JP4755412B2 - 改良型真空断熱パネル - Google Patents

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Description

本発明は、温度勾配に対して直角に各々が延びる第一の主壁及び第二の主壁、そして両主壁を結合すると共に温度勾配に平行に延びる補助壁を持つハウジングからなる断熱パネルに関する。この場合、補助壁は主壁へのリブに結合し、ハウジング内には耐圧性があるフィリングが入れられ、ハウジング内の圧力は、ガス伝導による熱伝達が起きない値へ減圧される。また、ハウジングは金属から製造される。
このような断熱パネルは、欧州特許出願EPA−O857833から知られている。
フィリングは、固体物質を介しても、あるいは熱放射によってもほとんど熱伝導が起こらないように選択される。しかしながら、熱伝導は補助壁を通して起こるため、それらを、できるだけ薄くする、例えば金属フォイルにすることが重要である。
従来の技術から知られるこの断熱パネルでは、補助壁と主壁とは、リブ上に延びる溶接によって相互に結合されている。この場合、リブに結合する部分は、薄い補助壁を保持しながら、リブ上への溶接のために厚くなっている。
経験から、このような溶接品質は、断熱パネルの長寿命を保証するには十分でないことが分かっている。通常、最短寿命50年が必要であるため、溶接連結には、この長い期間に渡って真空に耐える特に高い品質が要求される。
したがって、本発明の目的は、長い期間に渡って真空を維持するのに十分な品質の溶接を持つ、このような断熱パネルを提供することである。この場合、溶接は、良い断熱性を維持して、容易に再現可能である。
この目的は、リブに接触する補助壁の部分を、リブに結合しながら主壁に溶接し、溶接部に溶接ストリップを溶接することによって達成される。
十分に薄い金属フォイルを単に溶接するだけでは、十分な品質の溶接を得ることは実際には不可能である。サンドウィッチ溶接によって、非常に薄い金属フォイルを補助壁として用いる場合でさえ、十分に強い、そして信頼性が高い溶接連結を得ることが可能である。溶接連結の再現性も改良されるため、強靭な製造工程が可能となる。
溶接ストリップの使用によって、温度勾配の方向における熱伝導性は、もちろん増加する。この不利な影響は、金属フォイルを十分に薄く、そして広く形成することによって避けることができる。これは、関連の方向への熱伝達を保証可能な最も重要な材料である、考慮すべき一片の金属フォイルが、温度勾配の方向に二つの溶接ストリップ間に存在するという事実に関係する。
好適実施例によれば、補助壁は、10μmから50μmの厚さを持つ一片の金属フォイルから形成される。
この場合、溶接工程は容易に行うことができ、熱伝達が非常に少ないことが分かっている。
ここで注目すべきことは、原則として、15μmから40μm、そして20μmあるいは30μmの厚さの、厚さの異なる金属フォイルを用いることが可能であることである。5μmから100μmの、あるいは2μmから500μmの厚さを持つ、一片の金属フォイルを選択することも可能である。上記の下限値及び上限値は、相互に組み合わせることができる。
さらに発明者は、ステンレス・スチールが、この用途での金属フォイルとしての使用に、魅力的な特性を持っていることを発見している。結論として、熱伝導係数が低い、強い、そして溶接が容易である。しかし、チタンのような他の金属を決して除外するものではない。
もう一つの好適実施例は、溶接ストリップの材料が主壁の材料と同じであるという対策を提供する。
この対策の結果として、溶接工程は、フォイルに関する対称性を獲得する。結局、フォイルは、主壁の材料と、この対策の結果である、同一材料の溶接ストリップとの間に囲まれる。この対称性は、溶接処理の品質を改善する効果がある。特に、外縁上に適切に配置されない場合にフォイルが焼失する等の問題を避けることができる。
さらにもう一つの実施例は、小さな空洞を持つ開放気泡材料からフィリング材を形成するという対策を提供する。
この「小さな」は、フィリング材料内に生成した真空内に残っている分子の自由行程長が、空洞の寸法よりも大きいという程度に小さいことを意味する。ガス伝導による熱伝達は、これによって可能な限り制限される。
この実施例を適用する場合は、フィリング材料の、温度勾配の方向を横断して延びる少なくとも一つの面に排気チャネルを設けることが好ましい。
フィリング材料の、小さな寸法の気泡の結果として、熱エネルギーの移動が可能な限り制限されるばかりでなく、分子の移動それ自体も大いに制限される。このため、フィリング材料の完全な排気は、比較的に長時間を要するであろう。しかし、これらのチャネルを配置することによって、フィリング材料内で分子流が生じる距離がかなり短くなり、また排気チャネル内の流れは層状に保持されるため、排気時間はかなり短縮される。
選択材料に応じて、開放気泡材料内にこのようなチャネルを配置することは、常に容易であるというわけではない。処理が難しい材料もある。フィリング材料の自由な選択を維持するために、例えば、処理が容易な材料から製造した個別の物体内に排気チャネルを配置することもできる。このような個別の物体は、温度勾配において短距離だけ延びるものであるため、断熱に関する逆効果は限定される。
もう一つの好適実施例によれば、フィリング材料は、主壁にほぼ平行に延びる繊維からなる。この繊維はガラス繊維であることが好ましい。これによって、非常に低い耐熱性が、単純な製造工程と共に可能になる。
パネルの取り付けを可能な限り容易にするため、少なくとも主壁の一つに、少なくとも一つの固定ブラケットが溶接の手段によって付加される。
主壁への溶接による、断熱性への影響はほとんどない。
多くの場合、長方形の断熱パネルが必要である。この目的で、本発明は、ハウジングがブロックの形態をとり、主壁が平らであるという対策を提供する。
この場合、温度勾配はブロックの主平面に対して直角に延びるため、ブロックは、断熱空間のための建築部材として容易に用いることができる。本発明によれば、溶接部は、リブに結合する補助壁上に配置される。
フォイル及び溶接ストリップの溶接が可能な面を得るために、主壁は、それらの端を曲げて外縁が形成され、そして、これが補助壁に溶接される。
耐熱性を可能なだけ増加させるために、外縁は、より薄い寸法へ深絞りしてもよい。この対策は、高い耐熱性を持つ薄い外縁をもたらす。
主壁の端を曲げる代わりに、溶接によって主壁に結合したアングル材によって、主壁上に外縁を形成することも可能である。そして、それに対して補助壁を溶接する。
アングル材は、通常、主壁のリブに隣接する主壁の部分に結合される。また、主壁が補助壁の外へ延び、アングル材が、補助壁の外へ突出する主壁の部分に取り付けられることも可能である。
このような構造は、外壁のためのカバー・パネルとして用いる断熱パネルに適用可能であることが好ましい。この場合、少なくとも一つの主壁の突出部が、パネルのための支持構造をカバーするのに役立つ。
もう一つの実施例は、主壁が丸い角からなるという対策を提供する。
この対策は、フォイルを溶接するために適用する方法に関する。この場合、フィリング及び主壁のアセンプリの周りにフォイルを配置し、それからフォイルを締めることが好ましい。主壁の角は、補助壁の外縁上におけるフォイルのこの締め、そして滑りを容易にするために丸いことが好ましい。
本発明による断熱パネルは、また、異なるパネルから構築することができる。選択用途に応じて、例えば、外壁カバー・パネルとして、このような複合パネルが望まれる場合がある。
そのような複合断熱パネルは、主面を相互に平行した配置した多くのパネルから形成することが好ましい。この場合、相互に隣接する主壁は、結合されて一つの中間壁になる。このアセンプリは、中間壁を、補助壁間に延びる一つの壁へ減少させるオプションを提供する。
しかし、例えばパイプの断熱への用途を想像することが可能である。この場合、断熱パネルは、円筒ジャケットの形態を持ち、温度勾配は放射状に延び、温度勾配が放射状に延びるように主面が同軸に配置されることが好ましい。
このような構成では、フィリング材料が、繊維を巻くことによって形成されることが好ましい。
相互の上に横たわり、ある角度で相互に交差する繊維は、非常に小さな接触面を持つため、その固形材料を介する熱伝導は非常に低いという利点がある。
巻き付け中は、繊維内の張力を、パイプの除去後における製品内の張力が最小で、形状が純粋に円筒状になるよう制御する。
通常、巻き付けは、繊維の厚さの相違が、フィリングの厚さにおける相違へ変換されないよう、多数回行う。もう一つの利点としては、繊維は全体が一つからなるため、端部が端面から突出せず、繊維が溶接部へ入る危険を避けることが可能であることである。
繊維はガラス繊維から形成されることが好ましい。
この構成を適用した場合、構造上、補助壁は輪状で、外端及び内端を曲げることによって外側へ延びる外縁が形成され、その外縁が主壁に溶接されることが好ましい。
もう一つの好適実施例は、軸方向へ延びる排気チャネルが、軸方向での相互溶接のために、外壁に形成されるという対策を提供する。
これらのチャネルは、また、排気中、周辺に所定の変形を引き起こすのに役立つ。
しかしながら、補助壁の外縁が主壁の内面に対して溶接されるのが最も好ましい。この場合、補助壁と内部円筒との間に形成される溶接部は、アクセスがより容易である。
繊維を巻く同じ方法は、また、平らなパネルに対しても適用可能である。この場合は、巻いたフィリングを軸方向に切断した後に、それがほぼ平らに延びるよう張力を加える。
もう一つの好適実施例は、パネルが、片側に開いた断熱箱の構造を持つという対策を提供する。この場合、補助壁に対応する壁は、開いた側の平面に平行に延びる。
また、主壁の一端を曲げて、主壁に直角に薄い補助壁を形成し、そして、それに対して直角に、初期の厚さで溶接ストリップとして役立つストリップを設けることが好ましい。
このような構成は、例えば冷蔵庫において魅力的である。
この場合も、本発明による上記対策を適用することができる。
本発明は、多様な構成の断熱パネルだけではなく、断熱パネルを製造するための方法にも関する。
この方法は、次のステップからなる。
−温度勾配の方向に延びる外縁を持つ両主壁を提供するステップ。
−下側主壁、フィリング及び上側主壁を相互の上に配置するステップ。
−このように形成したアセンプリの周りに、補助壁を形成すべきフォイルを配置するステップ。
−フォイルを外縁に溶接するステップ。そして
−このように作成したパネルを排気するステップ。この場合、フォイルは、溶接ストリップを付加しながら、外縁に溶接する。
溶接中のストレスを可能な限り阻止するために、フォイルは、フォイルに隣接する両外縁、すなわち上側主壁の外縁、そして下側主壁の外縁に、同時に溶接する。したがって、フォイル・ストリップは、歪みを阻止するために対称的に載せる。
溶接処理の制御を可能な限り改善するために、溶接は、レーザ溶接によって行う。
フォイルはしっかりと張り、また、溶接を開始する前に真空を適用することが好ましい。これによって、溶接位置にあるフォイルと主壁の外縁との接触が良くなり、上面は、周囲全体としての端位置の変化が最小になるように、下面に対して配置される。
溶接中、工作物にフォイルが付加される。その後にフォイルの両端を張ることは不可能である。溶接中は、フォイルの自由端をしっかりと張ることが好ましい。これによって、フィリング材料の圧縮により、ストレスが最小な、既に最終製品の形態を持つ堅いサンドウィッチ・パネルを作成することができる。真空の適用とフォイルをピンと張ることを同時に行うこと、またこれらを相互に適合させることによって、フォイルの変形を避けることができる。
溶接中の工作物の形状保持を保証するために、溶接前に下側主壁を真空テーブル上に配置してもよい。さらに、溶接中は、パネルの内部に真空を適用することが好ましい。
本発明は、また、上述のタイプの断熱パネルを製造するための方法に関する。この方法では、フィリングの配置前に、コアの回りに繊維を巻き、この形成した繊維パッケージを、巻き付けコアへの半径方向及び軸方向において横断してフィリングを形成する。
巻き付け中、繊維内の張力は、切断時の繊維内の張力がほぼ同じであるよう、繊維を張力下で巻いて制御することが好ましい。巻き付けの外部に存在する巻きは、結局、内部のそれらよりも長い。この相違は、張力を制御することによって補うことができる。
この張力制御は、繊維を温度上昇へさらすことによって繊維内の張力を制御する方法を用いて行うことができる。これは、繊維がガラス繊維から形成される場合に特に好ましい。供給されるガラス繊維は、本発明の用途に望ましくない被覆を持つため、加熱によって、この被覆を焼き除くことができる。
他の魅力的な好適実施例については、残りの従属請求項で述べる。
添付の図面を参照して、本発明を説明する。
図1に示す断熱パネルは、上側主壁1と、図1では見えない下側主壁2によって形成される。両主壁は、全周囲に渡って延びる金属フォイル3によって相互に結合されている。フィリング4は、上側主壁1と下側主壁2との間に配置されて、金属フォイルによって囲まれている。
特に図2に示すが、金属フォイル3は、上側主壁1の曲げた外縁5と、下側主壁2の曲げた外縁6とに溶接されている。曲げた外縁5と金属フォイル3との、そして曲げた外縁6と金属フォイル3との溶接品質を改善するために、ストリップ7、8が、各々曲げた外縁5、6にほぼ一致して配置されている。このストリップは、溶接処理のより良い制御に役立つ。
完成した真空パネル内を真空にする。この真空は、既に金属フォイルを締めるときに部分的に、そしてパネルを製造した後に部分的に達成する。内部に存在する気体は、上側主壁1内に配置された開口を通して部分的に除去され、この開口はカバー・プレート9によって閉じられる。これは上側主壁1に溶接される。明らかに、十分な寿命の空密エンベロープを得るためには、溶接は高い水準になくてはならない。パネルの断熱値を可能な限り増加させるには、フォイル3は、可能な限り薄く、ステンレス・スチール、チタンあるいは適当な合金等の、低い伝導率を持つ金属から製造されることが好ましい。
図1及び図2を参照しながら説明した実施例では、外縁5、6は、各々、上側主壁1及び下側主壁2の端を曲げることによって得ているが、代わりに、アングル材を溶接することも可能である。一般的に、主壁1、2は、フォイルよりも厚い材料から製造されるため、主壁に溶接連結することは容易である。
アングル材は、主壁1、2の外端の内側に配置できる。結果として生じる構成は、図1及び図2に示す構成とほとんど異なるところがない。
しかし、両主壁1、2、あるいはそれらの一つを、この場合ではフォイルによって形成する壁を越えて少し延ばすことが可能であり、突出フランジを設け、例えば、フレームをカバーするために用いることができる。
この場合、アングル材は、図3に示すように外側に配置することもできる。いくつかの場合では、複合的な壁構成を利用することが好ましい。
二つの断熱パネルを積み重ねた構成を構築することも可能である。二つのパネルの間に一つの壁が存在するが、この分離壁を、小さなパネルがカバーしない、大きなパネルの部分だけをカバーするリングとして具体化することもできる。このような構成の断面を図4に示す。
明らかに、このような構成は、多くの形状をとることができる。例えば、円形、長方形、あるいは、用途に依存し、もう一つの任意の形状であってもよい。さらに、両パネルが相互に補完する構成を想像することも可能である。
このようなパネルの製造では、外縁5、6を備える実施例から始めると、真空テーブル13上に、最初に下側主壁1を配置する。それからその上にフィリング4を配置し、上側主面1を配置する。
図6Aに示すように、この構成のアセンプリの周りに、金属フォイル3からループ14を形成する。アセンプリの内部に真空を適用しながら、このループ14を張り装置によって、アセンプリの周りにしっかりと張る。フォイルはアセンプリに対して張られ、フィリング材が圧縮されるため、フォイルは、外縁に対して正確な位置に配置される。
これで、装置は、溶接の準備が整う。この目的で、溶接処理の制御性の良さを考慮して、レーザ溶接装置を用いることが好ましい。図5に示すように、レーザ溶接光線16、17が、各々、結合要素、すなわち金属フォイル3と曲げた外縁5、6とに向けられる。溶接処理を始める前に、溶接ストリップ7、8を各々配置して、それから、形成すべき断熱パネルに溶接する。ここで、工作物の周りにレーザ溶接エネルギー源を移動させることが可能である。例えば、このレーザ溶接源を、ロボットのヘッド内へ入れてもよいし、あるいはレーザ溶接源を通過させるように工作物を移動させてもよい。
ここで注目したいことは、上側及び下側主壁とフィリング4の角は、丸めてあり、工作物の周りに金属フォイルを容易に張り詰めることができることである。これは、フォイルを容易に張り詰めることができるという利点を持つ。フォイルは、壁湾曲部分に沿って容易に移動する。
さらに明らかなことは、フォイルと上側及び下側壁と、関連する溶接ストリップ6、7とを溶接する溶接作業が完了した後、フォイルと溶接ストリップ6、7とを切断し、そしてフォイル3の両端部を溶接しなくてはならないということである。この目的のために、温度勾配に平行に延びて潜在的な熱短絡を形成する一つの溶接ストリップを用いることが好ましい。フォイルと溶接ストリップとの強靭な溶接を可能にするために、フォイル及び溶接ストリップの後ろに、スタート及びエンド・プレート11、12を配置し、このプレートを両外縁5、6に突き合わせ溶接する。この要素の小さな寸法から判断して、これによって生じる熱損失は取るに足らないものである。
真空パネルは、それから、上壁内に配置した開口を介して必要な最終圧へと減圧する。この目的で、内部に存在し、十分な真空を達成したときに汚染をもたらす可能性がある水等の残留物を除去するために、初めにフラッシングを行う。フラッシング・ステップは、連続的に、より軽い気体を用いて行うことが好ましい。
さらに、内部に配置するためにゲッタを利用することも可能であるが、これは推薦しない。
十分な真空を適用した後、真空を維持しながら、磁気による方法でカバー・プレート9を開口上に配置し、もう一度レーザによって、その箇所に溶接する。
これによって、特に高い断熱値を持ち、少なくとも50年の長寿命及び魅力的な外観を持つ真空パネルを得る。これは、外壁要素としての応用に適切である。さらに、自由度の高いデザインにも用いることができる。
真空パネル内部の排気は、真空パネルのフィリングに、図7に示すような排気チャネルを設けることで大いに強化できる。これらは、フィリングの、排気開口が結合する側に延びることが好ましい。これらのチャネルは、フィリングに配置される溝によって形成されることが好ましい。
しかし、フィリング内部へ延びるチャネルとして具体化することもできる。同様に、これらのチャネルを別個の材料に配置し、それをフィリング上に配置することも可能である。この場合、この材料には、実際のフィリングへの連結を形成するために、例えばチャネルが交差する位置に開口を設けなくてはならない。
上記に説明した実施例における各ケースでは、パネルの主壁に対して温度勾配が直角に位置する。
例えば、パイプあるいは導管を断熱する用途がある。この場合は、断熱パネルが円筒形状を持ち、温度勾配は半径方向で延びる。
このような断熱パネルを図8に示す。これは、内側パイプ18、その周りに配置した断熱材のフィリング19、そしてその外部を囲う外側パイプ20からなる。この場合二つのリング21が形成する端面は、熱の流れを阻止するよう、可能な限り最も薄い形状を持たなくてはならない。この目的で、本発明による上記第一の実施例に同様な構成を用いることができる。リングは、U形状の構成で用い、ストリップ22、23を各々付加しながら、内側パイプ18及び外側パイプ20の両方へ溶接することが好ましい。これらの溶接ストリップは、溶接品質の改善をもたらす。
このような構成を図9に示す。
このパネルは輪状の構成であるため、例えばガラス繊維等の、繊維を巻いたフィリング材料を用いることが好ましい。繊維をらせん状に巻くことによって、繊維を巻いた部分の間の接触面が非常に小さくなるため、この材料を介しての熱伝導による熱伝達は非常に小さい。
フィリング材料のこの生産方法は、平らなパネルに対しても適用することができる。この場合、十分に大きなシリンダ上に、張力の下で繊維を巻き付ける。これを軸方向へ切断すると、面を形成するようにフィリング材料が広がる。また、巻き付けの間、繊維を加熱することによって、張力を得ることができる。これは、繊維の被覆を燃やしてしまい、真空ポンプを汚さないようにするという利点がある。
最後に、図10は、例えば冷蔵庫等の、キャビネットの形態にある、本発明が同じく適用可能な代替実施例を示す。この場合、断熱パネルはキャビネットの形態にあり、内側キャビネット24と外側キャビネット25とからなる。それらは、温度勾配が存在するフォイル・ストリップ26によって相互に結合されている。
本発明の利点は、また、このストリップを、上記に説明した方法で所定の箇所に溶接することによって得ることができる。
上記に説明した実施例に対する多数の変更が、本発明の範囲内で実現可能であることは明白である。
本発明による断熱パネルの概略斜視図である。 図1に示す断熱パネルの部分断面図である。 図2に対応する、本発明による断熱パネルのもう一つの実施例の断面図である。 図2及び3に対応する、断熱パネルのさらにもう一つの実施例の断面図である。 図1に対応する、溶接中の光景である。 フォイルを配置している、本発明による断熱パネルの水平断面図である。 フォイルを配置した後の、図6Aに対応する光景である。 本発明の好適実施例によるフィリングの概略斜視図である。 本発明による断熱パネルの代替実施例の分解組立図である。 図8に示す実施例の断面図である。 代替実施例の斜視図である。

Claims (40)

  1. 断熱パネルであって、
    温度勾配に対して直角に第1主壁及び第2主壁を配置し、
    前記第1及び第2主壁を結合するように前記第1および第2主壁の端部に、温度勾配に対して平行に補助壁を配置し、
    前記第1及び第2主壁と前記補助壁とでハウジングを構成し、
    前記ハウジング内に小さな空洞を持つ開放気泡材料から形成されるフィリング、または繊維を巻いたフィリングが配置され、
    前記ハウジング内は、実質的な熱伝達がない程度に減圧され、
    前記ハウジングは金属であり、
    前記補助壁は10から50μmの厚さを持つ一片の金属フォイルであり、
    前記主壁の端部と前記補助壁との接触部に溶接ストリップを配置し、前記溶接ストリップを溶接することで、前記主壁と前記補助壁とを結合することを特徴とする、断熱パネル。
  2. 前記金属フォイルが、ステンレス・スチールのフォイルから形成されることを特徴とする、請求項に記載の断熱パネル。
  3. 前記溶接ストリップの材料が、前記主壁の材料と同じであることを特徴とする、請求項1または2に記載の断熱パネル。
  4. 前記フィリング材料が、前記温度勾配の方向を横断して延びる少なくとも一つの面に排気チャネルを備えることを特徴とする、請求項に記載の断熱パネル。
  5. 前記排気チャネルが、前記フィリングの架台から分離した物体内に配置されることを特徴とする、請求項に記載の断熱パネル。
  6. 前記フィリング材料が、前記主壁にほぼ平行に延びる繊維からなることを特徴とする、請求項1からのいずれかに記載の断熱パネル。
  7. 少なくとも一つの固定ブラケットが、溶接によって前記主壁の少なくとも一つに付加されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の断熱パネル。
  8. 前記ハウジングがブロックの形状をとり、前記主壁が平らであることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の断熱パネル。
  9. 前記主壁の端が曲げられて外縁が形成され、前記外縁が補助壁に溶接されていることを特徴とする、請求項あるいはに記載の断熱パネル。
  10. 前記外縁が薄い寸法に深絞りされていることを特徴とする、請求項に記載の断熱パネル。
  11. 前記主壁に溶接したアングル材によって、前記主壁上に外縁が形成されていることを特徴とする、請求項7、8、9あるいは10に記載の断熱パネル。
  12. 前記主壁が前記補助壁の外へ延びており、前記アングル材が、前記補助壁の外へ突出する前記主壁の部分に溶接されていることを特徴とする、請求項11に記載の断熱パネル。
  13. 前記補助壁が丸い角からなることを特徴とする、請求項から12のいずれかに記載の断熱パネル。
  14. 請求項8〜13のいずれかに記載の複数の断熱パネルを、主面を相互に当接させて形成される断熱パネルであって、
    相互に隣接した主壁が、一つの中間壁へと結合されていることを特徴とする、断熱パネル。
  15. 前記中間壁が、前記補助壁の間に延びる壁へと減じられていることを特徴とする、請求項14に記載の断熱パネル。
  16. 前記断熱パネルが円筒ジャケットの形態を持ち、前記温度勾配が放射状に延び、前記主面が同軸に配置されることを特徴とする、請求項1からのいずれかに記載の断熱パネル。
  17. 前記補助壁が輪状であり、外側へ延びる外縁が、外端及び内端を曲げることによって形成され、この外縁が前記主壁に溶接されていることを特徴とする、請求項16に記載の断熱パネル。
  18. 前記補助壁の前記外縁が、前記主壁の内面に対して溶接されていることを特徴とする、請求項17に記載の断熱パネル。
  19. 前記フィリング材料が、内側主壁の周りにらせん状に繊維を巻くことによって形成されることを特徴とする、請求項16〜18のいずれかに記載の断熱パネル。
  20. 前記繊維がガラス繊維によって形成されることを特徴とする、請求項あるいは19に記載の断熱パネル。
  21. 一側面が開いた箱のような構造であって、この箱のような構造の壁が、請求項から13のいずれかに記載のパネルから構築され、前記主壁が、前記箱のような構造の各々内側及び外側に位置することを特徴とする、箱のような構造。
  22. 前記パネルの相互に結合する主面が、相互にだけ結合していることを特徴とする、請求項21に記載の箱のような構造。
  23. 前記開いた側に隣接する主面に、前記開いた側に結合するフォイルのストリップが設けられていることを特徴とする、請求項21あるいは22に記載の箱のような構造。
  24. 断熱パネルの加工方法であって
    温度勾配に対して直角に第1主壁及び第2主壁を配置し、
    前記第1及び第2主壁を結合するように前記第1および第2主壁の端部に、温度勾配に対して平行に補助壁を配置し、
    前記第1及び第2主壁と前記補助壁とでハウジングを構成するステップと、
    前記ハウジング内に小さな空洞を持つ開放気泡材料から形成されるフィリング、または繊維を巻いたフィリングを配置するステップと、を備え、
    前記ハウジング内は、実質的な熱伝達がない程度に減圧され、
    前記主壁の面は平面であり、
    前記ハウジングは金属であり、
    前記補助壁は10から50μmの厚さを持つ一片の金属フォイルであり、
    前記方法はさらに、
    下側主壁、フィリング、上側主壁の順に積み重ねてアセンブルするステップと、
    前記アセンブリの周囲に、補助壁を形成するようにフォイルを配置するステップ、
    前記フォイルを外縁へ溶接するステップと、
    前記断熱パネルを真空にするステップと、を備え、
    溶接ストリップを配置することで、前記フォイルが前記外縁に溶接されることを特徴とする、断熱パネルの加工方法。
  25. 前記フォイルが、前記フォイルに隣接する両方の外縁に同時に溶接されることを特徴とする、請求項24に記載の断熱パネルの加工方法。
  26. 前記溶接が、レーザ溶接によって行われることを特徴とする、請求項25に記載の断熱パネルの加工方法。
  27. 溶接を始める前に、前記フォイルがきつく張られることを特徴とする、請求項24〜26のいずれかに記載の断熱パネルの加工方法。
  28. 前記フォイルの自由端が、前記溶接中に、きつく引っ張られることを特徴とする、請求項24〜27のいずれかに記載の断熱パネルの加工方法。
  29. 溶接の前に、前記下側主壁を真空テーブル上に配置することを特徴とする、請求項24〜28のいずれかに記載の断熱パネルの加工方法。
  30. 溶接中、前記パネルの内部にアンダー・プレッシャーを適用することを特徴とする、請求項29に記載の断熱パネルの加工方法。
  31. アンダー・プレッシャーを適用しながら、前記アセンプリの周りに補助フォイルを配置し、補助フォイルを除去しながら、金属フォイル及び溶接ストリップを溶接と同時に配置することを特徴とする、請求項30に記載の断熱パネルの加工方法。
  32. 前記フィリングを配置する前に、コアの回りに繊維を巻くことによって前記フィリングを形成し、この形成した繊維パッケージを、前記巻き付けコアに対して半径方向及び軸方向に横断することを特徴とする、請求項24〜31のいずれかに記載の断熱パネルの加工方法。
  33. 張力を持つ繊維を巻き付ける目的で、巻き付けの間、前記繊維内の張力を制御して、切断時の、前記繊維内の張力がほぼ同じなるようにすることを特徴とする、請求項32に記載の断熱パネルの加工方法。
  34. 前記繊維を温度上昇にさらすことによって、前記繊維内の張力を制御することを特徴とする、請求項33に記載の断熱パネルの加工方法。
  35. 断熱パネルの加工方法であって
    温度勾配に対して直角に第1主壁及び第2主壁を配置し、
    前記第1及び第2主壁を結合するように前記第1および第2主壁の端部に、温度勾配に対して平行に補助壁を配置し、
    前記第1及び第2主壁と前記補助壁とでハウジングを構成するステップと、
    前記ハウジング内に小さな空洞を持つ開放気泡材料から形成されるフィリング、または繊維を巻いたフィリングを配置するステップと、を備え
    前記ハウジング内は、実質的な熱伝達がない程度に減圧され、
    前記端部に接する部分の前記補助壁の厚みは、前記端部に接しない部分より厚くし、
    前記主壁の面は円筒形状であり、
    前記ハウジングは金属であり、
    前記補助壁は10から50μmの厚さを持つ一片の金属フォイルであり、
    前記方法はさらに、
    前記主壁の内側面である前記第1主壁の周囲に前記フィリングを巻くステップと、
    前記フィリングの外側が前記主壁の外側面となる前記第2主壁を配置するステップと、
    前記補助壁を前記主壁に対向するように配置するステップと、
    前記補助壁の前記主壁方向に曲げられた外縁を、溶接ストリップを配置することで溶接するステップと、
    前記断熱パネルを真空にするステップと、を備えることを特徴とする、断熱パネルの加工方法。
  36. 前記排気が、主壁内に配置した開口を介して行われ、この開口は、排気の間、磁気の手段によって前記開口の上方に保持されるプレートを溶接することによって、排気後に閉じられることを特徴とする、請求項23〜35のいずれかに記載の断熱パネルの加工方法。
  37. 前記排気が、排気チャネル内で層流、そして前記フィリング内で分子流になる真空ポンプの圧力において開始されることを特徴とする、請求項36に記載の断熱パネルの加工方法。
  38. 前記フィリング内にちょうど層流が発生する圧力までフラッシングが行われることを特徴とする、請求項36あるいは37に記載の断熱パネルの加工方法。
  39. 排気中、軽いガスでフラッシングを行うことを特徴とする、請求項36〜38のいずれかに記載の断熱パネルの加工方法。
  40. 排気後に前記開口が閉じられ、その所定時間後に圧力が測定され、その圧力があまりに高い場合には前記断熱パネルが拒否されることを特徴とする、請求項34〜39のいずれかに記載の断熱パネルの加工方法。
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