JP4759605B2 - PGC−1、新規な褐色脂肪PPARγコアクチベーター - Google Patents
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Description
UCP発現は、低温露出及び過剰のカロリー摂取のような生理的シグナルに応答して、主に交感神経系により厳しく調節される(Girardier、L.及びSeydoux、J.(1986)「Neural Control of Brown Adipose Tissue」P.Trayhurn及びD.Nichols(編集)Brown Adipose Tissue(Arnold、London、1986)中、pp.122−151)。局所ニューロンから放出されたノルエピネフリンは褐色脂肪細胞細胞膜上のβ−アドレナリン受容体と相互作用し、細胞内サイクリックAMP(cAMP)レベルの増加を引き起こす(Sears、I.B.等(1996)Mol.Cell.Biol.16(7):3410−3419)。増加したcAMPに応答して高められたBAT熱発生を引き起こす事象のカスケードにおいて、UCP遺伝子の増加したレベルの転写は重要な要素である(Kopecky、J.等(1990)J.Biol.Chem.265:22204−22209;Rehnmark、S.M.等(1990)J.Biol.Chem.265:16464−16471;Ricquirer、D.F.等(1986)J.Biol.Chem.261:13905−13910)。BAT熱発生は(1)低温に応答して熱発生を増やすことにより恒温動物を維持すること、ならびに(2)カロリー摂取の増加に応答してエネルギー消費を増やすことによりエネルギーバランスを保つことの両方に用いられる(Sears、I.B.(1996)Mol.Cell.Biol.16(7):3410−3419)。肥満症のほとんど全ての実験齧歯類モデルには、通常、肥満症の進行における最初の症状として減少したまたは欠陥のあるBAT機能が伴う(Himms−Hagen、J.(1989)Prog.Lipid Res.28:67−115;Himms−Hagen、J.(1990)FASEB J.4:2890−2898)。さらに、毒素遺伝子の選択的発現によるトランスジェニックマウスにおけるBATの除去は肥満症をもたらす(Lowell、B.等(1993)Nature 366:740−742)。従って、褐色脂肪細胞の増殖及び分化はエネルギーバランスを保ち、そして肥満を防ぐ動物の能力における重要な決定因である(Sears、I.B.等(1996)Mol.Cell.Biol.16(7):3410−3419)。
本発明は少なくとも一つにはBATにおけるUCP発現のコアクチベーターとしてPPARγと組み合わせて働くことができる新規な分子の発見に基づく。本明細書ではこれらの分子をPPAR γ コアクチベーター1(「PGC−1」)タンパク質と呼ぶ。本明細書ではPGC−1タンパク質をコードする核酸分子をPGC−1核酸分子と呼ぶ。本発明のPGC−1分子は例えば脂肪細胞化、例えば褐色脂肪細胞化、及びPGC−1を発現する組織、例えばBATまたは筋肉の熱発生を調節することができる。本発明のPGC−1分子の他の機能は本明細書の全体にわたって記述される。
別の態様として、単離された核酸分子はタンパク質またはその一部をコードし、ここにおいて、タンパク質またはその一部は配列番号:2のアミノ酸配列に十分に相同な、例えば、タンパク質またはその一部がPGC−1活性を保持するように配列番号:2のアミノ酸配列に十分に相同なアミノ酸配列を含む。好ましくは核酸分子によりコードされるタンパク質またはその一部は以下の生物学的活性:1)PPARγと相互作用する(例えば、結合する)ことができる;2)PPARγ活性を調節することができる;3)UCP発現を調節することができる;4)脂肪細胞における熱発生、例えば褐色脂肪細胞または筋肉における熱発生を調節することができる;5)脂肪細胞または筋肉における酸素消費を調節することができる;6)脂肪細胞化、例えば、褐色脂肪細胞への白色脂肪細胞の分化を調節することができる;7)細胞のインシュリン感受性、例えば、筋肉細胞、肝細胞、脂肪細胞のインシュリン感受性を調節することができる;8)核ホルモン受容体、例えば、甲状腺ホルモン受容体、エストロゲン受容体、レチノイン酸受容体と相互作用する(例えば、結合する)ことができる;9)核ホルモン受容体の活性を調節することができる;そして10)転写因子C/EBPαと相互作用する(例えば、結合する)ことができるの1つまたはそれ以上を保持する。一つの態様として、核酸分子によりコードされるタンパク質は配列番号:2のアミノ酸配列(例えば、配列番号:2の全アミノ酸配列)に少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約60%、より好ましくは少なくとも約70%、なおより好ましくは少なくとも約80%、さらにより好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95%またはそれ以上相同である。
cDNA配列のコーディング鎖に相補的な分子)も本発明により与えられる。
一つの態様として、PGC−1タンパク質の生物学的に活性のある部分はドメインまたはモチーフ、好ましくはPGC−1生物学的活性を有するドメインまたはモチーフを含む。ドメインまたはモチーフはチロシンリン酸化部位、cAMPリン酸化部位、セリン−アルギニン(SR)に富んだドメイン、RNA結合モチーフ、及び核受容体との相互作用をもたらすLXXLL(配列番号:3)モチーフまたはこれらのドメインまたはモチーフの1つまたはそれ以上の組み合わせであってもよい。好ましくは、これらのドメインまたはモチーフの1つまたはそれ以上を含むPGC−1タンパク質の生物学的に活性のある部分は以下の生物学的活性:1)PPARγと相互作用する(例えば、結合する)ことができる;2)PPARγ活性を調節することができる;3)UCP発現を調節することができる;4)脂肪細胞における熱発生、例えば、褐色脂肪細胞または筋肉における熱発生を調節することができる;5)脂肪細胞または筋肉における酸素消費を調節することができる;6)脂肪細胞化、例えば、褐色脂肪細胞への白色脂肪細胞の分化を調節することができる;7)細胞のインシュリン感受性、例えば、筋肉細胞、肝細胞、脂肪細胞のインシュリン感受性を調節することができる;8)核ホルモン受容体、例えば、甲状腺ホルモン受容体、エストロゲン受容体、レチノイン酸受容体と相互作用する(例えば、結合する)ことができる;9)核ホルモン受容体の活性を調節することができる;そして10)転写因子C/EBPαと相互作用する(例えば、結合する)ことができるのいずれかを有する。
融合タンパク質を形成するためにPGC−1タンパク質(もしくはポリペプチド)またはその生物学的に活性のある部分をPGC−1以外のポリペプチドに機能的に連結することができる。さらに、タンパク質及び製薬学的に許容しうる担体を含んでなる製薬学的組成物中にPGC−1タンパク質またはその生物学的に活性のある部分を混和することができる。
mRNAを検出することができる化合物または薬剤と生物学的サンプル(例えば、心筋細胞、肝細胞、神経細胞、褐色脂肪細胞または筋肉サンプル)を接触させることを含む。化合物または薬剤は、例えば、PGC−1
mRNAにハイブリダイズすることができる標識されたもしくは標識可能な核酸プローブまたはPGC−1タンパク質に結合することができる標識されたもしくは標識可能な抗体であってもよい。 本発明はさらにPGC−1タンパク質またはmRNAの検出に基づく、例えば、体重疾患または不十分なインシュリン活性と関係する疾患にかかっている患者の診断方法を提供する。一つの態様として、本発明はPGC−1タンパク質またはmRNAを検出することができる薬剤と患者からの細胞または組織サンプル(例えば、褐色脂肪細胞サンプル)を接触させ、細胞または組織サンプルにおいて発現されたPGC−1タンパク質またはmRNAの量を決定し、細胞または組織サンプルにおいて発現されたPGC−1タンパク質またはmRNAの量をコントロールサンプルに比較し、コントロールサンプルに比較した場合の細胞または組織サンプルにおいて発現されたPGC−1タンパク質またはmRNAの量に基づいて診断を下すことを含む。好ましくは、細胞サンプルは褐色脂肪細胞サンプルである。生物学的サンプル中のPGC−1を検出するためのキットも本発明の範囲内である。
本発明は、脂肪細胞関連活性において役割を果たすかまたは機能する、本明細書においてPGC−1核酸及びタンパク質分子と呼ばれる新規な分子の発見に基づく。一つの態様として、PGC−1分子は脂肪細胞化、例えば、褐色脂肪細胞及び筋肉細胞の脂肪細胞化を調節することができる。別の態様として、PGC−1分子は褐色脂肪細胞における熱発生を調節することができる。例えば、本発明のPGC−1分子は個体の脂肪細胞における熱発生を増加することができ、それにより個体における体重減少を促進する。従って、肥満症を処置するために本発明のPGC−1分子を用いることができる。さらに、PGC−1分子により引き起こされる熱発生活性の増加は、脂肪細胞並びに筋肉細胞及び肝細胞のインシュリン感受性を増すこともできる。従って、糖尿病のような不十分なインシュリン活性を特徴とする疾患を処置するためにも本発明のPGC−1分子を用いることができる。あるいはまた、本発明のPGC−1分子の活性の阻害は個体の脂肪細胞における熱発生を減少することができ、それにより個体における体重減少を抑える。従って、望ましくない体重減少、例えば、悪液質、食欲不振を処置するために本発明のPGC−1分子のモジュレーターを用いることができる。さらに、PGC−1活性を調節することができる分子、例えば小分子をスクリーニングするために標的としても本発明のPGC−1分子を用いることができる。また、体重疾患、例えば、悪液質、食欲不振、肥満症、または不十分なインシュリン活性を特徴とする疾患を処置するためにもPGC−1モジュレーターを用いることができる。
cDNAのヌクレオチド配列及びマウスPGC−1タンパク質の予測されるアミノ酸配列をそれぞれ図1A、1A−1、1A−2及び2A並びに配列番号:1及び2に示す。ヒト筋肉、心臓、腎臓または脳細胞系のようなヒト細胞系からのcDNAライブラリーを調べるためにマウスヌクレオチド配列の全部または一部(例えば、配列番号:1の5’部分、例えば、配列番号:1のヌクレオチド1−50)を用いて、実施例IIにおいて記述されるような日常的な実験を用いてヒトPGC−1ヌクレオチド配列を得ることができる。約3066ヌクレオチドの長さであるマウスPGC−1遺伝子は、約120kDの分子量を有し、約797アミノ酸残基の長さである全長タンパク質をコードする。PGC−1タンパク質はいくつかのドメイン/モチーフを含む。これらのドメイン/モチーフは:2つの推定上のチロシンリン酸化部位(配列番号:2のアミノ酸残基204−212及び378−385)、3つの推定上のcAMPリン酸化部位(配列番号:2のアミノ酸残基238−241、373−376及び655−658)、セリン−アルギニン(SR)に富んだドメイン(配列番号:2のアミノ酸残基562−600)、RNA結合モチーフ(配列番号:2のアミノ酸残基656−709)並びに核受容体との相互作用をもたらすLXXLLモチーフ(配列番号:2のアミノ酸142−146;配列番号:3)を含む。本明細書に用いられる場合、チロシンリン酸化部位はチロシンプロテインキナーゼによりリン酸化することができる少なくとも1個のチロシン残基を含むアミノ酸配列である。典型的には、チロシンリン酸化部位はリン酸化されるチロシンの約7残基N末端側のリシンまたはアルギニンを特徴とする。チロシンの3または4残基N末端側にしばしば酸性残基(アスパラギンまたはグルタミン)が見られる(Patschinsky、T.等(1982)PNAS 79:973−977);Hunter、T.(1982)J.Biol.Chem.257:4843−4848;Cooper、J.A.等(1984)J.Biol.Chem.259:7835−7841)。本明細書に用いられる場合、cAMPリン酸化部位はcAMP依存性プロテインキナーゼによりリン酸化することができるセリンまたはトレオニン残基を含むアミノ酸配列である。典型的には、cAMPリン酸化部位はセリンまたはトレオニンのN末端側に少なくとも2個の連続した塩基性残基を特徴とする(Fremisco、J.R.等(1980)J.Biol.Chem.255:4240−4245;Glass、D.B.及びSmith、S.B.(1983)J.Biol.Chem.258:14797−14803;Glass、D.B.等(1986)J.Biol.Chem.261:2987−2993)。本明細書に用いられる場合、セリン−アルギニンに富んだドメインはセリン及びアルギニン残基が多いアミノ酸配列である。典型的に、SRに富んだドメインはRNAポリメラーゼIIのCTDドメインと相互作用するかまたはスプライシング機能に関与するドメインである。本明細書に用いられる場合、RNA結合モチーフはRNA分子または一本鎖DNA分子に結合することができるアミノ酸配列である。RNA結合モチーフはLodish、H.、Darnell、J.及びBaltimore、D.、Molecular Cell Biology、第3版(W.H.Freeman and Company、New York、New York、1995)中に記述されている。本明細書に用いられる場合、LXXLL(配列番号:3)はXがあらゆるアミノ酸であってもよく、そして核受容体とコアクチベーター間の相互作用をもたらすモチーフをさす(Heery等(1997)Nature 397:733−736;Torchia等(1997)Nature 387:677−684)。
I.単離された核酸分子
本発明の1つの態様はPGC−1またはその生物学的に活性のある部分をコードする単離された核酸分子、及びPGC−1をコードする核酸(例えば、PGC−1
mRNA)を同定するためのハイブリダイゼーションプローブとしての使用のために十分な核酸フラグメントに関する。本明細書に用いられる場合、「核酸分子」という用語はDNA分子(例えば、cDNAまたはゲノムDNA)及びRNA分子(例えば、mRNA)及びヌクレオチド類似体を用いて作製されたDNAまたはRNAの類似体を含むと考えられる。核酸分子は一本鎖または二本鎖であってもよいが、好ましくは二本鎖のDNAである。「単離された」核酸分子は核酸の天然供給源において存在する他の核酸分子から分離されているものである。好ましくは、「単離された」核酸は、核酸が由来する生物のゲノムDNAにおいて核酸に本来隣接する配列(すなわち、核酸の5’及び3’末端に位置する配列)を含まない。例えば、様々な態様として、単離されたPGC−1核酸分子は、核酸が由来する細胞(例えば、褐色脂肪細胞)のゲノムDNAにおいて核酸分子に本来隣接するヌクレオチド配列の約5kb、4kb、3kb、2kb、1kb、0.5kbまたは0.1kb未満を含むことができる。さらに、cDNA分子のような「単離された」核酸分子は、組み換え技術により製造された場合には他の細胞物質もしくは培養培地を、または化学的に合成された場合には化学前駆物質もしくは他の化学製品を実質的に含まないことができる。
cDNAを単離別することができる。さらに、配列番号:1の配列またはその相同なヌクレオチド配列に基づいて設計されたオリゴヌクレオチドプライマーを用いてポリメラーゼ連鎖反応により配列番号:1または配列番号:1に示されるヌクレオチド配列に少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約60%、より好ましくは少なくとも約70%、なおより好ましくは少なくとも約80%、さらにより好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95%もしくはそれ以上相同なヌクレオチド配列の全部もしくは一部を包含する核酸分子を単離することができる。例えば、心臓細胞、腎臓細胞、脳細胞または褐色脂肪細胞から(例えば、Chirgwin等(1979)Biochemistry 18:5294−5299のグアニジニウム−チオシアネート抽出法により)mRNAを単離することができ、そして逆転写酵素(例えば、Gibco/BRL、Bethesda、MDから入手できるモロニーMLV逆転写酵素;またはSeikagaku America,Inc.、St.Petersburg、FLから入手できるAMV逆転写酵素)を用いてcDNAを調製することができる。PCR増幅のための合成オリゴヌクレオチドプライマーを配列番号:1に示されるヌクレオチド配列またはその相同なヌクレオチド配列に基づいて設計することができる。標準的なPCR増幅技術に従って鋳型としてcDNAあるいはまたゲノムDNA及び適切なオリゴヌクレオチドプライマーを用いて本発明の核酸を増幅することができる。そのように増幅された核酸を適切なベクター中にクローン化し、DNA配列分析により特性化することができる。さらに、標準的な合成技術により、例えば、自動DNA合成機を用いてPGC−1ヌクレオチド配列に相当するオリゴヌクレオチドを調製することができる。
cDNAに相当する。このcDNAはPGC−1タンパク質をコードする配列(すなわち、「コーディング領域」、ヌクレオチド92から2482まで)並びに5’非翻訳配列(ヌクレオチド1ないし91)及び3’非翻訳配列(ヌクレオチド2483ないし3066)を含んでなる。あるいはまた、核酸分子は配列番号:1のコーディング領域のみ(例えば、ヌクレオチド92ないし2482)または相同なヌクレオチド配列を含んでなることができる。
mRNAレベルを検出するかまたはゲノムのPGC−1遺伝子が突然変異を受けるかもしくは欠失しているかどうかを決定することによるような、PGC−1タンパク質を不適当に発現する細胞または組織を同定するための診断試験キットの一部としてそのようなプローブを用いることができる。
一つの態様として、PGC−1の生物学的に活性のある部分はドメインまたはモチーフを含んでなる。そのようなドメイン/モチーフの例はチロシンリン酸化部位、cAMPリン酸化部位、セリン−アルギニン(SR)に富んだドメイン、RNA結合モチーフ及び核受容体との相互作用をもたらすLXXLL(配列番号:3)モチーフを含む。好ましい態様として、ドメインまたはモチーフを含むタンパク質の生物学的に活性のある部分は褐色脂肪細胞への白色脂肪細胞の分化及び/または褐色脂肪細胞における熱発生を調節することができる。これらのドメインは本明細書において詳細に記述されている。配列番号:1または相同なヌクレオチド配列の一部を単離し、(例えば、インビトロでの組み換え発現により)PGC−1タンパク質またはペプチドのコードされる部分を発現させ、そしてPGC−1タンパク質またはペプチドのコードされる部分の活性を評価することにより、PGC−1の生物学的に活性のある部分をコードするさらなる核酸フラグメントを調製することができる。
cDNAの天然の対立遺伝子変異体及びヒト相同物に相当する核酸分子を本明細書に開示されるマウスPGC−1核酸に対するそれらの相同性に基づいて単離することができる(実施例II参照)。 従って、別の態様として、本発明の単離された核酸分子は少なくとも15ヌクレオチドの長さであり、そしてストリンジェントな条件下で配列番号:1のヌクレオチド配列または配列番号:1のヌクレオチド配列に約60%、好ましくは少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約80%、さらにより好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約95%もしくはそれ以上相同なヌクレオチド配列を含んでなる核酸分子にハイブリダイズする。別の態様として、核酸は少なくとも30、50、100、250または500ヌクレオチドの長さである。本明細書に用いられる場合、「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」という用語は、典型的に相互に少なくとも60%相同なヌクレオチド配列が相互にハイブリダイズしたままであるハイブリダイゼーション及び洗浄の条件を表すと考えられる。好ましくは、その条件は典型的に相互に少なくとも約65%、より好ましくは少なくとも約70%、さらにより好ましくは少なくとも約75%またはそれ以上相同な配列が相互にハイブリダイズしたままであるようにである。そのようなストリンジェントな条件は当業者に知られており、そしてCurrent Protocols in Molecular Biology、John Wiley
& Sons、N.Y.(1989)、6.3.1−6.3.6中に見いだすことができる。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の好ましい限定しない例は、約45℃で6X
塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中でのハイブリダイゼーション及びそれに続く50−65℃で0.2X SSC、0.1% SDS中での1回またはそれ以上の洗浄である。好ましくは、ストリンジェントな条件下で配列番号:1の配列にハイブリダイズする本発明の単離された核酸分子は天然に存在する核酸分子に相当する。本明細書に用いられる場合、「天然に存在する」核酸分子は天然に存在するヌクレオチド配列を有する(例えば、天然のタンパク質をコードする)RNAまたはDNA分子をさす。一つの態様として、核酸は天然のヒトPGC−1をコードする。
mRNAの全コーディング領域に相補的であってもよいが、より好ましくは、PGC−1 mRNAのコーディングまたは非コーディング領域の一部にのみアンチセンスであるオリゴヌクレオチドである。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドはPGC−1
mRNAの翻訳開始部位付近の領域に相補的であってもよい。アンチセンスオリゴヌクレオチドは例えば約5、10、15、20、25、30、35、40、45または50ヌクレオチドの長さであってもよい。当該技術分野において知られている方法を用いて化学合成及び酵素的連結反応を用いて本発明のアンチセンス核酸を構築することができる。例えば、天然に存在するヌクレオチドを用いてアンチセンス核酸(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド)を化学的に合成することができ、または分子の生物学的安定性を増すためもしくはアンチセンスとセンスの核酸の間で形成される二本鎖の物理的安定性を増すために考案された様々に改変されたヌクレオチド、例えばモノチオリン酸誘導体及びアクリジン置換されたヌクレオチドを用いることができる。アンチセンス核酸を作製するために用いることができる改変されたヌクレオチドの例は5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β−D−ガラクトシルキューオシン(β−D−galactosylqueosine)、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、β−D−マンノシルキューオシン(β−D−mannosylqueosine)、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン(wybutoxosine)、プソイドウラシル、キューオシン(queosine)、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、5−メチル−2−チオウラシル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w及び2,6−ジアミノプリンを含む。あるいはまた、核酸がアンチセンスの向きにサブクローン化されている(すなわち、挿入された核酸から転写されるRNAが目的の標的核酸にアンチセンスの向きのものである、以下のサブセクションにおいてさらに記述される)発現ベクターを用いてアンチセンス核酸を生物学的に製造することができる。
mRNA転写産物を触媒的に切断し、それによりPGC−1 mRNAの翻訳を妨げるためにリボザイム(例えば、(Haselhoff及びGerlach(1988)Nature 334:585−591中に記述された)ハンマーヘッド型リボザイム)を用いることができる。本明細書に開示されるPGC−1
cDNAのヌクレオチド配列(例えば、配列番号:1)に基づいてPGC−1をコードする核酸に対して特異性を有するリボザイムを設計することができる。例えば、活性部位のヌクレオチド配列がPGC−1をコードするmRNAにおいて切断されるヌクレオチド配列に相補的である、テトラヒメナ(Tetrahymena)L−19
IVS RNAの誘導体を構築することができる。例えば、Cech等、米国特許第4,987,071号及びCech等、米国特許第5,116,742号を参照。あるいはまた、RNA分子のプールから特定のリボヌクレアーゼ活性を有する触媒RNAを選択するためにPGC−1
mRNAを用いることができる。例えば、Bartel、D.及びSzostak、J.W.(1993)Science 261:1411−1418を参照。
本発明の別の態様はPGC−1(またはその一部)をコードする核酸を含有するベクター、好ましくは発現ベクターに関する。本明細書に用いられる場合、「ベクター」という用語は連結されている別の核酸を運ぶことができる核酸分子をさす。ベクターの一つの型は「プラスミド」であり、それはさらなるDNAセグメントを中に連結することができる環状の二本鎖DNAループをさす。別の型のベクターはウイルスベクターであり、その場合、ウイルスゲノム中にさらなるDNAセグメントを連結することができる。ある種のベクターは導入される宿主細胞において自律複製することができる(例えば、バクテリアの複製起点を有するバクテリアベクター及びエピソーム型哺乳類ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム型哺乳類ベクター)は宿主細胞中への導入時に宿主細胞のゲノム中に組込まれ、それにより宿主ゲノムと一緒に複製される。さらに、ある種のベクターは機能的に連結されている遺伝子の発現を導くことができる。そのようなベクターは本明細書において「発現ベクター」と呼ばれる。通例、組み換えDNA技術において有用な発現ベクターはしばしばプラスミドの形態である。プラスミドはベクターの最も一般的に用いられる形態であるので、本明細書において「プラスミド」と「ベクター」を互換的に用いることができる。しかしながら、本発明は同等な機能を果たすウイルスベクター(例えば、複製欠損性レトロウイルス、アデノウイルス及びアデノ随伴ウイルス)のような発現ベクターの他の形態を含むと考えられる。
本発明の組み換え発現ベクターは宿主細胞における核酸の発現のために適当な形態の本発明の核酸を含んでなり、それは発現される核酸配列に機能的に連結されている、発現のために用いられる宿主細胞に基づいて選択される1つまたはそれ以上の調節配列を組み換え発現ベクターが含むことを意味する。組み換え発現ベクター内で、「機能的に連結された」は目的のヌクレオチド配列が(例えば、インビトロ転写/翻訳系においてまたは宿主細胞中にベクターが導入される場合には宿主細胞において)ヌクレオチド配列を発現させるように調節配列に連結されることを意味すると考えられる。「調節配列」という用語はプロモーター、エンハンサー及び他の発現制御要素(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含むと考えられる。そのような調節配列は例えばGoeddel;Gene Expression Technology:Methods in Enzymology 185、Academic Press、San Diego、CA(1990)中に記述されている。調節配列は多数の型の宿主細胞においてヌクレオチド配列の構成的発現を導くもの及びある種の宿主細胞においてのみヌクレオチド配列の発現を導くもの(例えば、組織特異的調節配列)を含む。発現ベクターの設計は形質転換される宿主細胞の選択、所望されるタンパク質の発現のレベル等のような因子により決まる傾向があることを当業者は認識する。本発明の発現ベクターを宿主細胞中に導入することができ、それにより本明細書に記述されるような核酸によりコードされる、融合タンパク質またはペプチドを初めとするタンパク質またはペプチドを製造することができる(例えば、PGC−1タンパク質、PGC−1の突然変異体、融合タンパク質等)。
本発明の組み換え発現ベクターを原核または真核細胞におけるPGC−1の発現のために設計することができる。例えば、PGC−1をエシェリキア・コリ(E.coli)のようなバクテリア細胞、(バキュロウイルス発現ベクターを用いる)昆虫細胞、酵母細胞または哺乳類細胞において発現させることができる。適当な宿主細胞はGoeddel、Gene Expression Technology:Methods in Enzymology 185、Academic Press、San Diego、CA(1990)中にさらに説明されている。あるいはまた、例えばT7プロモーター調節配列及びT7ポリメラーゼを用いて、インビトロで組み換え発現ベクターを転写し、翻訳することができる。
原核生物におけるタンパク質の発現は、融合または非融合タンパク質のいずれかの発現を導く構成的または誘導性プロモーターを含有するベクターを用いてエシェリキア・コリにおいて最も頻繁に実施される。融合ベクターはその中にコードされるタンパク質に、通常、組み換えタンパク質のアミノ末端に多数のアミノ酸を付加する。そのような融合ベクターは典型的に3つの目的:1)組み換えタンパク質の発現を上げるため;2)組み換えタンパク質の可溶性を上げるため;そして3)アフィニティー精製におけるリガンドとして働くことにより組み換えタンパク質の精製を促進するために役立つ。しばしば、融合発現ベクターでは、融合タンパク質の精製の後に融合部分から組み換えタンパク質を分離できるように、タンパク質分解切断部位を融合部分と組み換えタンパク質の連結部に導入する。そのような酵素及びそれらの対応する認識配列は第Xa因子、トロンビン及びエンテロキナーゼを含む。典型的な融合発現ベクターはpGEX(Pharmacia Biotech Inc;Smith、D.B.及びJohnson、K.S.(1988)Gene 67:31−40)、pMAL(New England Biolabs、Beverly、mA)及びpRIT5(Pharmacia、Piscataway、NJ)を含み、それらは標的組み換えタンパク質にそれぞれグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、マルトースE結合タンパク質またはプロテインAを融合させる。一つの態様として、PGC−1のコーディング配列をpGEX発現ベクター中にクローン化してN末端からC末端にGST−トロンビン開裂部位−PGC−1を含んでなる融合タンパク質をコードするベクターを作製する。グルタチオン−アガロース樹脂を用いてアフィニティークロマトグラフィーにより融合タンパク質を精製することができる。トロンビンでの融合タンパク質の切断によりGSTに融合していない組み換えPGC−1を回収することができる。
gnl)によりもたらされるT7 gn10−lac融合プロモーターからの転写による。このウイルスポリメラーゼはlacUV5プロモーターの転写制御下にT7 gnl遺伝子を保有する内在するλプロファージから宿主株BL21(DE3)またはHMS174(DE3)により与えられる。
別の態様として、PGC−1発現ベクターは酵母発現ベクターである。酵母サッカロミセス・セレビシエ(S.cerivisae)における発現のためのベクターの例はpYepSec1(Baldari等(1987)Embo J.6:229−234)、pMFa(Kurjan及びHerskowitz、(1982)Cell 30:933−943)、pJRY88(Schultz等、(1987)Gene 54:113−123)及びpYES2(Invitrogen Corporation、San Deigo、CA)を含む。
mRNAにアンチセンスであるRNA分子を(DNA分子の転写により)発現させるようにDNA分子を調節配列に機能的に連結する。様々な細胞型においてアンチセンスRNA分子の連続発現を導く、アンチセンスの向きにクローン化された核酸に機能的に連結される調節配列、例えばウイルスプロモーター及び/またはエンハンサーを選択することができ、またはアンチセンスRNAの構成的な組織特異的もしくは細胞型特異的発現を導く調節配列を選択することができる。アンチセンス発現ベクターは組み換えプラスミド、ファージミドまたは弱毒ウイルスの形態であってもよく、その場合、アンチセンス核酸は高効率調節領域の制御下で生産され、その活性をベクターが導入される細胞型により決定することができる。アンチセンス遺伝子を用いる遺伝子発現の調節の説明は、Weintraub、H.等、Antisense RNA as a molecular tool for genetic analysis、Reviews−Trends in Genetics、Vol.1(1)1986を参照。
PGC−1タンパク質を生産する(すなわち、発現させる)ために培養中の原核または真核宿主細胞のような本発明の宿主細胞を用いることができる。従って、本発明はさらに本発明の宿主細胞を用いるPGC−1タンパク質の製造方法を提供する。一つの態様として、その方法はPGC−1が生産されるまで適当な培地中で(PGC−1をコードする組み換え発現ベクターが導入されている)本発明の宿主細胞を培養することを含んでなる。別の態様として、その方法はさらに培地または宿主細胞からPGC−1を単離することを含んでなる。
cDNA配列を導入遺伝子としてヒト以外の動物のゲノム中に導入することができる。あるいはまた、マウスPGC−1遺伝子(配列番号:1)のようなヒトPGC−1遺伝子のヒト以外の相同物を導入遺伝子として用いることができる。また、導入遺伝子の発現の効率を上げるためにイントロン配列及びポリアデニル化シグナルも導入遺伝子中に含むことができる。特定の細胞にPGC−1タンパク質の発現を導くために組織特異的調節配列をPGC−1導入遺伝子に機能的に連結することができる。胚操作及び微量注入によるトランスジェニック動物、特にマウスのような動物の作製方法は当該技術分野において一般的になってきており、例えば、両方ともLeder等による米国特許第4,736,866号及び4,870,009号、Wagner等による米国特許第4,837,191号中並びにHogan、B.、Manipulating the Mouse Embryo、(Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.、1986)中に記述されている。他のトランスジェニック動物の製造のために類似した方法を用いる。ゲノム中のPGC−1導入遺伝子の存在及び/または動物の組織もしくは細胞におけるPGC−1
mRNAの発現に基づいてトランスジェニック創始動物(founder animal)を同定することができる。次に、導入遺伝子を保有するさらなる動物をつくるためにトランスジェニック創始動物を用いることができる。さらに、PGC−1コードする導入遺伝子を保有するトランスジェニック動物を他の導入遺伝子を保有する他のトランスジェニック動物にさらに交配させることができる。
本発明の別の態様は抗−PGC−1抗体を作製するための免疫原としての使用のために適当な単離されたPGC−1タンパク質及びその生物学的に活性のある部分並びにペプチドフラグメントに関する。「単離された」または「精製された」タンパク質またはその生物学的に活性のある部分は、組み換えDNA技術により製造される場合には細胞物質または化学的に合成される場合には化学前駆物質もしくは他の化学製品を実質的に含まない。「細胞物質を実質的に含まない」という用語は、天然でまたは組み換えで生産される細胞の細胞成分からタンパク質が分離されているPGC−1タンパク質の調製物を含む。一つの態様として、「細胞物質を実質的に含まない」という用語は、(乾量で)約30%未満の(本明細書において「混入するタンパク質」とも呼ばれる)PGC−1以外のタンパク質、より好ましくは約20%未満のPGC−1以外のタンパク質、さらにより好ましくは約10%未満のPGC−1以外のタンパク質、最も好ましくは約5%未満のPGC−1以外のタンパク質を含むPGC−1タンパク質の調製物を含む。PGC−1タンパク質またはその生物学的に活性のある部分が組み換えで製造される場合、それは好ましく培養培地も実質的に含まず、すなわち、培養培地はタンパク質調製物の容量の約20%未満、より好ましくは約10%、最も好ましくは約5%未満に相当する。「化学前駆物質または他の化学製品を実質的に含まない」という用語は、タンパク質の合成に関係する化学前駆物質または他の化学製品からタンパク質が分離されているPGC−1タンパク質の調製物を含む。一つの態様として、「化学前駆物質または他の化学製品を実質的に含まない」という用語は、(乾量で)約30%未満の化学前駆物質またはPGC−1以外の化学薬品、より好ましくは約20%未満の化学前駆物質またはPGC−1以外の化学薬品、さらにより好ましくは約10%未満の化学前駆物質またはPGC−1以外の化学薬品、最も好ましくは約5%未満の化学前駆物質またはPGC−1以外の化学薬品を含むPGC−1タンパク質の調製物を含む。好ましい態様として、単離されたタンパク質またはその生物学的に活性のあるタンパク質は、PGC−1タンパク質が得られた同じ動物からの混入するタンパク質がない。典型的に、そのようなタンパク質は、例えば、ヒト以外の細胞におけるヒトPGC−1タンパク質の組み換え発現により製造される。
PGC−1タンパク質の生物学的に活性のある部分はPGC−1タンパク質のアミノ酸配列、例えば、配列番号:2に示されるアミノ酸配列またはPGC−1タンパク質に相同なタンパク質のアミノ酸配列から得られるアミノ酸配列を含んでなるペプチドを含み、それは全長PGC−1タンパク質またはPGC−1タンパク質に相同な全長タンパク質より少ないアミノ酸を含み、そしてPGC−1タンパク質の少なくとも1つの活性を示す。典型的に、生物学的に活性のある部分(ペプチド、例えば、5、10、15、20、30、35、36、37、38、39、40、50、100またはそれ以上のアミノ酸の長さであるペプチド)は、PGC−1タンパク質の少なくとも1つの活性を有するドメインまたはモチーフ、例えば、チロシンリン酸化部位、cAMPリン酸化部位、セリン−アルギニン(SR)に富んだドメイン及び/またはRNA結合モチーフを含んでなる。好ましい態様として、本明細書に記述されるドメイン/モチーフの1つまたはそれ以上を含むタンパク質の生物学的に活性のある部分は、脂肪細胞の分化及び/または褐色脂肪細胞における熱発生を調節することができる。さらに、組み換え技術によりタンパク質の他の領域が除かれている他の生物学的に活性のある部分を調製し、本明細書に記述される1つまたはそれ以上の活性に関して評価することができる。好ましくは、PGC−1タンパク質の生物学的に活性のある部分は生物学的活性を有する1つまたはそれ以上の選択したドメイン/モチーフまたはその一部を含む。
& Sons:1992を参照)。さらに、融合部分(例えば、GSTポリペプチド)をすでにコードする多数の発現ベクターが市販されている。融合部分がPGC−1タンパク質にインフレームで連結されるように、PGC−1をコードする核酸をそのようなベクター中にクローン化することができる。
さらに、PGC−1タンパク質の相同物のスクリーニング及びその後の選択のためのPGC−1フラグメントの様々な集団を作製するためにPGC−1タンパク質コーディングのフラグメントのライブラリーを用いることができる。一つの態様として、ニックが分子当たり約1回のみ起こる条件下でPGC−1コーディング配列の二本鎖PCRフラグメントをヌクレアーゼで処理し、二本鎖DNAを変成させ、異なるニック生成物からのセンス/アンチセンス対を含むことができる二本鎖DNAを形成するようにDNAを再生させ、S1ヌクレアーゼでの処理により再形成された二本鎖から一本鎖部分を取り除き、そして得られたフラグメントライブラリーを発現ベクター中に連結することによりコーディング配列フラグメントのライブラリーを作製することができる。この方法により、PGC−1タンパク質の様々な大きさのN末端、C末端及び内部フラグメントをコードする発現ライブラリーを得ることができる。
92/20791;Markland等、PCT国際公開WO第92/15679号;Breitling等、PCT国際公開WO 93/01288;McCafferty等、PCT国際公開WO第92/01047号;Garrand等、PCT国際公開WO第92/09690号;Ladner等、PCT国際公開WO第90/02809号;Fuchs等(1991)Bio/Technology 9:1370−1372;Hay等(1992)Hum.Antibod.Hybridomas 3:81−85;Huse等(1989)Science 246:1275−1281;Griffiths等(1993)EMBO J 12:725−734;Hawkins等(1992)J.Mol.Biol.226:889−896;Clarkson等(1991)Nature 352:624−628;Gram等(1992)PNAS 89:3576−3580;Garrad等(1991)Bio/Technology 9:1373−1377;Hoogenboom等(1991)Nuc.Acids Res.19:4133−4137;Barbas等(1991)PNAS 88:7978−7982;及びMcCafferty等、Nature(1990)348:552−554中に見いだすことができる。
86/01533;Cabilly等、米国特許第4,816,567号;Cabilly等、欧州特許出願125,023;Better等(1988)Science 240:1041−1043;Liu等(1987)PNAS 84:3439−3443;Liu等(1987)J.Immunol.139:3521−3526;Sun等(1987)PNAS 84:214−218;Nishimura等(1987)Canc.Res.47:999−1005;Wood等(1985)Nature 314:446−449;及びShaw等(1988)J.Natl.Cancer Inst.80:1553−1559);Morrison、S.L.(1985)Science 229:1202−1207;Oi等(1986)Bio Techniques 4:214;Winter 米国特許5,225,539;Jones等(1986)Nature 321:552−525:Verhoeyan等(1988)Science 239:1534;及びBeidler等(1988)J.Immunol.141:4053−4060中に記述された方法を用いて、当該技術分野で知られている組み換えDNA技術によりそのようなキメラ及びヒト化モノクローナル抗体を製造することができる。
アフィニティークロマトグラフィーまたは免疫沈降法のような標準技術によりPGC−1を単離するために抗−PGC−1抗体(例えば、モノクローナル抗体)を用いることができる。抗−PGC−1抗体は細胞からの天然のPGC−1及び宿主細胞において発現された組み換えで製造されたPGC−1の精製を容易にすることができる。さらに、PGC−1タンパク質の発現の量及びパターンを評価するために抗−PGC−1抗体を用いて(例えば、細胞ライセートまたは細胞上清中の)PGC−1タンパク質を検出することができる。臨床試験方法の一部として組織中のタンパク質レベルを調べるため、例えば、与えられた処置投薬計画の効能を決定するために、抗−PGC−1抗体を診断的に用いることができる。抗体を検出可能な物質に連結する(すなわち、物理的に連結する)ことにより検出を容易にすることができる。検出可能な物質の例は様々な酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質、生物発光物質及び放射性物質を含む。適当な酵素の例は西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼまたはアセチルコリンエステラーゼを含み;適当な補欠分子族複合体の例はストレプトアビジン/ビオチン及びアビジン/ビオチンを含み;適当な蛍光物質の例はウンベリフェロン(umbelliferon)、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリドまたはフィコエリトリンを含み;発光物質の例はルミノールを含み;生物発光物質の例はルシフェラーゼ、ルシフェリン及びエクオリンを含み、そして適当な放射性物質の例は125I、131I、35Sまたは3Hを含む。
本発明のPGC−1核酸分子、PGC−1タンパク質、PGC−1モジュレーター及び抗−PGC−1抗体(本明細書において「活性化合物」とも呼ばれる)を患者、例えばヒトへの投与のために適当な製薬学的組成物に混和することができる。そのような組成物は典型的に核酸分子、タンパク質、モジュレーターまたは抗体及び製薬学的に許容しうる担体を含んでなる。本明細書に用いられる場合、「製薬学的に許容しうる担体」という用語は、製薬学的投与と適合した全ての溶媒、分散媒質、被覆、抗菌及び抗真菌剤、等張化及び吸収遅延剤等を含むと考えられる。製薬学的に活性のある物質のためのそのような媒質及び薬剤の使用は当該技術分野においてよく知られている。あらゆる通常の媒質または薬剤が活性化合物と適合している限り、そのような媒質を本発明の組成物に用いることができる。また、補助活性化合物も組成物中に混和することができる。
本発明の製薬学的組成物をその意図される投与の経路と適合するように調合する。投与の経路の例は非経口、例えば、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、吸入)、経皮(局所的)、経粘膜及び直腸投与を含む。非経口、皮内または皮下施用のために用いられる溶液または懸濁液は以下の成分:注入用の水、食塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒のような滅菌した希釈剤;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンのような抗菌剤;アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウムのような抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸のようなキレート化剤;酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩のようなバッファー;及び塩化ナトリウムまたはデキストロースのような張性の調整のための薬剤を含むことができる。塩酸または水酸化ナトリウムのような酸または塩基でpHを調整することができる。非経口製剤をガラスまたはプラスチック製のアンプル、使い捨て注射器または複数投与量バイアル中に入れることができる。
ELTM(商標)(BASF、Parsippany、NJ)またはリン酸緩衝食塩水(PBS)を含む。全ての場合において、組成物は無菌でなけらばならず、そして容易に注入できる程度に流動的であるべきである。それは製造及び貯蔵の条件下で安定でなければならず、そしてバクテリア及び真菌のような微生物の混入作用から保護されなけらばならない。担体は例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液状ポリエチレングリコール等)及びそれらの適当な混合物を含有する溶媒または分散媒質であってもよい。例えば、ルシチンのような被覆の使用により、分散液の場合には必要とされる粒度の維持により、そして界面活性剤の使用により、適切な流動性を保つことができる。様々な抗菌及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサール等により微生物の作用を防止することができる。多くの場合において、等張化剤、例えば、糖類、マンニト−ル、ソルビト−ルのようなポリアルコール、塩化ナトリウムを組成物中に含むことが好ましい。吸収を遅らせる薬剤、例えば、アルミニウムモノステアレート及びゼラチンを組成物中に含むことにより注入可能な組成物の持続性吸収をもたらすことができる。
必要な場合、上に列挙した成分の一つまたは組み合わせと適切な溶媒中で必要量の活性化合物(例えば、PGC−1タンパク質または抗−PGC−1抗体)を混和し、続いて濾過滅菌することにより滅菌した注入可能溶液を調製することができる。通例、基本分散媒質及び上に列挙したものからの必要とされる他の成分含む滅菌ビヒクル中に活性化合物を混和することにより分散液を調製する。滅菌した注入可能溶液の調製のための滅菌した粉末の場合、好ましい調製方法は真空乾燥及び凍結乾燥であり、それは先に滅菌濾過したその溶液から有効成分とあらゆるさらなる適切な成分の粉末をもたらす。
本明細書に記述される核酸分子、ポリペプチド、ポリペプチド相同物、モジュレーター及び抗体を以下の方法:1)薬剤スクリーニングアッセイ;2)診断アッセイ;及び3)処置の方法の1つまたはそれ以上に用いることができる。本発明のPGC−1タンパク質は本明細書に記述される活性の1つまたはそれ以上を有し、従って、例えば、脂肪細胞分化、褐色脂肪細胞における熱発生並びに様々な細胞、例えば、筋肉細胞、肝細胞及び脂肪細胞におけるインシュリン感受性を調節するために用いることができる。以下にさらに記述するように、(例えば、遺伝子治療用途で宿主細胞において組み換え発現ベクターにより)PGC−1タンパク質を発現させるため、(例えば、生物学的サンプル中の)PGC−1
mRNAまたはPGC−1遺伝子中の遺伝子損傷を検出するため及びPGC−1活性を調節するために本発明の単離された核酸分子を用いることができる。さらに、PGC−1タンパク質活性を調節する薬剤または化合物をスクリーニングするため及びPGC−1タンパク質の不十分な生産または野生型PGC−1に比較して減少した活性を有するPGC−1タンパク質型の生産を特徴とする疾患を処置するためにPGC−1タンパク質を用いることができる。さらに、PGC−1タンパク質の検出及び単離並びにPGC−1タンパク質活性の調節のために本発明の抗−PGC−1抗体を用いることができる。
本発明は変種のまたは異常なPGC−1核酸発現及び/またはPGC−1ポリペプチド活性を特徴とする(または関係する)疾患を処置するために用いることができる化合物または薬剤の同定方法に関する。また、これらの方法は本明細書において薬剤スクリーニングアッセイとも呼ばれ、典型的に、PGC−1タンパク質と相互作用する(例えば、結合する)、PGC−1タンパク質と標的分子の相互作用を調節する、そして/またはPGC−1核酸発現及び/もしくはPGC−1タンパク質活性を調節する能力に関して候補/試験化合物または薬剤をスクリーニングする工程を含む。これらの能力の1つまたはそれ以上を有する候補/試験化合物または薬剤を、変種のまたは異常なPGC−1核酸発現及び/またはPGC−1タンパク質活性を特徴とする疾患を処置するための薬剤として用いることができる。候補/試験化合物は、例えば、1)Igを末端につないだ融合ペプチド並びにランダムペプチドライブラリー(例えば、Lam、K.S.等(1991)Nature 354:82−84;Houghten、R.等(1991)Nature 354:84−86を参照)及びD−及び/またはL−配置アミノ酸で作製された組み合わせ化学により得られる分子ライブラリーのメンバーを初めとする可溶性ペプチドのようなペプチド;2)ホスホペプチド(例えば、無作為及び部分的に縮重した選択的ホスホペプチドライブラリーのメンバー、例えば、Songyang、Z.等(1993)Cell 72:767−778を参照);3)抗体(例えば、ポリクローナル、モノクローナル、ヒト化、抗−イディオタイプ、キメラ及び単鎖抗体並びにFab、F(ab’)2、Fab発現ライブラリーフラグメント及び抗体のエピトープ結合フラグメント);並びに4)小さい有機及び無機分子(例えば、組み合わせ及び天然生成物ライブラリーから得られた分子)を含む。
mRNAまたはタンパク質の発現を測定する方法においてPGC−1核酸発現のモジュレーター(例えば、変種のまたは異常なPGC−1核酸発現またはPGC−1タンパク質活性を特徴とする疾患を処置するために用いることができる化合物)を同定することができる。候補化合物の存在下でのPGC−1
mRNAまたはタンパク質の発現のレベルを候補化合物の非存在下でのPGC−1 mRNAまたはタンパク質の発現のレベルに比較する。次に、この比較に基づいてPGC−1核酸発現のモジュレーターとして候補化合物を同定し、そして異常なPGC−1核酸発現を特徴とする疾患を処置するために用いることができる。例えば、PGC−1
mRNAまたはポリペプチドの発現が候補化合物の存在下でその非存在下でより多い(統計的に有意に多い)場合、候補化合物をPGC−1核酸発現の刺激剤として同定する。あるいはまた、PGC−1核酸発現が候補化合物の存在下でその非存在下でより少ない(統計的に有意に少ない)場合、候補化合物をPGC−1核酸発現のインヒビターとして同定する。PGC−1
mRNAまたはタンパク質を検出するために本明細書に記述される方法により細胞におけるPGC−1核酸発現のレベルを決定することができる。
94/10300を参照)。また、そのようなPGC−1結合タンパク質は例えばPGC−1経路の上流または下流成分としてPGC−1タンパク質によるシグナルの伝達に関与しているとも思われる。
本発明はさらに生物学的サンプル中のPGC−1の存在の検出方法を提供する。その方法は生物学的サンプルにおいてPGC−1の存在が検出されるようにPGC−1ポリペプチドまたはmRNAを検出することができる化合物または薬剤と生物学的サンプルを接触させることを含む。PGC−1
mRNAを検出するために好ましい薬剤はPGC−1 mRNAにハイブリダイズすることができる標識されたまたは標識可能な核酸プローブである。核酸プローブは少なくとも15、30、50、100、250または500ヌクレオチドの長さで且つPGC−1
mRNAにストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズするために十分なオリゴヌクレオチドのような、例えば、配列番号:1の全長PGC−1 cDNAまたはその一部であってもよい。PGC−1タンパク質を検出するために好ましい薬剤はPGC−1タンパク質に結合することができる標識されたまたは標識可能な抗体である。抗体はポリクローナルまたはより好ましくはモノクローナルであってもよい。完全な抗体またはそのフラグメント(例えば、FabもしくはF(ab’)2)を用いることができる。プローブまたは抗体に関して「標識されたまたは標識可能な」という用語は、プローブまたは抗体に検出可能な物質を連結する(すなわち、物理的に連結する)ことによるプローブまたは抗体の直接標識及び直接標識される別の試薬との反応性によるプローブまたは抗体の間接標識を含むと考えられる。間接標識の例は蛍光的に標識された二次抗体を用いる一次抗体の検出及び蛍光的に標識されたストレプトアビジンで検出することができるようなビオチンでのDNAプローブの末端標識を含む。「生物学的サンプル」という用語は患者から単離された組織、細胞及び生物学的流体並びに患者内に存在する組織、細胞及び流体を含むと考えられる。すなわち、インビトロ及びインビボで生物学的サンプル中のPGC−1
mRNAまたはタンパク質を検出するために本発明の検出方法を用いることができる。例えば、PGC−1 mRNAの検出のためのインビトロ技術はノーザンハイブリダイゼーション及びインサイチューハイブリダイゼーションを含む。PGC−1タンパク質の検出のためのインビトロ技術は固相酵素免疫検定法(ELISA)、ウェスタンブロット、免疫沈降法及び免疫蛍光を含む。あるいはまた、標識された抗−PGC−1抗体を患者に導入することにより、患者においてインビボでPGC−1タンパク質を検出することができる。例えば、放射性マーカーで抗体を標識することができ、患者におけるその存在及び位置を標準的な画像形成技術により検出することができる。
mRNAまたはタンパク質を検出するためにキットを用いるための説明書を含んでなることができる。
また、PGC−1遺伝子中の遺伝子損傷を検出し、それにより損傷を受けた遺伝子を有する患者が本明細書に定義されるような変種のまたは異常なPGC−1核酸発現またはPGC−1タンパク質活性を特徴とする疾患の危険にされされているかどうかを決定するためにも本発明の方法を用いることができる。好ましい態様として、その方法はPGC−1タンパク質をコードする遺伝子の完全な状態に影響を与える少なくとも1つの改変またはPGC−1遺伝子の不適当な発現を特徴とする遺伝子損傷の有無を患者からの細胞のサンプルにおいて検出することを含む。例えば、1)PGC−1遺伝子からの1個またはそれ以上のヌクレオチドの欠失;2)PGC−1遺伝子への1個またはそれ以上のヌクレオチドの付加;3)PGC−1遺伝子の1個またはそれ以上のヌクレオチドの置換;4)PGC−1遺伝子の染色体再編成;5)PGC−1遺伝子のメッセンジャーRNA転写産物のレベルの変化;6)ゲノムDNAのメチル化パターンのようなPGC−1遺伝子の異常な修飾;7)PGC−1遺伝子のメッセンジャーRNA転写産物の非野生型スプライシングパターンの存在;8)PGC−1タンパク質の非野生型レベル;9)PGC−1遺伝子の対立遺伝子欠損;及び10)PGC−1タンパク質の不適切な翻訳後修飾の少なくとも1つの存在を確かめることによりそのような遺伝子損傷を検出することができる。本明細書に記述されるように、PGC−1遺伝子中の損傷を検出するために用いることができる当該技分野で知られている多数のアッセイ技術がある。
PCRのようなポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(例えば、米国特許第4,683,195号及び4,683,202号を参照)あるいはまたライゲーション連鎖反応(LCR)(例えば、Landegran等(1988)Science 241:1077−1080;及びNakazawa等(1994)PNAS 91:360−364を参照)におけるプローブ/プライマーの使用を含み、それらの後者はPGC−1遺伝子中の点突然変異を検出するために特に有用である可能性がある(Abravaya等(1995)Nucleic Acids Res.23:675−682を参照)。この方法は患者から細胞のサンプルを集め、サンプルの細胞から核酸(例えば、ゲノム、mRNAまたは両方)を単離し、(存在する場合)PGC−1遺伝子のハイブリダイゼーション及び増幅が起こるような条件下でPGC−1遺伝子に特異的にハイブリダイズする1つまたはそれ以上のプライマーと核酸サンプルを接触させ、そして増幅産物の有無を検出するかまたは増幅産物の大きさを検出し、その長さをコントロールサンプルに比較する工程を含むことができる。
本発明の別の態様は変種のまたは異常なPGC−1核酸発現及び/またはPGC−1タンパク質活性を特徴とする(または関係する)疾病または疾患にかかっている患者、例えばヒトを処置するための方法に関する。これらの方法は処置が起こるように患者にPGC−1モジュレーターを投与する工程を含む。「変種のまたは異常なPGC−1発現」という用語は非野生型PGC−1タンパク質の発現またはPGC−1タンパク質の発現の非野生型レベルをさす。変種のまたは異常なPGC−1タンパク質活性は非野生型PGC−1タンパク質活性またはPGC−1タンパク質活性の非野生型レベルをさす。PGC−1タンパク質は例えば脂肪細胞分化に関与する経路、褐色脂肪細胞における熱発生及びインシュリン感受性に関係するので、変種のまたは異常なPGC−1タンパク質活性または核酸発現は正常な体重制御及び代謝機能を妨げる。異種のまたは異常なPGC−1タンパク質活性または核酸発現を特徴とするかまたは関係する疾病または疾患の限定しない例は、体重疾患、例えば、肥満症、悪液質、食欲不振及び不十分なインシュリン活性と関係する疾患、例えば糖尿病を含む。体重と関係する疾患は異常な体重または体重の異常な制御と関係する疾患である。本明細書に用いられる場合、「不十分なインシュリン活性と関係するかまたは特徴とする疾病」という用語は、異常なインシュリン機能によるグルコースの異常な利用がある疾患または疾病を含む。異常なインシュリン機能はインシュリン生産、例えば、IDDM(I型糖尿病)におけるようなβ細胞の喪失に起因するインシュリンの欠乏のような細胞小器官による発現及び/または輸送、NIDDM(II型糖尿病)におけるようなインシュリン分泌反応の損傷のような分泌、インシュリン分子自体の形態、例えば、一次、二次または三次構造、標的細胞に対するインシュリンの作用、例えば、体の組織、例えば末梢組織におけるインシュリン抵抗性及びインシュリンに対する標的細胞の反応におけるあらゆる異常または損傷を含む。IDDM及びNIDDM及び他の型の糖尿病における異常なインシュリン活性のさらなる記述にはBraunwald、E.等編集、Harrison’s Principles of Internal Medicine、第11版(McGraw−Hill Book Company、New York、(1987)pp.1778−1797;Robbins、S.L.等、Pathologic Basis of Disease、第3版(W.B.Saunders Company、Philadelphia、1984)p.972を参照。本明細書に用いられる場合、「処置する」または「処置」という用語は疾患または疾病、例えば、異常なまたは変種のPGC−1タンパク質活性またはPGC−1核酸発現を特徴とするかまたは関係する疾患または疾病の少なくとも1つの不都合な影響または症状の減少または緩和をさす。
処置方法に用いられる核酸分子、タンパク質、PGC−1モジュレーター、化合物等を本明細書に記述される適切な製薬学的組成物中に混和し、分子、タンパク質、モジュレーターまたは化合物等にその意図される機能を遂行させる経路により患者に投与することができる。投与の経路の例は本明細書においてサブセクションIVにも記述されている。
実施例
UCPを発現する褐色脂肪細胞細胞系のマウスHIB
1B細胞系(Ross、R.等(1992)PNAS 89:7561−7565)を分化させ、UCP発現を誘導するためにイソプロテレノールで処理した。餌としてPPARγ及びClontech(Palo Alto、CA)試薬を用いて酵母2ハイブリッド系においてマウスHIB
1B細胞系からのcDNAライブラリーをスクリーニングした。簡潔に言えば、マウスPPARγのアミノ酸183−505をGAL4 DNA結合ドメインプラスミドpAS2中にインフレームでクローン化した。GAL4活性化ドメインプラスミドpACTII中にHIB 1B cDNA発現ライブラリーを構築した。酵母2ハイブリッド系プロトコルはCLONTECH Matchmaker2ハイブリッド系プロトコルに記述されたとおりであった。酢酸リチウム法によりpAS−PPARγをY190酵母細胞中に形質転換し、そしてロイシン−プレートにおける選択により維持した。pACT−HIB
1B cDNAライブラリーをY190−PPARγ酵母細胞中に形質転換し、CLONTECHプロトコルに記述されたようにフィルターアッセイにおいてβ−ガラクトシダーゼ活性に関して陽性クローンをアッセイした。全長PGC−1を得るためにpAS1ラミンcDNAを用い、HIB
1B細胞からのオリゴdT λZAP cDNAライブラリーをスクリーニングするためのプローブとして陽性の酵母cDNAクローンを用いた。
HIB 1B褐色脂肪細胞から調製したcDNAを用いた1x106一次形質転換体のスクリーニングにより約130クローンを得た。陽性ファージクローンのcDNAインサートをpBluescript中に切り出し、標準法により両方の鎖をシークエンスした。次に、RNAブロットで白色脂肪に対する褐色脂肪における選択的発現に関してこれらを分析した。この酵母2ハイブリッド系を用いて得られたクローンのうちの1つは配列番号:1のヌクレオチド610ないし3066を含んでなる部分PGC−1クローンであった。λZAP−HIB
1Bライブラリーをスクリーニングするために配列番号:1のヌクレオチド650ないし3066を含んでなる部分PGC−1クローンを用いることにより全長クローンを得た。
PGC−1で見られた。これらのバンドはおそらくPGC−1の異なるアイソフォームに相当する。おそらく120kD型が配列番号:2のタンパク質に相当する。
(図1A、1A−1及び1A−2並びに配列番号:1に示される)マウスPGC−1のヌクレオチド配列は92kDaの予測される分子量で797アミノ酸残基を含有するタンパク質をコードする3066ヌクレオチドを含む(図2A)。(図1A、1A−1、1A−2及び2A並びに配列番号:2に示される)マウスPGC−1タンパク質配列はいくつかのドメイン/モチーフを含み、データバンク(Databank)検索によりPGC−1が発現配列標識(EST)データベースを除いていかなるデータベースにおいても近い相同物がない新規なタンパク質であることが示される。しかしながら、それは:推定上のRNA結合モチーフ(アミノ酸677−709)並びにセリン及びアルギニン残基が多い領域のいわゆるSRドメイン2つ(アミノ酸565−598及び617−631)を初めとする認識できるペプチドモチーフを含む。対になったRNA結合モチーフ及びSRドメインを含有するタンパク質はRNAポリメラーゼIIのC末端ドメイン(CTD)と相互作用することが示されている(Yuryev等(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:6975−6980)。しかしながら、これら2つの領域を除いて、PGC−1はこれらのドメインを含有する他のタンパク質と他の配列類似性を共有しない。これらのドメインに加えて、PGC−1はプロテインキナーゼAによるリン酸化の共通部位3つも含有する。しかしながら、PGC−1と核受容体のあらゆる既知のコアクチベーターの間で著しい相同性は見いだされなかった。しかしながら、PGC−1は核受容体−コアクチベーター相互作用をもたらすことができる成分として最近同定された(Heery等(1997)Nature 397:733−736;Torchia等(1997)Nature 387:677−684)1つのLXXLLモチーフ(アミノ酸142−146)を含有する。
ヒトPGC−1核酸分子を得るために、PGC−1が非常に発現される組織からのcDNAライブラリーを(例えば、Sambrook、J.、Fritsh、E.F.及びManiatis、T.、Molecular Cloning:A Laboratory manual.第2版、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY、1989中に記述されたように)低いストリンジェンシー条件下でスクリーニングすることができる。マウス全長cDNAプローブ(例えば、配列番号:1に示される配列を有するプローブ)でスクリーニングしたヒトポリA
RNAのノーザンブロット分析により、ヒト筋肉、心臓、脳、腎臓及び膵臓において高レベルのPGC−1の発現が示され、ヒト筋肉及び心臓において最も高レベルの発現が検出された。従って、配列番号:1のヌクレオチド配列またはその一部(例えば、配列番号:1の5’領域からのヌクレオチド、例えば、配列番号:1のヌクレオチド1−50)を含んでなるプローブを用いてヒト筋肉ライブラリー、例えば、オリゴdTヒト筋肉ライブラリーをスクリーニングすることができる。PGC−1の5’領域でクローンを選択することにより、全長クローンを得る可能性を増す。このスクリーニングから得られたクローンをシークエンスし、それらがヒトPGC−1分子であるかどうかを決定するために配列番号:1に示されるマウス配列に比較することができる。クローンが部分クローンであると分かった場合、cDNAライブラリーを部分ヒトクローンで再スクリーニングして全長ヒトクローンを得る。
配列番号:1のヌクレオチド150ないし3066を含んでなるプローブを用いて24℃で順応させた4週齢マウスからの肺、筋肉、肝臓、心臓、腎臓、白色脂肪組織(WAT)、褐色脂肪組織(BAT)、脳、精巣及び脾臓組織からのmRNAのノーザン分析を実施した。簡潔に言えば、グアニジンイソチオシアネート抽出によりマウスの培養した細胞及び組織から全RNAを単離した。RNAサンプルを以前に記述されたように処理した(Tontonoz等(1994)Genes Dev.8:1224−1234)。28S(5000−6000bp)マーカーより大きい3本のバンドがノーザンブロット上に生じた。これらのバンドはおそらくPGC−1の異なるアイソフォームに相当する。PGC−1
mRNAは主として脳、心臓、腎臓及びBATにおいて検出された。さらに、これらの組織の全てにおいて約8kbの少ない種も見られる。それに反して、白色脂肪、肺、骨格筋、肝臓、精巣または脾臓からはいかなるPGC−1
mRNA発現もみられない。
mRNAは周囲温度で飼育したマウスからの骨格筋において検出できないが、マウスを低温に12時間露出することにより、この組織においてPGC−1遺伝子の発現が誘導される。室温でPGC−1
mRNAを発現する心臓及び腎臓は低温露出時にこの発現を高めない。低温露出中のPGC−1誘導は、BATの熱発生活性を招く褐色脂肪特異的マーカーのUCPのものと一致する。
これらの実験は、PGC−1が24℃に順応させた動物からのBATと初めとするいくつかの組織において発現されるが、WATでは発現されないことを示す。本明細書に記述される動物研究を以下のように実施した。4週齢のオスC57BL/6Jマウスを用いた。動物に随意に餌を与え、檻当たり10匹の動物に分けた。コントロール群を24℃で飼育し、一方、実験群を4℃で3または12時間飼育した。動物を屠殺し、組織を切断し、すぐに集めた。
低温は中枢神経系において探知され、筋肉及び褐色脂肪を初めとする末梢組織に増加した交感神経アウトプットをもたらす(Himms−Hagen(1989)Can.J.Physiol.Pharmacol.67:394−401)。培養した褐色脂肪細胞をβ−アドレナリンアゴニストにさらすことにより、褐色脂肪細胞前駆体細胞増殖及びUCP−1の誘導の点で低温露出にまねることができる(Rehnmark等(1990)J.Biol.Chem.25:16464−16471)。PGC−1遺伝子発現がβ−アドレナリンアゴニストにも感受性であるかどうかを決定するために、HIB
1B褐色脂肪細胞を非サブタイプ選択的βアゴニストのイソプロテレノール(1μM)で10時間処理した。全細胞RNAを単離し、PGC−1及びUCP−1 cDNAプローブを用いて分析した。
1B褐色脂肪細胞の処理はPGC−1 mRNA及びUCP−1 mRNAの両方の急激な増加をもたらした。簡潔に言えば、本明細書において記述したようにHIB
1B褐色脂肪前脂肪細胞を分化させた。6日後に、細胞は約80%分化された。9−シスレチノイン酸への褐色細胞の露出はUCP−1発現を誘導するβアゴニストの作用を高めることが以前に示されている(Puigserver等(1996)Biochem.J.317:827−833)。HIB
1B細胞へのこの(RXR及びRARの両方を活性化する)レチノイド及びイソプロテレノールの添加はPGC−1及びUCP−1発現の両方のわずかなさらなる増加をもたらした。これらの結果はβ−アドレナリンアゴニストがUCP−1及びPGC−1の両方の誘導に対する低温の影響をもたらすことに重要な役割を果たす可能性があることを示す。実施例IV: PGC−1の組み換え発現並びに他の転写因子及び核ホル モン受容体へのPGC−1の結合
5X3のSmaI部位にクローン化した。特定のオリゴヌクレオチドを用いてPCRを実施することによりPPARγ欠失を作製し、pGEX 5X2にインフレームでクローン化した。これらの融合タンパク質を発現させ、約1μgのタンパク質(いずれかのGST、または単独もしくはPGC−1に融合した)を含有するビーズ上でエシェリキア・コリから精製し、30μlを結合バッファー(20mM
HEPES[pH 7.7]、75mM KCl、0.1mM EDTA、2.5mM MgCl2、0.05% NP40、2mM DTT、10%
グリセロール)中に再懸濁した。
ベーターとして働く。
IR(ヒトインシュリン受容体を発現するように形質転換されたラット繊維芽細胞系)細胞をリン酸カルシウム法を用いてPSV−sportのみ(コントロール)、PPARγ/RXRα、PGC−1及びPPARγ/RXRα/PGC−1で一過性トランスフェクトした。CMVプロモーターの制御下のβ−ガラクトシダーゼレポーター遺伝子の共トランスフェクションによりトランスフェクション効率に関してCATアッセイからの結果を調整した。各場合で、細胞をジメチルスルホキシドまたは9−シスレチノイン酸、8−Br−cAMP及び合成PPARγリガンドピオグリタゾン(PIO)の組み合わせのいずれかで処理した。9−シスレチノイン酸、8−Br−cAMP及びPIOの組み合わせで処理し、そしてPGC−1のみを含有する細胞、PPARγ/RXRαを含有する細胞及びPPARγ/RXRα/PGC−1を含有する細胞において転写活性が見られた。9−シスレチノイン酸、8−Br−cAMP及びPIOの組み合わせで処理し、そしてPPARγ/RXRα/PGC−1を含有する細胞において最大の活性が見られた。これらの結果はPGC−1がPPARγ/RXRαの正の転写コアクチベーターとして働くことを示す。
cAMP)、そして組み合わせて(8−Br cAMPと組み合わせた9−シスレチノイン酸)処理した。個々の誘導物質で処理された細胞に関して、誘導物質の効能は以下とおりであることが見いだされた(最も高いものから最も低いものへ):9−シスレチノイン酸、8−Br
cAMP、TRO、そして次にPIO。9−シスレチノイン酸と8−Br cAMPの組み合わせは個々の誘導物質のいずれよりも転写活性を高めることに効力があった。
核受容体とSRC−1またはCBPのようなある種のコアクチベーターの間の相互作用はリガンド依存的であり(Kamai等(1996)Cell 84:403−414)、コアクチベーター中のLXXLL(配列番号:3)及び受容体中のC末端AF−2ドメインを伴う(Heery等(1997)Nature 387:733−736;Torchia等(1997)Nature 387:677−684)。PGC−1−PPARγ相互作用を招くドメインを同定するために、PGC−1の異なるC末端欠失を網状赤血球翻訳産物として作製し、FST−PPARγ融合タンパク質と混合した。pBluescriptにつながれたPGC−1
cDNA中の特定の制限部位を用いてPGC−1の欠失を作製した。これらの欠失のために以下の制限酵素を用いた:全長XhoI(aa 1−797)、HaeII(aa 1−675)、NcoI(aa 1−503)、XbaI(aa 1−403)、KpnI(aa 1−338)及びStuI(aa
1−292)。次に、これらを[35S]メチオニンで標識してインビトロで翻訳した。各インビトロ翻訳反応の1μlをSDS−PAGEにより分離し、オートラジオグラフィーを行った。
1−503の結合は18%まであまり大きくなく減少した。同様なレベルの結合をPGC−1 1−403及び1−338で見ることができる。しかしながら、LXXLL(配列番号:3)モチーフをなお含有するPGC−1
1−292はPPARγと相互作用する能力を完全に失う。図2Aに示されるように、残基292−338はプロリン残基が非常に多いが、タンパク質−タンパク質相互作用をもたらすことが知られているいかなる明確なドメインも含有しない。
PGC−1がそれ自体の転写活性化ドメインを有するかまたは核受容体の転写アクチベーター特性を現すかまたは増大する可能性があるなんらかの活性を含有するかどうかを検討するために、全長または一部のPGC−1とGAL4のDNA結合ドメイン(DBD)の間の多数の融合タンパク質を調製し、GAL4
DNA結合標的配列、UASによる転写をアッセイした。CATに連結した5コピーのUASを含有するレポータープラスミドで転写をアッセイした。より具体的には以下のように転写活性化アッセイを実施した。まず、全3kbのcDNAをSmaII(SmaI?)−XhoIフラグメントとしてpSV−SPORT(GIBCO−BRL)のSmaI−SalI部位に連結することにより全長PGC−1を含有する発現プラスミドを構築した。GAL4
DBDと全長マウスSRC1間のコントロール融合と一緒に、これを−CMXベクターと細胞中で発現させた。4.5μgのDBD−PGC−1により刺激された活性を100%と設定した。−3740/+110bp
UCPプロモーターは以前に記述された(Kozak等(1994)Mol.Cell.Biol.14:59−67)。10%コズミック(cosmic)仔ウシ血清を含有するDMEM中でRat1
IR繊維芽細胞を培養し、リン酸カルシウム法により80%−90%融合でトランスフェクトした。0.1% DMSOを含有するビヒクル(9−シスレチノイン酸及びトログリタゾン)または水(8−ブロモcAMP)にリガンドを溶解した。トランスフェクションを二重に実施し、少なくとも3回繰り返した。Kim及びSpiegelman((1996)Genes Dev.10:1096−1107)中に記述されたようにCAT活性をアッセイした。
IR繊維芽細胞と同様にトランスフェクトし、レポーターは5xUASg−CATであった。
DBDによりDNAにつながれると容易に転写を活性化できる。比較のために、核受容体の別のコアクチベーター、SRC−1とGAL4 DBDの融合により得られた結果を示す。従って、PGC−1は転写活性化機能を示すために核受容体への連結を全く必要とせず;これらの受容体とその相互作用は主としてPGC−1を適切なDNA部位に導くように働くと思われる。 PGC−1の転写活性化ドメインの位置をさらに決定するために、GAL4
DNA結合ドメインに連結した多数の欠失突然変異体を上記のようにルシフェラーゼレポーター遺伝子の誘導に関して試験した。以下の構築物:コントロールのGAL−4のみ、GAL4−PGC−1、GAL4−PGC−1のアミノ酸1−65、GAL4−PGC−1のアミノ酸1−125、GAL4−PGC−1のアミノ酸1−170、GAL4−PGC−1のアミノ酸1−350、GAL4−PGC−1のアミノ酸1−550、GAL4−PGC−1のアミノ酸1−650及びGAL4−PGC−1のアミノ酸170−797を試験した。結果を以下の表1に要約する。
構築物
ルシフェラーゼユニット
GAL4のみ 4
GAL4−PGC−1 700
GAL4 1−65 4,800
GAL4 1−125 84,000
GAL4 1−170 36,000
GAL4 1−350
700
GAL4 1−550 4,300
GAL4 1−650
300
GAL4 170−797 4
表1に示されるように、分子のN末端領域を含有するGAL4−PGC−1構築物は全長分子より高い転写活性を示す。構築物GAL4
170−797は検出可能な転写活性を示さなかった。これらの結果はPGC−1の転写活性化ドメインが分子のN末端領域、特に、PGC−1のアミノ酸1−170に位置することを示す。C末端アミノ酸残基が含まれる場合に見られる転写活性の減少(例えば、GAL4
1−125と全長分子の転写活性を比較せよ)は、これらのC末端残基がN末端ドメインの転写活性を、例えばこのドメインを遮蔽することによるかまたはこのドメインを遮蔽するかそうでなければその活性を相殺することができる他のタンパク質と相互作用することにより、妨げる可能性があることを示唆する。
上記のアッセイ及び構築物はPGC−1の機能を調節する、例えば、刺激するかまたは抑制することができる化合物または薬剤をスクリーニングするための有用なアッセイを提供する。特に、好ましい化合物または薬剤はPGC−1のアクチベーター、例えば、分子のC末端部分の阻害作用を相殺する薬剤を含む。これらの化合物または薬剤は熱発生を調節することに有用である可能性がある。
実施例VIII: PGC−1活性の調節におけるプロテインキナーゼAの役 割
UCP遺伝子の発現はcAMPに非常に感受性である。PGC−1配列の分析により、プロテインキナーゼAによるリン酸化の3つの共通部位が示された(図2A及び2B)。この結果はPGC−1の活性の調節におけるこのキナーゼの潜在的役割を示唆し、それは次にUCP遺伝子発現を改変する。この可能性を検討するために、部位特異的突然変異誘発を実施してこれらのリン酸化部位を除去することができる。例えば、標準プロトコルを用いて配列番号:2のアミノ酸373−376を突然変異させることができる。得られた突然変異体の転写活性をUCPプロモーターの制御下のレポーター遺伝子、例えばCAT遺伝子を保有する例えばCOS細胞またはHeLa細胞において試験することができる。実施例IX: PGC−1の異所発現は適応熱発生の分子成分を誘導する 適応熱発生の遺伝子を調節するPGC−1の能力を直接調べるために、レトロウイルスベクターを用いてこのタンパク質を白色脂肪前駆体細胞において発現させ、次に、3T3−F442A前脂肪細胞を刺激して分化させた。簡潔に言えば、pBluescript−PGC−1プラスミドからのBamHI−XhoIフラグメントをpBabe−puroのBamHI/SalI部位に連結することによりPGC−1ウイルス発現ベクター(pBabe−PGC−1)を構築した。薬剤選択後に、ウイルス感染した3T3F442A−PGC−1及び3T3F441A−ベクター細胞系を10%
BCSを含むDMEM中で融合するまで増殖させた。これらの細胞をDMEMインシュリン中で培養することによりそれらの分化を開始させた。細胞にこの培地を2日毎に再供給した。10%
CCSを含むDMEM中で特定の細胞を融合するまで増殖させた。次に、分化を誘導するためにこれらの細胞を1μMデキサメタゾン、0.5mMのメチル−イソブチル−キサンチン、125μMインドメタシン、17nMインシュリン及び1nM
T3で48時間処理した。続いて、10% CCS、17nMインシュリン及び1nM T3を含有するDMEM中で細胞を維持し、2日毎に補給した。これらの処理後に、全RNAを単離し、分析した。
8−ブロモ−cAMP及び1mM 9−シス−レチノイン酸を培地に添加し、6時間後に細胞から全RNAを抽出した。PGC−1プローブでのノーザンブロット分析により、PGC−1
mRNAが空のベクターに感染したこれらの白色脂肪細胞ではほとんど検出できないが、PGC−1 cDNAを含有するウイルスに感染した細胞ではより多く発現されることが示された。培養細胞におけるこのmRNAの発現は低温露出したマウスの褐色脂肪においてみられるものの約6%であった。細胞核においてコードされる褐色脂肪の古典的マーカーのUCP−1のmRNAはコントロールの3T3−F442A細胞ではほとんで検出できないが、PGC−1を発現する細胞では著しく誘導される。核において同様にコードされる酸化的リン酸化に関与する重要なミトコンドリアタンパク質のATPシンテターゼのmRNAは同様にPGC−1を発現する細胞において増加される。ミトコンドリアの呼吸酵素シトクロムc−オキシダーゼサブユニットCOXII及びIVはそれぞれミトコンドリア及び核ゲノムにおいてコードされる。これらのmRNAは両方ともPGC−1を異所的に発現する細胞において2ないし3倍増加する。熱発生に関連しない白色及び褐色脂肪細胞遺伝子aP2及びリボソームタンパク質の36B4の発現を投入コントロールとして示す。これらの結果はPGC−1が低温露出した動物においてみられるものよりはるかに下のレベルで発現される場合にでもミトコンドリアの機能及び適応熱発生のいくつかの重要な遺伝子の発現を刺激できることを示す。
熱発生をもたらすPGC−1の生理的役割を決定するために、上記のようなPGC−1を発現するレトロウイルスベクターに感染した3T3−F442A前脂肪細胞を用いて酸素消費アッセイを実施した。感染の効率を細胞の25%−30%であると概算する。Ludwik、J.等(1981)J.Biochemistry 256(24):12840−12848及びHermesh、O.(1998)J.Biochemistry 273(7):3937−3942中に記述されたように酸素消費アッセイを実施した。1μM
8−ブロモ−cAMP及び1mM 9−シス−レチノイン酸でのこれらの細胞の6時間の処置は、これらの細胞による酸素消費の100%の増加をもたらした(図6)。これらの細胞において検出された酸素消費の増加は、ミトコンドリアの脱共役タンパク質(UCP)またはプロトン輸送を促進することができる類似したタンパク質の活性及び/または発現の増加により引き起こされると思われる。
実施例X: PGC−1は独特な核受容体コアクチベーターである。
適応熱発生はエネルギー消費の成分をさし、それは身体的活動から分離し、そして環境条件を変えること、最も顕著には低温露出及び過食に応答してそれを高めることができる(Himms−Hagen(1989)Proc.Soc.Exp.Biol.Med.208:159−169)。ヒト肥満症の病因及び治療の両方における潜在的役割のためにこの主題にかなりの関心がある。
mRNA発現(低温で誘導したBATにおいて見られるものの6%)しか得ることができなかったが、適応熱発生系のいくつかの分子成分が改変されることは明らかである。第一に、これらの白色細胞に特徴的なほとんど検出できないレベルからUcp−1遺伝子の発現を導く。第二に、ATPシンテターゼ、Cox−II及びCox−IVのような、これらの細胞において通常発現される呼吸鎖のいくつかのミトコンドリア遺伝子を著しく増加する。最後に、全細胞DNAの単位当たりのミトコンドリアDNAの増加により明白に示されるように、ミトコンドリア含有量を倍にする。
同等物
当業者は本明細書に記述される本発明の特定の態様に対する多数の同等物を日常的実験のみを用いて認識するかまたは確認することができる。そのような同等物は本願の請求の範囲により含まれると考えられる。
配列表
(1)一般情報:
(i)出願人:Bruce M.Spiegelman、Pere
Puigserver及びZhidan Wu
(ii)発明の名称:PGC−1、新規な褐色脂肪PPARγコアクチベーター
(iii)配列の数:3
(iv)通信住所:
(A)受信人:LAHIVE
& COCKFIELD、LLP
(B)通り:28ステート通り
(C)市:ボストン
(D)州:マサチューセッツ
(E)国:米国
(F)郵便番号:02109
(v)コンピューター可読形態:
(A)媒質型:プロッピーディスク
(B)コンピューター:IBM PC互換性
(C)オペレーティングシステム:PC−DOS/MO−DOS
(D)ソフトウェア:パテントインリリース#1.0、バージョン#1.25
(vi)現在の出願データ:
(A)出願番号:US
00/000,000
(B)出願日:
(vii)先行する出願データ:
(A)出願番号:60/048,107
(B)出願日:1997年5月30日
(viii)弁護士/代理人情報:
(A)氏名:Mandragouras、Amy E.
(B)登録番号:36,207
(C)参照/整理番号:DFN−023
(ix)遠距離通信情報:
(A)電話:(617)227−7400
(B)テレファックス:(617)742−4214
(2)配列番号:1の情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:3066塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:cDNA
(ix)配列の特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:92..2482
(xi)配列:配列番号:1
AATTCGGCAC GAGGTTGCCT
GCATGAGTGT GTGCTGTGTG TCAGAGTGGA TTGGAGTTGA 60
AAAAGCTTGA CTGGCGTCAT
TCGGGAGCTG G ATG GCT TGG GAC ATG TGC AGC 112
Met Ala
Trp Asp Met Cys Ser
1
5
CAA GAC TCT GTA TGG
AGT GAC ATA GAG TGT GCT GCT CTG GTT GGT GAG 160
Gln Asp Ser Val Trp
Ser Asp Ile Glu Cys Ala Ala Leu Val Gly Glu
10
15
20
GAC CAG CCT CTT TGC
CCA GAT CTT CCT GAA CTT GAC CTT TCT GAA CTT 208
Asp Gln Pro Leu Cys
Pro Asp Leu Pro Glu Leu Asp Leu Ser Glu Leu
25
30
35
GAT GTG AAT GAC TTG
GAT ACA GAC AGC TTT CTG GGT GGA TTG AAG TGG 256
Asp Val Asn Asp Leu
Asp Thr Asp Ser Phe Leu Gly Gly Leu Lys Trp
40
45
50
55
TGT AGC GAC CAA TCG
GAA ATC ATA TCC AAC CAG TAC AAC AAT GAG CCT 304
Cys Ser Asp Gln Ser
Glu Ile Ile Ser Asn Gln Tyr Asn Asn Glu Pro
60
65
70
GCG AAC ATA TTT GAG
AAG ATA GAT GAA GAG AAT GAG GCA AAC TTG CTA 352
Ala Asn Ile Phe Glu Lys Ile Asp Glu Glu Asn Glu Ala Asn Leu Leu
75
80
85
GCG GTC CTC ACA GAG
ACA CTG GAC AGT CTC CCC GTG GAT GAA GAC GGA 400
Ala Val Leu Thr Glu Thr Leu Asp
Ser Leu Pro Val Asp Glu Asp Gly
90
95
100
TTG CCC TCA TTT GAT
GCA CTG ACA GAT GGA GCC GTG ACC ACT GAC AAC 448
Leu Pro Ser Phe Asp Ala Leu Thr Asp Gly Ala
Val Thr Thr Asp Asn
105
110
115
GAG GCC AGT CCT TCC
TCC ATG CCT GAC GGC ACC CCT CCC CCT CAG GAG 496
Glu Ala Ser Pro Ser Ser Met
Pro Asp Gly Thr Pro Pro Pro Gln Glu
120
125
130
135
GCA GAA GAG CCG TCT
CTA CTT AAG AAG CTC TTA CTG GCA CCA GCC AAC 544
Ala Glu Glu Pro Ser Leu Leu Lys Lys Leu Leu Leu Ala Pro Ala
Asn
140
145
150
ACT CAG CTC AGC TAC AAT
GAA TGC AGC GGT CTT AGC ACT CAG AAC CAT 592
Thr Gln Leu Ser Tyr
Asn Glu Cys Ser Gly Leu Ser Thr Gln Asn His
155
160
165
GCA GCA AAC CAC ACC
CAC AGG ATC AGA ACA AAC CCT GCC ATT GTT AAG 640
Ala Ala Asn His Thr His Arg Ile Arg Thr Asn
Pro Ala Ile Val Lys
170
175
180
ACC GAG AAT TCA TGG
AGC AAT AAA GCG AAG AGC ATT TGT CAA CAG CAA 688
Thr Glu Asn Ser Trp
Ser Asn Lys Ala
Lys Ser Ile Cys Gln Gln Gln
185
190
195
AAG CCA CAA AGA CGT
CCC TGC TCA GAG CTT CTC AAG TAT CTG ACC ACA 736
Lys Pro Gln Arg Arg
Pro Cys Ser Glu Leu Leu Lys Tyr Leu Thr Thr
200
205
210
215
AAC GAT GAC CCT CCT
CAC ACC AAA CCC ACA GAA AAC AGG AAC AGC AGC 784
Asn Asp Asp Pro Pro
His Thr Lys Pro Thr Glu Asn Arg Asn Ser Ser
220
225
230
AGA GAC AAA TGT GCT
TCC AAA AAG AAG TCC CAT ACA CAA CCG CAG TCG 832
Arg Asp Lys Cys Ala Ser Lys Lys Lys Ser His Thr Gln Pro Gln Ser
235
240
245
CAA CAT GCT CAA GCC
AAA CCA ACA ACT TTA TCT CTT CCT CTG ACC CCA 880
Gln His Ala Gln Ala
Lys Pro Thr Thr Leu Ser Leu Pro Leu Thr Pro
250 255
260
GAG TCA CCA AAT GAC
CCC AAG GGT TCC CCA TTT GAG AAC AAG ACT ATT 928
Glu Ser Pro Asn Asp
Pro Lys Gly Ser Pro Phe Glu Asn Lys Thr Ile
265
270
275
GAG CGA ACC TTA AGT GTG
GAA CTC TCT GGA ACT GCA GGC CTA ACT CCT 976
Glu Arg Thr Leu Ser
Val Glu Leu Ser Gly Thr Ala Gly Leu Thr Pro
280
285
290
295
CCC ACA ACT CCT CCT
CAT AAA GCC AAC CAA GAT AAC CCT TTC AAG GCT 1024
Pro Thr Thr Pro Pro
His Lys Ala Asn Gln Asp Asn Pro Phe Lys Ala
300
305
310
TCG CCA AAG CTG AAG
CCC TCT TGC AAG ACC GTG GTG CCA CCG CCA ACC 1072
Ser Pro Lys Leu Lys Pro Ser Cys Lys Thr Val Val Pro Pro Pro Thr
315
320
325
AAG AGG GCC CGG TAC
AGT GAG TGT TCT GGT ACC CAA GGC AGC CAC TCC 1120
Lys Arg Ala Arg
Tyr Ser Glu Cys Ser Gly Thr Gln Gly Ser His Ser
330
335
340
ACC AAG AAA GGG CCC
GAG CAA TCT GAG TTG TAC GCA CAA CTC AGC AAG 1168
Thr Lys Lys Gly Pro
Glu Gln Ser Glu Leu Tyr Ala Gln Leu Ser Lys
345
350
355
TCC TCA GGG CTC AGC
CGA GGA CAC GAG GAA AGG AAG ACT AAA CGG CCC 1216
Ser Ser Gly Leu Ser
Arg Gly His Glu Glu Arg Lys Thr Lys Arg Pro
360
365
370
375
AGT CTC CGG CTG TTT
GGT GAC CAT GAC TAC TGT CAG TCA CTC AAT TCC 1264
Ser Leu Arg Leu Phe
Gly Asp His Asp Tyr Cys Gln Ser Leu Asn Ser
380
385
390
AAA ACG GAT ATA CTC
ATT AAC ATA TCA CAG GAG CTC CAA GAC TCT AGA 1312
Lys Thr Asp Ile Leu Ile Asn Ile Ser Gln Glu Leu Gln Asp Ser
Arg
395
400
405
CAA CTA GAC TTC AAA
GAT GCC TCC TGT GAC TGG CAG GGG CAC ATC TGT 1360
Gln Leu Asp Phe Lys Asp Ala
Ser Cys Asp Trp Gln Gly His Ile Cys
410
415
420
TCT TCC ACA GAT TCA
GGC CAG TGC TAC CTG AGA GAG ACT TTG GAG GCC 1408
Ser Ser Thr Asp Ser
Gly Gln Cys Tyr Leu Arg Glu Thr Leu Glu
Ala
425
430
435
AGC AAG CAG GTC TCT
CCT TGC AGC ACC AGA AAA CAG CTC CAA GAC CAG 1456
Ser Lys Gln Val Ser
Pro Cys Ser Thr Arg Lys Gln Leu Gln Asp Gln
440
445
450
455
GAA ATC CGA GCG GAG
CTG AAC AAG CAC TTC GGT CAT CCC TGT CAA GCT 1504
Glu Ile Arg Ala Glu Leu Asn Lys His Phe Gly His Pro Cys Gln Ala
460
465
470
GTG TTT GAC GAC AAA
TCA GAC AAG ACC AGT GAA CTA AGG GAT GGC GAC 1552
Val Phe Asp Asp Lys
Ser Asp Lys Thr Ser Glu Leu Arg Asp Gly Asp
475
480
485
TTC AGT AAT GAA CAA
TTC TCC AAA CTA CCT GTG TTT ATA AAT TCA GGA 1600
Phe Ser Asn Glu Gln
Phe Ser Lys Leu Pro Val Phe Ile Asn Ser Gly
490
495
500
CTA GCC ATG GAT GGC
CTA TTT GAT GAC AGT GAA GAT GAA AGT GAT AAA 1648
Leu Ala Met Asp Gly Leu Phe Asp Asp Ser Glu
Asp Glu Ser Asp Lys
505
510
515
CTG AGC TAC CCT TGG
GAT GGC ACG CAG CCC TAT TCA TTG TTC GAT GTG 1696
Leu Ser Tyr Pro Trp
Asp Gly Thr Gln Pro Tyr Ser Leu Phe Asp Val
520
525
530
535
TCG CCT TCT TGC TCT
TCC TTT AAC TCT CCG TGT CGA GAC TCA GTG TCA 1744
Ser Pro Ser Cys Ser
Ser Phe Asn Ser Pro Cys Arg Asp Ser Val Ser
540
545
550
CCA CCG AAA TCC TTA
TTT TCT CAA AGA CCC CAA AGG ATG CGC TCT CGT 1792
Pro Pro Lys Ser Leu Phe Ser Gln Arg Pro Gln Arg Met Arg Ser Arg
555
560
565
TCA AGA TCC TTT TCT
CGA CAC AGG TCG TGT TCC CGA TCA CCA TAT TCC 1840
Ser Arg Ser Phe Ser
Arg His Arg Ser Cys Ser Arg Ser Pro Tyr Ser
570
575
580
AGG TCA AGA TCA AGG
TCC CCA GGC AGT AGA TCC TCT TCA AGA TCC TGT 1888
Arg Ser Arg Ser Arg
Ser Pro Gly Ser Arg Ser Ser Ser Arg Ser Cys
585
590
595
TAC TAC TAT GAA TCA AGC
CAC TAC AGA CAC CGC ACA CAC CGC AAT TCT 1936
Tyr Tyr Tyr Glu Ser
Ser His Tyr Arg His Arg Thr His Arg Asn Ser
600
605
610
615
CCC TTG TAT GTG AGA
TCA CGT TCA AGG TCA CCC TAC AGC CGT AGG CCC 1984
Pro Leu Tyr Val Arg
Ser Arg Ser Arg Ser Pro Tyr Ser Arg Arg Pro
620
625
630
AGG TAC GAC AGC TAT
GAA GCC TAT GAG CAC GAA AGG CTC AAG AGG GAT 2032
Arg Tyr Asp Ser Tyr
Glu Ala Tyr Glu His Glu Arg Leu Lys Arg Asp
635
640
645
GAA TAC CGC AAA GAG
CAC GAG AAG CGG GAG TCT GAA AGG GCC AAA CAG 2080
Glu Tyr Arg Lys Glu
His Glu Lys Arg Glu Ser Glu Arg Ala Lys Gln
650
655
660
AGA GAG AGG CAG AAG
CAG AAA GCA ATT GAA GAG CGC CGT GTG ATT TAC 2128
Arg Glu Arg Gln Lys
Gln Lys Ala
Ile Glu Glu Arg Arg Val Ile Tyr
665
670
675
GTT GGT AAA ATC AGA
CCT GAC ACA ACG CGG ACA GAA TTG AGA GAC CGC 2176
Val Gly Lys Ile Arg
Pro Asp Thr Thr Arg Thr Glu Leu Arg Asp Arg
680
685
690
695
TTT GAA GTT TTT GGT
GAA ATT GAG GAA TGC ACC GTA AAT CTG CGG GAT 2224
Phe Glu Val Phe Gly
Glu Ile Glu Glu Cys Thr Val Asn Leu Arg Asp
700
705
710
GAT GGA GAC AGC TAT
GGT TTC ATC ACC TAC CGT TAC ACC TGT GAC GCT 2272
Asp Gly Asp Ser Tyr
Gly Phe Ile Thr Tyr Arg Tyr Thr Cys Asp
Ala
715
720
725
TTC GCT GCT CTT GAG
AAT GGA TAT ACT TTA CGC AGG TCG AAC GAA ACT 2320
Phe Ala Ala Leu Glu Asn Gly Tyr Thr Leu Arg Arg Ser
Asn Glu Thr
730
735
740
GAC TTC GAG CTG TAC
TTT TGT GGA CGG AAG CAA TTT TTC AAG TCT AAC 2368
Asp Phe Glu Leu Tyr
Phe Cys Gly Arg Lys Gln Phe Phe Lys Ser Asn
745
750
755
TAT GCA GAC CTA GAT
ACC AAC TCA GAC GAT TTT GAC CCT GCT TCC ACC 2416
Tyr Ala Asp Leu Asp Thr Asn Ser Asp Asp Phe
Asp Pro Ala
Ser Thr
760 765
770
775
AAG AGC AAG TAT GAC
TCT CTG GAT TTT GAT AGT TTA CTG AAG GAA GCT 2464
Lys Ser Lys Tyr Asp
Ser Leu Asp Phe Asp Ser Leu Leu Lys Glu
Ala
780
785
790
CAG AGA AGC TTG CGC
AGG TAACGTGTTC CCAGGCTGAG GAATGACAGA
2512
Gln Arg Ser Leu Arg
Arg
795
GAGATGGTCA ATACCTCATG
GGACAGCGTG TCCTTTCCCA AGACTCTTGC AAGTCATACT 2572
TAGGAATTTC TCCTACTTTA
CACTCTCTGT ACAAAAATAA AACAAAACAA AACAACAATA 2632
ACAACAACAA CAACAACAAT
AACAACAACA ACCATACCAG AACAAGAACA ACGGTTTACA 2692
TGAACACAGC TGCTGAAGAG
GCAAGAGACA GAATGATAAT CCAGTAAGCA CACGTTTATT 2752
CACGGGTGTC AGCTTTGCTT
TCCCTGGAGG CTCTTGGTGA CAGTGTGTGT GCGTGTGTGT 2812
GTGTGGGTGT GCGTGTGTGT
ATGTGTGTGT GTGTACTTGT TTGGAAAGTA CATATGTACA 2872
CATGTGAGGA CTTGGGGGCA
CCTGAACAGA ACGAACAAGG GCGACCCCTT CAAATGGCAG 2932
CATTTCCATG AAGACACACT
TAAAACCTAC AACTTCAAAA TGTTCGTATT CTATACAAAA 2992
GGAAAATAAA TAAATATAAA
AAAAAAAAAA AAAAAACTCG AGAGATCTAT GAATCGTAGA 3052
TACTGAAAAA CCCC
3066
(2)配列番号:2の情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:797アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:タンパク質
(iii)配列:配列番号:2
Met Ala Trp Asp Met Cys Ser Gln Asp Ser Val Trp
Ser Asp Ile Glu
1 5
10
15
Cys Ala Ala Leu Val Gly Glu Asp Gln Pro Leu Cys Pro
Asp Leu Pro
20
25
30
Glu Leu Asp Leu Ser
Glu Leu Asp Val Asn Asp Leu Asp Thr Asp Ser
35
40
45
Phe Leu Gly Gly Leu Lys Trp Cys Ser Asp Gln Ser Glu Ile Ile Ser
50
55
60
Asn Gln Tyr Asn Asn
Glu Pro Ala Asn Ile Phe Glu Lys
Ile Asp Glu
65
70
75 80
Glu Asn Glu Ala Asn Leu Leu
Ala Val Leu Thr Glu Thr Leu Asp
Ser
85
90
95
Leu Pro Val Asp Glu
Asp Gly Leu Pro Ser Phe Asp
Ala Leu Thr Asp
100
105
110
Gly Ala Val Thr Thr Asp Asn Glu Ala
Ser Pro Ser Ser Met Pro Asp
115
120
125
Gly Thr Pro Pro Pro
Gln Glu Ala Glu
Glu Pro Ser Leu Leu Lys Lys
130
135
140
Leu Leu Leu Ala Pro Ala Asn Thr Gln Leu Ser
Tyr Asn Glu Cys Ser
145
150
155
160
Gly Leu Ser Thr Gln
Asn His Ala Ala Asn His Thr His Arg Ile Arg
165
170
175
Thr Asn Pro Ala Ile Val Lys Thr Glu Asn Ser Trp Ser Asn Lys Ala
180
185
190
Lys Ser Ile Cys Gln Gln Gln Lys Pro Gln Arg Arg Pro Cys Ser
Glu
195
200
205
Leu Leu Lys Tyr Leu Thr Thr Asn Asp Asp Pro Pro His Thr Lys Pro
210
215
220
Thr Glu Asn Arg Asn
Ser Ser Arg Asp Lys Cys Ala
Ser Lys Lys Lys
225
230
235
240
Ser His Thr Gln Pro
Gln Ser Gln His Ala Gln
Ala Lys Pro
Thr Thr
245
250
255
Leu Ser Leu Pro Leu
Thr Pro Glu Ser Pro Asn Asp Pro Lys Gly Ser
260
265
270
Pro Phe Glu Asn Lys Thr Ile Glu Arg Thr Leu Ser Val Glu Leu Ser
275 280
285
Gly Thr
Ala Gly Leu Thr Pro Pro Thr Thr Pro Pro His
Lys Ala Asn
290
295
300
Gln Asp Asn Pro Phe
Lys Ala Ser Pro Lys Leu Lys Pro Ser Cys Lys
305
310
315
320
Thr Val Val Pro Pro
Pro Thr Lys Arg Ala Arg Tyr Ser Glu Cys Ser
325
330
335
Gly Thr Gln Gly Ser
His Ser Thr Lys Lys Gly Pro Glu Gln Ser Glu
340
345
350
Leu Tyr Ala Gln
Leu Ser Lys Ser Ser Gly Leu Ser Arg Gly His Glu
355
360
365
Glu Arg Lys Thr Lys Arg Pro Ser Leu Arg Leu Phe Gly Asp His Asp
370
375
380
Tyr Cys Gln Ser Leu
Asn Ser Lys Thr Asp Ile Leu Ile Asn Ile Ser
385
390
395
400
Gln Glu Leu Gln Asp
Ser Arg Gln Leu Asp Phe Lys Asp Ala Ser Cys
405
410
415
Asp Trp Gln Gly His
Ile Cys Ser Ser Thr Asp Ser Gly Gln Cys Tyr
420
425
430
Leu Arg Glu Thr Leu Glu Ala
Ser Lys Gln Val Ser Pro Cys Ser Thr
435
440
445
Arg Lys Gln Leu Gln
Asp Gln Glu Ile Arg Ala
Glu Leu Asn Lys His
450
455
460
Phe Gly His Pro Cys Gln Ala Val Phe Asp Asp
Lys Ser Asp Lys Thr
465
470
475
480
Ser Glu Leu Arg Asp
Gly Asp Phe Ser Asn Glu Gln Phe Ser Lys Leu
485
490
495
Pro Val Phe Ile Asn
Ser Gly Leu Ala
Met Asp Gly Leu Phe Asp Asp
500
505
510
Ser Glu Asp Glu Ser
Asp Lys Leu Ser Tyr Pro Trp Asp Gly Thr Gln
515
520
525
Pro Tyr Ser Leu Phe
Asp Val Ser Pro Ser Cys Ser Ser Phe Asn Ser
530
535
540
Pro Cys Arg Asp Ser
Val Ser Pro Pro Lys Ser Leu Phe Ser Gln Arg
545
550
555
560
Pro Gln Arg Met Arg
Ser Arg Ser Arg Ser Phe Ser Arg His Arg Ser
565
570
575
Cys Ser Arg Ser Pro
Tyr Ser Arg Ser Arg Ser Arg Ser Pro Gly Ser
580
585 590
Arg Ser Ser Ser Arg
Ser Cys Tyr Tyr Tyr Glu Ser Ser His Tyr Arg
595
600
605
His Arg Thr His Arg
Asn Ser Pro Leu Tyr Val Arg Ser Arg Ser Arg
610
615
620
Ser Pro Tyr Ser Arg
Arg Pro Arg Tyr Asp Ser Tyr Glu Ala
Tyr Glu
625
630
635
640
His Glu Arg Leu Lys
Arg Asp Glu Tyr Arg Lys Glu His Glu Lys Arg
645
650
655
Glu Ser Glu Arg Ala Lys Gln Arg Glu Arg Gln Lys Gln Lys Ala Ile
660
665
670
Glu Glu Arg Arg Val
Ile Tyr Val Gly Lys Ile Arg Pro Asp Thr Thr
675
680
685
Arg Thr Glu Leu Arg
Asp Arg Phe Glu Val Phe Gly Glu Ile Glu Glu
690
695
700
Cys Thr Val Asn Leu
Arg Asp Asp Gly Asp Ser Tyr Gly Phe Ile Thr
705
710
715
720
Tyr Arg Tyr Thr Cys Asp Ala Phe
Ala Ala
Leu Glu Asn Gly Tyr Thr
725
730
735
Leu Arg Arg Ser Asn
Glu Thr Asp Phe Glu Leu Tyr Phe Cys Gly Arg
740
745
750
Lys Gln Phe Phe Lys
Ser Asn Tyr Ala
Asp Leu Asp Thr Asn Ser Asp
755
760
765
Asp Phe Asp Pro Ala Ser Thr Lys Ser Lys
Tyr Asp Ser Leu Asp Phe
770
775
780
Asp Ser Leu Leu Lys Glu Ala
Gln Arg Ser Leu Arg Arg
785
790
795
(2)配列番号:3の情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:5アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(v)フラグメント型:中間部
(ix)配列の特徴:
(A)特徴を表す記号:Modified−site
(B)存在位置:2..3
(C)他の情報:/ラベル=modified−site
/備考=「x=あらゆるアミノ酸」
(xi)配列:配列番号:3
Leu Xaa Xaa Leu Leu
1
5
Claims (16)
- 配列番号:2に示されているタンパク質または配列番号:1に示されている核酸分子の相補体を検出することができる薬剤と生物学的サンプルを接触させることを含んでなる生物学的サンプル中の前記タンパク質または核酸分子の相補体の存在の検出方法であって、
該薬剤が、下記A−1,A−2,A−3,A−4,A−5,A−6,A−7,A−8およびC−1からなる群から選ばれる核酸分子又は抗体である、検出方法。
(A−1)タンパク質またはその一部をコードするヌクレオチドを含んでなる単離された核酸分子であって、ここにおいて、タンパク質またはその一部が以下の生物学的活性:UCP発現、脂肪細胞における熱発生、脂肪細胞の分化及び脂肪細胞のインシュリン感受性の1つまたはそれ以上を促進する能力を保つように配列番号:2のアミノ酸配列に少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなる単離された核酸分子。
(A−2)タンパク質が配列番号:2の全アミノ酸配列に少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含んでなる(A−1)記載の単離された核酸分子。
(A−3)タンパク質の一部が以下のドメインまたはモチーフ:
a)cAMPリン酸化部位;
b)チロシンリン酸化部位;
c)RNA結合モチーフ;
d)セリン−アルギニンに富んだドメイン;及び
e)LXXLLモチーフ
の1つまたはそれ以上を含んでなる、(A−1)記載の単離された核酸分子。
(A−4)約45℃で6X塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中でのハイブリダイゼーションおよびそれに続く50−65℃で0.2XSSC、0.1%SDS中での1回以上の洗浄のストリンジェント条件下で配列番号:1のヌクレオチド配列を含んでなる核酸の相補分子にハイブリダイズし、かつ、生物学的活性:UCP発現、脂肪細胞における熱発生、脂肪細胞の分化及び脂肪細胞のインシュリン感受性の1つまたはそれ以上を促進する能力を有するタンパク質をコードする、配列番号1のヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子。
(A−5)タンパク質またはその一部をコードするヌクレオチドを含んでなる単離された核酸分子であって、生物学的活性:UCP発現、脂肪細胞における熱発生、脂肪細胞の分化及び脂肪細胞のインシュリン感受性の1つまたはそれ以上を促進する能力を有するタンパク質をコードする、配列番号:1のヌクレオチド配列に少なくとも85%同一であるヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子。
(A−6)配列番号:2のアミノ酸配列をコードする単離された核酸分子。
(A−7)配列番号:1のヌクレオチド配列及び異種ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子。
(A−8)配列番号:1のヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子。
(C−1)配列番号:2のアミノ酸配列からなるタンパク質に特異的に結合する抗体。 - 生物学的サンプル中の配列番号:2に示されているタンパク質または配列番号:1に示されている核酸分子の相補体を検出することができる標識されたまたは標識可能な薬剤;サンプル中の前記タンパク質または核酸分子の相補体の量を決定するための手段;及びサンプル中の前記タンパク質または核酸分子の相補体の量を基準と比較するための手段を含んでなる生物学的サンプル中の前記タンパク質または核酸分子の相補体の存在を検出するためのキットであって、
該薬剤が、下記A−1,A−2,A−3,A−4,A−5,A−6,A−7,A−8およびC−1からなる群から選ばれる核酸分子又は抗体である、キット。
(A−1)タンパク質またはその一部をコードするヌクレオチドを含んでなる単離された核酸分子であって、ここにおいて、タンパク質またはその一部が以下の生物学的活性:UCP発現、脂肪細胞における熱発生、脂肪細胞の分化及び脂肪細胞のインシュリン感受性の1つまたはそれ以上を促進する能力を保つように配列番号:2のアミノ酸配列に少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなる単離された核酸分子。
(A−2)タンパク質が配列番号:2の全アミノ酸配列に少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含んでなる(A−1)記載の単離された核酸分子。
(A−3)タンパク質の一部が以下のドメインまたはモチーフ:
a)cAMPリン酸化部位;
b)チロシンリン酸化部位;
c)RNA結合モチーフ;
d)セリン−アルギニンに富んだドメイン;及び
e)LXXLLモチーフ
の1つまたはそれ以上を含んでなる、(A−1)記載の単離された核酸分子。
(A−4)約45℃で6X塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中でのハイブリダイゼーションおよびそれに続く50−65℃で0.2XSSC、0.1%SDS中での1回以上の洗浄のストリンジェント条件下で配列番号:1のヌクレオチド配列を含んでなる核酸の相補分子にハイブリダイズし、かつ、生物学的活性:UCP発現、脂肪細胞における熱発生、脂肪細胞の分化及び脂肪細胞のインシュリン感受性の1つまたはそれ以上を促進する能力を有するタンパク質をコードする、配列番号1のヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子。
(A−5)タンパク質またはその一部をコードするヌクレオチドを含んでなる単離された核酸分子であって、生物学的活性:UCP発現、脂肪細胞における熱発生、脂肪細胞の分化及び脂肪細胞のインシュリン感受性の1つまたはそれ以上を促進する能力を有するタンパク質をコードする、配列番号:1のヌクレオチド配列に少なくとも85%同一であるヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子。
(A−6)配列番号:2のアミノ酸配列をコードする単離された核酸分子。
(A−7)配列番号:1のヌクレオチド配列及び異種ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子。
(A−8)配列番号:1のヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子。
(C−1)配列番号:2のアミノ酸配列からなるタンパク質に特異的に結合する抗体。 - 配列番号:1に示されている核酸または配列番号:2に示されているタンパク質の発現および/または活性を促進する化合物を同定する方法であって、
PGC−1を含むシグナル伝達経路により制御される、UCP発現、脂肪細胞における熱発生、脂肪細胞の分化または脂肪細胞のインシュリン感受性を促進する化合物または薬剤の能力をアッセイすることを含む、化合物の同定方法。 - 複合体を形成するように配列番号:2に示されているタンパク質に化合物を結合させる条件下で化合物と前記タンパク質を接触させ;そして前記タンパク質と化合物の複合体形成を検出することを含んでなり、かつ、前記タンパク質に結合する化合物の能力が複合体中の化合物の存在により示される、前記タンパク質に結合する化合物の同定方法。
- 複合体を形成するように配列番号:2に示されているタンパク質に標的分子を結合させる条件下で化合物の存在下で前記タンパク質と標的分子に接触させ;そして前記タンパク質と標的分子の複合体の形成を検出することを含んでなり、かつ、前記タンパク質と前記標的分子間の相互作用を妨げる化合物の能力が、化合物の非存在下で形成される複合体の量に比較した場合の複合体形成の減少により示される、前記標的分子と前記タンパク質の相互作用を妨げる化合物の同定方法であって、
該標的分子が、PPARα、PPARβ、PPARγ、甲状腺ホルモン受容体、エストロゲン受容体、レチノイン酸受容体、C/EBPα、およびTRβからなる群から選ばれる、化合物の同定方法。 - 配列番号:1のヌクレオチド配列を有する核酸の異常な発現または配列番号:2のアミノ酸配列を有するポリペプチドの異常な活性を特徴とする疾患を治療するための医薬製剤の調製における、下記A−1,A−2,A−3,A−4,A−5,A−6、A−7およびA−8からなる群から選ばれるいずれかの一に記載の核酸、下記A−1,A−2,A−3,A−4,A−5,A−6、A−7およびA−8からなる群から選ばれるいずれかの一に記載の核酸分子を含んでなるベクター、下記B−1、B−2、B−3およびB−4からなる群から選ばれるいずれかの一に記載のタンパク質、または配列番号:2のアミノ酸配列からなるタンパク質に特異的に結合する抗体の使用。
(A−1)タンパク質またはその一部をコードするヌクレオチドを含んでなる単離された核酸分子であって、ここにおいて、タンパク質またはその一部が以下の生物学的活性:UCP発現、脂肪細胞における熱発生、脂肪細胞の分化及び脂肪細胞のインシュリン感受性の1つまたはそれ以上を促進する能力を保つように配列番号:2のアミノ酸配列に少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなる単離された核酸分子。
(A−2)タンパク質が配列番号:2の全アミノ酸配列に少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含んでなる(A−1)記載の単離された核酸分子。
(A−3)タンパク質の一部が以下のドメインまたはモチーフ:
a)cAMPリン酸化部位;
b)チロシンリン酸化部位;
c)RNA結合モチーフ;
d)セリン−アルギニンに富んだドメイン;及び
e)LXXLLモチーフ
の1つまたはそれ以上を含んでなる、(A−1)記載の単離された核酸分子。
(A−4)約45℃で6X塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中でのハイブリダイゼーションおよびそれに続く50−65℃で0.2XSSC、0.1%SDS中での1回以上の洗浄のストリンジェント条件下で配列番号:1のヌクレオチド配列を含んでなる核酸の相補分子にハイブリダイズし、かつ、生物学的活性:UCP発現、脂肪細胞における熱発生、脂肪細胞の分化及び脂肪細胞のインシュリン感受性の1つまたはそれ以上を促進する能力を有するタンパク質をコードする、配列番号1のヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子。
(A−5)タンパク質またはその一部をコードするヌクレオチドを含んでなる単離された核酸分子であって、生物学的活性:UCP発現、脂肪細胞における熱発生、脂肪細胞の分化及び脂肪細胞のインシュリン感受性の1つまたはそれ以上を促進する能力を有するタンパク質をコードする、配列番号:1のヌクレオチド配列に少なくとも85%同一であるヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子。
(A−6)配列番号:2のアミノ酸配列をコードする単離された核酸分子。
(A−7)配列番号:1のヌクレオチド配列及び異種ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子。
(A−8)配列番号:1のヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子。
(B−1)配列番号:2のアミノ酸配列を含んでなる単離されたタンパク質。
(B−2)異種ポリペプチドに機能的に連結された配列番号:2のアミノ酸配列を含んでなる融合タンパク質。
(B−3)配列番号:2のアミノ酸配列に少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含んでなる単離されたタンパク質であって、ここにおいて、タンパク質またはその一部が以下の生物学的活性:UCP発現、脂肪細胞における熱発生、脂肪細胞の分化および脂肪細胞のインシュリン感受性の1つまたはそれ以上を促進する能力を保つ、タンパク質。
(B−4)タンパク質の一部が以下のドメインまたはモチーフ:
a) cAMPリン酸化部位、
b) チロシンリン酸化部位、
c) RNA結合モチーフ、
d) セリン-アルギニンに富んだドメイン、及び
e) LXXLLモチーフ、
のうち1つまたはそれ以上を含んでなる、(B−3)に記載の単離されたタンパク質。 - 疾患が体重疾患または不十分なインシュリン活性と関係する疾患である、請求項6に記載の使用。
- 体重疾患が肥満症、悪液質または食欲不振である、請求項7に記載の使用。
- 不十分なインシュリン活性と関係する疾患が糖尿病である、請求項7に記載の使用。
- 下記A−1,A−2,A−3,A−4,A−5,A−6、A−7およびA−8からなる群から選ばれる1つの核酸分子に対してアンチセンスの単離された核酸分子。
(A−1)タンパク質またはその一部をコードするヌクレオチドを含んでなる単離された核酸分子であって、ここにおいて、タンパク質またはその一部が以下の生物学的活性:UCP発現、脂肪細胞における熱発生、脂肪細胞の分化及び脂肪細胞のインシュリン感受性の1つまたはそれ以上を促進する能力を保つように配列番号:2のアミノ酸配列に少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなる単離された核酸分子。
(A−2)タンパク質が配列番号:2の全アミノ酸配列に少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含んでなる(A−1)記載の単離された核酸分子。
(A−3)タンパク質の一部が以下のドメインまたはモチーフ:
a)cAMPリン酸化部位;
b)チロシンリン酸化部位;
c)RNA結合モチーフ;
d)セリン−アルギニンに富んだドメイン;及び
e)LXXLLモチーフ
の1つまたはそれ以上を含んでなる、(A−1)記載の単離された核酸分子。
(A−4)約45℃で6X塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中でのハイブリダイゼーションおよびそれに続く50−65℃で0.2XSSC、0.1%SDS中での1回以上の洗浄のストリンジェント条件下で配列番号:1のヌクレオチド配列を含んでなる核酸の相補分子にハイブリダイズし、かつ、生物学的活性:UCP発現、脂肪細胞における熱発生、脂肪細胞の分化及び脂肪細胞のインシュリン感受性の1つまたはそれ以上を促進する能力を有するタンパク質をコードする、配列番号1のヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子。
(A−5)タンパク質またはその一部をコードするヌクレオチドを含んでなる単離された核酸分子であって、生物学的活性:UCP発現、脂肪細胞における熱発生、脂肪細胞の分化及び脂肪細胞のインシュリン感受性の1つまたはそれ以上を促進する能力を有するタンパク質をコードする、配列番号:1のヌクレオチド配列に少なくとも85%同一であるヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子。
(A−6)配列番号:2のアミノ酸配列をコードする単離された核酸分子。
(A−7)配列番号:1のヌクレオチド配列及び異種ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子。
(A−8)配列番号:1のヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子。 - 下記A−1,A−2,A−3,A−4,A−5,A−6、A−7およびA−8からなる群から選ばれる1つの核酸分子を含むベクター。
(A−1)タンパク質またはその一部をコードするヌクレオチドを含んでなる単離された核酸分子であって、ここにおいて、タンパク質またはその一部が以下の生物学的活性:UCP発現、脂肪細胞における熱発生、脂肪細胞の分化及び脂肪細胞のインシュリン感受性の1つまたはそれ以上を促進する能力を保つように配列番号:2のアミノ酸配列に少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなる単離された核酸分子。
(A−2)タンパク質が配列番号:2の全アミノ酸配列に少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含んでなる(A−1)記載の単離された核酸分子。
(A−3)タンパク質の一部が以下のドメインまたはモチーフ:
a)cAMPリン酸化部位;
b)チロシンリン酸化部位;
c)RNA結合モチーフ;
d)セリン−アルギニンに富んだドメイン;及び
e)LXXLLモチーフ
の1つまたはそれ以上を含んでなる、(A−1)記載の単離された核酸分子。
(A−4)約45℃で6X塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中でのハイブリダイゼーションおよびそれに続く50−65℃で0.2XSSC、0.1%SDS中での1回以上の洗浄のストリンジェント条件下で配列番号:1のヌクレオチド配列を含んでなる核酸の相補分子にハイブリダイズし、かつ、生物学的活性:UCP発現、脂肪細胞における熱発生、脂肪細胞の分化及び脂肪細胞のインシュリン感受性の1つまたはそれ以上を促進する能力を有するタンパク質をコードする、配列番号1のヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子。
(A−5)タンパク質またはその一部をコードするヌクレオチドを含んでなる単離された核酸分子であって、生物学的活性:UCP発現、脂肪細胞における熱発生、脂肪細胞の分化及び脂肪細胞のインシュリン感受性の1つまたはそれ以上を促進する能力を有するタンパク質をコードする、配列番号:1のヌクレオチド配列に少なくとも85%同一であるヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子。
(A−6)配列番号:2のアミノ酸配列をコードする単離された核酸分子。
(A−7)配列番号:1のヌクレオチド配列及び異種ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子。
(A−8)配列番号:1のヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子。 - 請求項11に記載のベクターを含有する宿主細胞。
- 配列番号:2のアミノ酸配列に少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む単離されたタンパク質であって、ここにおいて、タンパク質またはその一部が以下の生物学的活性、つまりUCP発現、脂肪細胞における熱産生、脂肪細胞の分化、および脂肪細胞のインシュリン感受性のうち1つ以上を促進する能力を保つ、タンパク質。
- タンパク質の一部が以下のドメインまたはモチーフ:
a) cAMPリン酸化部位、
b) チロシンリン酸化部位、
c) RNA結合モチーフ、
d) セリン-アルギニンに富んだドメイン、及び
e) LXXLLモチーフ、
のうち1つまたはそれ以上を含んでなる、請求項13に記載の単離されたタンパク質。 - 配列番号:2のアミノ酸配列からなるタンパク質に特異的に結合する抗体。
- 下記A−1,A−2,A−3,A−4,A−5,A−6、A−7およびA−8からなる群から選ばれるいずれかに従った、医薬製剤で使用のための核酸分子を含むベクター。
(A−1)タンパク質またはその一部をコードするヌクレオチドを含んでなる単離された核酸分子であって、ここにおいて、タンパク質またはその一部が以下の生物学的活性:UCP発現、脂肪細胞における熱発生、脂肪細胞の分化及び脂肪細胞のインシュリン感受性の1つまたはそれ以上を促進する能力を保つように配列番号:2のアミノ酸配列に少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなる単離された核酸分子。
(A−2)タンパク質が配列番号:2の全アミノ酸配列に少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含んでなる(A−1)記載の単離された核酸分子。
(A−3)タンパク質の一部が以下のドメインまたはモチーフ:
a)cAMPリン酸化部位;
b)チロシンリン酸化部位;
c)RNA結合モチーフ;
d)セリン−アルギニンに富んだドメイン;及び
e)LXXLLモチーフ
の1つまたはそれ以上を含んでなる、(A−1)記載の単離された核酸分子。
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(A−5)タンパク質またはその一部をコードするヌクレオチドを含んでなる単離された核酸分子であって、生物学的活性:UCP発現、脂肪細胞における熱発生、脂肪細胞の分化及び脂肪細胞のインシュリン感受性の1つまたはそれ以上を促進する能力を有するタンパク質をコードする、配列番号:1のヌクレオチド配列に少なくとも85%同一であるヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子。
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