JP2001291906A - 可撓性圧電素子 - Google Patents

可撓性圧電素子

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JP2001291906A
JP2001291906A JP2000106015A JP2000106015A JP2001291906A JP 2001291906 A JP2001291906 A JP 2001291906A JP 2000106015 A JP2000106015 A JP 2000106015A JP 2000106015 A JP2000106015 A JP 2000106015A JP 2001291906 A JP2001291906 A JP 2001291906A
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piezoelectric element
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JP2000106015A
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English (en)
Inventor
Yuko Fujii
優子 藤井
Takeshi Nagai
彪 長井
Shigetoshi Kanazawa
成寿 金澤
Masahiko Ito
雅彦 伊藤
Tadashi Nakatani
直史 中谷
Hiroyuki Ogino
弘之 荻野
Yumiko Hara
由美子 原
Koji Yoshino
浩二 吉野
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の可撓性圧電素子は、複合圧電体シート
の平面に蒸着電極、溶射電極、金属箔電極を形成してい
るため、感度、信頼性の両者を満足できないという課題
があった。 【解決手段】 高分子中母材11に圧電セラミック粉末
12を混入した複合圧電体シート13と、複合圧電体シ
ート13の一方の面に配置された検出電極14と、他方
の面に載置されたアース電極15と、検出電極14の表
面に載置された絶縁層と16を設け、検出電極14とア
ース電極15と絶縁層16をシールド電極17で固定す
ることによって、感度及び信頼性の高い可撓性圧電素子
を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可撓性圧電素子に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、可撓性圧電素子としては、図5に
示すように高分母材中1と圧電セラミック粉末2とを混
合しシート状に成形した複合圧電シート3の一方の表面
に検出電極4、他方の面にアース電極5を設ける。この
際に、電極としては分極処理によって付与された圧電特
性や高分子母材1の耐熱性等を考慮して一般に銅、アル
ミニウム、金等の金属箔電極を用い、接着剤6によって
貼付、または上記金属蒸着が用いられている。さらに上
記構成において、一般的に外部ノイズを除去するため、
検出電極4の表面に絶縁層7を設け、絶縁層7、アース
電極5の表面にシールド電極8を設けている。
【0003】また、特開平5−102548号公報で
は、複合圧電体シート3に金属を溶射した溶射電極を用
いた可撓性圧電素子が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
可撓性圧電素子は信頼性や感度が劣るとともに複雑な製
造工程を有するという課題を有していた。すなわち、検
出電極やアース電極、シールド電極として金属箔電極を
使用した場合は、一般に6〜100μm程度の厚さの金
属箔を、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキ
シ系樹脂等からなる5〜40μm程度の接着剤を介し
て、複合圧電体シート貼付される。しかし、この金属箔
電極は、特に複合圧電体シート両面や絶縁層表面、アー
ス電極表面に設けた場合、複合圧電体の可撓性という重
要な長所を損ない、感度が低いという課題があった。
【0005】また、蒸着電極では一般に設けられる電極
の厚みが0.02〜0.1μmと程度と非常に薄いため
複合圧電体シートが撓んだ場合に電極内に亀裂が生じて
しまい感度が低下あるいは、出力が得られないという課
題があった。
【0006】さらに、溶射電極の場合は複合圧電体の耐
熱性のため、容易に溶射成形できるのは低沸点の金属の
みであり、用いられる電極材料が制限されるという課題
があると同時に、溶射時に複合圧電体シートにエアー圧
等の負荷が印加されるため、複合圧電体シートの信頼性
に課題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、高分子母材中に圧電セラミック粉末を混
入した複合圧電体シートと、前記複合圧電体シートの一
方の面に配置された検出電極と、他方の面に載置された
アース電極と、前記検出電極の表面に載置された絶縁層
と、前記絶縁層と前記アース電極の表面に載置されたシ
ールド電極とから成り、前記検出電極と前記アース電極
と前記複合圧電体シートと前記絶縁層は、シールド電極
で固定される可撓性圧電素子である。
【0008】上記発明によれば、複合圧電体シートに検
出電極とアース電極を接着剤や熱プレス等によって接着
や圧着をせず、検出電極とアース電極の自重で相互積層
する構成であるため、複合圧電体シートと検出電極及び
アース電極との間に空気層が形成される。この結果、可
撓性圧電素子の静電容量が低下し、感度の高い可撓性圧
電素子を実現できる。また、接着剤等で接着あるいは熱
プレス等で圧着していないため、検出電極やアース電極
の引っ張り応力が緩和する。この結果、可撓性圧電素子
の可撓性が向上し、より感度向上を実現できる。
【0009】さらにシールド電極を設け、このシールド
電極で複合圧電体シートと検出電極と絶縁層を固定する
ことで、外部ノイズを除去できるとともに、外力印加時
の検出電極やアース電極や絶縁層の移動を抑制すること
ができるため、精度の高い出力電圧を得ることが可能と
なるうえ、検出電極やアース電極を複合圧電体シートに
固着させる接着工程を除くことができるため低コスト化
も図れる。
【0010】
【発明の実施の形態】上記課題を解決するために請求項
1記載の発明は、高分子母材中に圧電セラミック粉末を
混入した複合圧電体シートと、前記複合圧電体シートの
一方の面に配置された検出電極と、他方の面に載置され
たアース電極と、前記検出電極の表面に載置された絶縁
層と、前記絶縁層と前記アース電極の表面に載置された
シールド電極とから成り、前記検出電極と前記アース電
極と前記複合圧電体シートと前記絶縁層はシールド電極
で固定される可撓性圧電素子である。
【0011】そして、複合圧電体シートに検出電極とア
ース電極を載置し、シールド電極で固定することによっ
て、複合圧電体シートと検出電極及び複合圧電体シート
とアース電極間に空気層が形成されるため、接着剤など
による電極の引っ張り応力が緩和され複合圧電体シート
の可撓性が向上すると共に、空気層の存在により静電容
量が低下するため感度が向上する。また、シールド電極
で検出電極と複合圧電体シートとアース電極と絶縁層を
固定しているため外力印加時における検出電極や複合圧
電体シート等の移動を抑制でき、高精度の出力電圧が得
られる。さらに複合圧電体シートに電極を接着あるいは
圧着させる工程を除くことができるため低コスト化が図
れる。
【0012】請求項2記載の発明は、高分子中母材に圧
電セラミック粉末を混入した複合圧電体シートと、前記
複合圧電体シートの一方の面に配置された検出電極と、
前記検出電極の表面に載置された絶縁層と、前記絶縁層
の表面と前記複合圧電体シートの他方の面に載置したシ
ールド電極とから成り、前記検出電極と前記複合圧電体
シートは前記シールド電極で固定される可撓性圧電素子
である。そして、シールド電極がアース電極を兼ねるこ
とによって薄型構成となり、可撓性が向上し感度が向上
する。さらにアース電極を除くことになり、低コストが
図れる。
【0013】請求項3記載の発明は、高分子母材を塩素
化ポリエチレンで構成した可撓性圧電素子である。そし
て、塩素化ポリエチレンは優れた耐熱性と優れた可撓性
を有するのでこれらの特性を兼ね備えた複合圧電体シー
トが得られる。
【0014】請求項4記載の発明は、圧電セラミック粉
末をチタン酸鉛とジルコン酸鉛の固溶体で構成した可撓
性圧電素子である。そして、粉末をチタン酸鉛とジルコ
ン酸鉛の固溶体の圧電セラミック粉末は工業的に多量に
利用されているので、安価であり、入手も容易であるた
め、高感度で安価な可撓性圧電素子が提供できる。
【0015】請求項5記載の発明は、圧電セラミック粉
末をチタン酸鉛で構成した可撓性圧電素子である。そし
て、チタン酸鉛の誘電率は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛
の固溶体の誘電率よりも小さいので、圧電セラミック粉
末の誘電率を小さくできるため、分極処理が容易になり
簡単に高感度な可撓性圧電素子が提供できる。
【0016】請求項6の発明は、検出電極、アース電
極、シールド電極を金属箔電極で構成した可撓性圧電素
子である。そして検出電極、アース電極、シールド電極
を金属箔電極で構成することで、可撓性を維持するとと
もに信頼性の高い、可撓性圧電素子が実現できる。
【0017】請求項7の発明は、検出電極、アース電
極、シールド電極を電極用高分子と導電性粒子とからな
る複合導電体で構成した可撓性圧電素子である。そし
て、複合導電体は導電性粒子の接触を通して複合導電体
の導電性が確保され、電極用高分子自身の可撓性を通し
て複合導電体の可撓性が確保されるため、可撓性が向上
し感度化が図れる。
【0018】請求項8の発明は、検出電極、アース電
極、シールド電極のいずれかの電極を金属箔電極で構成
し、他の電極を電極用高分子と導電性粒子とからなる複
合導電体で構成した可撓性圧電素子である。そして、検
出電極、アース電極、シールド電極を可撓性の異なる複
合導電体と金属箔電極で構成することによって、外力印
加における複合圧電体シートの撓みが強調されるため可
撓性が向上し感度化が図れる。
【0019】請求項9の発明は、導電性粒子をカーボン
で構成した可撓性圧電素子である。そして、カーボン粒
子は工業的に多量に利用されているので、安価であり、
入手も容易である。
【0020】
【実施例】以下、本説明の実施例について図面を用いて
説明する。
【0021】(実施例1)図1は本発明の実施例1にお
ける可撓性圧電素子の断面図であり、図1(a)は外力
印加前、図1(b)は外力印加時の可撓性圧電素子の断
面図である。この可撓性圧電素子は高分子母材11中に
圧電セラミック粉末12を分散して混入した後、厚さ
0.2mmのシートとし、複合圧電体シート13を成形し
た。この複合圧電体シート13の一方の面に検出電極1
4を載置し、もう一方の面にアース電極15を設けた。
この検出電極14、アース電極15と複合圧電体シート
13は自重で相互積層載置させたままの状態であり、そ
の結果、両者間に空気層18が形成されるため、検出電
極14とアース電極の引っ張り力が緩和され可撓性が向
上した。本実施例では電極4としてアルミニウム15μ
mの金属泊電極を用いた。
【0022】次に圧電特性を付与するために、検出電極
14とアース電極15の間に直流高電圧を印加して圧電
セラミック粉末12を分極し、可撓性圧電素子を構成し
た。圧電セラミック粉末12の分極については、検出電
極14とアース電極15を載置した後に行ったが、複合
圧電体シート13に熱プレスによって前面接着した電極
を使用して分極を行った後、その電極を剥がして検出電
極14、アース電極15を載置してもよい。また、あら
かじめ分極した圧電セラミック粉末12を用い、分極方
向を一方向に揃えて高分子母材中に配列してもよい。載
置した検出電極14の表面には絶縁層16として塩素化
ポリエチレンシートを載置した。絶縁層16の表面とア
ース電極15の表面にシールド電極17を形成し、シー
ルド電極17の周囲を接着することにより、複合圧電体
シート13、検出電極14、アース電極15、絶縁層1
6が固定される構成となる。
【0023】また、複合圧電体シート13と検出電極1
4、アース電極15は載置した構成のため、両者間に空
気層18が形成されるうえ、完全に接着あるいは圧着さ
れていないため、可撓性圧電素子自身の可撓性が向上し
た。本実施例ではシールド電極17の周囲は接着剤19
により接着させた。接着剤19としてはポリエステル系
樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂や各々に導電性
粒子を混入した導電性接着剤等が挙げられるが本実施例
ではエポキシ系樹脂を使用した。しかし、接着剤19を
用いなくてもシールド電極17どうしの周囲を熱プレス
等によって圧着しても同様の効果が得られた。本発明の
可撓性圧電素子の出力は検出電極14とアース電極15
の電位差である。
【0024】本構成では、検出電極14の表面の絶縁層
16を介して設けたシールド電極17によって、外部ノ
イズを除去でき高精度のセンサ出力が得られる。さらに
このシールド電極17によって包み込むように複合圧電
体シート13、検出電極14、アース電極15、絶縁層
16を固定することから、外力印加による複合圧電体シ
ート13や検出電極14、アース電極15、絶縁層16
の移動やずれ、剥がれなどを抑制することができ、精度
の高いセンサ出力を得ることができる。
【0025】以上の工程によって構成された可撓性圧電
素子は外力によって電荷を発生し、この電荷発生量Qは
外力量によって定まるが、出力電圧Vは可撓性圧電素子
自身の静電容量をCとすると、V=Q/Cの関係式で定
まり、出力電圧Vは静電容量Cに依存する。このため、
静電容量Cが小さいほど出力電圧Vは大きくなり見かけ
上の感度が向上する。
【0026】また、静電容量Cは電極4と複合圧電体シ
ート3に形成された空気層6に依存し、空気層の占める
割合が大きいほど可撓性圧電素子の静電容量は低下し、
感度が向上することとなる。本発明の可撓性圧力センサ
は外力が印加されない状態では図1(a)に示すように
複合圧電体シート13と検出電極14、アース電極15
との接触面積は小さいが、外力が印加されると図1
(b)に示すように空気層18は除去され、外力印加面
積に応じた検出電極14とアース電極15が複合圧電体
シート13に接触し出力電圧が得られる。
【0027】つまり、検出電極14とアース電極15は
複合圧電体シート13と接着剤や熱プレス等により完全
に接着あるいは圧着させなくても、外力が印加されれ
ば、検出電極14とアース電極15は複合圧電体シート
13に接着するため、出力電圧は得られる。特に図5に
示した従来のように検出電極14とアース電極15が複
合圧電体シート13と完全に接着あるいは固着させた構
成においては外力印加部以外も検出電極14とアース電
極15が複合圧電体シート13に接着しているため、可
撓性圧電素子自身の静電容量は大きくなる。
【0028】しかし、本発明の可撓性圧電素子であれば
検出電極14とアース電極15と複合圧電体シート13
が自重積層する構成であるため、最小限の容量に抑える
ことが可能となるため、出力電圧を高くでき、感度が向
上する。さらに、検出電極14やアース電極16を完全
に接着しないため、可撓性圧電素子の可撓性も向上し感
度が向上する。
【0029】本実施例において、複合圧電体シート13
と検出電極14、アース電極15の固着面積比を変化さ
せて、可撓性圧電素子の外力よる出力電圧を測定した。
この結果を図2に示す。この時、複合圧電体シート13
と検出電極14、アース電極15の接着は熱プレスによ
り圧着させた。また外力として可撓性圧電素子が1mm歪
む圧力を印加し、印加面積は一定としたこの結果からも
複合圧電体シート13と検出電極14、アース電極15
間に空気層18を形成することによって感度が向上し、
空気層18の占める割合が大きいほどその傾向が大きい
ことが解った。
【0030】よって本発明の可撓性圧電素子は蒸着電極
を使用しなくても感度が高く、信頼性の高い圧電素子を
実現することができた。また、複合圧電体シート13と
検出電極14、アース電極15とをシールド電極17に
よって固定し、シールド電極17は接着剤19により接
着できるため、簡単な製造工程で可撓性圧電素子を容易
に形成できる。
【0031】(実施例2)本実施例の断面図を図3に示
す。実施例1と異なる点はアース電極15とシールド電
極17を同一構造にした点である。つまりアース電極1
5をシールド電極17に兼ねることによって薄型構造の
可撓性圧電素子を実現できため、可撓性が向上し感度が
約1.5倍向上した。さらに新たにシールド電極17を
設ける必要がないため低コスト化が可能となる。この結
果、感度の高い経済的な可撓性圧電素子を提供できた。
【0032】実施例1及び2で述べた圧電セラミック粉
末12の材質は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛の固溶体で
あることが望ましい。この組成の圧電セラミックは電子
部品用セラミックとして工業的に多量に実用されている
ので、安価であり入手も容易である。
【0033】また、チタン酸鉛とジルコン酸鉛の固溶体
以外にも圧電セラミック粉末12の材質としてチタン酸
鉛も好ましい。チタン酸鉛とジルコン酸鉛の固溶体の比
誘電率はおよそ(800〜3000)程度の大きな値で
あるが、チタン酸鉛の比誘電率は(200〜300)程
度の小さな値である。一般に複合圧電体シートを分極す
る場合、複合圧電体に印加した分極電圧は圧電セラミッ
ク粉末2と高分子母材1の両方に印加される。この時、
圧電セラミック粉末2に印加される電圧は高分子母材
1、圧電セラミック粉末2の比誘電率に依存する。つま
り、印加電圧は各々比誘電率の逆数に比例するため圧電
セラミック粉末2に多くの電圧を印加するには圧電セラ
ミック粉末2の比誘電率を低下させることが望ましい。
このため、チタン酸鉛のような比誘電率が低い圧電セラ
ミック粉末を使用することによって、圧電セラミック粉
末の分極が容易にできる。
【0034】また、高分子母材11としてエポキシ樹
脂、ウレタン樹脂、クロロプレン樹脂、塩素化ポリエチ
レン樹脂などが用いられるが、エポキシ樹脂、ウレタン
樹脂の耐熱性は(60〜80℃)程度であるのに対し、
塩素化ポリエチレンは、120℃の高耐熱を有する点で
優れている。また、塩素化ポリエチレンは分子量や結晶
化度等を適切に選ぶことにより、加硫無しでも上記高耐
熱性を実現できる点でも好ましい。また、塩素化ポリエ
チレンは可撓性に優れるため、外力による電極剥離等が
抑制され、信頼性及び感度が高い。
【0035】(実施例3)本実施例の断面図を図4に示
す。実施例1と異なる点は、検出電極14、アース電極
15、シールド電極17として、金属箔電極ではなく、
複合導電体20を使用した点である。複合導電体20は
電極用高分子20aと導電性粒子20bとから構成され
る。このとき、導電性粒子20bは電極用高分子20a
中に網目状に相互に接触して配列され、これらの接触を
通して複合導電体20の導電性が確保される。また、電
極用高分子20bにより、それ自身の可撓性を通して複
合導電体20の可撓性が確保される。このため、金属箔
電極を使用した場合以上の可撓性が得られる。
【0036】また、電極用高分子20aとして、高分子
母材11と同様、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、クロロ
プレン樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂などが用いられ
る。また、導電性粒子20bとして、カーボン粒子や銀
粒子が用いられる。銀粒子を用いた場合、複合導電体電
極20の比抵抗は5×10-3Ω・cm程度の小さな値を示
すが、カーボン粒子を用いた場合、同比抵抗値は約1桁
以上の大きな値を示す。この圧電素子を人体検知に用い
た場合の周波数範囲は約5Hz程度であるので、この時の
複合圧電体シート13のインピーダンスは約100kΩ
以上であり、電極14の比抵抗値は1kΩ以下程度で充
分であるので、導電性粒子20bとして低価格のカーボ
ン粒子を用いることが望ましい。
【0037】この時、高分子母材11と電極用高分子2
0aに塩素化ポリエチレンを使用することが望ましい。
これは、複合圧電体シート13の高分子母材11で述べ
たように、塩素化ポリエチレンは可撓性に優れるため、
感度も高いうえ、耐熱性も優れているため、信頼性も高
い。
【0038】さらに、検出電極14を複合導電体20で
構成し、アース電極15とシールド電極17を金属箔電
極で構成した場合では、各々電極の可撓性が異なるた
め、結果的に一定の力に対する複合圧電体シート3の撓
み量は増加することとなり感度が向上する。ここでは、
検出電極14を複合導電体20で構成し、アース電極1
5とシールド電極17を金属箔電極で構成したが、検出
電極14を金属箔電極、アース電極15、シールド電極
17を複合導電体20で構成しても同様の効果が得られ
た。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1記載の発明によれば、複合圧電体シートに検出電極と
アース電極を載置し、シールド電極で固定することによ
って、複合圧電体シートの可撓性、感度が向上する。さ
らに、複合圧電体シートと検出電極及びアース電極との
間に空気層が形成され、感度及び信頼性の高い可撓性圧
電素子を簡単な構成で実現できる。また、シールド電極
を設けることによって、ノイズを除去できるうえ、外力
印加時の検出電極や複合圧電体シートあるいはアース電
極や絶縁層の移動を抑制することができるため精度の高
い出力電圧を得ることができる。さらに、複合圧電体シ
ートに電極を固着させる接着工程を除くことができるた
め低コスト化が図れる。
【0040】また、請求項2記載の発明によれば、アー
ス電極とシールド電極を同一構成とすることによって薄
型構成となり、可撓性が向上するため感度が向上する。
さらにシールド電極を一部除くことになり、低コストが
図れる。
【0041】また、請求項3記載の発明によれば、高分
子母材を塩素化ポリエチレンで構成したので、優れた耐
熱性と優れた可撓性を兼ね備えた複合圧電体シートが得
られる。
【0042】また、請求項4記載の発明によれば、圧電
セラミック粉末としてチタン酸鉛とジルコン酸鉛の固溶
体を用いているので、安価であり、入手も容易である。
【0043】また、請求項5記載の発明によれば、圧電
セラミック粉末としてをチタン酸鉛を用いているので、
圧電セラミック粉末の誘電率を小さくできるため、分極
処理が容易になる。
【0044】また、請求項6記載の発明によれば、検出
電極とアース電極とシールド電極を金属箔電極で構成す
ることで、可撓性を維持し、信頼性の高い、可撓性圧電
素子が実現できる。
【0045】また、請求項7記載の発明によれば、検出
電極とアース電極とシールド電極を電極用高分子と導電
性粒子とからなる複合導電体で構成したため、電極用高
分子自身の可撓性を通して複合導電体の可撓性が確保さ
れるため可撓性が向上し高感度化が図れる。
【0046】また、請求項8記載の発明によれば、検出
電極とアース電極とシールド電極を電極用高分子と導電
性粒子とからなる複合導電体と金属箔電極とで構成した
ため、複合圧電体シート3の撓み量が向上し高感度化が
図れる。
【0047】また、請求項9記載の発明によれば、導電
性粒子をカーボンで構成したので、安価であり、入手も
容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施例1における可撓性圧電素
子の外力印加前の断面図 (b)同可撓性圧電素子の外力印加時の断面図
【図2】同可撓性圧電素子の空気層率と出力電圧との関
係を示す特性図
【図3】本発明の実施例2における可撓性圧電素子の断
面図
【図4】本発明の実施例3における可撓性圧電素子の断
面図
【図5】従来の可撓性圧電素子の断面図
【符号の説明】
11 高分子母材 12 圧電セラミック粉末 13 複合圧電シート 14 検出電極 15 アース電極 16 絶縁層 17 シールド電極 18 空気層 19 接着剤 20 複合導電体 20a 電極用高分子 20b 導電性粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金澤 成寿 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 伊藤 雅彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 中谷 直史 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 荻野 弘之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 原 由美子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 吉野 浩二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子母材中に圧電セラミック粉末を混入
    した複合圧電体シートと、前記複合圧電体シートの一方
    の面に配設された検出電極と、他方の面に載置されたア
    ース電極と、前記検出電極の表面に載置された絶縁層
    と、前記絶縁層と前記アース電極の表面に載置したシー
    ルド電極とから成り、前記検出電極と前記アース電極と
    前記複合圧電体シートと前記絶縁層が前記シールド電極
    で固定される可撓性圧電素子。
  2. 【請求項2】高分子母材中に圧電セラミック粉末を混入
    した複合圧電体シートと、前記複合圧電体シートの一方
    の面に配設された検出電極と、前記検出電極の表面に載
    設された絶縁層と、前記絶縁層の表面と前記複合圧電体
    シートの他方の面に載置したシールド電極とから成り、
    前記検出電極と前記複合圧電体シートと前記絶縁層が前
    記シールド電極で固定される可撓性圧電素子。
  3. 【請求項3】高分子母材が塩素化ポリエチレンである請
    求項1または2記載の可撓性圧電素子。
  4. 【請求項4】圧電セラミック粉末がチタン酸鉛とジルコ
    ン酸鉛の固溶体である請求項1または2記載の可撓性圧
    電素子。
  5. 【請求項5】圧電セラミック粉末がチタン酸鉛である請
    求項1または2記載の可撓性圧電素子。
  6. 【請求項6】検出電極とアース電極とシールド電極が金
    属箔電極である請求項1または2記載の可撓性圧電素
    子。
  7. 【請求項7】検出電極とアース電極とシールド電極が電
    極用高分子と導電性粒子とからなる複合導電体である請
    求項1または2記載の可撓性圧電素子。
  8. 【請求項8】検出電極とアース電極とシールド電極のい
    ずれかの電極を金属箔電極で構成し、他の電極を電極用
    高分子と導電性粒子とからなる複合導電体で構成した請
    求項1または2記載の可撓性圧電素子。
  9. 【請求項9】導電性粒子がカーボンである請求項7記載
    の可撓性圧電素子。
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