JP4762115B2 - 映像処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、映像の拡大、縮小処理であるスケーリングを実行する映像処理技術に関する。
液晶テレビなどのデジタルディスプレイにおいては、映像を画素単位で表示している。したがって、入力映像ソースの解像度と、出力ディスプレイの解像度が異なる場合、映像ソースをディスプレイの解像度に合わせて拡大/縮小する、いわゆる「スケーリング処理」が必要となる。そしてこの「スケーリング処理」において、従来は、一律にフィルタリングを行うため以下のような問題点があった。例えば、一律に多タップフィルタをかけてスケーリングを行う場合、画像内のディテール部分やエッジ部分は比較的破綻無く拡大/縮小されるものの、エッジ周辺にいわゆるリンギングノイズが発生してしまう。一方、リンギングの発生しにくい2タップフィルタを利用してスケーリングを行う場合、今度はディテール部分やエッジ部分が上手く拡大/縮小されず、エッジ感やディテール感など鮮鋭感の喪失したぼやけた画像になってしまう。
そこで特許文献1には、以下のような技術が開示されている。該技術では、まず連続して入力される複数の輝度信号値の増加、減少で示される変化パターンから高周波領域と低周波領域とを分類する。そして高周波領域では8タップフィルタなどを用いてスケーリングを行い、低周波領域では4タップフィルタなどを用いてリンギングの発生を抑えつつスケーリングを行う、といった技術である。
また、このようなスケーリング処理においては、処理過程において変容したエッジ部分を修正するための「エンハンス処理」と呼ばれる輪郭強調処理も行われている。そして従来、この輪郭強調処理は、スケーリング処理とは別の処理過程で実行されている。
特開2004−348117号公報
しかし、上記従来の技術には以下のような課題がある。つまり、特許文献1で開示されている技術では、第一に、連続画素の輝度変化パターンで画像を分類している。そのため、タップフィルタの適用選択単位が、高周波「領域」か低周波「領域」か、と言う具合に画像内の領域単位となっている。ところが、輝度変化パターンで分類された画像の低周波領域には、エッジ成分とその周辺部分が同時に含まれる場合もありうる。そして、リンギングが発生するのはエッジ成分そのものではなく、エッジ成分の周辺画素においてである。
すると上記技術では、低周波領域内に含まれるエッジ成分とその周辺部分に対して小タップフィルタが適用されてしまい、エッジ周辺部分(の画素)のリンギング発生は抑えられるものの、エッジ成分自体(の画素)の鮮鋭感などは失われてしまうことになる、という課題が生じる。
また第二に、4タップフィルタと8タップフィルタを領域ごとに切り替えて適用しているため、異なるタップ数のフィルタが適用された隣接領域の境目部分において、それぞれのスケーリングの補正値が大きく異なっている場合がある。そのため、その境目部分において視覚上の違和感が生じてしまうことがある、という課題もある。
更にスケーリングには一律なフィルタを使用することが一般的であり、スケーリングした映像の輪郭強調処理がスケーリング処理と別の処理過程で実行されている。そのためスケーリング処理後のリンギングが発生したりノイズが拡大されたりしている映像に対して輪郭強調処理が実行されることになり、リンギングや拡大ノイズが強調されてしまう、という課題もある。
以上の課題を解決するために、本発明は以下のような映像処理装置を提供する。第一に、例えば画素ごとの二次微分値(隣接画素との差分値)などを利用することで、画素ごとにエッジ成分か周辺画素か、といった平坦性を算出する。そして平坦性に応じて画素ごとに適用するフィルタのタップ数を替えてスケーリング処理を行う映像処理装置を提供する。
具体的には、映像信号を取得する映像信号取得部と、取得した映像信号に基づいて映像を構成する各画素が配置されている画像領域の平坦性を算出する平坦性算出部と、算出された平坦性に応じてスケーリング用のフィルタのタップ数を選択してスケーリング処理を実行するフィルタリング部と、を有する映像処理装置であって、その平坦性算出部は、各画素ごとに平坦性を算出する画素単位算出手段を有し、フィルタリング部は、各画素ごとに前記選択をし、画素ごとに前記スケーリング処理を実行することを特徴とする映像処理装置である。
第二は、上記第一の映像処理装置を基本として、さらに例えば画素ごとの平坦性を示す二次微分値の大小に応じて、複数のフィルタを合計適用率が100%となるようそれぞれの適用率を変化させながら一画素に対して適用しスケーリングする映像処理装置である。具体的には、第一の映像処理装置におけるフィルタリング部が、算出された平坦性に応じて一の画素のスケーリングを実行するために複数種のフィルタを利用する複数種フィルタ手段を有する構成をとる。このようにして、平坦性に応じて、ある画素に対して異なるタップ数のフィルタが混合適用されることになる。したがってスケーリング処理された隣接領域の境目部分においても視覚上リニアに変化しているように見えるため違和感を低減させることができる。
第三は、上記第一や第二の映像処理装置を基本として、さらにスケーリング処理の前にエッジ成分に対して適当な輪郭強調処理を実行する映像処理装置である。具体的には、前記第一や第二の映像処理装置におけるフィルタリング部がスケーリング処理を実行する場合には、スケーリング処理実行前に輪郭強調処理を実行する前輪郭強調処理部を有する構成をとる。このようにして、リンギングや拡大ノイズ発生後にそれらに対する輪郭強調処理が実行されることがない。
以上のような構成をとる第一の本発明によって、画素ごとにエッジ成分か周辺画素か、といった平坦性を算出し、その平坦製に応じて画素ごとに適用するフィルタのタップ数を替えてスケーリング処理を行うことができる。したがって、エッジ成分を構成する画素に対しては8タップなどの多タップフィルタを適用し鮮鋭さを失わないようスケーリング処理し、エッジ周辺を構成する画素に対しては小タップフィルタを適用しリンギングが発生しないようスケーリング処理を実行することができる。
また、第二の本発明によって、平坦性に応じて異なるタップ数のフィルタが混合適用されてスケーリング処理される。したがって隣接領域の境目部分においても視覚上リニアに変化しているようにして見えるため違和感を低減させることができる。また第三の本発明によって、輪郭強調補正されたリンギングやノイズを抑えたスケーリング処理を実行することができる。
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。なお、実施例1は、主に請求項1、2,3,4、及び請求項7、8,9,10、について説明する。また、実施例2は、主に請求項5、及び請求項11について説明する。また、実施例3は、主に請求項6、及び請求項12について説明する。
≪実施例1≫
<概要>
図1は、映像を構成する画面内の画素の一部を表した概念図であり、本実施例の映像処理装置によるスケーリング処理の一例を説明するための図である。この図にあるように、この映像は画素単位での輝度差から見ると平坦性の高い画像であり、例えばA行には1列から5列まで2タップフィルタなどを適用しスケーリング処理を実行する。一方、B行においては、4列、5列の画素は二次微分値が0となり水平方向に平坦であることが分かる。そこでこのB行4列、5列の画素を拡大/縮小処理する際に生成される補間画素には2タップフィルタを適用する。またB行1列から3列の画素は二次微分値から水平方向の隣接画素と異なっていることが分かる。そこでB行1列から3列の画素を拡大/縮小処理する際に生成される補間画素には多タップフィルタを適用しスケーリングを実行する。
このように、画素単位で適用フィルタを選択し切り替えることで、上記図1の映像のように領域で見ると低周波領域にあるエッジ部分(B−2、C−2、D−3など)の拡大/縮小処理に際し、生成される補間画素に対しては多タップフィルタを適用しディテール(鮮鋭感)を保持し、その周辺画素に対しては小タップフィルタを適用しリンギングの発生を抑えてスケーリング処理を行うことができる。
<機能的構成>
図2は、本実施例の映像処理装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「映像処理装置」(0200)は、「映像信号取得部」(0201)と、「平坦性算出部」(0202)と、「フィルタリング部」(0203)とを有する。
なお、以下に記載する映像処理装置の機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの両方として実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUや主メモリ、バス、あるいは二次記録媒体(ハードディスクや不揮発性メモリ、CD−ROMやDVD−ROMなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)、印刷機器や表示装置、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部やその外部周辺機器用のI/Oポート、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、情報入力に利用されるユーザーインターフェースなどが挙げられる。
またこれらハードウェアやソフトウェアは、主メモリ上に展開したプログラムをCPUで演算処理したり、メモリやハードディスク上に保持されているデータや、インターフェースを介して入力されたデータなどを加工、蓄積、出力処理したり、あるいは各ハードウェア構成部の制御を行ったりするために利用される。また、この発明は装置として実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を記録媒体に固定した記録媒体も、当然にこの発明の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
「映像信号取得部」(0201)は、映像信号を取得する機能を有する。「映像信号」とは、デコード前、又は後において画素の値を示す信号であって、この信号に基づいて画素ごとに様々な色が表示される。具体的には、例えば、色を赤(R)・緑(G)・青(B)の三原色の組合せとして表現するRGB信号や、輝度信号(Y)と、その輝度信号と赤色成分の差(U)と、輝度信号と青色成分の差(V)の3つの情報で色を表す信号であるYUV信号などが挙げられる。
そしてこの取得した映像信号のうち、例えば輝度信号を利用して、隣接画素間の輝度差などを、平坦性を示す指標として算出しスケーリング処理の為にどのフィルタを適用するかを判断することができる。
「平坦性算出部」(0202)は、取得した映像信号に基づいて映像を構成する各画素が配置されている画像領域の平坦性を算出する機能を有する。「平坦性」とは、映像内での視覚的な平坦度合いを示す指標をいい、すなわち、近傍画素との輝度値の差分値によって示される指標である。具体的には、例えば隣接画素との輝度信号の差分値(一次微分値)や、左(上)方向の隣接画素と右(下)方向の隣接画素との差分値の差分値(二次微分値)、あるいはその左右(上下)方向の差分値の積分値などが挙げられる。そして、このように算出した一次や二次微分値などから、例えば画素ごとにその平坦性を算出し、その適用するフィルタのタップ数を切り替えることができる。
「フィルタリング部」(0203)は、算出された平坦性に応じてスケーリング用のフィルタのタップ数を選択してスケーリング処理を実行する機能を有する。「スケーリング用のフィルタ」とは、拡大/縮小処理に際して補間画素を生成するために利用される関数をいい、補間画素の周囲にある画素を入力値として重み付け平均を実行する関数である。そして「タップ数」とはその関数に入力される周囲画素の数をいう。
図3は、このスケーリング用のフィルタの一例を表す図である。この図3(a)は2タップフィルタを表し、この図にあるように、例えば中心にある画素Aを拡大/縮小時の補間画素として生成する際には、隣接する2画素(2タップ)を入力信号として補間用の画素を生成する。一方、図3(b)は10タップフィルタを表し、この図にあるように補間画素Aを生成する際には、隣接する10画素(10タップ)を入力信号として、補間用の画素を生成する、という具合である。
そして、タップ数の多いフィルタでは、上図に示す通り補間画素が比較的遠くにある画素の影響も受けるため、細かい変化をつけることができディテールやエッジをはっきりさせることができる反面、リンギングが発生しやすい。一方、タップ数の少ないフィルタでは、近傍画素の影響しか受けないためディテールやエッジは損なわれるが、リンギングは発生しにくい。そこで、本実施例においては、前記算出した平坦性を示す指標数値に応じて、例えば8ビット輝度信号の二次微分値が0から3までの画素に対しては2タップフィルタを適用し、同二次微分値が4から15までの画素に対しては4タップフィルタを適用する。また同二次微分値が16から31までの画素に対しては8タップフィルタを適用し、同二次微分値が32以上であれば10タップフィルタを適用してスケーリング処理を実行する、という具合の適用フィルタの選択を行う。
<処理の流れ>
図4は、本実施例の映像処理装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず、映像信号を取得する(ステップS0401)と、取得した映像信号に基づいて映像を構成する各画素が配置されている画像領域の平坦性を、例えば各画素の輝度値などを用いて算出する(ステップS0402)。そして、算出された平坦性に応じてスケーリング用のフィルタのタップ数を選択して(ステップS0403)、選択したタップ数のフィルタにてスケーリング処理を実行する(ステップS0404)。
そして、上記本実施例の映像処理装置は、以下のように画素ごとに平坦性を判断し、その平坦性に応じて画素ごとに適用フィルタを切り替えるよう構成されていることを特徴とする。それによって画素単位のきめ細かなフィルタ適用が可能になるので、エッジ成分を構成する画素には多タップフィルタを適用し、そのエッジ周辺の画素にはリンギングが発生しないよう小タップフィルタを適用する、といった処理が可能になる。
<別の機能的構成1>
図5は、本実施例の映像処理装置における機能ブロックの、別の一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「映像処理装置」(0500)は、上記構成を基本として「映像信号取得部」(0501)と、「平坦性算出部」(0502)と、「フィルタリング部」(0503)とを有する。そしてこの別の例の特徴点は、その平坦性算出部が「画素単位算出手段」(0504)を有し、かつフィルタリング部が「画素単位フィルタリング手段」(0505)を有する点である。
「画素単位算出手段」(0504)は、各画素ごとに平坦性を算出する機能を有し、例えば、画素ごとに隣接画素との一次微分値や二次微分値などを算出し、指標化する方法が挙げられる。なお、「画素の平坦性」とは、画素単位で算出される例えば輝度差分値などで示される値に応じて判断されるものであり、例えばその指標値が0に近い、ないし0であればその画素は平坦であると規定し、それ以外であればその画素は平坦ではないと規定する、という具合である。
「画素単位フィルタリング手段」(0505)は、各画素ごとに前記選択をし、画素ごとに前記スケーリング処理を実行する機能を有する。このように、画素ごとに平坦性を判断し、画素ごとに適用するフィルタを切り替えることで、例えば均一色背景上の字幕、といった低周波領域内のエッジ成分(字幕)であっても画素単位で対応することができる。したがってエッジ感やディテール感を損なうことなく、かつリンギングの発生も抑えてスケーリング処理を実行することができる。
<別の処理の流れ1>
図6は、本実施例の映像処理装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず、映像信号を取得する(ステップS0601)と、取得した映像信号に基づいて、各画素ごとに平坦性を算出する(ステップS0602)。そして、算出された平坦性に応じて各画素ごとにスケーリング用のフィルタのタップ数を選択して(ステップS0603)、選択したタップ数のフィルタにて各画素ごとにスケーリング処理を実行する(ステップS0604)。
<別の概要2>
また、上記本実施例の映像処理装置は、平坦性の判断において以下のように平坦か非平坦かの二者択一で判断するよう構成されていても良い。そして平坦な領域や画素に対しては2タップフィルタなどの小タップフィルタを適用し、非平坦な領域や画素に対しては10タップフィルタなどの多タップフィルタを適用する。このようにフィルタリングの適用を平坦か非平坦かの二者択一で選択することで用意するフィルタの数を抑えることができる。
<別の機能的構成2>
図7は、本実施例の映像処理装置における機能ブロックの、さらに別の一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「映像処理装置」(0700)は、上記構成を基本として「映像信号取得部」(0701)と、「平坦性算出部」(0702)と、「フィルタリング部」(0703)とを有する。また、図示していないが「画素単位算出手段」や「画素単位フィルタリング手段」を有していても良い。そしてこのさらに別の例の特徴点は、その平坦性算出部が「平坦非平坦判断手段」(0704)を有し、かつフィルタリング部が「小タップフィルタ手段」(0705)と「多タップフィルタ手段」(0706)と、を有する点である。
「平坦非平坦判断手段」(0704)は、取得した映像信号に基づいて映像を構成する各画素が配置されている画像領域が平坦画像領域か、非平坦画像領域かを判断する機能を有する。この判断は、前述の平坦性を指標化した数値と閾値を利用し、例えば8ビット輝度信号を映像信号として算出された平坦性の指標値(画素の二次微分値など)が閾値3以上であるか、といった具合に判断すると良い。そして、その判断結果に応じて、次のフィルタリング部の小タップフィルタ手段でのスケーリング処理か、多タップフィルタ手段でのスケーリング処理か、が区別される、という具合である。
「小タップフィルタ手段」(0705)とは、平坦非平坦判断手段(0704)での判断結果が平坦画像領域であると判断された画素に関しては、小タップフィルタを用いてスケーリング処理を実行する機能を有する。「小タップフィルタ」とは、次の多タップフィルタと比較してタップ数の少ないフィルタをいう。なお、リンギング発生を抑制するという点から鑑みると、この小タップフィルタは、例えば2タップフィルタや4タップフィルタであることが望ましい。また、特に2タップフィルタにおいてはリンギング発生をほぼ抑えるようパラメータが設定されたフィルタも提供されているため、そのような2タップフィルタを用いることがさらに望ましい。
「多タップフィルタ手段」(0706)とは、平坦非平坦判断手段(0704)での判断結果が非平坦画像領域であると判断された領域に配置されている画素に関しては、比較的多いタップ数のフィルタである多タップフィルタを用いてスケーリング処理を実行する機能を有する。
このようにして、小タップフィルタと多タップフィルタという2つのフィルタの適用を平坦か非平坦かの二者択一で選択する、という構成をとることで装置内に保持するフィルタの数を抑えることができる。なお、適用するフィルタを2種類のみとすると、それぞれのフィルタの隣接適用領域の境目部分において、それぞれのスケーリングの補正値が大きく異なっている場合がある。そのため、その境目部分において視覚上の違和感が生じてしまうことがある。そこで、そのような場合における視覚上の違和感を解消する手段を有する映像処理装置に関して次の実施例2にて後述する。
<別の処理の流れ2>
図8は、本実施例の映像処理装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず、映像信号を取得する(ステップS0801)と、取得した映像信号に基づいて映像を構成する各画素が配置されている画像領域や各画素の平坦性を算出する(ステップS0802)。そして、算出された平坦性に基づいて画像領域や各画素が平坦か、非平坦かを判断する(ステップS0803)。そして、前記判断結果が平坦であると判断された場合、その領域や画素に対して比較的少ないタップ数のフィルタである小タップフィルタを用いてスケーリング処理を実行する(ステップS0804a)。一方、前記判断結果が非平坦であると判断された場合、その領域や画素に対して比較的多いタップ数のフィルタである多タップフィルタを用いてスケーリング処理を実行する(ステップS0804b)。
<ハードウェア的構成>
図9は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、映像処理装置装置における構成の一例を表す概略図である。この図を利用してスケーリング処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。この図にあるように、映像処理装置は、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」(0901)と、「主メモリ」(0902)と、を有している。また、映像信号が入力され輝度信号値などを出力する「デコーダ」(0903)と、スケーリングに利用する各種タップフィルタを保持する「EEPROM」(0904)と、画素データを画素ごとのメモリアドレスに格納する「VRAM」(0905)も備えている。そしてそれらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
また、「主メモリ」は、各種処理を行うプログラムをCPUに実行させるために読み出すと同時にそのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。また、この「主メモリ」や「EEPROM」にはそれぞれ複数のメモリアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのメモリアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
ここで、「デコーダ」に映像信号が入力されると、デコード処理によって例えば画素ごとのRGB値が出力され「VRAM」に格納される。そしてそのRGB値から演算処理によって輝度値が算出される。そして、その輝度値に基づく「CPU」の四則演算処理により、それぞれの画素に関して平坦性を示す指標となる二次微分値が算出され「主メモリ」のアドレス1に格納される。この二次微分値の算出は、具体的には例えば、まずある画素Aの輝度値と、左(上)隣の画素の輝度値との差分値αをCPUの演算処理によって算出する。続いてある画素Aの輝度値と、今度は右(下)隣の画素の輝度値との差分値βをCPUの演算処理によって算出する。そして、それぞれの差分値αとβの差分値をCPUの演算処理によって二次微分値として算出する、という具合である。
つづいて「主メモリ」のアドレス1に格納されている例えば各画素ごとの二次微分値をキーとして、「二次微分値−適用フィルタテーブル」などを検索し、各画素ごとにスケーリング処理に適用すべきフィルタを選択する。そして選択されたフィルタ、例えば2タップフィルタを「EEPROM」のアドレス1から読出し、「CPU」の演算処理によって二タップフィルタを利用してスケーリング処理された補間画素の映像信号値が算出され、「主メモリ」のアドレス2に格納される、という具合である。
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例の映像処理装置によって、画素ごとにエッジ成分か周辺画素か、といった平坦性を分類し、画素ごとに適用するフィルタのタップ数を替えてスケーリング処理を行うことができる。したがって、エッジ成分を構成する画素に対しては8タップなどの多タップフィルタを適用し鮮鋭さを失わないようスケーリング処理し、エッジ周辺を構成する画素に対しては小タップフィルタを適用しリンギングが発生しないようスケーリング処理を実行することができる。
≪実施例2≫
<概要>
図10は、本実施例の映像処理装置における画素の平坦性に応じたフィルタの適用例について説明するための概念図である。この図にあるように、本実施例の映像処理装置では、実施例1で説明したように、平坦性を示す二次微分値が36である画素Aに関しては、10タップフィルタを適用してスケーリング処理を実行する。また、平坦性を示す二次微分値が2である画素Bに関しては、2タップフィルタを適用してスケーリング処理を実行する。
そして、本実施例では、平坦性を示す二次微分値が例えば24となる画素Cに関しては10タップフィルタを適用したスケーリング処理結果を80%、2タップフィルタを適用したスケーリング処理結果を20%として、その合計値をスケーリング処理結果として出力する、といった処理を行う。このように本実施例は実施例1を基本とし、一の画素のスケーリング処理に関し、複数種のフィルタを平坦性に応じた割合で実行し、その実行結果を足し合わせることを特徴とする映像処理装置である。
<機能的構成>
図11は、本実施例の映像処理装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「映像処理装置」(1100)は、実施例1を基本として「映像信号取得部」(1101)と、「平坦性算出部」(1102)と、「フィルタリング部」(1103)とを有する。また、図示していないが「画素単位算出手段」や「画素単位フィルタリング手段」、あるいは「平坦非平坦判断手段」や「小タップフィルタ手段」や「多タップフィルタ手段」を有していても良い。なお、これら構成要件については上記実施例にて既に記載済みであるのでその説明は省略する。そして、本実施例の映像処理装置の特徴点は、そのフィルタリング部が「複数種フィルタ手段」(1104)を有する点である。
「複数種フィルタ手段」(1104)は、算出された平坦性に応じて一の画素のスケーリングを実行するために複数種のフィルタを利用する機能を有する。「平坦性に応じて」とは、例えば平坦性を示す前述の指標化値(二次微分値)などに応じて複数種のフィルタの適用割合を変化させることをいう。それによってこの複数種フィルタ手段では、平坦性に応じた複数種のフィルタの利用を行う。
図12は、その平坦性に応じた複数種のフィルタの適用割合の一例を示す図である。この図にあるように、ある画素の平坦性を示す二次微分値が閾値A(8ビット輝度信号の場合は例えば3)以下である場合は、2タップフィルタを100%適用してスケーリング処理を実行する。一方、二次微分値が閾値B(8ビット輝度信号の場合は例えば32)以上である場合は、10タップフィルタを100%適用してスケーリング処理を実行する。
そして、二次微分値が閾値Aから閾値Bの間である場合は、図に示すように、10タップフィルタと2タップフィルタのそれぞれの適用割合を合計100%となるよう割り当てる。例えば二次微分値がCである場合は、10タップフィルタを80%、2タップフィルタを20%適用してスケーリング処理を実行する、という具合である。
なお、この複数種フィルタ手段は、もちろん2種類以上のフィルタを選択可能であって、その適用率もさらに詳細に規定されていても構わない。
<処理の流れ>
図13は、本実施例の映像処理装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず、映像信号を取得する(ステップS1301)と、取得した映像信号に基づいて映像を構成する各画素が配置されている画像領域の平坦性を算出する(ステップS1302)。そして、算出された平坦性に応じて、一の画素のスケーリングを実行するためのフィルタを複数種選択して(ステップS1303)、選択した複数種のフィルタにてスケーリング処理を実行する(ステップS1304)。
<ハードウェア構成>
図14は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、映像処理装置における構成の一例を表す概略図である。この図を利用してスケーリング処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。この図にあるように、映像処理装置は、実施例1と同様、「CPU」(1401)と、「主メモリ」(1402)と、「デコーダ」(1403)と、「EEPROM」(1404)と、「VRAM」(1405)を備え、「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続されている。
ここで、実施例1で説明したような処理により、それぞれの画素に関して平坦性を示す指標となる二次微分値が算出され「主メモリ」のアドレス1に格納される。
つづいて、「主メモリ」のアドレス1に格納されている各画素ごとの二次微分値をキーとして、図12に示すような表をテーブル化した「適用割合フィルタテーブル」を検索し、各画素ごとにフィルタの適用率を取得する。ここでは、例えば二次微分値がCであり、フィルタの適用割合は2タップフィルタが20%、10タップフィルタが80%、となる。
すると、「EEPROM」のアドレス1から読出された2タップフィルタと、処理対象画素の映像信号値を利用した「CPU」の演算処理によってスケーリング処理が実行される。そして、その結果算出された輝度信号値、例えば120が「主メモリ」のアドレス2に格納される。また、「EEPROM」のアドレス2から読出された10タップフィルタと、処理対象画素の映像信号値を利用した「CPU」の演算処理によってスケーリング処理が実行される。そして、その結果算出された輝度信号値、例えば196が「主メモリ」のアドレス2に格納される。そして今度は、「主メモリ」のアドレス2と3に格納されているそれぞれの輝度信号値に対して、前記取得したフィルタの適用率を適用し、合算する演算処理が「CPU」によって実行される。それにより、2タップフィルタと10タップフィルタが所定の適用率で適用された合成スケーリング結果である輝度信号値、例えば180(120×20%+196×80%)が算出され、「主メモリ」のアドレス4に格納される、という具合である。
また、もちろん本実施例や上記実施例1の映像処理装置は、このような汎用的な情報処理装置によって実現しても良いし、ディスプレイ装置などに専用の映像処理回路を設けることで実現しても良い。
図15は、本実施例の映像処理装置を専用の映像処理回路として実現した際のハードウェア構成の一例を表す概略図である。この図にあるように、専用の映像処理回路(1500)は、「スケーリング座標計算部」(1501)と、「メモリコントローラ」(1502)と、「ラインメモリ」(1503)と、「平坦性検出部」(1504)と、「スケーリング部」(1505)と、「加算割合算出部」(1506)と、「積和演算部」(1507)と、を備えている。
ここで、まず、この映像処理回路がスケーリング処理の実行命令を取得する。すると、その実行命令に含まれるスケーリング倍率の値を利用して、「スケーリング座標演算部」を構成する演算チップの演算処理によって、スケーリング時に参照すべき画素の座標情報が算出される。そして、算出された座標情報が「メモリコントローラ」に出力され、「メモリコントローラ」の制御に当該座標の映像情報が「ラインメモリ」より読み出される。
続いて、読み出された画素の映像信号が「スケーリング部」と「平坦性検出部」に出力される。「スケーリング部」では、例えば図3に示すような補間割合値を用いて、スケーリングの対象となる一の画素に対し、「2タップフィルタ積和演算部」による演算と「多タップフィルタ積和演算部」による演算とを実行し、それぞれのタップフィルタによる演算結果α、βを「積和演算部」に出力する。
一方、「平坦性検出部」では、その映像信号を用いて、スケーリングの対象となる画素の平坦性を示す隣接画素との差分値(一次微分値や二次微分値)を算出し、算出結果を「加算割合算出部」に出力する。
そして「加算割合算出部」では、予め与えられた閾値A,Bと平坦性を示す算出値と、の比較処理を行う。その比較処理に基づいて、例えば図12に示すような関数を利用してタップフィルタの適用割合「C(%)」及び「100−C(%)」を算出し、「積和演算部」に出力する。
すると、「積和演算部」では、「2タップフィルタ積和演算部」の出力結果αに対し、加算割合値の出力結果「100−C(%)」を掛け合わせる。また、「多タップフィルタ積和演算部」の出力結果βに対し、加算割合値の出力結果「C(%)」を掛け合わせる。そして、それぞれの演算結果を加算した結果を、スケーリング後の画素値として出力する、と言う具合である。
なお、上記構成例では省略したが、例えばこの映像処理回路は以下のような構成をさらに備えていても良い。すなわち、各種映像信号の入力を切り替える「入力切替処理回路」や、アナログ映像信号をデジタル映像信号に変換する「A/D変換処理回路」、インタレース信号をプログレッシブ信号に変換する「IP変換処理回路」、デジタルフィルタにより映像のエッジを強調したりノイズ除去処理を行ったりする「画質補正処理回路」、映像のγ特性をγテーブルに従って変更し映像のトーンを調整する「ガンマ補正処理回路」、あるいはオンスクリーンディスプレイ制御を行う「OSD処理回路」など、その他の処理を実行するための手段や、映像表示パネルのゲートドライバ及びソースドライバなどを制御するコントローラなどである。また、「IP変換処理回路」は、本発明でのスケーリング処理時に同時に実行されるよう構成されていても良い。
<効果の簡単な説明>
このようにして、異なるタップ数のフィルタが適用された隣接領域の境目部分において、その平坦性に応じてリニアにフィルタの適用率を変化させて合成算出する処理を行うことができる。したがって、その境目部分においてリニアに変化させる処理を行うことができ、視覚上の違和感を抑えることができる。
≪実施例3≫
<概要>
本実施例の映像処理装置は、上記実施例を基本として、スケーリング処理実行前に輪郭強調処理(エンハンス処理)を実行することを特徴とする。また、その輪郭強調処理に関しては、エッジがより急峻となるように補正することでエッジを強調する処理を行う。このようにスケーリング処理の前に輪郭強調補正を実行することで、スケーリング処理後に発生するリンギングやノイズが輪郭強調処理によって強調される、といった事態の発生を抑えることができる。
また、このスケーリングの前に実行される輪郭強調補正については、例えば次の図に示すような補正を行うと良い。図16は、本実施例の映像処理装置におけるエッジ部分の輪郭強調処理(エンハンス処理)の一例を説明するための概念図である。本実施例の映像処理装置では、この図中矢印で示すように、本来のエッジ構成する所定位置の画素の輝度値を、下方向及び上方向に伸張することでエッジ成分をより急峻にし強調する処理を行う、という具合である。
<機能的構成>
図17は、本実施例の映像処理装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「映像処理装置」(1700)は、実施例1を基本として「映像信号取得部」(1701)と、「平坦性算出部」(1702)と、「フィルタリング部」(1703)とを有する。また、図示していないが「画素単位算出手段」や「画素単位フィルタリング手段」、あるいは「平坦非平坦判断手段」や「小タップフィルタ手段」や「多タップフィルタ手段」、あるいは「複数種フィルタ手段」を有していても良い。なお、これら構成要件については上記実施例にて既に記載済みであるのでその説明は省略する。そして、本実施例の映像処理装置の特徴点は、さらに「前輪郭強調処理部」(1704)を有する点である。
「前輪郭強調処理部」(1704)は、フィルタリング部がスケーリング処理を実行する場合には、スケーリング処理実行前に輪郭強調処理を実行する機能を有する。このようにスケーリング処理の前に輪郭強調補正を実行することで、スケーリング処理後に発生するリンギングやノイズが輪郭強調処理によって強調される、といった事態の発生を抑えることができる。
図18は、本実施例の映像処理装置における輪郭補正処理の一例を説明するための概念図である。ここで、まず例えば所定個数連続する画素において輝度値の増加または減少の傾き係数が閾値以上である場合に、そこはある程度急峻なエッジ部分と判断する。そして、図18(a)に示すように、その連続減少(増加)するエッジ部分の始点画素と終点画素の輝度差分値を全体差分値として算出する。そして全体差分値が閾値A以下であれば微小振幅などのノイズ部分などとして補正は実行しない。また、閾値B以上であれば100%の補正をし、閾値AからBの間であれば、図に示すようにリニアに補正割合fを決定する。
上記全体差分値から補正を実行すること決定された場合、次に図18(b)にあるように、エッジを構成している各差分値のMAX値を得ることによりエッジ内部の最も急峻なエッジ部分を検出する。そして、そのMAX値をとる画素を中心に上下方向に補正することによってより自然にエッジを強調することができる。そこでエッジ部分の各画素の隣接差分値によるMAX値を算出し、そのMAX値と閾値C及び閾値DによりMAX差分値による補正割合gを決定する。またMAX値を取る画素を中心としてその隣接複数個の画素をそれぞれ上下方向へ移動させることを決定する。
そして、今度はエッジ内のグラデーション部をつぶすことなく補正するために、図18(c)にあるように、それぞれの画素の隣接差分値とMAX差分値の差分値を算出し、閾値Eにより補正割合hを決定する。このように決定された補間割合f、g、hを例えば、(f+g)*hのように組み合わせることにより全体の輝度値の補正率を決定する。そして、これらの補正率を用いてスケーリングの際の輝度値を変化させた後、スケーリングのためのフィルタ演算を行うことにより、図16に示すようにエッジ部分を更に急峻に立たせることが可能となる。
<処理の流れ>
図19は、本実施例の映像処理装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず、映像信号を取得する(ステップS1901)と、取得した映像信号に基づいて映像を構成する各画素が配置されている画像領域の平坦性を算出する(ステップS1902)。そして、算出された平坦性に応じて、輪郭強調処理を実行する(ステップS1903)。つづいて、算出された平坦性に応じてスケーリング用のフィルタのタップ数を選択して(ステップS1904)、選択したタップ数のフィルタにて、輪郭強調補正されたエッジを含む映像に対しスケーリング処理を実行する(ステップS1905)。
<ハードウェア構成>
図20は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、映像処理装置装置における構成の一例を表す概略図である。この図を利用してスケーリング処理の前の輪郭強調処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。この図にあるように、映像処理装置は、実施例1と同様、「CPU」(2001)と、「主メモリ」(2002)と、「デコーダ」(2003)と、「EEPROM」(2004)と、「VRAM」(2005)を備え、「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続されている。
ここで、実施例1で説明したような処理により、それぞれの画素に関して平坦性を示す指標となる二次微分値が算出され適用するフィルタのタップ数が選択される。
また、非平坦である画素に関しては、水平方向又は垂直方向に連続する画素の輝度値を取得し、「CPU」の演算処理によって連続増加、又は減少の判断処理を行う。そして連続増加(減少)している始点画素と終点画素の輝度差分値を「CPU」の演算処理によって算出し全体差分値として「主メモリ」のアドレス1に格納する。そして「EEPROM」に保持されている図18(a)で示すような閾値表aを利用し、輪郭強調処理を実行するかが判断される。また、その処理を実行する場合、閾値表から第一補正割合fが取得され「主メモリ」のアドレス2に格納される。
つづいて、隣接画素ごとの輝度差分値が「CPU」の演算処理によって算出されMAX差分値として「主メモリ」のアドレス3に格納する。そして「EEPROM」に保持されている図18(b)で示すような閾値表bを利用し、MAX値と閾値C及び閾値DによりMAX差分値による第二補正割合gが取得され「主メモリ」のアドレス4に格納される。またMAX値を取る画素を中心としてその隣接複数個の画素の移動方向も決定し、その方向を画素と関連付けて「主メモリ」に格納する。
そして、今度はエッジ内のグラデーション部をつぶすことなく補正するために、それぞれの画素の隣接差分値とMAX差分値の差分値を「CPU」の演算処理により算出する。そして「EEPROM」に保持されている図18(c)にあるような閾値表cを利用して第三補正割合hを決定し「主メモリ」のアドレス5に格納する。そして「主メモリ」のアドレス2,4,5に格納されている第一、第二、第三の補間割合f、g、hを、例えば、(f+g)*hの式に代入し「CPU」の演算処理によって最終的な補正割合を算出し「主メモリ」のアドレス6に格納する。そしてその補正率を用いてスケーリングの際の輝度値を変化させる処理を実行する、という具合である。
そしてその処理を行った後、実施例1で説明したように平坦性を指標として選択されたタップ数のフィルタを適用し、例えば画素ごとにスケーリング処理が実行される。
<効果の簡単な説明>
以上のように、本実施例の映像処理装置によってスケーリング処理の前に輪郭強調補正を実行することで、スケーリング処理後に発生するリンギングやノイズが輪郭強調処理によって強調される、といった事態の発生を抑えることができる。
実施例1の映像処理装置によるスケーリング処理の一例を説明するための図 実施例1の映像処理装置における機能ブロックの一例を表す図 実施例1の映像処理装置のフィルタリング部で利用されるスケーリング用のフィルタの一例を表す図 実施例1の映像処理装置における処理の流れの一例を表すフローチャート 実施例1の映像処理装置における機能ブロックの、別の一例を表す図 実施例1の映像処理装置における処理の流れの、別の一例を表すフローチャート 実施例1の映像処理装置における機能ブロックの、さらに別の一例を表す図 実施例1の映像処理装置における処理の流れの、さらに別の一例を表すフローチャート 実施例1の映像処理装置におけるハードウェア構成の一例を表す概略図 実施例2の映像処理装置における画素の平坦性に応じたフィルタの適用例について説明するための概念図 実施例2の映像処理装置における機能ブロックの一例を表す図 実施例2の映像処理装置の複数種フィルタ手段での平坦性に応じた複数種のフィルタの適用割合の一例を示す図 実施例2の映像処理装置における処理の流れの一例を表すフローチャート 実施例2の映像処理装置におけるハードウェア構成の一例を表す概略図 実施例2の映像処理装置におけるハードウェア構成の、別の一例を表す概略図 実施例3の映像処理装置におけるエッジ部分の輪郭強調処理(エンハンス処理)の一例を説明するための概念図 実施例3の映像処理装置における機能ブロックの一例を表す図 実施例3の映像処理装置における輪郭補正処理の一例を説明するための概念図 実施例3の映像処理装置における処理の流れの一例を表すフローチャート 実施例3の映像処理装置におけるハードウェア構成の一例を表す概略図
符号の説明
0200 映像処理装置
0201 映像信号取得部
0202 平坦性算出部
0203 フィルタリング部

Claims (10)

  1. 映像信号を取得する映像信号取得部と、
    取得した映像信号に基づいて映像を構成する各画素が配置されている画像領域の平坦性を算出する平坦性算出部と、
    算出された平坦性に応じてスケーリング用のフィルタのタップ数を選択してスケーリング処理を実行するフィルタリング部と、を有し、
    平坦性算出部は、
    取得した映像信号に基づいて映像を構成する各画素が配置されている画像領域が平坦画像領域か、非平坦画像領域かを判断する平坦非平坦判断手段を有し、
    フィルタリング部は、
    前記判断結果が平坦画像領域であると判断された領域に配置されている画素に関しては、比較的少ないタップ数のフィルタである小タップフィルタを用いてスケーリング処理を実行する小タップフィルタ手段と、
    前記判断結果が非平坦画像領域であると判断された領域に配置されている画素に関しては、比較的多いタップ数のフィルタである多タップフィルタを用いてスケーリング処理を実行する多タップフィルタ手段と、
    を有する映像処理装置。
  2. 平坦性算出部は、各画素ごとに平坦性を算出する画素単位算出手段を有し、
    フィルタリング部は、各画素ごとに前記選択をし、画素ごとに前記スケーリング処理を実行する画素単位フィルタリング手段を有する請求項1に記載の映像処理装置。
  3. 小タップフィルタは2タップフィルタである請求項1または2に記載の映像処理装置。
  4. フィルタリング部は、算出された平坦性に応じて一の画素のスケーリングを実行するために、タップ数の異なる複数種のフィルタを、前記算出された平坦性に応じて決定された割合で複数利用する複数種フィルタ手段を有する請求項1から3のいずれか一に記載の映像処理装置。
  5. フィルタリング部がスケーリング処理を実行する場合には、スケーリング処理実行前に輪郭強調処理を実行する前輪郭強調処理部を有する請求項1から4のいずれか一に記載の映像処理装置。
  6. 映像信号を取得する映像信号取得ステップと、
    取得した映像信号に基づいて映像を構成する各画素が配置されている画像領域の平坦性を算出する平坦性算出ステップと、
    算出された平坦性に応じてスケーリング用のフィルタのタップ数を選択してスケーリング処理を実行するフィルタリングステップと、を計算機に実行させる映像処理方法であって、
    平坦性算出ステップにおいて、
    取得した映像信号に基づいて映像を構成する各画素が配置されている画像領域が平坦画像領域か、非平坦画像領域かを判断する平坦非平坦判断ステップを有し、
    フィルタリングステップにおいて、
    前記判断結果が平坦画像領域であると判断された領域に配置されている画素に関しては、比較的少ないタップ数のフィルタである小タップフィルタを用いてスケーリング処理を実行する小タップフィルタステップと、
    前記判断結果が非平坦画像領域であると判断された領域に配置されている画素に関しては、比較的多いタップ数のフィルタである多タップフィルタを用いてスケーリング処理を実行する多タップフィルタステップと、
    を有する映像処理方法。
  7. 平坦性算出ステップにおいて、各画素ごとに平坦性を算出する画素単位算出ステップを有し、
    フィルタリングステップにおいて、各画素ごとに前記選択をし、画素ごとに前記スケーリング処理を実行する画素単位フィルタリングステップを有する請求項に記載の映像処理方法。
  8. 小タップフィルタは2タップフィルタである請求項6または7に記載の映像処理方法。
  9. フィルタリングステップにおいて、算出された平坦性に応じて一の画素のスケーリングを実行するために、タップ数の異なる複数種のフィルタを、前記算出された平坦性に応じて決定された割合で複数利用する複数種フィルタステップを有する請求項6から8のいずれか一に記載の映像処理方法。
  10. フィルタリングステップにてスケーリング処理を実行する場合には、スケーリング処理実行前に輪郭強調処理を実行する前輪郭強調処理ステップを有する請求項6から9のいずれか一に記載の映像処理方法。
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