JP4761186B2 - スイッチング素子とスイッチング素子を用いた競泳用タッチ板 - Google Patents

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Description

本発明は、スイッチング素子及びそれを用いた競泳用タッチ板に関する。更に詳しくは、絶縁体と圧電体を積層構造にしてなるスイッチング素子及びそれを用いた競泳用タッチ板に関する。
従来、水泳競技において、泳者の競泳時間を計測するために競泳用タッチ板が用いられている。図7には、従来の競泳用タッチ板の断面図を図示している。競泳用タッチ板は、主にプールの壁面23に固定するためのリアパネル27と、泳者がタッチするためのフロントパネル24とからなる二枚板構造になっている。リアパネル27とフロントパネル24の間に、検出用のテープスイッチ26が設置されている。泳者がフロントパネル24にタッチすると、フロントパネル24がプールの壁面23の方向に押されてテープスイッチ26に接触して動作する。
テープスイッチ26は、電気的に通電し、テープスイッチ26に接続された計測器(図示せず)で泳者のタッチを検知し、競泳時間(タイム)を測定している。また、競泳用タッチ板には、フロントパネル24の上面からプール壁面23の上部角にかけてトップエッジパネル25を設けている。泳者がプール壁23の上部角にタッチした場合でもトップエッジパネル25によってテープスイッチ26が作動する仕組になっている。
特許文献1には、競泳者以外の不測の力がかかっても、その力によっては計時しないようにした競泳競技用タッチパネルの構造が開示されている。また、特許文献2には、競泳用タッチパネルのメンテナンスを容易にするために、リアパネルにテープスイッチ収納チューブを固着し、枠体に水抜き孔を設けた競泳用タッチパネルが開示されている。テープスイッチはテープスイッチ収納チューブ内に挿入され取り替え易くなっている。
更に、特許文献3には、表面はパネル状スイッチと一体化した網状部材となっている構造の競泳用タッチ板が開示されている。パネル状スイッチはタッチ板全面にあるためどこの部分にタッチしてもタッチ信号を間違いなく拾うことができ、泳者のタッチは網の凸部分のみにかかるため波の押圧信号から選別することができる。
特許文献4には、フロントパネルを分割してベースプレートに係着し、その間にテープスイッチを配置した競泳用タッチ検出装置が開示されている。これにより、フロントパネルの動作を軽くでき、その反りを少なくすることができ、テープスイッチの感知が均一にすることができる。
特許文献5には、フロントパネルとプールの壁面に固定するリアパネルの間に弾性部材を設けて、競泳者のタッチ以外の外力による誤動作を防止できる競泳用タッチパネルが開示されている。特許文献6には、前板(フロントパネル)と上部枠(トップエッジパネル)とのタッチ面をそろえて配設した競泳用タッチ板が開示されている。この競泳用タッチ板は、正確な計時を可能とし、また、安全性の高いものである。
特開平5−237210号公報 特開平6−031023号公報 特開平8−257196号公報 特開平9−299538号公報 特開平10−295869号公報 特開平11−094960号公報
上述の競泳用タッチ板は、二枚板構造になっているため、次の問題点がある。フロントパネル24とリアパネル27の間には水が存在する。そのため、フロントパネル24が押されてからその動作がテープスイッチ26に到達するまでに水の抵抗が作用する。従って、泳者がフロントパネル24をタッチしてから計時するまでに時間的な遅延が発生し、計時の応答スピードが損なわれることになる。競泳の計時は、100分の1秒レベル以上の精密な測定を要するものであり、水の抵抗は、泳者のタイムに影響を及ぼしかねない。
また、泳者がフロントパネル24にタッチをする際に、タッチをしてすぐに、ひじを曲げたり又はフロントパネル24から手を離したりすることがある。このような場合は、タッチの衝撃が一瞬であり、又は、タッチの圧力が十分ではないことになり、計測器でタイムを測定できない。このように、競泳用タッチ板が作動せず、計測器で計時が行えなかったというトラブルが過去の事例で挙がっている。
更に、フロントパネル24とリアパネル27の隙間にゴミ等が混入してフロントパネル24をタッチしても衝撃がテープスイッチ26に到達せず、感度を鈍らせたり、作動不能になる場合がある。競泳用タッチ板では市販の汎用テープスイッチ26を使用していることが多い。防水加工が施してあるテープスイッチ26でも、防雨程度の信頼性しか保証しないものが殆どであり、水中で使用すると漏電の危険性がある。また、競泳用タッチ板、計測器の故障の原因ともなる。そのため、これらのテープスイッチ26を水中で使用することは最適ではない。
競泳の公式大会では、競泳用タッチ板にトラブルが生じた時のためにバックアップシステムが整備されている。このような場合でも、一時システムでの計時が望ましく、その計時は許されないものである。正確な計時が可能で、且つ確実に動作することが保証される競泳用タッチ板を設置することが望ましい。
本発明は上述のような技術背景のもとになされたものであり、下記の目的を達成する。
本発明の目的は、均一な計測ができ、事故、誤動作のない信頼性の高いスイッチング素子と、それを用いた競泳用タッチ板を提供することである。
本発明の他の目的は、高い計測感度のスイッチング素子と、それを用いた競泳用タッチ板を提供することである。
本発明の更に他の目的は、水が細部に浸入して故障を招くことの無いスイッチング素子と、それを用いた競泳競技用タッチ板を提供することである。
本発明の更に他の目的は、フロントパネルとリアパネルの間にゴミ等の異物が侵入して計時不能でにしないような動作をする競泳用タッチ板を提供することである。
本発明は、前記目的を達成するため、次の手段を採る。
本発明1のスイッチング素子は、
薄型で柔軟なシート状の絶縁積層体からなる第1基板(2)及び第2基板(2’)と、
前記第1基板(2)と前記第2基板(2’)とのそれぞれ一方の面に設けられた圧電体からなる第1圧電層(3)及び第2圧電層(3’)と、
前記第1基板(2)と前記第2基板(2’)とを、前記第1圧電層(3)と前記第2圧電層(3’)が向かい合うように配置して、前記第1圧電層(3)と前記第2圧電層(3’)の間に設けられた内部電極層(4)と、
前記第1基板(2)及び前記第2基板(2’)の外側に設けられ、前記第1基板(2)と前記第2基板(2’)の間の積層体(3、4、3’)を密封し、電気的に接続されている第1外部電極層(5)及び第2外部電極層(5’)と
からなることを特徴とする。
更に、本発明2のスイッチング素子は、本発明1において、前記第1外部電極層(5)と前記第2外部電極層(5’)の外側に絶縁積層体を設けていることを特徴とする。
更に、本発明3のスイッチング素子は、本発明1又は2において、前記圧電体は、窒化アルミニウム又は酸化亜鉛の薄膜であることを特徴とする。
更に、本発明4のスイッチング素子は、本発明1〜3から選択される1発明において、前記絶縁積層体は、ポリイミド(PI、polyimide)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF、poly vinylindene fluoride)及びポリアミド(polyamide)の材料から選択される1層以上のフィルムであることを特徴とする。
更に、本発明5の競泳用タッチ板は、本発明1〜4から選択される1発明のスイッチング素子を備え、前記スイッチング素子は、基板となる第1ゴムシートと、泳者がタッチする第2ゴムシートの間に挟み込んで貼り付けたことを特徴とする。
更に、本発明6の競泳用タッチ板は、本発明5において、前記第1ゴムシートの上部端は、スイッチング素子を備え、上部からのタッチを検知することを特徴とする。
本発明によると、次の効果が奏される。
本発明のスイッチング素子は、一枚シートの構造になっており、その表面にタッチがされた瞬間にスイッチング素子が感知し、より正確な計時が可能となる。
本発明のスイッチング素子は、絶縁積層体で覆われており、防水性等にすぐれ、性能の劣化や故障の改善が図れる。
本発明のスイッチング素子は、薄く柔らかいため自由自在に折り曲げて設置することも可能となる。
本発明の競泳用タッチ板は、一枚板構造になっており、従来のようのフロントパネルとリアパネルとの間の水の抵抗が生じないので、表面のゴムシートに泳者のタッチがされた瞬間にスイッチング素子が感知し、より正確な計時が可能となる。
本発明の競泳用タッチ板は、従来のフロントパネルの移動に要していたロスタイムがなくなり、泳者が競泳用タッチ板にタッチした瞬間を計時することが可能となる。
以下に、本発明の実施の形態及び実施例を図面に基づいて説明する。
〔スイッチング素子〕
本発明のスイッチング素子は、パイロ電気の生じる結晶からなる圧電体を内蔵し、2つの電極を有する構造のものである。本発明のスイッチング素子は、シート状の形状をしている。外部からこのスイッチング素子に機械的なひずみ力を与えると、圧電体の結晶が電気分極を起こし、2つの電極間に所定の電圧が生じる。このように、本発明のスイッチング素子は、機械運動を電気に変換して検出するものである。
図1には、本発明のスイッチング素子1の概要を図示している断面図である。スイッチング素子1は2枚の基板2、2’を有する。2枚の基板2、2’の内側にそれぞれ圧電体層3、3’を設けている。この2枚の圧電体層3、3’の間には内部電極層4を設けてい
る。2枚の基板2、2’の外側には外部電極層5、5’を設けている。
図2には、スイッチング素子1の電気的な接続を示す断面図である。2枚の外部電極層5、5’で、スイッチング素子1の全体を覆い、2枚の外部電極層5、5’を互いに電気的に接続すると共に、内部電極4、圧電体層3、3’を外部から電気的に遮断している。スイッチング素子の基板2’に通電用窓6を開けて、内部電極層4から電極を取り出している。
基板2、2’は、絶縁体の材料からできているシート状の薄膜(フィルム)である。例えば、基板2、2’は、ポリイミド(PI、polyimide)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF、poly vinylindene fluoride)、ポリアミド(polyamide)等の材料からなるフィルムである。圧電体層3、3’は、パイロ電気の生じる結晶からなる。例えば、圧電体層3、3’は、窒化アルミニウム、酸化亜鉛等の材料からなる薄膜である。圧電体層3、3’は、基板2、2’の一方の面に形成される。
内部電極層4と外部電極層5、5’は、圧電体層3、3’で分極した電気を取り出すための電極である。この2つの電極間には、圧電体層3、3’の分極によって、所定の電圧V(図2を参照)が生じる。内部電極層4と外部電極層5、5’とに電荷検出のための電荷検出回路7を接続して、圧電体層3、3’によって分極した電荷を検出する。電荷検出回路7は、例えば、電流計、電圧計等の電気量検出計である。
また、電荷検出回路7は、圧電体層3、3’に電荷が発生した時間を検出するためのデジタル回路等を備えた高度な回路であっても良い。電荷検出回路7は、公知の技術であり、その詳細な説明は省略する。内部電極層4と外部電極層5、5’の材料としては、導電体の材料である銀、銅、金、白金、スズ、アルミニウム等の金属材料、炭素材料が用いられる。これらの導電体は、基板2、2’の上に、厚さ1〜100μm、好ましくは10〜100μmの薄膜として形成される。
圧電体層2、2’の材料としては、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、窒化アルミニウム等のセラミックス圧電体、ポリフッ化ビニリデン系重合体又は共重合体、ビニリデンシアナイド系共重合体等の高分子圧電体等が用いられる。連続使用した場合に劣化せず、感度が良好な直線性を示すセラミックス圧電体のような無機材料が好ましい。また、圧電体層3、3’の材料としては、特許文献7に記載の酸化亜鉛、特許文献8に記載のポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いることができる。
基板2、2’の表面に圧電体層3、3’を形成するには、スパッタリング法、コーティング法、化学蒸着法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、めっき法等の方法を用いることによって行うことができる。圧電体層3、3’は、厚さ0.5〜10μm、好ましくは0.5〜5μmの範囲内である。
2枚の防水性のフィルムを外部電極層5、5’の両面に貼り、スイッチング素子1の防水性、耐久性を高め、様々な環境で使用することができる。防水性のフィルムとしては、ポリイミドフィルムが好ましい。このように、ポリイミドフィルムでスイッチング素子1を覆うと、スイッチング素子1を合成ゴム等に容易に貼り付けて使用することができる。
スイッチング素子1は、数センチメートルまでの大きさで製造することができ、フレキシブルな構造をしている。このため、タッチパネルの表面をスイッチング素子1により構成し、様々分野でセンサとして使用することができる。例えば、薄型でかつ柔軟性を有するので生体情報計測装置に使用し、人体表面に発生する圧力変動を計測することができる。体操競技用のタッチ計測器のセンサとして使用することができる。また、押し式のボタンにも応用することができる。
また、上述したようにスイッチング素子1は一枚シートの構造になっており、その表面にタッチがされた瞬間にスイッチング素子1が感知し、より正確な計時が可能となる。また、スイッチング素子1のどの部分に圧力を加えても均一な感度を示し、高度な感応性が可能となる。更に、スイッチング素子1の外部電極層5,5’と基板2、2’、内部電極層4と圧電体層3、3’は、非常に強く密着しているため、基板2、2’の変形による圧電体のはがれや破損は発生しないため性能の劣化や故障の改善が図れる。また、スイッチング素子1は薄く柔らかいため自由自在に折り曲げて設置することも可能となる。
特許公表2001−525706(2001年12月11日公表) 特許公開平9−260735(1997年10月3日公開)
次に、スイッチング素子1の実施例を説明する。
スイッチング素子1の基板2、2’としてはシート状のポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、カプトン100H)、圧電体層3、3’としては窒化アルミニウムの薄膜、内部電極層4としては白金(Pt)膜、外部電極層5、5’としては白金膜をそれぞれ用いた。
ポリイミドフィルムの厚さは25μmであった。スパッタリング法により、厚さ1.2μmの窒化アルミニウムの薄膜をポリイミドフィルムの上に形成した。このときの条件は、基板温度約40度、スパッタ圧0.3Pa(N100%)、RFパワー400Wである。さらに同一条件で、窒化アルミニウム層の上に内部電極層用に厚さ100μmの白金膜を形成した。また、同一条件で、窒化アルミニウム層を形成していないポリイミドフィルムの面に外部電極層用に厚さ100μmの白金膜を形成した。
このように、窒化アルミニウムの薄膜と白金膜を形成したポリイミドフィルムを2枚用い、一枚目のポリイミドフィルムに内部電極のための取り出し口として、5mm×5mmの窓を切り抜いた。シリコンゴム接着剤を使用して、2枚のポリイミドフィルムの内側電極用の白金膜同士を接着させた。2枚のポリイミドフィルムを接着させた後、ポリイミドフィルムの角から約6mm内側に窓が位置するように、ポリイミドフィルム本体を40mm×60mmの大きさに切り抜き、その外縁にアルミニウムテープを形成した。
このように、ポリイミドフィルムをアルミニウムテープで覆うと、ポリイミドフィルムを外部環境から電気的に完全に遮蔽する。更に、スイッチング素子の防水性、耐久性を高めるために、2枚のポリイミドフィルムをアルミニウムテープの両面に貼り付けた。このように作成したスイッチング素子に、電磁式加圧器によって圧力を印加し、スイッチング素子の応答を測定した。
スイッチング素子に印加される圧力は、歪みゲージ式圧力センサによって測定した。図3は、実施例1のスイッチング素子に矩形パルス状の圧力を印加したときの応答を示すグラフである。図3は、印加した圧力及びスイッチング素子の応答の電荷量の変化を経時的に示すグラフである。
図4は、実施例1のスイッチング素子に正弦波状の圧力を印加したときの応答を示すグラフである。図4は、印加した圧力及びスイッチング素子の応答の電荷量の変化を経時的に示すグラフである。図3と図4のグラフからは、スイッチング素子の応答出力は、歪みゲージ式圧力センサによって測定したものと比較してノイズが少ないことがわかる。
〔競泳用タッチ板〕
次に、スイッチング素子1を用いた競泳用タッチ板10を説明する。競泳用タッチ板10は、プール等で泳いでいる泳者の競泳時間を測定するために利用するものである。泳者が競泳用タッチ板10のフロントパネル11にタッチすると、競泳用タッチ板10に内蔵されたスイッチング素子1が動作し、スイッチング素子1と接続された計測器(図示せず)によってその競泳時間を測定する。
図5は、スイッチング素子1を用いた競泳用タッチ板10の断面図である。競泳用タッチ板10は、スイッチング素子1とゴムシート11、12とからなり、スイッチング素子1とゴムシート11,12が完全に密着した一枚板構造になっている。スイッチング素子1をゴムシート11,12の間に挟み込み、シリコンゴム接着剤等の接着剤でそれぞれを接着している。スイッチング素子1は、上述したようにフレキシブルなシート状のものである。競泳用タッチ板10は、厚さ5mmの合成ゴムのゴムシート11,12にスイッチング素子1を貼り付けた構造になっている。
スイッチング素子1は、上述したように圧電体3、3’(図1,2を参照)の圧電性を持って動作原理としている。スイッチング素子1は、計時装置(図示せず)に接続して使用する。計時装置は、スイッチング素子1の2つの電極4,5(図1,2を参照)に接続され、印加圧力によって圧電体3,3’の表面に誘起された電荷を検出するためのものである。計時装置は、公知技術であり、その詳しい説明は省略する。泳者が、競泳用タッチ板10にタッチすると、その衝撃が圧力としてスイッチング素子1に作用し、圧電体3,3’の特性により電荷が誘起され、瞬時に電気信号が発生する。
従来のようのフロントパネル24とリアパネル27との間の水の抵抗やフロントパネル24の移動に要していたロスタイムがなくなり(図7を参照)、泳者が競泳用タッチ板10にタッチした瞬間を計時することが可能となる。スイッチング素子1の電極4,5及び基板2,2’と圧電体3,3’は、非常に強く密着し、基板2,2’の変形による圧電体3,3’のはがれや破損は発生しない。性能の劣化や故障がなく半永久的に使用することができる。
図6は、競泳用タッチ板10を設置した様子を示す図である。競泳用タッチ板10をプール壁面13に酢酸ビニル樹脂等の接着剤で直接に貼り付ける。競泳用タッチ板10は、単に圧縮応力のみならず、せん断応力に対しても出力を得ることができるが、プール壁面13に対して垂直に曲げた部分を設けてあるので、矢印Bの方向から泳者がプール上部角にしたタッチも感知することができる。
競泳用タッチ板10は、水流も感知することになる。しかし、泳者がタッチする衝撃と水流とを比較すると、圧電体3,3’に作用する圧力の大きさが明らかに違う。よって、泳者のタッチのみを感知するようにリミッターをかければ、識別することができる。このようなリミッターの機能を有する計時装置(図示せず)を用いることによって対応することができる。
本発明の競泳用タッチ板10は、スイッチング素子1の薄く柔らかい特性を生かし、ゴムシート11、12に挟み込み、自由自在に折り曲げて設置することが可能となる。また、スイッチング素子1を数枚重ねてゴムシート11、12の間に挟めば、一枚のスイッチング素子が作動しなかった場合でも、計時の十分な保証が可能となる。
また、本発明の競泳用タッチ板10には隙間が存在しないため、ゴミ等の異物混入によるトラブルの改善が図れる。本発明の競泳用タッチ板10は、表面にゴム素材を使用するので、泳者の手足および頭部が衝突した場合でも怪我することはなく、競泳用タッチ板10による感電の危険性は全くないため高い安全性を保証することが可能となる。本発明の競泳用タッチ板10は、従来の競泳用タッチ板を分解してセンサ部のテープスイッチのメンテナンスを行っていたようにその作業の必要性がなくなり、メンテナンスの改善が図れる。
本発明のスイッチング素子は、機械的な圧力等の衝撃を感知するセンサとして利用すると良い。特に、押しボタン、競技用のタッチセンサ等に利用すると良い。
図1は、本発明のスイッチング素子1の概要を図示している断面図である。 図2は、本発明のスイッチング素子1の電気的な接続を示す断面図である。 図3は、実施例1のスイッチング素子に応答を示すグラフである。 図4は、実施例1のスイッチング素子に応答を示すグラフである。 図5は、スイッチング素子1を用いた競泳用タッチ板10の断面図である。 図6は、競泳用タッチ板10を設置した様子を示す概念図である。 図7は、従来の競泳用タッチ板10の断面を示している図である。
符号の説明
1…スイッチング素子
2、2’…基板
3、3’…圧電体層
4…内部電極層
5、5’…外部電極層
6…通電用窓6
7…電荷検出回路
10…競泳用タッチ板
11、12…ゴムシート
13、23…プールの壁面
24…フロントパネル
25…トップエッジパネル
26…テープスイッチ
27…リアパネル

Claims (6)

  1. 薄型で柔軟なシート状の絶縁積層体からなる第1基板(2)及び第2基板(2’)と、
    前記第1基板(2)と前記第2基板(2’)とのそれぞれ一方の面に設けられた圧電体からなる第1圧電層(3)及び第2圧電層(3’)と、
    前記第1基板(2)と前記第2基板(2’)とを、前記第1圧電層(3)と前記第2圧電層(3’)が向かい合うように配置して、前記第1圧電層(3)と前記第2圧電層(3’)の間に設けられた内部電極層(4)と、
    前記第1基板(2)及び前記第2基板(2’)の他方の面に設けられ、前記第1基板(2)と前記第2基板(2’)の間の積層体(3、4、3’)を密封し、電気的に接続されている第1外部電極層(5)及び第2外部電極層(5’)と
    からなることを特徴とするスイッチング素子。
  2. 前記第1外部電極層(5)と前記第2外部電極層(5’)の外側に絶縁積層体を設けている
    ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング素子。
  3. 前記圧電体は、窒化アルミニウム又は酸化亜鉛の薄膜である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のスイッチング素子。
  4. 前記絶縁積層体は、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン及びポリアミドの材料から選択される1層以上のフィルムである
    ことを特徴とする請求項1〜3から選択される1項に記載のスイッチング素子。
  5. 請求項1〜4から選択される1項に記載の前記スイッチング素子を備えた競泳用タッチ板において、
    前記スイッチング素子は、基板となる第1ゴムシートと、泳者がタッチする第2ゴムシートの間に挟み込んで貼り付けた
    ことを特徴とする競泳用タッチ板。
  6. 前記第1ゴムシートの上部端は、スイッチング素子を備え、上部からのタッチを検知する
    ことを特徴とする請求項5に記載の競泳用タッチ板

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