JP2024030520A - 検出装置及び検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】押圧力の加わり方に依らずにリリース判定を精度良く実施できる検出装置及び検出方法を提供する。【解決手段】検出装置1は、ベース板2と、ベース板2に配置され、押圧力に応じた起電力を発生する圧電素子3と、ベース板2の静電容量を検出する静電容量センサ6と、起電力或いは静電容量に基づいてタップ及びリリースの判定を行う判定部13と、を備え、圧電素子3は、タップに対応するタップ電圧Vtを発生させ、静電容量センサ6は、タップに対応するON判定及びリリースに対応するOFF判定を行い、判定部13は、タップ電圧Vtの電圧値とタップ判定閾値Stとの比較及び静電容量センサ6のON判定の少なくとも一方に基づいてタップ判定を行い、静電容量センサ6のOFF判定に基づいてリリース判定を行う。【選択図】図1
Description
本開示は、検出装置及び検出方法に関する。
従来の検出装置として、例えば特許文献1に記載の電子機器がある。この電子機器は、操作者からの入力を受け付ける操作部と、操作部に対する接触を検出する接触検出部と、操作部に対する押圧荷重の変化を検出する圧電素子と、圧電素子が第1押圧荷重の変化を検出したときに第1処理を実行する制御部とを備えている。制御部は、圧電素子が第2押圧荷重の変化を検出し、且つ、第1押圧荷重が検出されてから第2押圧荷重が検出されるまでの間に接触検出部が接触を検出し続けたとき、第2処理を実行する。
上述のような検出装置は、圧電素子に押圧力が加わることによる歪みに応じて起電力が生じる、いわゆる圧電効果現象を利用している。すなわち、検出装置は、圧電素子が押圧力に応じた起電力を発生させ、発生した起電力と閾値とに基づいて、操作部に対する操作者の指などのタップ及びリリースを判定する。圧電素子を用いた検出装置では、タップの有無の判定に加え、タップの強さの判定が可能である。
一方、圧電素子に加わる押圧力の態様は、タップ及びリリースの仕方によって様々である。例えば指が長押しされた場合に、圧電素子は、弱い押圧力に応じた弱い起電力を比較的長い期間にわたって発生させる。このため、押圧力の加わり方によっては起電力が閾値に届かず、リリース判定の精度が十分に得られないことが考えられる。
本開示は、上記課題の解決のためになされたものであり、押圧力の加わり方に依らずにリリース判定を精度良く実施できる検出装置及び検出方法を提供することを目的とする。
本開示の一側面に係る検出装置は、ベース板と、ベース板に配置され、押圧力に応じた起電力を発生する圧電素子と、ベース板の静電容量を検出する静電容量センサと、起電力或いは静電容量に基づいてタップ及びリリースの判定を行う判定部と、を備え、圧電素子は、タップに対応するタップ電圧を発生させ、静電容量センサは、タップに対応するON判定及びリリースに対応するOFF判定を行い、判定部は、タップ電圧の電圧値とタップ判定閾値との比較及び静電容量センサのON判定の少なくとも一方に基づいてタップ判定を行い、静電容量センサのOFF判定に基づいてリリース判定を行う。
この検出装置では、タップ電圧の電圧値とタップ判定閾値との比較及び静電容量センサのON判定の少なくとも一方に基づいてタップ判定を行い、静電容量センサのOFF判定に基づいてリリース判定を行う。このように、リリース判定を静電容量センサのOFF判定に基づいて実施することで、例えば指が長押しされた場合のように、弱い押圧力に応じた弱いリリース電圧が比較的長い期間にわたって圧電素子から生じる場合であっても、精度良くリリース判定を行うことができる。したがって、この検出装置では、押圧力の加わり方に依らずにリリース判定を精度良く実施できる。
判定部は、タップ電圧の電圧値とタップ判定閾値との比較に基づいてタップ判定を行ってもよい。これにより、タップ判定を簡易な処理で実施でき、且つリリース判定を精度良く実施できる。
判定部は、タップ電圧のピーク電圧値に基づいてタップの強さを判定してもよい。これにより、タップの強弱を簡単な処理で実施でき、且つリリース判定を精度良く実施できる。
静電容量センサは、タップ電圧の電圧値がタップ判定閾値に到達した時刻からピークに到達した時刻までの期間内に動作を開始してもよい。この場合、圧電素子によるタップ判定に連動して静電容量センサを起動できる。したがって、タップ判定に後続するリリース判定を静電容量センサによって好適に実施できる。圧電素子によるタップ判定がなされない場合には、静電容量センサが起動しないため、電力の消費を削減できる。
静電容量センサは、タップ電圧の電圧値がタップ判定閾値に到達した時刻に動作を開始してもよい。この場合、圧電素子によるタップ判定に連動して静電容量センサを起動できる。したがって、タップ判定に後続するリリース判定を静電容量センサによって好適に実施できる。圧電素子によるタップ判定がなされない場合には静電容量センサが起動しないため、電力の消費を削減できる。
静電容量センサは、OFF判定から所定期間が経過した後に動作を停止してもよい。この場合、リリース判定の後に静電容量センサの動作が停止するため、電力の消費を削減できる。
本開示の一側面に係る検出方法は、押圧力に応じた起電力を圧電素子によって発生させる発生ステップと、圧電素子が配置されたベース板の静電容量を静電容量センサによって検出する検出ステップと、起電力或いは静電容量に基づいてタップ及びリリースの判定を行う判定ステップと、を備え、発生ステップでは、タップに対応するタップ電圧を発生させ、検出ステップでは、タップに対応するON判定及びリリースに対応するOFF判定を行い、判定ステップでは、タップ電圧の電圧値とタップ判定閾値との比較及び静電容量センサのON判定の少なくとも一方に基づいてタップ判定を行い、静電容量センサのOFF判定に基づいてリリース判定を行う。
この検出方法では、タップ電圧の電圧値とタップ判定閾値との比較及び静電容量センサのON判定の少なくとも一方に基づいてタップ判定を行い、静電容量センサのOFF判定に基づいてリリース判定を行う。このように、リリース判定を静電容量センサのOFF判定に基づいて実施することで、例えば指が長押しされた場合のように、弱い押圧力に応じた弱いリリース電圧が比較的長い期間にわたって圧電素子から生じる場合であっても、精度良くリリース判定を行うことができる。したがって、この検出方法では、押圧力の加わり方に依らずにリリース判定を精度良く実施できる。
判定ステップでは、タップ電圧の電圧値とタップ判定閾値との比較に基づいてタップ判定を行ってもよい。これにより、タップ判定を簡易な処理で実施でき、且つリリース判定を精度良く実施できる。
判定ステップでは、タップ電圧のピーク電圧値に基づいてタップの強さを判定してもよい。これにより、タップの強弱を簡単な処理で実施でき、且つリリース判定を精度良く実施できる。
検出ステップでは、タップ電圧の電圧値がタップ判定閾値に到達した時刻からピークに到達した時刻までの期間内に静電容量センサの動作を開始させてもよい。この場合、圧電素子によるタップ判定に連動して静電容量センサを起動できる。したがって、タップ判定に後続するリリース判定を静電容量センサによって好適に実施できる。圧電素子によるタップ判定がなされない場合には、静電容量センサが起動しないため、電力の消費を削減できる。
検出ステップでは、タップ電圧の電圧値がタップ判定閾値に到達した時刻に静電容量センサの動作を開始させてもよい。この場合、圧電素子によるタップ判定に連動して静電容量センサを起動できる。したがって、タップ判定に後続するリリース判定を静電容量センサによって好適に実施できる。圧電素子によるタップ判定がなされない場合には静電容量センサが起動しないため、電力の消費を削減できる。
検出ステップでは、OFF判定から所定期間が経過した後に静電容量センサの動作を停止させてもよい。この場合、リリース判定の後に静電容量センサの動作が停止するため、電力の消費を削減できる。
本開示によれば、押圧力の加わり方に依らずにリリース判定を精度良く実施できる。
以下、図面を参照しながら、本開示の一側面に係る検出装置及び検出方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本開示の一実施形態に係る検出装置を示す概略図である。図2は、図1に示した検出装置の構成を示す斜視図である。図1及び図2に示すように、検出装置1は、ベース板2と、ベース板2の一面側に配置された圧電素子3と、圧電素子3に電気的に接続された配線部材4と、検出装置1の動作を制御する制御部5とを備えて構成されている。検出装置1では、例えば指などの接触等によってベース板2に付加される応力(ベース板2の歪み)に基づき、圧電素子3からの起電力が得られるようになっている。圧電素子3からの起電力は、配線部材4を介して制御部5に出力される。
また、検出装置1は、ベース板2の一面側に配置された静電容量センサ6を備えている。静電容量センサ6は、ベース板2の静電容量を検出するセンサである。静電容量センサ6は、自己容量方式のセンサであってもよく、相互容量方式のセンサであってもよい。静電容量センサ6は、制御部5から出力される駆動信号に基づいて動作し、検出結果を示す信号を制御部5に出力する。
図1の例では、検出装置1は、外部装置(不図示)の筐体Kの裏面に取り付けられている。筐体Kは、例えば樹脂製となっている。検出装置1と筐体Kとの接合には、例えば両面テープ、接着剤などを用いることができる。検出装置1と筐体Kとの接合にあたっては、ベース板2の全面を筐体Kの裏面に接合してもよい。また、筐体Kの裏面に凹部を設け、当該凹部をベース板2で塞いた状態でベース板2の周縁部を凹部の開口縁部に接合してもよい。筐体Kへの接合状態において、ベース板2は、必ずしも平坦となっていなくてもよく、湾曲した状態となっていてもよい。
ベース板2は、例えば導電性を有する金属材料によって矩形状に形成されている。ベース板2の平面形状は、例えば正方形状となっている。ベース板2は、振動板として構成されていてもよい。ベース板2の構成材料としては、例えばNi-Fe合金、Ni、黄銅、ステンレス鋼などが挙げられる。ベース板2は、互いに対向する一対の主面を有している。主面の一方は、筐体Kの裏面に接合される面である。主面の他方は、圧電素子3が配置される面である。
圧電素子3は、圧電素体と、一対の外部電極とを備えている。圧電素体は、厚さ方向に扁平な直方体形状をなしている。直方体形状には、角部及び稜線部が面取りされている形状、角部及び稜線部が丸められている形状も含まれる。圧電素子3は、例えば圧電素体の中心とベース板2の中心とを一致させた状態で、ベース板2の主面の他方に接合されている。圧電素子3とベース板2との接合には、例えば両面テープ、接着剤などを用いることができる。本実施形態では、静電容量センサ6によるベース板2の静電容量の検出に鑑み、圧電素子3とベース板2との接合には、電気絶縁性を有する接着剤が用いられている。
圧電素体は、一対の主面を有している。主面の一方は、ベース板2側を向く面である。主面の他方は、ベース板2と反対側を向く面である。一対の主面は、圧電素子3の平面視において、互いに同形状となっている。ここでは、一対の主面は、例えばベース板2よりも一辺の長さが小さい正方形状となっている。圧電素体の厚さは、例えばベース板2の厚さよりも大きくなっている。圧電素子3の平面視において、圧電素体の中心は、ベース板2の中心と一致している。また、圧電素子3の平面視において、圧電素体の各辺は、ベース板2の各辺とそれぞれ平行になっている。
圧電素体は、内部電極を有しておらず、単層の圧電体層によって構成されている。圧電体層は、圧電材料によって構成されている。本実施形態では、圧電体層は、圧電セラミック材料によって構成されている。圧電セラミック材料としては、例えばPZT[Pb(Zr,Ti)O3]、PT(PbTiO3)、PLZT[(Pb,La)(Zr,Ti)O3]、チタン酸バリウムなどが挙げられる。圧電体層は、例えば上述した圧電セラミック材料を含むセラミックグリーンシートの焼結体によって構成されている。
一対の外部電極は、厚さ方向に扁平な直方体形状をなしている。直方体形状には、角部及び稜線部が面取りされている形状、角部及び稜線部が丸められている形状も含まれる。一対の外部電極の厚さは、互いに同程度となっており、いずれも圧電素体の厚さに比べて十分小さくなっている。外部電極は、導電性材料によって構成されている。導電性材料としては、例えばAg、Pd、Ag-Pd合金などが挙げられる。外部電極は、例えば上述した導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体によって構成されている。
配線部材4は、例えばフレキシブルプリント基板(FPC)によって構成されている。配線部材4は、導体をカバー材で覆った構造を有している。導体は、例えば銅などの導電性に優れた材料によって形成されている。カバー材は、例えばポリイミド樹脂などの非導電性の樹脂によって形成されている。配線部材4の一端は、圧電素子3におけるベース板2と反対側の面に位置し、圧電素子3の外部電極に対して電気的に接続されている。配線部材4の他端は、ベース板2の面内方向に引き出され、圧電素子3で生じる起電力の出力先となる制御部5に対して電気的に接続されている。
上述した静電容量センサ6は、図1及び図2に示すように、ベース板2の主面の他方のうち、圧電素子3から露出する領域に設けられている。当該領域における静電容量センサ6の配置に特に制限はない。本実施形態では、静電容量センサ6は、圧電素子3からの配線部材4の引き出し方向に位置する2つの角部の一方に配置されている。静電容量センサ6は、配線部材7を有している。配線部材7は、制御部5からの駆動信号及び静電容量センサ6からの検出結果を示す信号がやり取りされる信号線である。配線部材7の一端は、ベース板2の一面側において、静電容量センサ6に電気的に接続されている。配線部材7の他端は、配線部材4と同じ方向に静電容量センサ6から引き出され、制御部5に対して電気的に接続されている。
本実施形態では、静電容量センサ6の配線部材7は、ベース板2の一面側に配置された静電容量センサ6からベース板2の面内方向に引き出され、圧電素子3の配線部材4は、圧電素子3におけるベース板2と反対側の面からベース板2の面内方向に引き出されている。したがって、筐体Kへの検出装置1の取付状態において、静電容量センサ6の配線部材7は、圧電素子3の配線部材4よりも検出装置1の取付対象物(ここでは筐体K)に近接した状態となっている(図1参照)。
静電容量センサ6の配線部材7は、圧電素子3の配線部材4と一体化されていてもよい。すなわち、圧電素子3の配線部材4が静電容量センサ6の配線部材7を兼ねていてもよい。この場合、例えばFPCである配線部材4の一端側を分岐し、分岐の一方を圧電素子3に電気的に接続し、分岐の他方を静電容量センサ6に電気的に接続すればよい。
図3は、タップ及びリリースに対して圧電素子で発生する起電力の一例を示す図である。同図に示すように、操作者の指などによって筐体Kのおもて面に対してタップ及びリリースがなされると、圧電素子3において押圧力に応じた起電力が発生する。典型的には、圧電素子3は、タップに対応する正のタップ電圧Vtを発生させた後、リリースに対応する負のリリース電圧Vrを発生させる。タップ電圧Vt及びリリース電圧Vrは、例えば時間軸に対して正弦波状の波形を有している。
このような圧電素子3からの起電力に対し、従来の手法では、図2に示すように、タップ判定に用いるタップ判定閾値St及びリリース判定に用いるリリース判定閾値Srを予め設定する。タップ判定閾値Stは、リリース判定閾値Srよりも大きい値に設定される場合もある。タップ電圧Vtがタップ判定閾値Stを超えたタイミングでタップ判定(筐体Kへの指などの接触の判定)がなされ、その後、リリース電圧Vrがリリース判定閾値Srを超えたタイミングでリリース判定(筐体Kからの指などの離間の判定)がなされる。
一方、圧電素子3に加わる押圧力の態様は、タップ及びリリースの仕方によって様々である。例えば指が長押しされた場合、圧電素子3は、例えば図4に示すように、弱い押圧力に応じた弱いリリース電圧Vrを比較的長い期間にわたって発生させる。この場合、実際には筐体Kから指などが離間しているにも関わらず、リリース電圧Vrがリリース判定閾値Srを超えず、リリース判定が正しくなされないことが考えられる。長押しを想定してリリース判定閾値Srを単純に小さい値に設定すると、ノイズなどによってリリース電圧Vrがリリース判定閾値Srを超えたと判断され、リリース判定の精度が低下してしまうことも考えられる。
上記課題を鑑み、制御部5は、リリース電圧Vrの電圧値に対してリリース判定閾値Srを設定するのではなく、上述した静電容量センサ6を圧電素子3と組み合わせて用いることにより、押圧力の加わり方に依らずにリリース判定を精度良く実施できるように構成されている。以下、制御部5の構成について詳述する。
制御部5は、物理的には、RAM、ROM等のメモリ、CPU等のプロセッサ(演算回路)、通信インターフェイス、ハードディスク等の格納部を備えたコンピュータシステムによって構成されている。制御部5は、メモリに格納されるプログラムをコンピュータシステムのCPUで実行することにより機能する。制御部5は、マイクロコントローラ、集積回路などによって構成されていてもよい。本実施形態では、制御部5は、マイクロコントローラによって構成されている。
制御部5は、図1に示すように、駆動部11と、受信部12と、判定部13とを備えている。駆動部11は、静電容量センサ6の駆動を制御する部分である。駆動部11は、静電容量センサ6の駆動に用いる駆動信号を静電容量センサ6に入力する。駆動信号としては、例えば三角波を用いることができる。本実施形態では、筐体Kへの指などのタップがなされると、ベース板2の静電容量が増加して充放電時間が長くなるため、三角波のカウントが減少する。反対に、筐体Kからの指などのリリースがなされると、ベース板2の静電容量が減少して充放電時間が短くなるため、三角波のカウントが増加する。したがって、静電容量センサ6では、三角波のカウントの変動に基づいてベース板2の静電容量を検出でき、検出した静電容量に基づいて、タップに対応するON判定及びリリースに対応するOFF判定を行うことができる。
受信部12は、圧電素子3からの起電力及び静電容量センサ6からの静電容量を受信する部分である。受信部12は、圧電素子3の配線部材4を介して圧電素子3からの起電力を受信し、静電容量センサ6の配線部材7を介して静電容量センサ6からの静電容量を受信する。本実施形態では、受信部12は、圧電素子3からの起電力を駆動部11及び判定部13に出力し、静電容量センサ6からの静電容量を判定部13に出力する。
判定部13は、タップ判定及びリリース判定を行う部分である。判定部13は、具体的には、タップ電圧Vtの電圧値とタップ判定閾値Stとの比較及び静電容量センサ6のON判定の少なくとも一方に基づいてタップ判定を行い、静電容量センサ6のOFF判定に基づいてリリース判定を行う。本実施形態では、判定部13は、タップ電圧Vtの電圧値とタップ判定閾値Stとの比較に基づいてタップ判定を行い、静電容量センサ6のOFF判定に基づいてリリース判定を行う。また、判定部13は、タップ電圧Vtのピーク電圧値Vtpに基づいてタップの強さを判定する。判定部13は、タップ判定、タップの強さの判定、及びリリース判定の結果を示す情報をそれぞれ生成し、外部装置に出力する。外部装置では、受け取った各情報に基づく処理が実行される。
図5は、タップ判定及びリリース判定の様子を示すチャート図である。図5に示すように、時刻t0において筐体Kへの指などのタップがなされると、圧電素子3においてタップに対応する正のタップ電圧Vtが発生する。判定部13は、時刻t0より後の時刻t1において、タップ電圧Vtの電圧値がタップ判定閾値Stを超えたことに基づいてタップ判定を行う。判定部13は、タップ判定の後、タップ電圧Vtのピーク電圧値Vtpを取得する。判定部13は、取得したタップ電圧Vtのピーク電圧値Vtpに基づいてタップの強さを判定する。ピーク電圧値Vtpは、例えばタップ電圧Vtの現在値と前回検出値とを比較によって取得できる。具体的には、タップ電圧Vtの現在値が前回検出値を下回ったときに、当該前回検出値をピーク電圧値Vtpとすることができる。
静電容量センサ6は、タップ電圧Vtの電圧値がタップ判定閾値Stに到達した時刻t1からピークに到達した時刻tpまでの期間内に動作を開始する。図5の例では、静電容量センサ6は、タップ電圧Vtの電圧値がタップ判定閾値Stに到達した時刻t1に動作を開始する。すなわち、時刻t1において、駆動部11から静電容量センサ6に駆動信号が入力され、静電容量センサ6によるベース板2の静電容量の検出が開始する。静電容量センサ6によるベース板2の静電容量の検出が開始した時点で筐体Kへのタップがなされているため、静電容量センサ6は、時刻t1の直後の時刻tsにおいてON判定を行う。
筐体Kからの指などのリリースがなされると、圧電素子3においてリリースに対応する負のリリース電圧Vrが発生するが、本実施形態では、リリース電圧Vrは、リリース判定には使用されない。筐体Kからの指などのリリースがなされると、リリース後の時刻t2において三角波のカウントが増加する。これに基づき、静電容量センサ6は、時刻t2においてOFF判定を行う。判定部13は、時刻t2において、静電容量センサ6のOFF判定に基づいてリリース判定を行う。
静電容量センサ6は、OFF判定から所定期間が経過した後の時刻tdにおいて動作を停止する。時刻t2から時刻tdまでの期間は、例えば次の検出に影響しない範囲で任意に設定される。例えば、静電容量センサ6は、OFF判定の後の次の演算サイクルで停止する。
図6は、図1に示した検出装置の動作を示すフローチャートである。図6に示すように、検出装置1では、まず、タップ電圧Vtの検出がなされる(ステップS01)。次に、タップ電圧Vtがタップ判定閾値Stを超えたか否かの判断がなされる(ステップS02)。ステップS02においてタップ電圧Vtがタップ判定閾値Stを超えていないと判断された場合、ステップS01に戻り、タップ電圧Vtの検出が継続される。ステップS02においてタップ電圧Vtがタップ判定閾値Stを超えていないと判断された場合、タップ判定がなされる(ステップS03)。タップ判定の後、静電容量センサ6の動作が開始され(ステップS04)、静電容量センサ6のON判定がなされる(ステップS05)。
静電容量センサ6のON判定の後、タップ電圧Vtの現在値と前回検出値との比較がなされ(ステップS06)、タップ電圧Vtの現在値が前回検出値を下回ったか否かの判断がなされる(ステップS07)。ステップS07において、タップ電圧Vtの現在値が前回検出値以上であると判断された場合、タップ電圧Vtがピークを迎えていないと見做され、ステップS06及びステップS07の処理が繰り返し実行される。ステップS06において、タップ電圧Vtの現在値が前回検出値を下回ったと判断された場合、タップ電圧Vtがピークを迎えたと見做され、前回検出値がタップ時のピーク電圧値Vtpとして取得される(ステップS08)。
ピーク電圧値Vtpの取得の後、静電容量センサ6がOFF判定になったか否かの判断がなされる(ステップS09)。ステップS09において、静電容量センサ6がOFF判定になっていないと判断された場合、ステップS09が繰り返し実行される。ステップS10において、静電容量センサ6がOFF判定になったと判断された場合、リリース判定がなされる(ステップS10)。リリース判定から所定期間が経過した後、すなわち、OFF判定から所定期間が経過した後、静電容量センサ6の動作が停止し(ステップS11)、処理が終了する。
以上説明したように、検出装置1では、タップ電圧Vtの電圧値とタップ判定閾値Stとの比較及び静電容量センサ6のON判定の少なくとも一方に基づいてタップ判定を行い、静電容量センサ6のOFF判定に基づいてリリース判定を行う。このように、リリース判定を静電容量センサ6のOFF判定に基づいて実施することで、例えば指が長押しされた場合のように、弱い押圧力に応じた弱いリリース電圧が比較的長い期間にわたって圧電素子から生じる場合であっても、精度良くリリース判定を行うことができる。したがって、検出装置1では、押圧力の加わり方に依らずにリリース判定を精度良く実施できる。
本実施形態では、判定部13は、タップ電圧Vtの電圧値とタップ判定閾値Stとの比較に基づいてタップ判定を行っている。これにより、タップ判定を簡易な処理で実施でき、且つリリース判定を精度良く実施できる。また、判定部13は、タップ電圧Vtのピーク電圧値Vtpに基づいてタップの強さを判定している。これにより、タップの強弱を簡単な処理で実施でき、且つリリース判定を精度良く実施できる。
本実施形態では、静電容量センサ6は、タップ電圧Vtの電圧値がタップ判定閾値Stに到達した時刻t1に動作を開始している。これにより、圧電素子3によるタップ判定に連動して静電容量センサ6を起動できる。したがって、タップ判定に後続するリリース判定を静電容量センサ6によって好適に実施できる。圧電素子3によるタップ判定がなされない場合には、静電容量センサ6が起動しないため、電力の消費を削減できる。
本実施形態では、静電容量センサ6は、OFF判定から所定期間が経過した後に動作を停止している。これにより、リリース判定の後に静電容量センサ6の動作が停止するため、電力の消費を削減できる。
本開示は、上記実施形態に限られるものではない。例えば上記実施形態では、タップ電圧Vtの電圧値とタップ判定閾値Stとの比較に基づいてタップ判定を行っているが、静電容量センサ6のON判定に基づいてタップ判定を行ってもよい。この場合、判定部13は、タップ電圧Vtの電圧値がタップ判定閾値Stに到達した時刻t1ではなく、静電容量センサ6がON判定になる時刻tsにおいてタップ判定を行えばよい。
また、例えば上記実施形態では、タップ電圧Vtの電圧値がタップ判定閾値Stに到達した時刻t1に静電容量センサ6が動作を開始しているが、静電容量センサ6の動作の開始は、タップ電圧Vtの電圧値がタップ判定閾値Stに到達した時刻t1からピークに到達した時刻tsまでの期間内の任意の時刻であってもよい。静電容量センサ6の動作の開始は、タップ電圧Vtの電圧値がピークに到達した時刻tsであってもよい。
本開示の要旨は、以下[1]~[12]のとおりである。
[1]ベース板と、前記ベース板に配置され、押圧力に応じた起電力を発生する圧電素子と、前記ベース板の静電容量を検出する静電容量センサと、前記起電力或いは前記静電容量に基づいてタップ及びリリースの判定を行う判定部と、を備え、前記圧電素子は、タップに対応するタップ電圧を発生させ、前記静電容量センサは、タップに対応するON判定及びリリースに対応するOFF判定を行い、前記判定部は、前記タップ電圧の電圧値とタップ判定閾値との比較及び前記静電容量センサのON判定の少なくとも一方に基づいてタップ判定を行い、前記静電容量センサのOFF判定に基づいてリリース判定を行う検出装置。
[2]前記判定部は、前記タップ電圧の電圧値とタップ判定閾値との比較に基づいてタップ判定を行う[1]記載の検出装置。
[3]判定部は、前記タップ電圧のピーク電圧値に基づいて前記タップの強さを判定する[1]又は[2]記載の検出装置。
[4]前記静電容量センサは、前記タップ電圧の電圧値が前記タップ判定閾値に到達した時刻からピークに到達した時刻までの期間内に動作を開始する[1]~[3]のいずれか記載の検出装置。
[5]前記静電容量センサは、前記タップ電圧の電圧値が前記タップ判定閾値に到達した時刻に動作を開始する[1]~[4]のいずれか記載の検出装置。
[6]前記静電容量センサは、OFF判定から所定期間が経過した後に動作を停止する[1]~[5]のいずれか記載の検出装置。
[7]押圧力に応じた起電力を圧電素子によって発生させる発生ステップと、前記圧電素子が配置されたベース板の静電容量を静電容量センサによって検出する検出ステップと、前記起電力或いは前記静電容量に基づいてタップ及びリリースの判定を行う判定ステップと、を備え、前記発生ステップでは、タップに対応するタップ電圧を発生させ、前記検出ステップでは、タップに対応するON判定及びリリースに対応するOFF判定を行い、前記判定ステップでは、前記タップ電圧の電圧値とタップ判定閾値との比較及び前記静電容量センサのON判定の少なくとも一方に基づいてタップ判定を行い、前記静電容量センサのOFF判定に基づいてリリース判定を行う検出方法。
[8]前記判定ステップでは、前記タップ電圧の電圧値とタップ判定閾値との比較に基づいてタップ判定を行う[7]記載の検出方法。
[9]前記判定ステップでは、前記タップ電圧のピーク電圧値に基づいて前記タップの強さを判定する[7]又は[8]記載の検出方法。
[10]前記検出ステップでは、前記タップ電圧の電圧値が前記タップ判定閾値に到達した時刻からピークに到達した時刻までの期間内に前記静電容量センサの動作を開始させる[7]~[9]のいずれか記載の検出方法。
[11]前記検出ステップでは、前記タップ電圧の電圧値が前記タップ判定閾値に到達した時刻に前記静電容量センサの動作を開始させる[7]~[10]のいずれか記載の検出方法。
[12]前記検出ステップでは、OFF判定から所定期間が経過した後に前記静電容量センサの動作を停止させる[7]~[11]のいずれか記載の検出方法。
[1]ベース板と、前記ベース板に配置され、押圧力に応じた起電力を発生する圧電素子と、前記ベース板の静電容量を検出する静電容量センサと、前記起電力或いは前記静電容量に基づいてタップ及びリリースの判定を行う判定部と、を備え、前記圧電素子は、タップに対応するタップ電圧を発生させ、前記静電容量センサは、タップに対応するON判定及びリリースに対応するOFF判定を行い、前記判定部は、前記タップ電圧の電圧値とタップ判定閾値との比較及び前記静電容量センサのON判定の少なくとも一方に基づいてタップ判定を行い、前記静電容量センサのOFF判定に基づいてリリース判定を行う検出装置。
[2]前記判定部は、前記タップ電圧の電圧値とタップ判定閾値との比較に基づいてタップ判定を行う[1]記載の検出装置。
[3]判定部は、前記タップ電圧のピーク電圧値に基づいて前記タップの強さを判定する[1]又は[2]記載の検出装置。
[4]前記静電容量センサは、前記タップ電圧の電圧値が前記タップ判定閾値に到達した時刻からピークに到達した時刻までの期間内に動作を開始する[1]~[3]のいずれか記載の検出装置。
[5]前記静電容量センサは、前記タップ電圧の電圧値が前記タップ判定閾値に到達した時刻に動作を開始する[1]~[4]のいずれか記載の検出装置。
[6]前記静電容量センサは、OFF判定から所定期間が経過した後に動作を停止する[1]~[5]のいずれか記載の検出装置。
[7]押圧力に応じた起電力を圧電素子によって発生させる発生ステップと、前記圧電素子が配置されたベース板の静電容量を静電容量センサによって検出する検出ステップと、前記起電力或いは前記静電容量に基づいてタップ及びリリースの判定を行う判定ステップと、を備え、前記発生ステップでは、タップに対応するタップ電圧を発生させ、前記検出ステップでは、タップに対応するON判定及びリリースに対応するOFF判定を行い、前記判定ステップでは、前記タップ電圧の電圧値とタップ判定閾値との比較及び前記静電容量センサのON判定の少なくとも一方に基づいてタップ判定を行い、前記静電容量センサのOFF判定に基づいてリリース判定を行う検出方法。
[8]前記判定ステップでは、前記タップ電圧の電圧値とタップ判定閾値との比較に基づいてタップ判定を行う[7]記載の検出方法。
[9]前記判定ステップでは、前記タップ電圧のピーク電圧値に基づいて前記タップの強さを判定する[7]又は[8]記載の検出方法。
[10]前記検出ステップでは、前記タップ電圧の電圧値が前記タップ判定閾値に到達した時刻からピークに到達した時刻までの期間内に前記静電容量センサの動作を開始させる[7]~[9]のいずれか記載の検出方法。
[11]前記検出ステップでは、前記タップ電圧の電圧値が前記タップ判定閾値に到達した時刻に前記静電容量センサの動作を開始させる[7]~[10]のいずれか記載の検出方法。
[12]前記検出ステップでは、OFF判定から所定期間が経過した後に前記静電容量センサの動作を停止させる[7]~[11]のいずれか記載の検出方法。
1…検出装置、2…ベース板、3…圧電素子、6…静電容量センサ、13…判定部、Vt…タップ電圧、Vtp…ピーク電圧値、St…タップ判定閾値、t1…タップ電圧の電圧値がタップ判定閾値に到達した時刻、tp…タップ電圧の電圧値がピークに到達した時刻。
Claims (12)
- ベース板と、
前記ベース板に配置され、押圧力に応じた起電力を発生する圧電素子と、
前記ベース板の静電容量を検出する静電容量センサと、
前記起電力或いは前記静電容量に基づいてタップ及びリリースの判定を行う判定部と、を備え、
前記圧電素子は、タップに対応するタップ電圧を発生させ、
前記静電容量センサは、タップに対応するON判定及びリリースに対応するOFF判定を行い、
前記判定部は、前記タップ電圧の電圧値とタップ判定閾値との比較及び前記静電容量センサのON判定の少なくとも一方に基づいてタップ判定を行い、前記静電容量センサのOFF判定に基づいてリリース判定を行う検出装置。 - 前記判定部は、前記タップ電圧の電圧値とタップ判定閾値との比較に基づいてタップ判定を行う請求項1記載の検出装置。
- 前記判定部は、前記タップ電圧のピーク電圧値に基づいて前記タップの強さを判定する請求項1記載の検出装置。
- 前記静電容量センサは、前記タップ電圧の電圧値が前記タップ判定閾値に到達した時刻からピークに到達した時刻までの期間内に動作を開始する請求項1~3のいずれか一項記載の検出装置。
- 前記静電容量センサは、前記タップ電圧の電圧値が前記タップ判定閾値に到達した時刻に動作を開始する請求項1~3のいずれか一項記載の検出装置。
- 前記静電容量センサは、OFF判定から所定期間が経過した後に動作を停止する請求項1~3のいずれか一項記載の検出装置。
- 押圧力に応じた起電力を圧電素子によって発生させる発生ステップと、
前記圧電素子が配置されたベース板の静電容量を静電容量センサによって検出する検出ステップと、
前記起電力或いは前記静電容量に基づいてタップ及びリリースの判定を行う判定ステップと、を備え、
前記発生ステップでは、タップに対応するタップ電圧を発生させ、
前記検出ステップでは、タップに対応するON判定及びリリースに対応するOFF判定を行い、
前記判定ステップでは、前記タップ電圧の電圧値とタップ判定閾値との比較及び前記静電容量センサのON判定の少なくとも一方に基づいてタップ判定を行い、前記静電容量センサのOFF判定に基づいてリリース判定を行う検出方法。 - 前記判定ステップでは、前記タップ電圧の電圧値とタップ判定閾値との比較に基づいてタップ判定を行う請求項7記載の検出方法。
- 前記判定ステップでは、前記タップ電圧のピーク電圧値に基づいて前記タップの強さを判定する請求項7記載の検出方法。
- 前記検出ステップでは、前記タップ電圧の電圧値が前記タップ判定閾値に到達した時刻からピークに到達した時刻までの期間内に前記静電容量センサの動作を開始させる請求項7~9のいずれか一項記載の検出方法。
- 前記検出ステップでは、前記タップ電圧の電圧値が前記タップ判定閾値に到達した時刻に前記静電容量センサの動作を開始させる請求項7~9のいずれか一項記載の検出方法。
- 前記検出ステップでは、OFF判定から所定期間が経過した後に前記静電容量センサの動作を停止させる請求項7~9のいずれか一項記載の検出方法。
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JP2022133464A JP2024030520A (ja) | 2022-08-24 | 2022-08-24 | 検出装置及び検出方法 |
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