JP4757743B2 - 同期捕捉装置及び同期捕捉方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インパルス無線(Impulse Radio:IR)通信システムに用いられる同期捕捉装置及び同期捕捉方法に関する。
高速スイッチング半導体デバイスの開発などの、近年の通信技術の進歩により、持続時間の非常に短い無線周波数(RF)パルスシーケンスの送受信が可能となった。このようなパルスの持続時間は、一般にナノ秒未満である。このような通信技術は、インパルス無線(IR)と呼ばれることがある。
IR技術は、持続時間の非常に短いRFパルスを使用し、極めて広い周波数帯域幅を用いて信号を伝送することができる。平均パワースペクトル密度は、パルスの繰り返し周波数、幅及び振幅レベルに依存するものの、広い周波数帯域幅に広げて伝送するため、極めて小さいレベルにあり、例えば、1ヘルツあたり10−11ワットである。このような低電力放射により、同様の周波数帯域で動作する他の有線又は無線システムとの干渉を、最小限に抑えることができる。更に、IR技術の広帯域幅は、例えば短距離での通信容量が非常に大きいなど、短距離通信のための多くの有利な特性を有している。
ところが、IR技術の有利な特性は、設計上の難題をも、もたらしている。その1つは、同期捕捉である。IR技術ではパルス持続時間が極めて短いため、IR技術をベースにしたIR通信を十分にサポートできる程度の同期捕捉処理を、高速かつ、その通信容量を大きく損なわない程度に短時間で行なう必要がある。また、IR通信では様々な変調方式が用いられるため、同期捕捉処理は、様々な変調方式に対して正確に行われる必要がある。
IR通信に用いられる同期捕捉処理は、その具体的手法に基づいて、シリーズ探索、パラレル探索、及びハイブリッド探索に分類することができる。
スライディングウィンドウを用いるシリーズ探索は、多数のパルス存在区間(dwell interval in time)を通して信号探索を行うことが必要となることがある(例えば、特許文献1及び非特許文献1)。シリーズ探索では、受信器において、受信信号とテンプレート信号とを相関処理し、積分される。そして、ベースバンド出力信号が、所定の閾値と比較される。ベースバンド出力信号が閾値よりも大きい又は閾値と等しい場合、同期捕捉は完了する。ベースバンド出力信号が閾値よりも小さい場合、テンプレート信号を所定のタイムスロットだけシフト又は遅延させる。受信器は、シフト又は遅延したテンプレート信号を用いて、相関、積分、及び閾値比較の演算を繰り返す。ベースバンド出力信号が閾値よりも大きく又は等しくなるまで、或いは、シフト又は遅延したテンプレート信号全てが用いられるまで、その演算が繰り返される。
非特許文献2には、スライディングウィンドウを用いるシリーズ探索の幾つかのバリエーション、例えば、ランダム置換探索(random permutation search)及びビット逆順探索(bit reversal search)などが、説明されている。この文献に示されたシミュレーション結果によれば、ビット逆順探索は、スライディングウィンドウを用いるものに比べて、同期捕捉時間が高速である。なお、シリーズ探索の基本構成は、主に、単一の相関器、加算器及び閾値比較器などを含む。
パラレル探索では、複数ブランチの構成を採る受信器が用いられる。各ブランチの相関器及び加算器は、シリーズ探索における相関器及び加算器と同様の演算を実行する。全てのブランチで同時に演算が実行され、そして、全ブランチの中で最大のベースバンド出力信号が、所定の閾値と比較される。
ハイブリッド探索は、シリーズ探索及びパラレル探索のそれぞれの構成を組み合わせたものである(例えば、非特許文献3)。
特開平6−74237号公報 "Rapid acquisition for ultra-wideband localizers", Robert Fleming, Cherie Kushner, Gary Roberts, Uday Nandiwada, IEEE UWBST2002, May 2002 "Rapid acquisition of ultra-wideband signals in the dense multipath channel", Eric A. Homier, Robert A. Scholtz, IEEE UWBST2002, May 2002 "Hybrid Fixed-dwell-time search techniques for rapid acquisition of ultra-wideband signals", Eric A. Homier, Robert A. Scholtz, International Workshop on UWB Systems, June 2003 "Ultrawidebandwidth Time-Hopping Spread Spectrum Impulse Radio for wireless multiple-access communications", M. Z. Win, R. A. Scholtz, IEEE Transaction on Communications, vol. 48, pp. 679-691, April 2000
しかしながら、前述した3つの同期捕捉手法には、それぞれに固有の問題がある。スライディングウィンドウを用いるシリーズ探索は、IR技術の時間解像度(time resolution)が微細であることに起因して、時間的な制約のあるアプリケーションにとっては許容できないほど長い同期捕捉時間を要することがある。また、パラレル探索は、シリーズ探索に比べて、高速ではあるものの、必然的に構成が複雑化するため、ハードウェアコストが増大する。また、ハイブリッド探索は、シリーズ探索及びパラレル探索を単に組み合わせものに過ぎず、長い同期捕捉時間及び複雑な受信器構成という本質的問題を効果的には解消していない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、シリーズ探索と同様のシンプルな構成で、パラレル探索に匹敵する高速な同期捕捉を実現することができる同期捕捉装置及び同期捕捉方法を提供することを目的とする。
本発明の同期捕捉装置は、インパルス無線通信のための同期捕捉を行う同期捕捉装置であって、各々が複数のテンプレート信号を重畳して成る複数の重畳テンプレート信号を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された一の重畳テンプレート信号と受信信号との間の予備相関一致の検出を行うとともに、前記一の重畳テンプレート信号と前記受信信号との間の前記予備相関一致が検出されなかった場合、前記一の重畳テンプレート信号を前記取得手段によって取得された他の重畳テンプレート信号で置換してから前記予備相関一致の検出を行う予備検出手段と、前記予備検出手段によって前記予備相関一致が検出された場合、前記複数のテンプレート信号のうちいずれかのテンプレート信号と前記受信信号との間の最終相関一致の検出を行う最終検出手段と、を有する構成を採る。
本発明の同期捕捉方法は、インパルス無線通信のための同期捕捉を行う同期捕捉方法であって、複数のテンプレート信号を重畳して成る一の重畳テンプレート信号を取得し、前記一の重畳テンプレート信号と受信信号との間の予備相関一致の検出を行い、前記一の重畳テンプレート信号と前記受信信号との間の前記予備相関一致が検出されなかった場合、前記複数のテンプレート信号を重畳して成る他の重畳テンプレート信号を取得し、前記一の重畳テンプレート信号を前記他の重畳テンプレート信号で置換してから前記予備相関一致の検出を行い、前記予備相関一致が検出された場合、前記複数のテンプレート信号のうちいずれかのテンプレート信号と前記受信信号との間の最終相関一致の検出を行うようにした。
本発明によれば、シリーズ探索と同様のシンプルな構成で、パラレル探索に匹敵する高速な同期捕捉を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る同期捕捉装置の構成を示すブロック図である。同期捕捉装置100は、IR通信用の端末装置などに搭載して使用することができる。同期捕捉装置100は、第1相関検出部110、重畳テンプレート取得部120、第2相関検出部130、時間ホッピング符号源140、バッファ142、単一探索位置生成器144、及び単一テンプレート生成器146を有する。
予備相関検出手段としての第1相関検出部110は、第1相関器112及び第1比較器114を有する。第1相関検出部110は、ある重畳テンプレート信号と受信信号との間の予備相関一致の検出を行う。その重畳テンプレート信号と受信信号との間の予備相関一致が検出されなかった場合、第1相関検出部110は、その重畳テンプレート信号を他の重畳テンプレート信号で置換してから予備相関一致の検出を行う。
取得手段としての重畳テンプレート取得部120は、複数探索位置生成器122、複数テンプレート生成器124及びテンプレート重畳器126を有する。重畳テンプレート取得部120は、複数のテンプレート信号を重畳して成る複数の重畳テンプレート信号を取得する。
最終相関検出手段としての第2相関検出部130は、第2相関器132及び第2比較器134を有する。また、第2相関検出部130は、予備相関一致が検出された場合、重畳テンプレート信号を構成する複数のテンプレート信号のうち、いずれかのテンプレート信号と受信信号との間の最終相関一致の検出を行う。
次いで、上記構成を有する同期捕捉装置100において実行される、一連の同期捕捉処理について説明する。一連の同期捕捉処理は、2段階の同期捕捉処理を含んでいる。
先ず、第1段階の同期捕捉処理、言い換えれば、予備相関一致の検出が行われる。受信信号150が、図1に示すように、第1相関器112に入力されたときに、第1段階の同期捕捉処理が開始する。
なお、受信信号150は、同期捕捉装置100を搭載した端末装置の受信部(図示せず)で受信された信号であり、その端末装置の通信相手装置から送信された信号を含む。送信された信号は、伝送チャネルの特性(例えば、ガウスノイズ、チャネル遅延又はマルチパスフェージングなど)の影響を受けた上で、受信信号150として端末装置に到達する。
また、送信された信号は、所定の方式に従って変調処理を施された信号である。IR通信においては、例えば、パルス極性変調、パルス振幅変調(PAM)、位相変調、周波数変調、パルス位置変調(PPM)(タイムシフト変調又はパルス間隔変調とも呼ばれる)、又はこれらの多値バージョンなど、様々な変調方式を用いることができる。本実施の形態では、PPMを施された既知信号及びテンプレート信号の使用を例示する。但し、本発明が適用可能な変調方式はPPMだけに限定されない。
図2には、PPMを施された信号が例示されている。この信号は、多数のユーザの送信を同時にサポートする目的で、PPM後に時間ホッピング符号が導入された信号である。また、典型的な低デューティサイクルのパルス列から成る信号である。
時間領域は、多数のサブフレームに分割されている。各サブフレームには、1つのパルス(図2には、4つのパルス160、161、162、163が示されている)が存在し、情報データは、各パルスの時間位置に格納される。Nf個(Nfは自然数)のサブフレームは、1つのシンボルフレームを構成する。各サブフレームの持続時間をTfとする。また、各シンボルフレームは、持続時間Tsを有する(Ts=Nf×Tf)。各パルス160〜163は、固定の振幅A及びパルス幅Tpを有する。一般に、パルス幅Tpは、1ナノ秒未満である。
ところで、パルス160〜163の形状は、設計上重要である。本実施の形態では、ガウスモノサイクルの形状を有するパルス160〜163を例にとって説明しているが、使用可能なパルス形状は前述のものだけに限定されない。
パルス160〜163の時間位置(時間遅延TD1、TD2、TD3、TD4)は、PPMだけでなく時間ホッピング符号によっても決定される(例えば非特許文献4)。擬似ランダム時間ホッピング符号の使用により、時間遅延TD1、TD2、TD3、TD4がランダム化される。これにより、スペクトルにおける離散周波数成分を低減することができる。
また、同期捕捉の時間解像度は、時間間隔ΔTとして定義される。Tp=Nt×ΔT及びTf=Np×Tp(Nt及びNpは自然数)と仮定すると、1シンボルフレーム内のパルス存在区間の総数Nは、N=Nt×Np×Nfによって求められる。
第1相関器112には、受信信号150の他に、重畳テンプレート信号が入力される。
ここで、重畳テンプレート信号の取得過程について説明する。
先ず、複数探索位置生成器122において、M個のテンプレート信号を作成するためのM個(Mは2以上の整数)の時間位置が選択される。M個の時間位置の選択の詳細については後で説明する。選択されたM個の時間位置は、バッファ142に記憶されるとともに、複数テンプレート生成器124に通知される。
複数テンプレート生成器124では、M個の時間位置に従って、また、時間ホッピング符号源140から入力されるユーザ固有の時間ホッピング符号に従って、M個のテンプレート信号152を生成する。生成されたM個のテンプレート信号152は、テンプレート重畳器126に入力される。
なお、各テンプレート信号152は、通信相手装置から送信された信号と同じ変調(本実施の形態ではPPM)を施された信号である。M個のテンプレート信号152は、互いに同じシンボルフレーム持続時間、互いに異なる開始時間位置、及び互いに異なる終了時間位置を有する。M個のテンプレート信号152のうち任意の2つのテンプレート信号の開始時間位置(及び終了時間位置)の時間差は、例えば、パルス幅Tpの整数倍である。
テンプレート重畳器126では、M個のテンプレート信号152が重畳される。これによって、単一の重畳テンプレート信号153が生成される。テンプレート信号152の重畳の詳細については後で説明する。
第1相関器112において、受信信号150と重畳テンプレート信号153とが乗算され、その乗算結果が積分される。これによって得られたベースバンド出力信号151は、第1比較器114に入力される。なお、以下の説明において、第1相関器112における一連の処理を予備相関演算と言うことがある。
第1比較器114では、ベースバンド出力信号151が、所定の閾値Th1と比較される。ベースバンド出力信号151が閾値Th1より大きい又は閾値Th1と等しい場合、すなわち、予備相関一致が検出された場合、第1比較器114から第2相関器132に対して、第2段階の同期捕捉を開始させるための信号154が送られる。一方、第1相関器から出力されるベースバンド出力信号151が閾値Th1よりも小さい場合、すなわち、予備相関一致が検出されなかった場合、先ほど選択されたM個の時間位置全てが、複数探索位置生成器122によって調整される。より具体的には、新たにテンプレート信号を作成するために、既に選択された時間位置と異なるグループに属するM個の時間位置が、新たに選択される。新たに選択されたM個の時間位置は、複数テンプレート生成器124に通知される。バッファ142は、新たに選択されたM個の時間位置で更新される。
ベースバンド出力信号151が閾値Th1よりも小さい限り、M個の時間位置の調整、M個のテンプレート信号152の生成、M個のテンプレート信号152の重畳、予備相関演算、及びベースバンド出力信号153と閾値Th1との比較が繰り返し実行される。但し、M個の時間位置についての全ての可能な組み合わせが用いられてもなおベースバンド出力信号153が閾値Th1よりも小さい場合は、同期捕捉処理を断念する、或いは、最初から同期捕捉処理をやり直す。
第2段階の同期捕捉処理、言い換えれば、最終相関一致の検出は、第2相関器132に信号154が入力されたときに開始する。
第2相関器132には、信号154の他に、受信信号150及びテンプレート信号156が入力される。
ここで、第2相関器132に入力されるテンプレート信号の取得過程について説明する。
先ず、単一探索位置生成器144に、予備相関一致が検出された時のM個の時間位置が、バッファ142から入力される。そして、単一探索位置生成器144において、テンプレート信号を作成するためのM個の時間位置のうち1個が選択され、単一テンプレート生成器146に通知される。単一テンプレート生成器146では、通知された単一の時間位置及び時間ホッピング符号源140から入力されたユーザ固有の時間ホッピング符号に従って、単一のテンプレート信号156が生成される。ここで生成されるテンプレート信号156は、予備相関一致時に生成されたM個のテンプレート信号152と同一である。
第2相関器132において、受信信号150とテンプレート信号156とが乗算され、その乗算結果が積分される。これによって得られたベースバンド出力信号155は、第2比較器134に入力される。以下の説明において、第2相関器134における一連の処理を最終相関演算と言うことがある。
第2比較器134では、第2相関器134から出力されたベースバンド出力信号155が、所定の閾値Th2(Th2<Th1)と比較される。ベースバンド出力信号155が閾値Th2より大きい又は閾値Th2と等しい場合、すなわち、最終相関一致が検出された場合、同期捕捉に成功したものとして、一連の同期捕捉処理を完了する。
一方、ベースバンド出力信号155が閾値Th2よりも小さい場合、すなわち、最終相関一致が検出されなかった場合、先ほど選択された、テンプレート信号を作成する1個の時間位置が、単一探索位置生成器144によって、再度選択される。この再選択は、M個の時間位置のうち、既に選択された時間位置以外の1個の時間位置を選択することによって為される。再度選択された時間位置は、単一テンプレート生成器146に通知される。
ベースバンド出力信号155が閾値Th2よりも小さい限り、1個の時間位置の再選択、単一のテンプレート信号156の生成、最終相関演算、及びベースバンド出力信号155と閾値Th2との比較が、繰り返し実行される。但し、M個の時間位置全てが用いられても、なおベースバンド出力信号155が閾値Th2よりも小さい場合、第1段階の同期捕捉処理(第1相関器による相関処理)が、先ほどの予備相関一致が検出された時のものとは異なるM個の時間位置で再開される。
続いて、テンプレート重畳器126において実行されるテンプレート信号152の好ましい重畳方法について説明する。ここでは、2つのテンプレート信号が重畳される場合を例にとって説明する。
図3(a)に示すように、テンプレート信号170、171は、開始時間位置t、tをそれぞれ有する。よって、テンプレート信号170、171の時間差は、ΔT×8である。この場合、図3(b)に示すように、テンプレート信号171の遅延区間173の信号、つまり、テンプレート信号171においてテンプレート信号170の終了時間位置よりも後方に位置している部分の信号が、テンプレート信号171の開始時間位置の直前区間172に移される。以下の説明では、このような処理を循環シフトと言うことがある。
テンプレート信号171に対する循環シフトの実行により、テンプレート信号170と同一の開始時間位置及び終了時間位置を有するテンプレート信号174が得られる。そして、テンプレート信号170、174が重畳され、その結果として重畳テンプレート信号175が生成される。
テンプレート重畳器126では、常に互いに同じ開始時間位置及び終了時間位置を有する複数のテンプレート信号が得られ、それらが互いに重畳されるため、生成される重畳テンプレート信号のシンボルフレーム持続時間Tsを、常に一定に且つ最小値に保つことができる。
図3(a)に示された時間位置t、tのいずれかが、受信信号150の到来タイミングtと同一であれば、重畳テンプレート信号175と受信信号150とを用いた予備相関演算の結果として得られるベースバンド出力信号151は、閾値Th1よりも大きく又は閾値Th1と等しくなる。この場合、テンプレート信号170又はテンプレート信号171と受信信号150とを用いた最終相関演算を行うことにより、受信信号150の到来タイミングtを知ることができる。しかし、時間位置t、tがいずれも、受信信号150の到来タイミングtと異なる場合は、ベースバンド出力信号151は、閾値Th1よりも小さくなる。この場合、複数のテンプレート信号170、171がいずれも除外され、他の複数のテンプレート信号が同時に使用されることとなる。このため、本実施の形態の同期捕捉処理は、従来のシリーズ探索の構成をベースにしたシンプルな構成を採りながら、従来のパラレル探索の同期捕捉速度に匹敵することができる。なお、時間位置t、tのいずれかが受信信号150の到来タイミングtと同一であっても、受信信号に加わっている雑音電力や、マルチパス信号電力が大きい場合、相関結果が閾値Th1を超えず、相関が検出されないことがあることは言うまでもない。
ところで、互いに重畳されて重畳テンプレート信号を成す複数のテンプレート信号(言い換えれば、複数の時間位置)は、体系的に選択される必要がある。複数のテンプレート信号の選択、すなわち、複数探索位置生成器122での時間位置の選択方法としては、幾つかの形態が挙げられる。
第1の好適な形態は、ビット逆順(bit reversal)を使用することである。例えば、1サブフレームにおけるパルス存在区間の数が16個(2個)の場合を例にとって説明する。図4に示すように、16個の整数0、1、2、3、・・・、14、15は、バイナリビット表現では、0000、0001、0010、0011、・・・、1110、1111としてそれぞれ表すことができる。ビットの順番を逆転すると、16個のバイナリビット表現は、順に、0000、1000、0100、1100、・・・、0111、1111である。ビット順逆転後のバイナリビット表現を整数に変換すると、16個の整数は、順に、0、8、4、12、・・・、7、15である。
このようにして得られた新しい整数列に従って、複数のテンプレート信号のための複数の時間位置を選択することができる。例えば2つの時間位置を選択する必要がある場合は、[t、t]、[t、t13]、・・・、[t、t16]を順次選択することができる。これにより、選択された複数のテンプレート信号が重畳されるときに複数のテンプレート信号が相互に干渉したりキャンセルしたりするのを抑制することができる。
第2の好適な形態は、選択される複数のテンプレート信号間の各時間差を、パルス幅Tpの整数倍に設定することである。この場合、複数のテンプレート信号が重畳されたとき、テンプレート信号の組合せによっては、いずれか2つのテンプレート信号の中のパルスが互いに強め合うように重なることがある。その様子が図5(a)及び図5(b)に例示されている。
図5(a)に示すように、テンプレート信号180、181は、開始時間位置t、t13をそれぞれ有する。なお、パルス区間Tiはパルス幅Tpに等しい。そして、図5(b)に示すように、テンプレート信号181の遅延区間183の信号、つまり、テンプレート信号181においてテンプレート信号180の終了時間位置よりも後方に位置している部分の信号が、テンプレート信号181の開始時間位置の直前区間182に移される。
テンプレート信号181に対する循環シフトの実行により、テンプレート信号180と同一の開始時間位置及び終了時間位置を有するテンプレート信号184が得られる。そして、テンプレート信号180、184が重畳され、その結果として重畳テンプレート信号185が生成される。
テンプレート信号180、184が重畳されるとき、パルス区間Tiがパルス幅Tpと等しく設定されているため、それぞれのパルス186、187は、相互に強め合うように重なり合う。重なったパルス188は、他のパルスと同じ形状を有するが、他のパルスに比べて2倍の振幅を有する。このため、パルス186、187が強め合うように重なるとき、テンプレート信号180、184のパルスが相互にキャンセルすることは起こり得ない。
なお、パルスの相互キャンセルが発生した場合、受信信号150の到来タイミングtが見逃される可能性が増大してしまう。そこで、各時間差をパルス幅Tpの整数倍に設定することによってパルスの相互キャンセルが回避されることで、短期間でより確実な同期捕捉を実現することができる。
また、複数のテンプレート信号180、184が重畳されるときに生じるパルス186、187の重なりを許容することにより、より多い数のテンプレート信号の多重が可能となり、同期捕捉処理の更なる短縮化が可能となる。
このように、本実施の形態によれば、従来のシリーズ探索の構成をベースにしたシンプルな構成を採りながら、従来のパラレル探索の同期捕捉速度に匹敵することができる。
なお、本実施の形態の同期捕捉装置100は、シリーズ探索のみの構成をベースにしているが、同期捕捉装置100にパラレル探索の構成を導入しても良い。例えば、第1段階においては複数の第1相関器112が、第2段階においては複数の第2相関器132が、それぞれ並列で使用される構成をとることもできる。これにより同期捕捉の更なる高速化を実現することができる。
また、以上の説明では、テンプレート信号及び受信信号に高周波成分が含まれる信号を用いた場合について述べた。但し、テンプレート信号及び受信信号は前述のものだけに限定されない。例えば、ダイオード等によって交流信号を部分的に切り取ったり、交流信号を積分器で積分するエンベロープ検波によって交流成分を取り除いたりした信号を受信信号として用いてもよく、更に、このような受信信号に応じたテンプレート信号を用いてもよい。
図10に、上記説明におけるテンプレート信号及び受信信号と異なる信号形状を用いた場合の例を示す。図10Aには、受信信号1000と重畳されたテンプレート信号1002とが示され、1001が1つのパルス信号である。パルス信号1001としては、例えば或る周波数帯域の周波数成分を有する信号を用いることができ、具体的な周波数としては24GHz〜29GHz帯であったり、59GHz〜66GHz帯であったりする。図10Bに示す1003は、受信信号1000とテンプレート信号1002とを乗じた信号であり、受信信号1000とテンプレート信号1002とが完全に同期していれば、パルス1004は正の極性の成分のみとなる。図10Cの1005は、パルス1004をフィルタで平滑化した信号であり、第1相関器112の出力信号151がこれにあたる。1006は個別パルスである。図10Dの1007は、前述の信号1005を、例えばマッチドフィルタ等で処理した信号、すなわちTs全体での相関結果を表す信号であり、1008はその相関ピークである。この相関ピーク1008の振幅が所定のしきい値を超えるか否かを第1比較器114が検出し、予備相関の判定を行なう。
また、本実施の形態において、各テンプレート信号の開始時間差が同一であるような重畳テンプレート信号を用いることもできる。このような重畳テンプレート信号は、例えば、重畳テンプレート信号が第1相関器112に入力される時間を、可変遅延回路を用いて変更することによって、生成することができる。ここで、可変遅延回路の遅延時間は任意に設定することができる。遅延時間を比較的短い時間に設定することで相関タイミングの見落としを防ぐことができ、遅延時間を比較的長い時間に設定することで試行回数を減らすことができる。また、遅延時間は、例えばパルス幅Tpの1/5〜1/20の範囲内で可変に設定することができる。
また、以上の説明ではビットの並び順として図4に示す一例を用いた場合について記載したが、他の並び順を用いることでハミング距離を長くし、誤り訂正効果を高めるように実施してもよい。並び順の決定方法の一例を図18に示す。
図18のフローでは、M−aryのPPMとN−aryのPAMを組み合わせた変調方式を用いている。順を追って説明する。まず、M行N列のマトリックスに全てのパルス位置、振幅を順番に当てはめるが、MとNとの両方がともに2の整数乗であるかを確認する(S1701)。2の整数乗であれば(S1701:YES)、N列、M行に全ての波形を当てはめる(S1702)。次に、列と行のいずれかの方向に各データを当てはめるかを決める。ここでは、MとNとの大小を判断(S1703)し、数の少ない方を基準に以降の処理を行う。ここからはNを選択した場合(S1703:NO)について説明をつづける。Nが2より大きいか否かを判定(S1704)して、2より大きければ(S1704:YES)、N列を2つに分割、最初の並びにプレフィックスビットとして“0”を、残りの並びに“1”を追加する(S1705)。その後、Nを2で割り(S1706)、更新されたNが2以下となるまで続ける。Nが2以下となったら(S1704:NO)、各並びにパルス位置を割り当てる(S1707)。最後に割り当てられたプレフィックス毎にグループ化して割り当てテーブルを完成させる(S1708)。なお、S1703における判断の結果、MがN未満の場合(S1703:YES)には、Mを基準としてS1709、S1710、S1711の処理を行う。
図19に8−ary PPMと4−ary PAMを用いた場合を示す。632は、マトリックスに全てのパルスを当てはめた状態で、8−aryPPMによる8つの位置の違うパルスと、4−aryPAMによる2つの振幅と2の位相状態による、合計32の異なる条件のパルスが存在する。600〜631は、ブロック632のパルスを示し、縦軸、つまりN−aryが隣同士のパルスのハミング距離が遠くなるように、パルス600〜615には、プレフィックスビット“0”を割り当て、パルス616〜631にはプレフィックスビット“1”を割り当てる。この状態が、ブロック634とブロック636とである。ここで、N=2であるので、N−aryについての割り当ては終了する。
次に、ブロック634のパルス600〜615について説明する。ここでは、横軸、つまり、M−aryが隣同士のパルスのハミング距離が遠くなるようにパルスを割り振る。例えば、パルス位置600と601とはハミング距離が近いため、ブロック700には、パルス600、602、・・・、612、614を割り当て、ブロック702には、パルス601、603、・・・、613、615を割り当てる。
次に、M=4であるので、隣同士のパルスのハミング距離が遠くなるにようにパルスを割り振り、例えば、ブロック704には、600、602、612、614を割り当て、ブロック706には、パルス604、606、608、610を割り当てる。
次に、N=2、M=2となるので、各ブロックのパルスにビットを割り当てる。なお、全ての隣り合うパルスのハミング距離が遠くなることを考慮して、ブロック712に示すように、8−aryPPMと4−aryPAMとを考慮して、ブロック706では、パルス606、604、610、608の順にビットを割り当てる。なお、ブロック636についても同様に処理し、ブロック636のパルスに対してブロック714のビットを割り当てる。
以上より、パルス600には、プレフィックスビットの「0」と、割り当てられたビット「0000」とから、「00000」が割り当てられ、パルス631には、「11100」が割り当てられることになる。このことで、パルス判定誤りがあった場合、データ誤り箇所がまとまっているため誤り訂正によるデータ訂正が容易になる。
このようにすることで、位置および振幅が類似するパルスに対して、ハミング距離の遠いビット列が対応づけられたマッピングテーブルを作成することが可能となる。すなわち、上記マッピングテーブルを用いてデータ送信するインパルス無線送信装置は、パルスマッピング位置数(ここではパルス位置およびパルス振幅の組み合わせ数)に応じてマッピングテーブルを変更するマッピングコントロール部と、前記パルスマッピング数に応じてデータを分割するデータ分割部と、前記データ分割部の出力するデータ列(このデータ列は、パルスマッピング数を表すビット数を持つ)と前記マッピングテーブルをもちいてマッピングを行うマッピング実施部とを具備する。また、受信側のインパルス無線受信装置は、パルスマッピング位置数(つまり、ここでは位置および振幅の組み合わせ数)に応じてマッピングテーブルを変更するマッピングコントロール部と、前記パルスマッピング数に応じて受信データを分割するデータ分割部と、前記データ分割部の出力するデータ列(このデータ列は、パルスマッピング数を表すビット数を持つ)と前記マッピングテーブルをもちいてマッピングを行うマッピング実施部とを具備する。
このマッピングテーブルを作成する際の考え方を複数探索位置生成器122に適用することにより、パルス位置及びパルス振幅に応じてビットの並び順が決定されたテンプレート信号を選択する複数探索位置生成器122を実現することができる。さらに、そのテンプレートは、パルス位置又はパルス振幅の一方に基づいてビットの並び順を決定した後に、残りの一方に基づいてビットの並び順を決定した信号である。
図20は同様に16−PPMで実施した場合である。ブロック916は、マトリックスに全てのパルスを当てはめた状態で、16−aryPPMによる16つの位置の違う、合計16の異なる条件のパルスが存在する。900〜915は、ブロック916のパルスである。ブロック917は、各パルスを番号のみで表したものである。
次に、パルスのハミング距離が遠くなるようにパルスを割り振る。その結果が、ブロック918およびブロック920である。それぞれをさらに2つに分割し、その結果がブロック922、924、926、928となる。そして、各ブロックのパルスに対して全ての隣り合うパルスのハミング距離が遠くなることを考慮して、ビットを割り当てる。この流れが、ブロック930、932、934に示される。この場合においてもパルス判定を誤り易い900と901とはそれぞれ“0000”と“1111”とに対応させることで、同様の効果を得られる。なお、パルス位置、振幅の違いによる多値数を固定とせず、例えば誤り率や、受信電力の変化を検出して増やしたり、減らしたりしても良い。誤り率の変化は復調部にカウンタ等の検出手段を設ければよく、受信電力の変化は、例えばRSSI信号を用いることが一般的に行なわれている。
また、以上の説明では、通信に用いる信号の搬送波周波数や、複数の端末を用いた際のマルチアクセス方法について記載をしていないが、TDMAやFDMAといった一般的な方法によって実現可能である。
例えば、TDMAでは、同一の搬送波周波数帯域、例えば60GHz帯にて同一の変調方式を用いた端末が複数通信を行なう場合には、同期・認証用のデータ列が通信開始時に用いられ、このデータ列を各端末が識別することによって通信の衝突を避けることが一般的に行なわれる。
これに対し本装置では、同期・認証・復調用のデータ列が異なる搬送波周波数帯の信号で送られてきても、複数のテンプレート信号をこれに応じた異なる搬送波周波数帯の信号とすることで同期・認証・復調することが可能である。異なる搬送波周波数帯の信号としては、例えば3GHz〜10GHz帯を用いたマイクロ波の信号と、25GHz帯又は60GHz帯を用いた信号のいずれかとを組み合わせることができる。なお、組み合わせ方法としては、例えば待ち受け時や、通信距離が遠い場合、通信機器間が見通し環境に無いといった場合にはマイクロ波の信号を用い、通信確立後や、機器間が近接していたり、見通し環境にあったりといった環境では60GHz帯を用いることにしても良い。
また、以上の搬送波周波数帯だけでなく、複数のテンプレート信号を異なる変調方式の信号とすることで、異なる変調方式の通信システムが混在しても同期・認証・復調することが可能となる。異なる変調方式の信号としては、例えば振幅、位相、位置変調を行なったインパルス通信と、直接変調したUWB通信、OFDM変調したUWB通信のいずれかを組み合わせることができる。
また、以上の説明では複数のテンプレート信号を重畳する頻度について述べていないが、同一の頻度で出現させても、異なる頻度で出現させても良い。また、出現頻度を通信状態に応じて変更しても良い。変更方法としては、例えばBPSKのような位相同期が必要な信号を受信する際に、まずはエンベロープを用いて大まかな同期を確立できるテンプレート信号の出現頻度を高くし、エンベロープ単位での同期が所定の値を越えた後に、位相同期を確立できる位相情報を有するテンプレート信号の出現頻度を高くすることで同期の短時間化と高精度化を実現するようにしても良い。同様に、複数の変調方式を受信する場合も出現頻度を変更しても良い。
例えば、インパルス通信信号とOFDM通信信号が混在した通信環境で、インパルス通信を行なう装置では、通信開始時にはインパルス通信信号を受信可能なテンプレート信号と、OFDM通信信号を受信可能なテンプレート信号を重畳しておき、通信相手のインパルス通信信号の発見、同期・認証・復調を行なうと共に、OFDM通信信号の発見を合わせて行い、例えば通信タイミングの調整等を行なうことで機器間干渉を低減することを行うことができる。なお、調整後はOFDM通信信号を受信可能なテンプレート信号の出現頻度を低くすることで、インパルス通信信号の受信可能時間を増やすように制御しても良い。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2に係る同期捕捉装置の構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態で説明する同期捕捉装置200は、実施の形態1で説明した同期捕捉装置100と同様の基本的構成を有する。よって、実施の形態1で説明したものと同一の構成要素には同一の参照番号を付し、その詳細な説明を省略する。
同期捕捉装置200は、実施の形態1で説明した時間ホッピング符号源140及びバッファ142の他に、相関器202、適応比較器204、適応探索位置生成器206、適応テンプレート生成器208、及びテンプレート重畳器210を有する。相関器202は、基本的に、実施の形態1で説明した第1相関器112及び第2相関器132の双方の機能を有する。適応比較器204は、基本的に、実施の形態1で説明した第1比較器114及び第2比較器134の双方の機能を有する。適応探索位置生成器206は、基本的に、実施の形態1で説明した複数探索位置生成器122及び単一探索位置生成器144の双方の機能を有する。適応テンプレート生成器208は、基本的に、複数テンプレート生成器124及び単一テンプレート生成器146の双方の機能を有する。テンプレート重畳器210は、基本的に、実施の形態1で説明したテンプレート重畳器126の機能を有する。
次いで、上記構成を有する同期捕捉装置200において実行される一連の同期捕捉処理について説明する。図7は、本実施の形態の同期捕捉処理を説明するためのフロー図である。一連の同期捕捉処理は、実施の形態1で説明したものと同様、基本的に2段階の同期捕捉を含んでいる。但し、本実施の形態の同期捕捉処理では、重畳テンプレート信号の取得に際して選択される時間位置の数L(Lは自然数)は、変数(実施の形態1では、数Mは固定値であった)である。これにより、多段階の同期捕捉処理を含む一連の同期捕捉処理を実行することができる。第1段階の同期捕捉処理はLの初期化とともに開始され、第二段階以降の各段階の同期捕捉処理はLの低減とともに開始される。また、Lの値が1に設定されたときに行われる同期捕捉処理を最終段階と言うことができ、この段階よりも前の全ての段階を予備段階と総称することができる。
同期捕捉処理は、ステップS570において開始する。そして、ステップS572において、時間位置の数L及び閾値Thを含む全てのパラメータが初期化される。
そして、ステップS574では、適応探索位置生成器206が、バッファ142からの全ての時間位置の中からL個の時間位置を選択するとともに、選択したL個の時間位置をバッファ142に記憶する。そして、ステップS576では、選択されたL個の時間位置が適応探索位置生成器206から適応テンプレート生成器208に通知される。ステップS578において、適応テンプレート生成器208は、通知されたL個の時間位置及び時間ホッピング符号源140からの時間ホッピング符号に従ってL個のテンプレート信号を生成し、テンプレート重畳器210は、生成されたL個のテンプレート信号を重畳し、その結果として重畳テンプレート信号を得る。そして、ステップS580に進む。
なお、ステップS578で得られた重畳テンプレート信号が特定のパルス配置を有する場合、テンプレート重畳器210は、その重畳テンプレート信号、特に、特定のパルス配置に対して、部分的な変更を加えることができる。
特定のパルス配置の一例としては、重畳テンプレート信号において、複数のパルスが時間間隔なしに隣接しているような配置が挙げられる。このようなパルス配置を有する重畳テンプレート信号が生成された場合、テンプレート重畳器210は、そのパルス配置の中の先頭パルス以外の少なくとも1つのパルスを間引く。このようなパルス配置が存在する場合は、例えば伝送チャネルの状況に依存して到来タイミングtが誤検出される可能性がある。よって、前述のような間引きを行うことにより、到来タイミングtの誤検出を防止することができる。
ステップS580では、相関器202が、受信信号150と重畳テンプレート信号とを乗算し、乗算結果を積分し、その結果として相関器202の出力信号であるベースバンド出力信号を得る。なお、以下の説明において、相関器202における一連の処理を相関演算と言う。
そして、ステップS582において、適応比較器204が、相関演算によって生成されたベースバンド出力信号が、閾値Thと比較される。ベースバンド出力信号が、閾値Thより大きい又は閾値Thと等しい場合(S582:NO)、すなわち、相関一致が検出された場合は、ステップS588に進む。ベースバンド出力信号が閾値Thよりも小さい場合(S582:YES)、すなわち、相関一致が検出されなかった場合は、ステップS584に進む。
ステップS584では、相関一致が検出されなかったため、適応探索位置生成器206が、L個の時間位置全てを再度選択する。より具体的には、既に選択された時間位置と異なるグループに属するL個の時間位置が、バッファ142から新たに選択される。なお、Lの現在値が、ステップS590で調整された後の値である場合、ステップS584での新たなL個の時間位置の選択は、特定の範囲に制限される。つまり、ステップS590にて、Lの数が減数された場合は、新たなL個の時間位置の選択は、減数されたL個について行う。バッファ142は、再度選択されたL個の時間位置で更新される。そして、ステップS586に進む。
なお、ステップS584において、Lの現在値が1でない場合において、前述した特定の範囲内の全ての時間位置が既に選択され、新たにL個の時間位置を選択することができないときは、同期捕捉処理を断念するか、前段階から同期捕捉処理をやり直すか、第1段階から同期捕捉処理をやり直す。
また、Lの現在値が1である場合において、前述した特定の範囲内の全ての時間位置が既に選択され、新たに1つの時間位置を選択することができないときは、前段階から同期捕捉処理をやり直すか、第1段階から同期捕捉処理をやり直す。
ステップS586では、調整されたL個の時間位置が、適応探索位置生成器206から適応テンプレート生成器208に通知され、ステップS578に戻る。
ステップS588では、Lの現在値が1であるか否かが判断される。Lの現在値が1でない場合は(S588:NO)、先ほど検出された相関一致は最終相関一致ではない、つまり、先ほど検出された相関一致は予備相関一致である、とみなされる。この場合、ステップS590において、Lの値が低減される。例えば、Lの値を、現在値から、現在値を4で除算した値を下回らない最小の整数に、置き換える。また、数Lの低減に伴って、閾値Thが調整される。
つまり、Lが1であれば、最終的に決定したタイミングであるため、高めの閾値Thで最終的な相関の判断をする。また、Lが1以外であれば、同期となる時間位置の候補を選択するために、低めの閾値Thを用いて、相関値の中から高めの値が出るタイミングをふるいにかける。
そして、ステップS574に戻り、次段階の同期捕捉処理が開始される。
一方、Lの現在値が1である場合は(S588:YES)、先ほど検出された相関一致は最終相関一致であるとみなされる。よって、一連の同期捕捉処理が完了する(S592)。
ところで、同期捕捉処理を開始するときの数Lの初期値は、同期捕捉処理の所要時間及び精度に大きく影響を与える要素であるため、その設定は非常に重要である。Lの値が大きいほど、グループ内干渉(つまり、重畳された複数のテンプレート信号が互いに干渉すること)が大きくなる。低デューティサイクル(Tp/Tfが小さい)が採用されたシステムであれば、グループ内干渉を抑制しつつLの値を増大させることができる。数Lの初期値の設定方法としては様々なものを用いることができる。
例えば、Lの初期値が、受信信号150の伝送チャネルの品質(例えば受信誤り率)に基づいて可変設定される。言い換えれば、重畳されるテンプレート信号の数が、伝送チャネルの品質に基づいて可変設定される。具体的には、品質が良好であれば、比較的小さい数のテンプレート信号が重畳され、品質が良好でなければ、比較的大きい数のテンプレート信号が重畳される。これにより、同期捕捉処理の所要時間及び精度を、伝送チャネル品質に応じて最適化することができる。
或いは、Lの初期値が、受信信号150の受信電力(例えば、受信信号150の強度を表すRSSI(Received Signal Strength Indicator))に基づいて可変設定される。言い換えれば、重畳されるテンプレート信号の数が、受信電力に基づいて可変設定される。具体的には、受信電力が比較的大きければ、比較的小さい数のテンプレート信号が重畳され、受信電力が比較的小さければ、比較的大きい数のテンプレート信号が重畳される。これにより、同期捕捉処理の所要時間及び精度を、受信電力に応じて最適化することができる。
或いは、Lの初期値が、前回の一連の同期捕捉処理に関する情報、例えば、相関器202における前回の同期捕捉時の積分結果の分散値に基づいて可変設定される。言い換えれば、重畳されるテンプレート信号の数が、前回の一連の同期捕捉処理に関する情報に基づいて可変設定される。具体的には、分散値が比較的小さければ比較的小さい数のテンプレート信号が重畳され、分散値が比較的大きければ比較的大きい数のテンプレート信号が重畳される。これにより、同期捕捉処理の所要時間及び精度を、過去の同期捕捉処理の結果に応じて最適化することができる。
或いは、Lの初期値が、一連の同期捕捉処理の再試行回数に基づいて可変設定される。言い換えれば、重畳されるテンプレート信号の数が、再試行回数に基づいて可変設定される。具体的には、再試行回数が比較的大きければ、処理時間短縮のため、比較的小さい数のテンプレート信号が重畳され、再試行回数が比較的小さければ、処理時間の短縮よりも、精度向上のため、比較的大きい数のテンプレート信号が重畳される。これにより、同期捕捉処理の所要時間及び精度を、再試行回数に応じて最適化することができる。
図8は、時間位置の数Lの初期値設定の一例を説明するためのフロー図である。
初期値設定処理は、ステップS1000にて開始される。そして、ステップS1002において、Lの値が初期化される。初期化後のLの値は、2以上の任意の自然数である。
そして、ステップS1004において、図示されない測定器がRSSIを測定する。そして、ステップS1006において、RSSIが所定の閾値R1と比較される。RSSIが閾値R1よりも小さい場合(S1006:YES)、Lの値は低減され、これに伴って閾値Thも調整され(S1010)、ステップS1014に進む。一方、RSSIが閾値R1よりも大きい又は閾値R1と等しい場合(S1006:NO)、ステップS1008に進む。
ステップS1008では、RSSIが所定の閾値R2(R2>R1)と比較される。RSSIが閾値R2よりも大きい場合(S1008:YES)、Lの値は増大され、これに伴って閾値Thも調整され(S1012)、ステップS1014に進む。RSSIが閾値R2よりも小さい又は閾値R2と等しい場合(S1008:NO)、Lの値が増減されることなくステップS1014に進む。
ステップS1014では、例えば図7を用いて説明した一連の同期捕捉処理が実行される。そして、ステップS1016で、同期捕捉処理が完了したか否かが判断される。
同期捕捉処理が完了せず、同期捕捉処理が第1段階からやり直される場合は(S1016:NO)、ステップS1020に進み、同期捕捉処理が完了した場合は(S1016:YES)、ステップS1018にて初期値設定を終了する。なお、同期捕捉処理が途中で断念された場合も、ステップS1018にて初期値設定を終了する。また、ある段階の同期捕捉処理から、その前段階の同期捕捉処理に戻る場合は、ステップS1014の同期捕捉処理の実行が継続しているとみなされる。
ステップS1020では、一連の同期捕捉処理の再試行回数がカウントされ、バッファ142に記憶される。記憶された再試行回数は、ステップS1022において、所定の閾値Yと比較される。
再試行回数が閾値Yよりも大きい場合は(S1022:YES)、ステップS1024において、Lの値が低減され、これに伴って閾値Thが調整される。そして、ステップS1014に進む。また、再試行回数が閾値Yよりも小さい又は閾値Yと等しい場合は(S1022:NO)、Lの値が低減されることなくステップS1014に進む。
続いて、相関器202において実行される積分の積分長制御について図9を用いて説明する。
相関器202は、振幅A2を有する重畳テンプレート信号221(又はテンプレート信号)と振幅A1を有する受信信号220との乗算の結果を積分するための積分区間Tintegralの長さを、可変設定することができる。よって、積分長を、テンプレート信号又は重畳テンプレート信号のシンボルフレーム持続時間Tsと同じ長さに設定することもでき、シンボルフレーム持続時間T2よりも短く設定することができる。相関器202は、シンボルフレーム持続時間Tsにわたり、テンプレート信号又は重畳テンプレート信号と受信信号220とを乗算して、積分区間Tintegralにわたり、その乗算結果222(振幅A3を有する)を積分する。
積分区間Tintegralの積分長が、シンボルフレーム持続時間Tsよりも短く設定された場合に得られるベースバンド出力信号B2と、積分区間Tintegralの積分長が、シンボルフレーム持続時間Tsと同じ長さに設定された場合に得られるベースバンド出力信号B1とは、それぞれに対応する値に設定された閾値Thと比較される。
積分区間Tintegralは、シンボルフレームの中の任意の部分に設定することができる。積分長がシンボルフレーム持続時間Tsよりも短いとき、同期捕捉処理の所要時間を短縮化することができる。但し、受信信号220の到来タイミングtの見逃しを回避するのに、十分な数のパルスを積分するためには、積分長はサブフレーム持続時間Tfよりも長い必要がある。例えば、積分長はTf×3に設定される。
また、例えば、積分長は、最初に短く設定され徐々に長く設定されても良い。
或いは、積分長は、受信信号220の伝送チャネルの品質(例えば、受信誤り率)に基づいて、可変設定されるも良い。具体的には、品質が良好であれば積分長を長く設定して、同期捕捉処理の所要時間の短縮化を図り、品質が良好でなければ積分長を短く設定して、複数の到来タイミング候補の発見の早期化を図る。
或いは、積分長は、受信信号220の受信電力(例えばRSSI)に基づいて、可変設定されても良い。具体的には、受信電力が比較的大きければ積分長を長く設定して、同期捕捉処理の所要時間の短縮化を図り、受信電力が比較的小さければ積分長を短く設定して、複数の到来タイミング候補の発見の早期化を図る。
或いは、積分長は、前回の一連の同期捕捉処理に関する情報、例えば、相関器202における前回の同期捕捉時の積分結果の分散値に基づいて、可変設定されても良い。具体的には、分散値が比較的小さければ積分長を長く設定して、同期捕捉処理の所要時間の短縮化を図り、分散値が比較的大きければ積分長を短く設定して、複数の到来タイミング候補の発見の早期化を図る。
また、前述のとおり、積分区間Tintegralは、シンボルフレームの中の任意の部分に設定することができる。好ましくは、優先的に相関演算を行うべき区間を、積分区間Tintegralとして設定することができる。
その一例についてより詳しく説明する。適応テンプレート生成器208によって生成される各テンプレート信号、及びテンプレート重畳器210によって生成される各重畳テンプレート信号は、互いの相関性が相対的に高い複数の部分信号を含む第1の組み合わせと、互いの相関性が相対的に低い複数の部分信号を含む第2の組み合わせと、を有する。そこで、相関器202は、第1の組み合わせに含まれる全ての部分信号と、受信信号220の中で、その部分信号に対応する部分との乗算の結果を積分する。積分結果が所定の閾値を超過した場合は、積分区間Tintegralを徐々に長く設定して、再度閾値判定を行うという手順を繰り返す。最終的に重畳テンプレート信号全体又はテンプレート信号全体と受信信号220との相関演算結果が所望の閾値を超過した場合、同期捕捉が完了したと判断することができる。
このように、本実施の形態によれば、各パラメータ(L及びThなど)の適応制御を追加することにより、装置全体の構成をよりシンプルにすることができる。
なお、本実施の形態の同期捕捉装置200は、シリーズ探索のみの構成をベースにしているが、同期捕捉装置200にパラレル探索の構成を導入しても良い。例えば、各段階において複数の相関器202が、それぞれ並列で使用される。これにより同期捕捉の更なる高速化を実現することができる。
なお、以上の説明にて受信電力に基づいて重畳するテンプレートを切り替える例について記載したが、マルチパス状態を判定し、重畳するテンプレートを切り替えても良い。図11、12を用いて説明する。図11Aの1100は送信信号であり、1101がパルスである。図11Bの1102が受信信号であり、マルチパス波によるパルス1103が存在している。図11Cの1104が重畳テンプレート信号である。受信信号1102と重畳テンプレート信号とが一致するように遅延時間を調整した結果、マルチパス波を捕捉した状態となっている。図12Aに、更に最適点を探している状態を示しており、マルチパス波であるパルス1103の前後を検索することで、これの前にある更に大きな振幅の信号を発見し、図12Bに示すように最適点に同期状態を移動する。更に図13に示すように重畳テンプレートを変更しても良い。図13Aは最適点に同期したの(同図における点線のテンプレート)とは別の時間のテンプレート1105(実線で表示)をマルチパス波の時間に変更する様子を示しており、図13Bに示すように、これによってマルチパス位置にも同期するため、相関信号の合成による受信感度改善や、例えばシャドーイング等による特定パスの遮断時にも同期を保持することが可能となる。
なお、以上の説明では、内部に有するテンプレートのみを重畳し、切り替える例について記載したが、受信波形をテンプレートの一つとして用いても良い。図14に受信信号をテンプレートとする部分の追加機能について示す。図14と図6で異なるのは受信波形バッファ1400を備えて適応テンプレート生成器208にその波形を入力して重畳するテンプレートの一つとしている点である。図15に受信波形を用いた重畳テンプレートを示す。1401は受信信号であり、1402がパルスの受信波形である。1403は重畳テンプレートであり、1404は受信波形バッファ1400から入力された受信波形パルスのテンプレート(実線で表示)、1405は内部発生パルスのテンプレート(点線で表示)である。このように受信波形をテンプレートとして用いることでより高い波形相関を得て、正確に同期捕捉を行なうことができる。
なお、以上の説明にて相関がしきい値以上であることを同期捕捉状態として記載したが、実際には雑音による誤った相関検出や、マルチパスによる第2、第3の相関が検出される。図16にその様子を示す。図16Aは受信信号と重畳テンプレートの状態を示しており、1500は同期に最適な最も電圧の大きなパルス、1501はマルチパスによる電圧の低いパルス、1502は雑音である。1503は重畳テンプレートで、マルチパス位置でも同期した状態である。この状態での相関ピークの様子を示すのが図16Bである。1504は最適なパルスとの相関によるピーク、1505はマルチパスとの相関によるピーク、1506は雑音との相関による誤ったピークである。最適なピークを検出し、予備検出を正しく終えるには、例えば複数の相関ピークを検出した場合は最も相関の高いピークを同期とみなす判定を入れればよく、誤ったピークを回避するには、所定の時間、ピークが存在することを判定条件とすれば良い。
なお、以上の説明では同期状態によってテンプレートの重畳数を変更する例を説明したが、図17に通信レートによって変更する例を示す。図17Aに通信機の配置イメージを示す。ユーザ1600は端末1601をもっており、データホルダ1602からデータをダウンロードする利用形態である。データホルダ1602と端末1601との距離が遠い場合、データホルダ1602から端末1601に届く電波は弱く、端末1601における受信電力と雑音の比が小さいため受信誤りが発生しやすい。また、直接波と反射・回折波の経路差が小さい、つまりは電力比、到達時間差が小さいため、マルチパスが多い通信状態となる。この状態ではパルス繰り返し周期を低くし、あわせて個々のパルスの振幅を大きくすることで受信電力と雑音の比を大きくすることが可能となり、また、パルス繰り返し周期を低くすることでシンボル間干渉を低減することも可能となる。この状態では通信レートを高くすることには不向きであるが、機器間の初期的な同期や、認証といった処理が可能である。この状態に続き、ユーザ1600はデータホルダ1602に接近していく。これに伴い、受信電力は大きくなり、受信誤りは小さくなる。マルチパスについても、直接波と反射・回折波の経路差が大きくなるため電力比が大きくなり、その影響が小さくなる。この状態では、パルス繰り返し周期を高く設定し、通信レートを高めることができる。通信レートを高めることは、ダウンロード時間を短くすることになり、データの秘匿性や、機器の消費電力を低く抑えることに効果を有する。図17Bは通信レートが低い場合であり、1603は受信信号、1604はパルスである。1605は重畳テンプレートであり、複数の開始時間の異なるテンプレートが重畳されている。図17Cは通信レートが高い場合の受信信号1606であり、パルス繰り返し周期を高めるために、受信信号のTf、TDは低レート時より短く変更されている。この場合、テンプレート1607には重畳するためのパルス間隔がなくなるため、テンプレートの重畳は行なわない。なお、以上の説明ではテンプレートの重畳数を2から1(重畳しない)に変更した例を記載したが、例えば重畳数を10から5といったように単に減らすことについても同様であることは言うまでもない。
以上、本発明の各実施の形態について説明した。なお、本発明に係る同期捕捉装置及び同期捕捉方法は、上記各実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、各実施の形態は、適宜組み合わせて実施することが可能である。また、上記各実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、ソフトウェアで実現することも可能である。
本発明の同期捕捉装置及び同期捕捉方法は、インパルス無線通信での用途に適している。
本発明の実施の形態1に係る同期捕捉装置の構成を示すブロック図 パルス位置変調を施された信号の一例を示す図 実施の形態1に係るテンプレート信号の重畳方法の説明に供する図 実施の形態1に係るビット逆順を用いた時間位置選択方法の一例を示す図 実施の形態1に係るテンプレート信号の他の重畳方法の説明に供する図 実施の形態2に係る同期捕捉装置の構成を示すブロック図 実施の形態2に係る一連の同期捕捉処理を例示するフロー図 実施の形態2に係る時間位置の数の初期値設定処理を例示するフロー図 実施の形態2に係る積分長制御の一例を示す図 図2および図5と異なる信号形状のテンプレート信号及び受信信号の相関の説明に供する図 送信信号、マルチパスが含まれる受信信号、及び重畳テンプレートの説明に供する図 受信信号にマルチパスが含まれる場合の同期補足方法の説明に供する図 受信信号にマルチパスが含まれる場合の他の同期補足方法の説明に供する図 テンプレート信号として受信信号の波形を利用する場合の同期捕捉装置の構成を示すブロック図 テンプレート信号として受信信号の波形を利用する場合の重畳テンプレートの説明に供する図 受信信号に雑音が重畳している場合の同期補足方法の説明に供する図 通信レートに従いテンプレート重畳数を変更する実施例の説明に供する図 変調方式としてPPMおよびPAMを利用する場合の各パルス位置とパルス振幅との組み合わせとビット列との対応付け方法の説明に供するフロー図 変調方式としてPPMおよびPAMを利用する場合の各パルス位置とパルス振幅との組み合わせとビット列との対応付け方法の説明に供する図 図19Aに続く図 変調方式として16−PPMを利用する場合の各パルス位置とビット列との対応付け方法の説明に供する図
符号の説明
100、200 同期捕捉装置
110 第1相関検出部
120 重畳テンプレート取得部
130 第2相関検出部
112 第1相関器
114 第1比較器
122 複数探索位置生成器
124 複数テンプレート生成器
126 テンプレート重畳器
132 第2相関器
134 第2比較器
144 単一探索位置生成器
146 単一テンプレート生成器
202 相関器
204 適応比較器
206 適応探索位置生成器
208 適応テンプレート生成器
210 テンプレート重畳器
1400 受信波形バッファ

Claims (22)

  1. インパルス無線通信のための同期捕捉を行う同期捕捉装置であって、
    各々が複数のテンプレート信号を重畳して成る複数の重畳テンプレート信号を取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された一の重畳テンプレート信号と受信信号との間の予備相関一致の検出を行うとともに、前記一の重畳テンプレート信号と前記受信信号との間の前記予備相関一致が検出されなかった場合、前記一の重畳テンプレート信号を前記取得手段によって取得された他の重畳テンプレート信号で置換してから前記予備相関一致の検出を行う予備検出手段と、
    前記予備検出手段によって前記予備相関一致が検出された場合、前記複数のテンプレート信号のうちいずれかのテンプレート信号と前記受信信号との間の最終相関一致の検出を行う最終検出手段と、
    を有する同期捕捉装置。
  2. 前記取得手段は、
    互いに異なる開始時間位置を有する複数のテンプレート信号を重畳する、
    請求項1記載の同期捕捉装置。
  3. 前記複数のテンプレート信号は、互いに異なる開始時間位置を有し、
    前記開始時間位置の時間解像度の整数倍が、パルス幅に相当し、
    前記取得手段は、
    前記一のテンプレート信号と前記他のテンプレート信号とを重畳する、
    請求項1記載の同期捕捉装置。
  4. 前記取得手段は、
    前記一のテンプレート信号と前記他のテンプレート信号とを重畳した場合に生じるパルスの重なりを許容する、
    請求項3記載の同期捕捉装置。
  5. 前記取得手段は、
    互いに重畳されるテンプレート信号の数を、前記受信信号の伝送チャネルの品質に基づいて、可変設定する、
    請求項1記載の同期捕捉装置。
  6. 前記取得手段は、
    互いに重畳されるテンプレート信号の数を、前記受信信号の受信電力に基づいて、可変設定する、
    請求項1記載の同期捕捉装置。
  7. 前記取得手段は、
    互いに重畳されるテンプレート信号の数を、前記予備検出手段及び前記最終検出手段によってそれぞれ行われた前記予備相関一致及び前記最終相関一致の検出を含む前回の一連の同期捕捉処理に関する情報に基づいて、可変設定する、
    請求項1記載の同期捕捉装置。
  8. 前記取得手段は、
    互いに重畳されるテンプレート信号の数を、前記予備検出手段及び前記最終検出手段によって、それぞれ行われた前記予備相関一致及び前記最終相関一致の検出を含む一連の同期捕捉処理の再試行回数に基づいて、可変設定する、
    請求項1記載の同期捕捉装置。
  9. 前記複数のテンプレート信号の持続時間よりも短い積分長を設定する積分長設定手段を更に有し、
    前記予備検出手段及び前記最終検出手段のいずれか一方は、
    重畳テンプレート信号又はテンプレート信号と前記受信信号との乗算結果を、前記積分長設定手段によって設定された前記積分長にわたって積分する、
    請求項1記載の同期捕捉装置。
  10. 前記積分長設定手段は、
    前記積分長を、前記受信信号の伝送チャネルの品質に基づいて、可変設定する、
    請求項9記載の同期捕捉装置。
  11. 前記積分長設定手段は、
    前記積分長を、前記受信信号の受信電力に基づいて、可変設定する、
    請求項9記載の同期捕捉装置。
  12. 前記積分長設定手段は、
    前記積分長を、前記予備検出手段及び前記最終検出手段によって、それぞれ行われた前記予備相関一致及び前記最終相関一致の検出を含む前回の一連の同期捕捉処理に関する情報に基づいて、可変設定する、
    請求項9記載の同期捕捉装置。
  13. 前記取得手段は、
    前記複数の重畳テンプレート信号のうち、時間間隔なしに隣接する複数のパルスを有する重畳テンプレート信号を部分的に変更することによって、前記一の重畳テンプレート信号又は前記他の重畳テンプレート信号を取得する、
    請求項1記載の同期捕捉装置。
  14. 前記取得手段は、
    前記複数のパルスのうち先頭のパルス以外のいずれかのパルスを間引く、
    請求項13記載の同期捕捉装置。
  15. 前記複数のテンプレート信号の各々及び前記複数の重畳テンプレート信号の各々は、互いの相関性が相対的に高い複数の部分信号を含む第1の組み合わせと、互いの相関性が相対的に低い複数の部分信号を含む第2の組み合わせと、を有し、
    前記予備検出手段及び前記最終検出手段のいずれか一方は、
    前記第1の組み合わせと前記受信信号との乗算の結果を積分する、
    請求項1記載の同期捕捉装置。
  16. インパルス無線通信のための同期捕捉を行う同期捕捉方法であって、
    複数のテンプレート信号を重畳して成る一の重畳テンプレート信号を取得し、
    前記一の重畳テンプレート信号と受信信号との間の予備相関一致の検出を行い、
    前記一の重畳テンプレート信号と前記受信信号との間の前記予備相関一致が検出されなかった場合、前記複数のテンプレート信号を重畳して成る他の重畳テンプレート信号を取得し、
    前記一の重畳テンプレート信号を前記他の重畳テンプレート信号で置換してから前記予備相関一致の検出を行い、
    前記予備相関一致が検出された場合、前記複数のテンプレート信号のうちいずれかのテンプレート信号と前記受信信号との間の最終相関一致の検出を行う、
    同期捕捉方法。
  17. 前記取得手段は、
    パルス位置及びパルス振幅に応じてビットの並び順が決定されたテンプレート信号を選択する複数探索位置生成部を含む
    請求項1記載の同期捕捉装置。
  18. 前記テンプレートは、
    パルス位置又はパルス振幅の一方に基づいてビットの並び順を決定した後に、残りの一方に基づいてビットの並び順を決定した信号である
    請求項17記載の同期捕捉装置。
  19. 前記複数のテンプレート信号は、異なる搬送波周波数帯の信号であることを特徴とする請求項1記載の同期捕捉装置。
  20. 前記複数のテンプレート信号の搬送波周波数帯として、マイクロ波帯の信号とミリ波帯の信号を用いることを特徴とする請求項19記載の同期捕捉装置。
  21. 前記複数のテンプレート信号は、異なる変調方式の信号であることを特徴とする請求項1記載の同期捕捉装置。
  22. 前記複数のテンプレート信号は、異なる出現頻度で重畳されていることを特徴とする請求項1記載の同期捕捉装置。
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