JP4773542B2 - アルミン酸亜鉛ナノ材料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、一次元ナノ材料の製造方法に関し、特にアルミン酸亜鉛ナノ材料の製造方法に関するものである。
アルミン酸亜鉛ナノ材料は、優れた熱安定性能、耐熱性、親水性、低い表面酸性及び、紫外線遮蔽性能を有する。前記アルミン酸亜鉛ナノ材料は、触媒材料とセラッミク材料として使用する。前記アルミン酸亜鉛ナノ材料の製造方法に対して、いろいろな研究が行われている(非特許文献1を参照)。
従来技術として、アルミン酸亜鉛ナノ材料の製造方法は、主に、高温焼結法及びゾル−ゲル法を含む。
従来の高温焼結法でアルミン酸亜鉛を製造する方法は、下記のステップを含む。所定の重量の酸化亜鉛(ZnO)及びアルミナ(Al)の粉末を提供する。前記酸化亜鉛及びアルミナを混合し、混合物を形成する。該混合物を高温炉に置き、1100℃に加熱して焼結し、アルミン酸亜鉛を形成する。しかし、前記製造方法は、一般的に、1100℃で数十時間も焼結する必要があるので、焼結温度が高く、焼結時間が長いという課題がある。また、該製造方法により製造されたアルミン酸亜鉛の結晶粒子は、マイクロメートル級であり、その比表面積が小さいという課題もある。
従来のゾル−ゲル法でアルミン酸亜鉛ナノ材料を製造する方法は、所定の重量の水酸化ナトリウム(NaOH)の溶液を、体積のパーセンテージが3%であるキシロールの溶剤に加入し、撹拌し、乳濁液を形成する。該乳濁液を60℃まで加熱させると、所定の重量の硝酸亜鉛(Zn(NO))及び硝酸アルミニウム(Al(NO))の混合溶液を前記乳濁液に加入し、12時間放置し、分散された金属塩の溶液をゲル化させる。その後で、前記ゲルを乾燥し、250℃で1時間放置し、アルミン酸亜鉛ナノ粉末を形成する。
しかし、前記ゾル−ゲル法でアルミン酸亜鉛ナノ材料を製造する方法において、水酸化ナトリウム、硝酸亜鉛及び硝酸アルミニウムを原料とするので、加工して残されたものが回収処理しにくく、環境を汚染するという欠点がある。前記アルミン酸亜鉛ナノ材料を製造する工程が複雑であり、製造する時間が長く、効率が低いという欠点がある。
従って、本発明は、環境を汚染せず、製造工程が簡単で、製造する時間が短く、効率が高いアルミン酸亜鉛ナノ材料の製造方法を提供することを課題とする。
アルミン酸亜鉛ナノ材料の製造方法は、ヒート炉及び反応室を含む生長装置を提供する第一ステップと、亜鉛及びアルミニウムを提供し、亜鉛及びアルミニウムを前記反応室に置く第二ステップと、生長基板を提供し、該生長基板を前記反応室に置く第三ステップと、前記反応室に酸素ガスを含むガスを導入し、該反応室を加熱して、前記生長基板にアルミン酸亜鉛ナノ材料を生長させる第四ステップと、を含む。
前記第四ステップにおいて、前記反応室を700℃〜1000℃に加熱させる。
前記亜鉛及びアルミニウムの重量の比は1:2〜2:1である。
前記第三ステップにおいて、前記生長基板の表面に触媒層を形成する。
前記反応室は入気口と排気口を含み、前記生長基板を、前記反応室に置かれた亜鉛及びアルミニウムに対向する上方又は、該亜鉛及びアルミニウムと前記排気口との間に置く。
前記反応室に酸素ガスを含むガスを導入する前に、該反応室に保護ガスを導入する。
従来のアルミン酸亜鉛ナノ材料の製造方法と比べると、本発明のアルミン酸亜鉛ナノ材料の製造方法において、亜鉛、アルミニウム及び酸素ガスを含むガスを原料とするので、環境を汚染しない。該製造方法は、高い生長温度及び長い生長時間を必要としないため、製造工程が簡単で、生長時間が短く、効率が高い。該製造方法で製造されたアルミン酸亜鉛ナノ材料は、比表面積が大きい。
本発明の実施形態に係るアルミン酸亜鉛ナノ材料の製造方法のフローチャートである。 本発明の実施形態に係るアルミン酸亜鉛ナノ材料の製造装置の構造を示す図である。 本発明の実施形態に係るアルミン酸亜鉛ナノ材料のSEM写真である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1と図2を参照すると、本実施形態のアルミン酸亜鉛ナノ材料の製造方法は下記のステップを含む。
第一ステップでは、ヒート炉302及び反応室304を含む生長装置30を提供する。
本実施形態において、前記反応室304は、石英パイプであることが好ましい。前記反応室304は入気口306と排気口308を有する。前記反応室304は前記ヒート炉302に置かれ、移動することができ、その長さが前記ヒート炉302の長さより長いように設けられている。従って、前記石英パイプを移動する場合、一部の石英パイプの実質的な部分がヒート炉302の内部で加熱された状態に保持することができる。
前記反応室304に支持装置312が設置されている。該支持装置312は耐熱性容器である。本実施形態において、前記支持装置312は、陶磁器製容器であり、その形状は制限されず、その大きさは前記反応室304の大きさによって、選択することができる。
第二ステップでは、亜鉛及びアルミニウムを提供し、亜鉛及びアルミニウムを前記反応室304に置く。前記亜鉛及びアルミニウムの表面の酸化物及び不純物を除去するために、亜鉛及びアルミニウムを、希釈された酸性溶液に2〜10分間浸漬する。前記希釈された酸性溶液は塩酸溶液である。
前記亜鉛及びアルミニウムは、塊状または粉末であり、その純度は、99.9%以上である。該亜鉛及びアルミニウムが配置される位置は制限されない。前記亜鉛及びアルミニウムを前記支持装置312に置く場合、アルミニウムの塊を亜鉛の粉末で被覆させてもよく、亜鉛の塊をアルミニウムの粉末で被覆させてもよく、アルミニウムの塊及び亜鉛の塊を分離して置いてもよく、亜鉛の粉末及びアルミニウムの粉末を混合して置いてもよい。
前記亜鉛及びアルミニウムの重量の比は、2:1〜1:2である。本実施形態において、重量の比が65:54である亜鉛の粉末及びアルミニウム粉末の混合物310を前記支持装置312に置く。
第三ステップでは、生長基板316を提供し、該生長基板316を前記反応室304に置く。
前記生長基板316は、耐熱性非金属であり、例えば、シリコン基板、石英基板、又はガラス基板などである。本実施形態において、前記生長基板316は、シリコン基板であることが好ましい。
第三ステップにおいて、まず、超音波により、前記生長基板316を10〜20分間洗浄する。その後で、前記生長基板316を前記反応室304に置く。該生長基板316を前記支持装置312の上方または前記支持装置312及び前記排気口308の間に置いてもよい。前記支持装置312が大きければ、前記生長基板316を前記支持装置312の内部に置いてもよく、該生長基板316が前記排気口308に隣接して設置され、これにより、蒸発したアルミニウム及び亜鉛は、前記生長基板316の表面に堆積しやすい。
更に、反応速度を高めるために、前記生長基板316に触媒層314を形成してもよい。前記触媒層314を形成する方法は、熱蒸着法又はプラズマ堆積法である。該触媒層314の材料は、例えば、金、銅又は鉄などの、酸化亜鉛を生長することができる触媒材料である。前記触媒層314の厚さは、1ナノメートル〜500ナノメートルである。本実施形態において、前記触媒層314は、金フィルムであることが好ましく、その厚さは5ナノメートルであることが好ましい。前記金フィルムの純度は、99.9%以上である。
第四ステップでは、前記反応室304に酸素ガスを含むガスを導入し、前記反応室304を加熱して、前記生長基板316にアルミン酸亜鉛ナノ材料を生長させる。
第四ステップにおいて、まず、前記入気口306から前記反応室304に保護ガスを導入して、該反応室304の空気を排除する。ガスが流れる方向318は、前記入気口306から排気口308までである。
前記保護ガスを導入する流量は100ミリリットル/分(ml/min)〜2000ミリリットル/分である。該保護ガスは窒素ガス又は不活性ガスである。本実施形態において、前記保護ガスはアルゴンガスであることが好ましい。
次に、前記反応室304に酸素ガスを含むガスを導入する。
前記保護ガスが前記反応室304の空気を排除した後も、該保護ガスを導入し続けることができる。同時に前記反応室304に酸素ガスを含むガスを導入する。該反応室304の内部の気圧を1トル〜20トルに保持させる。前記酸素ガスを含むガスの純度は99.99%以上である。該酸素ガスを含むガスを導入する流量は10ミリリットル/分〜1000ミリリットル/分である。
最後に、前記反応室304を所定の温度に加熱し、前記生長基板316にアルミン酸亜鉛ナノ材料を生長させる。
20℃/分の昇温速度により、前記反応室304を700℃〜1000℃に加熱させる。前記アルミン酸亜鉛ナノ材料を生長する時間は1時間〜2時間である。前記亜鉛の融点は419.5℃であり、前記アルミニウムの融点は660.4℃であるので、前記反応室304が前記加熱温度に達する場合、前記亜鉛及びアルミニウムは、溶け、蒸発する。蒸発した亜鉛と、反応室304における酸素ガスと、が反応すると、前記生長基板316に酸化亜鉛ナノ材料が形成される。蒸発したアルミニウムと、酸素ガスと、が反応し、前記生長基板316に酸化アルミニウムが形成される。前記酸化亜鉛ナノ材料及び酸化アルミニウムは、界面で拡散し、アルミン酸亜鉛ナノ材料を生長する。本実施形態において、前記反応室304を生長温度に加熱し、酸素ガスを含むガスを導入してもよい。或いは、前記反応室304を加熱すると同時に、酸素ガスを含むガスを導入してもよい。
本実施形態において、生長温度は800℃であることが好ましい。この場合、該アルミン酸亜鉛ナノ材料は、図3に示されたアルミン酸亜鉛ナノワイヤである。前記アルミン酸亜鉛ナノワイヤは、配向せず前記生長基板316の表面に生長され、その直径は10ナノメートル〜500ナノメートルであり、その長さは100ナノメートル〜100マイクロメートルである。
本実施形態のアルミン酸亜鉛ナノワイヤは、均一に前記生長基板316の表面に生長され、凝集しにくいので、大きな比表面積を有し、優れた触媒材料である。
本実施形態から提供されたアルミン酸亜鉛ナノ材料の製造方法において、亜鉛、アルミニウム及び酸素ガスを含むガスを原料とするので、環境を汚染しない。該製造方法は、高い生長温度及び長い生長時間を必要としないから、製造工程が簡単で、生長時間が短く、効率が高い。
30 生長装置
302 ヒート炉
304 反応室
306 入気口
308 排気口
310 亜鉛の粉末及びアルミニウム粉末の混合物
312 支持装置
314 触媒層
316 生長基板
318 ガスが流れる方向

Claims (6)

  1. ヒート炉及び反応室を含む生長装置を提供する第一ステップと、
    亜鉛及びアルミニウムを提供し、亜鉛及びアルミニウムを前記反応室に置く第二ステップと、
    生長基板を提供し、該生長基板を前記反応室に置く第三ステップと、
    前記反応室に酸素ガスを含むガスを導入し、該反応室を加熱して、前記生長基板にアルミン酸亜鉛ナノ材料を生長させる第四ステップと、
    を含むことを特徴とするアルミン酸亜鉛ナノ材料の製造方法。
  2. 前記第四ステップにおいて、前記反応室を700℃〜1000℃に加熱させることを特徴とする、請求項1に記載のアルミン酸亜鉛ナノ材料の製造方法。
  3. 前記亜鉛及びアルミニウムの重量の比が1:2〜2:1であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のアルミン酸亜鉛ナノ材料の製造方法。
  4. 前記第三ステップにおいて、前記生長基板の表面に触媒層を形成することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のアルミン酸亜鉛ナノ材料の製造方法。
  5. 前記反応室が入気口と排気口を含み、
    前記生長基板を、前記反応室に置かれた亜鉛及びアルミニウムに対向する上方又は、該亜鉛及びアルミニウムと前記排気口との間に置くことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のアルミン酸亜鉛ナノ材料の製造方法。
  6. 前記反応室に酸素ガスを含むガスを導入する前に、該反応室に保護ガスを導入することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のアルミン酸亜鉛ナノ材料の製造方法。
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