JP4755023B2 - 固体酸化物形燃料電池用の溶液注入ホルダ - Google Patents

固体酸化物形燃料電池用の溶液注入ホルダ Download PDF

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Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池を構成しているセルの電極へ、所望とする溶液を注入するための固体酸化物形燃料電池用の溶液注入ホルダに関するものである。
固体酸化物形燃料電池は、作動温度が700〜1000℃と高く高いエネルギー変換効率を有している。このような特徴を備えた固体酸化物形燃料電池の単電池(単セル)は、電解質の層を挟んでアノード(燃料極)とカソード(空気極)が配置され、アノード/電解質(固体酸化物)/カソードと積層された三層構造で構成されている。カソードには空気が導入され、導入された空気の酸素がカソードにおいて酸素イオン(O2-)となり、電解質を透過してアノードに到達する。アノードに到達した酸素イオンは、アノードに導入される燃料ガスと反応して電子を放出し、また、水などの反応物を生成する。1つの単セルによる起電力は低く、通常では、複数の単セルを積層してスタック構造としている。
また、前述した電解質としては、例えば、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)やスカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)などの焼結体をシート状にして用いている。アノードとしては、例えば、ニッケルとイットリア安定化ジルコニアの混合物(Ni/YSZサーメット)やニッケルとスカンジア安定化ジルコニアの混合物(Ni/ScSZ)などの多孔質状態の焼結体をシート状にして用いている。カソードとしては、例えば、ランタン−ニッケル−鉄酸化物(LaNi0.6Fe0.43)などの多孔質状態の焼結体をシート状にして用いている。これらのように、通常では、電解質の層の両面にシート状とされたアノードとカソードとが焼き付けられることでにより単セルが形成されている。
上述したように形成される単セルには、例えば、図4に示すように、電解質基板401を支持体として、これにカソード402とアノード403とが配置された自立膜型の固体酸化物形燃料電池単セルがある。また、図5に示すように、アノード基板501を支持体として、この上に電解質層502及びカソード503が積層されたアノード支持型の固体酸化物形燃料電池単セルもある。この他に、カソードを支持体としたカソード支持型の固体酸化物形燃料電池単セルもある。
ところで、発明者らは、上述した構成を有する固体酸化物形燃料電池の性能向上を図るべく、既に作製されている単セルの電極骨格に、電極反応に際してより高い活性を有する物質となりうる溶液や、電極内への炭素成分の析出を抑制する物質となりうる溶液などを注入した固体酸化物形燃料電池及びその注入方法に関し、様々の提案を行っている(特許文献1,2,3参照)。
ここで、燃料電池では、電解質を介してアノードとカソードの電気的な絶縁が保たれていることが必要であり、上記の溶液の注入は、対象となる電極に対して選択的に行うことが必要となる。例えば、単セルの全体に溶液が接触すると、電極内へ炭素成分の析出を抑制する物質が電極間を接続するように残存し、アノードとカソードとの間の電気絶縁性が損なわれる恐れがある。また、より高い活性を有する物質や電極内への炭素成分の析出を抑制する物質が、必ずしも両方の電極に対して同様に機能を発現するものとは限らない。一方の電極に導入することで、より高い活性を与えても、他方の電極に導入されると電極性能を低下させる場合もある。
これらのことから、溶液の注入に際しては、目的の電極以外の領域がマスクされた状態で、単セルを溶液に浸漬して目的の電極に対して選択的に溶液を注入するようにしている。また、上述した技術では、上記電極骨格の空孔の構造にあわせ、減圧雰囲気で単セルを溶液に浸漬し、この状態で雰囲気を大気圧に戻し、また、さらに加圧状態とすることによる雰囲気の圧力差で、溶液の注入を行うようにしている。
特開2004−259642号公報 特開2005−166481号公報 特開2005−166483号公報
上述した、目的の電極以外の領域をマスクする方法としては、例えば、マスキングテープをマスクする領域に貼り付けて、溶液がマスク対象の領域に接触しない状態とする方法がある。また、マスキング液を乾燥硬化させたマスク膜をマスクする領域に直接形成し、溶液がマスク対象の領域に接触しない状態とする方法もある。しかしながら、これらの方法では、マスクを除去する際には、マスキングテープやマスク膜などのマスク材を被マスク領域より剥離するため、この剥離のときに単セルに損傷を与える場合がある。
これに対し、マスク材が有機材料から構成されている場合、燃焼させることでマスク材を灰化して除去する方法がある。しかしながら、この除去方法では、マスク材に含まれる成分と電極との反応性に対する管理が必要となり、適用が容易ではない。また、圧力差を利用した溶液の注入では、例えばピンホールや端部の密着不良があるなどマスクに欠陥が存在していると、これらが微小であっても液漏れの原因となるので、これらの対策が必要となる。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、用いる環境の圧力を考慮することなく、溶液を注入しない一方の電極には溶液が接触しない状態で、溶液を注入する他方の電極には溶液が注入できるようにすることを目的とする。
本発明に係る固体酸化物形燃料電池用の溶液注入ホルダは、電解質を介してアノードとカソードとが設けられた固体酸化物形燃料電池の単セルを挟持して溶液に浸漬し、アノード及びカソードの一方に溶液を注入する溶液注入用ホルダであって、単セルを挟む第1ホルダ及び筒状の第2ホルダと、第1ホルダに接して配置された板状の第1カバーと、第2ホルダに接して配置されて、第2ホルダの筒内の領域に設けられた開口部を備える板状の第2カバーと、単セルを挟む第1ホルダ及び第2ホルダを挟むように、第2ホルダの母線の方向に第1カバー及び第2カバーを締結する締結手段とを少なくとも備え、第1ホルダは、内側に空間を備えて側部に開放部を備え、アノード及びカソードの一方が、第2ホルダの内側に配置されるように単セルを挟持するようにしたものである。
したがって、第1カバーの方向より溶液に進入させ、液面が第2カバーより下の状態とすると、第2ホルダに覆われている領域に配置される電極には溶液が接触せず、第1ホルダの側に配置されている電極には、第1ホルダの側部の開放部より進入する溶液が接触する。なお、第2ホルダと単セルとの間に挟まれるシール部材を備えるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、第1ホルダ及び筒状の第2ホルダで単セルを挟み、これらを第2ホルダの母線の方向に締結する締結手段で締結された第1カバー及び第2カバーで挟み、一方の電極は第2ホルダの内側に配置されるように単セルを挟持するようにしたので、用いる環境の圧力を考慮することなく、溶液を注入しない一方の電極には溶液が接触しない状態で、溶液を注入する他方の電極には溶液が注入できるという優れた効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における固体酸化物形燃料電池用の溶液注入ホルダ100の構成例を示す断面図(a)及び平面図(b)である。なお、図1(b)は、溶液注入ホルダ100を構成している各部品を分解した状態を示している。
図1に示す溶液注入ホルダ100は、上部カバー(第2カバー)101,セル上部ホルダ(第2ホルダ)102,シールリング(シール部材)103,セル下部ホルダ(第1ホルダ)105,下部カバー(第1カバー)106,及び締結部107から構成されている。上部カバー101及び下部カバー106は、例えばステンレス鋼から構成された円盤であり、上部カバー101は、例えば中央部に開口部101aを備える。また、セル上部ホルダ102は、例えばステンレス鋼から構成された円筒である。
締結部107は、例えば、ステンレス鋼から構成されたボルト部107aとナット部107bとから構成され、上部カバー101と下部カバー106とを締結している。例えば、上部カバー101及び下部カバー106の周辺部には、等間隔で4箇所の貫通孔が、ナット部107bが貫通可能に設けられ、これらの貫通孔を通る4個の締結部107により、上部カバー101と下部カバー106とが締結される。
締結部107により締結される上部カバー101と下部カバー106との間において、先ず、セル上部ホルダ102が、上部カバー101の開口部101aの周囲に固定されている。円筒状のセル上部ホルダ102は、上部カバー101(下部カバー106)の法線方向に平行な母線を持つ。また、セル上部ホルダ102の母線に垂直な断面の領域は、上部カバー101(下部カバー106)の領域より小さい。
また、セル上部ホルダ102の端面102aには、例えばバイトン(登録商標)より構成されたリング状のシールリング103が配置されている。セル上部ホルダ102は、単セル140の電解質層142の周辺部において、シールリング103を介して気密に当接(密着)している。一方、下部カバー106の上には、例えばテフロン(登録商標)などのフッ素樹脂より構成されたセル下部ホルダ105が配置されている。セル下部ホルダ105は、図1(b)の平面図に例示するように、リング形状の一部を切り抜いた形状とされ、開放領域105aを備えている。なお、開放領域105aは、セル下部ホルダ105の一部に形成されている必要はなく、複数の開放領域がセル下部ホルダ105に設けられていてもよい。例えば、セル下部ホルダ105が、メッシュ状の構造体から構成されていてもよい。セル下部ホルダ105は、単セル140と下部カバー106との間に間隙を開けて、後述するように、単セル140の燃料極(アノード)141の側に溶液が接触可能とするものである。
このように構成した溶液注入ホルダ100によれば、締結部107に締結された上部カバー101と下部カバー106との間で、単セル140を、シールリング103とセル下部ホルダ105とに挟持している。このように挟持することで、単セル140の空気極(カソード)143が形成されている側は、上部カバー101,セル上部ホルダ102より構成される空間100aの内部に配置された状態となる。ただし、空間100aは、開口部101aを介して外部と連通している。一方、単セル140の燃料極141が形成されている側の下面は、セル下部ホルダ105の内側に配置されているが、この内側の空間と外側とは、開放領域105aで連通している。
なお、単セル140について説明すると、燃料極141と電解質層142と空気極143とから構成されている。燃料極141は、例えば、Sc23とAl23とが添加されたZrO2(SASZ:0.895ZrO2-0.10Sc2O3-0.005Al2O3)の粉体と酸化ニッケルの粉体との混合粉体の焼結体であり、各焼結体粒子の間に各々存在する複数の細孔を備えた多孔質状態に形成されている。また、電解質層142は、例えば、SASZの粉体の焼結体である。また、空気極143は、例えば、LaNi0.6Fe0.43の粉体の焼結体であり、各焼結体粒子の間に各々存在する複数の細孔を備えた多孔質状態に形成されている。
次に、溶液注入ホルダ100を用いた単セル140の燃料極141に対する溶液の注入について説明する。先ず、上述したように単セル140を溶液注入ホルダ100に固定し、空気極143が、上部カバー101とセル上部ホルダ102とより構成される容器内に配置された状態とする。このように単セル140が固定された溶液注入ホルダ100を、真空排気されて所定の圧力とされた容器の内部で、例えば、コバルト(Co)及びセリウム(Ce)を含む金属アルコキシドや有機金属などのCo1.2Ce0.83となりうる有機化合物を3〜5w%含む溶液に浸漬する。なお、溶液の濃度としては、高々10w%であればよい。上記有機化合物としては、例えば、アルコキシドの水酸基がCoやCeで置換された金属アルコキシドや、マレイン酸,フタル酸,及びリンゴ酸などの有機酸のカルボキシル基がCoやCeで置換されたものであればよい。
上記容器の内部に配置された溶液注入ホルダ100においては、容器内部と開口部101aを介して連通する空間100a及び容器内部と開放領域105aを介して連通するセル下部ホルダ105の内側領域も、容器内部と同様に所定の圧力にまで減圧され、同一の圧力とされている。
この浸漬では、下部カバー106を下側として溶液内に溶液注入ホルダ100を進入させ、溶液の液面がセル上部ホルダ102のいずれかの箇所に配置された状態とし、上部カバー101は、溶液に浸漬されず、溶液の液面より上方に配置された状態とする。このように浸漬することで、溶液は、セル下部ホルダ105の開放領域105aより燃料極141の下面側(セル下部ホルダ105の内側)に入り込むが、セル上部ホルダ102に囲われている空間100aには入り込まず、空気極143には接することがない。セル上部ホルダ102の端面102aと単セル140(電解質層142)との間には、シールリング103が挟まれ、この領域は、気密に密着しているので、空間100aの側に、シールリング103の部分より上記溶液が進入することがない。例えば、酢酸エチルを溶媒とする溶液を用い、溶液注入ホルダ100の雰囲気の圧力を200Pa〜0.2MPaの範囲で変動させても、シールリング103の部分より上記溶液が進入することがない。
次いで、容器の内部の圧力を例えば大気圧に上昇させると、この圧力は、上記溶液を介して燃料極141に加わることになり、このことにより、燃料極141の多孔質の複数の細孔内に、上記溶液が含浸(滲入)した状態となる。このとき、前述したように、燃料極141の側と空気極143が配置されている側(空間100a)とは、連通していて同一圧力とされるので、空気極143の側にも大気圧が加わる。したがって、この場合においても、単セル140の両方の面に同一の圧力が加わることになり、単セル140に応力が加わることがない。
以上のようにして燃料極141に溶液を含浸させた後、この単セル140に、大気中で850℃・4時間の加熱処理を施し、多孔質の複数の細孔内に、Co1.2Ce0.83よりなる機能物質の微粒子が導入(注入)され、所望とする界面抵抗値とされた燃料極141が形成された状態とする。なお、加熱の温度は、750〜900℃の範囲とすればよい。
上述した溶液を含浸させるときの圧力の差を制御することで、燃料極141の界面抵抗値が制御可能である。上述では溶液に浸漬させた後、大気圧状態としたが、これに限るものではなく、所定の圧力として溶液に浸漬した後、容器の内部をこの圧力より高い圧力とすればよい。ただし、容器の内部を大気に開放することで容易に大気圧とすることができるので、溶液に浸漬させた後の圧力の制御は、大気圧とすることが容易である。
ここで、上記機能物質(溶液)の注入について、より詳細に説明する。溶液の注入では、例えば、図2に示す処理装置を用いればよい。図2に示す処理装置を用いた注入について説明すると、先ず、処理容器201の内部に配置された電池セル容器202に溶液注入ホルダ100が収容された状態とし、処理容器201が密閉された状態とする。次に、バルブ204が開放され、バルブ205,バルブ206,及びバルブ207が閉じられた状態で、真空ポンプ208を動作させて処理容器201の内部を排気し、処理容器201の内部が所定の圧力(例えば200Pa)にまで減圧した後、バルブ204も閉じた状態とする。処理容器201の内部の圧力は、圧力計211により測定する。
このように処理容器201の内部が減圧された状態において、溶液注入ホルダ100に挟持されている単セル140では、先ず、空気極143が配置されている空間100aは、開口部101aを介して処理容器201の内部に連通している。一方、燃料極141が配置されている側は、セル下部ホルダ105の外側に加えてセル下部ホルダ105の内側も開放領域105aを介して処理容器201の内部に連通している。したがって、溶液注入ホルダ100に挟持されている単セル140は、空気極143の側も燃料極141の側も、処理容器201の内部に連通して同一の圧力とされており、減圧された状態とされている。
次に、バルブ205を開放させて、溶液タンク209よりCo1.2Ce0.83となりうる有機化合物を含む溶液を電池セル容器202に導入し、導入された溶液に溶液注入ホルダ100の一部が浸漬された状態とする。例えば、図3に示すように、導入した溶液301の液面302が、セル上部ホルダ102のいずれかの箇所に配置され、上部カバー101にまでは到達しない状態とする。このことにより、溶液は、先ず、燃料極141が形成されている下側の領域には進入する。このように進入した溶液は、開放領域105aからセル下部ホルダ105の内側の領域にも進入し、燃料極141のほぼ全域に接触する。したがって、燃料極141は、溶液に浸漬された状態となる。一方、セル上部ホルダ102に囲われている領域には、溶液が入り込まず、空気極143には溶液が接することがない。
このように、溶液注入ホルダ100の一部が導入された溶液に浸漬された状態とされた後、バルブ205を閉じる。この後、バルブ207を開けて処理容器201の内部に大気を導入し、処理容器201の内部が大気圧にされた状態とする。これらのことにより、多孔質状態の燃料極の細孔内に、上記溶液が含浸(注入)された状態が容易に得られるようになる。また、このとき、前述したように、燃料極141の側と空気極143が配置されている側とは、連通していて同一圧力とされるので、単セル140の両方の面に同一の圧力が加わることになり、単セル140に応力が加わることがない。また、全バルブを閉じて図示しない加圧手段により処理容器201の内部圧力を大気圧以上にして、燃料極141に溶液を含浸させるようにしてもよい。
なお、バルブ205を開放させて上記溶液を電池セル容器202に導入する前に、バルブ206を開けて、溶媒タンク210より上記溶液の溶媒を処理容器201の内部(容器受け皿212)に導入し、処理容器201の内部が所定の圧力にまで到達するまで、導入した溶媒を気化させるようにしてもよい。このように、処理容器201の内部に上記溶媒の蒸気を導入しておくことで、電池セル容器202に導入する上記溶液の、溶媒の蒸発による濃度変化が抑制できるようになる。
上述したことにより、多孔質状態の燃料極の細孔内に、上記溶液が含浸(注入)された後、前述したように加熱処理することで、燃料極の多孔質の複数の細孔内に、Co1.2Ce0.83よりなる機能物質の微粒子が導入(注入)された状態が得られる。なお、この場合、電極を構成している多孔質の孔内において、Coが還元されて金属として存在している場合もある。このような金属酸化物(及び金属)の微粒子は、酸素イオンの伝導性を有しており、これが導入された燃料極141においては、電気化学的な活性が向上するものと考えられる。
なお、上述では、セル上部ホルダ102及びセル下部ホルダ105などを円板状としたが、これに限るものではなく、矩形の板状部材から構成してもよい。また、挟持対象の単セルも、円板状に限らず、矩形であってもよい。このような場合は、例えば、角柱状のセル上部ホルダ及び矩形のシールリングを用いるなど、各部材を挟持対象の単セルの形状に合わせた形状とすればよい。また、上述では、燃料極(アノード)支持型の単セルを例に説明したが、これに限らず、本発明の溶液注入ホルダは、電解質支持型や空気極支持型の単セルであっても適用可能である。また、セル上部ホルダ102により覆う箇所を燃料極とすることで、上記溶液注入ホルダ100を用いて、空気極に溶液を注入するようにしてもよい。
また、上述では、ボルト部107aとナット部107bにより、上部カバー101と下部カバー106とを締結しているが、これに限るものではなく、例えばエラストマーなどの弾性を有する部材により、上部カバー101と下部カバー106とを締結してもよい。また、シールリング103は必ずしも必要なものではなく、セル上部ホルダ102の端面102aが気密状態で単セルに当接可能であればよい。
また、上述では、1つの溶液注入ホルダに1つの単セルを挟持させるようにしたが、これに限らず、1つの溶液注入ホルダで、複数の単セルを挟持するようにしてもよい。例えば、一対の上部カバー101と下部カバー106との間に、複数の組のセル上部ホルダ102,シールリング103,セル下部ホルダ105を配置することで、1つの溶液注入ホルダで複数の単セルが挟持可能である。なおこの場合、各組のセル上部ホルダ102の内側の領域に対応する上部カバー101の箇所に、各々開口部(貫通孔)を備えておく。なお、溶液注入ホルダを構成する各部材は、単セルの電極に含浸させる溶液と反応するなど、溶液により変化しにくいものから構成することが望ましい。また、特に圧力変動がある環境で用いる場合、溶液注入ホルダを構成する各部材は、中空構造を避けた方がよい。これは、中空構造とした場合、圧力変動により変形する場合があるためである。
本発明の実施の形態における固体酸化物形燃料電池用の溶液注入ホルダ100の構成例を示す断面図(a)及び平面図(b)である。 溶液の注入を行うための処理装置の構成例を示す構成図である。 本発明の実施の形態における固体酸化物形燃料電池用の溶液注入ホルダ100が溶液301に浸漬された状態を示す構成図である。 自立膜型の固体酸化物形燃料電池単セルの構成例を示す平面図(a)及び側面図(b)である。 アノード支持型の固体酸化物形燃料電池単セルの構成例を示す平面図(a)及び側面図(b)である。
符号の説明
100…溶液注入ホルダ、100a…空間、101…上部カバー(第2カバー)、101a…開口部、102…セル上部ホルダ(第2ホルダ)、102a…端面、103…シールリング(シール部材)、105…セル下部ホルダ(第1ホルダ)、105a…開放領域、106…下部カバー(第1カバー)、107…締結部、107a…ボルト部、107b…ナット部、140…単セル、141…燃料極、142…電解質層、143…空気極。

Claims (2)

  1. 電解質を介してアノードとカソードとが設けられた固体酸化物形燃料電池の単セルを挟持して溶液に浸漬し、前記アノード及びカソードの一方に前記溶液を注入する溶液注入用ホルダであって、
    前記単セルを挟む第1ホルダ及び筒状の第2ホルダと、
    前記第1ホルダに接して配置された板状の第1カバーと、
    前記第2ホルダに接して配置されて、前記第2ホルダの筒内の領域に設けられた開口部を備える板状の第2カバーと、
    前記単セルを挟む第1ホルダ及び第2ホルダを挟むように、前記第2ホルダの母線の方向に前記第1カバー及び前記第2カバーを締結する締結手段と
    を少なくとも備え、
    前記第1ホルダは、内側に空間を備えて側部に開放部を備え、
    前記アノード及びカソードの一方が、前記第2ホルダの内側に配置されるように前記単セルを挟持する
    ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池用の溶液注入ホルダ。
  2. 請求項1記載の固体酸化物形燃料電池用の溶液注入ホルダにおいて、
    前記第2ホルダと前記単セルとの間に挟まれるシール部材を備える
    ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池用の溶液注入ホルダ。
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