JP4755561B2 - 写真計測に用いる基準点用ターゲット - Google Patents
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Description
例えば、廃棄物最終処分場の埋め立て実績を計測する場合を例に採って説明すると、この廃棄物最終処分場は日々搬入されるゴミなどによって埋め立てられていくため、その地形が変化していく。
この変化した地形を計測することによって、埋め立て計画図の作成や容積を計算し、廃棄物最終処分場の残余容量を算定することができることから、地形を精密に計測することは廃棄物最終処分場の維持管理にとって極めて重要である。
撮影計画に基づき3点以上の基準点用ターゲットと、この基準点用ターゲットを含めて8点以上になるように少なくとも5点以上の測点用ターゲットを被計測現場に設置し、光波測量などを利用し、前記基準点用ターゲットを基に基準点の3次元座標を取得する。
ここで重要なのは、基準点の座標を正確に取得することで、このため、光波測量に用いるプリズム用ポールを基準点用ターゲットの中心に立てる必要がある。
次に、複数箇所から写真を撮影し、その写真画像をコンピュータの写真計測用ソフトに取り込み、2枚の写真画像間で、前記3点以上の基準点用ターゲットと、5点以上の測点用ターゲット(合計8点以上のターゲット)について、同一位置のターゲット同士の中心点を指示し、カメラの位置解析を行う。この時点での3次元座表は、基準カメラ位置を中心とした仮の座標系で表される。
次に、前記カメラ位置解析をした後、基準点の座標を再入力し、再計算することで実座標系に変換され、そして、2枚以上の写真画像間において、地形の同一点を計測することができる。
ここでも写真画像に写っている基準点用ターゲットと測点用ターゲットの中心を正確に指示することが正確な測点を求める上で重要である。
このように、写真計測技術では、基準点及び測点を正確に求めることが重要であり、このためには、ターゲットの中心を正確に指示することが必要である。
この球体ターゲットは、全方向から見ても球形であり、どの方向から撮影しても写真画像には円形で表示されるため、その中心を目見当により比較的容易に指示することができる。
中心を基準とした球体が支持部材に取り付けられ、
この球体の外周面に複数本の目測用棒体が突設され、
各目測用棒体の軸線が球体の中心で交差するように形成され、
前記球体の上部にポール挿入穴が形成され、
このポール挿入穴の底端に球体の中心に一致する先尖穴端部が形成され、
前記ポール挿入穴に蓋部材が着脱可能に取り付けられ、
この蓋部材の外周面が、該蓋部材をポール挿入穴に装着した状態で球体の外周面に連続する部分球面に形成されている構成とした。
前記支持部材が棒状に形成され、この棒状支持部材の軸線が球体の中心で前記目測用棒体の軸線と交差するように形成されている構成とした。
したがって、写真画像に写された測点用ターゲット兼用構成で測点(中心点)を求めるに際し、複数本の目測用棒体を球体の中心に向けて延長させるように見ることで、その交点である測点の位置の見当が付け易くなる。
これにより、球体の中心である測点を、単なる球体のものと比べ、目見当でありながら更に正確に指示することができ、この結果、写真計測の精度を著しく向上させることができる。
即ち、基準点用ターゲットは、基準点の3次元座標を取得するため、光波測量に用いるプリズム用ポールを中心に立てる必要があり、そのための構造を付加したものである。
このとき、プリズム用ポールの先端がポール挿入穴の底端に形成した先尖穴端部に嵌め込まれるもので、この先尖穴端部が球体の中心に一致しているため、プリズム用ポールを自動的に球体の中心に立てることができる。
このようにしてプリズム用ポールを球体の中心に立てたのち、プリズムに設けた水平器を見ながらプリズム用ポールを垂直に立て、その状態で光波測量により基準点の3次元座標を取得するものである。
このようにしてポール挿入穴に蓋部材を装着させた状態では、蓋部材の外周面に形成した部分球面が球体の外周面に連続し、外周全面が球面の球体に復元するため、測点用ターゲットとして支障なく使用することができる。
前記球体1は、その中心Cを測点として設定したもので、プラスチック、金属等の耐候性に優れた材質で球形に形成され、外周面に複数本の目測用棒体(明細書において、目測用棒体を総称する場合は符号3を付す)が突設されている。
実施例では、球体1の中心Cを通る平面M上において90度間隔で配置された4本の目測用棒体3a,3a,3b,3bと、前記平面Mと直角をなし、球体1の中心Cを通る直径線C1上に配置された1本の目測用棒体3cとの合計5本の目測用棒体3a,3a,3b,3b,3cが球体1の外周面に突設されている。
これにより、平面M上に配置された4本の目測用棒体3a,3a,3b,3bのうち、2本の目測用棒体3a,3aが球体1の直径線C2上に配置され、その直径線C2と直角に交差する直径線C3上に他の2本の目測用棒体3b,3bが配置され、かつこれら4本の目測用棒体3a,3a,3b,3bと直角に交差する直径線C1上に1本の目測用棒体3cが配置される。
又、球体1及び目測用棒体3の材質、色彩についても適宜に決定する。
これにより、球体1の中心である測点を、単なる球体のものと比べ、目見当でありながら更に正確に指示することができる。
実施例では、棒状支持部材2aを重石20の上に立設させることで、この重石20を利用して被計測現場に設置させるようにしているが、これに限らず、例えば、杭(図7の符号21で示す)の上端に取り付けたり、棒状支持部材2a自体を杭として使用したり、適宜の設置方法を採用できる。
又、前記棒状支持部材2aに対する球体1の取り付けは、棒状支持部材2aの上端に形成した球面座板23に球体1をビスや接着剤で固定するようになっている。
なお、前記測点用ターゲット兼用構成Aと同一構成部分は図面の符号を同一にして、その説明を省略する。
このポール挿入穴4は上端の開口径がプリズム用ポールPの直径よりも大きく、球体1の中心Cに向けて次第に開口径が小さくなったテーパ穴に形成され、その底端に球体1の中心Cに一致する先尖穴端部40が形成されている。
このようにしてプリズム用ポールPを球体1の中心Cに立てたのち、プリズム9に設けた水平器を見ながらプリズム用ポールPを垂直に立て、その状態で光波測量を行うことで、基準点の3次元座標を取得することができる。
これにより、棒状支持部材2aが垂直に設置されていない場合でも、前記範囲Q内であれば、球体1の中心Cにプリズム用ポールPを垂直に立てることが可能になり、基準点用ターゲットBの設置作業を容易に行なうことができる。
これにより基準点用ターゲットBは、前記測点用ターゲット兼用構成Aと同様の形状になり、これを測点用ターゲットとして兼用させることが可能になる。
この基準点用ターゲットB1は、ポール挿入穴4がプリズム用ポールPの直径よりも大きく、上端から球体1の中心C近くまで同一の開口径に形成されたストレート穴に形成され、その底端に球体1の中心Cに一致する先尖穴端部40が形成されている。
このようにストレート穴に形成したポール挿入穴4についても、プリズム用ポールPとポール挿入穴4との間に形成された隙間によって、プリズム用ポールPを一定の範囲Q内で傾斜させることが可能になる点は、前記図5の例と同様である。
この基準点用ターゲットB2は、この基準点用ターゲットB2を傾斜面設置用として形成させたもので、棒状支持部材2aの軸線C4と、ポール挿入穴4を形成した球体1の直径線C1とが、角度(実施例では135度)を持つように、棒状支持部材2aの上端に球体1を取り付けた構造になっている。
このように、棒状支持部材2aの軸線C4をポール挿入穴4を形成した球体1の直径線C1に対して角度を持たせることにより、ポール挿入穴4を垂直に向けながら、基準点用ターゲットB2を傾斜地面等に容易に設置することができる。
2 支持部材
2a 棒状支持部材
20 重石
21 杭
23 球面座板
3a 目測用棒体
3b 目測用棒体
3c 目測用棒体
4 ポール挿入穴
40 先尖穴端部
5 蓋部材
50 部分球面
9 プリズム
A 測点用ターゲット兼用構成
B 基準点用ターゲット
B1 基準点用ターゲット
B2 基準点用ターゲット
C 中心
C1 直径線
C2 直径線
C3 直径線
C4 軸線
M 平面
P プリズム用ポール
Q 範囲
Claims (2)
- 中心を基準とした球体が支持部材に取り付けられ、
この球体の外周面に複数本の目測用棒体が突設され、
各目測用棒体の軸線が球体の中心で交差するように形成され、
前記球体の上部にポール挿入穴が形成され、
このポール挿入穴の底端に球体の中心に一致する先尖穴端部が形成され、
前記ポール挿入穴に蓋部材が着脱可能に取り付けられ、
この蓋部材の外周面が、該蓋部材をポール挿入穴に装着した状態で球体の外周面に連続する部分球面に形成されていることを特徴する写真計測に用いる基準点用ターゲット。 - 前記支持部材が棒状に形成され、この棒状支持部材の軸線が球体の中心で前記目測用棒体の軸線と交差するように形成されている請求項1記載の基準点用ターゲット。
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