JP4760639B2 - 有機el素子 - Google Patents

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Description

本発明は、高精細で視認性に優れ、携帯端末機または産業用計測器の表示など広範囲な応用可能性を有する有機エレクトロルミネセンス(以下有機ELという)素子に関する。
有機EL素子は第1電極と第2電極より電流を注入して有機EL層より発光させる自発光素子であり、現在フラットパネルディスプレイの主流である液晶ディスプレイに比較して、視野角が広く、応答速度が速いため、次世代の携帯電話、携帯パソコン等のフラットパネルディスプレイ用素子として開発が進められている。
また、近年では有機EL層の発光域の光を吸収し、可視光域の蛍光を発光する蛍光材料をフィルターに用いる色変換方式の有機EL素子が開示されている(特許文献1,2等)。青色発光の有機EL素子を用いた色変換方式は青色光を緑色光や赤色光に波長変換している(特許文献3〜5)。このような蛍光色素を含む蛍光変換膜を高精細にパターニングし、RGB発光領域を形成すれば、発光体の近紫外光ないし可視光のような弱いエネルギー線を用いてもフルカラーの発光型ディスプレイが構築できる。
このようなRGBの発光領域を区切り、例えばパッシブマトリクス方式では、透明電極からなる所定のスキャンラインとアルミニウムなどの金属電極からなる所定のデータライン電極との間に電流を流すと所定のサブピクセルを発光させることができる。
しかしながら、プロセス上の不具合によりサブピクセルにリーク等の欠陥が生じるとサブピクセルが発光しなくなるだけでなく、同じデータライン上のサブピクセルにリーク電流が回り込むことにより輝線が発生し、重大な欠陥となる。このリーク箇所を修復するために当該データラインとスキャンライン間に逆バイアスを印加することによりリーク箇所に逆方向電流を流し、熱的に焼き切る技術が知られている(特許文献6参照)。
また、有機EL層と同じ材料を使って整流特性を持った層を有機EL層の下部に作製する発明が特許文献7に開示されている。この発明では有機材料を使って整流特性を持たせるので、順方向電圧の上昇を抑制しながら十分な逆耐圧を得るということができなかった。
特開平3−152897号公報 特開平5−258860号公報 特開平3−152897号公報 特開平8−286033号公報 特開平9−208944号公報 特開2003−234187号公報 特開2001−250680号公報
前述のようにリーク箇所を修復するため逆方向電流を流し、有機EL層を熱的に分解してリーク箇所を破壊することにより補修を行う。この方法では、リーク箇所のリーク電流と印加電圧の積が大きいほど、発熱量が大きくなり、リーク箇所を焼き切ることが可能になる。
ところで、最近では有機EL素子の駆動電圧を下げるために有機EL層自体を薄くしたり、正孔注入層や電子注入層にドーピングを行うことがされている。この結果、従来の非ドーピングの有機EL素子では駆動電圧は15Vで、逆方向耐圧が25V程度であったが、ドーピングや薄膜化により駆動電圧を10Vまで下がり、有機EL層の耐圧も12V程度にまで下がっている。このためリーク箇所を焼き切るための十分な熱エネルギーを供給することができなくなってしまう。そこで、有機EL素子の駆動電圧を低く保ったままリーク箇所を焼き切るために十分な耐圧を有する有機EL素子を供給するという課題があった。
上述の課題は、本発明によれば、陽極、有機EL層及び陰極を有する有機EL素子であって、陽極が少なくとも第1層としての無機材料からなるp型透明導電性膜と第2層としての無機材料からなるn型透明導電性膜とを有し、第1層と第2層とが陽極から陰極に向かう方向に整流特性を有するpn接合を形成しており、前記pn接合の拡散電位が0.2〜1.0Vである有機EL素子により解決される。
このように有機EL素子を構成する陽極に整流特性をもつ接合を形成することにより、有機EL素子の駆動電圧を低く保ったまま耐圧を十分なものとすることができる。
なお、本発明において整流特性とは、陽極から陰極に向かう方向(順方向)には電流が流れるが、陰極から陽極に向かう方向(逆方向)にはほとんど電流が流れない性質をいう。
また、前記接合の態様として、pn接合が好適である。
さらに、前記pn接合の拡散電位を0.2〜1.0Vとすることが好ましい。このような接合を陽極または陰極の内部に設けることにより、有機EL素子の駆動電圧を低く保ったまま、耐圧を25V程度に高くすることができる。
加えて、上記接合を構成する各層を無機材料からなるようにすることが好ましい。各層を無機材料とすることにより、有機材料を用いる場合には困難であった、順方向電圧の上昇を抑制しながら十分な逆耐圧を得ることが可能となる。
陽極および/または陰極の内部に、陽極から陰極に向かう方向に整流特性を有する接合を含む本発明の有機EL素子により、駆動電圧を低く保ったままリーク箇所を焼き切るために十分な耐圧を有する有機EL素子を供給することができる。本発明の有機EL素子を100cd/mの輝度で駆動する場合、必要な駆動電圧は10.5Vで、従来構造とほとんど相違ない駆動電圧でありながら、逆方向の耐圧は12Vから25Vと上昇し、十分な逆バイアスを印加することが可能となり、逆バイアス印加によるリーク箇所を焼き切ることが可能になる。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる有機EL素子の好適な実施の形態を説明する。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1はこの発明にかかる有機EL素子の構成を示す断面図である。本発明の有機EL素子は、基板1上に陽極2、有機EL層3と陰極4をこの順または逆順に積層したものである。有機EL層3は陽極2と陰極4に挟持される。さらに、有機EL層は正孔注入層31、正孔輸送層32、発光層33、電子輸送層34や電子注入層35を適宜選択して形成される。有機EL素子は、陽極2、有機EL層3と陰極4の積層構造により、図中の矢印で示す陽極2から陰極4に向かう方向に整流特性を有している。すなわち、有機EL素子はダイオードとして振る舞い、陽極2から陰極4に向かう方向(順方向)には電流を流し、この電流により有機EL層3が発光するのに対し、陰極4から陽極2に向かう方向(逆方向)には電流をほとんど流さない。
図2(a)は、図1に示す有機EL素子の陽極2を2層構造とし、その界面を整流特性を有する接合とする有機EL素子の構成を示す断面図である。この接合は第1層21と第2層22の界面からなり、図1で示した矢印の方向、すなわち、陽極2から陰極4に向かう方向に整流特性を有している。
図2(b)は、図1に示す有機EL素子の陰極4を2層構造とし、その界面を整流特性を有する接合とする有機EL素子の構成を示す断面図である。この接合は第3層41と第4層42の界面からなり、図1で示した矢印の方向、すなわち、陽極2から陰極4に向かう方向に整流特性を有している。
以下、各層についてさらに説明する。
陽極2を構成する第1層21、第2層22と、陰極4を構成する第3層41、第4層42の材料としては、導体または半導体のいずれかの無機材料を用いることができる。無機材料を用いる場合、ボトムエミションとトップエミッション構造で電極に対する要求特性が異なる。ボトムエミッションの場合には下部電極である陽極2は透明である必要がある。一方、トップエミッションの場合には上部電極である陰極4が透明である必要がある。
図3(a)〜(c)はボトムエミッション方式で、下部電極(陽極2)が2層構造の有機EL素子の断面図を示す。この場合、有機EL層3を出た光は陽極2と基板1をとおり外部に達するので、陽極2が透明である必要がある。例えば、図3(a)に示すようにp型透明導電性膜211とn型透明導電性膜221を組み合わせ、整流特性を有するpn接合を形成するとよい。あるいは、図3(b)のように金属層212とn型透明導電性膜221を組み合わせ、整流特性を有するショットキー接合を形成してもよい。また、図3(c)のようにp型透明導電性膜211と金属層222とを積層し、整流特性を有するショットキー接合を形成してもよい。金属層212、222は、光を透過するように消衰係数の低い金属で形成する。
透明導電性膜としては、GaNなどのp型及びn型窒化物半導体、ZnSeなどのp型及びn型カルコゲナイト半導体や、ZnOやCuScOなどのp型及びn型酸化物半導体を用いることができる。これらの半導体を導電性膜として用いる場合、抵抗が0.1〜100Ω−cmとなるように不純物濃度を調整する。
また、n型透明導電性膜としてはITO(InSnO)やIZO(InZnO)などの酸化物材料を用いることもできる。これらの酸化物材料は、基本的には抵抗が十分に低い場合には金属的に振舞う。
金属層の材料としては、光吸収の少ないAg、Auなどの金属乃至これらの金属を含む合金を用いることができる。光を十分透過するよう、金属層の厚さは5〜30nmとする。また、電極として十分な導電性が確保できない場合は発光部の横に補助配線を設けても良い。
いずれの材料を用いる場合にも、接合をショットキー接合とする場合には、その障壁高さが0.2〜1.0Vとなるように材料の組み合わせを選択し、pn接合とする場合には、その拡散電位が0.2〜1.0Vとなるように材料の組み合わせを選択する。このような接合を、陽極と陰極のいずれか、または両方の内部に形成することにより有機EL素子を逆方向にバイアスした際の耐圧を向上することができる。
なお、上部電極(陰極)は透明である必要がないので、金属層401の材料としてアルミニウム、銀、金、パラジウム、白金、クロム、モリブデン、亜鉛、カルシウムなどの金属あるいはこれらの合金を用いることができる。
図4(a)、(b)はボトムエミッション方式で、上部電極(陰極4)が2層構造の有機EL素子の断面図を示す。この場合、有機EL層3を出た光は陽極2をとおり外部に達するので、陰極4は透明である必要はない。例えば、図4(a)に示すように金属層411とn型導電性膜421を組み合わせ、整流特性を有するショットキー接合を形成してもよい。また、図4(b)のようにp型導電性膜412と金属層422とを積層し、整流特性を有するショットキー接合を形成してもよい。
導電性膜421,412としては、前述の透明導電性膜の他、1018cm−3程度の不純物を含むシリコンやゲルマニウムを用いてもよい。また、上部電極(陰極4)は透明である必要がないので、金属層411、422の材料としてアルミニウム、銀、金、パラジウム、白金、クロム、モリブデン、亜鉛、カルシウムなどの金属あるいはこれらの合金を用いることができる。
また、陽極201には前述の各透明導電性膜を用いることができる。
なお、GaNやZnSeなどのエピタキシャル成長をおこなって使用する材料は、結晶性の基板を使うなどの制約がある。一般に、ボトムエミッション方式の有機EL素子では、基板にガラスやフィルムが使用される場合が多いので、アモルファス乃至多結晶でpn接合やショットキー接合が作製できる材料の方が好ましい。
また、色変換方式(CCM)やカラーフィルタ方式の場合には、電極を作製する際にガラス基板上に予め作製した色変換層やカラーフィルタ層に熱的ダメージを与えないよう、プロセス温度を200℃以下に抑える必要がある。前述したCuScOなどのp型のデラフォサイト型透明導電性膜は、成膜後400℃前後加熱アニールする必要がある(特開平11−278834号公報参照)。したがって、この材料を用いる場合には、CCMやカラーフィルタの基板とは別のガラス基板上に透明導電性膜を形成して貼り合わせるか、あるいはガラス基板上に予め導電性膜を形成した後、基板の反対側にCCMやカラーフィルタを形成するとよい。
図5(a)〜(c)はトップエミッション方式で、下部電極(陽極2)が2層構造の有機EL素子の断面図を示す。この場合、有機EL層3を出た光は陰極4をとおり外部に達するので、陰極402は透明である必要があるが、陽極2は透明でなくてもよい。したがって、陽極2を不透明の材料を用いて形成することができる。例えば、図5(a)に示すようにp型半導体213とn型半導体223を組み合わせ、整流特性を有するpn接合を形成するとよい。あるいは、図5(b)のように金属層214とn型半導体223を組み合わせ、整流特性を有するショットキー接合を形成してもよい。また、図5(c)のようにp型半導体213と金属層224とを積層し、整流特性を有するショットキー接合を形成してもよい。
前述のとおりトップエミッション方式では、下部電極は透明である必要がないので、p型半導体213とn型半導体223としてポリシリコン乃至アモルファスシリコンなどの半導体を用いることができる。金属層214,224には先に例示した金属、合金を用いることができる。トップエミッション方式で、上部電極(陰極4)に整流特性をもたせる場合には、電極を透明にする必要があり、金属と透明導電性膜からなるショットキー接合、乃至透明導電性膜によるpn接合を作製すればよい。
以上では、陽極または陰極のいずれかが整流特性を有する接合を一つ含む有機EL素子について説明したが、陽極と陰極の両方が夫々整流特性を有する接合を含むようにしてもよい。また、陽極、陰極、または陽極と陰極の両方が夫々二つ以上の接合を有するように、導体や半導体を3層以上積層してもよい。このような素子構成とすることにより、電極の透明性を維持したまま耐圧を増加させることができる。
次に有機EL層3について説明する。有機EL層3は、図1に示すように有機発光層33を少なくとも含み、必要に応じて正孔注入層31、正孔輸送層32、電子輸送層34および/または電子注入層35を含む。これらの各層は、それぞれにおいて所望される特性を実現するのに充分な膜厚を有して形成される。例えば、下記のような層構成からなるものが採用される。
(1)有機発光層
(2)正孔注入層/有機発光層
(3)有機発光層/電子注入層
(4)正孔注入層/有機発光層/電子注入層
(5)正孔輸送層/有機発光層/電子注入層
(6)正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子注入層
(7)正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層
(上記の構成において、陽極として機能する電極が左側に接続され、陰極として機能する電極が右側に接続される)
正孔注入層31(ドーピング層)、正孔輸送層32、正孔輸送性発光層33の材料としてはアリールアミン化合物類が好適であり、特に限定はないが、特開平6−25659号公報、特開平6−203963号公報、特開平6−215874号公報、特開平7−145116号公報、特開平7−224012号公報、特開平7−157473号公報、特開平8−48656号公報、特開平7−126226号公報、特開平7−188130号公報、特開平8−40995号公報、特開平8−40996号公報、特開平8−40997号公報、特開平7−126225号公報、特開平7−101911号公報、特開平7−97355号公報に開示されているアリールアミン化合物類が好ましい。例えば、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノフェニル、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン、N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−4,4’−ジアミノビフェニル、ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル、4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン、3−メトキシ−4’−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン、N−フェニルカルバゾール、1,1−ビス(4−ジ−p−トリアミノフェニル)−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−フェニルメタン、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4’−[4(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]スチルベン、N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−4,4’−ジアミノ−ビフェニル、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノ−ビフェニルN−フェニルカルバゾール、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル、4,4’’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]p−ターフェニル、4,4’−ビス[N−(2−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル、4,4’−ビス[N−(3−アセナフテニル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル、1,5−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ナフタレン、4,4’−ビス[N−(9−アントリル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル、4,4’’−ビス[N−(1−アントリル)−N−フェニル−アミノ]p−ターフェニル、4,4’−ビス[N−(2−フェナントリル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル、4,4’−ビス[N−(8−フルオランテニル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル、4,4’−ビス[N−(2−ピレニル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル、4,4’−ビス[N−(2−ペリレニル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル、4,4’−ビス[N−(1−コロネニル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル、2,6−ビス(ジ−p−トリルアミノ)ナフタレン、2,6−ビス[ジ−(1−ナフチル)アミノ]ナフタレン、2,6−ビス[N−(1−ナフチル)−N−(2−ナフチル)アミノ]ナフタレン、4.4’’−ビス[N,N−ジ(2−ナフチル)アミノ]ターフェニル、4.4’−ビス{N−フェニル−N−[4−(1−ナフチル)フェニル]アミノ}ビフェニル、4,4’−ビス[N−フェニル−N−(2−ピレニル)−アミノ]ビフェニル、2,6−ビス[N,N−ジ(2−ナフチル)アミノ]フルオレン、4,4’’−ビス(N,N−ジ−p−トリルアミノ)ターフェニル、ビス(N−1−ナフチル)(N−2−ナフチル)アミンなどがある。さらに、従来有機EL素子の作製に使用されている公知のものを適宜用いることができる。
また、電子輸送層34の材料としては、Alqのようなアルミニウム錯体;PBD、TPOBのようなオキサジアゾール誘導体;TAZのようなトリアゾール誘導体;以下に示す構造を有するもののようなトリアジン誘導体;フェニルキノキサリン類;BMB−2Tのようなチオフェン誘導体などを用いることができる。電子注入層35の材料としては、Alqのようなアルミニウム錯体、あるいはアルカリ金属ないしアルカリ土類金属をドープしたアルミニウムのキノリノール錯体などを用いることができる。
有機EL層3を構成するそれぞれの層は、蒸着(抵抗加熱または電子ビーム加熱)などの当該技術において知られている任意の手段を用いて形成することができる。
基板1は、可視光(波長400〜700nm)に対して透明であり、積層される層の形成に用いられる条件(溶媒、温度等)に耐えるものであり、寸法安定性に優れていることが好ましい。好ましい透明基板は、ガラス基板、およびポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレートを含む)、ポリカーボネート樹脂、またはポリイミド樹脂などの樹脂で形成された剛直性の樹脂基板を含む。あるいはまた、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂(ポリメチルメタクリレートを含む)、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレートを含む)、ポリカーボネート樹脂、またはポリイミド樹脂などから形成される可撓性フィルムを、透明基板として用いてもよい。
以上、陽極、陰極、有機EL層と基板について説明した。本発明の有機EL素子にはこれらの構成の他、必要に応じて平坦化膜、パッシベーション膜や封止部材を公知の方法により設けることができる。
(実施例1)
本実施例では、図3(a)に示す構成のボトムエミッション型有機EL素子の原理試作を行った。層構成は、整流特性を有する陽極、正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層の4層構造からなる有機EL層、LiF/Alからなる陰極である。ガラス基板上に陽極パターンを形成し、クリーニング後に各層を順次成膜し、有機EL素子を作製した。発光面積は2mm□とした。
ガラス基板上に陽極の第1層として、CuSc0.9Mg0.1をターゲットとしてマグネトロンスパッタで厚さ200nmの厚さに成膜した後、500℃で5時間アニールし、p型透明導電性膜を形成した。次に、第2層として、マグネトロンスパッタで無定形のIn:ZnO(ZnOモル比で5%)を200nm作製し、n型透明導電性膜を形成した。この電極膜を通常のフォトプロセスにて2mmライン、0.5mmピッチのストライプパターンが得られるマスクを用いて陽極パターンを作製し、続いてこの表面を酸素プラズマにて室温でクリーニングした。
次いで基板の陽極を形成した面に厚さ200nmの正孔注入層を形成した。正孔注入層は銅フタロシアニン(CuPc)にアクセプタ(F4−TCNQ)を濃度2%となるようにドープしたものである。正孔輸送層には4,4’’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)を20nm積層した。発光層は4,4’’−ビス(2,2ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)を30nm積層した。電子注入層はアルミキレート(Alq)を20nm積層した。各層の厚さは、予め各材料単体の蒸着速度を水晶振動子膜厚モニタと実際の膜厚をDEKTAKやAFMで求めた膜厚との関係まとめたマスターカーブに基づいて決定した。ドープ量はそれぞれの材料単体での体積比となる。
これらの成膜を終了した後、陽極ラインと垂直に2mmライン、0.5mmピッチのストライプパターンが得られるマスクを用いて、抵抗加熱法で、LiFを0.5nm、Alを200nm成膜し、LiF/Alからなる陰極を形成した。
このように作製した有機EL素子の耐圧を評価したところ25Vであった。複数の有機EL素子に順方向電圧を印加し、リーク点の有無を検査した。リーク点を確認した素子を選び出して、逆バイアスとして20Vを印加し、再び、順方向電圧を印加して発光をさせたところ、リーク点が焼き切れて正常に発光するのを確認した。
(参考例1)
本参考例では、図5(b)に示す構成のトップエミッション型有機EL素子の原理試作を行った。層構成は、整流特性を有する陽極、正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層の4層構造からなる有機EL層と陰極である。陽極は金属層とn型半導体の積層構造であり、陰極は透明導電性膜である。発光面積は2mm□とした。
TFT基板の表面に、陽極の第1層としてMoからなる厚さ100nmの金属層を形成した後、その上に第2層としてn型アモルファスシリコンからなる厚さ300nmのn型半導体層を形成した。これらの層を通常のフォトプロセスにて2mmライン、0.5mmピッチのストライプパターンが得られるマスクを用いて陽極パターンを作製し、続いてこの表面を酸素プラズマにて室温でクリーニングした。
次いでTFT基板の陽極を形成した面に厚さ200nmの正孔注入層を形成した。正孔注入層は銅フタロシアニン(CuPc)にアクセプタ(F4−TCNQ)を濃度2%となるようにドープしたものである。正孔輸送層には4,4’’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル((α−NPD)を20nm積層した。発光層は4,4’’−ビス(2,2ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)を30nm積層した。電子注入層はアルミキレート(Alq)を20nm積層した。各層の厚さは実施例1と同様に決定した。
これらの成膜を終了した後、陽極ラインと垂直に2mmライン、0.5mmピッチのストライプパターンが得られるマスクを用いて、マグネトロンDCスパッタ法で300nm厚さのIZO膜を成膜し、陰極を形成した。
このように作製した有機EL素子の耐圧を評価したところ25Vであった。複数の有機EL素子に順方向電圧を印加し、リーク点の有無を検査した。リーク点を確認した素子を選び出して、逆バイアスとして20Vを印加し、再び、順方向電圧を印加して発光をさせたところ、リーク点が焼き切れて正常に発光するのを確認した。
(参考例2)
本参考例では、図4(a)に示す構成のボトムエミッション型有機EL素子の原理試作を行った。層構成は、陽極、正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層の4層構造からなる有機EL層と、整流特性を有する陰極である。陽極は透明導電性膜であり、陰極は金属層とn型導電性膜の積層構造である。
ガラス基板上に陽極として、マグネトロンスパッタで厚さ300nmの厚さに無定形のIn:ZnO(ZnOモル比で5%)を成膜し、透明導電性膜を形成した。この電極膜を通常のフォトプロセスにて2mmライン、0.5mmピッチのストライプパターンが得られるマスクを用いて陽極パターンを作製し、続いてこの表面を酸素プラズマにて室温でクリーニングした。
次いで基板の陽極を形成した面に、実施例1と同じ方法で、正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層の4層構造からなる有機EL層を形成した。
これらの成膜を終了した後、陽極ラインと垂直に2mmライン、0.5mmピッチのストライプパターンが得られるマスクを用いて、陰極の第3層として、抵抗加熱法で、LiFを厚さ0.5nm、Agを厚さ20nmとなるように成膜した後、第4層としてIZO膜を厚さ100nmとなるよう成膜した。
このように作製した有機EL素子の耐圧を評価したところ25Vであった。複数の有機EL素子に順方向電圧を印加し、リーク点の有無を検査した。リーク点を確認した素子を選び出して、逆バイアスとして20Vを印加し、再び、順方向電圧を印加して発光をさせたところ、リーク点が焼き切れて正常に発光するのを確認した。
本発明は、上述した実施の形態に限らず、種々変更可能である。例えば、陰極を基板と有機EL層の間に下部電極として形成し、陽極を有機EL層上に上部電極として形成してもよい。この構成で光を取り出す側の電極に整流特性を有する接合を形成するには、光を透過する透明導電性膜や金属を用いるとよい。
本発明によれば、駆動電圧を低く保ったままリーク箇所を焼き切るために十分な耐圧を有する有機EL素子を供給することができるので、非発光のサブピクセルや輝線を抑制した、携帯端末機または産業用計測器の表示などに応用可能なカラーディスプレイを提供できる。
本発明にかかる有機EL素子の構成を示す断面図である。 図1に示す有機EL素子の陽極(a)または陰極(b)を2層構造とし、その界面を整流特性を有する接合とする有機EL素子の構成を示す断面図である。 ボトムエミッション方式で、下部電極(陽極)が2層構造の有機EL素子の断面図を示す。 ボトムエミッション方式で、上部電極(陰極)が2層構造の有機EL素子の断面図を示す。 トップエミッション方式で、下部電極(陽極)が2層構造の有機EL素子の断面図を示す。
符号の説明
1 基板
2 陽極
3 有機EL層
4 陰極
21 第1層
22 第2層
31 正孔注入層
32 正孔輸送層
33 発光層
34 電子輸送層
35 電子注入層
41 第3層
42 第4層

Claims (1)

  1. 陽極、有機EL層及び陰極を有する有機EL素子であって、陽極が少なくとも第1層としての無機材料からなるp型透明導電性膜と第2層としての無機材料からなるn型透明導電性膜とを有し、第1層と第2層とが陽極から陰極に向かう方向に整流特性を有するpn接合を形成しており、前記pn接合の拡散電位が0.2〜1.0Vである有機EL素子。
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