JP4760076B2 - 熱可塑性樹脂被覆導電性組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂被覆導電性組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4760076B2
JP4760076B2 JP2005081357A JP2005081357A JP4760076B2 JP 4760076 B2 JP4760076 B2 JP 4760076B2 JP 2005081357 A JP2005081357 A JP 2005081357A JP 2005081357 A JP2005081357 A JP 2005081357A JP 4760076 B2 JP4760076 B2 JP 4760076B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermoplastic resin
conductive
melting point
weight
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005081357A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005307186A (ja
Inventor
賢一 東
勇司 池沢
隆 藤元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2005081357A priority Critical patent/JP4760076B2/ja
Publication of JP2005307186A publication Critical patent/JP2005307186A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4760076B2 publication Critical patent/JP4760076B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Description

本発明は熱可塑性樹脂被覆導電性組成物に関する。
熱可塑性樹脂に種々の導電性フィラーを添加した導電性樹脂組成物が様々な分野で使用されている。このような導電性樹脂組成物としては、ポリカーボネート樹脂とメタアクリレート樹脂に炭素繊維を配合した樹脂組成物が知られている(特許文献1参照)。
特開2002−265768号公報
しかしながら従来の導電性樹脂組成物を用いて得られる成形品は、導電性が不十分であった。特に厳しい環境下で使用した場合、例えば低温雰囲気下での使用と高温雰囲気下での使用を繰り返した場合に、導電性が損なわれることが多かった。
本発明の目的は、導電性に優れた熱可塑性樹脂被覆導電性組成物を提供することである。
すなわち本発明は、導電性繊維(A)、前記導電性繊維(A)よりも融点が低く、鉛を含有しない繊維状または棒状の低融点金属(B) および熱可塑性樹脂(C) を含む熱可塑性樹脂被覆導電性組成物であって、該組成物中の導電性繊維(A)、低融点金属(B)、熱可塑性樹脂(C)の重量合計を100としたときの導電性繊維(A)の割合が50〜95重量%、低融点金属(B)の割合が4〜40重量%、熱可塑性樹脂(C)の割合が1〜20重量%であり、低融点金属(B)の導電性繊維(A)に対する重量比((B)/(A))が0.31〜0.8であり、かつ導電性繊維(A)の繊維束中に低融点金属(B)を収束した複合繊維束が熱可塑性樹脂(C)に被覆されてなる熱可塑性樹脂被覆導電性組成物である。
本発明の熱可塑性樹脂被覆導電性組成物は、導電性に優れる組成物である。特に厳しい環境下で使用した場合、例えば低温雰囲気下での使用と高温雰囲気下での使用を繰り返した場合であっても、優れた導電性を維持することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明における熱可塑性樹脂被覆導電性組成物は、導電性繊維(A)、前記導電性繊維(A)よりも融点が低く、鉛を含有しない繊維状または棒状の低融点金属(B) および熱可塑性樹脂(C)を含む。
本発明の熱可塑性樹脂被覆導電性組成物における導電性繊維(A)は、長繊維状の金属繊維であることが好ましい。導電性繊維に用いられる繊維種としては、例えば、ステンレス、黄銅、銅、アルミニウム、鉄、金、銀、ニッケル、チタン、錫、亜鉛、マグネシウム、白金、ベリリウム、これらの金属種の合金、これらの金属種とリンとの化合物などが挙げられる。これらの金属種の中で、黄銅、銅、アルミニウム、鉄、金、銀、ニッケル、チタンが好ましく使用され、銅がより好ましく使用される。金属繊維は、上記した金属種を原材料として、伸線引き抜き法、溶融紡糸法、コイル材切削法、ワイヤ切削法等の方法により製造することができる。金属繊維は、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤等のカップリング剤またはトリアジンチオール化合物等の表面処理剤で表面処理されていてもよい。
また、本発明で用いられる導電性繊維(A)としては、カーボン繊維のように導電性を有する有機繊維や無機繊維、ポリエステル繊維やポリアミド繊維などの有機繊維の表面に金属層を設けたものや、ガラス繊維などの無機繊維の表面に金属層を設けたもの等が挙げられる。有機繊維または無機繊維に金属層を付与する方法は、繊維の種類に応じて適宜選択すればよいが、例えば、蒸着、メッキ、スパッタリング、イオンプレーティング等の方法が挙げられる。繊維に付与される金属は、特に限定されないが、なかでも銅が好ましい。
本発明で用いられる導電性繊維(A)は、体積抵抗値が50μΩcm以下であることが導電性の観点から好ましい。熱可塑性樹脂被覆導電性組成物における導電性繊維(A)の含有量は、該組成物中の導電性繊維(A)、低融点金属(B)、熱可塑性樹脂(C)の重量合計を100としたとき、50〜95重量%であることが好ましく、55〜90重量%であることがより好ましい。導電性繊維(A)の含有量が少なすぎると導電性が不十分となる傾向があり、多すぎると導電性繊維(A)の分散不良がおこりやすくなり、該熱可塑性樹脂被覆導電性組成物を用いて得られる成形品の導電性が低下する傾向がある。
導電性繊維(A)の断面形状は、特に限定されないが、略円形であることが好ましい。導電性繊維(A)の繊維径は、5〜100μmの範囲にあることが好ましく、10〜80μmであることがより好ましい。40〜60μmであることが更に好ましい。ここで、導電性繊維(A)の繊維径は、通常、同じ断面積を有する円に換算した時の繊維径をいう。繊維径が5〜100μmの範囲にあると、導電性繊維同士の接触が効率的に起こるため、少ない含有量で充分な導電性が得られるため好ましい。繊維径が小さすぎると繊維が切れやすくなるため、成形時に繊維長が短くなり、十分な導電性が得られないことがある。一方、繊維径が長すぎると、繊維の絡み合いが起こりにくくなり、十分な導電性が得られないことがある。
導電性繊維(A)の長さは、3〜15mmであることが好ましく、より好ましくは5〜10mmである。高い導電性、電磁波シールド効果を効率よく得るためには、繊維の長さが長いほど好ましいが、繊維の長さが長すぎると成形品の外観、成形性、分散性などがよくないことがある。一方、繊維の長さが短すぎると、成形時に絡まる導電性繊維同士の接触が起こりにくくなり、導電性が低下することがある。
導電性繊維(A)は、耐腐食性の観点から、スズまたはスズ合金によって被覆されていてもよい。スズ合金としては、例えば、スズ−鉛合金、スズ−鉛−銀合金、スズ−鉛−ビスマス合金などが挙げられる。
本発明で用いる低融点金属(B)は、上記の導電性繊維(A)よりも融点が低く、導電性繊維(A)と良好な融着性を示すものであることが好ましい。低融点金属(B)の融点は、300℃以下であることが好ましく、250℃以下であることがより好ましい。低融点金属(B)は鉛を含有しない金属であり、例えば、スズを主成分とし、スズと、銀、亜鉛および銅からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属種との鉛を含有しないはんだ合金などが挙げられ、繊維状または棒状の形態を有するものである。
本発明で用いられる繊維状または棒状の低融点金属(B)の断面形状は、特に限定されないが、略円形であることが好ましい。低融点金属(B)の径は、0.01〜5mmの範囲にあることが好ましく、0.05〜4mmであることがより好ましい。0.1〜3mmであることが更に好ましい。ここで、低融点金属(B)の径は、通常、同じ断面積を有する円に換算した時の繊維径をいう。低融点金属(B)の径が0.01〜5mmの範囲にあると、導電性繊維同士の接触を効率的に起こさせるため、充分な電磁波シールド特性が得られるため好ましい。低融点金属(B)の径が小さすぎると、成形品の製造時に切断されやすく、製造が困難となることがある。一方、低融点金属(B)の径が大きすぎると、導電性繊維束中に低融点金属(B)を収束することが困難となることがある。
本発明における低融点金属(B)の長さは、上述した導電性繊維(A)と同じ長さであることが好ましく、3〜15mmであることが好ましく、より好ましくは5〜10mmである。高い電磁波シールド効果を効率よく得るためには、長さが長いほど好ましいが、長すぎると成形品の外観、成形性、分散性などがよくないことがある。一方、長さが短すぎると、成形時に絡まる導電性繊維同士の接触の促進を起こしにくくなり、電磁波シールド効果が低下する傾向がある。
低融点金属(B)中には、導電性繊維(A)との融着性を改善する目的で、フラックスが含有されていてもよい。フラックスが含有されている場合、その含有量は、低融点金属(B)に対して0.1〜5重量%であることが好ましい。フラックスは低融点金属(B)中に含有されていることが好ましい。フラックスとしては、例えば、ステアリン酸、乳酸、オレイン酸、グルタミン酸、ロジン、活性ロジンなどが挙げられる。
熱可塑性樹脂被覆導電性組成物中の低融点金属(B)の含有量は、ヒートショック試験後の導電性を維持する観点で、該組成物中の導電性繊維(A)、低融点金属(B)、熱可塑性樹脂(C)の重量合計を100としたとき、20〜40重量%であることが好ましい。より好ましくは、25〜35重量%である。低融点金属(B)の含有量が少なすぎると、ヒートショック試験後の電磁波シールド性が低下する傾向があり、多すぎると熱可塑性樹脂被覆導電性組成物の流動性が低下するために成形加工性が劣る傾向がある。
本発明における熱可塑性樹脂被覆導電性組成物中の導電性繊維(A)と低融点金属(B)との重量比、すなわち(B)/(A)は、0.31〜0.8であることが好ましい。該重量比がこの範囲にあると、ヒートショック試験後も導電性が維持されるという観点で好ましい。より好ましくは、0.32〜0.7である。該重量比(B)/(A)が0.31未満であると、ヒートショック試験後も導電性が低下する傾向があり、0.8を超えると、熱可塑性樹脂被覆導電性組成物の流動性が低下するために成形加工性が劣る傾向がある。
本発明に用いる熱可塑性樹脂(C)としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等、あるいは、これら樹脂を2種類以上からなるブレンド、アロイを挙げる事ができる。なかでも、ポリプロピレン樹脂が好ましい。
ポリプロピレン樹脂としては、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体等が挙げられ、これらを単独または混合して用いることができる。ここで、α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等の炭素原子数2または4〜8のα−オレフィンなどが挙げられる。
また、本発明で用いられる熱可塑性樹脂(C)は、MFRが10g/10min以上400g/10min以下であることが好ましい。MFRが10g/10min未満であると、成形時、導電性繊維の分散性が低下し、得られる成形品の導電性が十分得られない傾向がある。またMFRが400g/10minを超えると、得られる成形品の強度が低下する傾向がある。
熱可塑性樹脂被覆導電性組成物における熱可塑性樹脂(C)の含有量は、該組成物中の導電性繊維(A)、低融点金属(B)、熱可塑性樹脂(C)の重量合計を100としたとき、1〜20重量%であることが好ましく、5〜10重量%であることがより好ましい。熱可塑性樹脂(C)の含有量が1重量%未満では、導電性繊維の分散が損なわれるために導電性を損なう傾向があり、20重量%を超えると、成形時に導電性繊維同士の接触を妨げるために、該熱可塑性樹脂被覆導電性組成物を用いて得られる成形品の導電性が低下する傾向がある。
本発明における熱可塑性樹脂被覆導電性組成物は、導電性繊維(A)の繊維束中に低融点金属(B)を収束した複合繊維束が熱可塑性樹脂(C)に被覆されてなる。導電性繊維(A)の繊維束中に低融点金属(B)が収束されている状態としては、低融点金属(B)が導電性繊維(A)の束の中に完全に包まれている状態、あるいは、低融点金属(B)が導電性繊維(A)の束の中に一部入り込んでいるが、一部露出している部分も有する状態のいずれの状態であってもよい。
熱可塑性樹脂被覆導電性組成物の形態が上記のようであると、成形時、導電性繊維(A)と低融点金属(B)の接触が効率的に行われ、ヒートショック試験後も優れた導電性を維持することができる。一方、低融点金属(B)が導電性繊維(A)の中に全く入り込まず、導電性繊維(A)の束と低融点金属(B)が並んだ状態で熱可塑性樹脂(C)に被覆されていたり、低融点金属(B)の中に導電性繊維(A)が収束された状態で熱可塑性樹脂(C)に被覆されている場合には、成形時に導電性繊維(A)と低融点金属(B)の接触が損なわれ、ヒートショック試験後に導電性が低下する傾向がある。
本発明の熱可塑性樹脂被覆導電性組成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、溶融熱可塑性樹脂中に複合繊維束を浸漬する方法や、複合繊維束と熱可塑性樹脂とを押出機に投入して熱可塑性樹脂を溶融した後ダイスより押出す方法が例示される。生産性の観点から、通常後者の方法が選択される。被覆する際の溶融熱可塑性樹脂の温度は、(B)低融点金属(B)の融点よりも20〜80℃高い温度であることが好ましく、30〜70℃高い温度であることが導電性の観点からより好ましい。
複合繊維束と熱可塑性樹脂とを押出機に投入し、複合繊維束を溶融熱可塑性樹脂で被覆する場合、複合繊維束の表面温度は50〜200℃であることが好ましく、100〜200℃であることがより好ましく、150〜200℃であることがさらに好ましい。表面温度が上記範囲の温度である複合繊維束を用いることにより、導電性繊維同士の接点への低融点金属の付着がより効率的に起こるために、導電性がより良好となる傾向がある。
熱可塑性樹脂で被覆された複合繊維側は、通常は続いて適当な大きさに切断してペレットとする。ペレットは、通常、断面が円形でも扁平でもその他の形状でもよく、特にその形状は限定されない。
複合繊維束を構成する導電性繊維(A)は100本未満であることが好ましく、50〜95本であることがより好ましく、60〜90本であることがさらに好ましい。導電性繊維数がこの範囲にあると、成形した際の分散性が良好となり、十分な導電性を発現でき、かつ、未開繊による外観不良もなく、繊維が成形機のスクリュー等に詰まるなどの不具合が発生しないために好ましい。
導電性繊維数が多すぎると、低温雰囲気下と高温雰囲気下で繰り返し使用されることを想定した試験、いわゆるヒートショック試験を実施すると、導電性が低下したり、成形加工性の悪化、外観不良を生じることがある。
本発明の熱可塑性樹脂被覆導電性組成物は、通常熱可塑性樹脂と共に成形に用いられる。熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂被覆導電性組成物とを混合する割合は、求められる導電性能等に応じて適宜設定される。使用する熱可塑性樹脂の種類も特に限定されるものではなく、成形品に必要な物性に応じて選択される。またフィラー、酸化防止剤、銅害防止剤、紫外線吸収剤、ラジカル補足剤などの各種添加剤や熱可塑性エラストマー等を添加してもよい。
本発明の熱可塑性樹脂被覆導電性組成物を用いて成形品を成形する場合には、公知の成形方法、例えば、射出成形、射出圧縮成形、射出プレス成形法により成形することができる。低融点金属の融点以上の温度で成形することが好ましい。成形時に化学発泡剤あるいは物理発泡剤を配合し、発泡成形してもよい。
本発明の熱可塑性樹脂被覆導電性組成物は、シート状に成形し、該シートを貼合成形して成形品としてもよい。シートは単層シートであってもよいし、熱可塑性樹脂被覆導電性組成物を含む層を1層以上有する多層シートであってもよい。
シートを貼合成形する方法としては、例えば、以下の(1)〜(4)の工程からなる方法などを挙げることができる。
(1)シートを加熱軟化する工程。
(2)軟化したシートを、熱成形用の型で熱成形し、熱成形体を得る工程。
(3)前記熱成形体を、成形用金型のキャビティ内にセットする工程。
(4)熱成形体をセットした上記金型キャビティ内に、溶融した基材用熱可塑性樹脂を注入し、注入された樹脂(基材)と該熱成形体とが貼合された積層構造体を得る射出成形工程。
工程(2)の熱成形法としては、例えば、真空成形、圧空成形、真空圧空成形などが挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂被覆導電性組成物は、成形加工性に優れたものであり、該樹脂組成物から得られる成形品は、開繊が十分であることから、外観不良が少ない。
また、該成形品は、電磁波シールド性を評価する方法の一つであるアドバンテスト法による磁界波2〜30MHzにおいて、30dBを越える電磁波シールド性を備えた電磁波シールド性にも優れたものである。さらに、−30℃と120℃の雰囲気下に300回以上繰り返し曝されるヒートショック試験を実施した後も、導電性を維持することができるものである。
本発明の熱可塑性樹脂被覆導電性組成物を用いて得られる成形品は、導電性に優れるものである。さらに、−30℃と120℃の雰囲気下に300回以上繰り返し曝されるヒートショック試験を実施した後も導電性を維持できるものである。
以下、本発明を実施例を用いて説明するが、本発明が実施例により限定されるものではないことは言うまでもない。
なお、実施例で使用した射出成形機、金型、成形品形状及び評価法は、以下のとおりである。
導電性を評価するための試験片の成形、導電性の評価は以下のようにして実施した。
(1)射出成形機および金型、成形条件
射出成形機:日本製鋼所製 J150E 型締力 150トン
成形温度:250℃
金型:縦150×横150×厚み2mm、形状は図1参照。
金型温度:50℃
(2)導電性の測定
<内部抵抗値の測定>
上記(1)で得られた成形品の4隅に銅製のねじをそれぞれ約100mm間隔になるように打ち込んだ後、2箇所のねじの間の抵抗値を、ミリオームテスターを用いて測定して内部抵抗値の測定を行った。内部抵抗値が小さいほど導電性良好である。
(3)ヒートショック試験
冷熱衝撃試験機(タバイエスペック社製)を使用。
試験条件:低温槽温度−10℃、低温さらし時間30分、高温槽温度90℃、高温さらし時間25分とし、低温槽から高温槽へ、さらに低温槽へとサンプルを移動させるサイクルを300回実施した。
実施例1
導電性繊維(A)として、繊維径50μmの銅繊維60本を、低融点金属(B)として、直径300μmの鉛フリーはんだ1本を用いた。導電性繊維(A)の繊維収束中に低融点金属(B)を収束した複合繊維束を、プロピレン単独重合体(C)(MFR100g/10min、住友化学工業製、登録商標住友ノーブレンU501E1)とともに40mmφの押出機のダイスを通して押し出し、複合繊維束の表面にプロピレン単独重合体を被覆した後、ペレット長6mmの大きさに切断して熱可塑性樹脂被覆導電性組成物を製造した。得られた熱可塑性樹脂被覆導電性組成物の組成は、銅繊維60重量%、鉛フリーはんだ30重量%、プロピレン単独重合体10重量%であった。
該熱可塑性樹脂被覆導電性組成物33重量%、ポリプロピレン樹脂組成物(MFR60g/10minのプロピレン−エチレン共重合体60重量%、MFR8g/10minのエチレン−1−オクテン共重合体20重量%、タルク20重量%からなる組成物)50重量%、プロピレン−エチレン共重合体(住友化学工業製、登録商標住友ノーブレンAZ161T、MFR30g/10min)9重量%、銅害防止剤マスターバッチ(住友化学工業製、登録商標住友ノーブレンMB109)8重量%をドライブレンドした後、成形温度250℃、金型温度40℃の条件で射出成形し、150×150×2mm厚みの成形品を作製した。得られた成形品表面は良好であった。得られた成形品の内部抵抗値を評価した。結果を表2に示した。
実施例2
導電性繊維(A)として、繊維径50μmの銅繊維90本を、低融点金属(B)として、直径300μmの鉛フリーはんだ1本を用いた。導電性繊維(A)の繊維収束中に低融点金属(B)を収束した複合繊維束を、プロピレン単独重合体(C)(MFR100g/10min、住友化学工業製、登録商標住友ノーブレンU501E1)とともに40mmφの押出機のダイスを通して押し出し、複合繊維束の表面にプロピレン単独重合体を被覆した後、ペレット長6mmの大きさに切断して熱可塑性樹脂被覆導電性組成物を製造した。得られた熱可塑性樹脂被覆導電性組成物の組成は、銅繊維67.5重量%、鉛フリーはんだ22.5重量%、プロピレン単独重合体10重量%であった。
該熱可塑性樹脂被覆導電性組成物30重量%、ポリプロピレン樹脂組成物(MFR60g/10minのプロピレン−エチレン共重合体60重量%、MFR8g/10minのエチレン−1−オクテン共重合体20重量%、タルク20重量%からなる組成物)50重量%、プロピレン−エチレン共重合体(住友化学工業製、登録商標住友ノーブレンAZ161T、MFR30g/10min)12重量%、銅害防止剤マスターバッチ(住友化学工業製、登録商標住友ノーブレンMB109)8重量%をドライブレンドした後、成形温度250℃、金型温度40℃の条件で射出成形し、150×150×2mm厚みの成形品を作製した。得られた成形品表面は良好であった。得られた成形品の内部抵抗値を評価した。結果を表2に示した。
比較例1
導電性繊維(A)として、繊維径50μmの銅繊維120本を、低融点金属(B)として、直径300μmの鉛フリーはんだ1本を用いた。導電性繊維(A)の繊維収束中に低融点金属(B)を収束した複合繊維束を、プロピレン単独重合体(C)(MFR100g/10min、住友化学工業製、登録商標住友ノーブレンU501E1)とともに40mmφの押出機のダイスを通して押し出し、複合繊維束の表面にプロピレン単独重合体を被覆した後、ペレット長6mmの大きさに切断して熱可塑性樹脂被覆導電性組成物を製造した。得られた熱可塑性樹脂被覆導電性組成物の組成は、銅繊維72重量%、鉛フリーはんだ18重量%、プロピレン単独重合体10重量%であった。
該熱可塑性樹脂被覆導電性組成物28重量%、ポリプロピレン樹脂組成物(MFR60g/10minのプロピレン−エチレン共重合体60重量%、MFR8g/10minのエチレン−1−オクテン共重合体20重量%、タルク20重量%からなる組成物)50重量%、プロピレン−エチレン共重合体(住友化学工業製、登録商標住友ノーブレンAZ161T、MFR30g/10min)14重量%、銅害防止剤マスターバッチ(住友化学工業製、登録商標住友ノーブレンMB109)8重量%をドライブレンドした後、成形温度250℃、金型温度40℃の条件で射出成形し、150×150×2mm厚みの成形品を作製した。得られた成形品表面は良好であった。得られた成形品の内部抵抗値を評価した。結果を表2に示した。
比較例2
鉛フリーはんだの周囲を銅繊維が収束せずに、鉛フリーはんだと銅繊維とが並んだ状態でポリプロピレン樹脂に被覆された熱可塑性樹脂被覆導電性組成物を用いた以外は、実施例1と同様に成形品を作製した。得られた成形品の内部抵抗値を評価した。結果を表2に示した。得られた成形品は、表面にはんだの分離が見られた。
比較例3
繊維径50μmの銅繊維91本の束をプロピレン単独重合体(MFR100g/10min)で被覆した長さ6mmの導電性組成物22重量%と、Sn/Cu/Ag=96.5/0.5/3 (wt/wt)の組成からなる鉛フリーはんだ20重量%およびポリプロピレン樹脂組成物(MFR60g/10minのプロピレン−エチレン共重合体60重量%、MFR8g/10minのエチレン−1−オクテン共重合体20重量%、タルク20重量%からなる組成物)80重量%からなる樹脂組成物37.5重量%、ポリプロピレン樹脂組成物(MFR60g/10minのプロピレン−エチレン共重合体60重量%、MFR8g/10minのエチレン−1−オクテン共重合体20重量%、タルク20重量%からなる組成物)20重量%、プロピレン−エチレン共重合体(住友化学工業製、登録商標住友ノーブレンAZ161T、MFR30g/10min)12.5重量%、銅害防止剤マスターバッチ(住友化学工業製、登録商標住友ノーブレンMB109)8重量%を用いて、実施例1と同様に射出成形により成形品を得た。得られた成形品表面は良好であった。得られた成形品の内部抵抗値を評価した。結果を表2に示した。
Figure 0004760076
Figure 0004760076
本発明の実施例で成形した成形品の図

Claims (2)

  1. 導電性繊維(A)、前記導電性繊維(A)よりも融点が低く、鉛を含有しない繊維状または棒状の低融点金属(B)および熱可塑性樹脂(C)からなる熱可塑性樹脂被覆導電性組成物であって、
    導電性繊維(A)の繊維径は、40〜60μmであり、低融点金属(B)の径は、0.1〜3mmであり、
    該組成物中の導電性繊維(A)、低融点金属(B)、熱可塑性樹脂(C)の重量合計を100としたときの導電性繊維(A)の割合が50〜95重量%、低融点金属(B)の割合が4〜40重量%、熱可塑性樹脂(C)の割合が1〜20重量%であり、
    低融点金属(B)の導電性繊維(A)に対する重量比((B)/(A))が0.32〜0.7であり、かつ、前記低融点金属(B)が、50〜95本の前記(A)導電性繊維で包まれるようにして形成された複合繊維束の表面に、溶融状の前記(C)熱可塑性樹脂が被覆されていることを特徴とする熱可塑性樹脂被覆導電性組成物。
  2. 導電性繊維(A)が銅繊維である請求項1に記載の熱可塑性樹脂被覆導電性組成物。
JP2005081357A 2004-03-22 2005-03-22 熱可塑性樹脂被覆導電性組成物 Expired - Fee Related JP4760076B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005081357A JP4760076B2 (ja) 2004-03-22 2005-03-22 熱可塑性樹脂被覆導電性組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004082140 2004-03-22
JP2004082140 2004-03-22
JP2005081357A JP4760076B2 (ja) 2004-03-22 2005-03-22 熱可塑性樹脂被覆導電性組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005307186A JP2005307186A (ja) 2005-11-04
JP4760076B2 true JP4760076B2 (ja) 2011-08-31

Family

ID=35436303

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005081357A Expired - Fee Related JP4760076B2 (ja) 2004-03-22 2005-03-22 熱可塑性樹脂被覆導電性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4760076B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5040107B2 (ja) * 2005-12-05 2012-10-03 住友化学株式会社 導電性熱可塑性樹脂製成形品の製造方法
MX2013006845A (es) * 2010-12-28 2013-07-29 Saint Gobain Performance Plast Polimeros con material de relleno metalico para apantallamiento contra la interferencia electromagnetica (emi).
CN111813263B (zh) * 2020-07-10 2022-09-20 业成科技(成都)有限公司 热塑成形的修复粒子及方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0813904B2 (ja) * 1987-03-27 1996-02-14 東芝ケミカル株式会社 導電性樹脂組成物
JPH073072A (ja) * 1993-05-17 1995-01-06 Toshiba Chem Corp 導電性樹脂組成物およびその成形品
JPH0763971B2 (ja) * 1993-12-10 1995-07-12 東芝ケミカル株式会社 導電性樹脂成形品
JPH09241420A (ja) * 1996-03-08 1997-09-16 Asahi Chem Ind Co Ltd 鉛フリー導電性樹脂組成物
JP2004047470A (ja) * 1998-03-10 2004-02-12 Togo Seisakusho Corp 導電性樹脂組成物及びそれを用いた樹脂成型品の製造方法
JP2005264096A (ja) * 2004-03-22 2005-09-29 Sumitomo Chemical Co Ltd 樹脂被覆組成物の製造方法
JP5095072B2 (ja) * 2004-03-22 2012-12-12 住友化学株式会社 樹脂成形品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005307186A (ja) 2005-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4882227A (en) Conductive resin composition and molded product using the same
KR101469683B1 (ko) 무전해 및 전해 연속 공정에 의해 제조된 구리 및 니켈 도금 탄소 섬유를 이용한 전자파 차폐 복합재의 제조 방법 및 전자파 차폐 복합재
US20050209385A1 (en) Electrically conductive composite
KR101397687B1 (ko) 고강성 전자파 차폐 복합재
JP4760076B2 (ja) 熱可塑性樹脂被覆導電性組成物
US20230203670A1 (en) Metal member, metal-resin composite, and method for manufacturing metal member
KR20110079103A (ko) 전자파 차폐성이 우수한 열가소성 수지 조성물
JP5095072B2 (ja) 樹脂成形品の製造方法
JP5040107B2 (ja) 導電性熱可塑性樹脂製成形品の製造方法
JP2005264096A (ja) 樹脂被覆組成物の製造方法
JP2004256568A (ja) ポリプロピレン樹脂組成物及び成形品
JP2004269768A (ja) ポリプロピレン樹脂組成物及び成形品
JP2004027098A (ja) ポリプロピレン樹脂組成物
JPS63218309A (ja) 導電性樹脂組成物
CN106893266A (zh) 一种树脂组合物及其制备方法、金属树脂复合体
WO2005118696A1 (en) Conductive/dissipative plastic compositions for molding articles
JPH02250203A (ja) 導電性樹脂添加用銅合金繊維及び銅合金繊維束
JPS63218310A (ja) 導電性樹脂組成物
KR101411021B1 (ko) 고강성 전자파 차폐 복합재
JPS63251468A (ja) 導電性樹脂組成物
JP2004027097A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH0212986B2 (ja)
JPH02213002A (ja) 導電性樹脂組成物の製造方法
JPH03138330A (ja) 導電性樹脂添加用銅合金繊維及び銅合金繊維束
JPH0212988B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20080131

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080222

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20080514

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101012

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101019

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110208

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110407

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110510

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110523

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140617

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140617

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees