JP4763901B2 - 染毛方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化染毛剤を使った染毛方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、毛髪脱色剤で毛髪を処理し、次いで酸化染毛剤で処理する染毛方法が知られている。酸化染毛剤は、無色の低分子の酸化染料中間体を毛髪中に浸透させて毛髪の中で酸化重合を行なわせることにより色素を生成させ染着させるものである。この酸化染毛剤は要望に応じた種々の色調に毛髪を染色することができ、しかも、その染毛力も優れているので非常に便利なものであり、広く利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、ヘアスタイルの多様化により、染毛剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ用剤、ヘアストレートナー等による毛髪の化学処理が広く行われている。こうした化学処理を受けた毛髪では、損傷の程度や明るさの程度が髪の根元と毛先とで異なる。
【0004】
このような毛髪を酸化染毛剤で処理した場合、損傷の程度や明るさの程度が大きい部位(一般に毛先)が強く鮮やかな色合いに染まり、損傷の程度や明るさの程度が小さい部位(一般に根元)が沈んだ感じの鮮やかさのない、くすんだ色合いに染まるため、染毛ムラが生じやすい。これは、酸化染毛剤で処理する前に前もって毛髪脱色剤で処理することによって、毛先から根元にかけて脱色した場合でも同様であり、ペールな色調(ややくすみのある淡い色調)に染色する場合にその傾向は特に顕著である。
【0005】
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、酸化染毛剤を使ってペールな色調に毛髪を染色するにおいて、毛髪の損傷の程度や明るさの程度の差、すなわち化学処理履歴の差に起因して染毛ムラが発生するのを抑制することができる染毛方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、毛髪を脱色処理し、次いで酸化染毛剤で処理し、ペールな色調に染毛する染毛方法であって、アルカリ剤としてメタケイ酸ナトリウム10〜15重量%、及び酸化助剤として過硫酸塩を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤からなる脱色剤で脱色処理された後の前記毛髪のL*a*b*表色系におけるa*値(色度)が9〜12、b*値(色度)が26〜35、L*値(明度)が40〜65であるとともに、酸化染料中間体としてパラフェニレンジアミンを含有し、0.1N塩酸標準溶液の消費量で規定されるアルカリ度が1.0〜2.4ml/gである前記酸化染毛剤でヤギ毛を処理したとき、処理後のヤギ毛のL*C*h表色系におけるC*値(彩度)が5〜25、L*値(明度)が40〜60であることを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の染毛方法において、前記酸化染毛剤が0.3〜1.5重量%の過酸化水素を含有することを要旨とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態について説明する。
本実施形態の染毛方法においては、まず、毛髪脱色剤を使ってL*a*b*表色系におけるa*値(色度)が9〜12、b*値(色度)が26〜35、L*値(明度)が40〜65となるように毛髪を脱色する。次いで、脱色された毛髪を、L*C*h表色系におけるC*値(彩度)が5〜25、L*値(明度)が40〜60となるようにヤギ毛を染色する酸化染毛剤で処理して染色する。尚、前記酸化染毛剤で処理された後のヤギ毛のL*C*h表色系におけるh値(色相角度)は限定されない。
【0010】
脱色された後の毛髪の色合いが上記の範囲外であると、酸化染毛剤の色味が明確に出過ぎてしまって損傷や明るさの程度の差に基づく染毛ムラが発生したり、逆に酸化染毛剤の色味がはっきりと出ず染め上がりがペールな色調とならないなどの問題がある。また、ヤギ毛を上記の範囲外の色合いに染色する酸化染毛剤を使用した場合には、ペールな色調を得ることが困難である。
【0011】
ここで、上記の各数値は、全てミノルタ社製の分光測色計(CM−508d)を使って標準光源D65のもとで測定された値である。また、本発明におけるヤギ毛とは、ヘアケア製品のテスト用として株式会社ビューラックス等から市販されているヤギの毛をいう。このヤギ毛は、L*a*b*表色系におけるa*値が−0.1〜0.9、b*値が12.0〜16.0、L*値が81.0〜86.0のものが好ましい。
【0012】
以下に、毛髪を上記のような特定の色合いに脱色する毛髪脱色剤、及びヤギ毛を上記のような特定の色合いに染色する酸化染毛剤の一例を記載する。
(1)毛髪脱色剤
用時に混合調製される下記の粉末状の第1剤及び液状の第2剤から構成される。第1剤と第2剤の混合割合は、重量比で好ましくは1:7〜2:1、より好ましくは1:5〜2:1である。
【0013】
(1.1)毛髪脱色剤の第1剤
第1剤には、アルカリ剤及び酸化助剤が必須成分として含まれる。
アルカリ剤の具体例としては、メタケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。これらの中でも脱色力が高いことからメタケイ酸ナトリウムが好ましい。尚、第1剤に含まれるアルカリ剤は一種類のみであっても二種類以上であってもよい。第1剤に含まれるアルカリ剤の量は、好ましくは5〜20重量%、より好ましくは10〜15重量%である。
【0014】
酸化助剤の具体例としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩が挙げられる。尚、第1剤に含まれる酸化助剤は、一種類のみであっても二種類以上であってもよい。第1剤に含まれる酸化助剤の量は好ましくは60〜85重量%、より好ましくは65〜80重量%、さらに好ましくは70〜80重量%である。
【0015】
尚、この第1剤は、上記のアルカリ剤及び酸化助剤以外の成分を任意成分として含む構成であってもよい。アルカリ剤及び酸化助剤以外の成分の具体例としては、水溶性高分子化合物、分散剤、pH調整剤、各種界面活性剤、粘度調整剤、保湿剤、帯電防止剤、毛髪柔軟剤、酸化防止剤、防腐剤、金属封鎖剤、賦形剤、色素、香料等が挙げられる。
【0016】
(1.2)毛髪脱色剤の第2剤
第2剤には、酸化剤が必須成分として含まれる。
酸化剤の具体例としては、過酸化水素等が挙げられる。第2剤に含まれる酸化剤の量は、好ましくは5.0〜9.0重量%、より好ましくは5.5〜6.0重量%である。
【0017】
尚、この第2剤は、上記の酸化剤以外の成分を任意成分として含む構成であってもよい。酸化剤以外の成分の具体例としては、糖類、アルキルグリセリルエーテル、油脂類、高級アルコール、ロウ類、炭化水素類、エステル類、シリコーン誘導体、非イオン性高分子、アニオン性高分子、両性高分子、消泡剤、粘度調整剤、防腐剤、安定化剤、pH調整剤、各種界面活性剤、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、天然色素、香料、顔料、紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0018】
(2)酸化染毛剤
用時に混合調製される下記の液状の第1剤及び液状の第2剤から構成される。第1剤と第2剤の混合割合は、重量比で好ましくは1:3〜2:1、より好ましくは1:2〜1:1である。
【0019】
第1剤と第2剤を混合調製して得られる酸化染毛剤(以下、混合液ともいう。)の、0.1N塩酸標準溶液の消費量で規定されるアルカリ度は、1.0〜2.0ml/gが好ましく、1.2〜1.7ml/gがより好ましい。1.0ml/g未満であると鮮やかな色調が得られず、2.0ml/gを超えると毛髪が損傷を受けやすくなる。ここで、0.1N塩酸標準溶液の消費量で規定されるアルカリ度とは、所定量の酸化染毛剤を0.1N(0.1mol/l)塩酸標準溶液ので滴定してpHを7.0とするときの0.1N塩酸標準溶液の消費量から次のようにして求められる。
アルカリ度=0.1N塩酸標準溶液の消費量[ml]/酸化染毛剤の量[g]
また、混合液のpHは、7.5〜9.9が好ましい。このpHが7.5未満であると染毛ムラが生じやすく、また適度な鮮やかさを有する色調が得られない。逆にpHが9.9を超えると毛髪が損傷を受けやすくなる。
【0020】
(2.1)酸化染毛剤の第1剤
第1剤には、酸化染料中間体及びアルカリ剤が必須成分として含まれる。
酸化染料中間体の具体例としては、フェニレンジアミン類、アミノフェノール類、トルイレンジアミン類、アミノニトロフェノール類、ジフェニルアミン類、ジアミノフェニルアミン類、N−フェニルフェニレンジアミン類、ジアミノピリジン類、及びそれらの塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等の塩類などが挙げられる。これらの中でもパラフェニレンジアミン、パラトルイレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−パラフェニレンジアミン、N−フェニル−パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2−クロロパラフェニレンジアミン、N,N−ジメチルパラフェニレンジアミン、パラアミノフェノール、2,6−ジクロロパラフェニレンジアミン、パラアミノフェニルスルファミン酸、及びそれらの塩類が染毛力の点で好ましい。尚、第1剤に含まれる酸化染料中間体は一種類のみであっても二種類以上であってもよい。
【0021】
第1剤に含まれる酸化染料中間体の量は、好ましくは0.01〜15重量%、より好ましくは0.1〜10重量%である。この配合量が0.01重量%よりも少ないと十分な染毛力が得られない。また15重量%を超えても染毛力が特に大きくは向上しないので、15重量%を超えて配合することは不経済である。0.1〜10重量%の範囲に設定した場合には、染毛効果と経済的な効果の両方をバランスよく発揮することができる。
【0022】
一方、アルカリ剤の具体例としては、アンモニア、モノエタノールアミン・ジエタノールアミン・トリエタノールアミン・モノイソプロパノールアミン・ジイソプロパノールアミン・トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。これらの中でも、染毛力の点でアンモニアが好ましい。尚、第1剤に含まれるアルカリ剤は一種類のみであっても二種類以上であってもよい。第1剤に含まれるアルカリ剤の量は、好ましくは0.5〜6.0重量%、より好ましくは1.0〜4.0重量%である。
【0023】
尚、この第1剤は、上記の酸化染料中間体及びアルカリ剤以外の成分を任意成分として含む構成であってもよい。酸化染料中間体及びアルカリ剤以外の成分としては、直接染料などのその他の染料、緩衝剤、ポリペプタイド、保湿剤、油脂類、高級アルコール、ロウ類、脂肪酸エステル、シリコーン誘導体、染色助剤、炭化水素類、高級脂肪酸、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、非イオン性高分子、アニオン性高分子、両性高分子、カチオン性高分子、溶剤、防腐剤、キレート剤、安定化剤、酸化防止剤、噴射剤のほか、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、色素、香料、顔料、紫外線吸収剤、また「医薬部外品原料規格」(1991年6月発行、薬事日報社)に収載されるものなどが挙げられる。このうちポリペプタイドの具体例としては、コラーゲン、ケラチン、エラスチン、フィブロイン、コンキオリン、大豆蛋白、カゼイン、ゼラチン等の蛋白質を酸、アルカリ、酵素等により加水分解した加水分解物、及びこれらを4級化したカチオン変性蛋白質等が挙げられる。ポリペプタイドの配合量は、0.01〜10重量%が好ましく、0.05〜5重量%がより好ましい。毛髪保護成分としてのポリペプタイドを配合することで、均染性が向上するとともに髪の損傷を抑えることができる。
【0024】
(2.2)酸化染毛剤の第2剤
第2剤には、酸化剤が必須成分として含まれる。
酸化剤の具体例としては、過酸化水素、過炭酸塩、過ホウ酸塩、過硫酸塩、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物、過酸化尿素、過酸化メラミン等が挙げられる。これらの中でも過酸化水素が好ましい。尚、第2剤に含まれる酸化剤は一種類のみであっても二種類以上であってもよい。第2剤に含まれる酸化剤の量は、混合液における酸化剤の含有量が0.3〜1.5重量%となる量が好ましく、0.5〜1.2重量%となる量がより好ましい。
【0025】
尚、この第2剤は、上記の酸化剤以外の成分を任意成分として含む構成であってもよい。酸化剤以外の成分の具体例としては、上記酸化染毛剤の第1剤の説明の中で酸化染料中間体及びアルカリ剤以外の成分として列挙したものが挙げられる。
【0026】
本実施形態によって得られる効果について、以下に記載する。
・ 本実施形態の染毛方法によれば、毛髪の損傷の程度や明るさの程度の差、すなわち化学処理履歴の差に起因して染毛ムラが発生するのを抑制することができる。従って、毛髪全体をペールな色調にほぼ均一に染色することが可能である。
【0027】
・ 本実施形態の染毛方法によれば、0.1N塩酸標準溶液の消費量で規定される酸化染毛剤のアルカリ度を1.0〜2.0ml/gとすることにより、髪の損傷を抑えながら良好なペール系の色調に髪を染め上げることができる。また、このアルカリ度を1.2〜1.7ml/gとすることにより、上記の効果をより向上させることができる。
【0028】
・ 本実施形態の染毛方法によれば、酸化染毛剤に含まれる過酸化水素の量を0.3〜1.5重量%とすることにより、髪の損傷を抑えながら良好なペール系の色調に髪を染め上げることができる。また、この過酸化水素の量を0.5〜1.2重量%とすることにより、上記の効果をより向上させることができる。
【0029】
尚、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・ 前記実施形態においては毛髪脱色剤として第1剤及び第2剤から構成される二剤式のものを使用したが、一剤式又は三剤式の毛髪脱色剤に変更してもよい。また酸化染毛剤に関しても、同様に一剤式又は三剤式のものに変更してもよい。
【0030】
・ 前記実施形態においては毛髪脱色剤の第1剤を粉末状、第2剤を液状としたが、各剤の剤型はこれに限定されるものでなく適宜変更してよい。また酸化染毛剤に関しても、第1剤及び第2剤の剤型は適宜変更してよい。
【0031】
・ 参考形態として、前記実施形態の酸化染毛剤の使用は、L*a*b*表色系におけるa*値が9〜12、b*値が26〜35、L*値が40〜65となるように脱色された毛髪のみに限定されるものでなく、上記の範囲外の色合いの毛髪に対して適用してもよい。
【0032】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1〜4及び比較例1〜8)
ヒトの黒髪毛束に対し、まず、その毛先側の半分のみに縮毛矯正処理(化学的処理の一種)を行った。次いで、その毛束全体を下記の表1(a)及び(b)に示す組成の毛髪脱色剤で処理し、さらに下記の表3(a)〜(c)に示す組成の酸化染毛剤で処理した。尚、毛髪脱色剤、酸化染毛剤とも第1剤と第2剤の混合割合は1:1である。
【0033】
各例の毛髪脱色剤で処理した後の毛束のL*a*b*表色系におけるa*値、b*値及びL*値を測定した結果を表2に示すとともに、各例の酸化染毛剤でヤギ毛を処理したときのL*C*h表色系におけるC*値及びL*値を測定した結果を表4に示す。尚、酸化染毛剤で処理される前のヤギ毛のL*a*b*表色系におけるa*値は0.36、b*値は13.64、L*値は83.76である。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
各例における染色処理後の毛束について、下記(1)〜(3)の項目に関し評価を行った。その評価結果を下記の表5に示す。
【0038】
(1)感触
処理後の毛束に手で触れたときの感触を、優(◎)、良(○)、やや不良(△)、不良(×)の四段階で官能評価した。
【0039】
(2)均染性
縮毛矯正処理された毛先部分と縮毛矯正処理されていない根元部分の染色具合を目視にて観察し、両者の差がほとんどないものを優(◎)、差が小さいものを良(○)、差がやや目立つものをやや不良(△)、差が著しいものを不良(×)と評価した。
【0040】
(3)色の鮮やかさ
染色処理後の毛束を目視にて観察し、その色の鮮やかさについて、優(◎)、良(○)、やや不良(△)、不良(×)の四段階で官能評価した。
【0041】
【表5】
表5に示すように、実施例においては“均染性”を含めた全3項目でいずれも優又は良と評価されたのに対し、比較例では“均染性”及び“色の鮮やかさ”に関していずれもやや不良又は不良と評価された。また、アルカリ度及び過酸化水素の量が好ましい範囲(1.0〜2.0ml/g及び0.3〜1.5重量%)から外れる実施例4の場合は、“感触”及び“均染性”の点で他の実施例よりも若干劣る結果となった。
【0042】
ところで、比較例5〜8は“均染性”の点で比較例1〜4に比べて良好な結果が得られた。これは、比較例5〜8の酸化染毛剤が、L*C*h表色系におけるC*値が5〜25、L*値が40〜60となるようにヤギ毛を染色する特性を有しているためである。すなわち、ヤギ毛を上記特定の色合いに染色する酸化染毛剤は、L*a*b*表色系におけるa*値が9〜12、b*値が26〜35、L*値が40〜65の範囲外の色合いの毛髪に対して適用された場合であっても、ある程度均染性を発揮することができ、化学処理履歴の差に起因する染毛ムラの発生を抑制できることが示された。
【0043】
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記酸化染毛剤のpHが7.5〜9.9であることを特徴とする前記染毛方法。このように構成すれば、髪の損傷をさらに抑えると同時に、より良好なペール系の色調に髪を染め上げることができる。
【0044】
・ L*C*h表色系におけるC*値(彩度)が5〜25、L*値(明度)が40〜60となるようにヤギ毛を染色する酸化染毛剤。このように構成すれば、毛髪脱色剤を使ってL*a*b*表色系におけるa*値が9〜12、b*値が26〜35、L*値が40〜65となるように脱色された毛髪に適用することで、毛髪の損傷の程度や明るさの程度の差、すなわち化学処理履歴の差に起因して染毛ムラが発生するのを抑制して、毛髪全体をペールな色調にほぼ均一に染色することができる。また、上記特定の範囲外の色合いの毛髪に対して適用された場合であっても、ある程度均染性を発揮することができ、化学処理履歴の差に起因する染毛ムラの発生を抑制することができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、酸化染毛剤を使ってペールな色調に毛髪を染色するにおいて、毛髪の損傷の程度や明るさの程度の差、すなわち化学処理履歴の差に起因して染毛ムラが発生するのを抑制することができる。
【0046】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、髪の損傷を抑えながら良好なペール系の色調に髪を染め上げることができる。
Claims (2)
- 毛髪を脱色処理し、次いで酸化染毛剤で処理し、ペールな色調に染毛する染毛方法であって、
アルカリ剤としてメタケイ酸ナトリウム10〜15重量%、及び酸化助剤として過硫酸塩を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤からなる脱色剤で脱色処理された後の前記毛髪のL*a*b*表色系におけるa*値(色度)が9〜12、b*値(色度)が26〜35、L*値(明度)が40〜65であるとともに、
酸化染料中間体としてパラフェニレンジアミンを含有し、0.1N塩酸標準溶液の消費量で規定されるアルカリ度が1.0〜2.4ml/gである前記酸化染毛剤でヤギ毛を処理したとき、処理後のヤギ毛のL*C*h表色系におけるC*値(彩度)が5〜25、L*値(明度)が40〜60であることを特徴とする染毛方法。 - 前記酸化染毛剤が0.3〜1.5重量%の過酸化水素を含有することを特徴とする請求項1に記載の染毛方法。
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