JP4761669B2 - 燃料タンク用気液セパレータの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動二輪車等の車両用燃料タンクの気液セパレータの製造技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば自動二輪車等の車両用燃料タンクの気液セパレータとして、本出願人の提案に係る特許第2696279号のような気液セパレータが知られており、この技術では、図7に示すような気液セパレータ50を製造するに際し、図8に示すように、上下一対のプレス成形品51a、51bを成形し、各プレス成形品51a、51bの外周フランジf、内周フランジgをロー付け等で接合することにより、ドーナツ状のセパレータ本体51を形成した後、所定部位にブリーザパイプ(不図示)を取り付けるようにしている。
尚、一方側のプレス成形品51aの内周部には、燃料タンクに取り付けるための複数の取付片hが突設されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のような気液セパレータは、上下のプレス成形品を重ね合わせて、周囲全面をロー付け等によって気密性を保ちながら接合するようにしているため、ロー付け等に工数がかかると同時に、ロー材等の使用量が多くなり、また、各プレス成形品51a、51bを成形するための上下のプレス型が必要となることもあって、製品コストが高くなるという問題があった。
【0004】
そこで本発明は、ロー付け等に工数がかからず、また、簡単な構成により廉価な気液セパレータが製造出来るようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、所定サイズのパイプを設定された長さに切断して一対のパイプを作製し、切断された各パイプの一端側を拡管するとともに、各パイプを曲げ加工することによりそれぞれを半円状に成形し、曲げ成形されたパイプの所定部位にピアス孔を穿設した後、各パイプを組合せてドーナツ状のセパレータ本体を小組し、複数個のステーを仮付けする。そして、この小組品をロー付けまたは溶接で本付けし、このセパレータ本体にブリーザパイプをロー付けまたは溶接するようにする。尚、ピアス孔は、例えばセパレータ本体の中空内部と外部を連通させる連通孔や、ブリーザパイプをセパレータ本体に挿し込むための挿通孔等である。
【0006】
このように半円状に曲げ成形した左右一対のパイプを組合せて接合することによりドーナツ状のセパレータ本体を成形するようにすれば、従来のように円周全域を接合することに較べて接合面積が減少し、接合工数が省ける。
また、上下のプレス型が不要となり、結果的に安価に作製出来る。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。
ここで図1は本発明に係る気液セパレータが装着される燃料タンクの説明図、図2は同燃料タンクのうち気液セパレータ取付部分の拡大図、図3は本気液セパレータの側面図、図4は図3の底面図、図5は気液セパレータの製造工程のフロー図、図6はパイプを接合する前の状態図である。
【0009】
本発明に係る燃料タンク用気液セパレータは、接合工程を削減すると同時に簡素な構造にすることで、製品コストを下げることが出来るようにされ、従来のように、板物の上下のプレス品を重ね合わせて接合する代わりに、パイプを半円状に曲げ加工したものを組合せて接合することを特徴としている。
【0010】
ここで、本気液セパレータについて説明する前に、本気液セパレータが適用される燃料タンクの全般構成について説明する。
自動二輪車等の燃料タンク1は、図1に示すように、タンクの上面側を形成する上部半殻体2と、下面側を形成する下部半殻体3の周縁部同士を溶接等で液密状に接合することにより構成され、下部半殻体3は、中央部が上方に窪む形態にされて不図示のフレームパイプの上部に跨ぐように取り付けることが出来るようにされ、また、上部半殻体3の頂部には、燃料注入口4が形成されている。
【0011】
そしてこの燃料注入口4には、図2に示すような受皿状の口金5が装着され、この口金5の周囲には、本発明の気液セパレータ6が取り付けられている。そしてこの気液セパレータ6は、気温の変化等によってタンク内の圧力が変動しないよう、内圧が高まるとタンク内の空気を外部に逃がす等によって、タンク内の圧力を一定に保持する機能を果たしている。
【0012】
因みに、口金5の底面には傾斜が設けられるとともに、略中央部には、タンク内に燃料を供給するための開口部5aが形成され、この開口部5aに筒部7が装着され、また、口金5の底面の傾斜面の低い箇所には、オーバーフローパイプ8を接続せしめるための接続口5fが設けられている。
そして燃料タンク1に燃料を供給する際、給油ガンを開口部5aの筒部7から挿入して給油し、燃料レベルが筒部7の上面を超えると、オーバーフローした燃料がオーバーフローパイプ8から排出されるようにしている。
【0013】
気液セパレータ6は、図3、図4に示すようにドーナツ状に構成されたセパレータ本体10と、このセパレータ本体10に接合される複数のステー11と、セパレータ本体10に接合されて下方に延出するブリーザパイプ12を備えており、前記ステー11は、図2に示す口金5の底面に取り付けることが出来るようにされるとともに、前記ブリーザパイプ12は、セパレータ本体10の下面側に形成される挿通孔sを通して中空部14内に挿入され、上端部がセパレータ本体10の突出部10tの上壁内面に対して僅かな隙間e(図2)を持たされて固定されている。
【0014】
そしてセパレータ本体10の上面と下面には、所定箇所に連通孔a、bが設けられ、この連通孔a、bによって、ドーナツ状のセパレータ本体10の中空部14内と燃料タンク1内が連通されるとともに、前記ブリーザパイプ12によって、中空部14内と燃料タンク1の外部とが連通されている。
また、セパレータ本体10の突出部10t内面とブリーザパイプ12との間の隙間eの高さ位置は、図2に示すように、口金5の筒部7の上面より高い位置に設定されており、このため、燃料を筒部7の上面まで一杯に給油した場合でも、隙間e部分が空気層に臨むこととなり、ブリーザパイプ12によって燃料タンク1内の空気圧を調整出来るようにしている。
【0015】
次に、本気液セパレータ10の製造方法について、図5、図6に基づき説明する。
まず、所定の太さ、材質等のパイプを準備し、このパイプを設定された長さに切断して一対のパイプ素材を作成する。
【0016】
次に、切断されたパイプ素材のそれぞれの一端側を拡管し、この拡管部に拡管前のパイプ径が嵌入出来るようにする。
次いで、このパイプ素材をベンダー加工し、図6に示すような半円状のパイプPを一対成形する。
【0017】
半円状のパイプPが曲げ成形されると、各パイプPの一端側付近に連通孔a、bとなるピアス孔を穿設する。この際、各パイプPの連通孔a、bは、組立てた際に上下方向となる方向で、しかも両者の位相がお互いに180度が異なる方向に穿設する。
また、一方側のパイプPの下面側には、ブリーザパイプ12を通すことの出来る挿通孔sを穿設し、この挿通孔sに対向する上面側には、上方側に向けて突出する突起部10tを形成する。
そしてこれらのパイプPに対して例えば無電解Ni等のメッキ処理を施す。
【0018】
次に、これらのパイプPの拡管部に、お互いのパイプPの他端側を嵌合させてドーナツ状になるように組合せ、セパレータ本体10を小組するとともに、このセパレータ本体10の所定位置に複数のステー11を仮付けし、その後、炉中ロー付けにより本付けする。その後、ブリーザパイプ12を挿通孔sに挿入して、挿入先端部と突起部10t内面との間に隙間eを持たせた状態にしてロー付け接合する。
そして最後に気密検査を行って完成品とする。
【0019】
以上のような方法により、セパレータ本体10を成形するのに、従来のように、板物の上下のプレス品を重ね合わせて接合しないため接合面積が大幅に少なくなり、気密性を保持しながら接合する作業の容易化が図れるとともに、接合工数の削減が図られ、しかも、ロー材の使用量を少なく出来る。
また、プレス型の必要もなく、安価に製造出来るようになる。
【0020】
尚、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
例えば、本気液セパレータが適用される燃料タンクは自動二輪車用に限られるものではなく、また、ステー11の位置や数等も例示である。
【0021】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る燃料タンク用気液セパレータは、半円状に曲げ成形された左右一対のパイプを組合せるとともに、これに複数個のステーを取り付けることによりドーナツ状のセパレータ本体を形成し、セパレータ本体の中空内部に連通するブリーザパイプを取り付けるようにしたため、従来のようにプレス成形する必要がなくなり、また従来に較べて接合面積が大幅に減少し、接合工数が省けるようになる。
この結果、安価に作製出来るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る気液セパレータが装着される燃料タンクの説明図
【図2】同燃料タンクのうち気液セパレータ取付部分の拡大図
【図3】本気液セパレータの側面図
【図4】図3の底面図
【図5】気液セパレータの製造工程のフロー図
【図6】パイプを接合する前の状態図
【図7】気液セパレータの従来図で、(a)は平面図、(b)は側方から見た説明図
【図8】従来のセパレータ本体の結合構造の説明図
【符号の説明】
1…燃料タンク、6…気液セパレータ、10…セパレータ本体、11…ステー、12…ブリーザパイプ、14…中空部、P…パイプ。
Claims (1)
- 所定サイズのパイプを設定された長さに切断して一対のパイプを作製する工程と、切断された各パイプの一端側を拡管する工程と、各パイプを曲げ加工することによりそれぞれを半円状に成形する工程と、曲げ成形されたパイプの所定部位にピアス孔を穿設する工程と、各パイプを組合せてドーナツ状のセパレータ本体を小組し、複数個のステーを仮付けする工程と、この小組品をロー付けまたは溶接で本付けする工程と、このセパレータ本体にブリーザパイプをロー付けまたは溶接する工程からなる燃料タンク用気液セパレータの製造方法。
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