JP4765594B2 - 燃料電池 - Google Patents
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Description
冷媒(冷却液)マニホールド7の周りは、冷媒マニホールド7からセル面内の冷媒流路4に冷媒を導入、または冷媒流路4から冷媒マニホールド7に冷媒を排出するため、冷媒マニホールド7と冷媒流路4の間の冷媒連通路8のガスケット6は切れていて存在しない。このため、接着剤シール部のうち、セパレータ2を介した反対面にガスケット6がある部分(図5のB部)では、複数の単セルを積層して所定荷重を印加して締結した際にガスケット6による反力がかかるが、セパレータ2を介した反対側面にガスケット6が無い部分(図5のC部)では、ガスケット6による反力(荷重伝達)がかからないため、C部でガス圧を接着剤5のみで受けることになり、セパレータ2が変形しやすいもの(たとえば、カーボンセパレータや0.1mm程度のメタルセパレータ)であると、ガス圧によるセパレータ2の変形によって接着剤5とセパレータ2とが剥離することによりリークが生じるおそれがある。
特開2002−124275号公報は、メタルセパレータの表裏に接着剤と冷媒シールをセル積層方向に重なるように設けた燃料電池を開示している。
冷媒の流れを確保するため、冷媒マニホールドとセル面内冷媒流路との間の冷媒連通路に、冷媒シールは設けられていない。したがって、接着剤シール部のうち、セパレータを介した反対面に冷媒連通路がある部分では、冷媒シールによる反力がかからないため、接着剤のみでガス圧を受けることになる。したがって、接着剤シール部のうち冷媒シールの反力がかからない部分のシール安定性は低いままである。
(1) セルモジュールの膜−電極アッセンブリを挟む2つのセパレータ間が第1のシール材によってシールされ、隣接する前記セルモジュール同士の間が第2のシール材によってシールされる燃料電池であって、
前記セパレータの前記第1のシール材との接触部分が、該セパレータの裏側に前記第2のシール材が存在する第1の部分と、該セパレータの裏側に前記第2のシール材が存在しない第2の部分とを有しており、
前記セパレータの前記第2の部分と前記第1のシール材との接着強度を、前記セパレータの前記第1の部分と前記第1のシール材との接着強度より大とした、燃料電池。
(2) 前記第2の部分の接着強度の変更は、前記シール材が接着される前記燃料電池構成材の表面に前記第1の部分と異なる表面処理を施すことによって行われる(1)記載の燃料電池。
(3) 前記表面処理は粗面化処理である(2)記載の燃料電池。
(4) 前記燃料電池構成材の前記第2の部分に対応する金型部分を局部的に粗くしておき成形時に前記金型部分の粗面を前記第2の部分に転写して該第2の部分を粗面化する(3)記載の燃料電池。
(5) 前記表面処理はプラズマ処理である(2)記載の燃料電池。
上記(3)の燃料電池では、粗面化処理を施すことでシール材との接着面積が増加する。そのため、シール材との接着強度を大にすることができる。
本発明実施例の燃料電池は、たとえば固体高分子電解質型燃料電池10である。燃料電池10は、たとえば、燃料電池自動車に搭載される。ただし、自動車以外に用いられてもよい。
アノード側:H2 →2H+ +2e-
カソード側:2H+ +2e- +(1/2)O2 →H2O
各セルモジュール19のMEAを挟む2つのセパレータ18間は、図2に示すように、第1のシール材(接着剤)33によってシールされている。以下、燃料電池構成材の第1のシール材33との接触部分(第1のシール材33によってシールされている部分)を接着剤シール部42という。第1のシール材33は、アノード側メタルセパレータ18aとアノード側樹脂フレーム34aとの間と、アノード側樹脂フレーム34aとカソード側樹脂フレーム34bとの間と、カソード側樹脂フレーム34bとカソード側メタルセパレータ18bとの間とに設けられる。
隣接するセルモジュール19同士の間は、第2のシール材(ガスケット)32によってシールされている。
燃料電池構成材の表面2面のそれぞれに配置された第1、第2のシール材32、33は、積層方向に沿って実質的に正反対の位置に配置される。
燃料電池スタック23にかけられるセル積層方向の締結荷重により、第1、第2のシール材32、33にセル積層方向のシール荷重がかかる。
粗面化処理は、サンドブラスト、ショットブラスト、等にて行われる。また、粗面化処理は、樹脂フレーム34が型成形品である場合には、樹脂フレーム34の第2の部分42bに対応する金型部分を局部的に粗くしておき成形時に金型部分の粗面を樹脂フレーム34の第2の部分42bに転写して該第2の部分42bを粗面化することにより、行われていてもよい。
本発明実施例では、燃料電池構成材の接着剤シール部42の表面に、第2のシール材32の反力がかからない第2の部分42bに限定して、第1のシール材33との接着強度を、第2のシール材32の反力がかかる第1の部分42aの第1のシール材33との接着強度よりも上げる表面処理を施したので、表面処理を施していない場合に比べて、第2の部分42bのシール安定性を高めることができる。
また、第2の部分42bに限定して表面処理を施すので、第1、第2の部分42a、42bの全て、または、メタルセパレータ18、樹脂フレーム34の全面に表面処理を施す場合に比べて、低コストである。
11 電解質膜
14 電極(アノード、燃料極)
17 電極(カソード、空気極)
18 セパレータ
19 セルモジュール
20 ターミナル
21 インシュレータ
22 エンドプレート
23 燃料電池スタック
24 締結部材(テンションプレート)
25 ボルト
26 冷媒流路
27 燃料ガス流路
28 酸化ガス流路
29 冷媒マニホールド
30 燃料ガスマニホールド
31 酸化ガスマニホールド
32 第2のシール材(ガスケット)
33 第1のシール材(接着剤)
34、34a、34b 樹脂フレーム
41 冷媒連通路
42 接着剤シール部
42a 接着剤シール部の第1の部分
42b 接着剤シール部の第2の部分
Claims (5)
- セルモジュールの膜−電極アッセンブリを挟む2つのセパレータ間が第1のシール材によってシールされ、隣接する前記セルモジュール同士の間が第2のシール材によってシールされる燃料電池であって、
前記セパレータの前記第1のシール材との接触部分が、該セパレータの裏側に前記第2のシール材が存在する第1の部分と、該セパレータの裏側に前記第2のシール材が存在しない第2の部分とを有しており、
前記セパレータの前記第2の部分と前記第1のシール材との接着強度を、前記セパレータの前記第1の部分と前記第1のシール材との接着強度より大とした、燃料電池。 - 前記第2の部分の接着強度の変更は、前記シール材が接着される前記燃料電池構成材の表面に前記第1の部分と異なる表面処理を施すことによって行われる請求項1記載の燃料電池。
- 前記表面処理は粗面化処理である請求項2記載の燃料電池。
- 前記燃料電池構成材の前記第2の部分に対応する金型部分を局部的に粗くしておき成形時に前記金型部分の粗面を前記第2の部分に転写して該第2の部分を粗面化する請求項3記載の燃料電池。
- 前記表面処理はプラズマ処理である請求項2記載の燃料電池。
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