JP4758051B2 - 文書表示方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サムネイルの外観に基づき、サムネイルと文書との間を移行する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
コンピュータユーザは、検索エンジンによってインターネットから取り出された文書などの、文書の集合を吟味するために相当量の時間を費やす。ユーザは、文書のリストに目を通し、特定の情報要求に対する、各々にありうる関連性を簡略に評価する必要がある。この単調で退屈な処理の効率を向上させることは、エンドユーザに直接的に利益を与えることとなり、また、エンドユーザの満足度を向上させることにより、検索エンジン販売者などの関係者に間接的に利益を与えることとなる。
【0003】
例えば、インターネット検索エンジンは、(1)高品質の文書リストを返信する(例えば、より良い索引到達範囲(カバレッジ:coverage)及びランキングアルゴリズムにより)ことにより、または(2)ユーザが結果をより速く、より正確に評価することを可能にする情報を提供することによって、ユーザの効率を高めることができる。検索エンジン販売者は、この両方の問題に取り組む。一般的には、解決法(2)に関して、テキスト(文字)によるウェブ文書の簡略な要約の提供が実施されている。近年、テキストによる文書の要約に加え、サムネイル画像などのグラフィックス(図式)による文書の要約によって、エンドユーザが一連の検索エンジンの結果を処理する効率を大きく高めることができることが示唆されている。
【0004】
これらの解決法の各々はそれぞれ、長所と短所を有する。例えば、テキストによる要約は、簡潔であるが、視覚的でなく言語的である。テキストによる要約は、少ない保存スペースを必要とし、したがって、素早くダウンロードできる。これに加え、テキストによる要約はしばしば、各文書に関する多くの価値のある情報を含む。例えば、一般的に検索エンジンは、文書のURL、ヘッダ、サイズ、及び文書を要約する又は検索キーワードのいくつかを強調するいくつかの語句(フレーズ:phrase)又は文を提供する。一方、テキストによる要約は、ページのレイアウトやページに含まれる画像に関しては、ほとんど情報を提供しない。更に、ユーザはテキストによる要約を読む必要があり、これは、時間がかかり、また、疲れる作業でもある。
【0005】
これに対し、グラフィックスによる要約は、ページのレイアウト、ジャンル、及びスタイルについての情報を提供する。ユーザが以前にそのページ又は類似したページを閲覧したことがある場合、視覚的な表現法は、そのページを認識又は分類する手助けとなることがある。これは、人間の視覚システムは、テキストを画像よりも速く処理できるという事実により、より魅力的なものとなる。グラフィックスによる情報は、多くの仕事を、大きく促進させることができる。しかしながら、サムネイルは典型的に、テキスト要約よりも大きな保存スペースを必要とし、したがって一般的には、テキスト要約よりもダウンロードが遅い。さらに、簡素なサムネイル中のテキストによる内容は、読むことが難しく、また、便利に要約されていないため、テキストによる要約中のテキストよりも利用しにくい。
【0006】
以前の作業は、いくつかの異なるサムネイルのデザインを含む。いくつかのプログラムは、平凡なサムネイルを生成する。これらのプログラムは、多くのグラフィックスエディタ、マイクロソフト(商標)ウィンドウズ(商標)の最近のバージョン、ハイタワー等(Hightower et al.)(Hightower, R., Ring, L., Helfman, J., Bederson, B., & Hollan, J. (1998), Graphical Multiscale Web Histories: A Study of PadPrints, Proceedings of Hypertext '98, 58 - 65)に記載されるシステムなどを含む。アイヤーズ等(Ayers et al.)(Ayers, E., & Stasko, J. (1995), Using Graphic History in Browsing the World Wide Web, Proceedings of the 4th International World Wide Web Conference)に記載のサムネイルは、平凡なサムネイルに類似し、文書の左上の隅を縮小した図を示す。
【0007】
他のプログラムは、より複雑なサムネイルを生成する。コックバーン等(Cockburn et al.)(Cockburn, A., Greenberg, S., McKenzie, B., Jasonsmith, M., & Kaasten, S. (1999), WebView: A Graphical Aid for Revisiting Web Pages, Proceedings of OZCHI'99, Australian Conference on Human Computer Interaction)は、縮小画像に加え、しおりをはさみ、頻繁に訪れるページを示す「折れ込み」("dogears")を含むサムネイルを生成する。ヘルフマン(Helfman)(Helfman, J.I. (1999), Mandala: An Architecture for Using Images to Access and Organize Web Information, Proceedings of Visual '99, Visual Information and Information Systems, Third International Conference, 163 - 170)は、文書から代表画像を選択し、これらの代表画像のスケールを縮小させた画像を、その文書のサムネイルとして作り出す。ワインブラット等(Wynblatt et al.)("Web Page Caricatures: Multimedia Summaries for WWW Documents"; IEEE; 1998)は、ウェブページの「カリカチュア」(caricature)を生成する。これらのカリカチュアはしばしば、ヘッダ、代表画像、画像の数、要約、などのページの選択された特色を、要約形式にレンダリングして含む。しかしながら、これらのカリカチュアは、レイアウトを保存せず、また、ページの縮小スケール画像においては自然に利用できる可能性のある視覚的な情報のいくつかが欠落している。例えば、ユーザが、リンク密度又はウェブページ上でのリンクの数をページの画像から判断する代わりに、このリンク密度は、カリカチュアの背景色によって表現される。
【0008】
本発明は、周囲の要素と比較して元の文書とは異なる外観を有する1つ又はそれ以上の要素を備えるサムネイルを介して文書が引き出される場合に、ユーザが、容易に元の文書内の要素の位置を探し当てることを可能にする文書表示方法を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る文書表示方法は、元の文書に基づき生成されたサムネイルと関連付けられた文書を表示する方法であって、前記サムネイルを表示するステップと、前記サムネイルと関連づけられた文書を表示する要求を受信するステップと、前記文書の第1版文書であって、前記第1版文書の少なくとも一部の外観が、前記元の文書の対応する部分よりも前記サムネイルの対応する部分に類似している、前記第1版文書を表示するステップとを含むことを特徴とする。
【0010】
この発明において、文書が引き出された時には、引き出された文書内の少なくとも1つの要素の外観が、元の文書内での外観から、よりサムネイル内の外観に類似するように変更される。時間が経過した後で、画像が、より元の文書に類似するように変化してもよい。
【0011】
本発明のこれら及び他の目的、利点、及び特徴は、以下の例示する実施の形態の詳しい説明に説明される又は実施の形態の詳しい説明から明らかになるであろう。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、以下の図面に関して詳しく説明され、図中においては、同様の符号により同様の要素を表す。
【0013】
本発明による向上されたサムネイルは、ユーザが文書全体を閲覧する必要なく文書の内容を把握することを可能にすることにより、ユーザの効率を高める。これは、サムネイル画像の1つ又はそれ以上の特色の外観を変更し、この結果のサムネイルにより、ユーザがその基礎となる文書を特定又は分類することを助ける、より良い手がかりを提供することにより行われる。
【0014】
ここで使われる「サムネイル」は、典型的には、文書又は他の電子データと関連付けられた縮小画像を意味するが、元の文書のページレイアウトを少なくとも部分的に保つ、縮小サイズの表示のいずれかを意味する場合もあり、また、文書又は他の電子データのサイズを縮小した表示の全てを含む場合もある。例えば、縮小サイズの表示は、文書に基づいて生成された画像であってもよく、又は、文書の文書形式を保つ縮小版の文書であってもよく、又は、画像特徴及び文書形式特徴の双方を含む、混成表現法であってもよい。
【0015】
図1は、本発明による、向上サムネイル生成システムの1つの例示する実施の形態を示す図である。図1に示すように、データ源100及びデータ流れ(シンク:sink)300は、それぞれリンク110及び310を介して向上サムネイルシステム200に接続されている。データ源100は、ローカルに又は遠隔に配置されたコンピュータ、スキャナ、又は、この他の、文書などのデータの生成能力のある既知又はこの後に開発される装置のいずれであってもよい。データ源100はまた、磁気保存ディスク、CD−ROMなどの、データ記憶媒体であってもよい。同様に、データ源100は、電子文書データを保存及び/又は送信するいずれの適切な装置であってもよく、例えば、ネットワーク又はインターネット、特にワールドワイドウェブ及びニューズグループのクライアント又はサーバであってもよい。リンク110は、データ源100を向上サムネイルシステム200に接続するための既知又はこの後に開発される装置又はシステムのいずれであってもよく、例えば、直接的なケーブル接続、広域ネットワーク又は構内ネットワークを介した接続、イントラネットを介した接続、インターネットを介した接続、又は他の分配処理ネットワーク又はシステムのいずれかを介した接続、などを含む。
【0016】
文書データは、物理的な文書又は写真を走査した画像、ワードプロセッサソフトウェアなどのいずれかのソフトウェアを使い電子的にタイプした文書、又は、既知のプログラム言語又はソフトウェアのいずれかを使って作られた文書、などのいずれであってもよいことを理解されたい。文書はまた、ユーザのデスクトップ上のアプリケーションの内容、例えば、ツールバー、ウィンドウ装飾品、及び表計算(スプレッドシート)プログラムで表示されるスプレッドシートなどであってもよい。よって、データ源100は、電子データをリンク110を介して向上サムネイルシステム200に供給する能力のある、既知又はこの後に開発される装置のいずれかである。よって、リンク110は、電子データをデータ源100から向上サムネイルシステム200に送信するための、既知又はこの後に開発されるシステム又は装置のいずれであってもよい。
【0017】
データシンク300は、プリンタ、コピー機、又は他の画像形成装置、ファクシミリ装置、表示装置、メモリなどの本発明によるシステム及び方法によって生成された処理画像データを出力又は保存する能力のあるいずれの装置であってもよい。好適な実施の形態では、データシンクは、コンピュータモニタなどの表示装置である。リンク310は、データシンク300を向上サムネイルシステム200に接続するための、既知又はこの後に開発される装置のいずれであってもよく、例えば、直接的なケーブル接続、広域ネットワーク又は構内ネットワークを介した接続、イントラネットを介した接続、インターネットを介した接続、又は他の分配処理ネットワーク又はシステムのいずれかを介した接続、などを含む。
【0018】
図1に示すように、向上サムネイルシステム200は、制御部210と、向上サムネイル生成部220と、入出力インターフェース230と、ブラウザ240と、ユーザ入力装置250と、メモリ260と、向上保持システム270と、クリック通過システム280とを含み、バス290によって相互に接続する。
【0019】
制御部210は、向上サムネイルシステム200の他の部品の動作を制御し、向上サムネイルを生成するために必要な計算及び必要なプログラムを実行し、必要に応じて、向上サムネイルシステム200の他の部品間のデータの流れを制御する。向上サムネイル生成部220は、以下に詳しく説明するように、向上したサムネイルを生成する。
【0020】
向上サムネイルシステム200は、いずれかの適切なプログラム言語で書かれたプログラムを実行してもよく、部品としてのウェブブラウザを使用する場合もある。例えば、ジャバ(Java:登録商標)プログラム言語で書かれたプログラムであり、ウィンドリバー(WindRiver)製のICEブラウザなどの部品ブラウザ240を使用する生成部が、向上サムネイル生成システム200での使用に適している。ブラウザ240は、インターネットなどの分配データベースから文書を引き出す場合に、文書へのアクセスを可能にする。ICEブラウザなどのブラウザ240はまた、レンダリングされた版の文書を提供してもよい。すなわち、ブラウザ240はまた、文書形式及び抽出される重要な要素又は複数の重要な要素に基づき、文書の元の大きさの画像又はサムネイル画像を提供してもよい。
【0021】
入出力インターフェース230は、それぞれリンク110及びリンク310によって接続される、データ源100及びデータシンク300のためのインターフェースである。
【0022】
ユーザ入力装置250は、ユーザが、文書の引き出しやデータベース検索などを要求するために情報を入力することを可能にする入力装置である。例えば、ユーザ入力装置250は、キーボード、マウス、タッチスクリーンパネル、音声認識入力装置又は音声に基づく入力装置、及び/又は、その他の装置であっても、これらの装置を含んでいてもよい。
【0023】
メモリ260は、向上サムネイルシステム200に入力されてくる又はシステム200から出力される情報のバッファとして機能してもよく、向上サムネイルシステム200の機能を実行するために必要なプログラム及び/又はデータを保存してもよく、及び/又は、処理の様々な段階におけるデータ及び/又は向上サムネイルを保存してもよい。
【0024】
向上保持システム270は、サムネイルが生成された元である文書よりも、サムネイルに類似する版の文書を表示するために設けられてもよい。例えば、向上保持システム270は、サムネイル生成の際に元の版の文書から変更された文書要素の変更版を保持してもよく、又はそうでなければ、元の文書の外観特徴と異なる、サムネイルの対応する外観特徴を保持してもよい。したがって、ユーザがサムネイルに対応する文書の表示を要求した場合、サムネイルの外観特徴に類似した外観特徴を有する版の文書が表示されるようにしてもよい。これは、ユーザがサムネイル上に現れた要素の位置を素早く探し当てることを助ける。望むのであれば、向上保持システム270は、所定の期間の経過後に、又は、ユーザ入力装置250を介してユーザが命令した時に、変更された要素を元の形式に戻す。元の形式への復帰は、直接であってもよい。この代わりに、元の形式へと段階的に戻してもよい。例えば、各々が少しづつ元の文書の外観に近づく1つ又はそれ以上の中間版の文書を表示してもよい。また、これらの中間版の1つで停止し、元の文書まで行かないことも可能である。
【0025】
クリック通過システム280は、ユーザが、サムネイルに関連づけられた元の文書を最初に閲覧することなく、文書又はサムネイル内の選択可能な要素に関連付けられた文書の一部を、直接閲覧できるようにするために設けられてもよい。クリック通過システム280は、ユーザが、サムネイル上の選択可能な要素をクリックすることにより、サムネイルに対応する文書の一部に飛ぶ、又は、サムネイルに関連付けられた元の文書の選択可能な要素に関連付けられた他の文書に飛ぶことを可能にする。すなわち、ユーザが、例えば、マウスによってカーソルを選択可能な要素上に動かし、特定のマウスボタンをクリック又はダブルクリックすることにより、サムネイルの選択可能な要素を選択した場合、クリック通過システム280は、元の文書の最初のページ又は画面を最初に表示することなく、クリックされた選択可能要素に対応する元の文書の一部を直接表示させる。これに加え、サムネイルが、他の文書へのハイパーリンクである選択可能要素を含む場合、クリック通過システム280は、元の文書を最初に表示することなく、ハイパーリンクされた文書を直接表示させる。
【0026】
望むのであれば、サムネイルは、文書と同時に表示されてもよい。例えば、文書が、サムネイルを「クリック通過」することにより引き出された場合、当該サムネイル(又は異なるサムネイル)を文書と同時に表示してもよく、これにより、ユーザが他の文書又は現在表示されている文書の他の部分に「クリック通過」することを可能にしてもよい。更に、クリック通過機能は、上述の向上保持機能と組み合わせてもよいことを理解されたい。例えば、クリック通過手順によって引き出された文書を、サムネイル内に存在する変更と同様の変更を施して表示してもよい。
【0027】
図1において、メモリ260の可変部分は、様々な典型的な実施の形態において、静的又は動的RAMを使い実施される。しかしながら、メモリ260はまた、フロッピディスク及びディスクドライブ、書き込み可能な光ディスク及びディスクドライブ、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリなどを使って実現することもできる。図1において、メモリ260の概して静的な部分は、様々な典型的な実施の形態においてROMを使い実現される。しかしながら、静的部分は、PROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM又はDVD−ROMなどの光ROMディスク及びディスクドライブ、フラッシュメモリ又は上述の他の可変メモリなどの他の不揮発性メモリを使って実現することもできる。
【0028】
図2に示すように、向上サムネイル生成部220は、文書形式変更部222と、レンダリング部224と、画像変更部226と、視覚的突出部決定システム228と、を備えていてもよい。文書形式変更部222は、元の文書の形式、例えば、元の文書のページレイアウト、元の文書で使われるフォントサイズ、及び/又は元の文書で使われる色などを変更する。文書形式変更部222は、重要な文書要素、すなわち、文書を特定、分類、及び/又は特徴付けるために有効な要素を抽出する要素抽出部2222を有する。例えば、重要な文書要素は、文書ヘッダ、検索要求において入力されたキーワードと一致する単語、タグに関連する単語又は他の情報、及び/又は、以下に詳しく説明する関連性決定システム2228によって関連性が高いと示された要素のいずれかであっても、又はそれらのいずれかを含んでいてもよい。
【0029】
文書形式変更部222はまた、文書データを変更するデータ変更システム2224を備える。典型的には、変更される文書データは、要素抽出部2222によって抽出された1つ又はそれ以上の要素を含むが、これに加え、又はこの代わりに他の要素を変更してもよい。変更は、抽出された要素の大きさ、色、及び/又はフォントの変更を含んでいてもよい。更に、文書形式変更部222はまた、全体としての文書レイアウトに対する要素の位置又は要素抽出部2222によって抽出された文書内の他の要素に対する要素の位置を判断し保存する要素位置判断部2226を備える。
【0030】
関連性決定システム2228は、既知又はこの後に開発される技法を使い、要素の関連性を評価するために、文書形式変更部222内に設けられてもよい。例えば、関連性決定システム2228は、ユーザによって入力されたキーワードと一致する要素を、入力されたキーワードと一致しない単語よりも関連性があると特定し、キーワードと一致する要素に近い要素を、キーワードと一致する要素から遠い要素よりも関連性があると特定してもよい。もう1つの例として、関連性決定システム2228は、特定ユーザの関心事を示すユーザプロフィールを有する又はそのようなユーザプロフィールへのアクセスを有していてもよく、このユーザプロフィール内の情報を使い、ユーザが関心のある可能性の最も高い及び/又は最も低い要素を特定してもよい。さらにもう1つの例として、関連性決定システム2228は、既知又はこの後に開発される視覚的な注意モデルに基づき、文書内のどの要素がユーザの注意を引く可能性が高いかを予測してもよく、又は、ユーザのブラウザ上での動作のログを記録する又は視線追跡機械を使いユーザの目の動きを監視するなどの、ユーザの直接的な観察に基づいてもよい。更にもう1つの例として、関連性決定システム2228は、元の文書内の要素の大きさ又は色を考慮してもよい。関連性決定システム2228は、文書内の各要素を分析してもよく、または、例えば要素抽出部2222によって抽出された要素を分析してもよい。
【0031】
関連性決定システム2228によって関連性があると特定された要素は、単純なリストとして出力されてもよく、又は、例えば、最も関連性の低いものから最も関連性の高いものへ優先度が順序づけられたリスト又はその逆の順序のリストとして出力されてもよい。例えば、関連性決定システム2228は、関連要素の各々の関連性値を決定してもよい。そして、与えられた要素の相対的な関連性は、他の関連要素の関連性値と比較することにより決定できる。関連性決定システムは、異なる基準に基づいて異なるいくつかの関連性の計算を実行し、その後、これらの計算結果を、各要素の単一の関連性値として組み合わせる又は単一の、順序を定めたリストに組み合わせてもよいことを理解されたい。
【0032】
レンダリング部224は、必要に応じて文書のレイアウトを決定する。例えば、HTML文書は典型的に、そのレイアウトを決定するために解釈を必要とする。レンダリング部224は、既知の又はこの後に開発される画像縮小又はスケール調整アルゴリズムのいずれかを使い、文書の縮小したサイズの表示をレンダリングする。このようなスケール調整アルゴリズムは、単純なページの縮小を伴う場合もある。また、ページの縦横比の変更を伴う場合もあり、例えば、文書の縮小したサイズの表示の全体又は一部が、横方向よりも縦方向に対してより大きくスケール調整される場合や、その逆の場合などもあり得る。さらに、ページは、魚眼表示(fisheye view)などの歪み指向技法(distortion-oriented technique)によって縮小されてもよい。これらの歪みは、関連要素に基づいてもよく、又は、上述の関連性決定の結果に基づいてもよい。例えば、文書内の関連要素は、重要であると特定されなかった又は文書の関連要素として特定されなかった要素よりも、比例して大きくてもよい。
【0033】
画像変更部226は、レンダリング部224によって出力された画像の特性を変更するものであり、コールアウト(吹き出し:callout)(詳細は後述する)を生成するコールアウト生成部2262、サムネイルのコントラストを調節するコントラスト変更部2264、及び/又はサムネイルの色を調節する色変更システム2266を備えていてもよい。画像変更部226はまた、サムネイル画像中の選択可能な要素を生成する選択可能要素生成部2268を備えていてもよい。選択可能要素は、元の文書内に存在する、他の文書へのハイパーリンク又は同じ文書の他の部分へのハイパーリンク、又は、「ダブルクリック」などによって選択された場合に拡大した形式で表示されるグラフィックスなどへのハイパーリンクなどの選択可能要素に対応していてもよい。この代わりに又はこれに加えて、選択可能要素生成部2268は、元の文書の異なる部分に対応する選択可能な要素を生成してもよい。例えば、文書が複数のページを含む場合、複数の選択可能要素を生成してサムネイル画像上に配置する。そして、1つの選択可能要素が選択されたときに元の文書中の対応するページ又は対応する領域を表示するようにしてもよい。この場合、異なる領域の各々が、文書内の位置的に対応する領域に関連付けられてもよい。例えば、サムネイルの上辺近くを選択することにより、文書の第1ページを引き出し、サムネイルの真ん中近くを選択することにより、文書の中間ページを引き出す、などとしてもよい。ページは、文書中の物理的なページに対応するのみならず、与えられたウィンドウの内容、例えば、ブラウザの内容や表計算などの他のアプリケーションの内容などを意味してもよいことを理解されたい。
【0034】
選択可能要素生成部2268は、必要であれば、元の文書に存在する選択可能要素の比例した大きな版を生成し、サムネイル画像版の選択可能要素を視覚的に区別できるようにしてもよい。
【0035】
視覚的突出部決定システム228は、ユーザによる文書への視覚的な注意に関連する特定の効果を達成するため、例えば、要素がユーザの注意を引く能力を最適化するために、要素の外観をどのように変更するかを決定する。このような決定は、例えば、全ての関連要素に対してフォントサイズを36ポイントフォントに変更することを指示する規則や、全ての関連要素を現在の大きさから三倍の大きさに拡大するための規則などの、単純な規則に基づいたものでもよい。このような決定はまた、横方向及び縦方向の線の外観を保つことを含んでいてもよく、又は、例えば、元の文書内での太字の要素がサムネイル中でも太字で示されることを確実にすることや表中の線を強調するなどの、元の文書の装飾又は構成を強調することを含んでいてもよい。視覚的突出部決定システム228は、関連性決定システム2228と協働し、要素の相対的な関連性に基づき、文書中の異なる要素のために、異なる変更を決定してもよい。例えば、文書中の最も関連性の高い要素は、関連性が低い要素よりもより大きく拡大されてもよく、または、異なるハイライト色でハイライトされてもよく、またはその両方であってもよい。例えば、赤が黄色よりも注意を引くハイライト色であると考慮される場合、より関連性の高い要素を赤でハイライトし、相対的な関連性が低い要素を黄色でハイライトしてもよい。このような色の選択は、予め選択された測定基準に基づいてもよく、又は、与えられた文書又は一連の文書の色の内容に基づいて動的に計算されてもよい。例えば、視覚的突出部決定システム228は、与えられた文書又は一連の文書内に見つかる色に対し最大のコントラストを有する色を選択してもよい。色は、視覚的な突出部以外の基準に基づいて、又はそのような他の基準に影響を受けて選択されてもいいことに留意されたい。例えば、コールアウト内に含まれる単語同士の意味論上の関係に基づいて、異なるコールアウトに対して、色を割り当てられてもよい。例えば、意味論上関係する単語には類似した色を割り当て、意味論上関係しない単語には異なる色を割り当ててもよい。視覚的突出部決定システム228と関連性決定システム2228の少なくとも一方が、必要に応じてレンダリング部224からの情報を使い、それぞれの機能を実施してもよい。当業者には、視覚的突出部決定システム228が使用可能な異なる多くの基準が存在し、視覚的突出部決定システム228が実施可能な様々な変更又は変更の組み合わせが存在することが理解できよう。
【0036】
当業者には、図1及び図2に示す構成要素の各々が、適切にプログラムされた汎用コンピュータの一部として実施できることを理解できよう。この代わりに、図1及び図2に示す回路の各々を、ASIC内の物理的に別々のハードウェア回路として、又はFPGA、PDL、PLA、又はPALを使い、又は別個の論理素子又は別個の回路素子を使って実施することもできる。更に、図1及び図2に示す別個の構成要素のうちのいくつかを、単一の構成に組み合わせてもよく、また、図1及び図2に単一の構成として示される素子を、複数の分離した構成要素として実施してもよいことを理解されたい。例えば、1つの論理的な組み合わせとして、ブラウザ240によって、要素位置判断部2226の機能を実施してもよい。図1及び図2に示される各構成要素の特定の形式は、設計時の選択事項であり、当業者には明らかであり予測できるであろう。更に、実施の形態においては、上述の構成要素の1つ又はそれ以上を省略してもよいことを理解されたい。例えば、クリック通過機能が必要でない又は望まれない場合、クリック通過システム280を省略してもよく、向上保持機能が必要でない又は望まれない場合、向上保持システム270を省略してもよく、関連性決定が必要でない場合、関連性決定システム2228を省略してもよい、などである。
【0037】
上述のシステムの動作例として、ユーザが、ユーザ入力装置250を介して文書の引き出しを要求する。この要求は、例えば、コンピュータハードディスクドライブ、ネットワークサーバ、電子メールプログラムなどのデータベース内に保存された特定の文書などの、特定の文書を示してもよい。この要求は、例えば、ユニフォームリソースローケータ(Uniform Resource Locator)(URL)などのインターネット上の特定の文書の位置を示していてもよく、又は、ユーザが特に検索している内容に関連する1つ又はそれ以上のキーワード又はフレーズなどの検索パラメータを指定してもよい。要求は、ユーザによって指定されるキーワード又はフレーズを含む文書を検索するための、既知の又はこの後に開発される検索エンジンへの要求であってもよい。制御部210は、バス270を介してユーザから要求を受信する。必要に応じて制御部210は、ユーザの要求を、構造化照会言語(Structured Query Language)(SQL)の命令又はHTTP GET要求(HTTP GET request)などの検索エンジンの命令に翻訳する。その後、要求に応じて、データ源100からリンク110を通じ入出力インターフェース230を介して文書情報が引き出される。
【0038】
引き出された文書情報は、向上サムネイルシステム200に入力される。文書情報は、向上サムネイル生成システム220の文書形式変更部222によって、アクセス可能にされる。
【0039】
文書形式変更部222の要素抽出部2222は、データ源100から送られた各文書の情報を読み取り、文書のヘッダ、キーワード、及び/又は特定のタグに関連づけられた単語又は特色などの、文書内の重要な要素を特定し抽出する。例えば、文書がハイパーテキストマークアップ言語(Hypertext Markup Language)(HTML)で記述されている場合、タグによって囲まれるテキストのサイズを指定する<H1>タグや<H2>タグを、重要な要素と考慮してもよい。抽出された要素は、HTML文書のURLなどの文書のためのメタデータであってもよいことを理解されたい。抽出前、抽出後、又は抽出中、又は抽出の一部として、関連性決定システム2228は、要素の関連性を評価し、絶対的な関連性の測定値として又は他の要素に対して相対的な関連性として示してもよい。
【0040】
これに加え、文書の作成者が重要な要素として文書の特定の要素にタグを付けている場合もある。例えば、文書作成者が文書中の特定の単語又は他の要素を特に重要と考え、これらの要素がその後に作製される向上サムネイル画像に確実に現れるようにしたい場合もある。よって、文書作成者は、重要な単語又は他の要素を要素抽出部2222によって認識されるタグと関連付けてもよい。
【0041】
その後、文書形式変更部222のデータ変更システム2224は、文書を変更し、要素が変更された視覚的な外観を有するように要素抽出部2222によって特定された重要な要素及び/又は他の要素を調整してもよい。前述のように、この視覚的な外観は、ユーザによって指定されてもよく、又は、既知又はこの後に開発されるいずれかの方法によって決定されてもよい。視覚的突出部決定システム228がユーザが指定した視覚的外観に関する情報をデータ変更システム2224に送ってもよい。
【0042】
例えば、データ変更システム2224は、キーワード及びヘッダ中に現れる単語の少なくとも一方を拡大することにより変更し、これにより、当該キーワード又は単語がその後、サムネイルへの配置のために縮小された時にも、読み取り可能となるようにしてもよい。変更はまた、テキスト及び他の要素の色又はフォントの種類又はその両方の変更を含んでいてもよい。このような大きさ、色、フォントの種類の少なくとも1つの変更は、ユーザによって指定されてもよく、又は向上サムネイルシステム200に予め設定されていてもよい。
【0043】
また、このような大きさ、色、フォントの種類の少なくとも1つは、関連性決定システム2228によって決定された重要な要素の関連性に基づき変更されてもよい。例えば、より関連性の高い要素は、関連性の低い要素に比べて、大きくなるよう、又は異なる色でハイライトされるよう、又はその両方で変更されてもよい。
【0044】
要素位置判断部2226は、抽出された単語又は要素の位置及び1つ又はそれ以上の抽出されていない要素の位置の少なくとも一方を判断してもよい。この位置情報は、メモリ260に保存されてもよく、例えば、文書のX−Y座標を示してもよい。一方、HTMLで記述された文書などの特定種類の文書においては、文書の外観が、文書を閲覧するために使われるシステム、又は文書を表示するためのウィンドウの仮定された大きさ及び縦横比に依存して変化する場合もある。この場合、要素位置判断部2226は、そのシステムでの文書の外観に対する、要素のX−Y座標を判断してもよい。位置情報は、詳細は後述するように画像変更部226によって使われてもよい。
【0045】
レンダリング部224は次に、変更された文書を縮小した表示をレンダリングする。例えば、文書は、200画素x200画素の画像に縮小されてもよい。縮小サイズの表示は、文書の第1ページの画像であってもよく、又は文書内の指定された図のいずれかであってもよい。縮小サイズの表示は、数々の既知又はこの後に開発される、縮小サイズの表示を作り出す方法のいずれを使いレンダリングされてもよく、または上述のように、ゆがむような手法でレンダリングされてもよい。
【0046】
画像変更部226は次に、縮小サイズの表示の特性を変更してもよい。画像変更部226は、元の文書内に明示されていない1つ又はそれ以上の変換法を実施してもよい。
【0047】
画像変更部226は、重要な要素の特定及び/又は1つ又はそれ以上の要素の位置などの文書形式変更部222によって取得される情報を使ってもよい。例えば、文書形式変更部222の要素抽出部2222によって特定されたキーワード及び要素位置判断部2226によって判断されたキーワードの位置を、画像変更部226による変換の基礎としてもよい。この代わりに、画像変更部226は、変更する要素又は特徴を独立して特定してもよい。例えば、画像変更部226は、文書形式変更部222によって取得された情報のいずれからも独立して画像のコントラスト又は色を変更してもよい。
【0048】
1つの有効な変換法として、テキストフレーズを拡大したテキストのオーバレイであるコールアウトとして縮小サイズの表示の上に又は隣にレンダリングすることが挙げられる。この技法では、コールアウト生成部2262が、単語又は単語のフレーズ、当該単語又は単語フレーズを再レンダリングするための倍率及び任意に要素位置判断部からの情報に基づき、文書の単語又は単語フレーズの元の位置に対する位置にコールアウトを位置決めするための整列パラメータを特定する。コールアウト生成部2262は、例えば単語又は単語フレーズの拡大版を生成し、この拡大版の単語又は単語フレーズを図形的にサムネイルの上に重ね、これにより、ユーザがより容易に指定した単語、複数の単語、又はフレーズをサムネイル中で認識できるようにする。コールアウト生成部2262によって生成されたコールアウトは、例えば、文書形式変更部222のデータ変更システム2224によって変更された単語とは異なる外観を有していてもよいことを理解されたい。この違いの例を、図4及び図5に示す。図4は、ヘッダ中の単語がデータ変更システム2224によって拡大されたサムネイルを示す。これに対し、図5は、データ変更システム2224による変更に加え、コールアウト生成部2262によって生成されたコールアウトが重ねられたサムネイルの例を示す。より詳しくは、図5では、単語「recipe」及び「pound cake」がコールアウトとして重ねられている。テキスト(又は他の要素)が、元の文書中と同じ特性を有していても、いくつか又は全て異なる特性を有していても、例えば、色又はフォントが変更されていてもよいことを理解されたい。更に、画像変換をこれらの要素に適用してもよい。例えば、図22及び図23に示すように、テキストをぼやけるようにしたり、立体的に示すこともできる。コールアウトは、そのコールアウトに関連付けられた要素と全く類似する点を有さない要素であってもよい。例えば、図25に示すように、コールアウトは、他の要素に注意を向けるような、サムネイル上又は近くに重ねられた矢印の形であってもよい。
【0049】
他の変換もまた、可能である。例えば、着色(color wash)を適用してもよい。着色とは、画像全体に適用される色の変更、例えば、元の画像を視認できるが、全体としての画像の色がオーバレイの色によって変更されるように画像上に透明なレイヤを重ねることなどを意味する。着色は、以下に説明するように有効である。要素の色が周囲の色に対して飽和しているほど、その色は注意を引きやすくなる。コントラスト変更部2264は、白色の着色を適用し、縮小サイズの表示がより白くなる又は「不飽和」するようにすることにより、縮小サイズの表示のコントラストを変更してもよい。この技法は、コールアウト生成部2262によって重ねられたコールアウトをより際立ったものとし、よりユーザの注意を引きやすくする。
【0050】
もう1つの例として、縮小サイズの表示の色を、色変更システム2266及び/又はデータ変更システム2224によって変更してもよい。例えば、特定の単語又は他の要素の色、又は縮小サイズの表示の全体又は一部の領域の色を変更し、画像の全体的な外観が他のサムネイルの外観とは異なるようにすることにより、よりよくユーザの注意を引くようにしてもよい。例えば、関連性決定システム2228によって決定された関連性の高い要素に基づき、ユーザが指定した単語又はフレーズが文書中に高い頻度で存在する場合、文書がユーザの関心のある主題に関連する可能性が高いことをユーザに示す薄いピンクの着色をサムネイルに適用してもよい。
【0051】
色の選択は、可能であればユーザの好みに基づいて予め定義されていてもよい。この代わりに、色の選択は、文書又は与えられた一連の文書の色の内容に基づき動的に決定されてもよい。例えば、文書又は一連の文書内に予め存在する色に対して最大のコントラストを有する色を選択してもよい。
【0052】
要素に注意を引くためのもう1つの効果的な方法として、要素を別個の視覚レイヤに配置することが挙げられる。要素が元の文書とは別の視覚レイヤにある場合、要素は際立ち、これみよりユーザの注意を引く。更にユーザは、異なるレイヤに選択的に注意を向けることができる。
【0053】
例えば、コールアウトのオーバーレイハイライト色を背景とアルファブレンドすることにより、すなわち、結果が二者の組み合わせとなるようにアルファ値を組み合わせの重みによって決定し、背景画像とオーバーレイハイライト色とを混合することにより、半透明のオーバレイを作りだし、ページのより小さな部分をさまたげ、更に、コールアウトがページへの追加である強い手がかりを提供する。コールアウトの異なる部分が、半透明であっても半透明でなくてもよいことを理解されたい、例えば、与えられたコールアウトにおいて、テキストが不透明でありオーバーレイハイライト色が半透明である、などであってもよいことを理解されたい。
【0054】
アルファブレンドの1つの標準的な方法は、以下の数式を使い、背景画像(Cold)とオーバレイ画像(Overlay)から新しい画像(Cnew)を作り出す。
【0055】
【数1】
new(x,y)=αOverlay(x,y)+(1−α)Cold(x,y)
例えば、アルファ値(α)が0.4の場合、結果の画像は、オーバレイハイライト色が40%、背景画像が60%の混合物である。オーバレイハイライト色のためには、0.5付近のアルファ値が好適であるが、アルファ値は、0.0と1.0との間のどの値も取りうる。
【0056】
変更されたサムネイル画像は、データシンク300に送られる。この代わりに、既存のサムネイルを変更するためのデータをデータシンク300に送り、データシンク300にすでに存在するサムネイルを変更することもできる。
【0057】
いくつかの特定の例示動作を以下に説明する。
【0058】
第1の例では、ユーザがパウンドケーキ(pound cake)のレシピ(recipe)を検索しているとする。検索要求として、ユーザは、キーワード「pound cake」及び「recipe」を入力し、ユーザ入力装置250を介してこの要求を向上サムネイルシステム200に送る。この要求に基づき、制御部210は、データ源100から、必要に応じてブラウザ240を介して文書を取り出す。文書は、インターネット検索/取出しの場合などのように要求に応答して新しく集められた文書の集まりであってもよく、または、ローカルサーバ、ハードディスクドライブ、フロッピディスクなどに保存された既存の文書の集まりであってもよく、または、これらのいずれかの組み合わせ又は変形であってもよいことを理解されたい。
【0059】
例えば、図3に例示した文書を取り出した後、文書形式変更部222は、1つ又はそれ以上の要素の外観を変更する。すなわち、要素抽出部2222がヘッダなどの文書の重要な要素を抽出すると、要素位置判断部2226によって要素の位置が判断される。この例では、ヘッダの単語、すなわち、「Mansfield Plantation Georgetown, South Carolina Heritage Recipe, Mom’s ChocolatePound Cake」がデータ変更システム2224によって拡大され、これらの単語を縮小サイズの表示においてレンダリングされた時にも読み取り可能になるようにする。これに加え、ユーザによって入力されたキーワードと一致する文書の単語がハイライトされる。望まれるならば、ユーザがハイライト色を指定してもよい。例えば、ユーザは、「recipe」及び「pound cake」の単語の各々が現れるたびにハイライトされるべきであると指定してもよい。望まれるならば、これらの単語が異なる色でハイライトされてもよい。更に、望まれるならば、大きさ、色、及び/又はフォントの種類を関連性決定システム2228によって決定されたそれぞれの関連性によって異なって変更してもよい。
【0060】
このような変更の後、レンダリング部224は、文書の縮小された表示をレンダリングする。
【0061】
望まれるならば、画像変更部226は、上述のように縮小サイズの表示を変更することもできる。例えば、図5に示すように指定された単語がコールアウトを使って表現される。すなわち、指定された単語は拡大され、任意にハイライトされ、サムネイルの上に重ねられる。文書内の位置は、要素位置判断部2226によって判断された位置情報に基づいてもよい。望まれるならば、画像変更部226はまた、コールアウトの位置を調整し、コールアウト同士がお互いに重複しないようにしてもよい。
【0062】
画像変更部226は、全てのコールアウトを1つのサムネイル内に収めることができないと判断した場合、サムネイルを拡大する又は関連性決定システム2228によって決定されたそれぞれの関連性に基づきコールアウトの数を低減させることもできる。例えば、最も関連性の低いコールアウトを省略したり、二重のコールアウトを省略したり、などである。
【0063】
図5におけるフレーズ「Pound Cake」のように、時には、コールアウト単語又はフレーズがサムネイルの外辺を超える場合もある。すなわち、フレーズ「Pound Cake」は、コールアウトとして拡大された時にサムネイルの境界内に収まるには大きすぎる。システムは、コールアウトが縮小ページ画像の縁を越えて伸びることを可能にし、これにより、コールアウトフレーズの縁を越えて伸びる一部のいずれも切断されないようにしたり、元のサムネイルサイズを保持し、コールアウトの延長部分を切断して除去するよう指定する様々な「スピルルール」(溢れるルール:Spill rule)を支持してもよい。コールアウトの位置もまた、コールアウトの一部がいずれもサムネイルの境界を越えて伸びないようにするために調整されてもよい。スピルルールは、ユーザによって定義されても向上サムネイルシステム200内に予め定義されていてもよい。スピルルールは、コールアウトの幅及び高さの少なくとも一方がサムネイル画像に収まるようにコールアウトの大きさを縮小することを含んでいてもよい。コールアウトの位置に関係なく、特定の視覚的な手がかり(例えば図19及び図20に示すもの)を使い、元のサムネイル中の単語の位置とコールアウトの位置との空間的な関係を示してもよい。
【0064】
サムネイルは、静的な画像ではなく、動的に動かされて内容を示してもよい。例えば、マウスオーバ(mouse−over)が起きた場合、すなわち、ユーザがスクリーン上のカーソルをマウスなどを使いサムネイル上に配置した場合、サムネイルは、点滅表示、スクロール表示、連続的に色が変化する表示などによって重要な要素を示してもよい。サムネイル内に一度に示すことのできるよりも多くの数の重要な要素が文書内に存在する場合、これらの重要な要素は、例えば順番に又はランダムに又は連続して表示されてもよい。
【0065】
様々な文書に適用される向上サムネイルの他の例を、図6から図10を使い説明する。図6から図10に示すサムネイルは実物大ではないことを理解されたい。これらのサムネイルは、通常コンピュータモニタなどの表示画面上に現れるよりも大きく示されている。
【0066】
図6に電子商取引の文書のための向上したサムネイルの例を示す。この例では、ユーザは、製品の名前(すなわち、この例では「ミニディスクプレーヤ」(MiniDisc Player))を探し当てることができ、これにより、ユーザが実際の文書を閲覧することなく文書を特定することを助ける。
【0067】
図7にニュース文書のための向上したサムネイルの例を示す。ユーザは、拡大された単語又はフレーズを含むサムネイルにざっと目を通すことにより、複数のニュース記事から素早く情報を検索できる。この場合、ユーザは、サムネイルに現れるコールアウトの単語及び色の少なくとも一方を指定できてもよい。
【0068】
図8にホームページのための向上したサムネイルの例を示す。この場合、ホームページ所有者の名前が拡大され、ハイライトされたコールアウトとしてサムネイル上に重ねられる。
【0069】
図9及び図10に通常のテキスト文書のためのサムネイルの例を示す。図9は、文書の大きさを単純に縮小することにより作られた従来のサムネイル画像を示す。どのような種類の文書かを想定することが非常に困難であることがわかる。一方、図10に示すような向上したサムネイルを使う場合、指定された単語が拡大され、色が着けられているので、ユーザは、より容易に文書の内容を把握できる。
【0070】
縮小サイズの表示は、画像変更部226によって変更される必要が必ずしも無いことを理解されたい。例えば、データ変更システム2224によって行われた変更が、サムネイル内の重要な要素を容易に読み取ることができるようにするために十分である場合、画像変更部226による更なる変更が、不要な場合もある。よって、実施の形態においては、画像変更部226自体が不要な場合もある。逆に、データ変更システム2224による変更も、画像変更部226によって行われた変更がサムネイルの容易な可読性、特定、又は分類を可能にするために十分であるときには必ずしも必要ではない。例えば、コールアウト生成部2262によってコールアウトが生成された場合、データ変更システム2224による変更は不要であることもある。よって、実施の形態では、データ変更システム2224及び要素位置判断部2226の少なくとも一方が不要な場合もある。
【0071】
図11は、向上したサムネイルの作成方法の一例を示したフローチャートである。
【0072】
ステップS1100にはじまり、処理は、ステップS1150に続き、文書を取得する。方法は次にステップS1200に続く。ステップS1200において、ヘッダ、キーワード、単語などの書類の重要な要素が特定され、処理はステップS1250に続く。ステップS1250において、1つ又はそれ以上の要素の位置情報が保存され、この1つ又はそれ以上の要素は、ステップS1200において特定された重要な要素を含む場合もあり、含まない場合もある。
【0073】
次に、ステップS1300において、1つ又はそれ以上の文書形式要素を変更するかどうかが判断される。文書形式要素を変更する場合、処理はステップS1350に進む。そうでなければ、処理はステップS1400に移る。
【0074】
ステップS1350において、文書形式要素が変更され、処理は、ステップS1400に進む。ステップS1400において、文書の縮小サイズの表示が作られる。次に、ステップS1450において、縮小サイズの表示を変更する必要があるかどうかを決定する。縮小サイズの表示を変更する必要がある場合、処理はステップS1500に進む。そうでなければ、処理はステップS1550に飛ぶ。
【0075】
ステップS1500においては、縮小サイズの表示の1つ又はそれ以上の要素が変更される。例えば、コールアウトがサムネイル上に適用されてもよく、及び/又は画像のコントラスト及び色の少なくとも一方が変更されてもよい。そして、ステップS1550において、向上サムネイル画像が出力され、処理はステップS1600において終了する。
【0076】
実施の形態においては、上述のステップの1つ又はそれ以上を省略することもできる。例えば、画像変更を実行しない場合や、実行される画像変更が、要素位置情報に頼らない場合など、ステップS1250を実行する必要がない場合もある。コールアウトなどの画像変更のみを実行し、文書形式変更が必要でない場合、ステップS1300及びステップS1350を省略してもよい。同様に、文書形式変更のみを実行する場合、ステップS1450及びステップS1500を省略してもよい。
【0077】
実験により、ユーザが文書の集まりを検討するために必要な時間が、従来の検索エンジンからの結果を検討する場合に比べて、向上サムネイル画像の場合には少なくとも20%低減されることが示された。
【0078】
向上サムネイル画像から、更により大きな利益を得るために、向上、すなわち、サムネイル画像に示されるデータ及び画像変更の少なくとも一方を、当該サムネイル画像に関連付けられた文書を表示する時にも保持することもできる。図12から図14に一例を示す。すなわち、図12は元の文書を示し、図13はこの文書に基づき作られた向上サムネイルを示し、図14は、ユーザが、例えば、サムネイル上でマウスをクリックすることにより、サムネイルに関連付けられた文書の表示を要求した時に表示される版の文書を示す。
【0079】
図13に示す向上サムネイルが作り出された時、単語「Xerox」及び「Products」が重要な要素として指定され、したがって、ユーザの注意を引くために拡大されている。ユーザが、例えば、サムネイル上でマウスをクリックすることにより、サムネイルに関連付けられた文書の表示を要求した場合、向上保持システム270が、サムネイル画像の変更された要素の全て又はいくつかに対応する変更を加えた文書を、一時的に又は永続的に表示する。より詳しくは、この例では、図14に示すように、サムネイルと同様に表示された版の文書においても、単語「Xerox」及び「Products」が拡大されている。
【0080】
この例では、図13に示すサムネイルから図14に示す版の文書に移動する利点は、サムネイル画像においてユーザの注意を引いたものと同じ要素が画像に関連付けられた文書においてもユーザの注意を引くため、ユーザが文書の重要な部分をより容易に特定でき、また、サムネイルから文書への移行の際にユーザが混乱することを回避できることである。望むのであれば、例えば、ユーザから要求された時に(例えば、マウスの指定されたボタンをクリックする、表示画面上の指定された選択可能要素を選択する、など)又は所定の期間の経過後に、向上保持システム270が元の形式で、すなわち、向上を含まない文書を表示してもよい。
【0081】
本発明は、上述の向上によっては変更されていないが、元の文書とは異なる1つ又はそれ以上の外観特徴を有するサムネイルに適用してもよい。すなわち、サムネイルの異なる外観特徴を、サムネイル画像と関連付けられた文書を表示する際に永続的に又は一時的に保持してもよい。よって、上述の向上保持は、上述の各方法を含むがこれらに限定されない、既知又はこの後に開発される方法のいずれかによって生成されたサムネイルに関連付けられた文書に適用されてもよい。
【0082】
図15は、向上保持方法の第1の例を示したフローチャートである。処理は、ステップS5000にはじまり、ステップS5100に進み、サムネイルが表示される。ステップS5200において、サムネイルに関連付けられた文書を表示するための要求が受信されたかどうかが判断される。要求が受信されていた場合、処理はステップS5300に進む。そうでなければ、要求が受信されるまでステップS5200が繰り返される。
【0083】
ステップS5300において、外観が元の文書よりもサムネイルに類似した版の文書が表示される。処理は次に、ステップS5400に進む。ステップS5400において、外観がサムネイルよりも元の文書により類似した、もう1つの版の文書を表示するための要求が受信されたかどうかが判断される。要求が受信されていた場合、処理はステップS5500に進む。そうでなければ、処理はステップS5400を繰り返す。ステップS5400において、要求が一度も受信されなかった場合、処理は実質上ステップS5400において終了することを理解されたい。
【0084】
ステップS5500において、外観が以前に表示された版よりも、より元の文書に類似した版の文書が表示される。以前に表示された版から現在表示される版への移行は、一方の版から他方の版への動画又はモーフィング又は数々の既知の視覚効果のいずれかを伴ってもよいことを理解されたい。また、元の文書により類似した版の文書は、実際には元の文書と同一のものであってもよいことも理解されたい。処理は次に、ステップS5600に進み、現在表示される版の文書が元の文書と同一であるかどうかが判断される。もし、現在の版が同一でなければ、処理はステップS5400に戻り、ステップS5400からステップS5600が繰り返される。現在の版が元の文書と同一である場合、処理はステップS5700に進み、終了する。
【0085】
図16は、向上保持方法の第2の例を示したフローチャートである。このフローチャートにおいて、ステップS6000からステップS6300及びステップS6500からステップS6700は、図15に示すフローチャートのステップS5000からステップS5300及びステップS5500からステップS5700と同一である。よって、これらのステップの説明は省略する。
【0086】
ステップS6400において、所定の時間が経過したかどうかが判断される。所定の時間が経過していた場合、処理はステップS6500に進み、そうでなければ、処理はステップS6400を繰り返す。よって、元の文書により類似した又は元の文書と同一の版の文書を表示するようユーザが要求することを必要とするのではなく、同一又はより類似した文書が、2秒、5秒又は他の適切な時間などの所定の時間の経過後に自動的に表示される。好適には、当該所定時間は、ユーザが文書中の重要な要素の位置を視覚的に探し当てることを可能にするためにちょうど十分な長さである。不要に長い期間は、ユーザが文書中の重要な要素の周囲の詳細部分にアクセスする妨げになる場合もある。
【0087】
図12、図13及び図17に、図1のクリック通過システム280を用いて実施することのできるクリック通過手順の一例を示す。クリック通過手順は、ユーザが、望まれる内容により素早くアクセスすることを可能にする。クリック通過手順を実施するために、図2に示す選択可能要素生成部2268を使い、1つ又はそれ以上の選択可能な要素を有するサムネイルが生成される。例えば、図13のサムネイルは、図12の元の文書に基づき生成される。この例では、図12の元の文書中の単語「products」が選択可能要素であり、マウスのクリックなどにより選択された場合に、図17に示すもう1つの文書を表示させる。
【0088】
クリック通過手順を可能にするため、図13のサムネイルが生成された時にも、サムネイル中の単語「products」は、選択可能な要素として表示される。図13において、選択可能要素「products」は、より視認しやすくするために、サムネイルの他の要素と比較して拡大されている。しかしながら、サムネイル中の選択可能要素は、周囲の要素に比較して拡大されている必要は必ずしもなく、選択可能要素として視覚的に区別可能とする及び/又は、例えば、ユーザがマウスのクリックなどによって選択するために十分に大きくすればよい。
【0089】
ユーザが図13の選択可能要素「product」を選択した場合、表示は、図17に示す文書に移る。よって、ユーザは、図12に示す文書の対応する選択可能要素を選択した時と同様に、図17に示される文書の内容に直接アクセスすることができる。相違点は、元の文書を最初に表示するステップが省略されていることである。他の文書に直接移るのではなく元の文書を閲覧したい場合、ユーザは、選択可能要素以外のサムネイルの一部をクリックすることにより、又はサムネイル中の選択可能要素上を含むいずれかの位置で特定のマウスボタンを押下しつつクリックするなど、他のユーザインターフェースジェスチャを行うことによって、ユーザは元の文書を閲覧できる。
【0090】
クリック通過手順はまた、選択可能要素を有さずに元の文書に基づき生成されたサムネイルを使い適用することもできる。この場合、サムネイルには、元の文書の選択可能要素に対応するのではなく、文書の異なる領域に対応する選択可能要素を設けてもよい。上述のように、選択可能要素は、視覚的に際立った要素でなくてもよく、単にサムネイルの異なる領域であってもよい。例えば、マウスのクリックなどによりサムネイルの上辺付近を選択することにより、文書の第1ページを表示するなどである。しかしながら、選択可能要素と文書の対応する領域との直接の位置的な相関性は必要ではない。例えば、元の文書が4ページの文書の場合、サムネイルに各々が異なるページと対応する4つの選択可能要素を設けてもよい。サムネイルは、左上部、右上部、左下部、右下部と分けられてもよい。ユーザが左上部でマウスをクリックした場合に第1のページを表示し、右上部でマウスをクリックした場合に第2のページを表示するなどとしてもよい。
【0091】
図18は、クリック通過手順を可能にする方法の一例を示したフローチャートである。処理は、ステップS7000にはじまり、ステップS7100に進み、1つ又はそれ以上の選択可能要素を含むサムネイル画像が表示される。処理は次にステップS7200に進む。ステップS7200において、サムネイル上の選択可能要素が選択されたかどうかが判断される。選択可能要素が選択されていた場合、処理はステップS7300に進む。そうでなければ、処理はステップS7400に移る。
【0092】
ステップS7300において、選択可能要素に関連付けられた文書又は文書の一部が表示され、処理はステップS7600に移る。
【0093】
ステップS7400において、サムネイル画像全体が選択されたかどうかが判断される。サムネイル画像全体が選択されていた場合、処理はステップS7500に進む。そうでなければ、処理はステップS7200に戻る。
【0094】
ステップS7500において、サムネイル画像に関連付けられた元の文書が表示され、処理はステップS7600で終了する。
【0095】
図19から図31に、向上サムネイルに提供できる向上の追加例を示す。これらの向上は、文書形式変更部222及び画像変更部226の少なくとも一方によって実行してもよい。
【0096】
図19に、サムネイルから、変更要素、例えばフレーズ「DIGITAL COPIER」がズームしているように見える例を示す。ズームの方向は、ユーザによって指定されてもよく、又はシステムによって予め定められていてもよい。ズームの色は、ユーザによって指定されてもよく、又は、要素の関連性に基づき変更されてもよい。
【0097】
図20に、もう1つの種類のズーム効果を示す。この場合、フレーズ「DIGITAL COPIER」が複数回現れ、新しく現れるフレーズの各々が、その前に現れたフレーズからずれ、異なる大きさを有する。
【0098】
図21に、コールアウト「Xerox」及びコールアウト「Products」がサムネイル画像の外に配置され、コールアウトとサムネイル中の対応する要素の位置とをつなぐ矢印400を含むサムネイルを示す。この効果により、コールアウトによってサムネイル背景の重要な部分を妨害することなく、ユーザがサムネイル及びコールアウトを見ることを可能にする。
【0099】
図22及び図23に、テキストの異なる画像変換を示す。図22は、単語「Concorde」のために、ぼかされたテキストが生成される変換を示した図である。図23は、単語「Concorde」のために、遠近感のある文字が生成される変換を示した図である。
【0100】
図24にサムネイル全体を実質的に占有するコールアウトがサムネイルに重ねられた例を示す。図25に重要な要素が矢印500で示されたサムネイルを示す。
【0101】
図26及び図27に元の文書が長い及び/又は幅が広い場合に特に有効な向上サムネイルの例を示す。例えば、多くのウェブページは、1方向、例えば縦方向に長い。この場合、図26に示すように、レンダリング部224は、文書全体の縮小された版を生成し、上述のような向上を適用してもよい。図27に示すサムネイルは、スクロールバー600を有し、ユーザがこれに対して既知の方法で動作を実行することができ、また、このスクロールバー600は、ユーザが、サムネイルに関連付けられた元の文書の異なる部分と対応するサムネイルの異なる部分にスクロールすることを可能にする。これに加え、スクロールバー600は、サムネイル中に全体の文書のどの程度が表示されているかを示す。
【0102】
図28から図31に、サムネイル画像の大きさに依存してコールアウトをどのように変更できるかを示す。図28から図31は、徐々に大きさが小さくなるサムネイルを示した図である。これらの図は、向上サムネイル生成部220によって生成できる異なる大きさのサムネイルを示していてもよく、又は、ユーザが拡大又は縮小できる大きさが可変のサムネイルを示していてもよい。例えば、ユーザは、図28に示す大きさから図29に示す大きさにサムネイルの大きさを変更してもよく、その後、図30に示す大きさに、そして最終的には図31に示す大きさにサムネイルの大きさを変更してもよい。
【0103】
図28では、単語「Antz」、「movie」、及び「poster」が変更された要素として表示される。図29では、同一の単語が表示されるが、単語「poster」は、図28ほど大きくない。これは、例えば、単語「poster」が、他の単語よりも関連性が低いと判断されたため、及び/又はこのように縮小しなければサムネイルの境界内に収まらないためであってもよい。
【0104】
図30では、単語「poster」は、コールアウトとしては表示されておらず、そして他のコールアウトは、サムネイル内に収まるようにいくらか縮小された大きさで示される。図31では、単語「Antz」のみがコールアウトとして残る。
【0105】
本発明は、上述の方法及び装置に制限されるものではない。当業者には、本発明の範囲から逸脱することのない多くの異なる変更が可能であることが理解されよう。
【0106】
例えば、上述の例では、コールアウトは、サムネイル中の該コールアウトに関連付けられた単語の真上に配置されたが、コールアウトの位置をわずかに調節し、コールアウト同士の閉鎖(occlusion)又はコールアウトと読み取り可能ヘッダーなどのサムネイル上の他の有効な情報との閉鎖を最小にしてもよい。もう1つの代替案として、テキストを1つのサムネイル中に1つのコールアウトのみに含み、他のコールアウトを色を付けた帯としてのみレンダリングする方法があり、これにより、ページをテキストで散乱させることなく、ページ中の単語の分配の感覚をユーザに与える。例えば、上述の実施の形態の1つのように、単語「recipe」及び単語「pound cake」がキーワードとして使われた場合、黄色でハイライトしたテキスト「recipe」を含むコールアウトを、文書中に出現した単語「recipe」の1つに対応するようレンダリングし、他の単語「recipe」が出現した部分上には、黄色の帯のみを含むコールアウトを重ねてもよい。同様に、1つの赤にハイライトされたテキスト「poundcake」を含むコールアウトを文書中に出現したフレーズ「pound cake」の1つのためにレンダリングし、赤い帯のみを含むコールアウトを、フレーズ「pound cake」が出現した他の部分にレンダリングしてもよい。必要に応じてテキストを含まないコールアウトを小さくしてもよく、これにより、サムネイルのより小さな部分を覆い、散乱が少なくなるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態における向上サムネイル生成システムの典型例を示したブロック図である。
【図2】 図1の向上サムネイル生成システムにおける、向上サムネイル生成部の典型的な一例を示したブロック図である。
【図3】 文書の平凡なサムネイルを示す図である。
【図4】 文書形式変更により向上されたサムネイルの例を示した図である。
【図5】 文書形式変更及び画像変更により向上されたサムネイルの例を示した図である。
【図6】 電子商取引ジャンルの例に適用された、向上サムネイルを示す図である。
【図7】 ニュースジャンルの例に適用された、向上サムネイルを示す図である。
【図8】 ホームページジャンルの例に適用された、向上サムネイルを示す図である。
【図9】 テキストページの平凡なサムネイルを示す図である。
【図10】 図9に示すテキストページの向上サムネイルを示す図である。
【図11】 サムネイルの生成方法の典型的な例を示したフローチャートである。
【図12】 元の文書の例を示す図である。
【図13】 図12に示す文書に関連付けられたサムネイルの例を示す図である。
【図14】 図13に示すサムネイル画像に基づいて生成される版の文書の例を示す図である。
【図15】 文書表示方法の第1の典型的な例を示したフローチャートである。
【図16】 文書表示方法の第2の典型的な例を示したフローチャートである。
【図17】 クリック通過手順を使い表示される文書の例を示す図である。
【図18】 クリック通過表示手順の実行方法の典型例を示したフローチャートである。
【図19】 サムネイル向上の異なる例を示した図である。
【図20】 サムネイル向上の異なる例を示した図である。
【図21】 サムネイル向上の異なる例を示した図である。
【図22】 サムネイル向上の異なる例を示した図である。
【図23】 サムネイル向上の異なる例を示した図である。
【図24】 サムネイル向上の異なる例を示した図である。
【図25】 サムネイル向上の異なる例を示した図である。
【図26】 サムネイル向上の異なる例を示した図である。
【図27】 サムネイル向上の異なる例を示した図である。
【図28】 サムネイル向上の異なる例を示した図である。
【図29】 サムネイル向上の異なる例を示した図である。
【図30】 サムネイル向上の異なる例を示した図である。
【図31】 サムネイル向上の異なる例を示した図である。
【符号の説明】
100 データ源、200 向上サムネイルシステム、210 制御部、220 向上サムネイル生成部、222 文書形式変更部、2222 要素抽出部、2224 データ変更システム、2226 要素位置判断部、2228 関連性決定システム、224 レンダリング部、226 画像変更部、2262 コールアウト生成部、2264 コントラスト変更部、2266 色変更システム、2268 選択可能要素生成部、228 視覚的突出部決定システム、230 入出力インターフェース、240 ブラウザ、250 ユーザ入力装置、260メモリ、270 向上保持システム、280 クリック通過システム、300データシンク、400,500 矢印。

Claims (4)

  1. サムネイルシステムが、元の文書に基づき生成されたサムネイルと関連付けられた文書を表示する方法であって、
    前記サムネイルを表示するステップと、
    前記サムネイルと関連づけられた文書を表示する要求を受信するステップと、
    前記要求に応じて、前記文書の第1版文書であって、前記第1版文書の少なくとも一部の外観が、前記元の文書の対応する部分よりも前記サムネイルの対応する部分に類似している前記第1版文書を表示するステップと、
    を含む文書表示方法。
  2. 請求項1記載の文書表示方法であって、
    前記文書の第2版文書であって、前記第1版文書の少なくとも一部に対応付けられた部分を含む前記第2版文書を表示するステップを含み、
    前記第2版文書の部分の外観は、前記第2版文書の部分に対応する前記第1版文書の部分より、当該第2版文書の部分に対応する前記元の文書の部分に類似する文書表示方法。
  3. 請求項2記載の文書表示方法であって、
    前記元の文書の第2版は、前記元の文書と同一である文書表示方法。
  4. 請求項1記載の文書表示方法であって、
    前記サムネイルの対応する部分は、前記サムネイルの生成時に修正された要素を含む文書表示方法。
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