JP4754338B2 - 容器詰液体調味料 - Google Patents

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本発明は、フラボノイド配糖体を含有する容器詰液体調味料に関する。
麺つゆなどの液体調味料は、主に醤油とだしを原料にして製造している。ここで、醤油風味が強すぎるとだし感が弱くなり、だし感が強すぎるとだし由来の生臭みが生じて、液体調味料の風味が損なわれてしまう、更にまろやかな風味とするには熟練が必要であるといった課題が指摘されている。このため老舗の蕎麦屋などでは、「かえし」と称し、醤油に砂糖などを添加した後、一定期間ねかせ、まろやかな熟成感を付与してから使用している。しかし、麺つゆを容器に詰めて工業的に生産する際に、老舗の蕎麦屋と同様に「かえし」を製造し、これを配合し、ねかせて液体調味料を製造することは、生産効率、品質管理等の点で難しいのが現状である。
これに対して、醤油感の低減された、つゆ類に好適な醤油が提案されているが(特許文献1〜3)、工程が複雑になる、新たな設備が必要となるなどの新たな課題が生じてしまう。従って、熟成感の付与された風味良好な液体調味料を簡便に得ることが望まれている。
一方、食品中に含まれる種々の成分の生理機能について、関心が高まってきている。生理機能を有する素材の一つとして、フラボノイドが挙げられる。フラボノイドは、植物性食品中に含まれ、例えば血圧降下作用、脂質代謝改善作用、アレルギー抑制作用等が知られている(特許文献4〜9)。
フラボノイドは、有用な生理機能を有するものの、水への溶解性が低い点、苦味、渋味、エグ味などの異味が生じる点で問題がある。これに対して、フラボノイドの溶解性を向上させる技術(特許文献10〜12)や、フラボノイド由来の風味を改善する技術(特許文献13〜15)が既に知られている。更に、フラボノイドを、食品、調味料に応用する技術が提案されている(特許文献16、17)。また、フラボノイドのうち、配糖体ではないもののメトキシ残基が多いフラボンの塩味緩和作用、甘味残存抑制作用等が知られているが、フラボノイドの醤油感低減作用については知られていない。この他、フラボノイド配糖体による甘味改善作用や、野菜飲料、生薬類の青臭み、渋味、酸味低減作用、不快臭・味の低減作用等が開示されている(特許文献18〜24)。しかしながら、上記課題点の解決が未だ充分であるとは言えないのが現状である。
特開平5-115261号公報 特開平9-271351号公報 特開2004-141014号公報 特開平8-283154号公報 特開2001-240539号公報 特開2002-47196号公報 特開2005-225847号公報 特開2000-78955号公報 特開2000-78956号公報 特開平3-27293号公報 特開2000-327692号公報 特開2004-238336号公報 特開2001-309764号公報 特開2005-245291号公報 特開2005-145933号公報 国際公開98/18348号パンフレット 特開2005-168458号公報 特開平6-335362号公報 特開平8-256725号公報 特開平11-318379号公報 国際公開93/10677号パンフレット 米国特許4031265号明細書 米国特許4154862号明細書 特開2004-49186号公報
本発明の目的は、醤油感が強すぎずに適度なだし風味と熟成風味を有し、しかも血圧降下作用等の優れた生理機能を有することができる風味良好で有用な容器詰液体調味料を提供することにある。
本発明者は、風味良好で有用な容器詰液体調味料について検討してきた。その結果、フラボノイド配糖体、ナトリウム、糖類及びエタノールを特定の割合で配合することにより、醤油感が強すぎずに適度なだし感を有し、しかも血圧降下作用等の優れた生理機能を有することが可能で、フラボノイドを配合しているにもかかわらずフラボノイド由来の異味が抑制された風味良好で有用な容器詰液体調味料が簡便に得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の(A)、(B)、(C)及び(D)、
(A)ナトリウム 0.2〜8質量%
(B)フラボノイド配糖体 0.01〜4質量%
(C)エタノール 0.2〜10質量%
(D)糖類 3.5〜30質量%
を含有する容器詰液体調味料を提供するものである。
本発明によれば、醤油感が強すぎずに適度なだし感を有し、しかも血圧降下作用等の優れた生理機能を付与することが可能で、フラボノイドを配合しているにもかかわらずフラボノイド由来の異味が抑制された風味良好で有用な容器詰液体調味料を簡便に得ることができる。また、血圧降下作用等の優れた生理機能を有するフラボノイドの容器詰液体調味料への応用が可能となる。そして、本発明の容器詰液体調味料を用いることで、ナトリウム量が少ない食品の製造が可能となる。
本発明の容器詰液体調味料においては、(A)ナトリウム、(B)フラボノイド配糖体、(C)エタノール及び、(D)糖類を含有することが必要である。
本発明の容器詰液体調味料は、(A)ナトリウムを0.2〜8質量%(以下、単に「%」で示す)含有するが、好ましくは0.3〜6%、より好ましくは0.4〜5%、更に1.5〜4%、特に2.1〜3.5%、殊更2.4〜3.2%含有するのが、熟成風味、醤油感、だし風味、保存性、生理効果、工業的生産性の点で好ましい。
本発明において、ナトリウム(Na)は、アルカリ金属の一種で、原子番号11、原子量23の元素である。人体にとっては重要な電解質のひとつであり、その大部分が細胞外液に分布している。濃度は135〜145mol/L程度に保たれており、細胞外液の陽イオンの大半を占める。そのため、ナトリウムの過剰摂取は濃度維持のための水分貯留により、高血圧の大きな原因となる。
本発明において、ナトリウムとして、無機ナトリウム塩、有機酸ナトリウム塩、アミノ酸ナトリウム塩、核酸ナトリウム塩等を用いることができる。具体的には、塩化ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、アスパラギン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム、これらの2種以上の混合物が挙げられる。塩化ナトリウムとして食塩を使用するのが、コストの点で好ましい。
食塩として、様々なものが市販されているが、乾燥物基準で塩化ナトリウム100質量部(以下、単に「部」で示す)に対して、塩化マグネシウムを0.01〜2部、塩化カルシウムを0.01〜2部、塩化カリウムを0.01〜2部含有するものが、風味、工業的生産性の点で好ましい。
本発明において、ナトリウムの含有量は原子吸光光度計(Z−6100形日立偏光ゼーマン原子吸光光度計)により測定することができる。
本発明の容器詰液体調味料において、(B)フラボノイド配糖体の含有量は0.01〜4%であるが、好ましくは0.06〜2%、更に0.08〜1.5%、特に0.1〜1%、殊更0.12〜0.7%であるのが、フラボノイド由来の異味抑制、熟成風味、醤油感、だし風味、生理効果の点で好ましい。
更に、容器詰液体調味料中のフラボノイド配糖体の含有量は、ナトリウム100部に対して0.25〜50部であるのが好ましく、より好ましくは1.25〜40部、更に2〜30部、更に3〜20部、特に3.5〜10部、殊更4〜7部であるのが、フラボノイド由来の異味抑制、熟成風味、醤油感、だし風味、風味バランスの点で好ましい。
本発明において、(B)フラボノイド配糖体は、C−C−Cを基本骨格とする一群の化合物に、糖がグリコシド結合したものを指す。両端のベンゼン環をそれぞれA環、B環と称し、中間のピラン環(またはピロン環)をC環という。配糖体には、水酸基にグリコシド結合したO−グリコシドと、A環、B環に直結したC−グリコシドがある(「食品の変色の化学」木村進ら編著、光琳、平成7年)。
更にフラボノイド配糖体は、フラボン配糖体、フラバン配糖体、フラバノン配糖体、フラバノール配糖体、フラバノノール配糖体、フラボノール配糖体、イソフラボン配糖体、イソフラバノン配糖体、アントシアニジン配糖体、ロイコアントシアニジン配糖体、プロアントシアニジン配糖体等が挙げられるが、フラボン配糖体、フラバン配糖体、フラバノン配糖体、フラバノール配糖体、フラバノノール配糖体、フラボノール配糖体、イソフラボン配糖体、イソフラバノン配糖体の1種又は2種以上の混合物であるのが好ましい。これらのうち、特に血圧降下作用を有するものが、本発明の主旨に合致するので好ましい。
フラボノイド配糖体のアグリコン(糖が結合していないもの)としては、タンゲレチン、オラネチン、シネンセチン、イソシネンセチン、リモシトリン、リモシトール、ノビレチン、アカセチン、ディスメチン、アピゲニン、ルテオリン、ケンフェロール、ケルセチン、ミリセチン、イソラムネチン、クロソエリオール、イソサクラネチン、ヘスペレチン、ナリンゲニン、エリオディクティオール、ダイゼイン、グリシテイン、ゲニステイン、ペラルゴニジン、シアニジン、ペオニジン、デルフィニジン、ペツニジン、マルビジン等が例示される。
フラボノイドに結合している糖類としては、グルコース、ガラクトース、ラムノース、キシロース、アラビノース、アピオース等の単糖、ルチノース、ネオヘスペリドース、ソフォロース、サンブビオース、ラミナリビオース等の二糖、ゲンチオトリオース、グルコシルルチノース、グルコシルネオヘスペリドース等の三糖、これらの糖付加物、これらの混合物が挙げられ、風味、水への溶解性の点から、糖付加物を使用するのが好ましい。
フラボノイド配糖体としては、上記アグリコンと糖類の結合したもので、具体的にはヘスペリジン、ネオヘスペリジン、エリオシトリン、ネオエリオシトリン、ナリンジン、ラリルチン、プルニン、ジディミン、ポンシリン、アストラガリン、イソケルシトリン、ケルシトリン、ルチン、ハイペリン、ケルシメリトリン、ミリシトリン、ダイジン、グリシチン、ゲニスチン、カリステフィン、クリサンテミン、シアニン、ケラシアニン、イデイン、メコシアニン、ペオニン、デルフィン、ナスニン、ペツニン、マルビン、エニン、これらの糖付加物、これらの混合物が挙げられる、ヘスペリジン、メチルヘスペリジン、これらの糖付加物であるヘスペリジン類が好ましい。特に、風味、水への溶解性の点から、上記フラボノイド配糖体の糖付加物、例えば、ヘスペリジンのグルコース付加物(商品名:αG-ヘスペリジンPA−T、東洋精糖製)、ルチンのグルコ−ス付加物(商品名:αG-ルチンPS、東洋精糖製)を用いるのが好ましい。
本発明において、(B)フラボノイド配糖体は、下記式(1)を満たすのが、風味の点で好ましい。
Y/(X+Y)=0.05〜1 式(1)
ここで、XとYは、それぞれ下記の数のことである。
X;フラボノイド1分子中のベンゼン環に結合したOH基の数
Y;フラボノイド1分子中のベンゼン環に結合したOCH3基の数
本発明において、式(1)の数値は0.05〜1であるのが好ましいが、好ましくは0.1〜0.7、より好ましくは0.15〜0.5、更に0.2〜0.45、特に0.25〜0.4、殊更0.27〜0.35であるのが、フラボノイドの異味抑制、熟成風味、醤油感、だし風味、風味バランス、安定性の点で好ましい。特に、ベンゼン環に結合したOH基は、保存中に酸化されやすいことから、OH基の替わりにOCH3基が結合しているものが好ましく、式(1)の数値が上記範囲であるのが好ましい。具体的には、ヘスペリジン、メチルヘスペリジン、マルビン、エニン、これらの糖付加物の他、ノビレチン糖付加物、タンゲレチン糖付加物、シネンセチン糖付加物等が挙げられる。
本発明において規定する(B)フラボノイド配糖体は、下記式(2)における配糖体の質量%が80%以上であるのが好ましく、更に85〜100%、特に90〜99.9%、殊更91〜99%であるのが、風味、溶解性の点で好ましい。
配糖体/{配糖体+アグリコン}×100(%) 式(2)
本発明において、(B)フラボノイド配糖体の含有量は、高速液体クロマトグラフィーを用いて、測定することができる(「食品の変色の化学」木村進ら編著、光琳、平成7年)。
本発明において、容器詰液体調味料中の(C)エタノールの含有量は0.2〜10%であるが、好ましくは0.5〜7%、更に1〜5%未満、特に2〜4.5%、殊更3〜4%であるのが、成分(D)とあいまって、フラボノイドの溶解性を増大し、またフラボノイドの異味を顕著に低減し、全体的にすっきりとした呈味性、保存性、良好な風味バランスを付与するので好ましい。
更に、容器詰液体調味料中の(C)エタノールの含有量は、(A)ナトリウム100部に対して5〜250部、好ましくは10〜200部、より好ましくは20〜180部、更に40〜170部、特に70〜135部、殊更90〜130部であるのが、フラボノイドの溶解性や異味、風味バランス、すっきりとした呈味、保存性の点で好ましい。
本発明において、(C)エタノールの含有量は、原料由来のエタノール量と新たに添加したエタノール量との合計量をいう。すなわち、調味料の原料として日本酒、ワイン等の酒、醤油、味醂(本みりん、みりん風調味料、塩みりん等)等の醸造調味料の他、発酵物等を用いると、原料由来のエタノールが含まれることがある。その場合には、原料由来のエタノール量と新たに添加したエタノール量との合計が、上記範囲内であるものとする。なお、(C)エタノールの含有量は、ガスクロマトグラフィー(GLC)を使用して、測定することができる(「しょうゆ試験法」、(財)日本醤油研究所編集、(株)醤協通信社販売、昭和60年)。
本発明において、容器詰液体調味料中の(D)糖類の含有量は3.5〜30%であるが、好ましくは4〜20%、更に5〜15%、特に6〜12%、殊更7〜10%であるのが、フラボノイドの異味、熟成風味、醤油感、だし風味、風味バランスの点で好ましい。糖類としては、グルコース、ガラクトース、アラビノース、フルクトース、シュークロース、マルトース、液糖、転化糖、水飴、澱粉、デキストリン等のほか、エリスリトール、グリセロール、ソルビトール、トレハロース、還元水あめ等の糖アルコールも例示される。また必要によりグリチルリチン、ステビオサイド、アスパルテームなどの甘味料も用いられる。
本発明において、(D)糖類の含有量は、原料由来の糖類量と新たに添加した糖類量との合計量をいう。すなわち、調味料の原料として日本酒、ワイン等の酒、醤油、味醂(本みりん、みりん風調味料、塩みりん等)等の醸造調味料の他、発酵物等を用いると、原料由来の糖類が含まれることがある。その場合には、原料由来の糖類量と新たに添加した糖類量との合計が、上記範囲内であるものとする。なお、(D)糖類の含有量は、液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して、測定することができる(「しょうゆ試験法」、(財)日本醤油研究所編集、(株)醤協通信社販売、昭和60年)。
本発明においては、(E)うま味調味料を含有するのが好ましい。容器詰液体調味料中の(E)うま味調味料の含有量は0.1〜10%であるのが成分(B)とあいまって、まろやかでコクのある熟成風味を醸し出すことができるので好ましく、より好ましくは0.5〜7%、更に1〜5%、特に1.5〜4%、殊更2〜3.5%含有するのが、フラボノイドの異味、熟成風味、醤油感、だし風味、風味バランスの点で好ましい。
更に、(A)ナトリウム100部に対して、(E)うま味調味料を20〜250部含有するのが好ましく、より好ましくは25〜150部、更に30〜100部、特に35〜70部、殊更40〜50部含有するのが、フラボノイドの異味、熟成風味、醤油感、だし風味、風味バランスの点で好ましい。
(E)うま味調味料としては、タンパク質・ペプチド系調味料、アミノ酸系調味料、核酸系調味料、エキス系調味料、有機酸塩系調味料が挙げられるが、アミノ酸系調味料、核酸系調味料、有機酸塩系調味料、これらの2種以上の混合物が、熟成風味、醤油感、だし風味、風味バランスの点で好ましい。工業的には、だし汁を使用し、これにうま味調味料を添加して、含有量を上記範囲とするのが、生臭みを抑えてだし風味を生かす点、生産効率やコストの点で好ましい。
だし汁としては、通常、つゆ、だし割り醤油などに使用されるものであれば使用できる。すなわち、鰹節、宗田節、鮪節、鯵節、鯖節、鰯節などの魚節の粉砕物又はこれらの削り節、あるいは、鰯、鯖、鯵などを干して乾燥した煮干し類などを水、熱水、アルコール、醤油などで抽出して得られるものや、昆布などの海藻類、椎茸などのきのこ類を抽出して得られるもの、これらを混合してから抽出して得られたもの、これらの抽出物を混合したもの等を用いることができる。
核酸系調味料としては、5′−グアニル酸、イノシン酸等のナトリウム、カリウムあるいはカルシウム塩等が挙げられる。容器詰液体調味料中の核酸系調味料の含有量は0〜0.2%が好ましく、0.01〜0.1%が特に好ましい。なお、本発明においては、核酸ナトリウム塩を使用した場合は、ナトリウムの部分は成分(A)として、核酸の部分は成分(E)として本発明を構成するものとする。例えば、イノシン酸2ナトリウムの場合、2ナトリウムは成分(A)、グルタミン酸は成分(E)として含有量を換算する。
アミノ酸系調味料としては酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、及びこれらの塩が挙げられる。なお、本発明においては、アミノ酸ナトリウム塩を使用した場合は、ナトリウムの部分は成分(A)として、アミノ酸の部分は成分(E)として本発明を構成するものとする。例えば、グルタミン酸ナトリウムの場合、ナトリウムは成分(A)、グルタミン酸は成分(E)として含有量を換算する。本発明において、容器詰液体調味料中のアミノ酸系調味料の含有量は、酸性アミノ酸が2%超、及び/又は塩基性アミノ酸が1%超であるのが好ましい。また、酸性アミノ酸は2%超5%以下、更に2.4〜4.5%、特に2.5〜3.8%であることが、熟成風味、醤油感、だし風味、風味バランスの点から好ましい。塩基性アミノ酸は1%超3%以下、更に1.2〜2.5%、特に1.5〜2%であることが、塩味の持続性の点から好ましい。なお、本発明の容器詰液体調味料は、醸造調味料をベースとしたものが熟成風味、醤油感、だし風味、風味バランスの点から好ましいが、この場合には、アミノ酸は原料醤油由来のものも含み、上記範囲に満たない場合には、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸塩等を更に添加することが好ましい。なお、本発明にいう「酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸」は、遊離(フリー)のアミノ酸又はアミノ酸塩の状態のものを指すが、本発明に規定する含有量は、遊離のアミノ酸に換算した値をいう。
また、本発明の容器詰液体調味料においては、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸の中でも酸性アミノ酸であるアスパラギン酸、グルタミン酸が熟成風味、醤油感、だし風味、風味バランスの点から好ましく、更に、アスパラギン酸とグルタミン酸を併用することが、熟成風味、醤油感、だし風味、風味バランスの点から好ましい。この場合、アスパラギン酸の含有量は1%超3%以下が好ましく、更に1.2〜2.5%、特に1.2〜2%であることが、熟成風味、醤油感、だし風味、風味バランス点から好ましい。アスパラギン酸は、醸造調味料をベースとした場合には原料由来のものも含み、上記範囲に満たない場合には、L−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸ナトリウム等を更に添加することが好ましい。また、グルタミン酸の含有量は1%超2%以下が好ましく、更に1.2〜2%、特に1.3〜1.8%であることが、熟成風味、醤油感、だし風味、風味バランスの点から好ましい。グルタミン酸は、醸造調味料をベースとした場合には原料由来のものも含み、上記範囲に満たない場合には、L−グルタミン酸、L−グルタミン酸ナトリウム等を更に添加することが好ましい。
塩基性アミノ酸としては、リジン、アルギニン、ヒスチジン、及びオルニチンが挙げられるが、中でもリジン、ヒスチジンが好ましく、特にヒスチジンが好ましい。リジンの含有量は0.5〜1%であることが熟成風味、醤油感、だし風味、風味バランスの点で好ましく、ヒスチジンの含有量は0.2〜2%、更に0.5〜1%であることが、熟成風味、醤油感、だし風味、風味バランスの点から好ましい。これらの塩基性アミノ酸も醸造調味料をベースとした場合には原料由来のものも含み、上記範囲に満たない場合には、更に添加することが好ましい。
上記以外のものとしては、例えば、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、シスチン、スレオニン、チロシン、イソロイシン、あるいはこれらのナトリウム塩又はカリウム塩等が挙げられ、これらを1種又は2種以上配合することができる。配合後のアミノ酸の含有量はそれぞれ遊離のアミノ酸に換算した場合、グリシンは0.3%超、アラニンは0.7%超、フェニルアラニンは0.5%超、シスチンは0%超、スレオニンは0.3%超、チロシンは0.2%超、イソロイシンは0.5%超であり、かつそれぞれ上限は1.5%以下が好ましい。中でもイソロイシンが熟成風味、醤油感、だし風味、風味バランスの点で好ましく、含有量は0.5〜1%であることが好ましい。
アミノ酸の含有量は、アミノ酸分析計(日立L−8800)を用いて測定することができる。核酸、有機酸の含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して測定することができる(「しょうゆ試験法」、(財)日本醤油研究所編集、(株)醤協通信社販売、昭和60年)。
本発明において、有機酸塩系調味料としては乳酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸等の有機酸のナトリウム塩、カリウム塩等を使用することができる。特にコハク酸二ナトリウム、グルコン酸ナトリウムが好ましい。これらの含有量は0〜0.3%が好ましく、0.05〜0.2%が特に好ましい。なお、本発明においては、有機酸ナトリウム塩を使用した場合は、ナトリウムの部分は成分(A)として、有機酸の部分は成分(E)として本発明を構成するものとする。例えば、グルコン酸ナトリウムの場合、ナトリウムは成分(A)、グルコン酸は成分(E)として含有量を換算する。
本発明において、核酸系調味料、成分(E)以外のアミノ酸系調味料、有機酸塩系調味料及び酸味料等を含有することが相乗的に塩味を増強できる点、及び塩味のみならず、苦味の低減、風味バランス等の点から好ましい。
本発明の容器詰液体調味料は、(A)ナトリウム、(B)フラボノイド配糖体及び、(C)エタノール、(D)糖類が所定量となるよう配合、攪拌、混合した調味液を容器に充填することにより、製造することができる。必要に応じて、残余成分として(E)うま味調味料の他、無機塩、酸、アミノ酸類、核酸、糖類、賦形剤、香辛料、うま味以外の調味料、抗酸化剤、着色料、保存料、強化剤、乳化剤、ハーブ等の食品に使用可能な各種添加物や、水を配合してもよい。
本発明の容器詰液体調味料は、必要に応じて加熱処理を施してもよい。調味液を容器に充填後、加熱処理を行ったり、調味液を予めプレート式熱交換器などで加熱処理した後に、容器に充填して製造することができる。
本発明において、酸味料としては、乳酸、酢酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸等を使用することができる。中でも乳酸、リンゴ酸、クエン酸が好ましく、特に乳酸が好ましい。乳酸の含有量は0〜2%が好ましく、0.3〜1%が特に好ましい。また、リンゴ酸、クエン酸の含有量は0〜0.2%が好ましく、0.02〜0.1%が特に好ましい。必要に応じて、食酢、果汁等を使用することもできる。
更に、塩味を増強させる添加剤としては塩化アンモニウム、乳酸カルシウム等も効果があるが、配合した醤油を用いて加熱調理した際に、前者においては異味を生じ、後者においては調理する食品が硬くなる等の不都合が生じるため、汎用の調味料としての機能も備える醤油としては好ましくない。
本発明において、成分(B)以外に、更にその他の血圧降下作用を有する物質を添加してもよい。その他の血圧降下作用を有する物質としては、γ−アミノ酪酸、食酢、ニコチアナミン、核酸誘導体、醤油粕、スフィンゴ脂質、成分(B)以外のフラボノイドやポリフェノール類、アンジオテンシン変換酵素阻害作用物質等が挙げられる。これらの物質の容器詰液体調味料中の含有量は0.05〜5%、更に0.2〜3%、特に0.5〜2%であるのが、生理機能、風味、安定性の点で好ましい。
また、本発明の容器詰液体調味料においては、pHが4.5〜6であるのが好ましく、更に4.6〜5.5、特に4.7〜5.3、殊更4.8〜5であることが、だし風味、醤油感、保存性の点から好ましい。更に、塩素量4〜9%、固形分量20〜45%の特数値を有することが好ましい。
本発明の容器詰液体調味料を、食品の製造・加工・調理に使用することで、フラボノイド由来の異味抑制、だし感付与、良好な風味バランスなどの改善効果が得られる。従って、本発明は、風味改善方法、食品の加工・調理方法、食品の製造方法としても有用である。
本発明においては、液体調味料とは、醤油、つゆ、たれ等の通常、食塩を含有する液体状の調味料をいい、日本農林規格に適合する「しょうゆ」に調味料、酸味料、香料、だし、エキス類等を添加した、「しょうゆ」と同様の用途で用いられる液体調味料を含む。具体的には、麺つゆ(ストレートタイプ、濃縮タイプ)、おでんつゆ、鍋物つゆ、煮物つゆ、天つゆ、天丼つゆ等のつゆ類、蒲焼のたれ、照り焼のたれ、焼肉のたれ、焼鳥のたれ、すきやきのたれ、しゃぶしゃぶのたれ等のたれ類、だし割り醤油、土佐醤油、松前醤油、八方だし等が挙げられる。
ここで、本発明における「醤油」とは、日本農林規格の「しょうゆ」と同一概念である。また、しょうゆに調味料、酸味料、香料、だし、エキス類等を添加したものを「しょうゆ加工品」という。なお、本願で記載する「液体調味料」は、上記のしょうゆ及びしょうゆ加工品を含むことはもちろん、これらの規格からは外れるが本願の要件を備えた調味料を含める概念とする。
食塩の過多な摂取は、腎臓病、心臓病、高血圧症に悪影響を及ぼすことから食塩の摂取量を制限するために、本発明の容器詰液体調味料が、使用頻度の高い醤油を含有する調味料であるのが好ましい。原料として使用する醤油としては、濃口醤油、淡口醤油、たまり醤油、低塩醤油、減塩醤油等を挙げることができるが、製品100g中のナトリウム量が3.55g超〜5.5g以下の低塩醤油、3.55g以下である減塩醤油を用いるのが、食塩摂取量、風味バランスの点で好ましい。
なお、本発明において、容器詰液体調味料としてつゆ類、たれ類、だし割り醤油等を製造する場合は、醤油とだし汁を含む調味液に、成分(A)、(B)、(C)、(D)が所定の濃度となるように各種添加物等を配合、溶解し、容器に充填することにより製造することができる。また、塩分(ナトリウム含量)を低下させた容器詰め液体調味料とする場合は、生醤油を電気透析、又は塩析/希釈により食塩含量の低下した生醤油(減塩生醤油、低塩生醤油)を調製し、火入れ工程後、成分(A)、(B)、(C)、(D)などを混合する方法、又は、火入れ工程後の醤油を電気透析、又は塩析/希釈により食塩含量の低下した醤油(減塩醤油、低塩醤油)を調製し、これとだし汁を含む調味液に成分(A)、(B)、(C)、(D)などを混合する方法等により製造することができる。更に、容器に充填する際には、加熱処理を行うのが好ましい。この場合には、(1) 加熱処理した後、液体調味料の温度が低下しないうちに容器に充填する、(2) 加熱処理しながら容器に充填する、(3) 容器に充填した後、加熱処理するのが風味、安定性、色の点で好ましい。
本発明の容器詰液体調味料は、液体調味料を容器に充填したものである。本発明に使用される容器の容量は5mL〜20Lであるのが好ましく、次に好ましくは10mL〜5L、より好ましくは50mL〜2L、更に100mL〜1L、特に300mL〜800mL、殊更450〜700mLであるのが、安定性、使い勝手の点で好ましい。本発明に使用される容器は、一般の液体調味料と同様にポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、紙容器、合成樹脂製の袋、ガラス瓶などの通常の形態で提供することができる。紙容器としては、紙基材とバリア性層(アルミニウム等の金属箔、エチレン−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニリデン系重合体など)とヒートシール性樹脂層とを含む積層材を製函したものなどが挙げられる。
更に、本発明において使用する容器は、その酸素透過指数が0.8(cm3/day・m2)以下であることがより好ましい。本発明でいう「酸素透過指数」とは、JIS法(K 7126 B法)により求められる「酸素透過度」(単位:cm3/day・bottle)を容器の表面積で除して、その材料1m2当たりに換算した値をいう。酸素透過度は、具体的にはMOCON社製装置を用いて、試験片(容器)の一方に酸素を供給し、もう一方に等圧で窒素キャリアーガスを流し、透過した酸素を酸素検知器を用いて測定された値(20℃、相対湿度60%)のことである。本発明に用いる容器の酸素透過指数は、好ましくは0〜0.6、より好ましくは0〜0.4、更に0.01〜0.2、特に0.02〜0.15、殊更0.05〜0.12であるのが、フラボノイドの生理機能維持、及び風味維持の点から好ましい。
本発明に用いる容器は、上記バリア性能を有するよう内層/中間層/外層の材質を適宜選択し、必要に応じて接着剤で接着することにより得ることができる。内層及び外層の材質としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、これらの延伸物、密度変更物、これら素材と他素材とを組合わせた物を用いるのがバリア性、外観、作業性、保存性、使用感、強度の点で好ましい。これらのうち、より好ましくは、ポリプロピレン、延伸ポリプロピレン、ポリエチレン、延伸ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポレエチレン、延伸ポリエチレンテレフタレート、更に好ましくは、ポリプロピレン、延伸ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、特に高密度ポリエチレンを用いるのがよい。
また、上記バリア性能を有するように上記記載の単層樹脂容器や多層樹脂容器の内外部に炭素膜や珪素膜をコーティングしたものでもよい。例えば、ポリエチレンテレフタレートに炭素膜や珪素膜をコーティングしたものが挙げられる。更に、上記バリア性能を有するようにPET樹脂に、メタキシレン基含有ポリアミド樹脂等の各種ナイロン樹脂(例えばMXD −6 ナイロン樹脂(MxD −6 Ny))をドライブレンドして成形した単層プリホームを用いてもよい。
本発明に用いる容器の中間層としては、酸素透過バリア性の高いエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)を用いるのがバリア性、保存性及び使用感の点で好ましい。例えば、エチレン含有量が20〜60モル%、特に25〜50モル%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が96モル%以上、特に99モル%以上となるようにして得られる共重合体ケン化物が使用される。このエチレン−ビニルアルコール共重合体は、フィルムを十分形成できる分子量を有するのが好ましい。
また、エチレン−ビニルアルコール共重合体以外の例としては、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6/6,6共重合体、メタキシリレンアジパミド、ナイロン6,10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン13等のポリアミド類が挙げられる。
エチレン−ビニルアルコール共重合体を用いる場合のように、他層との接着性が十分に得られない場合は、接着剤を用いることが好ましい。接着剤としては、カルボン酸、カルボン酸アミド、カルボン酸エステル等に基づくカルボニル基を主鎖又は側鎖にもつ熱可塑性樹脂が挙げられる。具体的には、エチレン−アクリル酸共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、アクリル酸グラフトポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、共重合体ポリエステル、共重合体ポリアミド等の1種又は2種以上の組合せが挙げられる。これらの接着剤樹脂は、同時押出し或いはサンドイッチラミネーション等による積層に有用である。また、予め形成された酸素透過バリア性フィルムと水分透過バリア性フィルムとの接着積層には、イソシアネート系或いはエポキシ系等の熱硬化性接着剤樹脂も使用される。
これらのうち特に、エチレン−ビニルアルコール共重合体を接着する三井化学株式会社製のアドマーや三菱化学株式会社製のモディックを使用するのが好ましい。
また、本発明に用いる容器に上記バリア性だけでなく透明性も付与するためには、例えば、内層及び外層が透明性の高い配向性熱可塑性樹脂であるポリプロピレン(PP)層からなり、中間層に環状オレフィンポリマー(COP)層とエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)層とを含んだ4層構造とするのが好ましい。また、内層及び外層を構成するPPと、中間層を構成するCOP及びEVOHの各層の間には、接着層が介在している。
ここで、環状オレフィンポリマー(COP)は、透明性及び水分バリア性に優れた樹脂であり、このCOPとしては、例えば日本ゼオン株式会社製のゼオノア(シクロ・オレフィン・ポリマー)や三井化学株式会社製のアベル(環状・オレフィン・コポリマー)等を用いることができる。
本発明に用いる容器は、上記バリア性及び透明性を有していれば、それ自体公知の方法で製造することができる。例えば、多層押出成形体の製造には、各樹脂層に対応する押出機で溶融混練した後、多層多重ダイスを用いて押出成形を行えばよい。多層射出成形体の製造には、樹脂の種類に応じた数の射出成形機を用いて、共射出法や逐次射出法により射出成形を行えばよい。
本発明の容器詰液体調味料は、各種食品に使用することができる。本発明の容器詰液体調味料を用いることで、塩味の持続性が増強することから、塩分量が少ない食品の設計が可能となる。
本発明の容器詰液体調味料を使用した食品としては、喫食時に食塩が含まれるものであれば特に制限はないが、例えば、吸い物、味噌汁、コンソメスープ、ポタージュスープ、卵スープ、ワカメスープ、フカヒレスープ等のスープ類、そば、うどん、ラーメン、パスタ等の麺類のつゆ・スープ・ソース類、おかゆ、雑炊、リゾット、お茶漬け等の米飯調理食品、刺身、お浸し、冷奴、湯豆腐、鍋物、煮物、揚げ物、焼き物、蒸し物等の調理食品等が挙げられる。すなわち、本発明の容器詰液体調味料の食品への用途(使用方法)としては、これらの食品に容器詰液体調味料をかける用途、これらの食品を容器詰液体調味料につける用途、容器詰液体調味料と食材を用いて調理する用途、容器詰液体調味料を用いて加工食品を製造する用途などが例示される。
本発明の容器詰液体調味料の、食品中の含有量は0.01〜50%であるのが好ましく、更に0.05〜20%、特に0.1〜10%、殊更0.5〜5%であるのが風味バランス、ナトリウムや食塩摂取量の点で好ましい。
本発明品は、血圧降下作用を有する成分(B)、または更にその他の血圧降下作用を有する物質を配合した場合、継続摂取することにより、高血圧症が顕著に改善される効果を有する。従って、本発明品の容器には、「血圧が気になる方に適しています」、「血圧が高めの方に適しています」、「血圧を下げる働きがある」、「血圧調整作用がある」等、表示することができる。
試験品P、Q(濃縮タイプつゆ)
表1に示す配合で、濃口醤油、調味料等を混合、溶解した。これをガラス製サンプル瓶に入れ、加熱(70℃達温から30秒保持)した後、蓋をして水冷した。次いで、冷蔵庫(5℃)に3日間静置して、容器詰液体調味料(試験品P)を製造した(ナトリウム含量:3.5%、pH=4.9)。また、フラボノイド配糖体を含まず、水を含むサンプルを対照品(試験品Q)とした。これらの風味について、調理評価(かけそば、つけそば、冷奴)を行い、下記基準で官能評価を行った。その結果を表2に示す。なお、試験品Pで用いたフラボノイド配糖体は、ヘスペリジン糖付加物(αG−ヘスペリジンPA−T、東洋精糖製、Y/(X+Y)=0.33)を使用した。
〔フラボノイド由来の異味の評価基準〕
a:フラボノイド由来の苦味、渋味、エグ味を全く感じない。
b:フラボノイド由来の苦味、渋味、エグ味が対照品に比べかなり低減している。
c:フラボノイド由来の苦味、渋味、エグ味が対照品に比べやや低減している。
d:フラボノイド由来の苦味、渋味、エグ味が対照品と同等である。
e:フラボノイド由来の苦味、渋味、エグ味が対照品よりも強い。
〔醤油感の評価基準〕
a:対照品に比べて、醤油感が弱い。
b:対照品に比べて、醤油感がやや弱い。
c:対照品に比べて、醤油感は同等である。
d:対照品に比べて、醤油感がやや強い。
e:対照品に比べて、醤油感が強い。
〔だし風味の評価基準〕
a:対照品に比べて、だし感が増強し、生臭みが殆どない。
b:対照品に比べて、だし感が増強し、生臭みがやや感じられるが不快でない。
c:対照品に比べて、だし感が増強し、生臭みが感じられ、不快である。
d:対照品に比べて、だし感は同等である。
e:対照品に比べて、だし感が低下している。
〔熟成風味の評価基準〕
a:対照品に比べて、まろやかな熟成風味が強く、好ましい。
b:対照品に比べて、まろやかな熟成風味がやや強く、やや好ましい。
c:対照品に比べて、まろやかな熟成風味は同等である。
d:対照品に比べて、まろやかな熟成風味がやや弱く、あまり好ましくない。
e:対照品に比べて、まろやかな熟成風味が弱く、好ましくない。
Figure 0004754338
Figure 0004754338
表2に示すように、試験品Pは、フラボノイド由来の異味が全く感じられなく、対照品に比べて醤油感が低減し、だし風味、熟成風味が良好であった。ストレート(冷奴)でも、希釈しても(かけそば、つけそば)、この傾向は同じであった。
このようにナトリウム、フラボノイド配糖体、エタノール及び糖類を特定量含有することにより、容器詰液体調味料の風味が改善することが示された。
(2)試験品W(すきやきのたれ)
表3に示す配合で、減塩醤油、調味料等を混合、溶解した。これをガラス製サンプル瓶に入れ、湯せんで加熱(内容物の温度:80℃達温後30秒間保持)した後、PET容器(500mL容)に充填し、水冷した。次いで、蓋をして冷蔵庫(5℃)に3日間静置して、容器詰液体調味料(試験品W)を製造した(ナトリウム含量:0.63%)。
Figure 0004754338
(3)すきやき
上記(2)で製造した容器詰液体調味料(試験品W)を用いて、下記方法により、すきやきを作製した。得られたすきやきは、良好な風味を呈した。
<材料>
牛肉(薄切り) 200部
長葱(5cm巾、輪切り) 75部
白滝 100部
焼豆腐(一口大切り) 150部
春菊 70部
サラダ油 13部
容器詰液体調味料(試験品W) 350部
<調理方法>
鍋にサラダ油入れ、火にかけた。次いで、牛肉、長葱を入れて焼いた。焼き色がついたら、容器詰液体調味料を開栓して加え、煮立ったら白滝、焼豆腐を加えた。3分後に春菊を加えて2分間煮て、すきやきを作製した。

Claims (5)

  1. 次の(A)、(B)、(C)及び(D)、
    (A)ナトリウム 0.2〜8質量%
    (B)ヘスペリジンのグルコース付加物 0.01〜0.7質量%
    (C)エタノール 0.2〜10質量%
    (D)糖類 3.5〜30質量%
    を含有し、ナトリウム100質量部に対してヘスペリジンのグルコース付加物が3〜10質量部である容器詰液体調味料。
  2. 更に(E)うま味調味料を0.1〜10質量%含有する請求項1記載の容器詰液体調味料。
  3. 液体調味料が、つゆ類である請求項1又は2に記載の容器詰液体調味料。
  4. 液体調味料のpHが4.5〜6である請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器詰液体調味料。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の容器詰液体調味料を使用した食品の製造方法。
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