JP4771891B2 - 追跡信頼度判定プログラム - Google Patents

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Description

この発明は、追跡信頼度判定プログラムに関する。
従来より、道路上を監視して道路上を移動する移動体(車両など)を追跡する追跡センサによる追跡結果の信頼度を判定する方法が知られている。すなわち、誤った(信頼度の低い)追跡センサによる追跡結果をもとに運転者が運転操作を行なうと事故の発生につながる可能性があることから、追跡センサによる追跡結果の信頼度を正確に判定することの重要性が広く認識されている。
例えば、特許文献1では、画像センサ(カメラ)と、レーザレーダとのフュージョンセンサを備え、両者を用いて先行車両との車間距離を測定する車外監視装置において、各センサによる追跡結果の信頼度を判定する方法が開示されている。すなわち、上記の車外監視装置で車間距離が測定された車両のデータが画像センサによる測定データに存在するか否かを示す不検出率に基づいて画像センサの測定結果信頼度を判定し、上記の車外監視装置で車間距離が測定された車両のデータがレーザレーダによる測定データに存在するか否かを示す不検出率に基づいてレーザレーダの測定結果信頼度を判定するものである。
特開2003−151094号公報
ところで、上記した従来の技術は、追跡センサによる追跡結果の信頼度を必ずしも精度よく判定できず、また、追跡センサによる追跡結果の信頼度を簡易に判定できないという問題点があった。
すなわち、上記した従来技術では、追跡センサによる追跡結果の信頼度を別の追跡センサによる追跡結果と比較して判定することから、どちらか一方もしくは両方の追跡センサによる追跡結果の信頼度が低下している場合は、そもそもフュージョンセンサによる測定結果の信頼度は低く、さらにフュージョンセンサによる測定結果の信頼度が低い状況でそれぞれの追跡センサによる結果の信頼度を判定しても必ずしも精度のよい信頼度の判定にはなりえないという問題点があった。
また、上記した従来技術では、追跡センサによる追跡結果の信頼度を判定できるのは、フュージョンセンサを採用している場合に限られており、ひとつの追跡センサで測定を行なっている場合には適用できず、フュージョンセンサ設置のために設備投資のコストが高くなる結果、追跡センサによる追跡結果の信頼度を簡易に判定できないという問題点があった。
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、追跡センサによる追跡結果を簡易に精度よく判定することが可能になる追跡信頼度判定プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、発明は、追跡センサが取得した所定の範囲の画像データ、または、反射波データを用いて当該範囲内を移動する移動体を追跡する移動体追跡装置による追跡結果の信頼度を判定する追跡信頼度判定方法をコンピュータに実行させる追跡信頼度判定プログラムであって、前記追跡センサが取得した同一の画像データまたは反射波データを用いた追跡結果を、前記所定の範囲において前記移動体の進行方向に連続して位置する複数の特定位置ごとに、各特定位置を通過する移動体の情報である移動体情報に変換する移動体情報変換手順と、前記移動体情報変換手順によって変換された移動体情報が前記複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、前記移動体追跡装置による追跡結果の信頼度を判定する信頼度判定手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、発明は、上記の発明において、前記移動体情報変換手順は、前記複数の特定位置ごとに、所定の時間内に各特定位置を通過する移動体の通過個数を示す通過個数情報に変換し、前記信頼度判定手順は、前記移動体情報変換手順によって変換された通過個数情報が前記複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、前記移動体追跡装置による追跡結果の信頼度を判定することを特徴とする。
また、発明は、上記の発明において、前記移動体情報変換手順は、前記複数の特定位置ごとに、所定の時間内に各特定位置を通過する移動体の通過順序を示す通過順序情報に変換し、前記信頼度判定手順は、前記移動体情報変換手順によって変換された通過順序情報が前記複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、前記移動体追跡装置による追跡結果の信頼度を判定することを特徴とする。
また、発明は、上記の発明において、前記移動体情報変換手順は、前記複数の特定位置ごとに、所定の時間内に各特定位置を通過する移動体の速度、サイズ、形状、模様のいずれか一つまたは複数を示す詳細情報に変換し、前記信頼度判定手順は、前記移動体情報変換手順によって変換された詳細情報が前記複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、前記移動体追跡装置による追跡結果の信頼度を判定することを特徴とする。
また、発明は、上記の発明において、前記信頼度判定手順によって前記追跡センサによる追跡結果の信頼度が所定の信頼度よりも低いと判定された場合に、前記移動体追跡装置に対して、前記追跡結果の運用を停止すべき旨の運用停止指示を送出する運用停止指示送出手順をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする。
発明によれば、追跡センサが取得した同一の画像データまたは反射波データを用いた追跡結果を、所定の範囲において移動体の進行方向に連続して位置する複数の特定位置ごとに、各特定位置を通過する移動体の情報である移動体情報に変換し、変換された移動体情報が複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、移動体追跡装置による追跡結果の信頼度を判定するので、追跡センサによる追跡結果から変換した移動体情報を特定位置間で照合して、追跡センサによる追跡結果そのものを評価でき、追跡センサによる追跡結果の信頼度を精度よく判定することが可能になる。また、他の追跡センサを設置する必要がないことから、設備投資のコストを低く抑えることができ、簡易に追跡センサによる追跡結果の信頼度を判定することが可能になる。
また、発明によれば、複数の特定位置ごとに、所定の時間内に各特定位置を通過する移動体の通過個数を示す通過個数情報に変換し、変換された通過個数情報が複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、移動体追跡装置による追跡結果の信頼度を判定するので、追跡センサによる追跡結果から変換した移動体の通過個数を特定位置間で照合して、追跡センサによる追跡結果そのものを評価でき、追跡センサによる追跡結果の信頼度を精度よく判定することが可能になる。
また、発明によれば、複数の特定位置ごとに、所定の時間内に各特定位置を通過する移動体の通過順序を示す通過順序情報に変換し、変換された通過順序情報が複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、移動体追跡装置による追跡結果の信頼度を判定するので、追跡センサによる追跡結果から変換した移動体の通過順序を特定位置間で照合して、追跡センサによる追跡結果そのものを評価でき、追跡センサによる追跡結果の信頼度を精度よく判定することが可能になる。
また、発明によれば、複数の特定位置ごとに、所定の時間内に各特定位置を通過する移動体の速度、サイズ、形状、模様のいずれか一つまたは複数を示す詳細情報に変換し、変換された詳細情報が複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、移動体追跡装置による追跡結果の信頼度を判定するので、追跡センサによる追跡結果から変換した移動体の通過速度等の詳細を特定位置間で照合して、追跡センサによる追跡結果そのものを評価することができ、追跡センサによる追跡結果の信頼度をより精度よく判定することが可能になる。
また、発明によれば、追跡センサによる追跡結果の信頼度が所定の信頼度よりも低いと判定された場合に、移動体追跡装置に対して、追跡結果の運用を停止すべき旨の運用停止指示を送出するので、信頼度が低い「追跡センサによる追跡結果」の運用停止を指示することができ、信頼度の低い追跡結果を運転者に提供することなく、信頼性の高い運転支援情報のみを運転者に提供することが可能になる。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る追跡信頼度判定プログラムの実施例を詳細に説明する。なお、以下では、この発明に係る追跡信頼度判定プログラムを含んで構成される追跡信頼度判定装置を実施例として説明する。また、以下では、実施例1における追跡信頼度判定装置の構成および処理の手順、実施例1の効果を順に説明し、続いて、実施例1と同様に、実施例2に係る追跡信頼度判定装置、実施例3に係る追跡信頼度判定装置、実施例4に係る追跡信頼度判定装置、実施例5に係る追跡信頼度判定装置について順に説明する。
[用語の説明]
まず最初に、以下の実施例で用いる主要な用語を説明する。以下の実施例で用いる「監視範囲」とは、「追跡センサ」により一括で監視される範囲であり、例えば、車両や歩行者が通行する道路が挙げられ、特許請求の範囲に記載の「所定の範囲」に対応する。また、「移動体」とは、「追跡センサ」が検知し追跡する対象物であり、具体的には、道路を走行する車両や、道路を歩行する歩行者がこれに当たる。また、「追跡センサ」とは、道路上を監視して道路上を移動する「移動体」を追跡するセンサであり、具体的には、「監視範囲」を撮像して、画像を取得する「可視センサ(カメラ)」や、「監視範囲」を撮像して、温度の高低データを含む画像を取得する「赤外線センサ(赤外線カメラ)」や、「監視範囲」にミリ波を照射して、「移動体」の有無を判別し、「移動体」の速度情報を算出することができる反射波データを取得する「ミリ波センサ」が挙げられる。
また、「追跡結果」とは、「追跡センサ」が取得したデータに基づいて「監視範囲」に進入した「移動体」を検知し、当該「移動体」が「監視範囲」を通過するまでの時間、当該「移動体」を一意に識別するための識別情報を付与した状態を保持して「移動体」を追跡した結果であり、この結果は運転支援情報として車両を運転する運転者に提供される。また、「追跡結果の信頼度」とは、「追跡結果」が、道路上を通過した「移動体」の状況をどの程度正確に反映しているかを示す指標である。
[実施例1における追跡信頼度判定装置の概要および特徴]
続いて、図1を用いて、実施例1における追跡信頼度判定装置の主たる特徴を具体的に説明する。図1は、実施例1における追跡信頼度判定装置の概要および特徴を説明するための図である。
実施例1における追跡信頼度判定装置は、上記したような追跡センサによる追跡結果の信頼度を判定することを概要とし、追跡センサの信頼度を簡易に精度よく判定することが可能になることに主たる特徴がある。
この主たる特徴について簡単に説明すると、追跡センサとして設置されたカメラは、監視範囲を連続的に撮像し、後述する移動体追跡装置は、撮像された連続画像データに基づいて追跡結果を取得し、これを実施例1における追跡信頼度判定装置に送信している。具体的には、図1の(A)に示すように、カメラは道路上の点A、点B、点Cおよび点Dで囲まれる監視範囲(以下、監視範囲ABCDと記述する)を連続的に撮像し、後述する移動体追跡装置は、撮像された連続画像データに基づいて監視範囲ABCDを走行する車両を検知し、当該車両が監視範囲ABCDを通過するまでの間、追跡した追跡結果を取得し、これを実施例1における追跡信頼度判定装置に送信している。
より具体的には、図1の(B)に示す場合において、移動体追跡装置は、監視範囲ABCDを走行する10台の車両を正確に検知し、これら10台の車両が監視範囲ABCDを通過するまでの間、追跡した追跡結果を実施例1における追跡信頼度判定装置に送信している。それに対し、図1の(C)に示す場合では、移動体追跡装置は、実際は2台の車両が近接して走行しているのにもかかわらず、その先行車両が後述する特定位置1に差し掛かった時刻t1で2台の車両を1台の車両として追跡し、また、実際は3台の車両が近接して走行しているのにもかかわらず、その先頭車両が後述する特定位置1に差し掛かった時刻t5で3台の車両を1台の車両として追跡している。しかし、移動体追跡装置は、時刻t1で1台として追跡していた車両が後述する特定位置2に近づくにつれ、2台の車両が走行しているとして追跡し、これらが時刻t3と、時刻t4とに後述する特定位置2をそれぞれ通過した情報を含む追跡結果を取得する。さらに、時刻t5で1台として追跡していた車両が後述する特定位置2に近づくにつれ、3台の車両が走行しているとして追跡し、これらが時刻t6と、時刻t7と、時刻t8とに後述する特定位置2をそれぞれ通過した情報を含む追跡結果を取得する。そして、これを実施例1における追跡信頼度判定装置に送信している。
一方、実施例1における追跡信頼度判定装置は、追跡センサによる追跡結果を、監視範囲において移動体の進行方向に連続して位置する複数の特定位置ごとに、各特定位置を通過する移動体の情報である移動体情報に変換する。具体的には、移動体追跡装置が取得した追跡結果を受信し当該追跡結果から、監視範囲ABCDに設定した特定位置1と、特定位置1と同一車線上にあり、かつ特定位置1よりカメラに近接して設定した特定位置2とをそれぞれ通過した移動体の通過個数情報に変換する。より具体的には、図1の(B)および(C)に示す監視範囲ABCDの移動体移動状況において、移動体追跡装置により追跡された移動体の追跡結果から、所定の時間内(ここでは、時刻t11から時刻t1を減じた時間が所定時間に相当する)に特定位置1および特定位置2を通過した移動体の個数を得る。
ここで、図1の(B)に示す場合において、移動体追跡装置は、監視範囲ABCDを走行する車両10台を正確に検知し、実施例1における追跡信頼度判定装置は、所定の時間内に特定位置1を通過した移動体個数は9台であり、所定の時間内に特定位置2を通過した移動体個数は9台であるとする情報に変換する。それに対し、図1の(C)に示す場合では、上述した追跡結果に基づき、実施例1における追跡信頼度判定装置は、所定の時間内に特定位置1を通過した移動体個数は7台であり、所定の時間内に特定位置2を通過した移動体個数は9台であるとする情報に変換する。
続いて、実施例1における追跡信頼度判定装置は、変換された移動体情報が複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、追跡センサによる追跡結果の信頼度を判定する。具体的には、図1の(B)や(C)に各々示すように、「特定位置1を通過した移動体の個数」と、「特定位置2を通過した移動体の個数」とを照合して信頼度を判定する。図1の(B)の場合は、個数が一致しているので、信頼度は100%と判定し、図1の(C)の場合は、「特定位置1を通過した移動体の個数」が「7」に対し、「特定位置2を通過した移動体の個数」が「9」と一致せず、信頼度は9分の7、すなわち77.8%と判定する。
続いて、実施例1における追跡信頼度判定装置は、追跡センサによる追跡結果の信頼度が所定の信頼度よりも低いと判定された場合に、追跡センサに対して、追跡結果の運用を停止すべき旨の運用停止指示を送出する。具体的には、所定の信頼度(信頼度設定閾値)が80%と設定されていたとすると、図1の(B)の場合は、信頼度が100%であるため、運用停止指示は行われず、追跡結果の運用が続行される。それに対し、図1の(C)の場合は、信頼度が77.8%と80%より低いため、追跡結果の運用停止の指示が行なわれ、運転者に信頼度の低い情報が提供されることを回避する。
このようなことから、実施例1における追跡信頼度判定装置は、追跡センサによる追跡結果から変換した移動体情報を特定位置間で照合して、追跡センサによる追跡結果そのものを評価でき、上記した主たる特徴の通り、追跡センサによる信頼度を精度よく判定することが可能になる。また、他の追跡センサを設置する必要がないことから、設備投資のコストを低く抑えることができ、簡易に追跡センサによる追跡結果の信頼度を判定することが可能になる。
[実施例1における追跡信頼度判定装置の構成]
次に、図2〜5を用いて、実施例1における追跡信頼度判定装置を説明する。図2は、実施例1における追跡信頼度判定装置の構成を示すブロック図であり、図3は、実施例1における移動体情報変換部を説明するための図であり、図4は、実施例1における追跡信頼度判定部を説明するための図であり、図5は、実施例1における追跡運用停止指示部を説明するための図である。
図2に示すように、実施例1における追跡信頼度判定装置10は、追跡信頼度判定要求入力部11と、追跡信頼度判定出力部12と、入出力制御I/F部13と、受信部14と、処理部15と、記憶部16とから構成され、さらに、移動体追跡装置20に接続される。
移動体追跡装置20は、追跡センサ20aと、追跡センサ追跡結果送信部20bとを備える。追跡センサ20aは、監視範囲を移動する移動体を追跡するセンサであり、追跡センサ追跡結果送信部20bは、追跡センサ20aが取得したデータを解析した結果である追跡結果を、後述する追跡センサ追跡結果受信部14aに送信する。具体的には、図1の(A)に示すように、追跡センサ20aとして設置されたカメラは、監視範囲ABCDを連続的に撮像し、移動体追跡装置20は、撮像された連続画像データに基づいて、監視範囲ABCDに進入した移動体を検知し、当該移動体が監視範囲ABCDを通過するまでの間、当該移動体を一意に識別するための識別情報を付与した状態を保持して移動体を追跡した結果である追跡結果を取得し、追跡センサ追跡結果送信部20bは、追跡信頼度判定要求に応じ、当該追跡結果を後述する追跡センサ追跡結果受信部14aに送信する。
より具体的には、図1の(B)に示す監視範囲ABCDの移動体移動状況において、追跡センサ20aは連続的に(例えば100分の1秒ごとに)監視範囲ABCDを撮像し、移動体追跡装置20は、撮像された連続画像データに基づいて、監視範囲ABCDを走行する10台の車両を正確に検知し、これら10台の車両が監視範囲ABCDを通過するまでの間、追跡した追跡結果を取得し、追跡センサ追跡結果送信部20bは、追跡信頼度判定要求に応じ、当該追跡結果を後述する追跡センサ追跡結果受信部14aに送信する。
それに対し、図1の(C)に示す監視範囲ABCDの移動体移動状況において、移動体追跡装置20は、実際は2台の車両が近接して走行しているのにもかかわらず、その先行車両が特定位置1に差し掛かった時刻t1で2台の車両を1台の車両として追跡し、また、実際は3台の車両が近接して走行しているのにもかかわらず、その先頭車両が特定位置1に差し掛かった時刻t5で3台の車両を1台の車両として追跡している。しかし、移動体追跡装置は、時刻t1で1台として追跡していた車両が特定位置2に近づくにつれ、2台の車両が走行しているとして追跡し、これらが時刻t3と、時刻t4とに特定位置2をそれぞれ通過した情報を含む追跡結果を取得する。さらに、時刻t5で1台として追跡していた車両が特定位置2に近づくにつれ、3台の車両が走行しているとして追跡し、これらが時刻t6と、時刻t7と、時刻t8とに特定位置2をそれぞれ通過した情報を含む追跡結果を取得する。そして、追跡センサ追跡結果送信部20bは、追跡信頼度判定要求に応じ、当該追跡結果を後述する追跡センサ追跡結果受信部14aに送信する。
なお、追跡センサ追跡結果送信部20bから追跡センサ追跡結果受信部14aに送信される追跡結果は、100分の1秒ごとに撮像された画像データを処理した100分の1秒ごとの追跡結果であってもよいし、100分の1秒ごとに撮像された画像データを処理した追跡結果のうち、例えば、10分の1秒ごとの追跡結果であってもよい。
追跡信頼度判定要求入力部11は、追跡信頼度判定要求を受け付け、キーボードやマウスなどで構成される。具体的には、追跡信頼度判定要求入力部11は、各都道府県交通管制センターやVICS(Vehicle Information and Communication System)センターなど監視範囲の追跡結果を管理する管理施設に所属するオペレータからの追跡信頼度判定要求を受け付けたり、管理施設から所定の一定時間ごとに行なわれる追跡信頼度判定要求を受け付けたりする。
追跡信頼度判定出力部12は、後述する追跡信頼度判定結果記憶部16bに記憶された追跡信頼度や、後述する追跡運用停止指示送出部15cの処理により追跡センサ20aによる追跡結果の運用停止指示が追跡センサ20aに送出されたか否かを、管理施設に送信する。なお、管理施設は、追跡信頼度判定出力部12が送信した情報を、運転支援情報として車両を運転する運転者に提供する。
入出力制御I/F部13は、追跡信頼度判定要求入力部11および追跡信頼度判定出力部12と、受信部14、処理部15および記憶部16との間におけるデータ転送を制御する。
受信部14は、追跡センサ追跡結果受信部14aを備える。追跡センサ追跡結果受信部14aは、入出力制御I/F部13から転送された追跡信頼度要求に基づき、追跡センサ追跡結果送信部20bから追跡センサ20aによる追跡結果を受信し、後述する移動体情報変換部15aに追跡結果を転送する。
記憶部16は、後述する処理部15による各種処理結果を記憶し、特に本発明に密接に関連するものとしては、図2に示すように、移動体情報変換結果記憶部16aと、追跡信頼度判定結果記憶部16bとを備える。移動体情報変換結果記憶部16aは、後述する移動体情報変換部15aが追跡結果から変換した移動体情報を記憶し、追跡信頼度判定結果記憶部16bは、後述する追跡信頼度判定部15bが算出した追跡結果の信頼度を記憶する。なお、各部については、後に詳述する。
処理部15は、入出力制御I/F部13から転送された追跡信頼度要求に基づき各種処理を実行し、特に本発明に密接に関連するものとしては、図2に示すように、移動体情報変換部15aと、追跡信頼度判定部15bと、追跡運用停止指示送出部15cとを備える。ここで、移動体情報変換部15aは、特許請求の範囲に記載の「移動体情報変換手順」に対応し、追跡信頼度判定部15bは、同じく「追跡信頼度判定手順」に対応し、追跡運用停止指示送出部15cは、同じく「運用停止指示送出手順」に対応する。
移動体情報変換部15aは、追跡センサ20aによる追跡結果を、監視範囲において移動体の進行方向に連続して位置する複数の特定位置ごとに、各特定位置を通過する移動体の情報である移動体情報に変換し、その結果を移動体情報変換結果記憶部16aに記憶する。具体的には、移動体情報変換部15aは、追跡センサ追跡結果受信部14aが受信した追跡センサ20aによる追跡結果から、所定の時間内(ここでは、時刻t11から時刻t1を減じた時間が所定時間に相当する)に、特定位置1および特定位置2を通過した移動体の個数を得る。
ここで、図3の左側に示すように、図1の(B)の場合において、移動体情報変換部15aは、受信した追跡センサ20aによる追跡結果から、各時刻での特定位置1および特定位置2を通過した累積車両数に変換し(例えば「時刻」が「t7」までの「特定位置1通過車両数」は「7」であり、「特定位置2通過車両数」は「6」)、さらに、所定時間が経過した時点での特定位置1および特定位置2を通過した累積車両数(「特定位置1」の通過個数情報は「9」であり、「特定位置2」の通過個数情報は「9」)を取得する。これと同様に、図3の右側に示すように、図1の(C)の場合において、移動体情報変換部15aは、受信した追跡センサ20aによる追跡結果から、各時刻での特定位置1および特定位置2を通過した累積車両数に変換し(例えば「時刻」が「t7」までの「特定位置1通過車両数」は「6」であり、「特定位置2通過車両数」は「5」)、さらに、所定時間が経過した時点での特定位置1および特定位置2を通過した累積車両数(「特定位置1」の通過個数情報は「7」であり、「特定位置2」の通過個数情報は「9」)を取得する。
そして、移動体情報変換部15aは、変換した移動体情報である累積車両数を移動体情報変換結果記憶部16aに格納する。なお、移動体情報変換部15aは、追跡センサ追跡結果受信部14aが受信した100分の1秒ごとの追跡結果をすべて処理してもよいし、受信した追跡結果のうち、例えば、10分の1秒ごとの追跡結果を処理してもよい。
追跡信頼度判定部15bは、変換された移動体情報が複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、追跡センサ20aによる追跡結果の信頼度を判定する。具体的には、移動体情報変換部15aに格納された通過個数情報に基づいて、信頼度を判定する。より具体的には、図4の左側に示すように、図1の(B)の場合は、個数が一致しているので、信頼度は100%と判定し、図4の右側に示すように、図1の(C)の場合は、「特定位置1」の通過個数情報は「7」であり、「特定位置2」の通過個数情報は「9」であるので、信頼度は9分の7、すなわち77.8%と判定する。
そして、追跡信頼度判定部15bは、判定した信頼度を追跡信頼度判定結果記憶部16bに格納する。
追跡運用停止指示送出部15cは、追跡センサ20aによる追跡結果の信頼度が所定の信頼度よりも低いと判定された場合に、追跡センサ20aに対して、追跡結果の運用を停止すべき旨の運用停止指示を送出する。具体的には、所定の信頼度(信頼度設定閾値)として80%が設定されていたとすると、図5の左側に示すように、図1の(B)の場合は、信頼度がそれぞれ100%と80%よりも高いため、運用停止指示は行われず、追跡結果の運用が続行される。それに対し、図5の右側に示すように、図1の(C)の場合は、信頼度が77.8%と80%より低いため、追跡結果の運用停止の指示が行なわれ、運転者に信頼度の低い情報が提供されることを回避する。
[実施例1における追跡信頼度判定装置による処理の手順]
次に、図6を用いて、実施例1における追跡信頼度判定装置10による処理を説明する。図6は、実施例1における追跡信頼度判定装置の処理の手順を示すフローチャートである。
まず、実施例1における追跡信頼度判定装置10は、キーボードやマウスから新たに追跡信頼度判定要求を受け付けると(ステップS601肯定)、前回の追跡信頼度判定要求により追跡センサ追跡結果受信部14a、移動体情報変換結果記憶部16aおよび追跡信頼度判定結果記憶部16bに格納されていたデータを初期化(消去)する(ステップS602)。
そして、移動体情報変換部15aは、追跡センサ20aによる追跡結果を、監視範囲において移動体の進行方向に連続して位置する複数の特定位置ごとに、各特定位置を通過する移動体の情報である移動体情報に変換する処理を開始する(ステップS603)。
その後、移動体情報変換部15aは、追跡信頼度判定要求から所定時間(例えば2分など)が経過したか否かを判断する(ステップS604)。ここで、所定時間が経過していない場合には(ステップS604否定)、移動体情報変換部15aは処理を継続する。
これとは反対に、追跡信頼度判定要求から所定時間が経過している場合には(ステップS604肯定)、移動体情報変換部15aは、処理を停止し、これに応じ、追跡信頼度判定部15bは、変換された移動体情報が複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、追跡センサ20aによる追跡結果の信頼度を判定する(ステップS605)。すなわち、図4の左側に示すように、図1の(B)の場合は、個数が一致しているので、信頼度は100%と判定し、図4の右側に示すように、図1の(C)の場合は、「特定位置1」の通過個数情報は「7」であり、「特定位置2」の通過個数情報は「9」であるので、信頼度は9分の7、すなわち77.8%と判定する。
そして、追跡運用停止指示送出部15cは、追跡信頼度判定結果記憶部16bに記憶されている追跡センサ20aによる追跡結果の信頼度が所定の信頼度(例えば信頼度設定閾値として80%)よりも低いか否かを判断する(ステップS606)。ここで、追跡結果の信頼度が信頼度設定閾値以上の値であると判定された場合には(ステップS606否定)、追跡センサ20aに対して運用停止指示は行なわれず、追跡結果の運用は続行され、処理を終了する(図5の左側に示す図1の(B)の場合を参照)。これとは反対に、追跡結果の信頼度が信頼度設定閾値より低いと判定された場合には(ステップS606肯定)、追跡センサ20aに対して、追跡結果の運用を停止すべき旨の運用停止指示を送出し(ステップS607)、処理を終了する(図5の右側に示す図1の(C)の場合を参照)。
[実施例1の効果]
上記したように、実施例1によれば、追跡センサ20aによる追跡結果を、監視範囲において移動体の進行方向に連続して位置する複数の特定位置ごとに、各特定位置を通過する移動体の情報である移動体情報に変換し、変換された移動体情報が複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、追跡センサ20aによる追跡結果の信頼度を判定するので、追跡センサ20aによる追跡結果から変換した移動体情報を特定位置間で照合して、追跡センサ20aによる追跡結果そのものを評価でき、追跡センサ20aによる追跡結果の信頼度を精度よく判定することが可能になる。また、他の追跡センサを設置する必要がないことから、設備投資のコストを低く抑えることができ、簡易に追跡センサ20aによる追跡結果の信頼度を判定することが可能になる。
また、実施例1によれば、複数の特定位置ごとに、所定の時間内に各特定位置を通過する移動体の通過個数を示す通過個数情報に変換し、変換された通過個数情報が複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、追跡センサ20aによる追跡結果の信頼度を判定するので、追跡センサ20aによる追跡結果から変換した移動体の通過個数を特定位置間で照合して、追跡センサ20aによる追跡結果そのものを評価でき、追跡センサ20aによる追跡結果の信頼度を精度よく判定することが可能になる。
また、実施例1によれば、追跡センサ20aによる追跡結果の信頼度が所定の信頼度よりも低いと判定された場合に、追跡センサ20aに対して、追跡結果の運用を停止すべき旨の運用停止指示を送出するので、信頼度が低い「追跡センサ20aによる追跡結果」の運用停止を指示することができ、信頼度の低い追跡結果を運転者に提供することなく、信頼性の高い運転支援情報のみを運転者に提供することが可能になる。
上述した実施例1では、特定位置ごとの通過個数情報を照合して信頼度を判定する場合について説明したが、実施例2では、特定位置ごとの通過順序情報を照合して信頼度を判定する場合について説明する。
[実施例2における追跡信頼度判定装置の概要および特徴]
まず最初に、図7を用いて、実施例2における追跡信頼度判定装置の主たる特徴を具体的に説明する。図7は、実施例2における追跡信頼度判定装置の概要および特徴を説明するための図である。
実施例2におけるでは、まず、実施例1と同様に、図1の(A)に示すように、追跡センサとしてカメラが設置されるが、移動体追跡装置は、実施例1とは異なり、カメラにより撮像された連続画像データに基づいて監視範囲ABCDを走行する車両を検知し、当該車両が監視範囲ABCDを通過するまでの間、当該車両を一意に識別するための識別番号を付与した状態を保持して追跡した追跡結果を取得し、これを実施例2における追跡信頼度判定装置に送信している。
より具体的には、図7の(A)に示す監視範囲ABCDの移動体移動状況において、移動体追跡装置は、カメラにより撮像された連続画像データに基づいて、時刻t1から時刻t11の間に監視範囲ABCDを走行する9台の車両を正確に検知し、識別番号「1」〜「9」を付与して追跡した車両9台の追跡結果を取得し、これを実施例2における追跡信頼度判定装置に送信している。
また、図7の(B)に示す監視範囲ABCDの移動体移動状況において、移動体追跡装置は、時刻t1において、非常に近接して走行する1台目と2台目の車両を区別して検知できなかったため、識別番号「1」を付与して追跡した車両1台の追跡結果を取得し、時刻t2では、これら2台の車両の車間距離が大きくなったため2台目の車両を検知し、識別番号「2」を付与し、新たに監視範囲ABCDに進入した3台目の車両を検知して、識別番号「3」を付与した車両3台の追跡結果を取得する。時刻t3では、新たに監視範囲ABCDに進入した車両を検知して、識別番号「4」を付与し、時刻t4では、識別番号「5」を付与して追跡した追跡結果を取得する。さらに、時刻t5において、非常に近接して走行する3台の車両を区別できず1台の車両として検知し、識別番号「6」を付与し、時刻t6では、新たに監視範囲ABCDに進入した車両の先頭を検知して、識別番号「7」を付与して追跡した追跡結果を取得する。続いて、時刻t7では、識別番号「6」を付与した3台の車両の車間距離が大きくなったため、新たに2台の車両を検知し、識別番号「8」および「9」を付与して追跡した追跡結果を取得する。時刻t8では、新たに監視範囲ABCDに進入した車両を検知して、識別番号「10」を付与し、時刻t10では、新たに監視範囲ABCDに進入した車両の先頭を検知して、識別番号「11」を付与して追跡した追跡結果を取得する。そして、移動体追跡装置は、上記した時刻t1から時刻t11の追跡結果を取得し、これを実施例2における追跡信頼度判定装置に送信している。
一方、実施例2における追跡信頼度判定装置は、追跡センサによる追跡結果を、監視範囲において移動体の進行方向に連続して位置する複数の特定位置ごとに、各特定位置を通過する移動体の通過順序を示す通過順序情報に変換する。具体的には、移動体追跡装置が取得した追跡結果を受信し、当該追跡結果から、所定の時間内(ここでは、時刻t11から時刻t1を減じた時間が所定時間に相当する)に、図1の(A)に示すように設置された特定位置1と、特定位置2とをそれぞれ通過する移動体の通過順序を示す通過順序情報に変換する。
より具体的には、図7の(A)に示す移動体移動状況における追跡結果から、実施例2における追跡信頼度判定装置は、まず、各時刻において特定位置1および特定位置2をそれぞれ通過した通過移動体識別番号を取得する。すなわち、図7の(A)の右上に示すように、例えば「時刻」が「t5」において「特定位置1」を通過した車両の「通過移動体識別番号」は「5」であり、「特定位置2」を通過した車両の「通過移動体識別番号」は「3」であるとする情報を取得する。さらに、実施例2における追跡信頼度判定装置は、これらの情報を、「所定時間における通過順序情報」に変換し、図7の(A)の右下に示すように、「特定位置1」を通過した車両の「通過移動体識別番号」の順序と、「特定位置2」を通過した車両の「通過移動体識別番号」の順序を取得する。これと同様に、図7の(B)に示す移動体移動状況における追跡結果から、図7の(B)の右上に示すように、例えば「時刻」が「t5」において「特定位置1」を通過した車両の「通過移動体識別番号」は「6」であり、「特定位置2」を通過した車両の「通過移動体識別番号」は「3」であるとする情報を取得し、これらの情報を、「所定時間における通過順序情報」に変換し、図7の(B)の右下に示すように、「特定位置1」を通過した車両の「通過移動体識別番号」の順序と、「特定位置2」を通過した車両の「通過移動体識別番号」の順序を取得する。
続いて、実施例2における追跡信頼度判定装置は、変換された通過順序情報が複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、追跡センサによる追跡結果の信頼度を判定する。具体的には、図7の(A)の右下や、図7の(B)の右下に示す「特定位置1」の「所定時間における通過順序情報」と、「特定位置2」の「所定時間における通過順序情報」とを照合して信頼度を判定する。より具体的には、図9に示す「図7の(A)」の場合では、識別番号「9」が付与された車両は、所定時間内に特定位置2を通過しなかったので、「特定位置2」の「所定時間における通過順序情報」には出現しておらず、照合結果は「X」とされる。よって、特定位置1と特定位置2の間で、「通過移動体識別番号」の通過順序が一致したのは、9個中8個となり、信頼度は9分の8、すなわち88.9%と判定する。図9に示す「図7の(B)」の場合では、識別番号「2」と、「8」と、「9」とが付与された車両は、所定時間内に特定位置1を通過した時刻では移動体として検知されなかったので、「特定位置1」の「所定時間における通過順序情報」には出現しておらず、照合結果は「X」とされ、また、識別番号「10」および「11」が付与された車両は、所定時間内に特定位置2を通過しなかったので、「特定位置2」の「所定時間における通過順序情報」には出現しておらず、照合結果は「X」とされる。よって、特定位置1と特定位置2の間で、「通過移動体識別番号」の通過順序が一致したのは、11個中6個となり、信頼度は11分の6、すなわち54.5%と判定する。
続いて、実施例2における追跡信頼度判定装置は、追跡センサによる追跡結果の信頼度が所定の信頼度よりも低いと判定された場合に、追跡センサに対して、追跡結果の運用を停止すべき旨の運用停止指示を送出する。具体的には、所定の信頼度(信頼度設定閾値)が80%と設定されていたとすると、図7の(A)の場合は、信頼度が88.9%であるため、運用停止指示は行われず、追跡結果の運用が続行される(図10の「図7の(A)」参照)。それに対し、図7の(B)の場合は、信頼度が54.5%と80%より低いため、追跡結果の運用停止の指示が行なわれ(図10の「図7の(B)」参照)、運転者に信頼度の低い情報が提供されることを回避する。
このようなことから、実施例2における追跡信頼度判定装置は、追跡センサによる追跡結果から変換した移動体の通過順序を特定位置間で照合して、追跡センサによる追跡結果そのものを評価でき、追跡センサによる追跡結果の信頼度を精度よく判定することが可能になる。
[実施例2における追跡信頼度判定装置の構成]
次に、図2と、図8と、図9と、図10とを用いて、実施例2における追跡信頼度判定装置を説明する。図2は、実施例1における追跡信頼度判定装置の構成を示すブロック図であり、図8は、実施例2における移動体情報変換部を説明するための図であり、図9は、実施例2における追跡信頼度判定部を説明するための図であり、図10は、実施例2における追跡運用停止指示部を説明するための図である。
実施例2における追跡信頼度判定装置10は、図2に示す実施例1における追跡信頼度判定装置10の構成と同じであるが、移動体追跡装置20と、移動体情報変換部15aと、追跡信頼度判定部15bとの処理内容が異なる。以下、これらを中心に説明する。
移動体追跡装置20は、追跡センサ20aと、追跡センサ追跡結果送信部20bとを備える。追跡センサ20aは、監視範囲を移動する移動体を追跡するセンサであり、追跡センサ追跡結果送信部20bは、追跡センサ20aが取得したデータを解析した結果である追跡結果を、追跡センサ追跡結果受信部14aに送信する。具体的には、図1の(A)に示すように、追跡センサ20aとして設置されたカメラは、監視範囲ABCDを連続的に撮像し、移動体追跡装置20は、撮像された連続画像データに基づいて、監視範囲ABCDに進入した移動体を検知し、当該移動体が監視範囲ABCDを通過するまでの間、当該移動体を一意に識別するための識別番号を付与した状態を保持して移動体を追跡した結果である追跡結果を取得し、追跡センサ追跡結果送信部20bは、追跡信頼度判定要求に応じ、当該追跡結果を追跡センサ追跡結果受信部14aに送信する。
より具体的には、図7の(A)に示す監視範囲ABCDの移動体移動状況において、移動体追跡装置20は、上述したように、時刻t1から時刻t11の間に、識別番号「1」〜「9」を付与して追跡した追跡結果を取得し、また、図7の(B)に示す監視範囲ABCDの移動体移動状況において、移動体追跡装置20は、追跡センサ20aにより撮像された連続画像データに基づいて、上述したように、時刻t1から時刻t11の間に、識別番号「1」〜「11」を付与して追跡した追跡結果を取得し、追跡センサ追跡結果送信部20bは、追跡信頼度判定要求に応じ、これらの追跡結果を追跡センサ追跡結果受信部14aに送信する。
移動体情報変換部15aは、追跡センサ20aによる追跡結果を、監視範囲において移動体の進行方向に連続して位置する複数の特定位置ごとに、各特定位置を通過する移動体の通過順序を示す通過順序情報に変換し、この結果を移動体情報変換部15aに格納する。具体的には、移動体情報変換部15aは、追跡センサ追跡結果受信部14aが受信した追跡センサ20aによる追跡結果から、所定の時間内(ここでは、時刻t11から時刻t1を減じた時間が所定時間に相当する)に、実施例1と同様に設定した特定位置1と、特定位置2とをそれぞれ通過した移動体の通過順序情報に変換する。
より具体的には、上述した図7の(A)に示す移動体移動状況における追跡結果から、まず、各時刻において特定位置1および特定位置2をそれぞれ通過した通過移動体識別番号を取得する(図8の「図7の(A)」の上表参照)。さらに、これらの情報を、「所定時間における通過順序情報」に変換し、「特定位置1」を通過した車両の「通過移動体識別番号」の順序と、「特定位置2」を通過した車両の「通過移動体識別番号」の順序を取得する(図8の「図7の(A)」の下表参照)。これと同様に、図7の(B)に示す移動体移動状況における追跡結果から、まず、各時刻において特定位置1および特定位置2をそれぞれ通過した通過移動体識別番号を取得する(図8の「図7の(B)」の上表参照)。さらに、これらの情報を、「所定時間における通過順序情報」に変換し、「特定位置1」を通過した車両の「通過移動体識別番号」の順序と、「特定位置2」を通過した車両の「通過移動体識別番号」の順序を取得する(図8の「図7の(B)」の下表参照)。
追跡信頼度判定部15bは、変換された通過順序情報が複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、追跡センサ20aによる追跡結果の信頼度を判定する。具体的には、図8の「図7の(A)」の下表や、図8の「図7の(B)」の下表に示す「特定位置1」の「所定時間における通過順序情報」と、「特定位置2」の「所定時間における通過順序情報」とを照合して信頼度を判定する。より具体的には、図9に示すように、図7の(A)場合では、特定位置1と特定位置2の間で、「通過移動体識別番号」の通過順序が、9個中8個が照合結果は「○」となり、信頼度は9分の8、すなわち88.9%と判定する。一方、図7の(B)場合では、特定位置1と特定位置2の間で、「通過移動体識別番号」の通過順序が、11個中6個が照合結果は「○」となり、信頼度は11分の6、すなわち54.5%と判定する。
追跡運用停止指示送出部15cは、追跡センサ20aによる追跡結果の信頼度が所定の信頼度よりも低いと判定された場合に、追跡センサ20aに対して、追跡結果の運用を停止すべき旨の運用停止指示を送出する。具体的には、所定の信頼度(信頼度設定閾値)が80%と設定されていたとすると、図7の(A)の場合は、信頼度が88.9%であるため、運用停止指示は行われず、追跡結果の運用が続行される(図10の「図7の(A)」参照)。それに対し、図7の(B)の場合は、信頼度が54.5%と80%より低いため、追跡結果の運用停止の指示が行なわれ(図10の「図7の(B)」参照)、運転者に信頼度の低い情報が提供されることを回避する。
[実施例2における追跡信頼度判定装置による処理の手順]
次に、図6を用いて、実施例2における追跡信頼度判定装置10による処理を説明する。図6は、実施例1における追跡信頼度判定装置の処理の手順を示すフローチャートである。
実施例2における追跡信頼度判定装置10の処理の手順は、図6に示すステップS603における移動体情報変換部15aによる処理内容および図6に示すステップS605における追跡信頼度判定部15bによる処理内容が、上述したように、実施例1における移動体情報変換部15aによる処理内容および追跡信頼度判定部15bによる処理内容と異なる以外は、実施例1における追跡信頼度判定装置10の処理の手順と同じである。
すなわち、実施例1における移動体情報変換部15aは、図6に示すステップS603において、追跡結果から特定位置ごとの通過個数情報に変換する処理を開始するのに対し、実施例2における移動体情報変換部15aは、追跡結果から特定位置ごとの通過順序情報に変換する処理を開始する。
また、実施例1における追跡信頼度判定部15bは、図6に示すステップS605において、変換された通過個数情報が複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、追跡センサ20aによる追跡結果の信頼度を判定するのに対し、実施例2における追跡信頼度判定部15bは、変換された通過順序情報が複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、追跡センサ20aによる追跡結果の信頼度を判定する。
[実施例2の効果]
上記したように、実施例2によれば、複数の特定位置ごとに、所定の時間内に各特定位置を通過する移動体の通過順序を示す通過順序情報に変換し、変換された通過順序情報が複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、追跡センサ20aによる追跡結果の信頼度を判定するので、追跡センサ20aによる追跡結果から変換した移動体の通過順序を特定位置間で照合して、追跡センサ20aによる追跡結果そのものを評価でき、カメラによる追跡結果の信頼度を精度よく判定することが可能になる。
上述した実施例2では、特定位置ごとの通過順序情報を照合して信頼度を判定する場合について説明したが、実施例3では、特定位置ごとの通過順序情報および通過形状情報を照合して信頼度を判定する場合について説明する。
[実施例3における追跡信頼度判定装置の概要および特徴]
続いて、図11を用いて、実施例3における追跡信頼度判定装置の主たる特徴を具体的に説明する。図11は、実施例3における追跡信頼度判定装置の概要および特徴を説明するための図である。
実施例3では、まず、実施例1および実施例2と同様に、図1の(A)に示すように、追跡センサとしてカメラが設置されるが、移動体追跡装置は、実施例1および実施例2とは異なり、カメラにより撮像された連続画像データに基づいて監視範囲ABCDを走行する車両を検知し、当該車両が監視範囲ABCDを通過するまでの間、当該車両を一意に識別するための識別番号を付与するだけでなく、さらに検知した車両の形状情報(例えば、「大型車」、「中型車」、「小型車」など)を保持して追跡した追跡結果を取得し、これを実施例3における追跡信頼度判定装置に送信している。
より具体的には、図11に示す監視範囲ABCDの移動体移動状況を撮像した連続画像データから、移動体追跡装置は、時刻t1において、非常に近接して走行する1台目と2台目の車両を区別して検知できなかったため、『識別番号「1」と形状情報「大型車」』を付与して追跡した車両1台の追跡結果を取得する。時刻t2では、これら2台の車両の車間距離が大きくなったため、1台目と2台目の車両を区別して検知して、2台目の車両に『識別番号「2」と形状情報「中型車」』を付与するとともに、識別番号「1」の形状情報は「小型車」であると情報を変更し、新たに監視範囲ABCDに進入した3台目の車両を検知し、『識別番号「3」と形状情報「中型車」』を付与した車両3台の追跡結果を取得する。時刻t3では、新たに監視範囲ABCDに進入した車両を検知して、『識別番号「4」と形状情報「小型車」』を付与し、時刻t4では、『識別番号「5」と形状情報「中型車」』を付与して追跡した追跡結果を取得する。さらに、時刻t5において、非常に近接して走行する3台の車両を区別できず1台の車両として検知し、『識別番号「6」と形状情報「大型車」』を付与し、時刻t6では、新たに監視範囲ABCDに進入した車両の先頭を検知して、『識別番号「7」と形状情報「中型車」』を付与して追跡した追跡結果を取得する。続いて、時刻t7では、識別番号「6」を付与した3台の車両の車間距離が大きくなったため、新たに2台の車両を検知して、『識別番号「8」と形状情報「小型車」』および『識別番号「9」と形状情報「小型車」』を付与するとともに、識別番号「6」の形状情報は「小型車」であると情報を変更して追跡した追跡結果を取得する。時刻t8では、新たに監視範囲ABCDに進入した車両を検知して、『識別番号「10」と形状情報「小型車」』を付与し、時刻t11では、新たに監視範囲ABCDに進入した車両を検知して、『識別番号「11」と形状情報「大型車」』を付与して追跡した追跡結果を取得する。そして、移動体追跡装置は、上記した時刻t1から時刻t11の追跡結果を取得し、これを実施例3における追跡信頼度判定装置に送信している。
一方、実施例3における追跡信頼度判定装置は、追跡センサによる追跡結果を、監視範囲において移動体の進行方向に連続して位置する複数の特定位置ごとに、各特定位置を通過する移動体の通過順序を示す通過順序情報と、移動体の形状を示す通過形状情報とに変換する。具体的には、図11に示す監視範囲ABCDの移動体移動状況において、移動体追跡装置により追跡された移動体の追跡結果から、所定の時間内(ここでは、時刻t11から時刻t1を減じた時間が所定時間に相当する)に特定位置1および特定位置2(図1の(A)を参照)を通過した通過順序情報と通過形状情報とに変換する。
より具体的には、図11に示す移動体移動状況における追跡結果から、実施例3における追跡信頼度判定装置は、まず、各時刻において特定位置1および特定位置2をそれぞれ通過した移動体の識別番号および形状情報を取得する。すなわち、図11の表に示すように、例えば「時刻」が「t5」において「特定位置1」を通過した車両の「通過移動体識別番号」は「6」でありかつ「形状情報」は「大型車」であるとの情報を取得し、「特定位置2」を通過した車両の「通過移動体識別番号」は「3」でありかつ「形状情報」は「中型車」であるとの情報を取得する。さらに、実施例3における追跡信頼度判定装置は、これらの情報を、「所定時間における通過順序情報と通過形状情報」に変換し、図12の右表に示すように、「特定位置1」を通過した車両の「通過移動体識別番号」の順序および「形状情報」と、「特定位置2」を通過した車両の「通過移動体識別番号」の順序および「形状情報」として取得する。
続いて、実施例3における追跡信頼度判定装置は、変換された通過順序情報と通過形状情報とが複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、追跡センサによる追跡結果の信頼度を判定する。具体的には、図12の右表に示す「特定位置1」の「所定時間における通過順序情報と通過形状情報」と、「特定位置2」の「所定時間における通過順序情報と通過形状情報」とを照合して信頼度を判定する。より具体的には、図13に示すように、識別番号「2」と、「8」と、「9」とが付与された車両は、所定時間内に特定位置1を通過した時刻では移動体として検知されなかったので、「特定位置1」の「所定時間における通過順序情報」には出現しておらず、照合結果は「X」とされ、また、識別番号「10」および「11」が付与された車両は、所定時間内に特定位置2を通過しなかったので、「特定位置2」の「所定時間における通過順序情報」には出現しておらず、照合結果は「X」とされる。さらに、識別番号「1」および識別番号「6」が付与された車両は、『「特定位置1」での形状情報』と『「特定位置2」での形状情報』が一致していないので、照合結果は「X」とされる。よって、特定位置1と特定位置2の間で、「所定時間における通過順序情報と通過形状情報」が一致するのは、11個中4個となり、信頼度は11分の6、すなわち36.4%と判定する。
続いて、実施例3における追跡信頼度判定装置は、追跡センサによる追跡結果の信頼度が所定の信頼度よりも低いと判定された場合に、追跡センサに対して、追跡結果の運用を停止すべき旨の運用停止指示を送出する。具体的には、所定の信頼度(信頼度設定閾値)が80%と設定されていたとすると、図11の場合は、信頼度が36.4%と80%より低いため、追跡結果の運用停止の指示が行なわれ(図14参照)、運転者に信頼度の低い情報が提供されることを回避する。
[実施例3における追跡信頼度判定装置の構成]
次に、図2と、図12、図13と、図14とを用いて、実施例3における追跡信頼度判定装置を説明する。図2は、実施例1における追跡信頼度判定装置の構成を示すブロック図であり、図12は、実施例3における移動体情報変換部を説明するための図であり、図13は、実施例3における追跡信頼度判定部を説明するための図であり、図14は、実施例3における追跡運用停止指示部を説明するための図である。
実施例3における追跡信頼度判定装置10は、図2に示す実施例1における追跡信頼度判定装置10の構成と同じであるが、移動体追跡装置20と、移動体情報変換部15aと、追跡信頼度判定部15bとの処理内容が異なる。以下、これらを中心に説明する。
移動体追跡装置20は、追跡センサ20aと、追跡センサ追跡結果送信部20bとを備える。追跡センサ20aは、監視範囲を移動する移動体を追跡するセンサであり、追跡センサ追跡結果送信部20bは、追跡センサ20aが取得したデータを解析した結果である追跡結果を、追跡センサ追跡結果受信部14aに送信する。具体的には、図1の(A)に示すように、追跡センサ20aとして設置されたカメラは、監視範囲ABCDを連続的に撮像し、移動体追跡装置20は、撮像された連続画像データに基づいて、監視範囲ABCDに進入した車両を検知し、当該車両を一意に識別するための識別番号を付与し、さらに検知した車両の形状情報(例えば、「大型車」、「中型車」、「小型車」など)を保持して追跡した追跡結果を取得し、追跡センサ追跡結果送信部20bは、追跡信頼度判定要求に応じ、当該追跡結果を追跡センサ追跡結果受信部14aに送信する。
より具体的には、図11に示す監視範囲ABCDの移動体移動状況において、移動体追跡装置20は、上述したように、時刻t1から時刻t11の間に、例えば、『識別番号「3」と形状情報「中型車」』のように、識別番号と形状情報とを付与して追跡した追跡結果を取得し、追跡センサ追跡結果送信部20bは、追跡信頼度判定要求に応じ、これらの追跡結果を追跡センサ追跡結果受信部14aに送信する。
移動体情報変換部15aは、追跡センサ20aによる追跡結果を、監視範囲において移動体の進行方向に連続して位置する複数の特定位置ごとに、移動体の通過順序を示す通過順序情報と移動体の形状を示す通過形状情報とに変換し、この結果を移動体情報変換部15aに格納する。具体的には、移動体情報変換部15aは、追跡センサ追跡結果受信部14aが受信した追跡センサ20aによる追跡結果から、所定の時間内(ここでは、時刻t11から時刻t1を減じた時間が所定時間に相当する)に、実施例1と同様に設定した特定位置1と、特定位置2とをそれぞれ通過した移動体の通過順序情報と通過形状情報とに変換する。
より具体的には、上述した図11に示す移動体移動状況における追跡結果から、まず、各時刻において特定位置1および特定位置2をそれぞれ通過した通過移動体識別番号と通過形状情報とを取得する(図12の左表参照)。さらに、これらの情報を、「所定時間における通過順序情報と通過形状情報」に変換し、『「特定位置1」を通過した車両の「通過移動体識別番号」の順序と通過形状情報』と、『「特定位置2」を通過した車両の「通過移動体識別番号」の順序と通過形状情報』とを取得する(図12の右表参照)。
追跡運用停止指示送出部15cは、追跡センサ20aによる追跡結果の信頼度が所定の信頼度よりも低いと判定された場合に、追跡センサ20aに対して、追跡結果の運用を停止すべき旨の運用停止指示を送出する。具体的には、所定の信頼度(信頼度設定閾値)が80%と設定されていたとすると、図11の場合は、信頼度が36.4%と80%より低いため、追跡結果の運用停止の指示が行なわれ(図14参照)、運転者に信頼度の低い情報が提供されることを回避する。
[実施例3における追跡信頼度判定装置による処理の手順]
次に、図6を用いて、実施例3における追跡信頼度判定装置10による処理を説明する。図6は、実施例1における追跡信頼度判定装置の処理の手順を示すフローチャートである。
実施例3における追跡信頼度判定装置10の処理の手順は、図6に示すステップS603における移動体情報変換部15aによる処理内容および図6に示すステップS605における追跡信頼度判定部15bによる処理内容が、上述したように、実施例1における移動体情報変換部15aによる処理内容および追跡信頼度判定部15bによる処理内容と異なる以外は、実施例1における追跡信頼度判定装置10の処理の手順と同じである。
すなわち、実施例1における移動体情報変換部15aは、図6に示すステップS603において、追跡結果から特定位置ごとの通過個数情報に変換する処理を開始するのに対し、実施例2における移動体情報変換部15aは、追跡結果から特定位置ごとの通過順序情報と通過形状情報とに変換する処理を開始する。
また、実施例1における追跡信頼度判定部15bは、図6に示すステップS605において、変換された通過個数情報が複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、追跡センサ20aによる追跡結果の信頼度を判定するのに対し、実施例2における追跡信頼度判定部15bは、変換された通過順序情報と通過形状情報とが複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、追跡センサ20aによる追跡結果の信頼度を判定する。
[実施例3の効果]
上記したように、実施例3によれば、複数の特定位置ごとに、所定の時間内に各特定位置を通過する移動体の通過順序を示す通過順序情報と、通過する移動体の形状を示す通過形状情報とからなる詳細情報に変換し、変換された詳細情報が複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、追跡センサ20aによる追跡結果の信頼度を判定するので、追跡センサ20aによる追跡結果から変換した移動体の詳細情報を特定位置間で照合して、追跡センサ20aによる追跡結果そのものを評価でき、追跡センサ20aによる追跡結果の信頼度をより精度よく判定することが可能になる。
上述した実施例1〜3では、監視範囲を移動する移動体を追跡する追跡センサを一つ設置する場合について説明したが、実施例4では、異なる手法によって移動体をそれぞれ追跡する複数の追跡センサを設置する場合ついて説明する。
[実施例4における追跡信頼度判定装置の概要および特徴]
まず最初に、図15を用いて、実施例4における追跡信頼度判定装置の主たる特徴を具体的に説明する。図15は、実施例4における追跡信頼度判定装置の概要および特徴を説明するための図である。
実施例4では、まず、異なる手法によって移動体をそれぞれ追跡する複数の追跡センサとして、図15の(A)に示すように監視範囲ABCDを撮像して、画像を取得する第一追跡センサ(カメラ)と、監視範囲ABCDを撮像して、温度の高低データを含む画像を取得する第二追跡センサ(赤外線センサ)とが設置される。
第一追跡センサ(カメラ)と、第二追跡センサ(赤外線センサ)とはそれぞれ画像データを取得し、後述する第一移動体追跡装置は、第一追跡センサ(カメラ)が撮像した連続画像データに基づき、追跡結果を取得し、後述する第二移動体追跡装置は、第二追跡センサ(赤外線センサ)が撮像した温度の高低データを含む連続画像データに基づき追跡結果を取得し、これらの追跡結果を実施例4における追跡信頼度判定装置に送信している。
より具体的には、図15の(B)と(C)とに示す同じ「夜間」の監視範囲ABCDの移動体移動状況において、後述する第二移動体追跡装置は、赤外線センサにより撮像された連続画像データに基づいて、時刻t1から時刻t6の間に監視範囲ABCDに進入した4台の車両を正確に検知し、識別番号「1」〜「4」を付与した状態を保持して車両を追跡した追跡結果を取得し、これを実施例2における追跡信頼度判定装置に送信している。また、後述する第一移動体追跡装置は、カメラにより撮像された連続画像データに基づいて、監視範囲ABCDに進入した車両を検知し、追跡する処理を行うが、「夜間」であるため視界が暗く、時刻t1では、非常に近接して走行する2台の車両(赤外線センサによる追跡結果では識別番号「1」が付与された車両と、識別番号「2」が付与された車両)を正確に検出できず、識別番号「1」を付与して追跡する。時刻t2では、新たに監視範囲ABCDに進入した車両を検知して識別番号「2」(赤外線センサでは、識別番号「3」)を付与して追跡する。時刻t3では、識別番号「1」を付与した車両の車間距離が大きくなったため2台目の車両を検知し、識別番号「3」を付与して追跡する。時刻t4では、新たに監視範囲ABCDに進入した車両を検知して識別番号「4」を付与して追跡する。そして、これらの追跡結果を実施例4における追跡信頼度判定装置に送信している。
一方、実施例4における追跡信頼度判定装置は、複数の追跡センサそれぞれについて、各追跡センサによる追跡結果を、複数の特定位置ごとに、各特定位置を通過する移動体の通過順序を示す通過順序情報に変換する。具体的には、第一移動体追跡装置が取得したカメラによる追跡結果と、第二移動体追跡装置が取得した赤外線センサによる追跡結果とを受信し、これらの追跡結果から、図15の(A)に示す監視範囲ABCDに設定した特定位置1と特定位置2とをそれぞれ通過する移動体の通過順序を示す通過順序情報に変換する。より具体的には、図15の(B)に示すカメラによる追跡結果と、図15の(C)に示す赤外線センサによる追跡結果から、所定の時間内(ここでは、時刻t6から時刻t1を減じた時間が所定時間に相当する)に特定位置1および特定位置2を通過した通過順序情報にそれぞれ変換する。
すなわち、実施例4における追跡信頼度判定装置は、図15の(B)に示すカメラによる追跡結果から、まず、各時刻において特定位置1および特定位置2をそれぞれ通過した通過移動体識別番号を取得する。すなわち、図15の(B)の表に示すように、例えば「時刻」が「t4」において「特定位置1」を通過した車両の「通過移動体識別番号」は「4」であるとする情報を、「特定位置2」を通過した車両の「通過移動体識別番号」は「3」であるとする情報を取得する。さらに、実施例4における追跡信頼度判定装置は、これらの情報を、「所定時間における通過順序情報」に変換し、図17の左下の表に示すように、「特定位置1」を通過した車両の「通過移動体識別番号」の順序と、「特定位置2」を通過した車両の「通過移動体識別番号」の順序とを取得する。これと同様に、図15の(C)に示す赤外線センサによる追跡結果から、図15の(C)の表に示すように、例えば「時刻」が「t4」において「特定位置1」を通過した車両の「通過移動体識別番号」は「4」であるとする情報を、「特定位置2」を通過した車両の「通過移動体識別番号」は「2」であるとする情報を取得する。さらに、実施例4における追跡信頼度判定装置は、これらの情報を、「所定時間における通過順序情報」に変換し、図17の右下の表に示すように、「特定位置1」を通過した車両の「通過移動体識別番号」の順序と、「特定位置2」を通過した車両の「通過移動体識別番号」の順序とを取得する。
続いて、実施例4における追跡信頼度判定装置は、複数の追跡センサごとに、変換された通過順序情報が複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、追跡センサによる追跡結果の信頼度を判定する。具体的には、図17の左下の表に示す「特定位置1」の「所定時間における通過順序情報」と、「特定位置2」の「所定時間における通過順序情報」とを照合して第一追跡センサであるカメラによる追跡結果信頼度を判定し、図17の右下の表に示す「特定位置1」の「所定時間における通過順序情報」と、「特定位置2」の「所定時間における通過順序情報」とを照合して第二追跡センサである赤外線センサによる追跡結果信頼度を判定する。より具体的には、図18の左表に示すように、第一追跡センサであるカメラの場合は、識別番号「3」が付与された車両は、所定時間内に特定位置1を通過した時刻では移動体として検知されなかったので、「特定位置1」の「所定時間における通過順序情報」には出現しておらず、照合結果は「X」とされる。よって、特定位置1と特定位置2の間で、「通過移動体識別番号」の通過順序が一致するのは、4個中3個となり、信頼度は4分の3、すなわち75.0%と判定される。また、図18の右表に示すように、第二追跡センサである赤外線センサの場合は、特定位置1と特定位置2の間で、「通過移動体識別番号」の通過順序が完全に一致するため、信頼度は100%と判定する。
続いて、実施例4における追跡信頼度判定装置は、判定された各追跡センサによる追跡結果の信頼度を互いに比較し、当該信頼度が最良である追跡センサ以外の追跡センサに対して、追跡結果の運用を停止すべき旨の運用停止指示を送出する。具体的には、図19に示すように、第一追跡センサであるカメラによる追跡結果の信頼度が75.0%であるのに対し、第二追跡センサである赤外線センサによる追跡結果の信頼度が100%であるため、赤外線センサへ運用停止指示は行われず、赤外線センサによる追跡結果の運用が続行され、カメラへ追跡結果の運用停止の指示が行なわれ、運転者に信頼度の低い情報が提供されることを回避する。
[実施例4における追跡信頼度判定装置の構成]
次に、図16〜19を用いて、実施例4における追跡信頼度判定装置を説明する。図16は、実施例4における追跡信頼度判定装置の構成を示すブロック図であり、図17は、実施例4における移動体情報変換部を説明するための図であり、図18は、実施例4における追跡信頼度判定部を説明するための図であり、図19は、実施例4における追跡運用停止指示部を説明するための図である。
図16に示すように、実施例4における追跡信頼度判定装置10は、追跡信頼度判定要求入力部11と、追跡信頼度判定出力部12と、入出力制御I/F部13と、受信部14と、処理部15と、記憶部16とから構成され、さらに、第一移動体追跡装置200と、第二移動体追跡装置30に接続される。なお、追跡信頼度判定要求入力部11と、追跡信頼度判定出力部12と、入出力制御I/F部13とは、それぞれ、実施例1における追跡信頼度判定要求入力部11と、追跡信頼度判定出力部12と、入出力制御I/F部13と同様の処理をするので説明を省略する。
第一移動体追跡装置200は、第一追跡センサ200aと、第一追跡センサ追跡結果送信部200bとを備える。第一追跡センサ200aは、監視範囲を移動する移動体を追跡するカメラであり、第一追跡センサ追跡結果送信部200bは、第一追跡センサ200aによる追跡結果を、後述する追跡センサ追跡結果受信部14aに送信する。具体的には、図15の(A)に示すように、第一追跡センサ200aは、監視範囲ABCDを連続的に(例えば100分の1秒ごとに)撮像し、第一移動体追跡装置200は、撮像された連続画像データに基づいて、監視範囲ABCDに進入した移動体を検知し、当該移動体が監視範囲ABCDを通過するまでの間、当該移動体を一意に識別するための識別情報を付与した状態を保持して移動体を追跡した結果である第一追跡センサ200aによる追跡結果を取得し、第一追跡センサ追跡結果送信部200bは、追跡信頼度判定要求に応じ、当該追跡結果を追跡センサ追跡結果受信部14aに送信する。すなわち、上述した図15の(B)に示す追跡結果を追跡センサ追跡結果受信部14aに送信する。
第二移動体追跡装置30は、第二追跡センサ30aと、第二追跡センサ追跡結果送信部30bとを備える。第二追跡センサ30aは、監視範囲を移動する移動体を追跡する赤外線センサであり、第二追跡センサ追跡結果送信部30bは、第二追跡センサ30aによる追跡結果を、後述する追跡センサ追跡結果受信部14aに送信する。具体的には、図15の(A)に示すように、第二追跡センサ30aは、監視範囲ABCDを連続的に(例えば100分の1秒ごとに)撮像し、第二移動体追跡装置30は、撮像された温度の高低情報を含む連続画像データに基づいて、監視範囲ABCDに進入した移動体を検知し、当該移動体が監視範囲ABCDを通過するまでの間、当該移動体を一意に識別するための識別情報を付与した状態を保持して移動体を追跡した結果である第二追跡センサ30aによる追跡結果を取得し、第一追跡センサ追跡結果送信部30bは、追跡信頼度判定要求に応じ、当該追跡結果を追跡センサ追跡結果受信部14aに送信する。すなわち、上述した図15の(C)に示す追跡結果を追跡センサ追跡結果受信部14aに送信する。
なお、第一追跡センサ追跡結果送信部200bと、第二追跡センサ追跡結果送信部30bから追跡センサ追跡結果受信部14aに送信される追跡結果は、100分の1秒ごとに撮像された画像データを処理した100分の1秒ごとの追跡結果であってもよいし、100分の1秒ごとに撮像された画像データを処理した追跡結果のうち、例えば、10分の1秒ごとの追跡結果であってもよい。
受信部14は、追跡センサ追跡結果受信部14aを備える。追跡センサ追跡結果受信部14aは、入出力制御I/F部13から転送された追跡信頼度要求に基づき、第一追跡センサ追跡結果送信部200bと、第二追跡センサ追跡結果送信部30bから、それぞれ第一追跡センサ200aによる追跡結果と、第二追跡センサ30aによる追跡結果とを受信し、後述する移動体情報変換部15aに追跡結果を転送する。
移動体情報変換部15aは、追跡センサ追跡結果受信部14aが受信した第一追跡センサ200aによる追跡結果と、第二追跡センサ30aによる追跡結果とを、複数の特定位置ごとに、各特定位置を通過する移動体の通過順序を示す通過順序情報に変換し、その結果を移動体情報変換結果記憶部16aに記憶する。具体的には、図15の(B)に示す第一追跡センサ200aによる追跡結果から、まず、各時刻において特定位置1および特定位置2をそれぞれ通過した通過移動体識別番号を取得し(図17の左上の表参照)、さらに、これらの情報を、「所定時間における通過順序情報」に変換し、図17の左下の表に示すように、「特定位置1」を通過した車両の「通過移動体識別番号」の順序と、「特定位置2」を通過した車両の「通過移動体識別番号」の順序を取得する。これと同様に、図15の(C)に示す第二追跡センサ30aによる追跡結果から、まず、各時刻において特定位置1および特定位置2をそれぞれ通過した通過移動体識別番号を取得し(図17の右上の表参照)、さらに、これらの情報を、「所定時間における通過順序情報」に変換し、図17の右下の表に示すように、「特定位置1」を通過した車両の「通過移動体識別番号」の順序と、「特定位置2」を通過した車両の「通過移動体識別番号」の順序を取得する。
そして、移動体情報変換部15aは、変換した特定位置ごとの通過順序情報を追跡センサごとに移動体情報変換結果記憶部16aに格納する。なお、移動体情報変換部15aは、追跡センサ追跡結果受信部14aが受信した100分の1秒ごとのそれぞれの追跡結果をすべて処理してもよいし、受信した追跡結果のうち、例えば、10分の1秒ごとの追跡結果をそれぞれ処理してもよい。
追跡信頼度判定部15bは、複数の追跡センサごとに、変換された通過順序情報が複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、追跡センサによる追跡結果の信頼度を判定する。具体的には、図18の左表に示すように、第一追跡センサ200aであるカメラの場合は、特定位置1と特定位置2の間で、「通過移動体識別番号」の通過順序が一致するのは、4個中3個となり、信頼度は4分の3、すなわち75.0%と判定され、図18の右表に示すように、第二追跡センサ30aである赤外線センサの場合は、特定位置1と特定位置2の間で、「通過移動体識別番号」の通過順序が完全に一致するため、信頼度は100%と判定する。
そして、追跡信頼度判定部15bは、判定した追跡センサごとの信頼度を追跡信頼度判定結果記憶部16bに格納する。
追跡運用停止指示送出部15cは、判定された各追跡センサによる追跡結果の信頼度を互いに比較し、当該信頼度が最良である追跡センサ以外の追跡センサに対して、追跡結果の運用を停止すべき旨の運用停止指示を送出する。具体的には、図19に示すように、第一追跡センサであるカメラによる追跡結果の信頼度が75.0%であるのに対し、第二追跡センサ30aによる追跡結果の信頼度が100%であるため、第二追跡センサ30aへ運用停止指示は行われず、第二追跡センサ30aによる追跡結果の運用が続行され、第一追跡センサ200aへ追跡結果の運用停止の指示が行なわれ、運転者に信頼度の低い情報が提供されることを回避する。
[実施例4における追跡信頼度判定装置による処理の手順]
次に、図20を用いて、実施例4における追跡信頼度判定装置10による処理を説明する。図20は、実施例4における追跡信頼度判定装置の処理の手順を示すフローチャートである。
まず、実施例4における追跡信頼度判定装置10は、キーボードやマウスから新たに追跡信頼度判定要求を受け付けたり、自動的に(例えば、3時間ごとに)追跡信頼度判定要求が発生すると(ステップS2001肯定)、前回の追跡信頼度判定要求により追跡センサ追跡結果受信部14a、移動体情報変換結果記憶部16aおよび追跡信頼度判定結果記憶部16bに格納されていたデータを初期化(消去)する(ステップS2002)。
そして、移動体情報変換部15aは、第一追跡センサ200aによる追跡結果と、第二追跡センサ30aによる追跡結果とを、監視範囲において移動体の進行方向に連続して位置する複数の特定位置ごとに、各特定位置を通過する移動体の通過順序を示す通過順序情報に変換する処理を開始する(ステップS2003)。
その後、移動体情報変換部15aは、追跡信頼度判定要求から所定時間(例えば2分など)が経過したか否かを判断する(ステップS2004)。ここで、所定時間が経過していない場合には(ステップS2004否定)、移動体情報変換部15aは処理を継続する。
これとは反対に、追跡信頼度判定要求から所定時間が経過している場合には(ステップS2004肯定)、移動体情報変換部15aは、処理を停止し、これに応じ、追跡信頼度判定部15bは、複数の追跡センサごとに、変換された通過順序情報が複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、第一追跡センサ200aによる追跡結果と、第二追跡センサ30aによる追跡結果との信頼度をそれぞれ判定する(ステップS2005)。具体的には、移動体情報変換部15aに格納された通過個数情報に基づいて、図18の左表に示すように、第一追跡センサ200aであるカメラの場合は、「通過移動体識別番号」の通過順序の照合結果が、4個中3個一致するので、信頼度は4分の3、すなわち75.0%と判定され、図18の右表に示すように、第二追跡センサ30aの場合は、特定位置1と特定位置2の間で、「通過移動体識別番号」の通過順序が完全に一致するため、信頼度は100%と判定する。
そして、追跡運用停止指示送出部15cは、判定された各追跡センサによる追跡結果の信頼度を互いに比較し、当該信頼度が最良である追跡センサ以外の追跡センサに対して、追跡結果の運用を停止すべき旨の運用停止指示を送出する。具体的には、図19に示すように、第一追跡センサ200aによる追跡結果の信頼度が75.0%であるのに対し、第二追跡センサ30aによる追跡結果の信頼度が100%であるため、第二追跡センサ30aへ運用停止指示は行われず、第二追跡センサ30aによる追跡結果の運用が続行され、第一追跡センサ200aへ追跡結果の運用停止の指示が行なわれ、運転者に信頼度の低い情報が提供されることを回避する。
[実施例4の効果]
上記したように、実施例4によれば、第一追跡センサ200aおよび第二追跡センサ30aそれぞれについて、各追跡センサによる追跡結果を、複数の特定位置ごとに、各特定位置を通過する移動体の通過順序を示す通過順序情報に変換し、第一追跡センサ200aおよび第二追跡センサ30aごとに、変換された通過順序情報が複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、各追跡センサによる追跡結果の信頼度を判定し、判定された第一追跡センサ200aよる追跡結果と、第二追跡センサ30aによる追跡結果との信頼度を互いに比較し、当該信頼度が最良である追跡センサ以外の追跡センサに対して、追跡結果の運用を停止すべき旨の運用停止指示を送出するので、複数の追跡センサの中から信頼度が最良であると判定された追跡センサによる追跡結果を運転者に提供することができ、信頼性の高い運転支援情報のみを運転者に提供することが可能になる。
さて、これまで実施例1〜4における追跡信頼度判定装置について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、実施例5における追跡信頼度判定装置として、種々の異なる実施例を(1)〜(5)に区分けして説明する。
(1)追跡センサ
上記の実施例1〜3では、追跡センサとして「カメラ」を設置する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、追跡センサとして「監視範囲」にミリ波を照射して、「移動体」の有無を判別し、「移動体」の速度情報を算出することができる反射波データを取得する「ミリ波センサ」を設置する場合であってもよく、「ミリ波センサ」による追跡結果を、通過順序情報と通過速度情報とに変換して信頼度を判定してもよい。
また、上記の実施例4では、追跡センサとして「カメラ」と「赤外線センサ」とを併置した場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、「カメラ」と「ミリ波センサ」や、「赤外線センサ」と「ミリ波センサ」などを併置した場合であってもよい。
(2)処理時間の範囲
上記した実施例1〜4では、追跡信頼度判定要求から所定時間(例えば2分間など)の移動体情報を特定位置ごとに照合して、追跡センサによる追跡結果の信頼度を判定する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、追跡信頼度判定要求を受け付けた時間を挟んだ所定時間(例えば追跡信頼度判定要求を受け付けた時間を挟んで前後1分間ずつの2分間など)の移動体情報を特定位置ごとに照合して、追跡センサによる追跡結果の信頼度を判定する場合であってもよい。
具体的には、追跡信頼度判定装置は、追跡信頼度判定要求に応じ、追跡センサによる追跡結果から、追跡信頼度判定要求を受け付けた時間を挟んで前後1分間ずつの2分間に特定位置をそれぞれ通過した移動体の移動体情報に変換し、特定位置ごとの移動体情報を照合して、追跡センサによる追跡結果の信頼度を判定する追跡信頼度判定装置であってもよい。
(3)特定位置
上記した実施例1〜4では、監視範囲において移動体の進行方向に連続して位置する複数の特定位置として、2つの「特定位置1」と「特定位置2」を設定した場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば追跡センサから「近い位置」に特定位置を2つ設定し、さらに「遠い位置」に特定位置を2つ設定する場合であってもよく、「近い位置」に設定した2つの特定位置での移動体情報を照合して、当該「近い位置」での追跡結果の信頼度を判定し、「遠い位置」に設定した2つの特定位置での移動体情報を照合して、当該「遠い位置」での追跡結果の信頼度を判定し、「位置」ごとの追跡結果の信頼度を判定し、所定の信頼度より低い信頼度であった「位置」より遠方の追跡結果の運用停止指示を追跡センサへ送出する場合であってもよい。
(4)システム構成等
また、上記文章中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、信頼度判定閾値や、処理時間の範囲などは、交通量の多さに応じて、管理施設のオペレータにより変更することができる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各処理部および各記憶部の分散・統合の具体的形態(例えば、図2の形態など)は図示のものに限られず、例えば、追跡信頼度判定部15bと追跡運用停止指示送出部15cとを統合するなど、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
(5)追跡信頼度判定プログラム
ところで上記の実施例1〜4では、ハードウェアロジックによって各種の処理を実現する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータで実行するようにしてもよい。そこで以下では、図21を用いて、上記の実施例1に示した追跡信頼度判定装置10と同様の機能を有する追跡信頼度判定プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図21は、実施例1における追跡信頼度判定プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
図21に示すように、情報処理装置としてのコンピュータ210は、キーボード211、ディスプレイ212、CPU213、ROM214、HDD215およびRAM216をバス217などで接続して構成され、さらに移動体追跡装置20に接続される。
ROM214には、上記の実施例1に示した追跡信頼度判定装置10と同様の機能を発揮する追跡信頼度判定プログラム、つまり、図21に示すように、移動体情報変換プログラム214a、追跡信頼度判定プログラム214b、追跡運用停止指示送出プログラム214cが予め記憶されている。なお、これらのプログラム214a〜214cについては、図2に示した自己位置推定装置10の各構成要素と同様、適宜統合または分散してもよい。
そして、CPU213が、これらのプログラム214a〜214cをROM214から読み出して実行することで、図21に示すように、各プログラム214a〜214cは、移動体情報変換プロセス213a、追跡信頼度判定プロセス213b、追跡運用停止指示送出プロセス213cとして機能するようになる。なお、各プロセス213a〜213cは、図2に示した、移動体情報変換部15a、追跡信頼度判定部15b、追跡運用停止指示送出部15cにそれぞれ対応する。
また、HDD215には、図21に示すように、追跡センサ追跡結果受信データ215aと、移動体情報変換結果データ215bと、追跡信頼度判定結果データ215cとが設けられる。この追跡センサ追跡結果受信データ215aは、図2に用いた追跡センサ追跡結果受信部14aに対応し、移動体情報変換結果データ215bは移動体情報変換結果記憶部16aに対応し、追跡信頼度判定結果データ215cは追跡信頼度判定結果記憶部16bに対応する。そしてCPU213は、追跡センサ追跡結果受信データ216aを追跡センサ追跡結果受信データ215aに対して登録し、移動体情報変換結果データ216bを移動体情報変換結果データ215bに対して登録し、追跡信頼度判定結果データ216cを追跡信頼度判定結果データ215cに対して登録し、この追跡センサ追跡結果受信データ216aと、移動体情報変換結果データ216bと、追跡信頼度判定結果データ216cとに基づいて追跡信頼度判定処理を実行する。
なお、上記した各プログラム214a〜214cについては、必ずしも最初からROM214に記憶させておく必要はなく、例えばコンピュータ210に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」、または、コンピュータ210の内外に備えられるHDDなどの「固定用物理媒体」、さらには、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ210に接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」などに各プログラムを記憶させておき、コンピュータ210がこれらから各プログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
(付記1)所定の範囲を監視して当該範囲内を移動する移動体を追跡する追跡センサによる追跡結果の信頼度を判定する追跡信頼度判定方法をコンピュータに実行させる追跡信頼度判定プログラムであって、
前記追跡センサによる追跡結果を、前記所定の範囲において前記移動体の進行方向に連続して位置する複数の特定位置ごとに、各特定位置を通過する移動体の情報である移動体情報に変換する移動体情報変換手順と、
前記移動体情報変換手順によって変換された移動体情報が前記複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、前記追跡センサによる追跡結果の信頼度を判定する信頼度判定手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする追跡信頼度判定プログラム。
(付記2)前記移動体情報変換手順は、前記複数の特定位置ごとに、所定の時間内に各特定位置を通過する移動体の通過個数を示す通過個数情報に変換し、
前記信頼度判定手順は、前記移動体情報変換手順によって変換された通過個数情報が前記複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、前記追跡センサによる追跡結果の信頼度を判定することを特徴とする付記1に記載の追跡信頼度判定プログラム。
(付記3)前記移動体情報変換手順は、前記複数の特定位置ごとに、所定の時間内に各特定位置を通過する移動体の通過順序を示す通過順序情報に変換し、
前記信頼度判定手順は、前記移動体情報変換手順によって変換された通過順序情報が前記複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、前記追跡センサによる追跡結果の信頼度を判定することを特徴とする付記1に記載の追跡信頼度判定プログラム。
(付記4)前記移動体情報変換手順は、前記複数の特定位置ごとに、所定の時間内に各特定位置を通過する移動体の速度、サイズ、形状、模様のいずれか一つまたは複数を示す詳細情報に変換し、
前記信頼度判定手順は、前記移動体情報変換手順によって変換された詳細情報が前記複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、前記追跡センサによる追跡結果の信頼度を判定することを特徴とする付記1に記載の追跡信頼度判定プログラム。
(付記5)前記信頼度判定手順によって前記追跡センサによる追跡結果の信頼度が所定の信頼度よりも低いと判定された場合に、前記追跡センサに対して、前記追跡結果の運用を停止すべき旨の運用停止指示を送出する運用停止指示送出手順をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする付記1〜4のいずれかひとつに記載の追跡信頼度判定プログラム。
(付記6)前記追跡センサは、異なる手法によって前記移動体をそれぞれ追跡する複数の追跡センサであって、
前記移動体情報変換手順は、前記複数の追跡センサそれぞれについて、各追跡センサによる追跡結果を、前記複数の特定位置ごとに、各特定位置を通過する移動体の情報である移動体情報に変換し、
前記信頼度判定手順は、前記複数の追跡センサごとに、前記移動体情報変換手順によって変換された移動体情報が前記複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、各追跡センサによる追跡結果の信頼度を判定し、
前記運用停止指示送出手順は、前記信頼度判定手順によって判定された各追跡センサによる追跡結果の信頼度を互いに比較し、当該信頼度が最良である追跡センサ以外の追跡センサに対して、前記追跡結果の運用を停止すべき旨の運用停止指示を送出することを特徴とする付記5に記載の追跡信頼度判定プログラム。
(付記7)所定の範囲を監視して当該範囲内を移動する移動体を追跡する追跡センサによる追跡結果の信頼度を判定する追跡信頼度判定方法であって、
前記追跡センサによる追跡結果を、前記所定の範囲において前記移動体の進行方向に連続して位置する複数の特定位置ごとに、各特定位置を通過する移動体の情報である移動体情報に変換する移動体情報変換工程と、
前記移動体情報変換手順によって変換された移動体情報が前記複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、前記追跡センサによる追跡結果の信頼度を判定する信頼度判定工程と、
を含んだことを特徴とする追跡信頼度判定方法。
(付記8)所定の範囲を監視して当該範囲内を移動する移動体を追跡する追跡センサによる追跡結果の信頼度を判定する追跡信頼度判定装置であって、
前記追跡センサによる追跡結果を、前記所定の範囲において前記移動体の進行方向に連続して位置する複数の特定位置ごとに、各特定位置を通過する移動体の情報である移動体情報に変換する移動体情報変換手段と、
前記移動体情報変換手順によって変換された移動体情報が前記複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、前記追跡センサによる追跡結果の信頼度を判定する信頼度判定手段と、
を備えたことを特徴とする追跡信頼度判定装置。
以上のように、本発明における追跡信頼度判定プログラムは、所定の範囲を監視して当該範囲内を移動する移動体を追跡する追跡センサによる追跡結果の信頼度を判定する場合に有用であり、特に、追跡センサによる追跡結果の信頼度を精度よく判定することに適する。
実施例1における追跡信頼度判定装置の概要および特徴を説明するための図である。 実施例1における追跡信頼度判定装置の構成を示すブロック図である。 実施例1における移動体情報変換部を説明するための図である。 実施例1における追跡信頼度判定部を説明するための図である。 実施例1における追跡運用停止指示送出部を説明するための図である。 実施例1における追跡信頼度判定装置の処理を説明するための図である。 実施例2における追跡信頼度判定装置の概要および特徴を説明するための図である。 実施例2における移動体情報変換部を説明するための図である。 実施例2における追跡信頼度判定部を説明するための図である。 実施例2における追跡運用停止指示送出部を説明するための図である。 実施例3における追跡信頼度判定装置の概要および特徴を説明するための図である。 実施例3における移動体情報変換部を説明するための図である。 実施例3における追跡信頼度判定部を説明するための図である。 実施例3における追跡運用停止指示送出部を説明するための図である。 実施例4における追跡信頼度判定装置の概要および特徴を説明するための図である。 実施例4における追跡信頼度判定装置の構成を示すブロック図である。 実施例4における移動体情報変換部を説明するための図である。 実施例4における追跡信頼度判定部を説明するための図である。 実施例4における追跡運用停止指示送出部を説明するための図である。 実施例4における追跡信頼度判定装置の処理を説明するための図である。 実施例1の追跡信頼度判定プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
符号の説明
10 追跡信頼度判定装置
11 追跡信頼度判定要求入力部
12 追跡信頼度判定出力部
13 入出力制御I/F部
14 受信部
14a 追跡センサ追跡結果受信部
15 処理部
15a 移動体情報変換部
15b 追跡信頼度判定部
15c 追跡運用停止指示送出部
16 記憶部
16a 移動体情報変換結果記憶部
16b 追跡信頼度判定結果記憶部
20 移動体追跡装置
20a 追跡センサ
20b 追跡センサ追跡結果送信部

Claims (6)

  1. 追跡センサが取得した所定の範囲の画像データ、または、反射波データを用いて当該範囲内を移動する移動体を追跡する移動体追跡装置による追跡結果の信頼度を判定する追跡信頼度判定方法をコンピュータに実行させる追跡信頼度判定プログラムであって、
    前記追跡センサが取得した同一の画像データまたは反射波データを用いた追跡結果を、前記所定の範囲において前記移動体の進行方向に連続して位置する複数の特定位置ごとに、各特定位置を通過する移動体の情報である移動体情報に変換する移動体情報変換手順と、
    前記移動体情報変換手順によって変換された移動体情報が前記複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、前記移動体追跡装置による追跡結果の信頼度を判定する信頼度判定手順と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする追跡信頼度判定プログラム。
  2. 前記移動体情報変換手順は、前記複数の特定位置ごとに、所定の時間内に各特定位置を通過する移動体の通過個数を示す通過個数情報に変換し、
    前記信頼度判定手順は、前記移動体情報変換手順によって変換された通過個数情報が前記複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、前記移動体追跡装置による追跡結果の信頼度を判定することを特徴とする請求項1に記載の追跡信頼度判定プログラム。
  3. 前記移動体情報変換手順は、前記複数の特定位置ごとに、所定の時間内に各特定位置を通過する移動体の通過順序を示す通過順序情報に変換し、
    前記信頼度判定手順は、前記移動体情報変換手順によって変換された通過順序情報が前記複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、前記移動体追跡装置による追跡結果の信頼度を判定することを特徴とする請求項1に記載の追跡信頼度判定プログラム。
  4. 前記移動体情報変換手順は、前記複数の特定位置ごとに、所定の時間内に各特定位置を通過する移動体の速度、サイズ、形状、模様のいずれか一つまたは複数を示す詳細情報に変換し、
    前記信頼度判定手順は、前記移動体情報変換手順によって変換された詳細情報が前記複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、前記移動体追跡装置による追跡結果の信頼度を判定することを特徴とする請求項1に記載の追跡信頼度判定プログラム。
  5. 前記信頼度判定手順によって前記移動体追跡装置による追跡結果の信頼度が所定の信頼度よりも低いと判定された場合に、前記移動体追跡装置に対して、前記追跡結果の運用を停止すべき旨の運用停止指示を送出する運用停止指示送出手順をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかひとつに記載の追跡信頼度判定プログラム。
  6. 前記追跡センサは、異なる手法によって前記移動体をそれぞれ追跡するためのデータを取得する複数の追跡センサであって、
    前記移動体情報変換手順は、前記複数の追跡センサそれぞれについて、各追跡センサを用いた前記移動体追跡装置による追跡結果を、前記複数の特定位置ごとに、各特定位置を通過する移動体の情報である移動体情報に変換し、
    前記信頼度判定手順は、前記複数の追跡センサごとに、前記移動体情報変換手順によって変換された移動体情報が前記複数の特定位置の間で互いに一致するか否かを照合して、各追跡センサの前記移動体追跡装置よる追跡結果の信頼度を判定し、
    前記運用停止指示送出手順は、前記信頼度判定手順によって判定された各追跡センサ用いた前記移動体追跡装置による追跡結果の信頼度を互いに比較し、当該信頼度が最良である追跡センサ以外の追跡センサを用いた追跡結果の運用を停止すべき旨の運用停止指示を、前記移動体追跡装置に対して送出することを特徴とする請求項5に記載の追跡信頼度判定プログラム。
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