JP4760319B2 - 複数台構成サーバのマスタ切り替え方法およびプラントシステム - Google Patents

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Description

本発明は、プラントシステムにおける、複数台で構成されたサーバのマスタ切り替え方法およびプラントシステムに関する。
プラントシステムの安定稼動のため、データを収集したり保管したりするサーバについては、マスタ(現用系・1台)とスレーブ(待機系・1台もしくは複数台)を設置する複数台構成とすることが多い。そして、マスタに異常が発生した場合、スレーブのうち優先順位の高い端末が新たなマスタとなり、処理を継続する。従来のマスタ切り替え方法は、切り替えの条件となるマスタ障害を設定し、その条件により切り替えとしている(例えば、特許文献1参照)。また、ヘルスチェックによる障害判定に加えてクライアント機への接続確認により孤立判定しているものもある(例えば、特許文献2参照)。
図5において、210は0系サーバ(この例ではマスタ)、220は1系サーバ(この例ではスレーブ)、203は0系サーバ210と1系サーバ220を相互に通信接続するためのLAN回線である。0系サーバ210と1系サーバ220は冗長構成となっているため、同一の機能と構成を有するものとなっている。また、211および221はそれぞれのサーバにおけるマスタとスレーブを切り替える系切り替え制御処理部である。この部分はさらに、障害発生あるいは障害復旧の監視を行なう213、223の障害監視部、障害監視部からの情報により系切り替え条件の判定を行ない、その結果に応じて系切り替え制御処理を行なう切り替え制御部212、222から構成される。
ここで、0系サーバ210の障害監視部213が、0系サーバ210の障害を検出すると、LAN通信状態および1系サーバ220に障害が発生していないことを確認すると、切り替え制御部212はマスタとなっている0系サーバ210を待機系と切り替え、かつ、スレーブとなっていた1系サーバ220をマスタへと切り替える系切り替えの制御を行なう。
このように、従来のサーバのマスタ切り替え方法では、障害現象を検知してからマスタの切り替えを実行する、という手順がとられていた。
そこで、故障現象を検出しない方法として、ネットワークに接続された複数のホストコンピュータが各自IPアドレスを定期的に発信し、他の全ホストが信号を受信し、受信できなかった場合にそのホストを故障とみなす故障検出手法が開示されている。(特許文献3)
特開2004−110509号公報(第10−11頁、図1) 特開2004−171370号公報(第12−14頁、図1) 特開2005− 12599号公報(第5頁、図1)
従来のマスタ切り替え方法では、障害発生を監視するという手順をとっているので、障害項目となる要素をすべて予め設定しなければならず、もしその設定から漏れた項目が発生した場合は切り替えとならないという問題があった。そのため、処理速度の低下時や想定外動作時は切り替えわらないということが起きていた。また、孤立判定のためにクライアント機との接続を確認している場合は、そのクライアント機を常時起動させておかなければならないという問題もあった。さらに、ホスト間で直接信号を授受しているので、全ホストが信号を受信できない場合、原因がホストにあるのか通信システムにあるのかわからないという問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、故障現象の検出やクライアント機の常時起動を必要とせず、通信システムの故障とサーバの故障が判別できる、確実なマスタ切り替えを行なうことができる方法およびシステムを提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、次のようにしたのである。
請求項1および5に記載の発明は、プラントコントローラと複数台のサーバとこれらをつなぐネットワークとを備えたプラントシステムにおいて、
プラントコントローラ内にマスタ情報エリアおよびカウンタ情報エリアを設け、
マスタ情報エリアには、各サーバがマスタかスレーブかを識別する記号を書込み処理し、
カウンタ情報エリアには、各サーバが一定周期でそれぞれ割り当てられたレジスタへあらかじめ設定された周期で変化するカウント値の書込み処理をし、
各サーバは各サーバ毎にあらかじめ設定された周期で前記マスタ情報および前記カウンタ情報を取得し、
その取得した条件によってサーバのマスタ切り替えを実行するという手順および構成をとったのである。
請求項2および6に記載の発明は、サーバのマスタ切り替えを実行するための前記条件は、書込まれた前記カウント値が前回の読み込み時と同じであることを条件とするものである。
請求項3および7に記載の発明は、各サーバが前記マスタ情報および前記カウンタ情報を取得し切り替え判定をする周期として、あらかじめ設定されたマスタ切り替えの優先順位が高いほど短い周期とするものである。
請求項4および8に記載の発明は、前記カウンタ情報エリアに書込まれるカウント値は、予め設定された正の数値範囲内で単調に増加または減少し制限値に達したら減少または増加に転ずることを繰り返すこととするものである。
請求項1および5に記載の発明によると、従来のように障害発生を監視する手順をとっておらず障害項目となる要素をすべて予め設定する必要がないので障害検出に漏れが生じない。また、全てのサーバがカウント値を更新できていることがわかれば全サーバとネットワークが正常であることになり、クライアント機と通信できなければそのクライアント機を故障とみなすことができるので、そのクライアント機を常時起動させておく必要はない。
さらに、全サーバが定期的に変化させるカウント値が一旦プラントコントローラに保存され、それらをサーバが互いに定期的に検出できるので、ネットワークの通信状態および全サーバが正常か否かの確認を確実に行なえるとともに、確実なマスタ切り替えを行なうことができるようになる。
請求項2および6に記載の発明によると、あるサーバで定期的に変化するはずのカウント値が変化していないことがそのサーバの故障を検出することになる。
請求項3および7に記載の発明によると、サーバの優先順位が高いほど情報取得・切り替え周期が短く設定されているので、それだけ頻繁にマスタが故障していないかをチェックすることになる。
請求項4および8に記載の発明によれば、カウント値がほとんど増加中または減少中の値をとるので、同じ値を書込みかつ読み込む確率が短時間では極めて低くなるので、誤って故障とみなすことがなくなる。
以下、本発明の具体的実施例について、図に基づいて説明する。
図1は、本発明の方法およびシステムを実施するサーバ複数台構成のプラントシステムを示すシステム構成図である。図において1、2、nはサーバ、11はプラントコントローラ、21はクライアント、31は制御系LAN、41は情報系LANとなっている。また、各サーバには、マスタ書込み装置101、102、・・・n01、カウント値書込み装置102、202、・・・n02、サーバ情報取得装置103、203、・・・n03、マスタ切替装置104、204、・・・n04が設けられている。
さらにプラントコントローラ11にはマスタ情報エリア111およびカウンタ情報エリア112を持っている。マスタ情報エリア111において、マスタとなっているサーバはON、スレーブとなっているサーバはOFFとなる。カウンタ情報エリア112においては、それぞれのサーバの正常処理中、一定周期で割り当てられたレジスタへのカウント値の書込みが行なわれる。
図2はサーバ複数台のときのプラントシステムにおいて現在マスタとなっているサーバの処理手順を示すフローチャートである。この図を用いて本発明の方法を順を追って説明する。
マスタサーバは、はじめにステップA1でプラントコントローラよりすべてのサーバのマスタ情報およびカウント情報を取得する。次にステップA2でコントローラから情報が取得できたかを判定し、取得できればステップA3に進み、取得できなければプラントコントローラの故障とみなして何もせずに処理を終了する。このステップA2はプラントコントローラが正常に動作しているか、また制御系LANが正常かどうかの確認にもなる。ステップA3で自サーバ以外にマスタとなっているサーバがいないかを確認し、もし自サーバ以外にマスタがいればステップA4に進み、自サーバ以外にマスタがいなければ何もせずに処理を終了する。ステップA4では自サーバ以外でマスタとなっているサーバのうち最も優先順位の高いサーバのカウンタ情報を参照し、前回値と変わっているか判定し、前回値と変わっていればステップA5へ進み、前回値と同じならば何もせずに処理を終了する。カウンタが前回値と同じということはそのサーバが正常に動作していないことを示している。ステップA5で自サーバのカウンタを参照して前回値と変わっているか判定し、前回値と変わっていればステップA6へ進み、前回値と同じならばステップA7へ進む。ステップA6では自サーバ以外でマスタとなっているサーバの優先順位と自サーバの優先順位を比較し、自サーバ以外でマスタとなっているサーバの優先順位より自サーバの優先順位が低ければ、ステップA7へと進む。自サーバ以外でマスタとなっているサーバの優先順位より自サーバの優先順位が高ければ何もせずに処理を終了する。ステップA7では、自サーバのマスタフラグをOFFとするとともに、マスタとしての動作を停止しスレーブとしての動作を開始させる。このように、プラントコントローラのマスタ情報およびカウンタ情報に基づき、マスタが複数台とならないように優先順位の低いサーバをマスタからスレーブへと切り替えることができる。
図3はサーバ複数台のときのプラントシステムにおいて現在スレーブとなっているサーバの処理手順を示すフローチャートである。
スレーブサーバは、ステップB1でプラントコントローラよりすべてのサーバのマスタ情報およびカウント情報を取得する。次にステップB2でコントローラから情報が取得できたかを判定し、取得できればステップB3に進み、取得できなければ何もせずに処理を終了する。このステップB2はプラントコントローラが正常に動作しているか、また制御系LANが正常かどうかの確認にもなる。ステップB3で自サーバのカウンタを参照して前回値と変わっているか判定し、前回値と変わっていればステップB4へ進み、前回値と同じならば何もせずに処理を終了する。ステップB4ではいずれかのサーバのマスタフラグがONとなっているかを判断し、いずれかのサーバのマスタフラグがONとなっていればステップB5へ進み、すべてOFFつまりマスタがいなければステップB6へ進む。ステップB5ではマスタフラグがONとなっているサーバのうち最優先順位となっているサーバのカウンタを参照して前回値と同じかを判定し、前回値と同じならばステップB6へ進み、前回値と変わっていれば何もせず処理を終了する。ステップB6で自サーバの優先順位における待ち時間が経過しているかを判定し、待ち時間が過ぎていればステップB7へ進み、待ち時間が経過していなければ処理を終了する。この待ち時間はサーバの優先順位が高いほど短く設定されているので、それだけ頻繁にマスタが故障していないかをチェックすることになる。ステップB7では、現マスタのマスタフラグをOFFとし、自サーバのマスタフラグをONとし、自サーバをマスタとしての動作を開始する。
このように、プラントコントローラのマスタ情報およびカウンタ情報に基づき、マスタがダウンとなっているかを検出し、ダウンとなっていることが検出されれば優先順位の高いサーバをスレーブからマスタへと切り替えることにより、プラントシステムとしての処理を継続することができる。
本発明の方法およびシステムを適用するサーバ複数台構成のプラントシステムを示すシステム構成図 本発明においてマスタとなっているサーバの処理手順を示すフローチャート 本発明においてスレーブとなっているサーバの処理手順を示すフローチャート 従来の方法を適用したサーバ複数台構成のブロック図
符号の説明
1、2、n サーバ
101、201、n01 マスタ情報書込み装置
102、202、n02 カウント値書込み装置
103、203、n03 サーバ情報取得装置
104、204、n04 マスタ切替装置
11 プラントコントローラ
111 マスタ情報エリア
112 カウンタ情報エリア
21 クライアント
31 制御系LAN
41 情報系LAN
203 LAN回線
210 0系サーバ(マスタ)
211 系切替制御処理部
212 切替制御部
213 障害監視部
220 1系サーバ(スレーブ)
221 系切替制御処理部
222 切替制御部
223 障害監視部

Claims (8)

  1. プラントを制御するプラントコントローラと、そのプラントコントローラからプラント運用データを収集する1台のマスタサーバと、マスタサーバの異常時にその機能を引き継ぐ1台以上のスレーブサーバと、これら装置をつなぐネットワークとを備えたプラントシステムにおいて、
    前記プラントコントローラ内にマスタ情報エリアおよびカウンタ情報エリアを設け、
    前記マスタ情報エリアには、前記各サーバがマスタかスレーブかを識別する記号を書込み処理し、
    前記カウンタ情報エリアには、前記各サーバのプログラム正常処理中はそれぞれ割り当てられたレジスタへあらかじめ設定された周期で変化するカウント値を一定周期で書込み処理し、
    前記各サーバは各サーバ毎にあらかじめ設定された周期で前記マスタ情報および前記カウンタ情報を取得し、
    その取得した条件によってサーバのマスタ切り替えを実行する、
    ことを特徴とする複数台構成サーバのマスタ切り替え方法。
  2. 前記サーバのマスタ切り替えを実行するための前記条件は、書込まれた前記カウント値が前回の読み込み時と同じであることを条件とする、請求項1記載のマスタ切り替え方法。
  3. 各サーバが前記マスタ情報および前記カウンタ情報を取得し切り替え判定をする周期として、あらかじめ設定されたマスタ切り替えの優先順位が高いほど短い周期とすることを特徴とする請求項1記載のマスタ切り替え方法。
  4. 各サーバの正常処理中に一定周期で前記カウンタ情報エリアに書込まれるカウント値は、予め設定された正の数値範囲内で単調に増加または減少し最大値又は最小値のいずれかに達したら減少または増加に転ずることを繰り返すことを特徴とする請求項1記載のマスタ切り替え方法。
  5. プラントを制御するプラントコントローラと、そのプラントコントローラからプラント運用データを収集する1台のマスタサーバと、マスタサーバの異常時にその機能を引き継ぐ1台以上のスレーブサーバと、これら装置をつなぐネットワークとを備えたプラントシステムにおいて、
    前記各サーバがマスタかスレーブかを識別する記号を書込み処理するマスタ情報エリアを前記プラントコントローラ内に備え、
    前記各サーバのプログラム正常処理中は一定周期でそれぞれ割り当てられたレジスタへあらかじめ設定された周期で変化するカウント値の書込み処理をするカウンタ情報エリアを前記プラントコントローラ内に備え、
    前記各サーバは、前記マスタ情報と前記カウント値をマスタ情報エリアおよびカウンタ情報エリアに書込むマスタ情報書込み装置およびカウント値書込み装置を備え、各サーバ毎にあらかじめ設定された周期で前記マスタ情報および前記カウンタ情報を取得するサーバ情報取得装置を備え、その取得した条件によってサーバのマスタ切り替えを実行するマスタ切替装置を備えることを特徴とするプラントシステム。
  6. 前記サーバのマスタ切り替えを実行するための前記条件は、書込まれた前記カウント値が前回の読み込み時と同じであることを特徴とする請求項5記載のプラントシステム。
  7. 各サーバが前記マスタ情報および前記カウンタ情報を取得し切り替え判定をする周期として、あらかじめ設定されたマスタ切り替えの優先順位が高いほど短い周期とすることを特徴とする請求項5記載のプラントシステム。
  8. 各サーバの正常処理中に一定周期で前記カウンタ情報エリアに書込まれるカウント値は、予め設定された正の数値範囲内で単調に増加または減少し最大値又は最小値のいずれかにに達したら減少または増加に転ずることを繰り返すことを特徴とする請求項5記載のプラントシステム。
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