以下に、本発明の照明装置を、図面を参照しながら説明する。図1〜図3は本発明の循環型光パイプを有する照明装置の基本構成を示す模式的斜視図である。図1は4個の白色LED光源が循環型光パイプの4コーナーに各々配置されている場合を示している。図2は2個の白色LED光源が対向する2コーナーに配置されている場合を示している。図3は2個の白色LED光源が1つのコーナーに配置されている場合を示している。
図1において、第1の白色LED光源3、第2の白色LED光源4、第3の白色LED光源5、第4の白色LED光源6から出射された光は、循環型光パイプ1の中を循環伝播される。循環型光パイプ1は矩形環状をしており、各LED光源から出射した光のうち、循環型光パイプ1の入射面に対して臨界角以上の大きな入射角で入射した光は全反射を繰り返しながら内部を循環伝播し、一方、臨界角よりも小さな入射角で入射した光は、内部を循環伝播しながら一部の光が循環型光パイプを通過して導光板2の内部に入射する。この循環型光パイプ1は従来の光パイプに比較して、長い光路に渡ってRGBの各光を加法混色することができ、より色むらの少ない照明を実現することができる。
循環型光パイプ1の側面には微小プリズム群が形成されている。すなわち、図示するように、循環型光パイプ1の側面には第1の側面プリズム構造8や第2の側面プリズム構造が形成されている。図1では図示されていないが、第1の白色LED光源3と第4の白色LED光源6との間にある循環型光パイプ1の側面にも第1の側面プリズム構造8と同様の微小プリズム群が、第3の白色LED光源5と第4の白色LED光源6との間にある循環型光パイプ1の側面にも第2の側面プリズム構造9と同様の微小プリズム群が形成されている。
循環型光パイプ1の入射面から入射した光のうち、微小プリズム群を伝播して入射面と対向する面に届いた光は、その対向面への入射角が臨界角よりも小さくなるため、一部の光はこの対向面を透過して外部に洩れ、残りの光は光路が偏向されて循環型光パイプ1の内部に戻る。このとき、内部に戻った光は、微小プリズム群が形成されていない導光板2側側面に入射するときに臨界角よりも小さな角度で入射するため、その一部は導光板2の側面に出射される。
循環型光パイプ1の側面から漏れた光は、本発明の照明装置を支持するための図示されていない筐体表面で反射されて再び循環型光パイプ1の内部に戻る。このような戻り光の多くは微小プリズム群が形成されていない導光板2側側面に入射するときに臨界角よりも小さな角度で入射するため、その一部は導光板2の側面に出射される。
循環型光パイプ1の材料としては、透明なアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂あるいはシクロオレフィン系樹脂などを用いることができる。
微小プリズムの形状の実施形態としては、高さが20〜100μm、ピッチが20〜200μm、頂角が80〜100°の二等辺三角柱を用いることができる。また、別の実施形態としては、高さが20〜100μm、ピッチが20〜200μm、1つの頂角が40〜70°の直角三角柱を用いることができる。これらの微小プリズム群は前記形状の微小プリズムが充填配列または20〜100μmの平面で間隔を空けて配列されている。
また、導光板2に入射する光強度分布を一様にするために、微小プリズム群のピッチは等ピッチではなくて、白色LED光源から離れるにつれてピッチが小さくなるように作製される。図1に示した構成では、4個の白色LED光源が対象に配置されているために、第1の側面プリズム構造8と第2の側面プリズム構造9は同様の規則によって微小プリズム群のピッチが変化するように形成されている。この場合に形成される微小プリズム群の詳細を図5に示す。なお、図5では、図1と同様の作用を有する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図5は、図1で示した構成の循環型光パイプの側面に形成されている側面プリズム構造の一例を示す模式図である。図示するように、循環型光パイプ1は導光板支持部14で導光板を支持している。この導光板支持部14は循環型光パイプ1の内周面コーナーに設けられたR面またはC面によって、導光板2の4つの頂点を嵌め合いで支持している。このような構成によれば、循環型光パイプ1と導光板2との間に均一な空気層が形成できるため、循環型光パイプ1の中でLEDからの光を全反射によって効率良く循環させることが可能になる。
このような構成では、第1の白色LED光源3と第2の白色LED光源4から出射された光は循環型光パイプ1の内面で反射されながら、主に図中の時計回りに循環伝播する。そして、循環型光パイプ1を時計回りに進むにつれて側面プリズム構造9のピッチが小さくなるような微小プリズム群が形成されている。この微小プリズム群のピッチは、各プリズムの頂角や高さが一定である場合には、循環型光パイプ1の一端面からの距離の二次関数に逆比例した関数で変化していくようにするのが望ましい。また、例えば、循環型光パイプ2の一端面からの距離に対して各プリズムの高さを一次関数で順次変化させる場合には、微小プリズム群のピッチを循環型光パイプ2の一端面からの距離の一次関数に逆比例した関数として定義することもできる。一般的な表現をすれば、微小プリズムの斜面のなす面積が任意の白色LED光源からの距離の一次関数になるように、これら微小プリズム群のピッチを決めれば良いことがわかる。これら一次関数や二次関数の係数は、循環型光パイプ1を構成する材料の光学常数や形状に依存するため、構造設計に依存している。
図5に示した側面プリズム構造9は、二等辺三角柱の集合体となっている。これは、各LED光源から出射された光の内、端面で反射されて反時計回りに戻ってくる戻り光も効率良く導光板2に照射するためである。第2の白色LED光源4から出射した光の一部は循環型光パイプ1を時計回りに伝播し、第1の白色LED光源3近傍にある第1の白色LED4と対向する面で反射されて反時計回りの方向に戻って伝播される。これが上記に説明した戻り光である。
循環型光パイプ1を時計回りに伝播する光の光路について説明する。白色LED光源1から出射した光の一部は矢印15aに示すように循環型光パイプ1の内周面に入射する。白色LED光源4から入射するほとんどの光は、矢印15aに示す光のように、臨界角よりも大きな角度で入射するため、内周面で全反射して矢印15bで示される光路をとり、側面プリズム構造9の1つの微小プリズム斜面に入射する。矢印15bで示される光は入射角が臨界角よりも小さくなるために、一部は矢印15cで示される光として反射され、残りの光は矢印15dで示される光のように微小プリズム斜面を透過する。矢印15cで示される光は再び循環型光パイプの内周面に入射されるが、微小プリズムの斜面で反射されたときに入射角が変化し、臨界角よりも小さな角度で入射することとなる。そのため、内周面に入射した光15cは、一部は透過して導光板2の方向に出射され、残りは再び反射されて循環型光パイプ1の内部に戻る。循環型光パイプ1と導光板2との間にはわずかに隙間があいている。この隙間の大きさは、0.05〜0.2mm程度であり、循環型光パイプ1の内周部角にある導光板支持部14に形成されたR面の半径の大きさ、またはC面の大きさによって決定される。循環型光パイプ1を透過した光15cは、このわずかな隙間で若干光路がずれるが、その一部が導光板2の内部へと透過していく。また、循環型光パイプ1の微小プリズム斜面から透過した光15dは、図示していない外部に設けられた支持枠や反射板によって反射され、再び循環型光パイプ1の内部へと戻り、照明光として利用される。同様に、反時計回りに伝播する戻り光に対しても以上説明したような光路をとる。
このように、図5の構成における循環型光パイプ1の側面プリズム構造は、循環型光パイプ1の外周面全ての面に対して同一の微細プリズム構造が形成されている。また、側面プリズム構造において、各微小プリズム間に設けられている隙間平面部は、微小プリズム群のピッチを調整するだけでなく、この平面部に入射してきた光を効率良く全反射して内部循環させる作用を有している。
次に、図3で示した構成の循環型光パイプの側面に形成されている側面プリズム構造の一例を図6に模式的に示す。なお、図1及び図5と同様の作用を有する要素には同一の符号を付し、その説明は適宜省略する。図6で示した循環型光パイプ1の内部を光が循環伝播する様子を図3と合わせて説明する。まず、白色LED光源3から出射される光に着目する。白色LED光源3から出射された光は、第1のコーナープリズム10、第2のコーナープリズム11、第3のコーナープリズム12で順に反射しながら循環型光パイプ1を時計回りに伝播する。そして、白色LED光源4に面した位置まで伝播すると、一部はそのまま時計回りに伝播するが、残りは白色LED光源4面する循環型光パイプ面で反射して反時計回りの戻り光となり、もと来た光路をたどって逆周りに伝播する。一方、白色LED光源4から出射された光は、第3のコーナープリズム12、第2のコーナープリズム11、第1のコーナープリズム10で順に反射されながら循環型光パイプ1を反時計回りに伝播する。そして、白色LED光源3に面する位置まで伝播すると、一部はそのまま時計回りに伝播するが、残りは反射されて反時計回りの戻り光となり、もと来た光路をたどって逆周りに伝播していく。この構造は、端面反射による戻り光を最小に抑えた循環構造となっている。このような構成では、時計回りの伝播光と反時計回りの伝播光が両方存在する。そして、循環型光パイプ1において、白色LED光源3から第1のコーナープリズム10、第2のコーナープリズム11までの領域は時計回りの伝播光が支配的であり、白色LED光源4から第3のコーナープリズム12、第2のコーナープリズム11までの領域は反時計回りの伝播光が支配的となる。しかし、各領域には双方向に伝播する光が存在するために二等辺三角柱の集合からなる間隙を有する微小プリズム群を側面プリズム構造として形成することができる。また、厳密には時計回り光が支配的な領域と、反時計回り光が支配的な領域があるために、各々支配的な光の伝播方向に面する側のプリズム斜面の面積がより大きくなるような非対称三角柱からなる間隙を有する微小プリズム群を側面プリズム構造として形成してもよい。
時計回り光と反時計回り光のパワー密度は、各々の光が支配的な領域において、各白色LED光源からの距離の二乗に反比例して弱くなる。従って、図6において側面プリズム構造9の各微小プリズムの頂角と高さが一定の場合は、時計回り光が支配的な領域においては白色LED光源3からの距離が遠くなるにつれて小さくなり、反時計回り光が支配的な領域においては白色LED光源4からの距離が遠くなるにつれて小さくなるように微小プリズム群のピッチが形成されている。具体的には、白色LED光源3から第1のコーナープリズム10、第2のコーナープリズム11に至るまでに循環型光パイプ1の側面に形成されている微小プリズム群のピッチは、白色LED光源3からの距離の二次関数に反比例するように形成されている。また例えば、白色LED光源3からの距離に対して各プリズムの高さを一次関数で順次増加させる場合には、微小プリズム群のピッチを白色LED光源3からの距離の一次関数に逆比例した関数として定義することもできる。
次に、図2で示した構成の循環型光パイプの側面に形成されている側面プリズム構造の一例を図7に模式的に示す。なお、図1及び図5と同様の作用を有する要素には同一の符号を付し、その説明は適宜省略する。
図7で示した循環型光パイプ1の内部を光が循環伝播する様子を図2と合わせて説明する。まず、白色LED光源3から出射される光に着目する。白色LED光源3から出射された光は、第1のコーナープリズム10で反射されて循環型光パイプ1を時計回りに伝播する。そして、白色LED光源4の位置まで伝播すると、一部はそのまま時計回りに伝播するが、残りは白色LED光源4に対向した面に垂直な面で反射されて反時計回りの戻り光となり、もと来た光路をたどって逆周りに伝播していく。一方、白色LED光源4から出射された光は第2のコーナープリズム11で反射されて循環型光パイプ1を反時計回りに伝播する。そして、白色LED光源3の位置まで伝播すると、一部はそのまま時計回りに伝播するが、残りは白色LED光源3に対向した面に垂直な面で反射されて反時計回りの戻り光となり、もと来た光路をたどって逆周りに伝播していく。この構造の端面反射による戻り光の影響は、図1で示した構成と図3で示した構成の中間となっている。
このように図2、7に示す構成では、時計回りの伝播光と反時計回りの伝播光が両方存在するが、全体的に時計回りに伝播する光の方が支配的である。特に、循環型光パイプ1において、白色LED光源3から第1のコーナープリズム10までの領域は時計回りの伝播光が支配的であり、白色LED光源4から第2のコーナープリズム11までの領域も時計回りの伝播光が支配的となる。従って、図7に示すように、白色LED光源3から第1のコーナープリズム10までの領域のように時計回りに伝播する光が支配的な領域では、直角三角柱の集合体である微小プリズム群を側面プリズム構造8として形成するのが望ましい。このとき、直角三角柱の斜面が光の伝播方向の反対側に面するように配置する。そのときの光の一部が伝播する様子を次に説明する。
図7において、白色LED光源3から出射された光の一部は矢印15aに示すように循環型光パイプの内周面に入射し、全反射して矢印15bに示す光になる。全反射した光は、側面プリズム構造8の微小プリズムの直角面の一つに入射する。その直角面で反射した光のうち、一部は微小プリズムの斜面で反射されて矢印15cで示すように導光板2に入射し、他の光は微小プリズムの斜面を透過して矢印15dのように循環型光パイプ1の側面に漏れ出てしまう。図7に示す例では、矢印15dに示すように漏れ出た光は再び隣の微小プリズムの直角面から循環型光パイプ1の内部に入り、さらにその微小プリズムの斜面で反射されて導光板1の方向に反射される。もちろん、矢印15bで示される光の入射角によっては、循環型光パイプ1の微小プリズム斜面から透過した光15dは、図示していない外部に設けられた取り付け枠や反射板によって反射され、再び循環型光パイプ1の内部へと戻り、照明光として利用される場合もある。
時計回りと反時計回りの双方向に伝播する光が存在する領域においては、図5と図6とに示したような二等辺三角柱の集合からなる間隙を有する微小プリズム群を側面プリズム構造として形成することができる。また、支配的な光の伝播方向に面する側のプリズム斜面の面積がより大きくなるような非対称三角柱からなる間隙を有する微小プリズム群を側面プリズム構造として形成してもよい。
時計回り光と反時計回り光のパワー密度は、各々の光が支配的な領域において、各白色LED光源からの距離の二乗に反比例して弱くなる。従って、図7において側面プリズム構造8の各微小プリズムの頂角と高さが一定の場合は、時計回り光が支配的な領域においては白色LED光源3や白色LED光源4からの距離が遠くなるにつれて小さくなるように微小プリズム群のピッチが形成されている。
具体的には、図2において、白色LED光源3から第1のコーナープリズム10を経て白色LED光源4に至るまでの領域に対して循環型光パイプ1の側面に形成されている微小プリズム群のピッチは、白色LED光源3からの距離の二次関数に反比例するように形成されている。また、白色LED光源4から第2のコーナープリズム11を経て白色LED光源3に至るまでの領域に対して循環型光パイプ1の側面に形成されている微小プリズム群のピッチは、白色LED光源4からの距離の二次関数に反比例するように形成されている。また例えば、白色LED光源3からの距離に対して各プリズムの高さを一次関数で順次増加させる場合には、微小プリズム群のピッチを白色LED光源3からの距離の一次関数に逆比例した関数として定義することもできる。
図5、6、7に示した構成では、循環型光パイプ1の側面に微小プリズム群を形成して、循環型光パイプ1内部の循環光を均一に導光板2に導く手段を説明したが、このような微小プリズム群を用いなくても、循環型光パイプ1の側面に微細散乱構造体を形成することによって同様の効果を得ることができる。この微細散乱構造体とは表面に無秩序な形状で形成された約100μm程度以下の高さ、または、深さを持つ離散的凸凹構造体のことを言う。無秩序な形状とは、離散的凸凹構造体の一つ一つの形が無秩序であっても良いし、半球や円柱や四角柱や三角柱等の特定の形をもった離散的凸凹構造体が無秩序な配列で配置されているものであっても良い。
このような微細散乱構造体に光が入射すると、その表面で反射したり、その領域を透過したりするときに、これら反射光や透過光の大部分の光路が偏向して循環型光パイプ内部の全反射による伝播構造から逃れて導光板や循環型光パイプの外部に漏れて導光板照明光として利用することができるようになる。このような偏向の向きは、上述のように、微細散乱構造体の形状が無秩序なために無秩序となる。すなわち、伝播光はこの微細散乱構造体によって散乱されるのである。
循環型光パイプ側面の平面上に形成された微細散乱構造体は、入射光を偏向する。一方、この微細散乱構造体の間隙に存在する平面に入射した光は通常通り全反射して循環型光パイプ内部を循環伝播する。このとき、ある領域に対する入射光強度の内で散乱されて反射または透過する光強度の割合を百分率で表現したものをヘイズ値と言うことにすると、ヘイズ値は循環型光パイプ側面に形成されている微細散乱構造体の面積密度とその散乱構造体の大きさや形状で決定することができる。
図5、6、7において、側面プリズム構造体8、9の代わりに微細散乱構造体を形成して均一な照射光を導光板2に導くには、微小プリズム構造体のピッチが大きくなる方向と同じ方向に順次ヘイズ値が大きくなるような微細散乱構造体を形成すれば良い。すなわち、どれか1つの白色LED光源に着目した場合に、その白色LED光源から出射される循環光の循環方向に向かってその白色LED光源から遠ざかるに従ってヘイズ値が大きくなるように微細散乱構造体を形成すれば良い。
さらに厳密に導光板2への照射光を制御したい場合は、循環型光パイプの外周部に微小プリズム構造や微細散乱構造体を形成した上で、循環型光パイプの内側側面に微細ドットパターンを形成して制御するのが望ましい。この微細ドットパターンの例としては、直径100〜20μm程度の円形ドットパターンを印刷で形成する。この微細ドットパターンは黒色顔料などで形成された吸光性の印刷パターンであって、過剰に導光板2に入射する光を制限して均一な光照射を行うものである。
二次関数で設計した側面プリズム構造8や9のピッチが20μm以下となって製造が困難になるような場合は、白色LEDからの最遠部のピッチを20μm以上に設定しておき、循環型光パイプ1の内周部に微細ドットパターンを形成することによって導光板2への照射光の均一化をはかることができる。この最小部のピッチは微細ドットパターンの形成の仕方によって、50μm程度の大きさにすることができる。このような構成においては、微細ドットパターンは、どれか1つの白色LED光源に着目した場合に、その白色LED光源から出射される循環光の循環方向に向かってその白色LED光源から遠ざかるに従って微細ドットパターンの面積濃度が小さくなるように微細散乱構造体を形成すれば良い。
ここでは、循環型光パイプ1の内周面に形成する微細ドットパターンとして吸光性の微細ドットパターンを用いた構成を説明したが、この微細ドットパターンはアルミニウムや銀などからなる金属薄膜などの反射性の微細ドットパターンを形成しても良いことは言うまでもない。以上のようにして白色LED光源から出射された光は、循環型光パイプを介して導光板の四方から均一に入射される。
循環型光パイプ1に形成された側面プリズム構造または微細散乱構造体の形成法や、白色LED光源の配置にかかわらず、図1、2、3に示すように、導光板2の底面には内部に伝播された光を均一にカラー液晶素子に照射するために微小プリズム群や微細散乱構造体や微細ドットパターンが略点対象に形成されている。図4は、本発明の循環型光パイプを有する表示装置を模式的に示す断面図である。なお、図4では、図1、2、3と同様の機能をする要素には同一の番号を付し、その説明は適宜省略する。図示するように、導光板2と循環型光パイプ1及びカラー液晶表示素子13は互いに間隙を開けて配置されており、導光板2のカラー液晶表示素子13に向き合う反対側の面(裏面)には、点対称プリズム構造7が形成されている。点対称プリズム構造7は、導光板2の中心に向かうに従ってピッチが小さくなる微小な二等辺三角柱環の集合からなる微小プリズム群である。その寸法は、高さが20〜100μm、頂角の大きさが80〜100度、ピッチが60〜200μmとなっている。プリズムピッチは、循環型光パイプ2の側面に形成されている微小プリズム群と同様に導光板2の側面からの距離の二乗の関数で小さくなっている。しかしながら、そのピッチが小さくなっていく領域の長さは通常の導光板の場合に比較して半分になっているために、ピッチの最小値は通常の導光板に形成されるプリズムピッチの最小値の約3〜4倍大きな値となっている。そのため、通常の導光板に形成されるプリズムよりも成形加工が容易になる利点を有している。
導光板2内部を伝播する光は、点対称プリズム構造7によって偏向され、一部は直接、他の一部は一度導光板裏面に漏れ出た後、図示していない反射板や白色支持枠によって反射されて再び導光板2の内部に戻ってから、カラー液晶表示装置13を照明する。その光線の光路は循環型光パイプ1の側面に形成された微小プリズム群の場合と同様であるために説明を省略する。
このようにして得られたカラー液晶表示素子13への照明光は、循環型光パイプ1からの入射光が導光板2の4方から対称に来るために均一性が良く、従来のサイドライト型バックライトに比較してより均一な照明光とすることができた。
図10に点対称プリズム構造の形成パターンを模式的に示す。図10(a)は、導光板2の中心を共有する同心円形状に形成された点対称プリズム構造を示し、図10(b)は、導光板2の中心を共有する同心矩形形状に形成された点対称プリズム構造を示している。ただし、図10(b)に示した同心矩形形状はモアレを最小にするために各頂点の位置をR形状にしてある。点対称プリズム構造7は、ここに示した以外にも、同心楕円形状としても良いし、略点対称であればそれ以外の形状でも良い。また、点対称プリズム構造の対象中心は、導光板2の対称中心と一致していなくても良い。
また、導光板2の裏面に形成する点対称プリズム構造の代わりに、微細散乱構造体を形成しても良い。微細散乱構造体を形成する場合には、導光板の中心に向かうに従ってヘイズ値が大きくなるような微細散乱構造体を形成する。また、微細散乱構造体による照射光の分布補正をするために、さらに微細ドットパターンを形成する場合には、導光板の中心に向かうに従って、面積濃度が小さくなるように微細ドットパターンを形成すればよい。従って、このようにして形成した微細散乱構造体や微細ドットパターンは、略点対称な特性分布を持つように形成されることになる。
また、導光板2の底面外側および循環型光パイプ1の底面外側と側面外側には図示されていない支持枠が配置されている。この支持枠は循環型光パイプや導光板さらにはカラー液晶表示装置を固定保持するだけではなく、循環型光パイプや導光板から外部に漏れた光を反射してそれらの内部に戻す役割を有している。そのため、この支持枠は反射率の高い白色顔料などを混合した高分子材料で形成されている。
そして、循環型光パイプや導光板から外部に漏れた光を、さらに効率良くこれらの内部に戻すために、これらの外部に反射板を備えた構造を図8に示す。光パイプ反射板17は、循環型光パイプ1の側面全面を覆うように形成されており、循環型光パイプ1の側面や上下面から漏れた光を再び循環型光パイプ1の内部に戻して導光板1に照射する作用を有する。また、底面反射板16は導光板2の底面から漏れた光を再び導光板2の内部に戻し、カラー液晶表示素子13を照明する作用を有する。光パイプ反射板17は循環型光パイプの上面を覆う反射板と側面および底面を覆う反射板に分離して構成するのが容易である。この循環型光パイプの側面と底面を覆う反射板と底面反射板16とを一体化して構成することも可能である。このように反射板を周囲に配置することによって、光の利用効率を向上させることができる。
なお、上述の説明や各図では、簡略化のため各光源は1つにまとめて説明されているが、青色の単色光を発光する第1のLED光源と、赤色の単色光を発光する第2のLED光源とを用い、青色の単色光から蛍光体による波長変換によって生成された緑色光、第1のLED光源の青色光、及び、第2のLED光源の赤色光とを調合する加法混色により白色光を得る白色LED光源である。このような白色LED光源の実施例を図9に模式的に断面図を示す。図9において、20は第1の蛍光体層、21は第2の蛍光体層、23は台、である。
図9において、第1の青色LED光源18、第2の青色LED光源19はInGaN系またはGaN系等の材料で形成された青色光を発光するLEDであり、上記赤色LED光源22はGaP系またはGaAlAs系混晶系等の材料で形成された赤色光を発光するLEDである。この第1の青色LED光源18および第2の青色LED光源19の発光波長は具体的には430〜470nmの範囲にあり、赤色LED光源22の発光波長は具体的には610〜670nmの範囲にある。
第1の青色LED光源18及び第2の青色LED光源19から出射される青色光を波長変換して緑色光を得るために、これらのLEDの出射面には青色光を受けて青色光および緑色光を励起する蛍光体が積層形成されている。この蛍光体を形成する材料としては、YAG(Yttrium−Alminium−Garnet)蛍光体、またはTb、Ce、Eu及びMnなどの添加物元素を発光中心とした酸化物などがある。このような蛍光体は赤色光の出射効率を向上させるために、赤色LED光源22の上には積層されていない。集光レンズ25は、アクリルやポリカーボネートなどの透明な高分子樹脂モールドで形成されており、上記各LED光源から出射された光を目的とする出射角度に集光する作用を有している。また、反射板24は集光レンズ25の内面で反射された戻り光などを効率的に前方に出射するために形成されている。図9に示すように、第1の青色LED光源18と第2の青色LED光源19と赤色LED光源22とを近接されて形成することにより、より均一な加法混色が可能となり、色むらを軽減させることができるのである。
このようにして得られた発光スペクトルは、赤色、緑色、青色の広い領域のスペクトルをカバーしており、赤色LEDを用いずに蛍光体を有する青色LEDだけを用いた場合に比べて高い演色性を持っている。また、上記第1の青色LED光源18、第2の青色LED光源19、赤色LED光源22の出力を独立に調節して、色バランスを取ることができるという特徴をも有している。