JP4761258B2 - 光ファイバ特性測定装置及び光ファイバ特性測定方法 - Google Patents

光ファイバ特性測定装置及び光ファイバ特性測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、光ファイバ特性測定装置及び光ファイバ特性測定方法に関し、特に被測定対象としての光ファイバ内に生ずる誘導ブリルアン散乱現象を利用して、光ファイバに加わる歪みなどを分布的にセンシングする光ファイバ特性測定装置及び光ファイバ特性測定方法に関する。
光ファイバ中で生じるブリルアン散乱は、光ファイバに加わる歪みによって変化する。こうした現象を利用して、光ファイバの長さ方向に沿う歪みを分布的に測定する技術が構築されてきた。この測定技術は、ブリルアン散乱光の周波数変化を測定することで、歪みの大きさを測定できると共に、ブリルアン散乱光が戻ってくるまでの時間を測定することで、光ファイバの歪み箇所を特定することが可能なため、橋梁・橋脚,ビル,ダムなどの構造物や、航空機の翼・燃料タンクなどの材料に光ファイバを張り巡らせることで、これらの構造物や材料に加わる歪みの分布を知ることができる。そして、こうした歪みの分布から、構造物や材料の劣化や経年変化が分かり、防災や事故防止に役立てることができる。
これまで知られていた歪み分布量の測定方法は、光パルスを光ファイバに入射し、後方に散乱されるブリルアン散乱光を時間分解で測定するものであった。しかし、このような光パルスによる時間領域の測定方法では、測定時間(数分から10分掛かる)が長く、空間分解能(1mが限界)に制限があることから、様々な構造物を動的に管理するような用途には不十分である。そのため、空間分解能が高く、より短時間に歪みなどが生ずる箇所を特定できるブレークスルー技術がユーザーから求められていた。
こうした要求に応えるべく、本願発明者らは特許文献1や特許文献2において、従来の光パルスの時間分解測定方法とは異なり、連続光の干渉状態を制御することによって、光ファイバの長さ方向に沿うブリルアン散乱の分布測定技術を提案し、特許も取得した。この技術は、BOCDA(Brillouin Optical Correlation Domain Analysis:ブリルアン散乱光相関領域解析)法として知られており、1cmの空間分解能と約60Hzのサンプリング速度が達成され、注目されている。
ここで、ブリルアン散乱の原理について説明すると、一般的な光ファイバに光を入射した場合、光ファイバ材料の硝子分子が熱振動することにより発生する超音波のうち、波長が入射光波長の半分となる超音波が生じる。この超音波がもたらす硝子の周期的な屈折率の変化は、入射光に対してブラッグ回折格子として作用し、光を後方に反射する。これがブリルアン散乱現象である。反射光は超音波の速度に依存してドップラーシフトを受けるが、この周波数シフト量は光ファイバに加わる伸縮歪みで変化するので、当該シフト量を測定すれば、歪みを検知することができる。
より具体的には、図22の原理図に示すように、半導体レーザや信号発生器を含む光源101から、被測定光ファイバFUT中に二つの周波数の異なる伝搬波、すなわち強いポンプ光と弱いプローブ光とを対向して伝搬させる。このとき、ポンプ光とプローブ光との間で特別な位相(周波数)の適合状態を満足すると(fpump=fprobe+νB:fpumpはポンプ光の中心周波数、fprobeはプローブ光の中心周波数、νBはブリルアン周波数である)、両波の相互作用によりポンプ光からプローブ光へ光子を散乱する音響フォノンが発生する。これは、誘導ブリルアン散乱として、プローブ光の増幅をもたらす。但し、ポンプ光とプローブ光の周波数差が大きく揺らぐと、誘導は抑圧される。
特許文献1などにも記述されているように、BOCDA法の基本的な原理は、対向して伝搬するポンプ光とプローブ光に対して同じ周波数変調を与えることにより、被測定光ファイバFUTに沿って、位置に依存した強く先鋭な相関ピークを有する誘導ブリルアン散乱を周期的に発生させることにある。そのためBOCDA法では、光源101から出力する光を連続発振光とし、その発振周波数を正弦波状の繰り返し波形により変化させつつ、プローブ光の中心周波数fprobeとポンプ光の中心周波数fpumpとの差が、ブリルアン周波数νBの近傍になるように、図示しない光周波数変換器によりプローブ光の中心周波数fprobeを変化させる。これにより、ポンプ光とプローブ光の位相が非同期であり、両光の相関が低い殆どの位置では、散乱光を広い周波数範囲に渡って広げて薄める一方で、ポンプ光とプローブ光の位相が同期し、両光の相関が高い特別なcm程度の狭い領域(相関位置)では、本来のピーク状スペクトルをなす誘導ブリルアン散乱が発生する。そして、この相関位置を移動させることにより、誘導ブリルアン散乱による歪みの分布測定が可能になる。
図22では、被測定光ファイバFUTの各位置に生じる誘導ブリルアン散乱のスペクトル形状が示されている。ここで、BGとはブリルアンゲインを意味し、Δνはポンプ光とプローブ光との周波数差を意味する。光源101からの周波数変調された光により、被測定光ファイバFUTの殆どの位置では、誘導散乱スペクトルが周波数軸上に広がって薄められるが、特別な位置(相関位置)では、ポンプ光とプローブ光との相対的な周波数差が一定となって、本来のローレンツ型スペクトルの誘導ブリルアン散乱が起きる。
また、前述のように光源101に対して正弦波周波数変調が与えられると、BOCDA法での空間分解能Δzと測定範囲(隣接する相関位置の間隔)dmは、次の数1と数2によってそれぞれ与えられる。
ここで、Vは被測定光ファイバFUT内における光の速度であり、ΔνBは被測定光ファイバFUTのブリルアンゲイン線幅(一般的なファイバでは〜30MHz)であり、fは光源101の周波数変調周波数であり、Δfは周波数変調の振幅である。特許文献1で説明されているように、相関ピークが発生する位置(相関位置)を測定対象の範囲内で1つだけ存在させるために、数2の式を利用して測定範囲dmを調整する。この場合、測定範囲dmは周波数変調周波数fに反比例することから、光源101の周波数変調の速さである周波数変調周波数fを下げて、その周波数変化を緩やかにすれば、0次〜n次の隣接する相関位置の間隔ひいては測定範囲dを広げることができる。但し、周波数変調周波数fを可変するだけでは、プローブ光とポンプ光との光路差が零となる0次の相関位置は変化しない。そのため、測定範囲dを保ったまま0次〜n次の相関位置を全て変化させるには、プローブ光またはポンプ光のいずれか一方の光路中に光遅延器を挿入すればよい。こうして、光源101の周波数変調周波数fを可変することにより、ブリルアンゲインスペクトルを測定する相関位置を変化させることができる。
また、測定範囲dを広げるために、周波数変調周波数fを下げてしまうと、今度は数1からも明らかなように、空間分解能Δzが劣化して大きな値となってしまう。そこで、測定範囲dを広げつつ、空間分解能Δzを高く維持するには、プローブ光とポンプ光の各スペクトルが重なリ合わない範囲内で、光源101の周波数変調の振幅(変調振幅)Δfを大きくすればよい。
BOCDA法では、おおよそブリルアン周波数νBに相当するポンプ光とプローブ光との周波数差(Δν)付近を掃引しながら、被測定光ファイバFUTの終端におけるプローブ光のブリルアンゲインBGを検出し記録する測定手段を備えている。ここで被測定光ファイバFUTの端部から得られるブリルアンゲインのスペクトル形状(本測定法の出力)は、相関位置で生じたローレンツ型スペクトル(実信号)と、その他の位置で生じた広いスペクトルの積算値(雑音)との和になる。すなわち、これを図23で説明すると、この図23では、相関位置に歪みを与えない場合(上段の図)と、相関位置に歪みを与えた場合(下段の図)において、各検出出力のスペクトル形状が示されており、当該スペクトル形状は、相関ピークからの実信号S1の成分と、相関位置以外の全ての各位置からのノイズS2の成分とに分けることができる。そして、相関ピークの位置に対して歪みや温度の変化が与えられると、図23の下段の図に示すように、実信号S1だけがオリジナルの周波数差Δνからシフトする。つまり、相関位置で生じたブリルアンゲインスペクトルのピークが、実信号S1としてその相関位置における歪みを表わすことになり、光源101の周波数変調の周波数(f)を変化させて相関位置を掃引し、且つそれぞれの相関位置でスペクトルのピーク周波数を特定すれば、被測定光ファイバFUTに沿った歪みの分布測定が可能になる。
特許第3667132号公報 特許第3607930号公報
上述した被測定光ファイバFUTの歪みなどの特性を分布測定する装置や方法では、測定対象となる被測定光ファイバFUTが長くなるほど、その測定範囲dを広げなければならず、相関位置以外の各位置で薄められた不要な成分が積算されて、ノイズS2が増大する。すなわち、測定手段で検出されるノイズS2のレベルは、全ての非相関位置からのブリルアンゲインスペクトルを合計したものであるため、実信号と雑音との間のピーク−ピーク比(SNR)は、一定の空間分解能Δzの下で測定範囲dが広がるほど減少する。そのため、特に図23の下段の図に示すように、歪みによる実信号S1のシフト周波数が大きい位置で、その信号ピークがノイズS2のレベルよりも小さくなって、歪みの分布計測が不可能になってくる。
このように、背景のノイズS2の成分は、被測定光ファイバFUTの特性を分布測定する上での精度劣化をもたらすと同時に、測定範囲dを制限する要因となっており、こうした不要な成分であるノイズS2を抑制することが求められていた。
本発明は上記問題点に鑑み、非相関位置からの不要な成分を積算したノイズレベルを効果的に抑制することで、測定精度の向上を図ると共に、測定範囲を伸ばすことができる新規な光ファイバ特性測定装置及び光ファイバ特性測定方法を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成するために、本発明における光ファイバ特性測定装置は、周波数変調された光を出力する光源部と、前記光源部からの出力光を周波数シフトさせ、被測定光ファイバの一端からプローブ光として入射させるプローブ光生成手段と、前記光源部からの出力光を、前記被測定光ファイバの他端からポンプ光として入射させるポンプ光生成手段と、前記ポンプ光と前記プローブ光との周波数差を掃引しながら、前記被測定光ファイバから出射される前記プローブ光のブリルアンゲインを検出し、前記被測定光ファイバの特性を測定する測定手段とを備えた光ファイバ特性測定装置において、前記光源部の周波数変調に同期して、前記出力光の強度を変調させる強度変調手段を備えている。
この場合、前記強度変調手段は、前記出力光の周波数が変動中心に近づくにしたがって、その強度を最大値に近づけると共に、当該出力光の周波数が上限と下限に近づくにしたがって、その強度を最小値に近づけるように構成するのが好ましく、さらには前記出力光の周波数が上限と下限に達するタイミングで、出力光の強度を最小値よりも大きな値にするように構成するのが好ましい。
また、上記各構成において、前記強度変調手段を光強度変調器により構成するのが好ましい。代わりに、前記強度変調手段を光学フィルタにより構成するのが好ましい。また代わりに、前記強度変調手段を、正弦波以外の繰り返し波形で前記光源部からの出力光を周波数変調する信号発生器により構成するのが好ましい。
本発明における光ファイバ特性測定方法は、光源部で周波数変調された光を周波数シフトさせ、被測定光ファイバの一端からプローブ光として入射し、前記光源部で周波数変調された光を、前記被測定光ファイバの他端からポンプ光として入射し、前記ポンプ光と前記プローブ光との周波数差を掃引しながら、前記被測定光ファイバから出射される前記プローブ光のブリルアンゲインを検出し、前記被測定光ファイバの特性を測定する光ファイバ特性測定方法において、前記光源部の周波数変調に同期して、前記出力光に強度変調を施すことを特徴とする。
この場合、前記出力光に施される強度変調は、前記出力光の周波数が変動中心に近づくにしたがって、その強度を最大値に近づけると共に、当該出力光の周波数が上限と下限に近づくにしたがって、その強度を最小値に近づけることが好ましく、さらには前記出力光の周波数が上限と下限に達するタイミングで、出力光の強度を最小値よりも大きな値にすることが好ましい。
また、上記各方法において、前記出力光に施される強度変調が、光強度変調器で行なわれることが好ましい。代わりに、前記出力光に施される強度変調が、光学フィルタで行なわれることが好ましい。また代わりに、前記出力光に施される強度変調が、正弦波以外の繰り返し波形で前記光源部からの出力光を周波数変調する信号発生器で行なわれることが好ましい。
本発明の請求項1における光ファイバ特性測定装置、および請求項7における光ファイバ特性測定方法によれば、光源からの光に与えられる周波数変調に同期して、強度変調手段により強度変調をも施しているので、出力光の強度を特定の周波数で弱くしたり、または強くしたりすることも可能になり、当該出力光のスペクトル分布を適切に調整できる。そのため、相関ピーク位置以外で生じる周波数軸上に広がった雑音スペクトル形状を調節して、相関ピーク位置で生じるローレンツ型スペクトルのピーク周波数を精度よく測定することが可能になると共に、測定範囲を広げることができる。
本発明の請求項2における光ファイバ特性測定装置、および請求項8における光ファイバ特性測定方法によれば、光源からの出力光の周波数が変動するのに伴い、その周波数の上端および下端付近で出力光の強度が集中して偏ることを改善できる。そのため、ローレンツ型スペクトルのピークを背景スペクトルのピークより大きく維持でき、大きな歪が加わってもその値を正しく測定できる。
本発明の請求項3における光ファイバ特性測定装置、および請求項9における光ファイバ特性測定方法によれば、被測定光ファイバの歪量が無い場合や、少ない場合であっても、ローレンツ型スペクトルのピークを背景スペクトルのピークよりも大きくすることができ、被測定光ファイバFUTへの歪量の大小に拘らず、正確な歪測定が可能になる。
本発明の請求項4における光ファイバ特性測定装置、および請求項10における光ファイバ特性測定方法によれば、光源からの同期信号を受けて、光強度変調器が光源からの出力光に適切な強度変調を施すことが可能になる。
本発明の請求項5における光ファイバ特性測定装置、および請求項11における光ファイバ特性測定方法によれば、光学フィルタ自体のフィルタリング特性により、出力光に対してその周波数に応じた強度の調整が可能になるため、光源からの同期信号を必要とせず、極めて容易にノイズの低減と測定範囲の拡張を実現できる。
本発明の請求項6における光ファイバ特性測定装置、および請求項12における光ファイバ特性測定方法によれば、信号発生器を利用して出力光の周波数変調波形を正弦波状以外のものに変えるだけで、出力光に対し強度変調を施したものと同様に、出力光のスペクトル分布を適切に調整でき、ノイズの低減と測定範囲の拡張を実現できる。
以下、本発明における好ましい光ファイバ特性測定装置及び光ファイバ特性測定方法の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による光ファイバ特性測定装置を示している。同図において、1は光源であり、これは信号発生器2と半導体レーザ3とにより構成される。半導体レーザ3は、例えば小型でスペクトル幅の狭いレーザ光を出射する分布帰還型レーザダイオード(DFB LD)が用いられる。信号発生器2は、半導体レーザ3から出射されるレーザ連続光を正弦波状に繰り返して周波数変調(位相変調を含む)するために、所望の変調信号を当該半導体レーザ3に注入電流として出力するものである。
4は、前記半導体レーザ3に対し施された周波数変調に同期して、この半導体レーザ3からの出力光を強度変調する強度変調手段としての光強度変調器(IM)である。ここでの光強度変調器4は、入力信号に相当する信号発生器2からの同期信号を受けて、前記半導体レーザ3からの出力光の強度を変調できる機能を有し、具体的には電気光学変調器(EOM)により実現される。本実施形態では、既存のBOCDA法による光ファイバ特性測定装置に、こうした光強度変調器4を付加したことが注目されるが、強度変調手段の別な構成については、後程説明する。
6は、前記光強度変調器4により周波数と強度を共に変調されたレーザ光を、例えば強度比90/10に二分する第1の光分岐器で、分岐された一方のレーザ光は、エルビウム添加光ファイバ増幅器(以下、EDFAという)7により増幅される。さらに、EDFA7で増幅した強度変調光は、単一側帯波変調器(SSBM:以下SSB変調器という)8によって約10GHz周波数が下げられ、プローブ光として被測定光ファイバFUTの一端に入射する。
前記SSB変調器8は、2つの一次側帯波の中で高域の周波数成分を抑制すると共に、ポンプ光から安定した周波数差Δνを維持できるように、マイクロ波と正確なDCバイアス制御を利用しており、入力光に対しマイクロ波周波数に等しい周波数差Δνを有する低周波側の側帯波を、プローブ光として出力するようになっている。さらに、SSB変調器8の後段には、偏光ダイバーシティ法を適用するための偏光スイッチ(PSW)9が挿入される。この偏光スイッチ9は、ブリルアンゲインの偏光に依存した振れを抑制するために設けられている。
一方、前記第1の光分岐器6で分岐された他方のレーザ光は、所定の長さの光ファイバからなる光遅延器11を通過し、基準信号発生器12を有する光強度変調器13により強度変調された後、EDFA14により増幅される。そして、このEDFA14で増幅した強度変調光は、第2の光分岐器15を通過後、被測定光ファイバFUTの他端からポンプ光として入射し、被測定光ファイバFUT内でプローブ光とポンプ光が向かい合って伝搬するようになっている。なお、光遅延器11は前述のように、ポンプ光とプローブ光との間に所定の遅延時間を設定するためのもので、光ファイバ長を変えることで、遅延時間を適宜調整することができる。
前記被測定光ファイバFUTの他端からの出射光は、第2の光分岐器15を介して光検出器20に取り込まれ、そのパワーが測定される。光検出器20からの検出出力は、ロックイン増幅器21を通ることにより、ポンプ光の変調周波数で同期検波され、誘導ブリルアン現象に伴うプローブ光のブリルアンゲインが、例えばパーソナルコンピュータで構成される測定手段としてのデータ処理器23に、最終的なデータとして所定のサンプリング率で取り込まれる。
なお、ポンプ光の光路中に設けられた光強度変調器13は、前記光強度変調器4と同じく例えば電気光学変調器で構成される。また、第1の光分岐器6や第2の光分岐器15は、サーキュレータ,ビームスプリッタ,ハーフミラーなどを用いてもよい。さらに他の変形例として、光源部としての光源1は、プローブ光とポンプ光のそれぞれに独立して別なものが設けられていてもよく、その場合は各光源1の周波数変調に同期する強度変調手段を、それぞれの光源1毎に設ければよい。
そして本実施形態では、EDFA7,SSB変調器8,偏光スイッチ9が、光源1の出力光からプローブ光を生成するプローブ光生成手段31を構成し、光遅延器11,光強度変調器13,EDFA14,第2の光分岐器15が、光源1の出力光からポンプ光を生成するポンプ光生成手段32を構成し、光検出器20,ロックイン増幅器21,データ処理器23が、ポンプ光とプローブ光との周波数差を掃引しながら、被測定光ファイバFUTの終端から出射されるプローブ光のブリルアンゲインを検出し、被測定光ファイバFUTの特性の一つである歪みを測定する測定手段33を構成している。
前述したように、図1に示す装置も、BOCDA法の基本的な原理に従い、光源1からの光を連続発振光とし、その発振周波数を信号発生器2により正弦波状の繰り返し波形により変化させつつ、プローブ光の中心周波数fprobeとポンプ光の中心周波数fpumpとの差が、ブリルアン周波数νBの近傍になるように、SSB変調器8がプローブ光の中心周波数fprobeを変化させている。これにより、ポンプ光とプローブ光の位相が非同期であり、両光の相関が低い殆どの位置では、誘導が抑圧されるが、ポンプ光とプローブ光の位相が同期する相関位置では、誘導ブリルアン散乱が発生する。そして、この相関位置を移動させることにより、ブリルアン散乱による歪みの分布測定が可能になる。
誘導ブリルアン散乱による相関位置は、プローブ光およびポンプ光への変調が周期的であることから、アイソレータ16とサーキュレータ(第2の光分岐器)15で挟まれた被測定ファイバFUTに沿って周期的に現れる。そのため、被測定ファイバFUT内に相関ピークが位置的に1つだけ存在するように、光遅延器11の遅延量や半導体レーザ3に印加する周波数変調周波数fを調整する。さらに、装置としての空間分解能Δzを高く維持したまま、その測定範囲を広げるために、プローブ光とポンプ光の各スペクトルが重なリ合わない範囲内で、半導体レーザ3に対する周波数変調の振幅Δfを増やす必要がある。
次に、上記図1に示す装置の動作を説明すると、信号発生器2からの注入電流により半導体レーザ3から周波数変調されたレーザ光が出射すると共に、この信号発生器2から光強度変調器に出力される同期信号により、光強度変調器4を通過する前記出力光がその周波数変調に同期して強度変調される。この周波数と強度を共に変調されたレーザ光は、第1の光分岐器で所定の強度比に分岐され、一方の光はEDFA7によって増幅された後に、SSB変調器8に入力される。SSB変調器8は、当該変調光をSSB変調して、この変調光の中心周波数に対してブリルアン周波数νBに近い周波数差Δν(約10GHz)の側帯波を発生し、この側帯波が偏光スイッチ9とアイソレータ16を通って、被測定光ファイバFUTの一端にプローブ光として入射される。
一方、第1の光分岐器6から分岐した他方の変調光は、光遅延器11を通過して所定の遅延時間を与えられた後、光強度変調器13に入力され、ここで基準信号発生器12から発生する基準信号の周波数に基づき強度変調される。この強度変調によりチョッピングされた変調レーザ光は、続くEDFA14によって増幅され、第2の光分岐器15を経て、被測定光ファイバFUTの他端にポンプ光として入射される。
こうして、被測定光ファイバFUT中にプローブ光とポンプ光が互いに逆向きに伝搬すると、反射や後方散乱を受けたポンプ光の一部が、被測定光ファイバFUTから出射されると共に、誘導ブリルアン散乱によるプローブ光の増加分が、連続したプローブ光に重畳して被測定光ファイバFUTから出射される。これらの出射光を光検出器20により検出し、ロックイン増幅器21によりポンプ光の強度変調周波数で同期検波すると、ポンプ光のチョッピングに同期して発生するプローブ光の増加分だけが取り出されて増幅出力され、それ以外の周波数成分は除去される。なお、この図1には示していないが、被測定光ファイバFUTからは、反射や後方散乱を受けたポンプ光の一部も出射されるため、こうしたポンプ光を除去するために、光検出器20の前段に光学フィルタを介在させてもよい。データ処理器23は、ロックイン増幅器21からの出力信号を受けて、相関ピーク位置における誘導ブリルアン散乱スペクトルのピークがどの周波数にあるのかを判断して、被測定光ファイバFUTにおける歪みの分布測定を行なう。
ここで、従来のように光強度変調器4を設けていない装置では、一定の空間分解能Δzの下で測定範囲dを広げようとすると、図23に示す相関ピークによる実信号S1と、非相関位置からの薄められた不要成分を累積したノイズS2との間のピーク−ピーク比(SNR)が小さくなって、実信号S1のピーク周波数を正しく計測できなくなる。これは、光源1からの出力光のスペクトル分布を、任意に調整できないことに起因する。
その点、本実施形態では、光源1からの出力光に対し単に周波数変調を施すだけでなく、光強度変調器4によりこの周波数変調に同期して強度変調をも施しているので、例えば出力光の強度を特定の周波数で弱くしたり、または強くしたりすることも可能になり、当該出力光のスペクトル分布を、特定の周波数領域にのみ強調されないように適切に調整できる。そのため、相関ピークによる実信号S1とノイズS2との間のSNRを改善してノイズS2を低減し、実信号S1のピーク周波数を正しく計測すると共に、測定範囲dを広げることが可能になる。
次に、図1における装置の実験例とその結果について説明する。この実験例では、光源1の半導体レーザ3として1552nmの分布帰還型レーザダイオード(DFB LD)を利用し、試験用の被測定光ファイバFUT内で相関ピークを発生させるために、信号発生器2による正弦波周波数変調が与えられた。半導体レーザ3からの出力は、ブリルアンポンプ光として直接利用され、相関ピークの次数を制御するために、光遅延器11としての3kmの遅延用ファイバを通過した後で、EDFA14により増幅された。一方、プローブ光は、2つの一次側帯波の中で高い方の周波数成分を抑制し、ポンプ光に対し安定した周波数差Δνを得るために、マイクロ波と正確なDCバイアス制御を利用したSSB変調器8を通して生成された。このSSB変調器8における他の周波数成分との抑制比は、25dB以上を確保した。ポンプ光にはロックイン検波のための強度変調が施され、そのチョッピング周波数は3.8MHzであった。帯域が125MHzのフォトダイオードが光検出器20として利用され、最終的なデータがロックイン増幅器21の後で取り込まれた。
半導体レーザ3の周波数変調周波数fは、被測定光ファイバFUTの相関ピーク位置に依存して310〜330kHzとしており、これは前記数2によれば、310m以上の相関ピークの間隔すなわち測定範囲dに対応する。周波数変調の振幅Δfは9.5GHzであり、また数1から、測定の空間分解能Δzは約30cmと計算される。
被測定光ファイバFUTは、図5に示すように、連続した一般的なファイバ(SMF:単一モード光ファイバ)と、30cmの長さを有する3つの分散シフト光ファイバ(DSF)とを融着接続してなり、その全体長は約305mである。また、被測定光ファイバFUTの平均的なブリルアンシフト量すなわちブリルアン周波数νBは、DSF部では10.5GHzであり、またSMF部では10.8GHzであった。これらの2つのファイバ部におけるブリルアン周波数νBの違いは、分布感知の殆どの状況をカバーできる〜6000μεの誘導歪みに相当する。
本実験例では、従来の強度変調を施さず正弦波周波数変調だけを与えた場合と、光強度変調器4を利用して3つの異なる強度変調を加えた場合のそれぞれについて、図6(a)に示すような異なるパワースペクトルの変調光を生成した。同図において、「No IM」は従来の正弦波周波数変調だけを与えた場合の変調光を、また「IM1」,「IM2」,「IM3」は、光強度変調器4による強度変調を施した変調光を意味しており、それぞれの変調光について、光学スペクトルアナライザで測定した時間平均のパワースペクトルが示されている。
ここでは、最初に従来の変調光(No IM)によるパワースペクトルを補償することで、光パワーが殆どの周波数領域に渡り平坦な上部を有する変調光(IM1)のパワースペクトルを生成した。また、他の変調光(IM2,IM3)のパワースペクトルは、前記変調光(IM1)のパワースペクトルを得る際に光強度変調器4に施したオフセットと振幅を調整することで生成した。すなわち、従来の光源1から得られる変調光(No IM)は、正弦波状にその周波数が振られるため、周波数の最大変位部分に比較的長い時間留まり、パワースペクトルは変調した周波数の上限と下限付近の両端で強度が大きくなる。一方、変調光(IM1)では、光強度変調を同期して施すことにより、その強度が全周波数幅に渡りほぼ平坦となるように調整される。また、別な変調光(IM2)では、その強度が周波数幅のほぼ中心で最大となるように(つまり周波数に対して凸状の強度特性を有するように)調整され、さらに変調光(IM3)では、周波数幅の両端に強度が大きくなる部分を残しつつ、周波数幅のほぼ中心でも強度が大きくなるように調整される。なお、図6(b)では、従来の周波数変調波形(実線)を示す変調電圧と、平坦な上部を有する変調光(IM1)のパワースペクトルを生成するのに与えられた光強度変調器4の透過率(破線)とを示している。
各変調光(No IM,IM1,IM2,IM3)を用いて測定したブリルアンゲインスペクトルは、それぞれ被測定光ファイバFUTの各部で測定され、図5におけるDSFの「2」の部分とSMFの任意の位置にある部分が、測定点として選択された。ここでは、SSB変調器SSBMの周波数差Δνを10.2GHzから11.2GHzに掃引し、1つの地点に対する測定の全体速度を10Hzとした。
こうして生成した各変調光(No IM,IM1,IM2,IM3)を用い、測定手段33によりDSF部およびSMF部で測定されたブリルアンゲインスペクトルを、図7にそれぞれ示す。同図において、左上のグラフは従来の強度変調を施さない変調光(No IM)によるDSF部およびSMF部の各ブリルアンゲインスペクトルを示しているが、特にDSF部において、実信号の成分がノイズレベルよりも小さくなっており、ここでは実信号の状態を正確に検出することができず、最終的なピーク周波数判定による歪み量の測定が不可能となる。一方、右上,左下,右下の各グラフは、強度変調を施した各変調光(IM1,IM2,IM3)によるDSF部およびSMF部の各ブリルアンゲインスペクトルをそれぞれ示しており、強度変調を施した全ての場合において、実信号の振幅と比較してノイズピークがかなり減少していることがDSF部で観測される。そのため、各変調光(IM1,IM2,IM3)のいずれの場合も、DSF部ではピーク周波数を正しく判定できる。また変調光(IM1,IM2)の場合には、背景のノイズレベルの中心で大きな窪みが観測され、これがSMF部のブリルアンゲインスペクトルBGSに示すような実信号の「吸収」作用をもたらして、SMF部の測定時にローレンツ型スペクトルを観測できない問題を発生させる。しかし、こうした窪みは、ブリルアンゲインスペクトルBGSの全体形状をほぼ維持しながら、強度変調のオフセットと振幅を制御すれば除去できる。変調光IM3の観測結果は、この点で最適な状況を示しており、ここではSMF部およびDSF部の何れについても、ブリルアンゲインスペクトルBGSの背景ノイズレベルが、実信号に対して低く平坦に残っており、信号ピークはノイズレベルに対して明確に区別されている。すなわち、ここでの変調光IM3は、実信号のピーク周波数をどの部分でも正しく判定できるという点で、最も効果的な強度変調の一例であることがわかる。
同一の信号振幅の下で、強度変調を施さない場合(No IM)と、最適な強度変調を施した場合(IM3)とを比較したブリルアンゲインスペクトルの測定結果が、図8に示されている。なお同図において、(a)はDSF部の測定結果を、また(b)はSMF部の測定結果を示している。前記SNRを、前記実信号と背景ノイズとの間のピーク−ピーク比として定義すると、DSF部におけるブリルアンゲインスペクトルでは、SNRが0.82から1.27になって、45%の改善が算出された。達成されたSNRを考えると、この実験装置では、測定範囲dmをさらに拡大する余裕を持っていると思われる。
最適な強度変調を施した変調光(IM3)による効果を確認するために、同一の実験装置を利用して、強度変調を施した場合と強度変調を施さない場合において、測定光ファイバFUT上で10cm単位で分布測定を行なった結果を図9に示す。ここでは、前記図5の「1」,「2」,「3」に対応して、DSF部の各位置とブリルアン周波数νBとの関係が、(a),(b),(c)にそれぞれ示されている。図9で明確に示されているように、最適な強度変調を施した変調光(IM3)では、どの位置のDSF部であっても正確に検出されており、これに対して強度変調を施さない場合(NO IM)には、DSF部としての位置が失われている。なお、ここでのブリルアン周波数νBの測定誤差は、約±3MHzであった。
以上のように、ここでは光源1からの出力光に強度変調を施すことで、BOCDA法の性能を高める新規な装置と方法を実証した。この実験結果によれば、適切な強度変調を施すことによって、ブリルアンゲインスペクトルにおける背景ノイズレベルの変更と抑圧が可能になり、測定範囲を大幅に増大できる。また、30cmの空間分解能と300mの範囲にわたる分布測定が可能になり、通常の周波数変調だけでは正確に測定できない場合でも、性能の向上が確認できた。結果的に、SNRは40%以上に改善された。
次に、変調波形をさらに最適化して得た別な実験例とその結果を説明する。使用した実験装置は、前記図1に示したものと同じであるが、周波数変調の振幅Δfを32.5GHzとし、また半導体レーザ3の周波数変調周波数fを91〜101kHzとした。これは1010m以上の測定範囲dと、30cm未満の空間分解能Δzに対応する。また、光遅延器11として10km以上の遅延用ファイバを使用した。
さらに、ここでの被測定光ファイバFUTは、図10に示すように、各々100m,400mおよび500mの長さを有する3つの一般的なファイバ(SMF)と、各々30cmの長さを有する4つの分散シフト光ファイバ(DSF)とを連結してなり、その全体長は約1010mである。被測定光ファイバFUTの平均的なブリルアン周波数νBは、DSF部では10.5GHzであり、またSMF部では10.8GHzであって、これは前記図5に示すものと同じである。
この実験例では、従来の強度変調を施さず正弦波周波数変調だけを与えた場合(No IM)と、光強度変調器4を利用して最適な強度変調を加えた場合(with IM)のそれぞれについて、図11に示すような異なるパワースペクトルの変調光を生成した。この場合も、強度変調を施さずに得られた変調光(No IM)のパワースペクトルは、変調した周波数の上限と下限付近の両端で強度が大きくなり、また最適な変調光(with IM)のパワースペクトルは、変調した周波数の両端に強度が大きくなる部分を残しつつ、変調した周波数幅のほぼ中心でも強度が大きくなるように調整される。
図12は、上記従来の場合(No IM)と、最適な強度変調を施した場合(with IM)に測定されたブリルアンゲインスペクトルの比較結果を示している。図12(a)と図12(b)は、DSF部とSMF部のそれぞれにおいて、SSB変調器SSBMの周波数差Δνを10.2GHzから11.2GHzに掃引したときのブリルアンゲインの測定結果を示している。矢印として示したブリルアン周波数νBのピークは、相関ピークからの局所ブリルアン信号(前述の実信号)であり、その振幅は同じスケールで正規化されている。残りの部分は、測定光ファイバFUTの残りの全部分からの累積した背景ノイズである。測定光ファイバFUTのDSF部およびSMF部の何れにおいても、最適な強度変調を施した場合(with IM)には、従来の強度変調を施さない場合(No IM)よりも、背景ノイズの振幅が比較すると大幅に低減していることが明確に示されている。特に図12(a)におけるDSF部の測定結果において、最適な強度変調を施した場合(with IM)には、ノイズレベルがブリルアン信号よりも低く抑制されており、簡単なピーク検索による局部ブリルアン周波数の正確な検出が可能になる。
図13は、最適な強度変調を施した場合(with IM)において、測定光ファイバFUT上で10cm単位で分布測定を行なった結果を示している。ここでは、前記図10の「1」,「2」,「3」,「4」に対応して、DSF部の各位置とブリルアン周波数νBとの関係が、(a),(b),(c),(d)にそれぞれ示されている。図13の結果からも明らかなように、1kmもの長さの測定光ファイバFUTにわたって、30cmのDSF部が正しく検出されている。なお、ここでのブリルアン周波数νBの測定誤差は、約±3MHzであった。
以上のように、この実験例では、図11に示すようなスペクトル形状の光が出射されるように、光強度変調器4により光源1からの出力光に対し適切な強度変調を施すことで、BOCDA法の性能をさらに高めることが可能になる。この実験結果によれば、適切な強度変調を施すことによって、ブリルアンゲインスペクトルにおける背景ノイズレベルをさらに抑圧でき、30cmの空間分解能で1kmの範囲にわたる分布測定が可能になる。
このように、第1の実施形態における光ファイバ特性測定装置は、周波数変調された光を出力する光源部としての光源1と、光源1からの出力光の一部を周波数シフト手段であるSSB変調器8で周波数シフトさせ、被測定光ファイバFUTの一端からプローブ光として入射させるプローブ光生成手段31と、光源1からの出力光の一部の残りを、被測定光ファイバFUTの他端からポンプ光として入射させるポンプ光生成手段32と、ポンプ光とプローブ光との周波数差Δνを掃引しながら、被測定光ファイバFUTから出射されるプローブ光のブリルアンゲインを検出し、被測定光ファイバFUTの特性を測定する測定手段33とを備えた装置において、光源1からの光の周波数に対するスペクトル分布を任意に調整するスペクトル分布調整手段として、光源1に施される周波数変調に同期して、出力光の強度を変調させる強度変調手段としての光強度変調器4を備えている。
これに対応して、第1の実施形態における光ファイバ特性測定方法は、光源部である光源1からの周波数変調された光を例えばSSB変調器8などで周波数シフトさせ、被測定光ファイバFUTの一端からプローブ光として入射する一方で、同じまたは別な光源1で同様に周波数変調された光を、被測定光ファイバFUTの他端からポンプ光として入射し、ポンプ光とプローブ光との周波数差Δνを掃引しながら、被測定光ファイバFUTから出射されるプローブ光のブリルアンゲインを検出し、被測定光ファイバFUTの特性を測定する方法において、光源1からの光の周波数に対するスペクトル分布を任意に調整するために、光源部の周波数変調に同期して、出力光に強度変調を施すようにしている。
なお、ここでいう光源部とは、図1に示すように単独の光源1からプローブ光とポンプ光とを生成するものだけでなく、プローブ光とポンプ光のそれぞれに光源を設けたものなども含む。
上記装置や方法では、光源1からの光に与えられる周波数変調に同期して、強度変調手段により強度変調をも施しているので、出力光の強度を特定の周波数で弱くしたり、または強くしたりすることも可能になり、当該出力光のスペクトル分布を適切に調整できる。そのため、相関ピーク位置以外で生じる周波数軸上に広がった雑音スペクトル形状を調節して、相関ピーク位置で生じるローレンツ型スペクトルのピーク周波数を精度よく測定することが可能になると共に、測定範囲dを広げることができる。つまり、非相関位置からの不要な成分を積算したノイズレベルを効果的に抑制することで、測定精度の向上を図ると共に、測定範囲dを伸ばすことができる新規な光ファイバ特性測定装置及び光ファイバ特性測定方法を提供できる。
また、本実施形態における光ファイバ特性測定装置は、前記強度変調手段を光強度変調器4により構成している。これに対応して、本実施形態における光ファイバ特性測定方法は、出力光に施される強度変調が、光強度変調器4で行なわれている。
この場合、光源1からの同期信号を受けて、光強度変調器4が光源1からの出力光に適切な強度変調を施すことが可能になる。
次に、上記第1実施形態に代わる別な装置や方法について、好ましい実施形態を幾つか説明する。なお、第1実施形態と共通の部分には共通の符号を付し、同一箇所の説明は重複を避けるため極力省略する。
図2は本発明の第2実施形態の装置を示しているが、ここでは前記光強度変調器4に代わって、適切な透過スペクトル特性を有する光学フィルタ41を、光源1からの出力光の光路中に配置している。この場合も、光源1からの出力光の周波数変調に同期して、強度変調手段としての光学フィルタ41が実質的に強度変調を施こすことになり、出力光のスペクトル分布を適切に調整できる。また、光学フィルタ41を用いた場合は、光学フィルタ41自体のフィルタリング特性により、出力光に対してその周波数に応じた強度の調整が可能になるため、信号発生器2からの同期信号を必要とせず、極めて容易にノイズS2の低減と測定範囲dの拡張を実現できる。
さらに、別な強度変調手段の構成として、第1実施形態における外部変調方式の光強度変調器4に代わり、正弦波以外の繰り返し波形で光源1からの出力光を周波数変調する直接変調方式の信号発生器51を利用してもよい。図3は、その一例を第3実施形態として示したもので、ここでの信号発生器51は、例えば三角波状の繰り返し波形により半導体レーザ3からの出力光を周波数変調する機能を有する。
図14は、従来の正弦波状の繰り返し波形で出力光を周波数変調した場合と、正弦波以外の繰り返し波形で出力光を周波数変調した場合の、周波数変調波形と、そこから計算される時間平均スペクトル形状をそれぞれ示している。同図(a)では、上段に正弦波状に光源1の出力光の周波数を変化させた従来の周波数変調波形(便宜上、ここでは余弦波になっているが、実質上は等価である)が示されているが、この場合は変動する周波数の最大変位部分に比較的長く留まるので、下段のスペクトル形状の波形に示すように、周波数の上限および下限付近の両端で、スペクトラム強度(パワー)が大きく偏ってしまう。一方、図14(b)の上段に示す三角波形状で光源1の出力光の周波数を変化させた場合には、どの周波数にも同じ時間だけ留まるので、同図(b)の下段に示すように、スペクトラム強度が均一になる。さらに図14(c)の上段に示す繰り返し波形で光源1の出力光の周波数を変化させた場合には、同図(c)の下段に示すように、スペクトラム強度がガウス分布状になる。
図15は、前記図14に示す各周波数変調波形を有する出力光を用いて、被測定光ファイバFUTのDSF部を測定した場合に、ブリルアンゲインスペクトル形状がどのようになるのかをシミュレーションした結果をあらわしている。同図において、W1は前記図14(a)の条件に合致し、W2は図14(b)の条件に合致し、W3は図14(c)の条件に合致している。また、ここでの被測定光ファイバFUTは、全体の1000分の1だけがDSF部で、それ以外の残りはSMF部であることを想定している。図15(a)は正規化されたブリルアンゲインスペクトル形状を示し、図15(b)は絶対値のブリルアンゲインスペクトル形状を示しているが、特に三角波の繰り返し波形で光源1の出力光を周波数変調させた場合には、DSF部のピーク周波数が判定し易くなっていることがわかる。このように、周波数変調波形を工夫するだけで、光源1の出力光に対し等価的に強度変調を施すことができ、ノイズの低減と測定範囲dの拡大がある程度は可能になる。
第3実施形態では、前述の強度変調手段を、正弦波以外の繰り返し波形で光源1からの出力光を周波数変調する信号発生器51により構成している。また、ここでは、出力光に施される強度変調が、正弦波以外の繰り返し波形で光源1からの出力光を周波数変調する信号発生器51で行なわれている。このように、信号発生器51を利用して出力光の周波数変調波形を正弦波状以外のものに変えるだけで、出力光に対し強度変調を施したものと同様に、出力光のスペクトル分布を適切に調整でき、ノイズの低減と測定範囲の拡張を実現できる。
図4は、本発明における第4実施形態の装置を示している。この実施形態は、本願発明者らが先に特願2005−348482で提案した「ダブルロックイン法」を、第1実施形態の装置構成に組み込んだものである。なお、図4では強度変調手段として光強度変調器4を用いているが、第2実施形態における光学フィルタ41や、第3実施形態における信号発生器51を代わりに用いてもよい。ここでは、ポンプ光とは異なる周波数で、プローブ光にも第2の基準信号発生器61を有する第2の光強度変調器62により強度変調を施すとともに、光検出器20からの検出出力は、直列接続された第1のロックイン増幅器21と第2のロックイン増幅器22を通ることにより、ポンプ光の変調周波数とプローブ光の変調周波数でそれぞれ同期検波され、誘導ブリルアン現象に伴うプローブ光の増加分だけが、データ処理器23に最終的なデータとして所定のサンプリング率で取り込まれるようになっている。
そして被測定光ファイバFUT中を伝搬するプローブ光とポンプ光は、それぞれ第2の光強度変調器62と第1の光強度変調器13によって、異なる周波数でチョッピングされる。このような両光を被測定光ファイバFUT中で対向して伝搬させると、チョッピングされたプローブ光に重畳して、誘導ブリルアン散乱によるプローブ光の増加分が、ポンプ光の強度変調周波数によりチョッピングされた状態で、被測定光ファイバFUTから出射される。この出射光を光検出器20で検出し、第1のロックイン増幅器21によりポンプ光の強度変調周波数で同期検波すると、同じ強度変調周波数成分を含む前記ポンプ光の一部とプローブ光の増加分だけが取り出されて増幅出力され、それ以外の周波数成分は除去される。第1のロックイン増幅器21で検波されたポンプ光の一部は、プローブ光の強度変調周波数の影響を受けていないが、同じく第1のロックイン増幅器21で検波された誘導ブリルアン散乱によるプローブ光の増加分は、元のプローブ光の強度変調周波数に同期している。そのため、後段の第2のロックイン増幅器22によりプローブ光の強度変調周波数で同期検波すると、プローブ光の増加分だけが取り出されて増幅出力され、それ以外のポンプ光の一部を含む他の雑音成分がここで完全に除去される。
つまり、図4に示す装置では、元のプローブ光にもポンプ光とは異なる周波数で強度変調が施されているので、第1のロックイン増幅器21でポンプ光の一部とプローブ光の増加分を同期検波した後も、歪み測定に必要なプローブ光の増加分だけが、元のプローブ光の強度変調周波数に同期している。このことを利用すれば、光検出器20の前段に光波長フィルタを配置することなく、第2のロックイン増幅器22によって、プローブ光の増加分を他の成分から完全に分離することができる。しかも、装置として空間分解能Δzを高く維持したまま測定範囲dを拡大させることを目的として、光源1の周波数変調の振幅Δfをある程度広げた場合でも、ポンプ光とプローブ光の周波数差Δνを利用して、プローブ光の増加分を検出してはいないので、この振幅Δfの影響を受けることなく、必要なプローブ光の増加分だけを正しく検出できる。
こうして、上記第1〜第3実施形態で説明した強度変調と、この第4実施形態で説明した「ダブルロックイン法」とを組み合わせることで、相乗的に測定範囲dの拡大を実現できる。勿論、「ダブルロックイン法」以外の各種BOCDA法において、上記第1〜第3実施形態で説明した強度変調の概念を組み込んでも、測定精度の向上を図れると共に、測定範囲dを拡大できることは言うまでもない。
次に、従来例と本実施形態におけるBOCDAシステムの各シミュレーション結果を、図16〜図21に基づき説明する。
図16は、光源1からの出力光に対して周波数変調のみを施した場合における、BOCDAシステムの各部シミュレーション波形を示している。ここでは、図16(a)上段の波形によって、出力光に対し正弦波状の周波数変調を行ない、被測定光ファイバFUTに沿って誘導ブリルアン散乱が生じる位置を局在化させる。一方、図16(a)下段は出力光の強度変調波形であり、ここでは強度変調を行っていないことを表している。このとき、光源1の出力光の時間平均スペクトルは、図16(b)のようになるが、これは前記図14(a)下段の波形に等しい。
この場合、誘導ブリルアン散乱を局在発生させた位置(測定点)ではローレンツ型のスペクトルが生じる。一方で、局在化位置以外では周波数軸上に広がったスペクトルとなり、その被測定光ファイバFUTに沿う積分が本測定システムの出力スペクトル中に現れる。そのスペクトル形状は、中心の周波数で僅かな窪みを生じ、そこから周波数が高くまたは低くなるに従って湾曲状に減少する勾配部を有するいわゆる富士山型である。被測定光ファイバFUTに沿って1箇所にのみ歪があるとき得られるBOCDAシステムの出力スペクトルを、図16(c)に示す。ここでは、歪の大きさが変わると、富士山型の背景スペクトル上をローレンツ型スペクトルがすべり落ちるように変化する。
従来は、空間分解能Δzに比して被測定レンジすなわち測定範囲dが長くなると、この背景スペクトルが相対的に大きくなって測定精度が落ちる。さらに重要なことは、従来は歪量が大きくなると、ローレンツ型スペクトルの先端より富士山型の背景スペクトルの頂点の方が高くなり、歪の検出が不可能となることである。
図16(d)は、歪量の関数として、測定点のスペクトルと富士山型スペクトルの高さの比をプロットしたものである。このSNRの値が1以下となると、歪測定が不可能となる。このシミュレーションでは、図16(d)で示すように、ブリルアン周波数νBのシフト量として、230MHzが歪測定の限界であることを示しており、これは0.46%(4,600με)の歪量に対応する。
続いて、出力光に周波数変調と強度変調を併用して施した場合について説明する。上記各実施形態のように、光源1として半導体レーザ3を用い、周波数変調をその直接周波数変調特性を活用して実行した場合には、半導体レーザ3への注入電流の変化による周波数変調に付随して強度変調も生じる。この影響をシミュレーションしたのが、図17である。
ここでは、半導体レーザ3の注入電流に比例して、周波数も強度も共に変化するものと考えられる。この様子を示すのが、図17(a)の上段における出力光の周波数変調波形と、図17(a)の下段における出力光の強度変調波形である。出力光に対する強度変調が大きくなるに従い、図17(b)に示す時間平均スペクトルが非対称になる。例えば、強度変調の度合いを示す変調率が、30%,60%,90%と次第に大きくなった場合をシミュレーションすると、時間平均スペクトルの非対称性は増加する。このような非対称性が増加するのに伴い、図17(c)に示したように、富士山型の背景スペクトルの勾配がきつく急になる。つまり、歪量の検出限界がより小さくなる。なお、図17(c)における「No IM」は、従来の強度変調を施さない場合のスペクトル形状である。
図17(d)は、歪量の関数として、測定点のスペクトルと富士山型スペクトルの高さの比をプロットしたものである。ここでは、時間平均スペクトルの非対称性が増大するほど、つまり強度変調が大きくなるほど、歪量の検出限界が小さくなることが明示されている。一例として、変調率60%の強度変調では、ブリルアン周波数νBのシフト量として、約200MHzが歪測定の限界となっている。
つまり、半導体レーザ3の直接周波数変調特性を活用する際、これに伴って生じる強度変調の影響を補償することが望まれる。
図18は、こうした強度変調による影響を補償すべく、正弦波状に変化する周波数変調に同期して、強度変調を施した場合のシミュレーション結果を示している。光源1からの出力光に対して正弦波で周波数変調を行った場合は、時間平均スペクトルの両サイドで強度が大きくなる。これを補償するように、上記第1実施形態〜第4実施形態のいずれかを選択して、周波数変調に同期した強度変調を施すことを考える。
図18(a)上段は、正弦波状に変化する出力光の周波数変調波形であるが、変動する周波数の上限と下限に同期して、出力光の強度が最小になるように強度変調を施す。図18(a)下段は、そうした強度変調の例を示しているが、「Full」は時間平均スペクトルが全周波数に亘ってフラットになるようにした強度変調を表している。この場合の時間平均スペクトルを、図18(b)の「Full」に示す。また、図18(a)下段の「Half」は、強度変調の最小値を最大値の半分である0.5とした場合で、時間平均スペクトルの両サイドの値は減少させられているがフラットではない。図18(b)には、このときの時間平均スペクトルも示されている(図中、「Half」の部分の波形を参照)。
このときのBOCDAシステムの出力スペクトルは、図18(c)のようになる。図18(c)上段に示す「Half」の場合には、富士山型の背景スペクトルの高さが低くなり、さらに図18(c)下段に示す「Full」の場合には、背景スペクトルがフラットになっている。但し、背景スペクトルの中央では、「Half」および「Full」のいずれの場合も窪みができる。この結果、「Half」において、歪が無い(光ファイバ全長にわたり均一のブリルアン周波数シフト量となる)場合には、測定点でのローレンツ型スペクトルが窪みに落ち込んで低くなる。さらに、「Full」の場合には、ローレンツ型スペクトルが窪みに完全に落ち込んでしまい、歪測定が不可能となる。
図18(d)は、歪量の関数として、測定点のスペクトルと富士山型スペクトルの高さの比をプロットしたものを示している。測定点で周囲に比べて歪が少ない(あるいは無い)場合には、測定が難しくなることが分かる。しかし、一方で、歪が大きくなっても背景スペクトルに隠れることはなく、この点では図16や図17に示す測定システムよりも歪測定の限界が改善されていることが分かる。
図18では、出力光の周波数が変動中心に近づくにしたがって、その強度を最大値に近づけると共に、当該出力光の周波数が上限と下限に近づくにしたがって、その最小値が例えば0.5以下となるような「Half」や「Full」の強度変調を施す。こうすると、光源1からの出力光の周波数が変動するのに伴い、その周波数の上端および下端付近で出力光の強度が集中して偏ることを改善できる。そのため、被測定光ファイバFUTへの歪が大きくなっても、測定点におけるローレンツ型スペクトルのピークを富士山型の背景スペクトルのピークより大きく維持でき、大きな歪が加わってもその値を正しく測定できる。但し、歪量が少ない(あるいは無い)位置の測定は困難ないしは不可能になる。
この問題を解決する有効な手段は、時間平均スペクトルの両サイドにもう少し多くの強度を残すことであることをシミュレーションにより明らかにする。
このようにするための強度変調と時間との関係を示した波形を、図19の左下に示す。右図の四角で囲んだ波形は、出力光スペクトルの両サイド部分に対応する強度変調の様子を示している。ここでの強度変調手段は、正弦波状に変化する出力光の周波数が変動中心に近づくにしたがって、その強度を最大値に近づけると共に、この出力光の周波数が上限と下限に近づくにしたがって、その強度を最大値に対して0.5以下の最小値に近づけるような、オリジナルの「Half」や「Full」の強度変調に加えて、当該出力光の周波数が上限と下限に達するタイミングで、出力光の強度を最小値よりも瞬間的に大きな値にする最適化の機能を有する。このような強度変調手段は、上記第1実施形態〜第4実施形態のいずれかに組み入れることが可能である。
図20は、図19に示すような最適化した強度変調を採用した場合における、BOCDAシステムの出力ブリルアンスペクトルのシミュレーション結果である。図20(a)は、歪が零の部分を測定点とした場合における、オリジナルの「Half」強度変調と、図19に示す最適化した「Half」強度変調の出力スペクトルをそれぞれ示している。最適化した強度変調では、「Full」の場合も「Half」の場合も、測定点に対応したローレンツ型スペクトルが明確に確認できる。一方、図20(b)は、歪が加わっている場所を測定点とした場合のスペクトルであり、最適化した「Full」若しくは「Half」の強度変調では、歪が大きくなっても、ローレンツ型スペクトルが富士山型の背景スペクトルに埋もれることがない様子がわかる。つまり、最適化した強度変調では、被測定光ファイバの歪量が無い場合や、少ない場合であっても、ローレンツ型スペクトルのピークを背景スペクトルのピークよりも大きくすることができ、被測定光ファイバFUTへの歪量の大小に拘らず、正確な歪測定が可能になる。
さらに図21は、図19に示すような最適化した強度変調を採用した場合における、測定点のスペクトルと富士山型スペクトルの高さの比をプロットしたシミュレーション結果である。図21(a)は、オリジナルの「Half」強度変調と、図19に示す最適化した「Half」強度変調とをそれぞれ示しているが、歪量が少ない(あるいは無い)位置に対応するブリルアン周波数νBのシフト量で、最適化した「Half」強度変調のSNRが改善していることがわかる。また、それ以外の歪量が大きい位置に対応するブリルアン周波数νBのシフト量でも、最適化した「Half」強度変調のSNRは1以上を確保して、正確な測定が可能になる。
同様に、図21(b)は、オリジナルの「Full」強度変調と、図19に示す最適化した「Full」強度変調とをそれぞれ示しているが、最適化した「Full」強度変調では、ブリルアン周波数νBのシフト量の大小に拘らず、1より十分大きなSNRを維持しており、小さな歪から大きな歪に至るまで、その位置を正確に測定することができる。こうして、「Half」または「Full」強度変調波形に図19のような調整を施した波形が、現実的に優れた強度変調波形であることが分かる。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、発明の詳細な説明中にある周波数変調とは、位相変調の技術も含んでいる。また、光源として周波数変調された光を出力可能なものであれば、半導体レーザ以外の手法による光を利用してもよい。さらに、光源1に含まれる半導体レーザ(レーザダイオード)3は、その周波数変調における速度と振幅が制限されるので、より変調特性の良好な光源1を利用すれば、更なる改善が可能になる。
本発明におけるBOCDA法は、従来に比べて空間分解能の限界を100倍改善し、また測定速度も1万倍改善して、世界的にも注目を集めており、高い空間分解能,高速測定,測定位置へのランダムアクセス機能を併せ持つ世界唯一の技術である。そのため、土木・建設,航空・宇宙,原子力・エネルギー,交通・運輸などの幅広い分野で、痛みのわかる材料・構造のための神経網として本技術が注目されている。本発明により、一層の性能向上が図られ、実用化が加速されるものと期待できる。
本発明の第1実施形態における光ファイバ特性測定装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態における光ファイバ特性測定装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態における光ファイバ特性測定装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第4実施形態における光ファイバ特性測定装置の構成を示すブロック図である。 図1の装置の実験例として使用した被測定光ファイバFUTの構造を示す説明図である。 図1の装置の実験例において、(a)は各変調光におけるパワースペクトルを示す測定結果のグラフで、また(b)は、従来の周波数変調波形を示す変調電圧と、変調光(IM1)のパワースペクトルに対応した光強度変調器の透過率とを示すグラフである。 図1の装置の実験例において、各変調光(No IM,IM1,IM2,IM3)を用い、DSF部およびSMF部で測定されたブリルアンゲインスペクトルのグラフである。 図1の装置の実験例において、強度変調を施さない場合(No IM)と、最適な強度変調を施した場合(IM3)における、DSF部およびSMF部で測定されたブリルアンゲインスペクトルのグラフである。 図1の装置の実験例において、強度変調を施さない場合(No IM)と、最適な強度変調を施した場合(IM3)における、各DSF部で測定されたブリルアン周波数のグラフである。 図1の装置の別な実験例で使用した被測定光ファイバFUTの構造を示す説明図である。 図1の装置の別な実験例において、従来の強度変調を施さない場合(No IM)と、最適な強度変調を施した場合(with IM)のパワースペクトルを示すグラフである。 図1の装置の別な実験例において、従来の強度変調を施さない場合(No IM)と、最適な強度変調を施した場合(with IM)を用い、DSF部およびSMF部で測定されたブリルアンゲインスペクトルのグラフである。 図1の装置の別な実験例において、最適な強度変調を施した場合(with IM)において、各DSF部で測定されたブリルアン周波数のグラフである。 正弦波状の繰り返し波形で出力光を周波数変調した場合と、正弦波以外の繰り返し波形で出力光を周波数変調した場合の、周波数変調波形とスペクトル形状をそれぞれ示すグラフである。 正弦波状の繰り返し波形で出力光を周波数変調した場合と、正弦波以外の繰り返し波形で出力光を周波数変調した場合において、(a)は正規化されたブリルアンゲインスペクトル形状を示すグラフであり、また(b)は絶対値ブリルアンゲインスペクトル形状を示すグラフである。 周波数変調のみを行なった場合のBOCDAシステムのシミュレーション結果であって、(a)は光源出力光の周波数変調波形と強度変調波形をそれぞれ示すグラフであり、(b)は光源出力光の時間平均スペクトル形状を示すグラフであり、(c)は出力スペクトル形状を示すグラフであり、(d)はブリルアン周波数シフト量とSNRとの関係を示すグラフである。 周波数変調に伴なう強度変調があった場合のBOCDAシステムのシミュレーション結果であって、(a)は光源出力光の周波数変調波形と強度変調波形をそれぞれ示すグラフであり、(b)は光源出力光の時間平均スペクトル形状を示すグラフであり、(c)は出力スペクトル形状を示すグラフであり、(d)はブリルアン周波数シフト量とSNRとの関係を示すグラフである。 周波数変調に同期して強度変調を施した場合のBOCDAシステムのシミュレーション結果であって、(a)は光源出力光の周波数変調波形と強度変調波形をそれぞれ示すグラフであり、(b)は光源出力光の時間平均スペクトル形状を示すグラフであり、(c)は出力スペクトル形状を示すグラフであり、(d)はブリルアン周波数シフト量とSNRとの関係を示すグラフである。 時間平均スペクトルの両サイドにある程度強度を残すように、周波数変調に同期して強度変調を施した場合のBOCDAシステムのシミュレーション結果であって、光源出力光の周波数変調波形と強度変調波形をそれぞれ示すグラフである。 図18におけるオリジナルの強度変調と、図19に示す最適化した強度変調のそれぞれにおける、出力スペクトル形状を示すグラフである。 図18におけるオリジナルの強度変調と、図19に示す最適化した強度変調のそれぞれにおける、ブリルアン周波数シフト量とSNRとの関係を示すグラフである。 従来例における被測定光ファイバ内における相関ピークを模式的に示した概略説明図である。 相関位置に歪みを与えない場合と、相関位置に歪みを与えた場合におけるブリルアンスペクトル形状を原理的に示したグラフである。
符号の説明
1 光源(光源部)
4 光強度変調器(強度変調手段)
31 プローブ光生成手段
32 ポンプ光生成手段
33 測定手段
41 光学フィルタ(強度変調手段)
51 信号発生器(強度変調手段)
FUT 被測定光ファイバ

Claims (12)

  1. 周波数変調された光を出力する光源部と、
    前記光源部からの出力光を周波数シフトさせ、被測定光ファイバの一端からプローブ光として入射させるプローブ光生成手段と、
    前記光源部からの出力光を、前記被測定光ファイバの他端からポンプ光として入射させるポンプ光生成手段と、
    前記ポンプ光と前記プローブ光との周波数差を掃引しながら、前記被測定光ファイバから出射される前記プローブ光のブリルアンゲインを検出し、前記被測定光ファイバの特性を測定する測定手段とを備えた光ファイバ特性測定装置において、
    前記光源部の周波数変調に同期して、前記出力光の強度を変調させる強度変調手段を備えたことを特徴とする光ファイバ特性測定装置。
  2. 前記強度変調手段は、前記出力光の周波数が変動中心に近づくにしたがって、その強度を最大値に近づけると共に、当該出力光の周波数が上限と下限に近づくにしたがって、その強度を最小値に近づけるものであることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ特性測定装置。
  3. 前記強度変調手段は、前記出力光の周波数が上限と下限に達するタイミングで、出力光の強度を最小値よりも大きな値にするものであることを特徴とする請求項2記載の光ファイバ特性測定装置。
  4. 前記強度変調手段を光強度変調器により構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の光ファイバ特性測定装置。
  5. 前記強度変調手段を光学フィルタにより構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の光ファイバ特性測定装置。
  6. 前記強度変調手段を、正弦波以外の繰り返し波形で前記光源部からの出力光を周波数変調する信号発生器により構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の光ファイバ特性測定装置。
  7. 光源部で周波数変調された光を周波数シフトさせ、被測定光ファイバの一端からプローブ光として入射し、
    前記光源部で周波数変調された光を、前記被測定光ファイバの他端からポンプ光として入射し、
    前記ポンプ光と前記プローブ光との周波数差を掃引しながら、前記被測定光ファイバから出射される前記プローブ光のブリルアンゲインを検出し、前記被測定光ファイバの特性を測定する光ファイバ特性測定方法において、
    前記光源部の周波数変調に同期して、前記出力光に強度変調を施すことを特徴とする光ファイバ特性測定方法。
  8. 前記出力光に施される強度変調は、前記出力光の周波数が変動中心に近づくにしたがって、その強度を最大値に近づけると共に、当該出力光の周波数が上限と下限に近づくにしたがって、その強度を最小値に近づけることであることを特徴とする請求項7記載の光ファイバ特性測定方法。
  9. 前記出力光に施される強度変調は、前記出力光の周波数が上限と下限に達するタイミングで、出力光の強度を最小値よりも大きな値にすることであることを特徴とする請求項8記載の光ファイバ特性測定方法。
  10. 前記出力光に施される強度変調が、光強度変調器で行なわれることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一つに記載の光ファイバ特性測定方法。
  11. 前記出力光に施される強度変調が、光学フィルタで行なわれることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一つに記載の光ファイバ特性測定方法。
  12. 前記出力光に施される強度変調が、正弦波以外の繰り返し波形で前記光源部からの出力光を周波数変調する信号発生器で行なわれることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一つに記載の光ファイバ特性測定方法。
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