JP4769925B2 - 異常型プリオン蛋白質の濃縮方法、および除去方法 - Google Patents
異常型プリオン蛋白質の濃縮方法、および除去方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4769925B2 JP4769925B2 JP2006071881A JP2006071881A JP4769925B2 JP 4769925 B2 JP4769925 B2 JP 4769925B2 JP 2006071881 A JP2006071881 A JP 2006071881A JP 2006071881 A JP2006071881 A JP 2006071881A JP 4769925 B2 JP4769925 B2 JP 4769925B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- prion protein
- oxide
- abnormal prion
- sample
- urine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Description
かかる問題点に鑑み本発明の目的は、異常型プリオン蛋白質を迅速、簡便かつ高効率に濃縮する方法を提供し、また迅速、簡便に生体試料から異常型プリオン蛋白質を除去する方法を提供することにある。
検体に酸化物が加え混合されたとき、検体中の異常型プリオン蛋白質は通常速やかに結合されるが、結合を充分完結させるために、室温で2分間以上、好ましくは5分間程度攪拌を続ける。攪拌時間はこれ以上長くなっても特別障害とはならない。次いで酸化物を分離するが、この分離は、遠心処理すると酸化物を円滑に沈殿するので好ましい。
〔評価に用いた検体〕
(細胞)
・スクレイピープリオンであるRML株がマウス神経芽細胞腫細胞(Neuro 2a)に持続感染したScN2a細胞(Sc)。
・スクレイピープリオンであるRML株がマウス神経芽細胞腫細胞(Neuro 2a #58)に持続感染したCh2細胞(Ch2)。
・ヒトプリオン病プリオンであるFukuoka−1株がマウス神経芽細胞腫細胞(Neuro 2a #58)に持続感染したF3細胞(F3)。
・スクレイピープリオンである22L株がマウス神経芽細胞腫細胞(Neuro 2a)に持続感染したN167細胞(N167)。
上記細胞のそれぞれを、細胞培養フラスコ(底面積25cm2)にて培養し、細胞密度がコンフルエントとなった時点で培養上清を除き、リン酸バッファー生理食塩水〔PBS、pH=6.5〕で細胞を洗浄した。洗浄液を十分に除き、リシス液〔lysis液:0.5%デオキシコール酸ナトリウム、0.5%NP−40(商品名、和光純薬工業(株)、オクチルフェニルエーテル)、残部PBS〕1mLを用いて細胞を溶解した。軽く遠心分離して高分子核酸を除いた後、細胞溶解液にトリチラキウム アルブム(Tritirachium album)由来のプロテイナーゼK(PK:proteinase K)を終濃度10μg/mLとなるように加え37℃で30分反応(蛋白質分解)させた後、フェニルメタンスルホニルフロライド(phenylmethan sulfonylfluoride:PMSF)を終濃度1mMとなるように加えて反応をとめた。
蛋白分解処理した細胞溶解液を0.5mLずつ2つに分け、一方は酸化物法で、他方はリンタングステン酸法でそれぞれ異常型プリオン蛋白質を濃縮した。
(酸化物法)
蛋白質分解処理した細胞溶解液0.5mLに、核酸分離用シリカとして市販されているFOG(Qbiogene社製)を滅菌水(オートクレーブ滅菌蒸留水)で1000倍希釈したシリカ懸濁液5μL〔固形分(シリカ)約1.5μg含有〕を加え、2〜3分間室温で混合した後、軽く遠心〔5,000×g、1分間〕してシリカを沈殿させ、上清を除いた。
この沈殿全量に対しSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)用バッファー〔1% SDS(ソディウムドデシルサルフェート)、0.05% ブロモフェノールブルー、4% グリセロール、1% 2−メルカプトエタノール、25mM トリス塩酸 pH6.8〕20μLを加えて懸濁し、95℃、5分間の熱変性後にイシカワ、ドウ−ウラ(Ishikawa, Doh−ura)らの方法〔イシカワ K.,ドウ−ウラ K.ら, ジャーナル オブ ジェネラル ヴァイロロジー(Journal of General Virology)2004年、 85巻、 1785−1790頁〕に準じ、15% トリス・グリシンSDS−PAGEゲルで電気泳動し、ウエスタンブロット法でプリオン蛋白質を検出した。ウエスタンブロット法においては、電気泳動した蛋白質をナイロンメンブラン(ミリポア社製、PVDFメンブレイン)にブロッティングし、プリオン蛋白質に対するマウスモノクローナル抗体(SPI−BIO 社製、SAF83 (5,000倍希釈))、及びアルカリフォスファターゼ・コンジュゲートヤギ抗マウス免疫グロブリン抗体(プロメガ社製(20,000倍希釈)、化学発光検出試薬(アマーシャム社製、CDP−Star detection reagent)を使用してプリオン蛋白質の検出を行った。
ワズワースらが報告している方法〔非特許文献2〕に基づき異常型プリオン蛋白質を沈殿させた。すなわち、プロテイナーゼKで蛋白質分解を行った後にPMSFを加え反応を止めたプリオン感染細胞溶解液500μLにA溶液(PBS中に4%サルコシルを含有)500μLを加えて撹拌し、37℃で30分間反応させた。その後、B溶液(4%リンタングステン酸水溶液pH7.4、170mM MgCl2を含有)81.3μLを加えて撹拌し、37℃で30分間反応させた。次に、室温で18,000×g、30分間遠心を行い、異常型プリオン蛋白質を沈殿させた。この沈殿について、上記と同様にしてバッファーを加えて懸濁し、SDS−PAGEで泳動し、ウエスタンブロット法でプリオン蛋白質を検出した。
結果を図1に示す。図中、Sc、F3、N167、Ch2はそれぞれの細胞であり、FOGは本発明の酸化物法によるもの、PTAはリンタングステン酸法によるものである。
なお、ウエスタンブロット法により得られたプリオン蛋白質に由来する全てのシグナルをスキャナー(エプソン(株)製、GT−8400U)でコンピューターに取り込んだ後に、Image J解析ソフト(http://rsb.info.nih.gov/ij/)を用いてレーン毎に検出されたプリオン蛋白質に由来する全てのバンドのシグナル強度を定量し、リンタングステン酸法に対する酸化物法によるプリオン蛋白質の濃縮効果(濃縮効率)を回収率(%)として算出しレーン毎に示した。この結果から、本発明の酸化物法は、従来法で最も異常型プリオン蛋白質濃縮効率が優れているとされるリンタングステン酸法と比較して、充分満足できる程度(83〜107%)に異常型プリオン蛋白質を濃縮できることがわかる。
〔評価に用いた検体、および評価方法〕
プリオン持続感染細胞F3を、2個の細胞培養フラスコ(底面積25cm2)にそれぞれで培養し、細胞密度がコンフルエントとなった時点で培養上清を除き、PBS(pH 6.5)で細胞を洗浄した。洗浄液を十分に除き、それぞれのフラスコの細胞を溶解液1mLに溶解し、遠心分離して高分子核酸を除いた後、2個のフラスコからの細胞溶解液を一つにまとめ混合し、実施例1の場合と同じようにプロテイナーゼKで蛋白質分解処理を行いPMSFで酵素処理を止め検体(A)とした。スクレイピープリオン持続感染細胞ScN2aを用い、上記プリオン持続感染細胞F3の場合と同様に培養、洗浄、細胞溶解、蛋白質分解処理等を行い検体(B)とした。これら蛋白質分解処理済の細胞溶解液をそれぞれ0.1mLずつキャップ付マイクロチューブに分けた。酸化チタン(IV)(和光純薬工業(株)製)、酸化ジルコニウム(IV)(和光純薬工業(株)製)、酸化タングステン(IV)(和光純薬工業(株)製)、酸化モリブデン(IV)(和光純薬工業(株)製)、二酸化ケイ素 (和光純薬工業(株)製)、酸化アルミニウム(アルミナ粉末、1〜5μm、和光純薬工業(株)製)、フロリジール(ケイ酸マグネシウム:75〜150μm、和光純薬工業(株)製)、合成ゼオライト(F−9:Na2O・Al2O3・2.5SiO2、粉末、75μm、和光純薬工業(株)製)、FOGのそれぞれを0.3mg/mLとなるように加えた懸濁液(粉末に滅菌蒸留水を加えてスラリー状にしたもの)を、各マイクロチューブ中の細胞溶解液にそれぞれ5μLを加えて2〜3分間室温で混合した後、軽く遠心〔5,000×g、1分間〕して沈殿物を得た。それぞれの沈殿物について、実施例1と同様にしてSDS−PAGEで泳動し、ウエスタンブロット法でプリオン蛋白質を検出した。
結果を図2A、Bに示す。なお、実施例1の場合と同様にプリオン蛋白質に由来するバンドのシグナル強度の測定結果から算出した回収率(%)をレーン毎に示した。酸化物である酸化チタン(A1)、酸化ジルコニウム(A2)、酸化タングステン(A3、B3)、酸化モリブデン(A4、B2)、二酸化ケイ素(A5)、酸化アルミニウム(B1)、シリカ塩であるフロリジール(B4)、複合酸化物である合成ゼオライト(B5)を用いた異常型プリオン蛋白質の濃縮効果(濃縮効率)は、FOG(A6、B6)を用いた場合とほぼ同程度であった。
〔評価に用いた検体、および評価方法〕
(1)プリオンが感染していないNeuro 2a細胞(N2a細胞)を用いた点と細胞溶解液を蛋白質分解処理せずにPMSFを加えた点以外は実施例1と同様にして調製したN2a細胞溶解液を検体とした。この検体中のプリオン蛋白質をシリカ(FOG)上に濃縮し、SDS−PAGEで泳動、ウエスタンブロット法でプリオン蛋白質を検出した(図3のレーン1)。熱変性条件、SDS−PAGE泳動条件、WB検出条件等については実施例1の場合と同様とした(以下(2)〜(4)についても同様の条件にて行った)。
(2)上記N2a細胞溶解液17μL(0.5mLの30分の1)を検体として用い、酸化物による濃縮操作を施すことなく直接5倍濃度のSDS−PAGE用バッファー4.2μLを加えたものを対照検体試料とした(図3のレーン2)。
(3)上記N2a細胞溶解液100μL(0.5mLの5分の1)を検体として用い、この検体に100%冷メタノール400μLを加え5分ほど混合した後、4℃で高速遠心(条件:18,000×g、10分間)で沈殿させた蛋白質沈殿物にSDS−PAGE用バッファー20μLを加えたものをアルコール沈殿法による比較例検体試料とした(図3のレーン3)。
(4)実施例1に述べたプリオン感染Neuro 2a細胞を蛋白質分解処理したScN2a細胞溶解液0.5mLから実施例1の場合と同様にして得た沈殿シリカにSDS−PAGE用バッファー20μLを加えたものを酸化物法による検体試料とした(図3のレーン4)。
結果を図3に示す。なお、実施例1の場合と同様にプリオン蛋白質に由来するバンドのシグナル強度の測定結果から算出した回収率(%)をレーン毎に示した。図中レーン1は異常型プリオン蛋白質が感染していない細胞を用いた場合における酸化物法による正常型プリオン蛋白質の濃縮(1)結果であり、レーン2における対照試料(30分の1相当量)以下の濃縮効率を示し、レーン3の(5分の1相当量を用いた)アルコール沈殿法による比較例検体試料と比較しても、酸化物法では正常型プリオン蛋白質をほとんど濃縮していないことがわかる。一方、酸化物法は異常型プリオン蛋白質を高効率で濃縮することから(レーン4)、異常型プリオン蛋白質を極めて選択的に濃縮可能であることが確認された。
〔評価に用いた検体、および評価方法〕
プリオン持続感染細胞ScN2aを、5個の細胞培養フラスコ(底面積25cm2)にそれぞれで培養し、細胞密度がコンフルエントとなった時点で培養上清を除き、PBS(pH 6.5)で細胞を洗浄した。洗浄液を十分に除き、それぞれのフラスコの細胞を溶解液1mLに溶解し、遠心分離して高分子核酸を除いた後、5個のフラスコからの細胞溶解液を一つにまとめ混合し、これから0.5mLずつ10本のキャップ付マイクロチューブに分け検体とした。このうち5本については実施例1の場合と同じようにプロテイナーゼKで蛋白質分解処理を行いPMSFで酵素処理を止め、他の5本は蛋白質分解処理を施さずにPMSFのみを添加して評価した。評価は、各マイクロチューブ中の細胞溶解液にFOG原液、FOG原液の104倍希釈品、103倍希釈品、102倍希釈品、10倍希釈品の5μLを加えて酸化物法の沈殿物を得た。それぞれの沈殿物について、実施例1と同様にしてSDS−PAGEで泳動し、ウエスタンブロット法でプリオン蛋白質を検出した。
結果を図4に示す。なお、実施例1の場合と同様にプリオン蛋白質に由来するバンドのシグナル強度の測定結果から算出した回収率(%)をレーン毎に示した。図中「PK+」はプロテイナーゼK(PK)で蛋白質分解処理を行ったもの、「PK−」は蛋白質分解処理を行っていないものである。それぞれのレーン1はFOG原液の104倍希釈品を用いた場合、レーン2はFOG原液の103倍希釈品を用いた場合、レーン3はFOG原液の102倍希釈品を用いた場合、レーン4はFOG原液の10倍希釈品を用いた場合、レーン5はFOG原液を用いた場合である。
この結果から、酸化物法では、蛋白質分解処理を行うと極めて少量のシリカ添加で濃縮が出来たが、蛋白質分解処理を行わない場合には蛋白質分解処理を加えた場合より多く添加する必要があることがわかる。
〔評価に用いた検体試料〕
・実施例1における蛋白質分解処理したF3細胞溶解液50μLに、健常成人の尿450μLを加え検体試料とした。
・実施例1における蛋白質分解処理したF3細胞溶解液50μLに、PBS450μLを加え検体試料とした。
各検体試料に、FOG原液を滅菌水で1000倍希釈したもの5μLを加え、3分間室温で混合した後、軽く遠心分離してシリカを沈殿させ、上清を除いた。このシリカ沈殿にSDS−PAGE用バッファーを加えて懸濁し、熱変性後にSDS−PAGEで泳動し、ウエスタンブロット法でプリオン蛋白質を検出した。
結果を図5に示す。なお、実施例1の場合と同様にプリオン蛋白質に由来するバンドのシグナル強度の測定結果から算出した回収率(%)をレーン毎に示した。図5において、レーン1はヒトの尿を用いた場合、レーン2はPBS溶液を用いた場合である。
この結果から、異常型プリオン蛋白質は尿を加えた場合、尿を加えない(PBS使用)場合に比べて1.4倍濃縮されていることがわかる。
・実施例1における蛋白質分解処理をしたF3細胞溶解液100μLに尿400μLを加え検体試料とした。
・実施例1における蛋白質分解処理をしたF3細胞溶解液100μLにリシス液400μLを加え検体試料とした。
・蛋白質分解しなかった以外は実施例1と同様に調製したF3細胞溶解液100μLに尿400μLを加え検体試料とした。
・蛋白質分解しなかった以外は実施例1と同様に調製したF3細胞溶解液100μLにリシス液400μLを加え検体試料(比較例)とした。
・未感染のNeuro 2a細胞を用い蛋白質分解しなかった以外は実施例1と同様にして調製した溶解液100μLに尿400μLを加え検体試料(比較例)とした。
・未感染のNeuro 2a細胞を用い蛋白質分解しなかった以外は実施例1と同様にして調製した溶解液100μLにリシス液400μLを加え検体試料(比較例)とした。
各検体試料にFOG原液を滅菌水で1000倍希釈したもの5μLを加え、実施例1と同様にしてSDS−PAGEで泳動し、ウエスタンブロット法でプリオン蛋白質を検出した。
結果を図6に示す。なお、実施例1の場合と同様にプリオン蛋白質に由来するバンドのシグナル強度の測定結果から算出した回収率(%)をレーン毎に示した。図中、レーン1は蛋白質分解処理をしたF3細胞溶解液に尿を加えた検体試料、レーン2は比較例であり、蛋白質分解処理をしたF3細胞溶解液にリシス液を加えた検体試料、レーン3は未処理のF3細胞溶解液に尿を加えた検体試料、レーン4は比較例であり、未処理のF3細胞溶解液にリシス液を加えた検体試料、レーン5は未感染のNeuro 2a細胞溶解液に尿を加えた検体試料、レーン6は比較例であり、未感染のNeuro 2a細胞溶解液100μLにリシス液を加えた検体試料である。
この結果から、検体中に尿を添加することにより、プリオン蛋白質の効率的な濃縮が蛋白分解処理をしていない異常型プリオン蛋白質だけではなく、正常型プリオン蛋白質でもみられることが明らかとなった。
〔評価に用いた検体試料〕
・実施例1における蛋白質分解処理をしたF3細胞溶解液100μLに、PBS400μLを加え検体試料とした。
・実施例1における蛋白質分解処理をしたF3細胞溶解液100μLに、蒸留水400μLを加え検体試料とした。
・実施例1における蛋白質分解処理をしたF3細胞溶解液100μLに、リシス液400μLを加え検体試料とした。
・実施例1における蛋白質分解処理をしたF3細胞溶解液100μLに、尿400μLを加え検体試料とした。
各検体試料にFOG原液を滅菌水で1000倍希釈したもの5μLを加え、実施例1と同様にしてSDS−PAGEで泳動し、ウエスタンブロット法でプリオン蛋白質を検出した。
なお、同一プール検体より分注し同様な処理をしたものを、リンタングステン酸法で並行して解析した。
結果を図7に示す。なお、実施例1の場合と同様にプリオン蛋白質に由来するバンドのシグナル強度の測定結果から算出した回収率(%)をレーン毎に示した。図中レーン1は、蛋白質分解処理をしたF3細胞溶解液に、PBSを加えた検体試料、レーン2は蒸留水を加えた検体試料、レーン3はリシス液を加えた検体試料、レーン4は尿を加えた検体試料である。この結果から、尿添加の効果は溶解液組成化合物の濃度変化によるものではないことが判明した。さらに、尿添加を行った場合には、酸化物法による異常型プリオン蛋白質濃縮効率はリンタングステン酸法を上回っていた。
〔評価に用いた検体試料〕
・実施例1における蛋白質分解処理したF3細胞溶解液100μLに、尿単独、尿とリシス液の1:3、1:1、3:1(容量比)混合液、リシス液単独のそれぞれ400μLを加え検体試料とした。
・蛋白質分解処理しない以外は実施例1と同様に調製したF3細胞溶解液100μLに、尿単独、尿とリシス液の混合液〔1:3、1:1、3:1(容量比)〕、リシス液単独のそれぞれ400μLを加え検体試料とした。
各検体試料500μLにFOG原液を滅菌水で1000倍希釈したもの5μLを加え、実施例1と同様にしてSDS−PAGEで泳動し、ウエスタンブロット法でプリオン蛋白質を検出した。なお、蛋白質分解処理を加えた検体試料群(A)では免疫反応シグナルを検出する時間(化学発光シグナルをX線フィルムに露出する時間)を1分間とし、蛋白質分解処理を行わない検体試料群(B)については10分間の検出時間とした。
結果を図8に示す。なお、実施例1の場合と同様にプリオン蛋白質に由来するバンドのシグナル強度の測定結果から算出した回収率(%)をレーン毎に示した。図中、Aは蛋白質分解処理した異常型プリオン蛋白質含有検体試料、Bは蛋白質分解処理していない異常型プリオン蛋白質及び正常型プリオン蛋白質含有検体試料であり、レーン1はF3細胞溶解液にリシス液単独を加えた検体試料、レーン2は尿とリシス液1:3(容量比)の混合液、レーン3は尿とリシス液1:1(容量比)の混合液、レーン4は尿とリシス液3:1(容量比)の混合液、レーン5は尿単独を加えた検体試料である。
蛋白質分解処理をした異常型プリオン蛋白質では、検体試料中の尿が40容量%(レーン3)以上では尿の添加効果が顕著となり、それ以上の尿添加では効果がほぼ飽和しているようにみえる。一方、図8Bに示すように蛋白質分解処理をしていないプリオン蛋白質(異常型以外にも正常型を含む)では無添加に比べ、尿を20容量%含むと効率が上がっていたが、20〜60容量%で効率は変わらず、80容量%添加で大きく効率は上がった。
前記(実施例6−3)と同一プールから分注した検体を用いて、前記(実施例6−2)の方法による酸化物法、およびリンタングステン酸法で解析した。
結果を図9に示す。なお、実施例1の場合と同様にプリオン蛋白質に由来するバンドのシグナル強度の測定結果から算出した回収率(%)をレーン毎に示した。図中、FOGは酸化物法、PTAはリンタングステン酸法によるものであり、レーン1はF3細胞溶解液にリシス液単独を加えた検体試料、レーン2は尿とリシス液1:3(容量比)の混合液、レーン3は尿とリシス液1:1(容量比)の混合液、レーン4は尿とリシス液3:1(容量比)の混合液、レーン5は尿単独を加えた検体試料である。
〔評価に用いた検体試料、および評価方法〕
実施例1における蛋白質分解処理したF3細胞溶解液100μLに尿素を含まないリシス液、あるいは尿素1、2、3、4、5%(重量)含むリシス液400μLを加えた検体試料を用いて、前記(実施例6−3)の方法による酸化物法で解析した。また、実施例1における蛋白質分解処理したF3細胞溶解液100μLにアンモニアを含まないリシス液、あるいはアンモニア0.25、0.5、1、1.5、2%(重量)含むリシス液400μLを加えた検体試料を用いて、前記(実施例6−3)の方法による酸化物法で解析した。
〔結果〕
酸化物法による異常型プリオン蛋白質の濃縮において、尿素添加やアンモニア添加では濃縮効率の改善は見られなかった。
〔評価に用いた検体試料、および評価方法〕
実施例1における蛋白質分解処理したScN2a細胞溶解液0.5mLにPBSを加えて容量を1mLとした検体試料、および蛋白質分解処理したScN2a細胞溶解液0.5mLに、核酸抽出用キット(Qbiogene社製)に添付されている高塩濃度溶液であるHigh Salt Binding Solutionの125、250、375、500μLをそれぞれ加え、さらにPBSを加えて容量を1mLとした検体試料のそれぞれについて、FOG原液を1000倍希釈したもの5μLを加えて異常型プリオン蛋白質を沈殿させ、実施例1と同様にしてSDS−PAGEで泳動し、ウエスタンブロット法でプリオン蛋白質を検出した。
結果を図10に示す。なお、実施例1の場合と同様にプリオン蛋白質に由来するバンドのシグナル強度の測定結果から算出した回収率(%)をレーン毎に示した。酸化物法による異常型プリオン蛋白質の濃縮は検体試料中の塩濃度がPBS中の塩化ナトリウムに由来する150mMより高くなるにしたがって濃縮効率が低下した。
〔評価に用いた検体試料、および評価方法〕
実施例1における蛋白質分解処理したF3細胞溶解液0.5mLあるいは0.25mLに、FOG原液を滅菌水で5(n−1)×1000倍希釈(n=1〜6)したものをそれぞれ5μLあるいは2.5μLを加え、3分間室温で混合した後、軽遠心してシリカを沈殿させ、上清を除いた。このシリカ沈殿にSDS−PAGE用バッファーを加えて懸濁し、熱変性後にSDS−PAGEで泳動し、ウエスタンブロット法でプリオン蛋白質を検出した。
結果を図11に示す。なお、実施例1の場合と同様にプリオン蛋白質に由来するバンドのシグナル強度の測定結果から算出した回収率(%)をレーン毎に示した。図中のレーンの数字は、5(n−1)×1000倍希釈(n=1〜6)のnと一致している。この結果から、検体100μLあたりFOG原液を54×1000倍希釈したシリカ溶液1μL量までほぼ同程度に異常型プリオン蛋白質を濃縮できた。54×1000倍希釈したシリカ溶液1μLに含まれるシリカ量はおよそ0.5ngである。
〔評価に用いた酸化物〕
FOGとプラスミドDNA回収用シリカであるQIAEX(Qiagen社製)をそれぞれ用い、細胞溶解液とシリカとの混合反応を4℃、20℃、37℃で5分間行い、比較した。
〔評価に用いた検体、およびその処理〕
・実施例1における蛋白質分解処理したScN2a細胞溶解液を検体とした。
・プリオンが感染していないNeuro 2a細胞を用い、蛋白質分解処理しないこと以外は実施例1と同様にして調製したN2a細胞溶解液を検体とした。
検体としての各細胞溶解液0.5mLにFOG原液を滅菌水で1000倍希釈したもの5μLを加えて混合し、軽遠心〔5,000×g、1分間〕して分離した沈殿に、0〜1.5MのNaCl溶液0.5mLを加え懸濁させ軽遠心〔5,000×g、1分間〕して上清を除く処理を3回繰り返した。このような洗浄処理を施さない無処置沈殿、及び各洗浄処理を施し最終的に得られた沈殿について、SDS−PAGEバッファーを加えて、95℃、5分間の熱変性後にSDS−PAGEで泳動し、ウエスタンブロット法でプリオン蛋白質を検出した。
結果を図13に示す。なお、実施例1の場合と同様にプリオン蛋白質に由来するバンドのシグナル強度の測定結果から算出した回収率(%)をレーン毎に示した。図中、正常型プリオン蛋白質は、蛋白質分解処理していないN2a細胞溶解液より回収されたものであり、異常型プリオン蛋白質は蛋白分解処理したScN2a細胞溶解液より回収されたものである。0.15Mを超える塩濃度での洗浄では、異常型プリオン蛋白質は酸化物から遊離することがわかった。また抗プリオン蛋白質抗体SAF83で認識された正常型プリオン蛋白質を含むシグナルからは0.075M以外の塩濃度での洗浄では酸化物から遊離したことを示す。
〔評価に用いた検体試料、およびその処理〕
実施例1における蛋白質分解処理したScN2a細胞溶解液0.5mLにFOGを混合して得た沈殿物に、pH2(0.05M グリシンバッファー)、pH3(0.05M グリシンバッファー)、pH4(0.05M クエン酸バッファー)、pH5(0.05M クエン酸バッファー)、pH6(0.05M 2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)バッファー)、pH7(0.05M 燐酸バッファー)、pH8(0.05M トリスバッファー)、pH9(0.05M トリスバッファー)、pH10(0.05M N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸(CAPS)バッファー)、pH11(0.05M CAPSバッファー)、pH12(0.05M CAPSバッファー)の各種バッファー溶液0.5mLを加え懸濁したのち軽遠心〔5,000×g、1分間〕して上清を除く処理を3回繰り返した。このような洗浄処理を施さない無処置沈殿、及び各洗浄処理を施し最終的に得られた沈殿にSDS−PAGEバッファーを加えて、95℃、5分間の熱変性後にSDS−PAGEで泳動し、ウエスタンブロット法でプリオン蛋白質を検出した。
結果を図14のAおよびBに示す。なお図14Bには、実施例1の場合と同様にプリオン蛋白質に由来するバンドのシグナル強度の測定結果から算出した回収率(%)をレーン毎に示した。この結果から、調べたpHバッファー溶液の中ではpH6〜10以外の溶液での洗浄では異常型プリオン蛋白質は酸化物から遊離することがわかった。
実施例1と同様にしてSDS−PAGEで泳動し、ウエスタンブロット法でプリオン蛋白質を検出した。
実施例1における蛋白質分解処理したF3細胞溶解液0.1mLに、PBSと尿を混合して全体の容量を0.3〜1.2mLまで0.1mLずつ増加させた検体試料を調整した。なお、加える尿量は全体の容量あたり40%になるようにした。また、蛋白質分解処理したF3細胞溶解液0.1mLに尿を加えずPBSのみを0.4mL加えたものを参考として調整した。これらの検体試料にFOG原液を滅菌水で1000倍希釈したものを5μL混合して沈殿させたシリカ沈殿物に、実施例1と同様にしてSDS−PAGE用バッファーを加えて、95℃、5分間の熱変性後にSDS−PAGEで泳動し、ウエスタンブロット法でプリオン蛋白質を検出した。
結果を図15に示す。なお、実施例1の場合と同様にプリオン蛋白質に由来するバンドのシグナル強度の測定結果から算出した回収率(%)をレーン毎に示した。図中、レーン1〜10はそれぞれ容量が0.3〜1.2mLの検体試料から異常型プリオン蛋白質を濃縮したものである。レーン11は参考のため尿を加えていない検体試料より異常型プリオン蛋白質を濃縮したものである。例えば、レーン1とレーン10を比較すると明らかなように、検体試料容量が4倍に増加し異常型プリオン蛋白質濃度が4分の1に低下しても、酸化物法により濃縮される異常型プリオン蛋白質量に変化は見られなかった。
この結果は、酸化物法では検体試料の容量に関係なく、検体中の異常型プリオン蛋白質を高効率に濃縮できることを示している。
実施例1と同様にしてSDS−PAGEで泳動し、ウエスタンブロット法でプリオン蛋白質を検出した。
結果を図16に示す。なお、実施例1の場合と同様にプリオン蛋白質に由来するバンドのシグナル強度の測定結果から算出した回収率(%)をレーン毎に示した。図中、「urea」は沈殿物から8M尿素液処理で溶出した異常型プリオン蛋白質、「Gdn」は沈殿物から6Mグアニジンチオシアン酸溶液処理で溶出した異常型プリオン蛋白質、「Cont」は尿素液やグアニジンチオシアン酸溶液で未処理の沈殿物に含まれている異常型プリオン蛋白質である。
この結果から、8M尿素液での処理では、酸化物の沈殿物より異常型プリオン蛋白質を「Cont」の場合に対して100%以上遊離回収することが出来た。したがって、酸化物法で濃縮した異常型プリオン蛋白質は尿素処理により簡単に溶液状態で遊離回収でき、様々な検査法に利用することが出来る。
Claims (7)
- 体液及び/又は生体組織破壊物を含む液体状の検体をpH5.5〜10.5に調整し、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、モリブデン、タングステンから選ばれる元素の酸化物、前記元素の二種以上よりなる複合酸化物、前記元素の一種以上と前記元素以外の一種以上の金属元素とよりなる複合酸化物、およびこれらの二種以上の組合わせ、から選ばれる酸化物を加え混合した後、前記酸化物が沈殿されて得られた沈殿物上に濃縮させる異常型プリオン蛋白質の濃縮方法であって、
前記検体に、異常型プリオン蛋白質を含まない尿を、尿の混合割合が20〜90%(容量)となるように加えることを特徴とする異常型プリオン蛋白質の濃縮方法。 - 前記検体は、脳脊髄液、尿、血液から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の異常型プリオン蛋白質の濃縮方法。
- 前記検体は、前記pH範囲に調整される前に蛋白質分解されることを特徴とする請求項1又は2に記載の異常型プリオン蛋白質の濃縮方法。
- 前記酸化物は、前記検体1mLに対し0.5ng〜1000mgであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の異常型プリオン蛋白質の濃縮方法。
- 前記沈殿物は、前記酸化物が加え混合された後、遠心処理により分離されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の異常型プリオン蛋白質の濃縮方法。
- 体液及び/又は生体組織破壊物を含む液体状の検体を、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の異常型プリオン蛋白質の濃縮方法により得られた前記沈殿物が分離除去されることを特徴とする異常型プリオン蛋白質の除去方法。
- 前記酸化物はカラムに充填され、前記カラムの上から前記検体を含む溶液を流すことを特徴とする請求項6に記載の異常型プリオン蛋白質の除去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006071881A JP4769925B2 (ja) | 2006-03-15 | 2006-03-15 | 異常型プリオン蛋白質の濃縮方法、および除去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006071881A JP4769925B2 (ja) | 2006-03-15 | 2006-03-15 | 異常型プリオン蛋白質の濃縮方法、および除去方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007248256A JP2007248256A (ja) | 2007-09-27 |
JP4769925B2 true JP4769925B2 (ja) | 2011-09-07 |
Family
ID=38592727
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006071881A Active JP4769925B2 (ja) | 2006-03-15 | 2006-03-15 | 異常型プリオン蛋白質の濃縮方法、および除去方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4769925B2 (ja) |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6166187A (en) * | 1999-03-05 | 2000-12-26 | The Regents Of The University Of California | Method of concentrating prion proteins in blood samples |
JP3568198B2 (ja) * | 2001-10-15 | 2004-09-22 | 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構 | 異常プリオンタンパク質の検出方法 |
US20040072236A1 (en) * | 2002-09-27 | 2004-04-15 | Neil Cashman | PrPSc -interacting molecules and uses thereof |
JP2005061833A (ja) * | 2003-08-08 | 2005-03-10 | Canon Chemicals Inc | 異常プリオンたんぱく質の検査装置 |
US20050054003A1 (en) * | 2003-09-10 | 2005-03-10 | Stenland Christopher J. | Prion clearance using particulate metal oxides |
JP2005300431A (ja) * | 2004-04-14 | 2005-10-27 | Ns Tekku:Kk | プリオン蛋白の分離・濃縮・試料調製方法 |
-
2006
- 2006-03-15 JP JP2006071881A patent/JP4769925B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007248256A (ja) | 2007-09-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Vaswani et al. | A method for the isolation and enrichment of purified bovine milk exosomes | |
AU761319B2 (en) | Method and kit for extracting prion protein | |
RU2698392C2 (ru) | Способ очистки фактора свертывания крови viii | |
JP2003530541A (ja) | 生物学的試料における非通常伝達因子株によって引起こされる亜急性伝達性海綿状脳症の診断方法 | |
JP2002538468A (ja) | プリオンおよびPrPScの単離のために調製された血液血清試料 | |
KR101239818B1 (ko) | 심층 여과를 이용한 생물학적 유체로부터 이상 프리온단백질의 포획, 농축 및 정량 | |
JP4769925B2 (ja) | 異常型プリオン蛋白質の濃縮方法、および除去方法 | |
JP2005531775A (ja) | 病理学的に変化したプリオンタンパク質(PrPSc)の濃縮方法および検出方法 | |
JP4246777B1 (ja) | 異常型プリオン蛋白質結合剤および異常型プリオン蛋白質の検出方法 | |
US20060188929A1 (en) | Method capable of being automated for detection of prpres and uses thereof | |
JP3931625B2 (ja) | 異常型プリオン免疫測定用試薬を用いた異常型プリオンの免疫測定方法 | |
JP2009513589A (ja) | プリオンタンパク質の濃縮、精製、及び除去するための方法 | |
JP2008534687A (ja) | タンパク性物質からタンパク質を単離するための高分離方法及び沈殿試薬 | |
JP2007139759A (ja) | タンパク質分画デバイスおよびタンパク質の分画・濃縮方法 | |
JP6604081B2 (ja) | N型糖鎖が付加している膵臓リボヌクレアーゼ1の測定方法 | |
JP6014851B2 (ja) | ローヤルゼリーの品質評価方法 | |
JP2008292242A (ja) | 豚浮腫病のスクリーニング方法 | |
RU2671641C1 (ru) | Способ оценки риска хронических аутоиммунных воспалительных процессов | |
JP2016141648A (ja) | タンパク質分離方法、タンパク質分析方法、及びタンパク質分離キット | |
Lee et al. | Extracellular Vesicles in Lung Health, Disease, and Therapy: Low concentration of polyethylene glycol facilitates separation of extracellular vesicles from bronchoalveolar lavage fluid | |
WO2013056841A1 (en) | A method for diagnosing tse | |
Cherny et al. | 8 ISOLATING COMPONENTS OF HUMAN | |
JP2005300431A (ja) | プリオン蛋白の分離・濃縮・試料調製方法 | |
WO2003096023A1 (en) | Sarcosyl buffer and its use for the purification of prion protein | |
BG64291B1 (bg) | М...'од и ки' за ...к''рахиран... на прион про'...ин |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090129 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110112 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110118 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110322 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110517 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |