車を回転させ、この回転によって、液体の送り出しを行うポンプである。また、ベーンポンプは、カムリングとロータに取り付けられたベーンが空間を形成し、この空間の容積変化により、液体の送り出しを行うポンプである。
これらの各ポンプを使用して液体の送り出しを行う場合、歯車やロータの回転速度を制御することによって単位時間当りの液体の送り出し量等を制御していた。そのため、回転速度が、一定以上に担保される等の場合には、所望の液体を送り出すことが可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記各ポンプでは、1サイクルにて送り出す液体の量が少量の時、つまり、回転速度を一定以下にする必要がある場合には、液体の流れがスムーズに行われず、送り出しする液体の量を正確に制御することが困難であった。
そこで、本発明は、送り出す液体の量に関係無く、送り出す液体の量等を効率良く、かつ、正確に制御し得る送出ポンプの送出調整機構を備えた塗装装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、本発明は、塗料を塗料噴出口に送出する送出ポンプを有する塗装装置であって、前記送出ポンプは、周方向の対応位置に吸入ポートおよび吐出ポートを形成したシリンダと、周壁にポンプキャビティを形成し、前記シリンダ内を摺動するピストンと、このピストンを軸周りに回転させる回転機構と、前記ピストンを軸方向に往復動させる往復動機構と、前記ピストンを回転させながら往復動させる回転動および往復動の複合動作により、前記吸入ポートから前記ポンプキャビティ内に液体を吸入するとともに、この液体を前記吐出ポートから吐出する送出ポンプの送出量調整機構と、を備え、前記送出量調整機構は、前記往復動のストロークを変更可能とするストローク変更可能機構と、前記ストロークを決定するストローク決定機構とからなり、前記吸入ポートおよび前記吐出ポートは、周方向の対応位置に第1の吸入ポートおよび第1の吐出ポートを形成するとともに、前記第1の吸入ポートから前記シリンダの軸線方向にずらした位置に第2の吸入ポートを形成し、前記第2の吸入ポートに対して周方向の対応位置に第2の吐出ポートを形成し、前記ポンプキャビティは、前記周壁の一端部に形成され前記第1の吸入ポートおよび第1の吐出ポートに対応する第1のポンプキャビティと、前記周壁の他端部に形成され前記第2の吸入ポートおよび第2の吐出ポートに対応する第2のポンプキャビティと、からなり、前記第1の吸入ポートおよび第1の吐出ポートを塗料の流路に接続し、前記第2の吸入ポートおよび第2の吐出ポートを塗料の洗浄液や希釈液の流路に接続したことを特徴とする塗装装置とした。
本発明によれば、往復動のストロークを変更することにより、液体の送り出し量を調整することができる。また、本発明によれば、シリンダの内壁面に付着する塗料を洗浄液や希釈液で溶解できるため、ピストンが塗料被膜によりシリンダの内壁面に固着してポンプ動作が不良となる事態を防止することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明を、実施の形態に基づき、適宜図面を参照しながら具体的に説明する。図1は、第1の実施の形態に係る送出ポンプを含めた塗装装置の全体構造を示す概略側面図である。本実施の形態に係る送出ポンプ2は、自動車ボディの色替え塗装を行う塗装装置1内に配設されている。まず、自動車ボディの色替え塗装について簡単に説明する。 自動車ボディの塗装では、電着塗装による防錆塗装である下塗り塗装の上に、中塗り塗装を施し、その中塗り塗装の上に、指定色の上塗り塗装を施す。
【0006】
自動車ボディの塗装ラインでは、コンベヤで順次搬送されてくる自動車ボディに、塗装装置から適宜塗料を噴き出し、所定の塗装を施す。この場合の塗料の量、および、塗料を噴き出すタイミングは、搬送される自動車ボディの搬送速度等に対応させる必要がある。つまり、塗装精度を担保するためには、塗料の送り出し量、さらに、送り出しのタイミングを、できるだけ正確に制御する必要がある。ここで、本実施の形態に係る送出ポンプ2によれば、塗料の送り出し量および送り出しのタイミングの調整が容易であり、送り出し制御が容易である。
【0007】
図1で示す塗装装置1は、主に、送出ポンプ2、塗料タンク3、塗料タンク3と送出ポンプ2とを結ぶイン側流路4、イン側流路4内を一定圧に保ち、送出ポンプ2への塗料の送り込みをスムーズに行わせる予圧ポンプ5、送出ポンプ2の回転ドラム21を回転駆動するサーボモータ6、送出ポンプ2の傾きを決める傾斜シリンダ7、送出ポンプ2から塗料噴出口8までを結ぶアウト側流路9からなる。
【0008】
送出ポンプ2の回転ドラム21は、回転自在な状態で基台11に支持されている。この回転ドラム21にロッド22が連結され、このロッド22の下端にピストン23が連結されている。ピストン23は、シリンダ24内を摺動する。
基台11には、長方形状の揺動プレート72が取り付けられており、この揺動プレート72を介して傾斜シリンダ7の進退ロッド71とシリンダ24とが、連結されている。したがって、進退ロッド71が伸縮すると、この伸縮量に応じて揺動プレート72が傾斜し、さらにシリンダ24が傾く。
【0009】
送出ポンプ2の回転ドラム21は、フレキシブルワイヤ61を介してサーボモータ6につながる。つまり、サーボモータ6を駆動制御することにより、回転ドラム21が回転制御される。回転ドラム21が回転すると、シリンダ24内のピストン23が、回転動および往復動の複合動作をする。
本実施の形態に係るシリンダ24の周壁には、対向位置である二箇所に吸入ポート24aおよび吐出ポート24bが形成されている。
【0010】
なお、請求項1に記載の「周方向の対応位置」とは、本実施の形態の如く対向した位置のみに限定されない。つまり、回転ドラム21からシリンダ24内を見た場合に、吸入ポート24aおよび吐出ポート24bが、シリンダ24の中心線(ピストン23の回転軸線)を挟んで対称位置となる場合を広く含む。したがって、吸入ポート24aおよび吐出ポート24bが、上下(シリンダ24の中心線方向)にずれている場合であっても良い。
吸入ポート24aには、イン側流路4がつながり、このイン側流路4に、与圧ポンプ5および塗料タンク3がつながっている。
また、吐出ポート24bには、アウト側流路9がつながり、アウト側流路9の先端に、塗料噴出口8が形成されている。
【0011】
塗装装置1の概略作用について説明する。まず、サーボモータ6を駆動制御することにより、回転ドラム21の回転速度等を調整する。また、傾斜シリンダ7の駆動制御により、進退ロッド71の伸縮量を制御してシリンダ24の傾斜角度を調整する。ちなみに、本実施の形態では、シリンダ24の傾斜角度は、HIとLOWの二段階に切り替え可能であり、この切り替えによって調整している。
【0012】
回転ドラム21の回転速度等の調整、シリンダ24の傾斜角度の調整により、送出ポンプ2におけるピストン23の回転速度、および、ピストン23のストロークが調整される。ピストン23の回転速度を調整することにより、塗料が送り出されるタイミング、つまり、一度塗料が噴き出されてから、次に噴き出されるまでのタイミングが調整される。
一方、ピストン23のストロークを調整することにより、送り出される塗料の量が調整される。このピストン23のストロークを調整するための機構が、「送出量調整機構」に相当する。
【0013】
本実施の形態に係る送出ポンプ2では、ピストン23の回転速度およびストロークが、それぞれ独立して調整可能である。そのため、例えば、以下のような利点がある。
ストロークを比較的長く設定していた場合、ピストン23の回転速度の調整のみによって単位時間当りの塗料の噴き出し量を調整しようとすると、タイミングを長く取る必要から脈動を生じる可能性がある。一方、ストロークを比較的短く設定していた場合、今度は、ピストン23の回転速度を極端に早くして調整しなければならない場合も生じ、塗料を十分にシリンダ23内に吸入できない場合も起こり得る。
ここで、本実施の形態の如く、「送出量調整機構」を備えていれば、回転速度の調整およびストロークの調整という両面から最適な送り出し状態を選択でき、好適である。
【0014】
本実施の形態に係る送出ポンプ2の送出量調整機構につき、さらに詳述する。図2は、送出ポンプの断面図であり、(1)から(4)は、塗料の送り出しを行っている送出ポンプの各工程を示している。なお、同図(1)〜(4)の各(a)は縦断面図、(b)はY−Y断面図である。
シリンダ24の周壁には、対向位置に吸入ポート24a、吐出ポート24bが形成されており、このシリンダ24内にピストン23が摺接している。ピストン23は、円柱の一部を切り欠き、周壁にポンプキャビティ23aを形成している。なお、本実施の形態に係るポンプキャビティ23aは、外円周の一部円弧を、軸線に沿って下端から上方に向けて部分的に切り欠いた形状をなす。
【0015】
図2(2)は、ピストン23が、最も上昇した位置(以下、上死点と称する)に達した状態を示しており、図2(4)は、ピストン23が、最も下降した位置(以下、下死点と称する)に達した状態を示している。
上死点および下死点の位置では、吸入ポート24aおよび吐出ポート24bを、ピストン23の周壁によって閉塞させる必要があり、その他の位置では、ポンプキャビティ23aを、吸入ポート24aもしくは吐出ポート24bのどちらか一方に連通可能とする必要がある。
【0016】
つまり、ポンプキャビティ23aの形状等は、ピストン23が上、下死点に達した時に吸入ポート24aおよび吐出ポート24bを閉塞可能であり、その他の位置では、吸入ポート24aもしくは吐出ポート24bと連通可能となる形状等である。したがって、ポンプキャビティ23aの形状等は、吸入ポート24aや吐出ポート24bの形成位置、あるいは適宜変更されるピストン23のストローク等から相対的に導かれる。
【0017】
ピストン23の上端には、ロッド22の下端部が固着されている。ロッド22の上部は、直角に折れ曲がり、先端が回転ドラム21の内周面に連結する。回転ドラム21は、天井部21aを塞いだ筒体であり、内周面に、球面軸受21bを介してロッド22の先端が連結する。回転ドラム21の天井部21aにはフレキシブルワイヤ61が連結する。なお、回転ドラム21は、基台11(図1参照)に回転自在に支持されている。
【0018】
回転ドラム21が回転すると、ロッド22が回転し、ピストン23も回転動する。また、回転ドラム21に対してシリンダ24が傾いていると、ロッド22の屈曲部が上下動するため、この上下動に伴ってシリンダ24内のピストン23が往復動する。この往復動、および前記回転動の複合動作により、シリンダ24内に塗料が吸入され、かつ吐出される。
なお、ピストン23の回転軸線と、回転ドラム21の回転軸線との交点は、シリンダ24の傾斜角度が変更しても、その振れ幅は極めて小さい。したがって、この交点を定点とし、さらに、この交点を通り、かつ、シリンダ24の傾斜角度の基準となる軸線CLを傾斜基準線と定義する。
【0019】
ピストン23を内装するシリンダ24は、図1の如く、揺動プレート72を介して傾斜シリンダ7の進退ロッド71に連結しており、進退ロッド71の伸縮量に応じ、傾斜角度が決まる。このシリンダ24と揺動プレート72、さらに進退ロッド71との関係について図3、図4に基づいて説明する。ちなみに、図3は、図1のX方向矢視図である。また、図4は、図3のZ方向矢視図、つまり、図1の裏から送出ポンプを見た図である。
【0020】
揺動プレート72の上端は、基台11の水平ピン12によって支承されている。なお、この水平ピン12の軸線は、前記傾斜基準線CLと一致する。
揺動プレート72の一方の側面には、連結部材73を介してシリンダ24が固設されている。一方、揺動プレート72の他方の側面には、傾斜シリンダ71が連結されている。この連結につき、図4を参照して詳述する。なお、前記したが、図4は、図3のZ方向矢視図であり、一部破断している。
【0021】
長方形状である揺動プレート72の下部には、長手方向に沿って二本の平行なレール部材74,74が配設されている。このレール部材74,74に係合片75がスライド自在に係り合っている。また、この係合片75には、連結ピン76が回動自在に取り付けられており、この連結ピン76に固着部材77(図3参照)を介して進退ロッド71が連結している。
つまり、進退ロッド71が伸縮すると、連結ピン76の回転、係合片75のスライド移動を伴って、揺動プレート72がスムーズに傾斜移動する。この揺動プレート72には、さらにシリンダ24が固設されている。そのため、進退ロッド71を適当な長さだけ突き出させると、結果的に、回転ドラム21に対するシリンダ24の傾斜角度が決まる。
【0022】
続いて、図2を参照して送出ポンプ2による塗料の送り出しについて説明する。
図2(1)および(3)は、ピストン23の往復動途中を示し、図2(1)では、ピストン23は、塗料の吸入過程にあり、図2(3)では、ピストン23は、塗料の吐出過程にある。また、図2(2)および図2(4)は、前述した如く、ピストン23が、上死点および下死点に達した状態を示している。
図2(1)で示す過程では、同図(a)の如く、ピストン23が、上昇過程にある。また、この過程では、同図(b)の如く、ポンプキャビティ23aが、吸入ポート24aに連通しており、シリンダ24内に塗料が吸い込まれる。
【0023】
図2(1)で示す過程から、回転ドラム21の回転が進むと、図2(2)で示す過程に移行する。この過程では、同図(a)の如く、ピストン23が、上死点にあり、ピストン23の上昇が、瞬間的に停止した状態にある。この場合、同図(b)の如く、ポンプキャビティ23aが、吸入ポート24aおよび吐出ポート24bから遮断された状態にある。つまり、吸入ポート24aと吐出ポート24bは、ピストン23の周壁によって閉鎖されており、シリンダ24内に入り込まれた塗料は、一旦、流動を停止する。
【0024】
図2(2)で示す過程から、回転ドラム21の回転が進むと、図2(3)で示す過程に移行する。この過程では、同図(a)の如く、ピストン23が、下降過程にある。また、この過程では、同図(b)の如く、ポンプキャビティ23aが、吐出ポート24bに連通しており、シリンダ24a外へ塗料が吐出される。
【0025】
図2(3)で示す過程から、回転ドラム21の回転が進むと、図2(4)で示す過程に移行する。この過程では、同図(b)の如く、ピストン23が、下死点にあり、ピストン23の下降が、瞬間的に停止した状態にある。この場合、同図(b)の如く、ポンプキャビティ23aが、吸入ポート24aおよび吐出ポート24bから遮断された状態にある。つまり、吸入ポート24aと吐出ポート24bは、ピストン23の周壁によって閉鎖されている。
【0026】
以上が、送出ポンプ2の1サイクルである。ここで、ピストン23の回転速度を調整することにより、塗料の送り出しのタイミングが調整される。一方、送出量調整機構により、1サイクルにおける塗料の送り出し量が調整される。このストロークの調整は、シリンダ24の傾斜角度を調整することによって行うことができる。
本実施の形態に係るシリンダ24の傾斜は、直角に屈曲したロッド22が、回転ドラム21に球面軸受21bを介して連結することによって可能となる。つまり、本実施の形態では、球面軸受21bを介して連結する回転ドラム21とロッド22、固着により結合するロッド22とピストン23、摺接状態にあるピストン23とシリンダ24とが、「ストローク変更可能機構」を構成している。
【0027】
また、前記シリンダ24には、傾斜シリンダ7の進退ロッド71が揺動プレート72を介して連結している。したがって、進退ロッド71の伸縮により、揺動プレート72、およびシリンダ24が傾斜する。つまり、進退ロッド71の伸縮量の決定により、シリンダ24の傾斜角度を決定することができる。
したがって、本実施の形態では、傾斜シリンダ7および進退ロッド71、進退ロッド71に連結し、かつ、シリンダ24に固設された揺動プレート72が、「ストローク決定機構」を構成する。
【0028】
続いて、傾斜角度とストロークとの関係を図5に基づいて説明する。ちなみに、図5は、傾斜角度とストロークとの関係を模式的に表わす側面図であり、(a)は、傾斜角度が小である場合、つまり、ストロークがLOWの場合を示し、(b)は、傾斜角度が大である場合、つまり、ストロークがHIの場合を示す。
図5では、ロッド22の先端から屈曲部までの長さをD、傾斜角度をα,βで示している。ここで、各ストロークST1およびST2と、傾斜角度α、βとの関係は、以下の式によって導かれる。
【0029】
【数1】
Figure 0004773595
【0030】
数1の各式よって導かれる通り、傾斜角度が大きい程、ピストン23のストロークは長くなる。つまり、傾斜角度を調整することにより、ピストン23のストロークを調整可能となる。
【0031】
図6は、第2の実施の形態に係る送出ポンプ2Aであり、図5と同様、傾斜角度とストロークとの関係を模式的に表わす側面図である。
第2の実施の形態に係る送出ポンプ2Aでは、回転ドラム21Aの外周に球面軸受21cを介してロッド22Aが連結する。このロッド22Aは、回転ドラム21Aの外方向に突出し、途中で直角下方に屈曲する。その後、ロッド22Aは、鈍角を形成すべく屈曲した後、今度は、逆側に屈曲し、基端が、ピストン23Aの上端に固着される。
【0032】
本実施の形態に係る送出ポンプ2Aでは、傾斜角度γを大きくすると、上死点位置でのロッド22Aの基端が上方に移動し(矢印W1参照)、下死点位置でのロッド22Aの基端が下方に移動する(矢印W2参照)。つまり、傾斜角度が大きくなると、ストロークが長くなる。
したがって、球面軸受21cを介して連結する回転ドラム21Aとロッド22A、固着により結合するロッド22Aとピストン23A、摺接状態にあるピストン23Aとシリンダ24Aとが、「ストローク変更可能機構」を構成している。
【0033】
また、本実施の形態におけるシリンダ24Aの傾斜角度は、傾斜シリンダ7Aの作用によって伸縮する進退ロッド71Aによって決定される。したがって、本実施の形態においても、傾斜シリンダ7Aと進退ロッド71A、さらに揺動プレート(図示せず)が、「ストローク決定機構」に相当する。
【0034】
以上、第1、第2の実施の形態に係る送出ポンプ2,2Aを例に、本発明を具体的に説明した。しかし、本発明は、この実施の形態のみに限定されない。例えば、送出ポンプは、図7に示すように、2系統のポンプ機能を有する構造とすることができる。
【0035】
図7(a)に示した送出ポンプ2Bは、第1、第2の実施の形態に係るロッド22,22Aと同様のロッド22Bが固着されたピストン23Bの一端部および他端部にそれぞれポンプキャビティ23a,23bが形成されている。また、シリンダ24Bには、一端部のポンプキャビティ23aに対応した吸入ポート24aおよび吐出ポート24bの他に、他端部のポンプキャビティ23bに対応した吸入ポート24cおよび吐出ポート24dが設けられている。
一端部のポンプキャビティ23aは、前述した第1の実施の形態に係るポンプキャビティ23aと同様に構成され、他端部のポンプキャビティ23bは、ピストン23Bの軸線を中心とした180°の対称位置に形成されている。また、吸入ポート24aおよび吐出ポート24bは、第1の実施の形態に係る吸入ポート24aおよび吐出ポート24bと同様に構成され、吸入ポート24cおよび吐出ポート24dは、シリンダ24Bの円周方向に関して前記吸入ポート24aおよび吐出ポート24bと同位置に配置されている。
【0036】
図7(a)に示した送出ポンプ2Bは、ピストン23Bが1回転しつつ1ストロークする往復動行程の半ストローク毎にポンプキャビティ23a,23bが交互に吸入、吐出作用を繰り返す。従って、2つの吸入ポート24aおよび吸入ポート24cを共通の吸入流路に接続し、2つの吐出ポート24bおよび吐出ポート24dを共通の吐出流路に接続すれば、脈動の少ない送出ポンプを構成することができる。
また、吸入ポート24aおよび吐出ポート24bを塗料の流路に接続し、吸入ポート24cおよび吐出ポート24dを塗料の洗浄液や希釈液の流路に接続すれば、シリンダ24Bの内壁面に付着する塗料を洗浄液や希釈液で溶解できるため、ピストン23Bが塗料被膜によりシリンダ24Bの内壁面に固着してポンプ動作が不良となる事態を防止することができる。なお、前記の洗浄液や希釈液の流路に接続される吸入ポート24cおよび吐出ポート24dに対応するポンプキャビティ23bの形状は、図7(b)に示すポンプキャビティ23cのように、ピストン23Bの周面をリング溝状に切欠いた形状に変向してもよい。
【0037】
本実施の形態に係る送出ポンプ2,2A,2Bは、前述のように、送り出しの対象となる液体が、塗料以外のものであっても良く、他の液体を送り出す場合にも適用可能である。
ただし、塗料を送り出す場合、つまり、塗装ラインにて使用する場合には、塗料の送り出し量や送り出しのタイミングを正確に制御する必要に迫られる場合も多い。そのため、本発明に基づいて具現化される送出ポンプが好適である。
【0038】
また、本実施の形態に係る送出ポンプ2,2A,2Bは、シリンダ24,24A,24Bに対し、ピストン23,23A,23Bが回転動し、かつ、往復動するものであった。このように、本実施の形態の如く、ピストンを回転動させ、かつ、往復動させる機構とすれば、構造が簡単になるため、製造が容易であり、かつ、部品点数も比較的少なくて済む。
【0039】
さらに、前記各実施の形態に係る送出ポンプ2,2A,2Bでは、回転可能、かつ所定の位置に支持した回転ドラム21,21Aに対し、シリンダ24,24A,24Bを傾斜させることによって「回転機構」、「往復動機構」を構成した。しかし、シリンダを所定の位置に固定し、回転ドラムを傾斜させた状態で回転させて「回転機構」と「往復動機構」を構成することもできる。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、ピストンの往復動のストロークを調整することにより、適宜、液体の送り出し量を調整し得る。特に、本発明によれば、液体の送り出しのタイミング、および送り出し量を別個独立して調整可能となり、これら送り出し状態の制御が容易になるとともに、送り出しの精度が向上する。
また、本発明によれば、シリンダの内壁面に付着する塗料を洗浄液や希釈液で溶解できるため、ピストンが塗料被膜によりシリンダの内壁面に固着してポンプ動作が不良となる事態を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る送出ポンプを含めた塗装装置の全体構造を示す概略側面図である。
【図2】送出ポンプの断面図であり、(1)から(4)は、塗料の送り出しを行っている送出ポンプの各工程を示している。なお、同図(1)〜(4)の各(a)は縦断面図、(b)はY−Y断面図である。
【図3】図1のX方向矢視図である。
【図4】図3のZ方向矢視図である。
【図5】傾斜角度とストロークとの関係を模式的に表わす側面図であり、(a)は、傾斜角度が小である場合、つまり、ストロークがLOWの場合を示し、(b)は、傾斜角度が大である場合、つまり、ストロークがHIの場合を示す。
【図6】第2の実施の形態に係る送出ポンプであり、傾斜角度とストロークとの関係を模式的に表わす側面図である。
【図7】(a),(b)は、送出ポンプの他の実施の形態をそれぞれ示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 :塗装装置
2 :送出ポンプ
21 :回転ドラム
22 :ロッド
23 :ピストン
23a:ポンプキャビティ
24 :シリンダ
24a:吸入ポート
24b:吐出ポート
7 :傾斜シリンダ
71 :進退ロッド
72 :揺動プレート

Claims (1)

  1. 塗料を塗料噴出口に送出する送出ポンプを有する塗装装置であって、
    前記送出ポンプは、
    周方向の対応位置に吸入ポートおよび吐出ポートを形成したシリンダと、
    周壁にポンプキャビティを形成し、前記シリンダ内を摺動するピストンと、
    このピストンを軸周りに回転させる回転機構と、
    前記ピストンを軸方向に往復動させる往復動機構と、
    前記ピストンを回転させながら往復動させる回転動および往復動の複合動作により、前記吸入ポートから前記ポンプキャビティ内に液体を吸入するとともに、この液体を前記吐出ポートから吐出する送出ポンプの送出量調整機構と、を備え、
    前記送出量調整機構は、前記往復動のストロークを変更可能とするストローク変更可能機構と、前記ストロークを決定するストローク決定機構とからなり、
    前記吸入ポートおよび前記吐出ポートは、周方向の対応位置に第1の吸入ポートおよび第1の吐出ポートを形成するとともに、前記第1の吸入ポートから前記シリンダの軸線方向にずらした位置に第2の吸入ポートを形成し、前記第2の吸入ポートに対して周方向の対応位置に第2の吐出ポートを形成し、
    前記ポンプキャビティは、前記周壁の一端部に形成され前記第1の吸入ポートおよび第1の吐出ポートに対応する第1のポンプキャビティと、前記周壁の他端部に形成され前記第2の吸入ポートおよび第2の吐出ポートに対応する第2のポンプキャビティと、からなり、
    前記第1の吸入ポートおよび第1の吐出ポートを塗料の流路に接続し、前記第2の吸入ポートおよび第2の吐出ポートを塗料の洗浄液や希釈液の流路に接続したことを特徴とする塗装装置。
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