JP4753830B2 - カードエッジコネクタ - Google Patents
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Description
端子金具をキャビティ内にその後方側から挿入していくと、端子金具は撓み状態にあるランスによって基板側に押圧力を受けることになるものの、端子金具の先端部は受け壁によって支持されるから、端子金具は傾き姿勢になることが規制されると共に、キャビティ内を円滑に挿入することができる。そして端子金具が正規の挿入位置に至ると、ランスの係合部がランスホールと係合すると共に、接触部が基板の導電路に接触する。したがって、基板の導電路に接続される端子金具を備えたカードエッジコネクタにおいてキャビティ内への円滑な挿入性を実現することができる。
ランスホールが基板側を向いた姿勢で端子金具をキャビティ内に挿入すると、段部の先端部がキャビティ内におけるランス側の壁面に接触し、端子金具のうちランスホール側の外面が段部の高さ寸法分だけ基板側に寄せられる。このため、端子金具の先端部が受け壁の後端に当接することで端子金具の誤挿入が防止される。したがって、受け壁を利用して端子金具の逆挿入防止を行うことができる。
端子金具の先端部のうち薄くなった部分に受け壁を位置させることができるから、端子金具を段部の高さ寸法分だけ基板側に近づけることができる。すなわち、端子金具のうちランスホールが形成された面と対向するキャビティ壁面が段部の高さ寸法分だけ基板側に近づくことになるから、カードエッジコネクタの低背化が可能である。
基板の端部を両受け壁によって案内された状態で基板挿入空間に挿入することができる。
基板の端部を突き当て壁に接触するまで基板挿入空間に挿入することで、基板の挿入深さを一定にすることができる。
本発明の実施形態1を図1ないし図16によって説明する。
本発明におけるカードエッジコネクタ1は、図15及び図16に示すように、回路基板(本発明における基板に相当する。)10と、回路基板10に装着される基板側ハウジング20と、電線Wの端末に接続されるハーネス側ハウジング30とを含んで構成されている。
まず、ハーネス側ハウジング30に対する端子金具50、ロックアーム60、金属リング70及びリテーナ80の組み付け作業について説明する。
端子金具50をキャビティ31内に挿入する端子挿入工程では、端子金具50がバレル53によって電線Wの端末に固着されており、端子金具50が接続された複数の電線Wが束になった状態で取り扱われる。このとき、他の電線Wや先端が細長い形状の小型の雄端子等が、端子金具50の接触部52に対して横方向から接近しても、積層部として形成された接触部52の側面部に接触する。或いは、雄端子等が隙間S2に侵入しようとしても、隙間S2の入口部分でその侵入が規制される。したがって、接触部52が、他の電線Wや雄端子等によって損傷を受けることが回避される。
ハーネス側ハウジング30は、基板側ハウジング20のフード部21内に嵌合される。これに伴って、基板側ハウジング20に固定された回路基板10は、ハーネス側ハウジング30の基板挿入空間S1に対して前方から挿入される。回路基板10のエッジ部11の前端は、基板挿入空間S1の入口部分で誘い込み面41Aに接触し、基板挿入空間S1の内部へ案内される。回路基板10が基板挿入空間S1の内部に進入すると、回路基板10の両面が両受け壁41によって基板挿入空間S1の奥方へ案内される。接触部52が回路基板10のエッジ部11の表面に乗り上げると、接触片56は本体部51の内部側に撓み変形する。このとき、接触片56の弾性力により端子金具50の本体部51がキャビティ31内面におけるランス40側の面に押圧される。これに伴って、ハーネス側ハウジング30の上下両面は、上下方向に開き変形しようとするものの、金属リング70によって開き変形することが規制される。さらに、両ハウジング20,30の嵌合操作を続けると、回路基板10のエッジ部11の前端が突き当て壁44に当接することで、回路基板10が基板挿入空間S1内における正規位置に至ると共に、接触部52と導電路12とが接続される。このとき、ハーネス側ハウジング30が上下方向に開き変形することが規制されているから、接触部52の導電路12に対する接圧を低下させることなく、接触部52と導電路12との間の接続信頼性が確保される。このようにして両ハウジング20,30の嵌合が完了すると、ロックアーム60のロック係止面64Aが基板側ハウジング20の係止縁22Aと係止して両ハウジング20,30がロック状態に保持される。
1.本体部51の外部側の構成板材52Bと本体部51の底壁51Bの外面との間に形成される隙間S2に先端が細長い形状の小型の雄端子等が侵入することが規制される。この結果、端子挿入工程における端子金具50の取り扱いを容易にすると共に、接触部52が電線Wや雄端子等により損傷を受けることを未然に防ぐことができる。
2.SUS材の弾性部材59により接触片56の弾性力が得られるようにしたから、大きな撓み変形可能領域を得ることができる。その結果、回路基板10の基板厚の公差や回路基板10の反り等による接圧変動要因に対応することが可能となり、接触部52の導電路12に対する十分な接圧を確保することができる。
3.金属リング70によりハーネス側ハウジング30が上下方向に開き変形することが規制される。これにより、接触部52の導電路12に対する接圧低下を阻止することができる。
5.金属リング70によりロックアーム60の抜け止めを行うことができることに加えて、金属リング70とは別にロックアーム60の抜け止め部材を設ける必要がないから、部品点数を減らすことができる。
6.端子金具50がランス40から受ける押圧力を受け壁41で受けることができるから、端子金具50の前端が挿通孔45に落ち込むおそれがなく、端子挿入工程における端子挿入性を向上させることができる。
8.端子金具50の先端部を他の部分より一段と薄くして、この薄くなった部分に受け壁41が進入するようにしたから、端子金具50の本体部51の外面に突部を設けて段部51Dを形成する場合よりもキャビティ31の低背化が可能であり、ひいてはハーネス側ハウジング30の低背化が可能となる。
9.基板挿入空間S1の入口部分に誘い込み面41Aを設け、かつ、回路基板10の両面を両受け壁41によって挟み込む構成としたから、回路基板10が基板挿入空間S1に案内することができる。
10.基板挿入空間S1の奥方に突き当て壁44を設けたから、回路基板10の挿入深さが一定となるように回路基板10の挿入を規制することができる。
次に、本発明の実施形態2を図17ないし図19によって説明する。
本実施形態における端子金具90は、実施形態1における端子金具50の接触部52の構造を一部変更したものであり、その他の重複する部分については実施形態1と同一の符号を付すものとし、その構造及び作用効果の説明を省略する。端子金具90は、端子金具50のように接触片56の先端部56Aから折り返した構成ではなく、単層の構成板材からなる接触部92を備えている。すなわち接触部92は、接触片96の基端部96Aから先端部96Bに至る途中部分を開口部55から本体部51の外部に突出させると共に、接触片96の構成板材を本体部51の内部から外部に向かう方向に膨らみ出る膨出部として形成されている。その膨出部のうち本体部51の内部側に開口する開口縁は、底壁51Bの外面の高さ位置より本体部51の内部側に位置するように形成されている。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(2)本実施形態ではキャビティ31が上下2段形成されているものを例示したが、本発明によると、キャビティ31の段数が1段のものであってもよい。
(3)本実施形態では突き当て壁44を設けたものを例示したが、本発明によると、必ずしも突き当て壁44を設ける必要はなく、ハーネス側ハウジング30の前端面がフード部21の奥壁に当接することにより回路基板10の基板挿入空間S1に対する挿入深さを一定とするようにしてもよい。
10…回路基板(基板)
12…導電路
31…キャビティ
40…ランス
41…受け壁
42…係合部
44…突き当て壁
50…端子金具
51D…段部
52…接触部
54…ランスホール
S1…基板挿入空間
Claims (5)
- 基板の端部に設けた導電路に接続されるカードエッジコネクタであって、
前記基板の表面に沿う方向(前後方向)に形成されたキャビティが設けられているとともに、このキャビティ内に突出する係合部を有するランスが前記キャビティの前端に設けられているコネクタハウジングと、
前記キャビティ内にその後方側から挿入されて前記ランスの前記係合部と係合するランスホールを備えると共に、前記基板側に突出して前記基板の前記導電路に接触する接触部を有する端子金具とを備え、
前記端子金具の前記ランスホールを、前記接触部とは反対側の面において接触部よりも前記端子金具の前端に配置し、
前記キャビティの前端には、前記基板側に面する位置に前記ランスの前記係合部に対応して前記端子金具の前端部を受ける受け壁を設け、その受け壁の後端部が前記ランスの係合部よりも後方となるように配置したことを特徴とするカードエッジコネクタ。 - 前記端子金具には、前記端子金具が正規に挿入された状態において前記受け壁の後端と対向する段部を設け、その段部の高さ寸法を前記端子金具と前記キャビティ内面とのクリアランスよりも大きく設定したことを特徴とする請求項1記載のカードエッジコネクタ。
- 前記段部は、前記端子金具の先端部を他よりも一段と薄くすることにより形成されていることを特徴とする請求項2記載のカードエッジコネクタ。
- 前記コネクタハウジングは、前記基板の端部が挿入される基板挿入空間を有して前記基板の端部を前記基板の両面から挟み込むように装着されるものであって、前記キャビティが前記基板の両面側に形成され、前記コネクタハウジングの受け壁は前記基板挿入空間の入口部分で互いに対向して配置されていることを特徴とする請求項2又は3記載のカードエッジコネクタ。
- 前記コネクタハウジングには、前記基板挿入空間の奥方に前記基板の挿入を規制する突き当て壁が設けられていることを特徴とする請求項4記載のカードエッジコネクタ。
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