JP4759764B2 - バッチャ−プラントにおけるセメント用空気輸送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、バッチャ−プラントにおけるセメント用空気輸送装置に関し、さらに詳細には、セメントタンクよりセメントを冷却せしめつつセメントビンに空気輸送せしめることが出来るのみならず、非輸送時には冷却せしめた圧縮空気をセメントビンに送風して貯蔵するセメントを有効に冷却保持せしめることが出来る、バッチャ−プラントにおけるセメント用空気輸送装置に関する。
日平均気温が25℃を越える暑中環境下で工事を行う暑中コンクリートにおいては、セメントの水和反応が促進して凝固や硬化速度が速くなり、時間の経過と共にスランプの低下が著しく、しかも、水分が急激に蒸発してコールドジョイントやひび割れを発生せしめるのみならず、初期強度が高い反面、長期強度の伸びが小さい等の問題点を有するものである。このため、打込み時のコンクリート温度が35℃以内(日本土木学会)、荷卸し時のコンクリート温度が35℃以下(日本建築学会)と定められている。
上記暑中コンクリートの問題点を解決するものとして、特開平8−309731号公報(特許文献1)には、予め所定温度に冷却せしめた骨材(砂、砂利)をセメント及び水と共に混練りして冷却コンクリートを製造せしめる方法が開示されている。また、特開平7−9432号公報(特許文献2)には、セメントを冷却せしめる装置が開示され、予め冷却せしめたセメントを骨材及び水と共に混練りして冷却コンクリートを製造するものとされている。さらに、特開平9−314541号公報(特許文献3)には、練り水を冷却せしめる装置が開示され、予め冷却せしめた練り水をセメント及び骨材と共に混練りして冷却コンクリートを製造するものとされている。
ところで、上記冷却コンクリ−トを製造せしめるさいにおいて、セメントタンクよりセメントをセメントビンに輸送せしめる手段としては、例えば、本願出願人にかかる特願2004−102406号(特許文献4)に記載されているように、セメントタンクに輸送パイプを介してセメントビンが接続され、送風機により圧縮空気を輸送パイプに送風せしめつつセメントを空気輸送するものとされている。
特開平8−309731号公報 特開平7−9432号公報 特開平9−314541号公報 特願2004−102406号
上述の如く、従来は送風機により圧縮空気を輸送パイプに送風せしめつつ、セメントタンクよりセメントをセメントビンに空気輸送せしめるものであるから、セメントを非常に効率よく確実に輸送せしめることが出来るものである。
しかしながら、日平均気温が25℃を越える暑中環境下においては、セメントタンクが熱せられて貯蔵するセメントが高温化するのみならず、輸送パイプも熱せられて高温化し
、また、輸送媒体である圧縮空気自体も高温を呈するものである。このため、セメントを高温状態でもってセメントビンに空気輸送せしめざるを得ないものであって、ひいては、冷却コンクリ−トの製造に悪影響を及ぼすのみならず、別途セメント自体を冷却せしめるさいにおいても非常に冷却効率が悪いものである。
本発明は従来の問題点を解決し、セメントタンクよりセメントを冷却せしめつつセメントビンに空気輸送せしめることが出来るのみならず、セメントの非輸送時にはセメントを有効に冷却保持せしめることが出来る、バッチャ−プラントにおけるセメント用空気輸送装置を提供しようとするものである。
上記の目的を達成するため、請求項1記載の発明は、弁体付き排出ゲ−トを備えたセメントタンクに輸送パイプを介してセメントビンが接続され、該輸送パイプには圧縮空気を送風せしめるべく送風機が接続されると共に、該送風機には圧縮空気を冷却せしめるべく冷却器が付設されてなり、上記冷却器により冷却せしめつつ送風機でもって圧縮空気を輸送パイプ内に送風せしめると共に、セメントの輸送時には排出ゲ−トの弁体を開作動してセメントタンク内に貯蔵するセメントを排出せしめつつセメントビンに空気輸送せしめ、非輸送時には排出ゲ−トの弁体を閉作動せしめて冷却空気のみを輸送パイプによりセメントビンに送風し、貯蔵するセメントを冷却保持せしめるべく構成されてなることを特徴とする、バッチャ−プラントにおけるセメント用空気輸送装置を要旨とするものである。
請求項2記載の発明は、上記セメントタンクの下端部には排出セメント量を適正に調整せしめるべくインバ−タ制御モ−タを介してロ−タリ−フィ−ダが可変自在に内設されてなることを特徴とする、請求項1記載のバッチャ−プラントにおけるセメント用空気輸送装置を要旨とするものである。
請求項3記載の発明は、上記セメントタンクの排出ゲ−トに弁体付き分岐排出ゲ−トがダンパを介して切替え自在に分岐形成され、該分岐排出ゲ−トは輸送パイプより分岐せしめた分岐輸送パイプを介してセメントタンクの上端に接続されてなることを特徴とする、請求項1及び2記載のバッチャ−プラントにおけるセメント用空気輸送装置を要旨とするものである。
請求項1記載の発明は上述のように構成されているから、冷却器により冷却せしめつつ送風機でもって圧縮空気を輸送パイプ内に送風せしめると共に、セメントの輸送時には排出ゲ−トの弁体を開作動してセメントタンク内に貯蔵するセメントを排出せしめつつセメントビンに空気輸送せしめ、非輸送時には排出ゲ−トの弁体を閉作動せしめて冷却空気のみを輸送パイプによりセメントビンに送風し、貯蔵するセメントを冷却保持せしめることが出来るものであって、ひいては、冷却コンクリ−トの製造を好適に行なうことが出来るものである。
請求項2記載の発明は上述のように構成されているから、ロ−タリ−フィ−ダの回転数を自動的に可変せしめてセメントの排出量を適正に調整せしめることが出来るものであって、ひいては、常にセメントを効率よく均一に冷却せしめることが出来るものである。
請求項3記載の発明は上述のように構成されているから、ダンパを切替えると共に弁体を開作動せしめてセメントタンクに貯蔵するセメントを分岐排出ゲ−トより排出せしめつつ、送風機により冷却圧縮空気を送風せしめてセメントタンク内の上端に順次空気輸送せしめ、セメントタンクに貯蔵するセメントを循環せしめつつ冷却せしめることが出来るものである。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に示す一実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施例を示すもので、同図中、1はセメントの種類に応じて貯蔵せしめるべく設置された所要数のセメントタンク、2は該各セメントタンク1の上端部に取付けられたバグフィルタ、3は各セメントタンク1の下部に内設されたロ−タリ−フィ−ダで、該各ロ−タリ−フィ−ダ3はセメントタンク1より適量のセメントを排出せしめるべくインバ−タ制御のギャ−ドモ−タ4によりその回転数が可変自在とされている。5は各セメントタンク1の下端に設けられた排出ゲ−ト、6は該排出ゲ−ト5を開閉作動せしめるべくその下端に内設されたバタフライバルブで、該各バタフライバルブ6は外部に配設されたエアシリンダやアクチュエ−タ(図示略)などにより開閉作動せしめるべく構成されている。7は上記各セメントタンク1に貯蔵せしめたセメントを後記するセメントビン11に空気輸送せしめるべく排出ゲ−ト5を介して分岐状に配管された輸送パイプ、8は各排出ゲ−ト5に対応すべく輸送パイプ7に各々取付けられた切替バルブ、9は輸送パイプ7の基端部に接続されたル−ツタイプのブロア、10は圧縮空気を冷却せしめるべく該ブロア9と輸送パイプ7との間に介装された冷水チラ−である。その他、11はバッチャ−プラントを構成する所要数のバグフィルタ12付きセメントビンで、該各セメントビン11は輸送パイプ7を介して対応するセメントタンク1に接続せしめられている。
次に、上述の如く構成された第1実施例の作用について説明する。
まず、セメントを空気輸送せしめるべきセメントタンク1に対応する切替バルブ8を開作動せしめると共に、ブロア9及び冷水チラ−10を作動せしめ、ブロア9により発生する圧縮空気を冷水チラ−10により冷却せしめつつ輸送パイプ7に送風せしめる。次いで
、ギャ−ドモ−タ4の起動によりロ−タリ−フィ−ダ3を可変自在に回転せしめると共にバタフライバルブ6を開作動せしめ、セメントタンク1内に貯蔵するセメントを排出ゲ−ト5を通して排出せしめる。このさい、ロ−タリ−フィ−ダ3は貯蔵セメントの重力や排出量などに応じてその回転数が可変自在にインバ−タ制御せしめられているから、常に適正量のセメントを排出せしめることが出来る。そして、排出ゲ−ト5より排出せしめたセメントは順次輸送パイプ7を介して対応するセメントビン11に空気輸送せしめる。このさい、輸送媒体である圧縮空気は冷水チラ−10により冷却せしめられているから、セメントをその輸送中に有効に冷却せしめることが出来る。
以下同様に、適宜切替バルブ8を開作動せしめると共に、ロ−タリ−フィ−ダ3及びバタフライバルブ6を作動せしめ、所要のセメントタンク1よりセメントを排出せしめて対応するセメントビン11に冷却せしめつつ空気輸送せしめる。
逆に、セメントの非輸送時には、ロ−タリ−フィ−ダ3の回転作動を停止せしめると共に、バタフライバルブ6を閉作動せしめ、セメントタンク1のセメント排出を停止せしめる。そして、輸送パイプ7を介して冷却せしめた圧縮空気のみを対応するセメントビン11に送風せしめ、貯蔵するセメントを有効に冷却保持せしめる。
図2は本発明の第2実施例を示すもので、吸引空気自体を冷却せしめるべくブロア9に連結パイプ13を介して冷風チラ−14が接続された点が第1実施例と相違し、他の部分は同一であり、同一符号は同一部分を示す。
そして、上述の如く構成された第2実施例は、冷風チラ−14により冷却せしめた空気をブロア9に吸引せしめ、冷水チラ−10と共に圧縮空気をより冷却せしめるもので、第1実施例と同様に作動せしめてセメントの冷却空気輸送やセメントビン11内の貯蔵セメントを冷却保持せしめるものである。
図3は本発明の第3実施例を示すもので、冷水チラ−10に代えて冷風チラ−14が連結パイプ13を介してブロア9に接続された点が第1実施例と相違し、他の部分は同一であり、同一符号は同一部分を示す。
そして、上述の如く構成された第3実施例は、冷風チラ−14により冷却せしめた空気をブロア9に吸引して送風せしめるもので、第1実施例と同様に作動せしめてセメントの冷却空気輸送やセメントビン11内の貯蔵セメントを冷却保持せしめるものである。
図4は本発明の第4実施例を示すもので、各セメントタンク1の排出ゲ−ト5にバタフライバルブ6付き分岐排出ゲ−ト15がダンパ16を介して切替自在に分岐形成され、該各分岐排出ゲ−ト15は輸送パイプ7より分岐せしめた分岐輸送パイプ17を介してセメントタンク1自体の上端に接続せしめるべく構成された点が第1実施例と相違し、他の部分は同一であり、同一符号は同一部分を示す。
そして、上述の如く構成された第4実施例は、ダンパ16を切替作動せしめると共にバタフライバルブ6を開作動せしめてセメントタンク1に貯蔵するセメントを分岐排出ゲ−ト15より排出せしめつつ、ブロア9により冷却圧縮空気を送風せしめてセメントタンク1内の上端に順次冷却せしめつつ空気輸送せしめ、セメントタンク1内に貯蔵するセメントを循環せしめつつ冷却保持せしめるものである。なお、その他は第1実施例と同様に作動せしめてセメントを冷却せしめつつセメントビン11に空気輸送せしめ、また、セメントビン11内に送風して貯蔵するセメントを冷却保持せしめるものである。
なお、上記実施例において、弁体としてバタフライバルブ6、送風機としてル−ツタイプのブロア9、冷却器として冷水チラ−10及び冷風チラ−14が各々示されているが、これに限定されるものではなく、これらに類した他の公知のものを採択使用することが出来るものである。また、本発明はバッチャ−プラントにおけるセメントの空気輸送に好適に使用することが出来るものであるが、他の粉体の空気輸送にも適用せしめることが出来るものである。
本発明の第1実施例を示す模式図である。 本発明の第2実施例を示す一部拡大模式図である。 本発明の第3実施例を示す一部拡大模式図である。 本発明の第4実施例を示す模式図である。
符号の説明
1 セメントタンク
3 ロ−タリ−フィ−ダ
4 ギャ−ドモ−タ
5 排出ゲ−ト
6 バタフライバルブ
7 輸送パイプ
9 ブロア
10 冷水チラ−
11 セメントビン
14 冷風チラ−
15 分岐排出ゲ−ト
16 ダンパ
17 分岐輸送パイプ

Claims (3)

  1. 弁体付き排出ゲ−トを備えたセメントタンクに輸送パイプを介してセメントビンが接続され、該輸送パイプには圧縮空気を送風せしめるべく送風機が接続されると共に、該送風機には圧縮空気を冷却せしめるべく冷却器が付設されてなり、上記冷却器により冷却せしめつつ送風機でもって圧縮空気を輸送パイプ内に送風せしめると共に、セメントの輸送時には排出ゲ−トの弁体を開作動してセメントタンク内に貯蔵するセメントを排出せしめつつセメントビンに空気輸送せしめ、非輸送時には排出ゲ−トの弁体を閉作動せしめて冷却空気のみを輸送パイプによりセメントビンに送風し、貯蔵するセメントを冷却保持せしめるべく構成されてなることを特徴とする、バッチャ−プラントにおけるセメント用空気輸送装置。
  2. 上記セメントタンクの下端部には排出セメント量を適正に調整せしめるべくインバ−タ制御モ−タを介してロ−タリ−フィ−ダが可変自在に内設されてなることを特徴とする、請求項1記載のバッチャ−プラントにおけるセメント用空気輸送装置。
  3. 上記セメントタンクの排出ゲ−トに弁体付き分岐排出ゲ−トがダンパを介して切替え自在に分岐形成され、該分岐排出ゲ−トは輸送パイプより分岐せしめた分岐輸送パイプを介してセメントタンクの上端に接続されてなることを特徴とする、請求項1及び2記載のバッチャ−プラントにおけるセメント用空気輸送装置。
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