小型の携帯可能な表示機器(液晶表示装置)は、ユーザと共に移動して屋外および屋内の両方で使用されるので、使用環境の変化に応じた表示性能が要求される。すなわち、屋外の使用では、太陽光に晒されることから、太陽光が液晶パネルに反射して表示コンテンツが見にくくなることに対応して、液晶パネルの表示に関する輝度を高くする必要が生じる。一方、屋内では、室内光の下、画質を向上させるために、表示に対して演色性を高くする必要がある。そこで、光源として発光特性の異なる高輝度LEDと高演色LEDの2種類のLEDを用い、屋外では両方のLEDで液晶パネルを照射することで輝度を高め、屋内では高演色LEDのみで照射して演色性を高められるようにした光源を用いることが考えられる。
しかし、このように高輝度LEDおよび高演色LEDを光源として利用し、発光させるLEDの切替を行う場合、液晶パネルの裏面側に配置される導光板は、いずれか一方のLEDの発光特性に合わせて導光パターンを設計しなければならない関係上、液晶パネルに輝度ムラ(およびそれに伴い色ムラ)が生じる問題があった。
輝度ムラについて、図13(a)(b)を用いて具体的に説明をする。図13(a)(b)は、高輝度LED2aと高演色LED2bをベース2cに交互に配置した光源ユニット2で液晶パネル3を照射する液晶表示装置1を示し、液晶パネル3の裏面には、高演色LED2bの照射に合わせて液晶パネル3の輝度が均一化されるような導光パターンを有する導光板(図示せず)が配置されている。そのため、図13(a)に示すように、屋内での使用にあわせて高演色LED2bのみで照射した場合は、液晶パネル3の中心部を含む領域(図中、波線で示す)が均一に照射され、輝度ムラおよび色ムラは生じない。一方、図13(b)に示すように、屋外での使用にあわせて高輝度LED2aおよび高演色LED2bの両方で照射を行うと、全体的な輝度が上昇するものの、高輝度LED2aから照射された光が導光板で均一的に配分されず、高輝度LED2aで照射される箇所において他に比べて明るい領域R1(図中、斜線で示す領域)が発生し、それにより領域R1で輝度ムラが生じる。
また、図14(a)(b)に示す液晶表示装置1′は、図13(a)(b)の液晶表示装置1と同様に、高輝度LED2a′と高演色LED2b′をベース2c′に配置した光源ユニット2′で液晶パネル3′を照射するものであるが、液晶パネル3の裏面に配置する導光板の導光パターンが、高輝度LED2a′および高演色LED2b′の両方で照射した場合に、各LED2a′、2b′からの光が均一的に配分されるようになっている。そのため、図14(a)に示すように、屋外での使用にあわせて両LED2a′、2b′で照射を行うと、液晶パネル3′の中心部を含む領域(図中、波線で示す)が均一に照射され、輝度ムラおよび色ムラは生じないが、図14(b)に示すように、屋内での使用に合わせて高演色LED2b′のみで照射を行うと、高演色LED2b′で照射された箇所が明るく浮かび上がる一方、高輝度LED2a′に対応した範囲は暗く落ち込んだ領域R2(図中、斜線で示す領域)が発生し、輝度ムラが生じる。
なお、高輝度LEDと高演色LEDは、それぞれが色の成分が異なる白色光を出しているので、輝度ムラの発生と共に液晶パネルに色ムラが生じる。すなわち、高輝度LEDから発せられる光は、色の成分として青色と黄色のみから構成される擬似的な白色光であるが、高演色LEDから発せられる光は、青色、赤色、緑色から色成分が構成されて、より自然な白色光になっている。そのため、高輝度LEDで照射される領域と、高演色LEDで照射される領域とでは、表示コンテンツの色調が相違し、色ムラが発生する。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、光源からの光が入射される導光板の面に所要の切欠を設けることで、光源として高輝度LEDおよび高演色LEDを用いて、屋内または屋外にあわせて各LEDの切替を行っても、液晶パネルに輝度ムラおよび色ムラが生じないようにした導光板、面光源装置、および液晶表示装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る導光板は、光源から発せられた光が入射される側面部に切欠が形成してある導光板において、前記切欠には、外方へ凸となるように湾曲した湾曲面が形成してあることを特徴とする。
本発明にあっては、光源から発せられた光が入射される側面部に形成した切欠に、外方へ凸となるように湾曲した湾曲面が形成してあるので、光源から導光板までの距離が近い場合でも、他の形状の切欠(例えば、フラットな斜面、凹状の湾曲面を有する切欠)に比べて、凸レンズ状の湾曲面により光源からの光を大きい角度で屈折しやすくなり、光源から発せられた光を適切に分散できるようになる。そのため、本発明に係る導光板を、一般的な光源と組み合わせて面光源装置を構成すれば、コンパクトな寸法で、明るさのムラが生じにくい特性を得られ、また、本発明に係る導光板の光源として高輝度LEDおよび高演色LEDを用いて、屋内または屋外にあわせて各LEDの発光切替を行っても、凸レンズ状の湾曲面を有する切欠により、各LEDからの光を屈折させるので、輝度ムラおよび色ムラの発生を抑制することが可能となる。
本発明に係る導光板は、前記切欠が、複数形成してあり、複数の切欠の中で、一の切欠の湾曲面へ入射した光と、他の切欠の湾曲面へ入射した光とが屈折して交差するように各湾曲面が形成してあることを特徴とする。
本発明にあっては、一の切欠の湾曲面へ入射した光と、他の切欠の湾曲面へ入射した光とが屈折して交差するように各湾曲面が形成してあるので、特に、導光板の光源として高輝度LEDおよび高演色LEDを用いた場合、各LEDから発せられた光が導光板で交差して重なるようになり、各LEDの光が混ざり合って輝度ムラおよび色ムラの抑制を図ることができる。
本発明に係る面光源装置は、複数の切欠が側面部に形成された矩形状の導光板と、前記導光板の側面部に対向配置された光源ユニットとを備える面光源装置において、前記光源ユニットは、発光特性が相違する第1LEDおよび第2LEDを含み、前記第1LEDは、前記第2LEDに比べて高輝度であり、前記第2LEDは、前記第1LEDに比べて高演色性であり、前記複数の切欠の中で、一の切欠は前記第1LEDと対向的な位置に形成してあると共に、他の切欠は前記第2LEDと対向的な位置に形成してあり、一の切欠へ入射された第1LEDの光と、他の切欠へ入射された第2LEDの光とが屈折して交差するように、各切欠に屈折面が形成してあることを特徴とする。
本発明にあっては、複数の切欠を設けた導光板と、高輝度の第1LEDおよび高演色の第2LEDを含む光源ユニットで面光源装置を構成し、複数の切欠の中で一の切欠へ入射された第1LEDの光と、他の切欠へ入射された第2LEDの光とが屈折して交差するように、各切欠に屈折面が形成してあるので、各LEDから発せられた光が導光板で重なるようになる。その結果、両LEDで照射を行った場合でも、各LEDからの光が混じり合って輝度ムラおよび色ムラが生じにくくなり、また、第2LEDのみで照射を行った場合でも、屈折面による屈折で第2LEDから発せられた光が分散されるため、輝度ムラおよび色ムラが生じにくくなる。なお、一般に液晶パネルの表示を行うと、液晶パネルの中心箇所に閲覧者の注意が向く傾向があるので、高演色の第2LEDのみを照射する場合に、第2LEDから照射される光が、液晶パネルの中心箇所に相当する導光板の対応箇所へ向かうように屈折させることが好適となる。
本発明に係る面光源装置は、複数の切欠が側面部に形成された矩形状の導光板と、前記導光板の側面部に対向配置された光源ユニットとを備える面光源装置において、前記光源ユニットは、発光特性が相違する第1LEDおよび第2LEDを含み、前記第1LEDは、前記第2LEDに比べて高輝度であり、前記第2LEDは、前記第1LEDに比べて高演色性であり、前記複数の切欠の中で、一の切欠は前記第1LEDと対向的な位置に形成してあると共に、他の切欠は前記第2LEDと対向的な位置に形成してあり、一の切欠へ入射された第1LEDの光と、他の切欠へ入射された第2LEDの光とが屈折して交差するように、各切欠に外方へ凸となる湾曲面が形成してあることを特徴とする。
本発明にあっては、複数の切欠を設けた導光板と、高輝度の第1LEDおよび高演色の第2LEDを含む光源ユニットで面光源装置を構成し、複数の切欠の中で一の切欠へ入射された第1LEDの光と、他の切欠へ入射された第2LEDの光とが屈折して交差するように、各切欠に外方へ凸となる湾曲面が形成してあるので、各LEDから発せられた光が導光板で重なるようになる。そのため、両LEDで照射を行った場合でも、各LEDからの光が混じり合って輝度ムラおよび色ムラの発生が抑制され、また、第2LEDのみで照射を行った場合でも、凸レンズ状の湾曲面による屈折で第2LEDから発せられた光が分散されて輝度ムラおよび色ムラが生じにくくなる。
本発明に係る面光源装置は、前記導光板が、一の切欠へ入射された第1LEDの光と、他の切欠へ入射された第2LEDの光とが交差する箇所に、両LEDからの光の指向性が共通になる導光パターンを有することを特徴とする。
本発明にあっては、第1LEDと第2LEDからの光が交差する箇所に、両LEDからの光の指向性が共通になる導光パターンを設けたので、第1LEDと第2LEDからの光が導光パターンに入った後、それらの光路が同一になる。そのため、屋内等の使用に対して第1LEDが点灯を停止して、第2LEDのみを発光させても、その光路に相当する領域は、第2LEDにより照射されて、この領域の光量を確保でき、両LEDを発光させる場合との明るさの分布状態の差を低減でき、輝度ムラおよび色ムラの抑制に貢献できる。
本発明に係る面光源装置は、前記導光板の側面部が、少なくともいずれか1つの角部で面取り的に形成された斜面部であることを特徴とする。
本発明にあっては、面取り的に形成した角部の斜面部を光源ユニットが対向配置される側面部にするので、小型の液晶表示装置に好適なレイアウトに対しても、本発明に係る構成を適用できるようになる。
本発明に係る液晶表示装置は、液晶パネルと、上述したいずれか1の面光源装置と、前記第1LEDおよび前記第2LEDの両方を発光させる第1発光状態と、前記第2LEDを発光させる第2発光状態との切替を行う切替手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、第1LED及び第2LEDの双方を発光させる第1発光状態と、第2LEDのみを発光させる第2発光状態を択一的に切替可能にしているので、様々な使用の状況に対応でき、発光特性の異なる第1LEDと第2LEDを有効に活用できるようになる。すなわち、屋外などで液晶表示装置を使用する場合は、太陽光が液晶パネルで反射して表示コンテンツが見にくくなるので、第1発光状態に切り替え、逆に屋内などでは、高画質のコンテンツ表示を得るために、第2発光状態に切り替える。
本発明にあっては、光源から発せられた光が入射される側面部に形成した切欠に、外方へ凸となるように湾曲した湾曲面が形成したので、光源から発せられた光を適切に分散できる。
また、本発明にあっては、一の切欠の湾曲面へ入射した光と、他の切欠の湾曲面へ入射した光とが屈折して交差するように各湾曲面を形成したので、各LEDから発せられた光を導光板で重ねることができ、輝度ムラおよび色ムラの抑制を図ることができる。
本発明にあっては、導光板に設けた複数の切欠の中で一の切欠へ入射された高輝度の第1LEDの光と、他の切欠へ入射された高演色の第2LEDの光とが屈折して交差するように、各切欠に屈折面を形成したので、特性の異なる光を導光板が重なって混じり合い、輝度ムラおよび色ムラの発生を抑制できる。
また、本発明にあっては、導光板に設けた複数の切欠の中で一の切欠へ入射された高輝度の第1LEDの光と、他の切欠へ入射された高演色の第2LEDの光とが屈折して交差するように、各切欠に湾曲面を形成したので、これらの湾曲面により特性の異なる光を混じり合わせることができ、輝度ムラおよび色ムラの発生を抑えられる。
さらに、本発明にあっては、第1LEDと第2LEDからの光路が、導光パターンにより同一になるので、輝度ムラおよび色ムラの発生を一層抑制できる。
さらにまた、本発明にあっては、面取り的に形成した角部の斜面部を光源ユニットが対向配置される側面部にするので、小型の液晶表示装置に好適なレイアウトに対しても、本発明に係る構成を適用して、輝度ムラおよび色ムラの抑制を図れる。
また、本発明にあっては、第1LED及び第2LEDの双方を発光させる第1発光状態と、第2LEDのみを発光させる第2発光状態を択一的に切り替えるので、様々な使用状況で良好な表示特性を得ることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る液晶表示装置11を適用した携帯電話機10を示している。携帯電話機10は、略直方体の筐体12に、コンテンツ表示を行う液晶パネル11aと、後述する光源ユニット15の照射の態様を切り替える切替スイッチ13、携帯電話機10を操作するための操作部14を設けている。
図2(a)は液晶表示装置11のパネル面からの正面図(液晶パネル11aを省略した状態の図)であり、図2(b)は液晶表示装置11の全体的な断面を示し、液晶パネル11aの裏面側に、第1プリズムシート29a、第2プリズムシート29b、拡散シート30、導光板16、反射シート31を順次、積層配置している。本実施形態の液晶表示装置11は、サイドライト方式を採用しており、図2(a)中、下方となる導光板16の一側面部16aに対向するように光源ユニット15を配置している。液晶表示装置11は、上述した液晶パネル11a、各シート29a、29b、30、31、導光板16、光源ユニット15をハウジング17で囲っており、このような液晶表示装置11の中で、導光板16と光源ユニット15は液晶パネル11aに対する部品ユニットの面光源装置34(図3参照)として成立する。
なお、第1プリズムシート29a及び第2プリズムシート29bは、液晶パネル11aのパネル面へ光を集めることによりパネル輝度を向上させるシート部材であり、拡散シート30は、液晶パネル11aの輝度の向上、光の拡散、輝度ムラの低減を目的としたシート部材である。また、反射シート31は、導光板16から漏れ出た光を液晶パネル11aの方へ反射して、光源ユニット15から発せられた光を無駄なく有効に利用するためのシート部材である。
光源ユニット15は、液晶パネル11aの光源であり、導光板16を介して液晶パネル1aを照射する。本実施形態の光源ユニット15は、図2(a)に示すように、ベース15aに高輝度LED(第1LEDに該当)18a〜18d、および高演色LED(第2LEDに該当)19a〜19cの2種類のチップ型のLEDを交互に等間隔で配置した構成になっている。
高輝度LED18a〜18dは、例えば、青色LEDの発光チップと黄色蛍光体(Ca−αサイアロン)とから構成されている白色LEDであり、高演色LED19a〜19cに比べて高輝度となっている。また、高演色LED19a〜19cは、青色LEDの発光チップと赤色蛍光体(CaAlSiN3)と緑色蛍光体(βサイアロン)とから構成されている白色LEDであり、高輝度LED18a〜18dに比べて高演色になっている。なお、高輝度LED18a〜18dと高演色LED19a〜19cは、青色LEDの発光により励起されるので、青色LEDの光波長である470nm付近で最高ピークを有する。高輝度LED18a〜18dは、470nm付近で、高演色LED19a〜19cより、約2倍近い放射強度を有している。また、演色性に関しては、高輝度LED18a〜18dは平均演色評価数が80Raであり、高演色LED19a〜19cは平均演色評価数が90Raである。また、本実施形態の光源ユニット15はチップ型のLED18a〜18d、19a〜19cを用いているが、砲弾型またはフラット型のLEDを用いることも可能である。
次に、本発明の特徴となる液晶表示装置11の導光板16について説明する。透明なアクリル樹脂製で矩形状の導光板16は、図2(b)で示すように、側方からの形状が光源ユニット15側となる一側面部16aの厚み寸法を反対側の側面部より大きくした略楔状であり、光源ユニット15からの光を発光面16fで均一に面発光させることにより、液晶パネル11aを裏面から照射する。
図2(a)、図3、図4に示すように、導光板16は、光源ユニット15から発せられた光が入射される一側面部16aに切欠21〜28を形成している。図3中、左端に形成された切欠21および左から2番目に形成された切欠22(切欠21より小さいもの)は、光源ユニット15のベース15aに左から2番目に配置された高演色LED19aに対向しており、高演色LED19aから発せられた光が入射される。また、これらの切欠21、22(他の切欠に相当)には、外方(光源ユニット15の方へ向かう方向)へ凸状に湾曲した湾曲面21a、22a(屈折面に相当)が形成されており、この凸状の湾曲面21a、22aが凸レンズ的に作用し、湾曲面21a、22aに入射された高演色LED19aからの光を屈折させて、隣り合う高演色LED19aと高輝度LED18bの中間位置C1(図4参照)と対向する箇所から中方へ入った部分に形成された第1導光パターン16dへ進行させる。
なお、左端の切欠21に形成された湾曲面21aは、左から2番目の切欠22に形成された湾曲面22aに比べて、一側面部16aに対する接線角度が大きくなるように、全体的に立った角度で形成されている。それにより、高演色LED19aの中央付近から発せられて湾曲面21aに入射した光は、図4中、右へ屈折するが、高輝度LED19aの中央付近から右よりの箇所から湾曲面22aに入射した光は、左へ屈折するようになっている。
また、図3中で左側から3番目の切欠23および左側から4番目の切欠24は、上述した切欠21、22と、高演色LED19aおよび高輝度LED18bの中間位置CL(図4参照)を中心に対称になるように形成されている。すなわち、左側から3番目の切欠23は切欠22と対称的な位置で対称的な形状であり、切欠22の湾曲面22aと対称形状の湾曲面23aを有し、左から4番目の切欠24は、切欠21と対称的な位置で対称的な形状に形成されており、切欠21の湾曲面21aと対称形状の湾曲面24aを有する。これらの切欠23、24(一の切欠に相当)は、光源ユニット15のベース15aに左から3番目に配置された高輝度LED18bに対向し、高輝度LED18bから発せられた光を、高演色LED19aからの光と対称となるように湾曲面23a、24aで屈折させて、第1導光パターン16dへ進行させている。
切欠21〜24の凸レンズ的な作用により、高演色LED19aおよび高輝度LED18bから発せられた光は、第1導光パターン16dで交差して重なり、また、第1導光パターン16では、入ってきた光の指向性(進む向き)が共通にして進行させる。詳しくは、図2(a)に示すように、高演色LED19aから発せられた光L1は、切欠21(他の切欠に相当)の湾曲面21aで導光板16の中心方向へ角度αで屈折して第1導光パターン16dへ入り、また、高輝度LED18bから発せられた光L2は切欠24の湾曲面24aで導光板16の外方向へ角度αで屈折して第1導光パターン16dへ入る。第1導光パターン16dへ入った光L1、L2は交差して重なり、重なって混ざり合った光L6として同一方向(一側面部16aに直交的な方向)へ進行する。
また、図3に示す切欠25〜28は、光源ユニット15の中央に配置された高演色LED19bを中心にして切欠21〜24と対称に形成されており、湾曲面25a〜28aを有している。また、切欠25、26は、図3中、光源ユニット15のベース15aに右から3番目に配置された高輝度LED18cと対向しており、高輝度LED18cから発せられた光は、湾曲面25a、26aで屈折して第2導光パターン16eへ進行する。さらに、切欠27、28は、光源ユニット15のベース15aに右から2番目に配置された高演色LED19cと対向しており、高演色LED19cから発せられた光は、湾曲面27a、28aで屈折して第2導光パターン16eへ進行する。
なお、第2導光パターン16eでは、高輝度LED18cから発せられた光(例えば、図2(a)で示す光L4)と、高演色LED19cから発せられた光(例えば、図2(a)で示す光L5)とが交差して重なり、重なって混ざり合った光L7(図2(a)参照)は、共通の指向性を持って、一側面部16aと直交的な方向へ進行する。
このように各導光パターン16d、16eから進行する光L6、L7は、いずれも共通の指向性(進行方向が同じ特性)を有するので、光L6、L7の進行先となる液晶パネル11aの中央領域11b(図2(a)参照)には、同方向の光L6、L7に対して共用される適切な導光パターン16h(図3参照)を導光板16は形成している。これにより各LED18a〜18d、19a〜19cの発光状態に関係なく、面光源装置34は、同等の照射性を確保して輝度ムラおよび色ムラの発生を防止できるようにしている。なお、本実施形態では、演色性に優れた高演色LED19a、19cから発せられた光を、いずれも導光板16の中央の向きへ屈折させるので、高演色LED19a〜19cのみを発光させる状態で、液晶パネル11aの中央付近の演色性を良好に維持できるようにしている。
また、面光源装置34では、高輝度LED18a、18d、および中心位置の高演色LED19bと対向する導光板16における一側面部16aの箇所に、切欠を設けていないため、これらのLED18a、18d、19bから発せられた光(例えば、図2(a)に示す光L3)は、第1および第2導光パターン16d、16eから出る光L6、L7と同様に、導光板16の一側面部16aと直交的に進行するので、導光パターン16hは、これらの光を分散させて、明るさが特定の箇所に集中することを防止している。
なお、本実施形態の導光板16は、各導光パターン16d、16e等を、発光面16fとは逆の面である背面16g(図2(b)参照)に、拡散反射特性を有する白色ドットを印刷することで形成しているが、導光板16製作用の金型に所要の導光パターン用の凹凸を形成することで、各導光パターン16d、16e等を成形により作ってもよい。
図5は、液晶表示装置11の電気的構成を示し、液晶表示装置11は各種制御を行う制御部32に、切替スイッチ13、光源ユニット15、液晶パネルインターフェース33を接続すると共に、液晶パネルインターフェース33に液晶パネル11aを接続している。液晶表示装置11の制御部32は、切替スイッチ13の操作により、光源ユニット15の各LED18a〜18d、19a〜19cの発光状態を、屋外モードと屋内モードに切り替える制御を行う。なお、屋外モードは、屋外の太陽光の下で携帯電話機10を使用する場合に、液晶パネル11aの輝度を高くするため光源ユニット15の全LED18a〜18d、19a〜19cを点灯させる状態(第1発光状態)に該当し、屋内モードは、演色性を高めて高画質でコンテンツ表示を行えるようにするため、高演色LED19a〜19cを発光させる状態(第2発光状態)に該当する。
制御部32は、切替スイッチ13が図1の矢印方向へスライド操作されたとき、屋内モードで光源ユニット15を発光させるように発光状態を切り替えられ、また、図1の矢印方向とは逆へスライド操作がされたとき、屋外モードで光源ユニット15を発光させるように発光状態を切り替える制御を行う。
以下、本発明の実施形態に係る携帯電話機10に含まれる液晶表示装置11の動作について説明する。切替スイッチ13が屋外モードになるように操作されると、図6(a)に示すように、制御部32の切替制御により、光源ユニット15は全LED18a〜18d、19a〜19cを発光するので、液晶パネル11aは高輝度となり、太陽光の下でも表示コンテンツの視認性を高めて表示処理を行える。しかも、屋外モードでは、切欠21〜24により高輝度LED18bの光と高演色LED19aの光が屈折して第1導光パターン16dで交差して重なり混ざり合い、光L6として共通の導光パターンが形成された領域へ進行するので、光が適切に分散されて輝度ムラおよび色ムラが軽減される。このような光の交差混ざり合いは、高輝度LED18cおよび高演色LED19cから発せられた光が切欠25〜28により屈折されて、第2導光パターン16eでも上記と同様に交差して混ざり合い、光L7として進行するので、液晶パネル11aの右側でも同様に、輝度ムラおよび色ムラが軽減される。
また、切替スイッチ13が屋内モードになるように操作されると、図6(b)に示すように、制御部32の切替制御により、光源ユニット15は、高演色LED19a〜19cを発光させる発光状態に切り替えられ、液晶パネル11aを照射する。屋内モードでは、高輝度LED18a〜18dが発光しないので、液晶パネル11aの全体的な輝度は低下するが、高演色LED19aからの光が第1導光パターン16dに進行し、高演色LED19cからの光が第2導光パターン16eに進行し、第1導光パターン16dおよび第2導光パターン16eから出た光L6、L7が液晶パネル11aの中央領域11bに設けられた共通の導光パターン16h(図3参照)に進行して適切に分散されるので、液晶パネル11aの中央領域11bの輝度が適度に維持される。また、一般にユーザは液晶パネル11aを見る場合、パネルの中心領域11bへ注意を集める傾向があるので、屋内モードでは液晶パネル11aの中心領域11bが見やすくなるため、良好な演色性で表示されたコンテンツを適切な輝度でユーザに提供できる。
なお、本発明に係る導光板16、面光源装置34、および液晶表示装置11は、上述した形態に限定されるものではなく、種々の変形例の適用が可能である。例えば、導光板16は、2種類の高輝度LED18a〜18dおよび高演色LED19a〜19cを有する光源ユニット15以外に、同種の発光特性のLEDのみを備えた光源ユニットと組み合わせて面光源装置を構成することも可能であり、この場合は、各切欠21〜28に設けた凸レンズ状の湾曲部21a〜28aで、光源ユニットから発せられる光を屈折させて幅広く分散させるため、液晶パネル11aの光源ユニット近傍箇所が過度に明るくなることを防止できる。なお、このように同種の発光特性のLEDのみを備えた光源ユニットに導光板16を組み合わせる場合は、発光特性が同種であることから各LEDの光を重ねて混じり合わせる必要もないので、各導光パターン16d、16e等を省略することも可能であると共に、導光板16の一側面部16aに対する湾曲部21a〜28aの角度および形状を、切欠21〜28へ入射した光が広く分散するように規定してもよい。
また、一方、2種類の高輝度LED18a〜18dおよび高演色LED19a〜19cを有する光源ユニット15に組み合わせる導光板は、図2、3等の切欠形状を有する導光板16以外にも、他の切欠形状を有する導光板を組み合わせることが可能である。
図7(a)(b)は、光源ユニット15に、凹状の湾曲部41a、42a等を形成した切欠41〜48を設けた導光板40を組み合わせた変形例の面光源装置49を示している。この変形例において、導光板40は、図2、3等に示した導光板16と同様な位置に切欠41〜48を形成しているが、各切欠41〜48に形成する湾曲部41a、42a等の形状を導光板40の中方へ窪んで凹状にしたことが特徴になっている。このような形状にすることで、湾曲部41a、42a等に凹レンズ的な作用が生じ、光源ユニット15の各LEDから発せられる光を適度に屈折させて液晶パネルの輝度ムラおよび色ムラを抑制することができる。
図8は、光源ユニット15に別の変形例の導光板50を組み合わせた面光源装置59を示している。この導光板50は、図2、3等に示した導光板16と同様な位置に切欠51〜58を形成しているが、図2、3等の導光板16の切欠21〜28に湾曲部21a〜28aを形成した箇所に、フラットな斜面部51a、52a等を形成したことを特徴にしている。このようなフラットな斜面部51a、52a等でも、光源ユニット15から発せられた光が斜面部51a、52a等へ斜めに入射するので、斜面部51a、52a等で光源ユニット15の光を屈折させて液晶パネルに輝度ムラおよび色ムラが生じないようにできる。なお、図8に示す導光板50は、切欠51〜58が、図2、3等の導光板16に比べて平面のみの簡易な形状になっているので、導光板50の成形用金型の製作も容易になり、製作コストも低減できる。
図9は、光源ユニット15に、さらに別の変形例の導光板60を組み合わせた面光源装置69を示している。この導光板60は、光源ユニット15からの光が入射される一側面部60aに、平面視(正面視)で二等辺三角形状の計4個の切欠61〜64を形成したことが特徴になっている。図9中、左端の切欠61は高演色LED19aに対向して形成されており、以下、左から2番目の切欠62は高輝度LED18bに対向し、右から2番目の切欠63は高輝度LED18cに対向し、右端の切欠64は高演色LED19cに対向してそれぞれ形成されている。
左端の切欠61は、左側の斜面部61aおよび右側の斜面部61bで高演色LED19aから発せられた光を、図9中の左側と右側へそれぞれ屈折させている。また、左から2番目の切欠62は、左側の斜面部62aおよび右側の斜面部62bで高輝度LED18bから発せられた光を、図9中の左側と右側へそれぞれ屈折させている。切欠61、62での斜面部61b、62aでの屈折により、高演色LED19aから発せられた光と、高輝度LED18bから発せられた光が交差して混ざり合うようになり、液晶パネルの輝度ムラおよび色ムラ抑制に貢献できる。また、このような光が交差する箇所には、図2、3等の導光板16に示した第1導光パターン16dを導光板60に設ければ、各LED19a、18bから発せられた光の指向性を共通にでき好適となる。なお、切欠63、64でも、上述した切欠61、62と同様に、高輝度LED18cおよび高演色LED19cから発せられる光を屈折させてそれぞれを交差させており、これにより液晶パネルの右半分側でも輝度ムラおよび色ムラの発生を抑制している。
なお、図9では、各切欠61〜64を正面視で二等辺三角形の形状にしているが、他の形状として、台形、半円形状なども適用することが可能であり、この場合、台形の左右の斜面部、半円状の円弧面部で光源ユニット15の発光特性の相異する各LEDの光を交差させて、光を混ぜ合わせることができる。
図10(a)(b)は、切欠の個数を減らして、光源ユニット15の発光特性が相異する各LEDの光を交差させる変形例の面光源装置79、89を示している。図10(a)は、光源ユニット15の左から2番目の高演色LED19aに対向するように導光板70の一側面部70aに切欠71、72を形成し、さらに、右から2番目の高演色LED19cに対向するように切欠73、74を形成した変形例を示している。各切欠71〜74は、図2、3等に示す導光板16に形成した切欠21、22、27、28と基本的に同形状になっており、切欠71、72に形成した湾曲部71a、72aで高演色LED19aから発せられた光を導光板70の中央方向(図10(a)中の右方向)へ屈折させて、左から3番目の高輝度LED18bから発せられて一側面部70aに対して直交的に進む光と交差させ、発光特性の異なる光を混ぜ合わせている。なお、この場合でも高演色LED19aの光と高輝度LED18bの光が交差する箇所に、図2、3等に示す第1導光パターン16dを設けることが、発光特性の異なる光の指向性(進行方向)を共通にする点で好ましい。
また、図10(a)の右方でも、切欠73、74の湾曲部73a、74aで高演色LED19cから発せられた光が、導光板70の中央方向(図10(a)中の左方向)へ屈折し、右から3番目の高輝度LED18cから発せられた光と交差している。なお、図10(a)のように切欠の個数を減らすことで、導光板70の製作コストを低減することが可能となる。また、図10(a)に示す場合では、切欠71〜74の代わりに、導光板の同等の位置に形成される他の形状の切欠、例えば、図7(a)に示す切欠41、42、47、48、または図8に示す切欠51、52、57、58等を適用することも可能である(後述の図10(b)の変形例でも同様)。
図10(b)は、光源ユニット15の左から3番目の高輝度LED18bに対向するように導光板80の一側面部80aに切欠81、82を形成し、さらに、右から3番目の高輝度LED18cに対向するように切欠83、84を形成した変形例を示している。これらの切欠81〜84は、図2、3等に示す導光板16に形成した切欠23〜26と同形状になっており、切欠81、82に形成した湾曲部で高輝度LED18bから発せられた光を導光板70の外方向(図10(a)中の左方向)へ屈折させて、左から2番目の高演色LED19aから発せられて一側面部80aに対して直交的に進む光と交差させ、発光特性の異なる光を混ぜ合わせている。なお、この両LED18b、19aの光が交差する箇所にも、図2、3等に示す第1導光パターン16dを設けることが好適である。また、図10(b)の右方でも、切欠83、84の湾曲部により、高輝度LED18cから発せられた光が、導光板80の外方向(図10(b)中の右方向)へ屈折し、右から2番目の高演色LED19cから発せられた光と交差している。
図11(a)(b)は、光源ユニットに設ける各LEDの個数が図2、3等より多い場合となる変形例の面光源装置99を示している。なお、図11(a)(b)では、面光源装置99の中央から右半分のみを表しており、左半分の範囲は、図11(a)(b)に表した内容と中央位置Cを中心にして対称となっている。光源ユニット100は、中央位置Cに高演色LED102aを配置し、以下、図中右方へ高輝度LED101a〜101cと、高演色LED102b、102cを交互に配置している。
導光板90は、一側面部90aに切欠91〜98を形成している。各切欠91〜98は、図2、3等に示す導光板16に形成した切欠21〜28と基本的には同形状にしているが、切欠91〜94と、切欠95〜98では、入射した光の屈折角が相異するように各切欠に設ける湾曲面91a等の角度を変えていることが特徴にいなっている。すなわち、高輝度LED101aおよび高演色LED102bに対向する切欠91〜94は、高輝度LED101aおよび高演色LED102bから発せられた光L8、L9が角度γで屈折するように湾曲面91a、94a等の角度が設定されている。一方、高輝度LED101bおよび高演色LED102cに対向する切欠95〜98は、高輝度LED101bおよび高演色LED102cから発せられた光L10、L11が角度β(β>γ)で屈折するように湾曲面95a、98a等の角度が設定されている。
このように切欠91〜94と、切欠95〜98の屈折角度を相異させることで、図11(b)に示すように、光源ユニット100の中央寄りに配置されたLED101a、102bから発せられた光L8、L9は、導光板90の一側面部90aの近い箇所で交差すると共に、導光板90の右方へ進行する光L8は、右側面部90bの反射位置P1で反射する。一方、光源ユニット100の端寄り(右端寄り)に配置されたLED101b、102cから発せられた光L10、L11は、導光板90の一側面部90aから遠い箇所(光L8、L9の交差箇所と比べて遠い箇所)で交差すると共に、導光板90の右方へ進行する光L10は、右側面部90bの反射位置P2で反射し、反射位置P2は反射位置P1より、一側面部90aからの距離が遠くなっている。
そのため、端寄りに配置された高輝度LED101bから照射された光が一側面部90aに近い右側面部90bで反射して、不規則に液晶パネルを照射することがなくなるので、輝度ムラと色ムラをより軽減できる。すなわち、高輝度LED101bは右側面部90bと近い場所に配置され、且つその光の輝度が高いため、導光板90の一側面部90a近傍で反射すると強い輝度ムラと色ムラが生じるが、上記のように導光板90の幅方向における中央寄りと端寄りでは、屈折角度が相異するように切欠91〜98を形成するので、強い輝度ムラおよび色ムラの発生を防止できる。さらに、端寄りに配置された高演色LED102cの光は、切欠97、98で緩やかに屈折されて、光L11として進行するので、高演色LED102cからの光が導光板90の内部で不規則に反射することが抑えられ、輝度ムラおよび色ムラを軽減できる。なお、このような図11(a)(b)に示す構成は、多数のLEDが必要となる大型の液晶パネルを適用した液晶表示装置に対して好適となる。
図12は、本発明のさらに別の変形例の面光源装置119を示し、この変形例の構成は小型の液晶表示装置に好適なものである。図12の面光源装置119は、導光板110の右側面部110cと下側面部110bとが交わる角部に面取り的な斜面部110aを形成し、その斜面部110aに、高輝度LED121aおよび高演色LED121bを含む配光源ユニット120を対向配置して、光源ユニット120から発せられた光が斜面部110a(光源からの光が入射される側面部に相当)入射されるようにしている。
導光板110は、斜面部110に高輝度LED121aと対向するように切欠111、112を形成し、高演色LED121bと対向するように切欠113、114を形成している。これらの切欠111〜114は、図2、3等に示す導光板16の切欠21〜24と同形状になっており、そのため、各LED121a、121bから発せられた光は、切欠111〜114で交差するように屈折されて、発光特性の異なる光が混じり合い、液晶パネルで輝度ムラおよび色ムラは生じるのが抑制される。なお、面光源装置119の光源として明るさをあげる場合は、導光板110の残りの角部のいずれかにも、面取り的な斜面部(切欠を設けたもの)を形成すると共に、光源ユニット120を配置することになる。また、斜面部110aに形成する切欠111〜114の形状は、図7(a)、図8、図9、図10(a)(b)に示すものも適用可能である。
また、上述した液晶表示装置11では、屋内モードと屋外モードの切替をユーザのマニュアル操作により切り替える制御をおこなっていたが、これ以外にも、外光の明度を検出する明度センサを用いて、現在の使用場所に合わせて自動的に屋内モードと屋外モードを切替可能にすることが可能である。この場合、明度センサを制御部32(図5参照)に接続すると共に、制御部32の内部メモリ(図5に示さず)に明度用の閾値を記憶させ、明度センサが検知した明度と閾値を制御部32で比較し、検知した明度が閾値を越える場合は屋外モード、検知した明度が閾値を下回る場合は屋内モードになるように制御部32が制御を行う。
さらに、本実施例に係る液晶表示装置11は、図1の携帯電話機10以外にも、他の表示機器類、例えばデジタルビデオカメラ、ポータブルDVD、ポータブルゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)などにも適用できる。くわえて、上述した各構成(変形例も含む。)は、適宜、組み合わせることも可能である。