JP4769996B2 - トリエチレンジアミン類及びピペラジン類の製造方法 - Google Patents

トリエチレンジアミン類及びピペラジン類の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トリエチレンジアミン類及びピペラジン類を製造する方法に関するものである。詳しくは、改良された結晶性アルミノシリケート触媒を用いて、アミン化合物から効果的・効率的にトリエチレンジアミン類及びピペラジン類を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トリエチレンジアミン類は、ポリウレタン製造における発泡触媒、エポキシ樹脂硬化促進剤等として、又ピペラジン類は医薬、農薬製造中間体、ウレタン触媒等として、大量に使用されている有用な化合物である。
【0003】
これらトリエチレンジアミン類、ピペラジン類は一般に触媒を用いてアミン化合物を環化することによって得られる。
【0004】
その触媒としては、ゼオライトが公知である。例えば、特開昭50−58096号公報には、A型ゼオライトを触媒として用い、N−(2−アミノエチル)ピペラジンを該触媒と250〜450℃で気相にて接触させトリエチレンジアミン、ピペラジンを得る方法が開示されている。特開昭60−260574号公報には、少なくとも、アルミナに対するシリカのモル比20の組成比から成る高シリカゼオライトを触媒として用い、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジンを該触媒と250〜550℃で気相で接触させトリエチレンジアミンを得る方法が開示されている。特開昭62−228079号公報には、空気雰囲気下400〜600℃にて焼成処理された、アルミナに対するシリカのモル比が12以上の結晶性金属シリケートを触媒として用い、モノエタノールアミン、エチレンジアミン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン等を該触媒と100〜500℃で接触させトリエチレンジアミンを得る方法が開示されている。特開昭63−122654号公報には、空気雰囲気下400〜600℃にて焼成処理された、アルミナに対するシリカのモル比が12以上の結晶性金属シリケートを触媒として用い、モノエタノールアミン、エチレンジアミン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン等を該触媒と100〜500℃、絶対圧力300kPa(3kg/cm2)以上の条件で接触させトリエチレンジアミンを得る方法が開示されている。特開平1−132587号公報には、ペンタシル型ゼオライトを触媒として用い、ピペラジンを該触媒と250〜550℃で接触させトリエチレンジアミンを得る方法が開示されている。特開平1−143864号公報には、ペンタシル型ゼオライトを触媒として用い、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−アミノエタノ−ルを該触媒と250〜550℃で接触させトリエチレンジアミンを得る方法が開示されている。特開平3−127764号公報には、シリカモレキュラーシーブ、非ゼオライト系モレキュラーシーブ、ゼオライト系モレキュラーシーブから選択される1種又はそれ以上のモレキュラーシーブを触媒として、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、ピペラジン、ピペラジン及びモノエタノールアミン、ピペラジン及びエチレンジアミン等を該触媒と250〜500℃で接触させトリエチレンジアミンを得る方法が開示されている。特開平3−133971号公報には、アルカリ金属を含むか、又はゼオライト骨格のアルミニウムが鉄により同形的に置換されたペンタシル型ゼオライトを触媒として用い、エチレンジアミンを270〜420℃で該触媒と接触させトリエチレンジアミンを得る方法が開示されている。更に、特開平5−17460号公報には、水蒸気雰囲気下500℃〜950℃の温度にて焼成処理された結晶性アルミノシリケートから成る触媒とアミン化合物からトリエチレンジアミンを製造する方法が開示されている。特開平5−17461号公報には、空気雰囲気下610℃〜950℃の温度にて焼成処理された結晶性アルミノシリケートから成る触媒とアミン化合物からトリエチレンジアミンを製造する方法が開示されている。特開平5−17462号公報には、無機塩が担持された結晶性アルミノシリケート触媒とアミン化合物からトリエチレンジアミンを製造する方法が開示されている。特開平10−109964号公報には、塩基処理されたゼオライト触媒とアミン化合物からトリエチレンジアミンを製造する方法が開示されている。特開平10−182562号公報には、表面酸性度失活ゼオライト触媒とアミン化合物からトリエチレンジアミンを製造する方法が開示されている。特開平10−195029号公報には、縮合/環化形状選択性ゼオライトとエチル化性化合物を添加したトリエチレンジアミン反応液からトリエチレンジアミンを製造する方法が、開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにトリエチレンジアミンの製造法に関して、ゼオライト触媒を用いた多くの製造法が開示されている。しかしながら、工業用触媒として使用するには、下記のような問題点があった。
【0006】
即ち、特開昭50−58096号公報に記載の方法では、トリエチレンジアミン、ピペラジンの選択率が低く、収率を高く維持することができない。また、該触媒の経時活性低下が激しく、工業用触媒とはならない。特開昭60−260574号公報に記載の方法では、トリエチレンジアミン、ピペラジンの選択率は高いものの、転化率が低く、収率を高く維持できない。更に、該触媒の経時活性低下が大きく、該触媒を工業用触媒として用いるには経済的に有利とはならない。特開昭62−228079号公報及び特開昭63−122654号公報に記載の方法では、転化率を低くすれば選択率を高くできるが、転化率を高くすると選択率が低下し、結局高収率で目的とする化合物を得ることはできず、また、同様に該触媒の経時活性低下は大きい。したがって、該触媒も工業用触媒として用い難い。特開平1−132587号公報及び特開平1−143864号公報に記載の方法では、選択率は高いが、その時の転化率は低く目的物の収率は低くなる。また、今までと同様該触媒の経時活性低下は大きい。特開平3−127764号公報に記載の方法では、トリエチレンジアミンの選択率は高いものの、転化率が低く、トリエチレンジアミンの収率を高く維持できない。又、該触媒も同様経時活性低下は大きい。特開平3−133971号公報に記載のアルカリ金属イオン含有ペンタシルゼオライトでは、選択率は高いものの転化率低く目的物の収率は低い。又、ゼオライト骨格のアルミニウムが鉄置換されたペンタシルゼオライトでは転化率は向上し、又選択率は高く、その結果収率は向上するものの触媒が特殊なゼオライトであり、その製造法は複雑で、条件も厳しく、製造費用もかさみ、経済的に有利とはならない。更には、経時活性低下は従来触媒よりは改良されているものの、工業上満足できる段階ではない。特開平5−17460号公報、特開平5−17461号公報、特開平5−17462号公報に記載の方法では、トリエチレジアミン収率は改善されているものの、触媒の経時活性低下は大きい。特開平10−109964号公報、特開平10−182562号公報に記載の方法では、トリエチレンジアミン収率は低く、また、触媒の経時活性低下は大きく、とても工業的製造法とは成り得ない。また、特開平10−195029号公報では、2段反応であり、操作が煩となり、設備費がかさみ、更には、触媒の活性低下は大きい。
【0007】
即ち、従来の製造方法のほとんどが、トリエチレンジアミン類及びピペラジン類の収率が低く、生産性、経済性の低いものである。また、これらの収率を高くできる方法は、操作が煩雑であるか、設備が複雑であるか、工業上製造が困難な特殊な触媒を用いた方法であり、経済性の薄い方法である。
【0008】
更に致命的な課題として、従来のいずれの触媒に於いても、触媒活性の経時的低下が著しく大きいことが挙げられる。即ち、触媒寿命が短いことであり、このことは触媒費用がかさむこと以外に、触媒交換操作、生成物の組成変動による運転操作等が煩雑になることなど、工業上の最大の課題となっている。
【0009】
以上のことより、トリエチレンジアミン類及びピペラジン類を高収率で、且つ長期間安定して製造できる触媒は未だに見出されていない。そのため、性能面で優れた触媒の開発及びそれを用いた製造方法の開発が強く切望されている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、トリエチレンジアミン類及びピペラジン類の製造方法について広く、深く鋭意検討した結果、重要な因子は触媒であるとの結論に達し、その触媒の研究開発を更に進めた。その結果、結晶性アルミノシリケートを限定された範囲の高温で加熱処理した後、限定された薬剤を用いて処理し、アルミナに対するシリカのモル比を限定された値とし、それを触媒として用いることで、初めて本発明の目的であるトリエチレンジアミン類及びピペラジン類を高収率で、且つ長期間安定して製造できるという新規な事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち本発明は、500℃〜950℃の温度にて焼成し、次いで、無機酸で接触処理された、アルミナに対するシリカのモル比が12以上の結晶性アルミノシリケートからなる触媒と、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N,N’−ビス(2−アミノエチル)ピペラジン、ピペラジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンから選ばれるアミン化合物を接触させることを特徴とするトリエチレンジアミン及びピペラジンの製造方法である。
【0014】
以下に、本発明を更に詳しく説明する。
【0015】
本発明の方法において触媒として用いる結晶性アルミノシリケートは、アルミナに対するシリカのモル比12以上、好ましくは40〜5000のものである。ここで、アルミナに対するシリカのモル比が12未満であると、トリエチレンジアミン類の選択率が低下し、不必要な副生成物が多量生成する。また、アルミナに対するシリカのモル比が5000よりも大きいと、触媒活性の低下が大きくなり、収率が幾分低下する。モル比が40〜5000で触媒寿命を長く、且つ触媒活性を高く、即ち収率を高く維持でき、より経済的で好ましい。
【0016】
本発明の方法における結晶性アルミノシリケートは、アルミナに対するシリカのモル比が12以上であるが、酸素10員環の主空洞を有するものが、触媒活性及び触媒寿命を大きくできるので好ましい。その具体例としては、米国特許第3,702,886号に記載されているZSM−5、米国特許第1,334,243号に記載されているZSM−8、米国特許第3,709,979号に記載されているZSM−11、米国特許第3,832,449号に記載されているZSM−12、米国特許第4,001,346号に記載されているZSM−21等がある。
【0017】
結晶性アルミノシリケートは、通常水熱合成で得られるが、その時、有機結晶化剤を用いたり、用いなかったりするが、いずれも本発明で使用することができる。
【0018】
本発明の方法において、該結晶性アルミノシリケートは、500〜950℃で焼成される。焼成は、粉末、成型体いずれで行っても良い。成型体は、通常結晶性アルミノシリケート粉末を粘土、アルミナゾル、シリカゾル等の無機バインダー、セルロース系の有機バインダーと少量の水を用いて、混合、混練し、湿式造粒する。混合、混練操作は、成型体の機械的強度を付与するに重要であり、装置としては、円筒型、V型、立方体型、二重円錐型、六角形、ピラミッド型等の回転容器型混合機、スクリュー混合機、リボン混合機、ヘンシェル型ミキサー、回転パン型混合機等の容器固定型混合機等を挙げることができる。湿式造粒は、形を整え、運転操作性や作業性を向上させたり、成型体の機械的強度を高めるのに重要である。その方法としては、押し出し造粒、撹拌混合造粒又は加圧成型が挙げられ、その方法により、形状は、ペレット状、ビーズ状、タブレット状等になるが、いずれも使用できる。この様な湿式成型後は、通常乾燥脱水する。また、成型時の無機バインダーとしては、シリカ系のバインダー、例えば、シリカゾルが好ましく、触媒性能、特に触媒の経時活性低下を抑制することができる。焼成は、空気雰囲気下、水蒸気雰囲気下のいずれで行っても良い。その条件は、結晶性アルミノシリケートの種類、アルミナに対するシリカのモル比、有機結晶化剤の種類、成型体の場合バインダーの種類等により異なるが、温度はいずれの場合も、500〜950℃の範囲であり、好ましい温度範囲は、550〜850℃である。焼成時間は、通常1時間以上、好ましくは3時間以上である。焼成温度が500℃未満であると、目的物であるトリエチレンジアミン類、ピペラジン類の選択率が著しく低下する。また、焼成温度が950℃よりも高いと、熱により結晶性アルミノシリケートの結晶性が低下し、比表面積が小さくなり、触媒としての活性が著しく低下する。550〜850℃の温度範囲で焼成することにより、触媒活性、触媒寿命の面でより優れた触媒とすることができる。
【0019】
本発明の方法においては、焼成後、結晶性アルミノシリケートを無機酸と接触させる。該操作が本発明の1つの大きな特徴である。接触処理は、焼成された結晶性アルミノシリケートを通常無機酸の水溶液と接触することにより達成されるが、その操作は、バッチ式(浸漬式)、カラム流通式、あるいはカラム循環式のいずれで行っても良い。バッチ式の場合は、その操作を繰り返し行っても良く、その場合効果が高まる。しかしながら操作面から、カラム流通式あるいはカラム循環式が好ましい。
【0020】
この処理温度、及び時間は、用いる結晶性アルミノシリケートの種類、焼成条件、無機酸の種類、無機酸の濃度等によって異なり一義的に決めることはできないが、通常20〜100℃の温度、好ましくは、50〜80℃の温度で、1〜100時間、好ましくは、3〜50時間接触させることで目的は達成される。
【0021】
本発明で用いることができる無機酸は、特に限定するものではないが、弗化水素、塩化水素、臭化水素、硫酸、硝酸、過塩素酸等が例示される。これらのうち、処理効果、入手のしやすさ、価格、取り扱い性の面から、塩化水素、硫酸、硝酸が好ましく、特に塩化水素が好ましい。
【0022】
用いる無機酸水溶液の濃度は、通常、0.01〜10mol/lである。0.01mol/l未満では、接触処理時間を長くしたり、無機酸水溶液量を多く必要とし、接触処理の効果も薄くなる。また、10mol/lより高いと、結晶性アルミノシリケートが侵され、その結晶性が低下し、触媒としての活性が低下する。非常に強い酸、例えば弗化水素の場合、より低濃度で用い、結晶性アルミノシリケートの溶解を抑える。
【0023】
無機酸水溶液の使用量は、特に限定するものではないが、少なすぎると処理効果は小さく、また多すぎても効果の向上はそれ程でもなく、無機酸費用がかさむことになる。通常は、結晶性アルミノシリケートに対して、1倍重量以上用いる。好ましくは、2〜20倍重量である。
【0024】
触媒の接触処理に使用した廃酸は、廃酸中の酸濃度が前述の範囲であれば、再使用可能であり、更に無機酸を追加し使用することもできる。
【0025】
無機酸による接触処理後、触媒を通常は水で洗浄し、そして乾燥する。引き続きイオン交換を行う場合は、特に乾燥操作は必要ない。無機酸との接触により、高性能触媒、即ちトリエチレンジアミン類、及びピペラジン類合成で、高収率と経時活性低下抑制(高寿命)が達成できる触媒となる。
【0026】
本発明で用いる結晶性アルミノシリケートは、H型に限定されず、水素イオンの一部もしくは全部が他の陽イオン、例えばリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ランタンイオン等で交換されたものでも一向に差支えなく、使用することができる。無機酸処理後、結晶性アルミノシリケートはH型であるが、これを前述の陽イオンで交換し、触媒として使用することができる。この時、アルカリ金属イオン、特に、ナトリウムイオン、カリウムイオンで交換した結晶性アルミノシリケートが、高収率、経時活性低下抑制の面で好ましく、そのアルカリ金属イオン交換率が30〜70%の時、最も好ましい。
【0027】
本発明の方法において、触媒の形状には特に制限はなく、反応形式に応じて粉末のまま、又は成型体として用いられる。例えば、懸濁床では粉末、又は顆粒状で用いられ、固定床ではタブレット状、ビーズ状、又はペレット状の成型体が用いられる。
【0028】
成型体は、前述の成型操作により得られる。この成型操作は、無機酸処理後に行っても良いが、触媒性能の向上、運転操作性の向上より、前述した様に、焼成操作前に行うのが好ましい。無機酸処理後に成型操作を行う場合、成型圧を高めて操作するのが好ましく、この操作により強度の高い成型体が得られる。またこのとき、成型体強度を高めるためにバインダーを用いてもよい。
【0029】
次に、本発明で用いる原料化合物としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N,N’−ビス(2−アミノエチル)ピペラジン、ピペラジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等が挙げられ、これらのいずれも使用できる。これらの中で、エチレンアミン類であるエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の鎖状エチレンアミン類、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、ピペラジン等の環状エチレンアミン類が好ましく、大量に安価に入手できるだけでなく、より収率高くトリエチレンジアミン類、ピペラジン類を製造することができる。更に好ましいエチレンアミン類としては、N−(2−アミノエチル)ピペラジンである。又、用いる該アミン化合物は、一種に限定されず、前記アミン類化合物より選ばれた二種以上の複数種混合状態で用いても良い。
【0030】
本発明の方法においては、反応は気相で行っても液相で行っても良い。反応形式は、回分、半回分、連続式いずれでも良く、また懸濁床(気相反応では流動床)、固定床流通式でも実施できるが、工業的には、固定床流通式が操作、装置、経済性の面から有利である。
【0031】
反応は、気相方式が操作性、収率面、触媒の安定性の面で有利であるが、その時のアミン化合物の希釈剤として窒素ガス、水素ガス、アンモニアガス、水蒸気、炭化水素等の不活性ガス、あるいは水や不活性な炭化水素等の不活性溶媒を用いて、原料であるアミン化合物を希釈し、これを原料として導入して、反応を進行させることができる。これらの希釈剤は任意の量で使用できるが、通常はアミン化合物/希釈剤のモル比は0.01〜1が好ましい。モル比が0.01よりも小さい場合、トリエチレンジアミン類、ピペラジン類の生産性が低くなる。また、モル比が1よりも大きくなると、トリエチレンジアミン類、ピペラジン類への選択性が幾分低下する。
【0032】
本発明では、アミン化合物を原料とし、これを前記結晶性アルミノシリケートから成る触媒と接触させ、トリエチレンジアミン類及びピペラジン類を製造するが、この時の反応温度、空間速度等の反応条件は結晶性アルミノシリケートの種類、アミン化合物の種類等により異なり、一義的に決められないが、通常は反応温度250〜450℃、空間速度(GHSV)100〜10000hr-1の範囲で好適に行うことができる。
【0033】
また、操作圧力は、大気圧下、加圧下、減圧下でいずれでも行うことができる。
【0034】
また、本発明の方法により調製された触媒は、従来触媒と比べ、極めて長い期間の反応により徐々に活性低下を招くが、触媒に付着した有機成分を焼成することにより、高活性の触媒として再生でき、繰り返し使用することができる。このことは、本質的に触媒は変質していないことを示し、本発明の大きな特徴でもある。尚、使用触媒を賦活するための焼成温度は、通常500℃以上が好ましい。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、産業上有用なトリエチレンジアミン類及びピペラジン類を効果的・効率的に製造することができる。以下、本発明の効果を列記する。
【0036】
(1)本発明では、多くのアミン化合物を原料とすることができる。したがって、その適用範囲は極めて広い。
【0037】
(2)多くのアミン化合物から、一段の触媒反応により、効率良くトリエチレンジアミン類及びピペラジン類を製造することができる。
【0038】
(3)本発明の触媒はトリエチレンジアミン類及びピペラジン類を高収率で得ることができ、又その触媒寿命も長く、工業触媒として有用に使用できる。更には、本触媒の調製法は工業的であり、大量に安価に安定して製造することができる。
【0039】
(4)本発明の触媒は、反応に供することにより、本質的劣化はなく、焼成操作で簡単に賦活させることができ、工業触媒として価値の高いものである。
【0040】
以上の様に、本発明は多くの、そして大きな特徴を有し、今まで切望されて来た要件を全て備えた、極めて有用なものである。
【0041】
【実施例】
以下、本発明を具体的に実施例にて説明するが本発明はこれら実施例にのみ特に限定されるものではない。
【0042】
触媒調製例1
粉末ZSM−5型ゼオライト(東ソ−(株)製860NHA、シリカ/アルミナモル比72)100重量部を、バインダーとしてシリカ33重量部を使用して押出し成型した(成型体(1))後、水蒸気雰囲気下750℃、4時間焼成し、H型ZSM−5(1)を得た。
【0043】
触媒調製例2
H型ZSM−5(1)100gをカラムに充填し、1mol/l塩酸1lを60℃で24時間、1l/Hrの速度で循環させた。その後、pHが中性になるまで、水洗し、0.5mol/l塩化ナトリウム水溶液1lを80℃で8時間、1l/Hrの速度で循環させ、Na交換を行った。その後、塩素イオンが検出されなくなるまで水洗し、カラムから抜き出し、120℃で16時間乾燥し、Na型ZSM−5(2)を得た。Na交換率は45%であった。
【0044】
触媒調製例3
1mol/l塩酸を0.5mol/l硫酸に代えた以外は、触媒調製例2と同様な操作を実施し、Na型ZSM−5(3)を得た。
【0045】
触媒調製例4
H型ZSM−5(1)を成型体(1)に代えた以外は、触媒調製例2と同様な操作を実施し、Na型ZSM−5(4)を得た。
【0046】
触媒調製例5
成型体(1)を空気雰囲気下400℃、4時間焼成し、引き続き、触媒調製例2と同様な操作を実施し、Na型ZSM−5(5)を得た。
【0047】
触媒調製例6
Na型ZSM−5(4)を水蒸気雰囲気下750℃、4時間焼成し、Na型ZSM−5(6)を得た。
【0048】
実施例1
固定床流通式反応管に、触媒調製例2で得られたNa型ZSM−5(2)を充填し、反応温度を355℃に保ち、N−(2−アミノエチル)ピペラジン(N−AEPと略す)と水との混合物(N−AEP/水(モル比)=5/95)をGHSV1000hr-1にて供給した。反応液をガスクロマトグラフィ−で分析した。反応初期では、N−AEPの転化率99.5%、トリエチレンジアミン(TEDAと略す)収率50.7wt%、ピペラジン(Pと略す)収率20.2wt%であり、収率の高いものであった。また、反応開始後30日目では、反応温度370℃で、N−AEPの転化率98.2%、TEDA収率47.7wt%、P収率20.8wt%であり、長期間高い活性を維持できた。
【0049】
実施例2
原料をトリエチレンテトラミン(TETAと略す)と水との混合物(TETA/水(モル比)=8/92)に変えた以外、実施例1と同様な操作で反応を実施した。反応初期では、反応温度360℃で、TETAの転化率100%、TEDA収率45.2wt%、P収率14.8wt%であった。途中昇温し、反応開始後20日目では、反応温度370℃、TETAの転化率100%、TEDA収率43.7wt%、P収率14.9wt%であり、高い活性を維持できた。
【0050】
実施例3
原料をN−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン(以下、HEPと略す)と水との混合物(HEP/水(モル比)=8/92)に変えた以外、実施例1と同様な操作で反応を実施した。反応温度340℃で、HEPの転化率98.6%、TEDA収率68.1wt%、P収率4.1wt%であり、よりマイルドな条件で高い反応活性を得た。また、この成績は長時間持続した。
【0051】
実施例4
Na型ZSM−5(2)をNa型ZSM−5(3)に代えた以外は実施例1と同様な操作を実施した。反応初期では、反応温度355℃で、N−AEPの転化率99.1%、TEDA収率49.8wt%、P収率20.5wt%であった。また、反応開始後32日目では、反応温度370℃で、N−AEPの転化率97.0%、TEDA収率46.3%、P収率21.0wt%であり、実施例1と同様に良好な反応成績が得られた。
【0052】
比較例1
触媒として、H型ZSM−5(1)を用い、実施例1と同様な操作で反応を実施した。反応初期では、反応温度355℃で、N−AEPの転化率100%、TEDA収率51.4wt%、P収率15.1wt%であった。しかしながら、反応開始後30日目では、反応温度370℃で、N−AEPの転化率76.7%、TEDA収率33.6wt%、P収率17.9wt%であり、急速に活性は低下した。
【0053】
比較例2
触媒として、Na型ZSM−5(4)を用い、実施例1と同様な操作で反応を実施した。反応初期では、反応温度380℃で、N−AEPの転化率97.9%、TEDA収率24.2wt%、P収率28.5wt%であった。また、反応開始後10日目では、反応温度400℃でも、N−AEPの転化率81.8%、TEDA収率19.7wt%、P収率30.6wt%であり、活性及び活性低下が大きかった。また、このテスト経時的に触媒層の圧力損失は増大していた。この原因は、テスト後の触媒層の調査から、成型体の崩壊と粉化であることが判明した。
【0054】
比較例3
触媒として、Na型ZSM−5(5)を用い、実施例1と同様な操作で反応を実施した。反応初期では、反応温度365℃で、N−AEPの転化率99.3%、TEDA収率38.1wt%、P収率16.8wt%であった。しかしながら、反応開始後10日目では、反応温度380℃でも、N−AEPの転化率82.1%、TEDA収率32.4wt%、P収率18.2wt%であり、急速に活性が低下した。
【0055】
比較例4
触媒として、Na型ZSM−5(6)を用い、実施例1と同様な操作で反応を実施した。反応初期では、反応温度355℃で、N−AEPの転化率99.3%、TEDA収率49.7wt%、P収率18.9wt%であった。しかしながら、反応開始後10日目では、反応温度380℃でも、N−AEPの転化率91.9%、TEDA収率39.9wt%、P収率19.4wt%であり、急速に活性が低下した。
【0056】
これらの結果を表1にまとめて示す。
【0057】
【表1】
Figure 0004769996

Claims (6)

  1. 500℃〜950℃の温度にて焼成し、次いで、無機酸で接触処理した後、アルカリ金属イオン交換率を30〜70%とした、アルミナに対するシリカのモル比が12以上の結晶性アルミノシリケートからなる触媒と、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンN−(2−アミノエチル)エタノールアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N,N’−ビス(2−アミノエチル)ピペラジン、ピペラジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンから選ばれるアミン化合物を接触させることを特徴とするトリエチレンジアミン及びピペラジンの製造方法。
  2. 結晶性アルミノシリケートが、ペンタシル型アルミノシリケートであることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 結晶性アルミノシリケートのアルミナに対するシリカのモル比が、40〜5000であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の製造方法。
  4. 無機酸が、塩化水素、臭化水素、硫酸、硝酸及び過塩素酸からなる群より選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 無機酸が、塩化水素であることを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
  6. アミン化合物が、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、ピペラジンより選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の製造方法。
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