JP4759706B2 - フコイダン抽出・精製装置及びフコイダンを抽出・精製する方法 - Google Patents

フコイダン抽出・精製装置及びフコイダンを抽出・精製する方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガゴメ昆布等に含有される粘性多糖類の一種であるフコイダンの抽出・精製装置及びフコイダンを抽出・精製する方法に関する。
フコイダンは、フコースを主な構成単糖とする多糖類で、その他にグルクロン酸やマンノースを構成糖として含有する硫酸化多糖である。フコイダンは水溶性の食物繊維でもある。主に褐藻類のガゴメやモズクに含有している。
このフコイダンには、生理活性機能を有することが知られており、例えば免疫賦活剤(特許文献1)、がん治療薬(特許文献2)、あるいは抗菌剤(特許文献3)への利用技術が検討されている。
上記の通り、フコイダンは生理活性機能を有するので、その製造方法の開発も行われている。フコイダンを多量に取得できる方法(特許文献4参照)、酸性熱水で抽出する方法(特許文献5参照)、精密ろ過装置を用いる方法(特許文献6、特許文献7参照)などの技術が開示されている。
フコイダンの製造に関しては、一般的には各工程に既知の汎用機器を用いて製造されている。専用装置としての開示もあるが(特許文献8参照)、この場合燃焼行程が必要とされるもので特殊な方法である。製造工程を、一連の工程で達成するものではなく、生産性に劣る問題を有している。
フコイダンの製造においては、上記に示すように種々の方法が工夫されている。一般的には、熱水による乾燥試料からの煮沸により不溶性固形物を除去して抽出液を得た後、アルコール類の1から2倍容量の添加により、他の水溶性食物繊維と同様に沈殿物として回収が可能である。
フコイダンの製造は、固液分離の操作が必要であるが、この操作は、粘性があるなどの理由で、通常容易ではない。
フコイダンを多量に取得できるとされる方法の開示(特許文献4参照)は、数gの原料から数十mgで取得されるスケール規模であり、工業生産を企画したときに、大量の生産に適した技術と言いがたい。
特開2005-82806号公報 特開2003-55234号公報 特開2005-263812号公報 特開2006-233099号公報 特開2006-160862号公報 特開2006-143817号公報 特開2002-262788号公報 特開2004-339308号公報
従来はフコイダンを抽出するときの基本工程は、原料の海藻粉末を、熱水又は酸性に調整した水と混合攪拌し、一定時間経過後、粘ちょう物質として得られる水溶性物質を、例えば固液分離のため遠心分離器により、抽出残渣となった粉末を分離し、上清として得られた水溶性物質にエタノールなどを1乃至2倍量を添加、混合させ、このとき生じる沈殿を、再び、例えば遠心分離器により分離し、固形分として回収するものである。
この操作上で凍結による体積の圧縮を利用する方法(特許文献5)や、精密ろ過装置を用いる方法によって色素成分を除去する方法(特許文献6)、同様にフコイダン以外の低分子量をフイルター装置により除去するなど(特許文献7)が開示されているが、これらは、抽出操作上生じる損失についての課題を解決していない。本発明は、フコイダンが粘性物質として得られるために取扱上生じる海藻原料の損失をなくし、良質のフコイダンを量産することを課題とする。
海藻からフコイダンを効率よく製造するために、抽出、固液分離、精製を一体化した製造装置と、この装置を用いたフコイダンの製造方法を提供する。
すなわち、本願発明は、
1.海藻からフコイダンを抽出・精製する装置であって、当該装置は原料粉末を導入するファネル、当該ファネルの下に結合したフコイダンを抽出する抽出タンク及び前記ファネルと抽出タンクに隣接して配置したフコイダンを精製するサーバータンクを備え、前記ファネル、抽出タンク及びサーバータンクはいずれも底形状が錐形であり、前記ファネルと抽出タンクとの間に設けたフイルターと当該ファネルから抽出タンク内に延びたロート部とを備え、さらに抽出タンクの下端とサーバータンクの下端を連結する連結管を有することを特徴とするフコイダン抽出・精製装置
2.前記抽出タンクに、蒸気を導入するための細管、抽出タンクを蒸気加熱又は水冷却するための蛇管及びリークバルブを設けたことを特徴とする上記1記載のフコイダン抽出・精製装置
3.ファネルの上端に設けた大気との導通と開閉するためのバルブ1番、抽出タンクの下端に設けた抽出液の排出又は抽出液の導出を行うバルブ2番とバルブ3番、前記連結管に設けたバルブ4番並びにサーバータンクの下端に設けた抽出液の導入と精製液の排出を行うバルブ5番とバルブ6番及びサーバータンクの上端に設けたバルブ7番を備えていることを特徴とする上記1又は2記載のフコイダン抽出・精製装置
4.サーバータンクの上部及び下部位置に、水位計を設けたことを特徴とする上記1〜3のいずかに記載のフコイダン抽出・精製装置、を提供する。
本発明は、また
5.原料粉末を導入するファネル、当該ファネルの下に結合した抽出タンク及び前記ファネルと抽出タンクに隣接して配置したフコイダンを精製するサーバータンクを用い、下記工程により海藻からフコイダンを抽出・精製する方法。
1)ファネル内に原料である海藻粉末を投入し、かつ抽出タンク内に洗浄液を注入する工程
2)ファネルを大気に開放した状態で、抽出タンクを加熱し、ファネルの下端に結合したロート部から抽出タンク内の洗浄液を上昇させて、ファネル内の原料粉末と洗浄液を混合する工程
3)蒸気の導入を停止し、抽出タンク内の減圧を利用して洗浄液を抽出タンク内に戻すと同時に、ファネルと抽出タンクとの間に設けたフイルター上にフコイダンを含有する固形分を残存させて固液分離を行い、かつ残余の洗浄液を抽出タンクの下端から排出する工程
4)ファネル及び抽出タンクを密閉すると共に、抽出タンクに抽出液と蒸気を導入して、ロート部から抽出液を上昇させて、フイルター上のフコイダンを溶解し、フイルター上でフコイダンを含有する抽出液と残渣との固液分離を行い、フコイダンを精製する工程
5)抽出タンクの下端とサーバータンクの下端が連通する連結管を介して、前記フコイダンを含有する抽出液を、サーバータンクに移送する工程
6)サーバータンク内において、精製したフコイダンを不溶性の固形分として沈降させ、フコイダンを不溶性の懸濁液として、サーバータンク下端から回収する工程
6.前記工程1)において、酢酸を含有するエタノール水溶液の洗浄液を用いて、海藻からアミノ酸、塩類、色素、糖アルコール類の水溶性物質を溶解除去することを特徴とする上記5記載のフコイダンを抽出・精製する方法
7.上記工程3)において、抽出タンクを外側から囲む蛇管を介して抽出タンクを水冷し、抽出タンク内を減圧にすることを特徴とする上記5又は6記載のフコイダンを抽出・精製する方法
8.上記工程4)において、塩化カルシウムを含有する抽出溶液を用い、アルギン酸をフイルター上で固形分の残渣として固液分離することを特徴とする上記5〜7のいずれかに記載のフコイダンを抽出・精製する方法
9.上記工程5)において、抽出タンク内の前記フコイダンを含有する抽出液をサーバータンクに移送するに際し、サーバータンクの上部に設けたバルブを開けてサーバータンクを大気に開放し、抽出タンク内の抽出液を送液した後、さらに抽出タンク内の上部に蒸気、圧縮空気、圧縮不活性ガスを導入して加圧し、抽出タンク内の残余の抽出液をサーバータンクへ送液することを特徴とする上記5〜8のいずれかに記載のフコイダンを抽出・精製する方法
10.上記工程6)において、サーバータンク内において抽出液の2倍量に相当するエタノールを投入して、精製したフコイダンを不溶性の固形分として沈降させることを特徴とする上記5〜9のいずれかに記載のフコイダンを抽出・精製する方法、を提供する。
上記の通り、本装置の動作方法において、水蒸気を利用して抽出タンクの加熱が可能であって、水蒸気もしく不活性ガスを利用して、加圧、減圧の差圧を利用し、抽出と固液分離を行い、そして、連結管で結ばれた別のタンクにて、フコイダンの精製をおこなうことが可能である。
この機能を持たせるためタンクの底形状は円すい形をしている。また、外部との出入り口にあたる配管部に設置したバルブの操作により機密構造になるよう工夫されている。また、余熱冷却の目的で、抽出タンク周りに冷却水を循環できる構造をもつことを特徴としている。
褐藻類の昆布に含まれる粘性多糖類は、一般的に乾燥葉体重量1kgに対して、フコイダンを10〜40g含有する。また、アルギン酸を200gから300g含有する。褐藻類に含まれるこれらの粘性多糖類を例えば水道水の熱水で抽出し、乾燥粉末としたとき得られるフコイダンは、相当量のアルギン酸が混入している。本発明の装置の稼動方法として、抽出時に用いる溶液は、この不具合を解決する。以下、順次説明する。
本発明の抽出装置の具体例では、試料1kgを処理する場合の必要となる抽出タンクの容量は約100リットル、抽出タンクは600mmの径をもつ。
この抽出装置の大きさは、処理する量に応じて変更することができるので、特に制限されるものではない。しかし、本発明を説明する場合に、この大きさの装置を用いることとする。
ファネルは、長さ650mm、径500mmの円柱の底部に、開度約70度の円錐台の構造をもつ。このファネルは、JISZ8801で規定するふるい枠が内接するフィルターカップリングを取外し可能に固定する。
フィルターカップリングは、抽出タンクとファネルを結合する装置である。抽出タンクの内部にはフィルターカップリングと内パッキン構造で固定したロートが挿入されている。図2に、フコイダン抽出装置を構成する部品のフィルターカップリングを中心にファネルと抽出タンクの組み立て構造を示す。
抽出タンクには、蒸気を導入するための細管がある。
サーバータンクは、ファネルと同じように長さ1300mm、径500mm円筒状で、底部は開度50度の円錐形をしている。抽出タンクとサーバータンクは、バルブを5つ持つ連結管により結ばれている。
ファネルとサーバータンクは天蓋をもち、各々の天蓋にはバルブ(バルブ1番と7番)がある。バルブ操作によりタンクは、密閉容器となり、一定の加圧操作、減圧操作が可能となっている。
本装置を稼動させるための付属装置には、熱源のスチームを抽出タンクに導入する細管とタンクを加熱するジャケット方式の蛇管とその操作バルブ、また、抽出タンクの冷却用に加熱用と同じ蛇管とその操作バルブがある。
本装置には安全な稼動と稼動状態の監視を行うため、圧力弁、リークバルブ、温度計、圧力計、水位計を備える。
(海藻の洗浄液の処方)
海藻の洗浄液には、酸性アルコール溶液を用いる。50%v/vから70%v/vの濃度のエタノール溶液1リットルあたりに、例えば酢酸を0.1ml〜6ml含有する溶液が使用できる。
(フコイダン抽出液の処方)
ミネラル溶液を用いる。たとえば塩化カルシウム・2水和物を1リットルあたり0.5gから650g含有する水溶液が使用できる。
(フコイダンの精製に用いる溶液の種類)
フコイダンの精製に用いる溶液アルコールを用いることができる。例えば、フコイダン抽出液に混合したときに、50%v/vから70%v/vの濃度で、かつ純度の高いエタノールが使用するのが望ましい。
この時、不溶性となるが、沈降したフコイダンを再び水溶性とするときに、純粋又は塩水を使用する。例えば、塩化ナトリウムや塩化カリウムの濃度0.0%(w/v)〜10%(w/v)の水溶液が用いることができる。この時、残存するミネラルの除去のためEDTA・2Na(エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウム)を1〜100mM程度添加できる。
本発明によれば、ガゴメなどの昆布類の乾燥粉末から、固形分の損失なくフコイダンを抽出、精製できる。原料洗浄、抽出、精製の3つの工程を、一貫して本装置で行うことができるが、これは原材料の供給からフコイダンの抽出及び回遊まで、密閉可能な連続したタンク内で処理されるためである。
すなわち、各工程での、他の装置への材料の搬送や容器の移し変えといった作業がないので、損失なく生産効率が良いという大きな効果を有する。
この生産方法と装置構造は、外部からの異物の混入に対するリスクが低減できる。また、本装置は量産のためのスケール拡大に対して、設計が容易である。海藻原料とフコイダン抽出溶液との固液分離は、圧力差でろ過又は沈降により分離されるために、遠心分離器や限外ろ過装置などの設備投資が不要で、経済的である。また、装置の設置場所の近傍で火炎を用いることはないので、装置の稼動上の労働作業が安全であるという優れた効果を有する。
以下、本発明の特徴を具体的に説明する。以下の説明は本願発明の理解を容易にするためのものであり,これに制限されるものではない。すなわち,本願発明の技術思想に基づく変形、他の実施態様、他の例等は、いずれも本願発明に含まれるものである。
図1の構造を持つ装置で、前記段落[0012]以降に示す大きさの装置に製作した。この装置を用いて、フコイダンをガゴメ昆布より抽出する方法の実施例を示す。抽出方法は、原料の洗浄、抽出、精製の順番になるが、このとき洗浄液や抽出溶液、そして、精製溶液の使用方法において固液分離の工程がある。
(海藻原料の洗浄)
抽出タンク底部のバルブ2番、バルブ3番、バルブ4番を閉じて、抽出タンク内に酢酸30mlを含む濃度70%(V/V)エタノール30リットルの洗浄液を注入する。
そして、フィルターカップリングのふるい枠を設置し、ファネル上部から、ガゴメ昆布粉末900gを投入する。その後、ファネルのバルブ1番を開放した状態で、リークバルブなどを閉じてスチームで加熱する。
加熱温度が70°Cに達したあたりで、エタノール洗浄液は内部のロート部を通ってファネルに達し、ガゴメ昆布粉末と混合する。
その数分後、蒸気の導入を停止する。蛇管に冷却水を通すなどして放熱させると抽出タンクは、減圧状態となり、抽出液は、ファネルから抽出タンクに回収され、フィルターカップリングにあるふるい枠のフイルターで固液分離が行われる。
ガゴメ昆布からアミノ酸、塩類、色素類、糖アルコール類の水溶性物質が抽出、除去される。フコイダンなどの多糖類は抽出されないで、固形分としてフィルターカップリング内のふるい枠上に残る。洗浄液は抽出タンクの下部バルブを開放し回収した。
(フコイダンの抽出)
抽出タンクに、39gの塩化カルシウムを含む抽出溶液30リットルを注入する。抽出タンクのジャケットと細管に蒸気を導入し加熱する。バルブを閉じた抽出タンクは、温度がおおむね75°Cから100°Cで、抽出液は内部のロート部を通ってファネルに達し、ガゴメ昆布の洗浄粉末と混合する。
このときファネル内の抽出液の実温度は、80°C〜90°Cとなる。抽出時間は5分間程度でよい。蒸気の導入を止め、抽出タンクの外部蛇管に水を導入し、冷却する。
この抽出液は、ガゴメ特有の粘性が減少しており、抽出液は抽出タンクに回収され、フィルターカップリングにある、ふるい枠のフイルターで固液分離が行われる。この操作により、アルギン酸はカルシウムの存在により、不溶性となるのでフイルター上に残留する。結果として、フィルターカップリング内のふるい枠上の固形分にある多糖類のうち、フコイダンが抽出液に入る。これによって、フコイダンが精製される。
(フコイダンの精製)
抽出タンクのフコイダンを含む塩化カルシウム含有抽出液は、サーバータンクの天蓋にあるバルブ7番を開放し、連結管のバルブの3番、バルブ5番を閉じ、バルブ2番、バルブ4番、バルブ6番を開放すると、パスカルの原理により水面が一致するまで送液される。
その上で、ファネル天蓋部のバルブ1番を閉じ、再び細管より蒸気を導入すると、抽出タンクは加圧状態となり、抽出液はサーバータンクに移送される。
このとき、蒸気以外の圧縮空気や不活性ガスを抽出タンクのリークバルブに接続し、加圧しても同様に移送ができる。移送が終了したら連結管のバルブ4番、バルブ5番、バルブ6番を閉じ、サーバータンク天蓋部より、抽出液の2倍量に相当するエタノールを投入する。
この結果、フコイダンは不溶性となり沈降する。沈降は、エタノール投入後、始まるが、沈降したフコイダンのフロックを回収するには、数時間から一晩静置させて良い。この溶液状態では、フコイダンは安定しており、静置時間は、フコイダンの回収操作上の容易さに関係するのみで、品質には影響しない。
抽出タンクは、次の抽出操作ができるので、その間、放置しておいても構わない。静置が十分であれば、サーバータンクの底部にあるバルブ5番、バルブ6番を開放し、沈降した精製フコイダンのみが回収される。
サーバータンクの底部は、円錐状であるので、沈降したフコイダンのタンク内の残留がすくなく効果的な形状である。フコイダンは不溶性の懸濁状態として精製された。
この精製フコイダンは凍結乾燥するなどして粉末にすることや、再びアルコール分が数%以下となるよう純粋水もしくは塩水を添加するなどして、水溶性フコイダンを得ることができる。
例えば、本実施例では、10mMのEDTA・2Naを含む0.9%の塩化ナトリウムを添加し、再び、水溶性の状態となったフコイダンを得た。
本装置を用いて、乾燥ガゴメ昆布900gから乾燥フコイダン粉末を50g回収できた。この値は、通常ガゴメに含まれるフコイダンの量と一致する。本装置により得られたフコイダンは、赤外分光分析の結果、図3にあるスペクトルを示した。
本発明は、海藻の粘性多糖類を効率よく抽出する技術に関する。抗腫瘍活性や抗炎症作用が知られ、将来は機能性食品、医薬品などの高度産業での利用が見込まれるフコイダンを海藻類から必要な量を確保することができるようになる。生産規模の拡大もタンクスケールの変更で容易であり、かつ、構造が簡単であることから、フコイダンの量産化に利用できる。
本発明の実施の形態に関わるフコイダン抽出装置の全体例を示す図である。 本発明の実施の形態に関わるフコイダン抽出装置を構成する部品のフィルターカップリングを中心にファネルと抽出タンクの組み立て構造を示す図の例である。 本発明の実施の形態に関わるフコイダン抽出装置を用いてガゴメ昆布より抽出されるフコイダンの赤外分光分析結果の例を示す図である。

Claims (10)

  1. 海藻からフコイダンを抽出・精製する装置であって、当該装置は原料粉末を導入するファネル、当該ファネルの下に結合したフコイダンを抽出する抽出タンク及び前記ファネルと抽出タンクに隣接して配置したフコイダンを精製するサーバータンクを備え、前記ファネル、抽出タンク及びサーバータンクはいずれも底形状が錐形であり、前記ファネルと抽出タンクとの間に設けたフイルターと当該ファネルから抽出タンク内に延びたロート部とを備え、さらに抽出タンクの下端とサーバータンクの下端を連結する連結管を有することを特徴とするフコイダン抽出・精製装置。
  2. 前記抽出タンクに、蒸気を導入するための細管、抽出タンクを蒸気加熱又は水冷却するための蛇管及びリークバルブを設けたことを特徴とする請求項1記載のフコイダン抽出・精製装置。
  3. ファネルの上端に設けた大気との導通と開閉するためのバルブ1番、抽出タンクの下端に設けた抽出液の排出又は抽出液の導出を行うバルブ2番とバルブ3番、前記連結管に設けたバルブ4番並びにサーバータンクの下端に設けた抽出液の導入と精製液の排出を行うバルブ5番とバルブ6番及びサーバータンクの上端に設けたバルブ7番を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載のフコイダン抽出・精製装置。
  4. サーバータンクの上部及び下部位置にかけて、水位計を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずかに記載のフコイダン抽出・精製装置。
  5. 原料粉末を導入するファネル、当該ファネルの下に結合した抽出タンク及び前記ファネルと抽出タンクに隣接して配置したフコイダンを精製するサーバータンクを用い、下記工程により海藻からフコイダンを抽出・精製する方法。
    1)ファネル内に原料である海藻粉末を投入し、かつ抽出タンク内に洗浄液を注入する工程
    2)ファネルを大気に開放した状態で、抽出タンクを加熱し、ファネルの下端に結合したロート部から抽出タンク内の洗浄液を上昇させて、ファネル内の原料粉末と洗浄液を混合する工程
    3)蒸気の導入を停止し、抽出タンク内の減圧を利用して洗浄液を抽出タンク内に戻すと同時に、ファネルと抽出タンクとの間に設けたフイルター上にフコイダンを含有する固形分を残存させて固液分離を行い、かつ残余の洗浄液を抽出タンクの下端から排出する工程
    4)ファネル及び抽出タンクを密閉すると共に、抽出タンクに抽出液と蒸気を導入して、ロート部から抽出液を上昇させて、フイルター上のフコイダンを溶解し、フイルター上でフコイダンを含有する抽出液と残渣との固液分離を行い、フコイダンを精製する工程
    5)抽出タンクの下端とサーバータンクの下端が連通する連結管を介して、前記フコイダンを含有する抽出液を、サーバータンクに移送する工程
    6)サーバータンク内において、精製したフコイダンを不溶性の固形分として沈降させ、フコイダンを不溶性の懸濁液として、サーバータンク下端から回収する工程
  6. 前記工程1)において、酢酸を含有するエタノール水溶液の洗浄液を用いて、海藻からアミノ酸、塩類、色素、糖アルコール類の水溶性物質を溶解除去することを特徴とする請求項5記載のフコイダンを抽出・精製する方法。
  7. 上記工程3)において、抽出タンクを外側から囲む蛇管を介して抽出タンクを水冷し、抽出タンク内を減圧にすることを特徴とする請求項5又は6記載のフコイダンを抽出・精製する方法。
  8. 上記工程4)において、塩化カルシウムを含有する抽出溶液を用い、アルギン酸をフイルター上で固形分の残渣として固液分離することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のフコイダンを抽出・精製する方法。
  9. 上記工程5)において、抽出タンク内の前記フコイダンを含有する抽出液をサーバータンクに移送するに際し、サーバータンクの上部に設けたバルブを開けてサーバータンクを大気に開放し、抽出タンク内の抽出液を送液した後、さらに抽出タンク内の上部に蒸気、圧縮空気、圧縮不活性ガスを導入して加圧し、抽出タンク内の残余の抽出液をサーバータンクへ送液することを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載のフコイダンを抽出・精製する方法。
  10. 上記工程6)において、サーバータンク内において抽出液の2倍量に相当するエタノールを投入して、精製したフコイダンを不溶性の固形分として沈降させることを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載のフコイダンを抽出・精製する方法。
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