JP2008196874A - 圧力検出素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の可撓性圧力検出素子では、特に高湿下で外部から圧力が印可された場合の感度が上昇し、圧力検出の精度が低下するというという課題を有していた。
【解決手段】外部からの圧力P0の圧力の印可を、弾性率の低い圧力伝達部15を介して行うことにより、吸湿時の応答電圧Vの上昇を抑制した。吸湿により可撓性感圧体11の感度が上昇するが、吸湿により圧力伝達部15の弾性率が低下し、圧力伝達部15から保護層13へ伝達される力が減少するために、上記の感度の増加が抑制される。
【選択図】図2
【解決手段】外部からの圧力P0の圧力の印可を、弾性率の低い圧力伝達部15を介して行うことにより、吸湿時の応答電圧Vの上昇を抑制した。吸湿により可撓性感圧体11の感度が上昇するが、吸湿により圧力伝達部15の弾性率が低下し、圧力伝達部15から保護層13へ伝達される力が減少するために、上記の感度の増加が抑制される。
【選択図】図2
Description
外部からの圧力を検出する可撓性を有する圧力検出素子に関するものである。
従来、この種の圧力検出素子の圧力検出部としては、例えば図6に示すようなものがある。図6のうち(a)に層状の圧力検出部の長手方向の断面図、(b)に(a)のA−A線位置での断面を示している。ここで、可撓性感圧体1の上下に電極2が形成され、その表面を保護層3が覆う層状の構造を有している。可撓性感圧体1としては、例えば導電ゴム等のように体積変化により抵抗が異なる材料から構成され、その場合、外部から圧力が印可されると可撓性感圧体1が上下方向に圧縮され電極2間の抵抗が低下する。この抵抗変化を、圧力印可に対応して生じる応答電流値の変化として測定して圧力を検出する。この場合に検出される圧力は、動的な圧力印可の結果生じる静止した状態での静的圧力に相当する。この動的圧力、静的圧力に関しては後で述べる。
上記の導電ゴム等からなる可撓性感圧体は、高湿環境では吸湿して抵抗が低下し、印可される圧力が同じであっても応答電流値が増加し、感度が上昇することが知られている。
一方、この種の圧力検出素子として、圧電体を用いて圧力検出を行う圧力検出素子が知られている。この場合の圧力検出部の構成は、例えば上述の図6と同じものがある。上述の場合と異なるのは、可撓性感圧体1が、圧電体を含んで構成されている点である。可撓性感圧体1内の残留分極の方向は示していないが、通常、電極2の間に高電圧を印加して分極を形成するために、電極2の面の垂直方向に残留分極が形成される。
上記の圧力検出部に外部から動的圧力が加えられると、可撓性感圧体1に加速度を伴う歪みが発生し、同時に圧電効果により電圧が発生する、この電圧を二つの電極2を介して応答電圧として測定することで動的圧力が検出される。この動的圧力に関しては後で説明する。
上記の可撓性感圧体1として、合成ゴムや合成樹脂の中にチタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛等の圧電セラミックス粉末を添加した複合体が用いられる。電極2は、可撓性感圧体1に、銅、アルミニウム、金等の金属箔が接着剤等により接着されるか、上記の金属が蒸着されて構成される。
また、従来から知られている圧力検出部で、可撓性感圧体1が、圧電体を含んで構成される他の例としては、図7に示すようなケーブル状のものがある(例えば、特許文献1参照)。図7のうち(a)はケーブルの長手方向の断面を、(b)は(a)のB−B線位置での断面を示している。具体的には、中心には内部電極5、その周りに可撓性感圧体1、さらにその外部に、順に外部電極6、保護層3が形成されている。図7では、可撓性感圧体1内の残留分極の方向は示していないが、通常、内部電極5と外部電極6の間に高電圧を印加して分極を形成するために、内部電極5から外部電極6へ放射状に残留分極が形成される。
図7の可撓性感圧体1には、層状の可撓性感圧体に用いられるものと同様の圧電体を含む複合体が用いられる。内部電極5は、金属等の導電体を線状とした線状導電材が用いられる。また、外部電極6は可撓性感圧体1の表面に銀系ゴム塗料などの導電塗料を塗着したものが用いられている。圧力の検知は、層状の可撓性感圧体を用いた圧力検出装置と同様に、動的圧力の印加による加速度を伴う歪に起因して発生する応答電圧を測定すること
により行われる。
により行われる。
また、上述の圧電体を含む可撓性感圧体を用いる圧力検出部は、高湿環境下で圧電定数が上昇するために、外部から印可される圧力が同じ場合でも、応答電圧が増加し感度が上昇することが知られている。
ここで、上記で使用した動的圧力と、さらに静的圧力とに関して、その定義を説明する。動的圧力は、他の力とは釣り合っておらず、結果的に動的圧力が印加された物体に加速度を生じさせる圧力である。
これに対し、静的圧力は、この動的圧力とは異なり、他の力と釣り合っており、結果的に圧力の印加された物体に加速度を生じさせない圧力である。このため、静的圧力は、上記の圧電体を含む可撓性感圧体を利用して電圧変化を測定する技術では検出されない圧力である。
一方、圧力検出部を用いる場合に、外部からの圧力が圧力検出部に印加された場合に、一定値以上の歪が生じて素子に損傷が生じないようにするための機構を設けたものがあり、これを示したものが図8である。図8は、ケーブル状の圧力検出部4を剛体の上に設置し、圧力検出部4側部に圧縮歪規定部7部が設けられている。外部から圧力が印加された場合に、圧力検出部4が歪むが、圧縮歪規定部7の上部位置で歪が止まるため、損傷に繋がる大きな歪が圧力検出部4に印加されない構造となっている。
特開昭62−230071号公報
しかしながら、前記従来の圧力検出素子は、外部からの圧力により発生する応答電流、あるいは応答電圧に湿度特性があり、高湿環境でこれらが増加して感度が上昇し、圧力の検出を行う場合、高湿環境での精度が悪くなるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、外部からの圧力印加に対する感度の湿度依存性を小さくし、検出精度の高い圧力検出素子を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の圧力検出素子は、可撓性感圧体を挟む複数の電極と、前記電極を保護する保護層と、前記保護層に外部からの圧力を伝える圧力伝達部と、外部から圧力を印加された場合に前記保護層に生じる歪を規定する圧縮歪規定部とを備え、前記圧力伝達部の弾性率が、前記可撓性感圧体および前記保護層の弾性率よりも低く、かつ高湿下で低下する構成を有する。
圧力伝達部の弾性率が、保護層の弾性率よりも低いために、生じる歪は、弾性率の低い圧力伝達部で最も大きくなる。このため圧力伝達部の歪により発生する応力により、可撓性感圧体へ加わる力が決定される。さらに、前記圧力伝達部の弾性率が高湿下で低下し、歪により発生する応力が低下することで、高湿下では圧力伝達部から保護層へ伝達される力は低下する。この力の伝達効率の低下と、吸湿による可撓性感圧体の感度上昇とが相殺される結果、吸湿時の応答電圧の増加が抑制される。
本発明の圧力検出素子により、湿度変化の大きい環境でも圧力検出を精度良く行うことができる。
第1の発明の圧力検出素子は、複数の電極と前記電極を保護する保護層と、前記保護層に外部からの圧力を伝える圧力伝達部と、外部から圧力を印加された場合に前記保護層に生じる歪を規定する圧縮歪規定部とを備え、前記圧力伝達部の弾性率が、前記可撓性感圧体および前記保護層の弾性率よりも低く、かつ高湿下で低下する構成を有する。
圧力伝達部の弾性率が、可撓性感圧体および保護層の弾性率よりも低いために、生じる歪は、弾性率の低い圧力伝達部で大きくなり、実質的に、圧力伝達部の歪により発生する応力により、可撓性感圧体へ加わる力が決定される。さらに、前記圧力伝達部の弾性率が高湿下で低下し、歪により発生する応力が低下することで、高湿下では圧力伝達部から保護層へ伝達される力は低下する。この力の伝達効率の低下と、吸湿による可撓性感圧体の感度上昇とが相殺される結果、吸湿時の感度上昇が抑制される。こうして、環境温度が変化しても精度の高い圧力検出が可能なる。
第2の発明は、第1の発明において、可撓性感圧体が残留分極を有し圧電性を示す構成を有する。
可撓性感圧体が残留分極を有し圧電性能を示すことにより、外部からの圧力により電極間に応答電圧が発生するが、圧力伝達部の弾性率が、可撓性感圧体および保護層の弾性率よりも低いために、生じる歪は、弾性率の低い圧力伝達部で大きくなり、実質的に、圧力伝達部の歪により発生する応力により、可撓性感圧体へ加わる力が決定される。さらに、前記圧力伝達部の弾性率が高湿下で低下し、歪により発生する応力が低下することで、高湿下では圧力伝達部から保護層へ伝達される力は低下する。この力の伝達効率の低下と、吸湿による可撓性感圧体の圧電定数の上昇による感度上昇とが相殺される結果、吸湿時の感度上昇が抑制される。こうして、環境温度が変化しても精度の高い圧力検出が可能なる。
第3の発明は、第1あるいは第2の発明において、圧力伝達部が空孔部を有するように構成されたものである。
空孔部を有することで、弾性率が小さくなるため、外部から圧力が印加された場合に、圧力伝達部がより歪み易くなり、可撓性感圧体へ伝達される圧力は、より多くの部分が圧力伝達部の弾性率で決まるようになる。このため、温度上昇による圧力伝達部における弾性率の低下の影響がより大きくなり、可撓性感圧体への圧力の伝達効率を抑制する効果が大きくなる。この結果、高湿環境による応答電圧の増加による感度上昇が抑制され、環境湿度が変化しても精度の高い圧力検出が可能となる。
第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明において圧力伝達部を形成する樹脂が吸湿性の樹脂で構成されるものである。
圧力伝達部を形成する樹脂が吸湿性の樹脂であることにより、高湿状態での吸湿が容易になることで、より大きな弾性率の低下が生じる。この弾性率の低下の結果生じる可撓性感圧体への圧力伝達効率の低下と、吸湿による可撓性感圧体の圧電定数の上昇とが相殺されることで、湿度上昇に伴う応答電圧増加による感度上昇が抑制される。この結果、環境温度が変化しても精度の高い圧力検出が可能なる。
第5の発明は、第1から第4のいずれかの発明において、可撓性感圧体に含まれる樹脂と圧力伝達部に含まれる樹脂が同じ樹脂である構成を有する。
可撓性感圧体に含まれる樹脂と圧力伝達部に含まれる樹脂が同じであることにより、可
撓性感圧体の圧電定数の湿度特性と、圧力伝達部の弾性率の湿度特性は類似のものとなり、両者の相殺が容易に行われる。この結果、環境湿度が変化しても精度の高い圧力検出が容易となる。
撓性感圧体の圧電定数の湿度特性と、圧力伝達部の弾性率の湿度特性は類似のものとなり、両者の相殺が容易に行われる。この結果、環境湿度が変化しても精度の高い圧力検出が容易となる。
第6の発明は、第1から第5のいずれかの発明において、可撓性感圧体に含まれる圧電体のうち、圧電体がアルカリ金属を含む圧電セラミックスであるものである。
圧電体がアルカリ金属を含む圧電セラミックスであることで、高温高湿状態において吸湿することにより可撓性感圧体の圧電定数が増加する結果、応答電圧が上昇して感度が上昇するが、本発明の構成により感度増加の抑制が可能となり、環境湿度が変化しても精度の高い圧力検出が可能なる。
(実施の形態1)
図1(a)は、層状構造で線状の圧力検出部の下部に剛体を置いた可撓性感圧体の長手方向の断面図である。図1(b)は、図1(a)のC−C位置での断面図である。
図1(a)は、層状構造で線状の圧力検出部の下部に剛体を置いた可撓性感圧体の長手方向の断面図である。図1(b)は、図1(a)のC−C位置での断面図である。
図1(a)の圧力検出部14では、外部からの圧力Poを、圧力伝達部15で受け、圧力伝達部15が歪むことにより、保護層13へ力を伝達する。図1(a)では、圧力が印加されて圧力伝達部15が歪み、その力の伝達により可撓性感圧体11も歪んでいる状態を示している。このとき、(b)でわかるように、圧力検出部14の両側には圧縮歪規定部16が設けられている。このために、圧力検出部14は、外部からの圧力Poが印加されても、圧縮歪規定部16の高さで決められる厚み以下に圧縮されることはない。このため、不必要な損傷が回避される。また、圧縮歪規定部16により圧縮歪が決定され、保護層13へ伝達される力が決まる。
図2は、本実施の形態の別の圧力検出素子を説明したものであり、ケーブル状の圧力検出部14の断面図を表している。具体的には、図2(a)が長手方向の断面、図2(b)が図2(a)のD−D線位置での断面を表している。図2(b)では図1(b)と同様に、圧力検出部14の両側に、圧縮歪規定部16が配置されており、これが、外部からの圧力Poが印加された場合の歪量を決定している。また、同様に、不必要な損傷が回避されるとともに、圧縮歪規定部16により圧縮歪が決定されることにより、保護層13へ伝達される力も決まる。また、図2では、図1では外部からの圧力Poの印加により、歪む前の状態を示しており、圧力伝達部15が圧縮歪規定部16の上部に出ており、この状態から下部への圧縮が可能であることが分かる。
図2のようにケーブル状の構成を有することで、連続的な押し出し工程に製造が可能であるため、より製造が容易となる効果が得られる。また、ケーブル状で中心対称な構造を有しているため、残留分極は中心から放射状に形成される。このため、どの方向からの圧力印加に対しても等方的な検出が可能である。従って、圧力応答手段が配設時に回転したり捻れたりした場合でも、応答電圧に変化が生じ難い。この結果、配設の自由度が高くなり、安定した圧力印加の有無の判定、および安定した場所座標判定が可能となる効果が得られる。
図1、図2に示した圧力検出部14は、形態に依らず同様の作用を有するため、以下では図2に対応するケーブル状の圧力検出部を例に、その作用を図3〜5により説明する。また可撓性感圧体11としては、導電ゴム等も用いることができるが、以下では、動的な力を検出可能な圧電セラミックスを含んだ圧力検出素子に関して説明する。
図3は、ケーブル状の圧力検出部14の長手方向に垂直な断面図であり、外部からの圧力Poにより圧縮される様子を示している。具体的には、図3(a)、(b)はともに、
剛体上に圧力検出部14が設置され、圧力検出部14の側部に圧縮歪規定部16が配置されている。図3(a)が、外部からの圧力印加Poにより歪む前の状態を示しており、図3(b)は、歪んだ後の状態を示している。図3(b)から、外部からの圧力Poの印加により、圧力伝達部16、保護層13、可撓性感圧体11が歪み、圧力伝達部15の上部が、圧縮歪規定部16の上部と一致している。各部の歪みは、弾性率の小さい圧力伝達部16の歪δLC/LCが最も大きく、圧縮時の減少厚みに関してはδLc≒δLとなる。
剛体上に圧力検出部14が設置され、圧力検出部14の側部に圧縮歪規定部16が配置されている。図3(a)が、外部からの圧力印加Poにより歪む前の状態を示しており、図3(b)は、歪んだ後の状態を示している。図3(b)から、外部からの圧力Poの印加により、圧力伝達部16、保護層13、可撓性感圧体11が歪み、圧力伝達部15の上部が、圧縮歪規定部16の上部と一致している。各部の歪みは、弾性率の小さい圧力伝達部16の歪δLC/LCが最も大きく、圧縮時の減少厚みに関してはδLc≒δLとなる。
このため、圧力伝達部16から保護層13へ伝えられる力F0は、圧力伝達部16の歪δLC/LCにほぼ比例し、この結果、圧力伝達部16から保護層13へ伝えられる力F0は圧力伝達部の弾性率の変化に応じて変化し、弾性率が小さくなれば、ほぼそれに比例して小さくなる。
次に、さらに具体的に、高温高湿下の圧縮時の変化に関して図4、図5を用いて説明する。
図4(a)は、図3(b)と同じで、外部からの圧力印加Poにより歪んだ際の初期の状態(乾燥状態)を示しており、図4(b)は初期の状態から水分を吸った吸湿状態における歪んだ状態を示している。
図4(a)と図4(b)を比較すると、(a)の初期(乾燥状態)での(圧力検出部+圧力伝達部)の圧縮時減少厚みδLは、(b)の吸湿状態での(圧力検出部+圧力伝達部)の圧縮時減少厚みδLmと等しい。これは、圧縮時減少厚みが、圧縮歪規定部16の高さで決められているためである。
一方、圧力伝達部15から保護層13に伝達される力F0は、(圧力伝達部15の歪δLc/Lc)×(圧力伝達部の弾性率)で決まることを考慮すると、ほぼ圧力伝達部の弾性率に比例することになる。ほぼ弾性率に比例するのは、初期(乾燥状態)、吸湿状態のいずれにおいても、圧力伝達部15の弾性率が、圧力検出部14(保護層13、可撓性感圧体11、内部電極17、外部電極18)の弾性率に比較して小さく、圧力伝達部の圧縮時減少厚みδLcmが、(圧力伝達部+圧力検出部)の圧縮時減少厚みδLC(吸湿時はδLcm)とほぼ等しく一定の値と考えて良いためである。
一方、圧力伝達部15の弾性率は高湿下で低下するため、F0も吸湿に従い低下する(図5(b))。さらに、保護層13から外部電極18を経て可撓性感圧体11に伝達される力Fcは、F0にほぼ比例して変化するため、F0と同様に吸湿率の上昇に伴い低下する(図5(c))。ところで、図5(a)に示したように、吸湿率に伴い可撓性感圧体11の圧電定数が増加することが分かっており、応答電圧Vが(可撓性感圧体11の圧電定数)×(保護層13から外部電極を経て可撓性感圧体に伝達される力Fc)に比例することを考慮すると、両者の変化が相殺されることで、図8に相当する従来技術に比較して、本発明では、吸湿による応答電圧Vの上昇が抑制される効果が得られる(図5(d))。
このような圧力検出素子は、使用する環境湿度が変化しても、高い精度で圧力の検出が可能であるため、特に湿度が変化し易い屋外あるいは屋外に近い環境で使用される移動体等のアプリケーションに好適に用いられる。例えば、特にセキュリティ用途に、バルコニーやフェンス等の家屋の外部に設置して、侵入者を検知する用途に適している。また、自動車のドアへの人やものの挟みこみ検知や、自動車のドアハンドルに設置して、ドアハンドルに触れるだけでドアの施錠を解除するための、ドアハンドルへの接触を検知する用途等に適している。
尚、以下で本実施の形態の別の構成に関して説明するが、同じ構成の部分については同
じ作用効果を奏するものであり同じ符号を付して説明を省略した。そして、異なる部分についてのみ説明する。
じ作用効果を奏するものであり同じ符号を付して説明を省略した。そして、異なる部分についてのみ説明する。
本発明の圧力伝達部、高湿下で弾性率が低下するものが用いられるが、金属やガラス、セラミックスのような弾性率の小さな材料は用いられず、弾性率の変化が大きい一般的な樹脂材料が用いられる。特に、吸湿の効果が大きい連通の樹脂発泡材料が好ましい。
空洞を形成したものや、多数の微細な気泡が形成された発泡体等が好適に用いられる。発泡体の気泡は連通で弾性率が小さくなり好ましい。特に材料としては、変形後の回復力の優れた、ゴム材料を用いることが好ましい。
また、圧力伝達部15に用いられる樹脂材料としては、吸湿性が高いものが、弾性率変化も大きいため、圧力伝達部15から保護層13に伝達される力F0の調整の範囲が広くなるため好ましい。吸湿性の樹脂としては、エステル系、ナイロン系の他、塩素を有する樹脂、アミド基、水酸基、エーテル基を有する樹脂が好適に用いられる、特に、無機材料を大量に含んだ混練物の作製が容易な塩素化ポリエチレン、クロルスルホン化ポリエチレンが好ましい。
本実施の形態の圧力検出素子は、それぞれ層状構造を有する形態、ケーブル状の構造を有する形態の例を既に説明したが、一方の形態で効果があるものは他方の形態でも効果があり、特に図示した形態に限定されるものではない。
以下で、本実施の形態の可撓性感圧体で用いられる材料に関して説明する。
可撓性感圧体11は、合成ゴムや合成樹脂の中に圧電セラミックス粉末が分散されて構成される。合成ゴムや合成樹脂としては、塩化ビニル等の熱可塑性樹脂、塩素化ポリエチレン等の熱可塑性エラストマー、EPDM等の加硫ゴム等が用いられる。また、圧電セラミックスとしては、チタン酸鉛、ジルコン鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸ビスマス・ナトリウム、チタン酸ビスマス・ナトリウム−チタン酸バリウム、ニオブ酸アルカリ等のペロブスカイト構造を有する化合物、ビスマス層状構造を有する化合物、タングステンブロンズ構造を有する化合物等圧電性を発現するセラミック材料が用いられる。
保護層13は、可撓性感圧体11に用いられる合成ゴムや合成樹脂が用いられ、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、加硫ゴムの少なくとも一種が用いられる。
電極12、外部電極18としては、C,Pt、Au、Pd、Ag、Cu、Al、Ni、ステンレス等の線材あるいは線材を圧延して平たいテープ状にしたもの等が用いられる。あるいは前記テープ状の高分子フィルムに前記金属線材あるいは線材をテープ状にしたものをラミネートしたものを用いれば、より可撓性の高い外部電極が得られる。また、金属細線を単独で編んで可撓性感圧体11を覆った電極も使用することができる。あるいは、上記金属を蒸着、スパッタ等により薄膜として形成したものも用いられる。
内部電極17としては、外部電極12で用いられる単数、複数の金属細線、複数のポリエステル等の繊維に前記金属線を巻いたもの等が用いられる。
また、可撓性感圧体11、保護層13、電極12、内部電極17、外部電極18に関しては、以下の実施の形態でも同様のものが適用可能である。
次に、特に上記のケーブル状の圧力応答手段の製造方法に関して、一般的な例を説明す
る。
る。
まず、圧電セラミックス粉末と、合成ゴムや合成樹脂としての熱可塑性エラストマーとを、混練して複合体とする。次に、押し出し機を用いて、この複合体を内部電極と共に押し出すことにより、内部電極17を中心にして、周囲に上記の複合体よりなる可撓性感圧体11が形成されたケーブルを得る。さらにケーブルの周囲を覆う分極用電極を用意し、この電極とケーブル中の内部電極17との間に電圧を印加することにより、内部電極から放射状に電界を形成し、対応する向きのセラミック圧電体中に分極を形成する。さらに、分極用電極を取り外した後、上記ケーブルの周りにテープ状の金属線材、テープ状金属、あるいはテープ状金属とテープ状高分子とがラミネートされたテープを巻き付けることにより、外部電極12を形成する。次に、この外部電極18が形成されたケーブルを中心にして、押し出し機により、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム等を押し出し、ケーブルの保護層13を形成することで圧力応答手段が得られる。また、分極は、外部電極12が形成された後に、外部電極18と内部電極17との間に電圧を印加することでも可能である。
また、本発明の圧力検出手段の可撓性感圧体11中の圧電セラミックスとしては、廃棄時の処理を考えると、鉛を含まないものが好ましい。例えば、チタン酸バリウム、チタン酸ビスマス・ナトリウム、チタン酸ビスマス・ナトリウム−チタン酸バリウム、ニオブ酸アルカリ等が好適に用いられる。さらに、セキュリティ用途等屋外で用いられる場合や、トイレ、風呂、台所等水を使用する環境では、上記圧電セラミックス粉体が撥水処理されて、水分の侵入が抑制されることがさらに好ましい。これは、上記のアルカリ金属を含む、圧電セラミックスは、水分を吸収し易く、そのことにより性能も変動し易くなるためである。
尚、本実施の形態で記載した材料、工法は以下の実施の形態でも好適に適用できる。
(実施の形態2)
次に第2の実施の形態について説明する。
次に第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態の物理的な構成は図1および図2に示す様に実施の形態1と同じであり、実施の形態1との違いは、本実施の形態で用いる圧力伝達部15を構成する樹脂材料が、可撓性感圧体11を構成する樹脂材料と同じである点である。
樹脂材料は、一般的に吸湿すると弾性率が増加するが、温度によっても吸湿率が異なる。従って、可撓性感圧体11と圧力伝達部15で、異なる樹脂が用いられ、その吸湿率の温度依存性が大きく異なる場合には、温度上昇時の応答電圧Vの抑制幅が小さくなることがある。
この様な場合、本実施の形態のように、圧力伝達部15を構成する樹脂材料が、可撓性感圧体11を構成する樹脂材料と同じものであれば、吸湿に対しても同様な温度依存性を示すことから、広い温度範囲で応答電圧Vの吸湿による増加を抑制する効果が得られる。
尚、用いられる材料としては、実施の形態1で述べた可撓性感圧体11、圧力伝達部16の樹脂材料と同じものを用いることができる。
以上のように本発明の圧力検出素子は、使用する環境湿度が変化しても、高い精度で圧力の検出が可能であるため、特に屋外あるいは屋外に近い環境で使用される移動体等のアプリケーションに好適に用いられる。例えば、特にセキュリティ用途に、バルコニーやフ
ェンス等の家屋の外部に設置して、侵入者を検知する用途に適している。また、自動車のドアへの人やものの挟みこみ検知や、自動車のドアハンドルに設置して、ドアハンドルに触れるだけでドアの施錠を解除するための、ドアハンドルへの接触を検知する用途等に適している。
ェンス等の家屋の外部に設置して、侵入者を検知する用途に適している。また、自動車のドアへの人やものの挟みこみ検知や、自動車のドアハンドルに設置して、ドアハンドルに触れるだけでドアの施錠を解除するための、ドアハンドルへの接触を検知する用途等に適している。
11 可撓性感圧体
12 電極
13 保護層
14 圧力検出部
15 圧力伝達部
16 圧縮歪規定部
17 内部電極
18 外部電極
12 電極
13 保護層
14 圧力検出部
15 圧力伝達部
16 圧縮歪規定部
17 内部電極
18 外部電極
Claims (6)
- 可撓性感圧体を挟む複数の電極と、前記電極を保護する保護層と、前記保護層に外部からの圧力を伝える圧力伝達部と、外部から圧力を印加された場合に前記保護層に生じる歪を規定する圧縮歪規定部とを備え、前記圧力伝達部の弾性率が、前記可撓性感圧体の弾性率および前記保護層の弾性率よりも低く、かつ高湿下で低下する圧力検出素子。
- 可撓性感圧体が残留分極を有し圧電性を示す請求項1に記載の圧力検出素子。
- 圧力伝達部が空孔部を有する請求項1または2に記載の圧力検出素子。
- 圧力伝達部を形成する樹脂が吸湿性の樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧力検出素子。
- 可撓性感圧体に含まれる樹脂と圧力伝達部に含まれる樹脂とが同じ樹脂である請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧力検出素子。
- 可撓性感圧体に含まれる圧電体が、アルカリ金属を含む圧電セラミックスである請求項1〜5のいずれか1項に記載の圧力検出素子。
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WO2010013469A1 (ja) | 2008-07-30 | 2010-02-04 | パナソニック株式会社 | Tcp送信制御装置及びtcp送信制御方法 |
AT520086A4 (de) * | 2017-08-07 | 2019-01-15 | Piezocryst Advanced Sensorics | Piezoelektrische vorrichtung mit zumindest einem piezoelektrischen element |
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2007
- 2007-02-09 JP JP2007029991A patent/JP2008196874A/ja active Pending
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