JP4753497B2 - 表面形状測定装置及び方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板やガラス基板等のほぼ均一な厚さを有する薄板の表面形状、表面のうねり又は平坦度を測定するための表面形状測定装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体基板(例えば、半導体ウェーハ)やガラス基板(例えば、液晶ガラス基板)を含む基板などのほぼ均一な厚さを有する薄板の表面形状、表面のうねり又は平坦度は、通常、対象物を平坦な載物台の上に置いて測定される。この測定は、薄板を自重で安定させるか又は真空チャックにより薄板に負圧を作用させ載物台に密着させた状態で行われるが、薄板を確実に固定させるために真空チャックを利用することが多い。
【0003】
ところで、薄板は、施された加工などにより、反りを生じる傾向がある。薄板が反りを生じているとき、真空チャックを用いて薄板に負圧を作用させると、真空チャックと薄板裏面との接触点では負圧による吸引力で薄板が撓みを生じることはないが、接触点から離れるにしたがって薄板は薄板の自重及び薄板裏側に作用する負圧により鉛直方向下向きに撓みを生じてしまう。こうした撓みの発生により測定が不安定となることを回避するために、平面精度がよく且つチャック面の接触可能面積が広い真空チャックを用いて薄板を強く真空吸引(負圧吸引)することにより、薄板の裏面を真空チャックのチャック面にほぼ全面にわたって接触させ、薄板の反り自体を矯正する方法がある。
【0004】
しかしながら、薄板、特に半導体ウェーハでは、表面形状の測定に高い精度が求められるので、その裏面に微粒子が付着している場合、付着した微粒子が半導体ウェーハとチャック面との間に挟まって半導体ウェーハの表面形状を変形させ得ることが問題となる。この問題を回避するために、半導体ウェーハの表面形状測定では、多数のピンによりウェーハを保持し且つピンの間からウェーハに負圧を作用させる真空ピンチャックが用いられることが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、真空ピンチャックでは、そのピンとピンの間では支持がないので、真空ピンチャック上の半導体ウェーハに負圧を作用させると、ピンとピンとの間で吸引されて下方へ撓みを生じさせ、半導体ウェーハとピンの接触位置とそれ以外の位置では吸引によるウェーハ表面の撓み量が異なる。したがって、この撓みは、半導体ウェーハ等の薄板の表面形状、表面うねり又は平坦度などについての測定において、特に100nm以下の領域の測定で大きな誤差を生じさせるという新たな問題を生じさせる。
【0006】
よって、本発明の目的は、上記従来技術に存する問題を解消して、薄板の表面形状測定において、半導体ウェーハなどの薄板に負圧を作用させたときに生じる撓みの影響を考慮して、薄板の正確な表面形状を求めることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的に鑑み、薄板の表面形状測定において、薄板に負圧を作用させたときに生じる撓みによる誤差を補正することにより、撓みがないときの薄板の表面形状を推定するようにしたものである。
【0008】
すなわち、本発明の第1の態様によれば、薄板を載物台に載せ、真空チャックにより該薄板に負圧を作用させて載物台に密着させ、薄板の表面形状を測定する表面形状測定装置であって、
負圧を少なくとも2段階に調整することができる圧力調整装置により第1の負圧と第2の負圧を設定し、前記薄板の表面上の単数又は複数の予め定められた位置において、前記第1の負圧が作用したときの薄板表面と前記第2の負圧が作用したときの薄板表面との間の高さ方向の変位量を高さ位置検出手段により測定し、前記圧力調整装置により設定された前記第1の負圧と前記第2の負圧との間の圧力変化量と前記高さ位置検出手段により測定された前記変位量とに基づいて、前記薄板に作用する負圧による変形がないとき又は前記薄板に作用する負圧及び前記薄板の自重による変形がないときの前記薄板の表面形状を求めるようにした表面形状測定装置を提供する。
【0009】
上記表面形状測定装置では、前記薄板の自重による等価圧力P、前記圧力調整装置により設定された第1の負圧をP、第2の負圧をPとし、前記薄板表面上の任意の位置A(x,y)において、第1の負圧Pが作用したときに前記高さ位置検出手段により測定された前記薄板表面の高さ位置をZ(x,y)、第2の圧力Pが作用したときに前記高さ位置検出手段により測定された前記薄板表面の高さ位置をZ(x,y)とするとき、
前記薄板に作用する負圧及び前記薄板の自重による変形がないときの前記薄板表面の高さ位置Z(x,y)は、
【0010】
【数2】
Figure 0004753497
で表され得る。
【0011】
前記真空チャックは真空ピンチャックであることが好ましい。
【0012】
また、本発明の第2の態様によれば、薄板を載物台に載せ、真空チャックにより該薄板に負圧を作用させて載物台に密着させ、薄板の表面形状を測定する表面形状測定方法であって、
少なくとも2段階に負圧を調整し、前記薄板の表面上の単数又は複数の予め定められた位置において、第1の負圧が作用したときの薄板表面と第2の負圧が作用したときの薄板表面との間の高さ方向の変位量を測定し、前記第1の負圧と前記第2の負圧との間の圧力変化量と前記変位量に基づいて、前記薄板に作用する負圧による変形がないとき又は前記薄板に作用する負圧及び前記薄板の自重による変形がないときの前記薄板の表面形状を求めるようにした表面形状測定方法が提供される。
【0013】
なお、本願において、「薄板の自重による等価圧力」とは、薄板の質量に作用する重力により生じる薄板の撓みを解消するために、薄板に作用させる必要がある圧力を意味し、重力とは反対方向に作用する。
【0014】
薄板表面上の任意の位置において負圧が作用したことにより発生する撓みはその位置において作用する負圧と一定の関係を有している。本発明は、この事実を利用して、少なくとも2段階に負圧を調整し、これら少なくとも2つの負圧を作用させたときの薄板表面の高さ位置を測定することにより、高さ位置の変位量から撓みの変化量を求め、薄板に作用する負圧とそのときの撓み量の関係を表す曲線を特定する。そして、この曲線から、薄板に作用する負圧による変形がないとき又は薄板に作用する負圧及び薄板の自重による変形がないときの薄板表面の高さ位置を求め、薄板の表面形状を推定する。
【0015】
薄板に作用する負圧とそのときの撓み量が比例関係を有するときには、異なる2つの作用する負圧とそのときの薄板表面の高さ位置の間の関係が分かれば、作用する負圧に対する撓み量の関係を表す直線を特定することができる。このとき、直線の傾きは(Z(x,y)−Z(x,y))/(P−P)に等しくなり、等価圧力W、第1の圧力Vは既知である。したがって、薄板に作用する負圧及び薄板の自重による撓みZ(x,y)−Z(x,y)は、(Z(x,y)−Z(x,y))/(P−P)×(P−P)となり、上記式が導かれる。また、上記式から分かるように、必要とされるのは負圧により生じる撓みの変化量であり、これは異なる負圧が作用したときの薄板表面の高さ位置の変位量に等しく、撓みの絶対量を測定する必要はない。これは、作用する負圧に対する撓み量の関係が曲線により表される場合も同じである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施態様を説明する。
【0017】
図1は本発明による表面形状測定装置の概略構成図、図2は薄板の自重とそれにより生じる撓み及び薄板に作用する負圧と負圧が作用したときに生じる撓みとの関係を示しているグラフ、図3は薄板の自重及びそれに作用する負圧により薄板の表面形状がどのように変形するかを示している略図である。
【0018】
図1を参照すると、本発明の表面形状測定装置10は、薄板12を載置するための載物台14と、薄板12を載物台14に密着、保持させるための真空チャック16と、薄板12の表面形状の高さ位置を測定する高さ位置検出手段18とを備えている。薄板12には、半導体ウェーハのような半導体基板、液晶ガラス基板のようなガラス基板、ほぼ均一の厚さを有し、負圧による吸引によって変形を生じ得る薄い任意の物品が含まれる。
【0019】
真空チャック16は、載物台14の中央に設けられており、後述する圧力調整装置によって供給される負圧(真空圧)により載物台14上の薄板12を吸引するようになっている。図1に示されている真空チャック16は、無数のピンを備え、ピン上に支持される薄板12にピンの間の空間から負圧を作用させて薄板12を吸引、保持するピンチャックタイプのものである。薄板12の裏面に付着した粒子が薄板12の表面形状に影響を与えることを回避するためには、図1に示されているような真空ピンチャックタイプが好ましいが、平坦な表面のチャック面に無数の穴及び溝が設けられ、チャック面上に載置された薄板12に上記穴から負圧を作用させて薄板12を吸引、保持する面タイプの真空チャックを使用することも可能である。
【0020】
高さ位置検出手段18は、載物台14上に載置された薄板12の上方に対向して配置されている。図1では、薄板12の表面の高さ位置を非接触で測定することができるレーザ光を利用した合焦点式又は干渉光式の測長センサが高さ位置検出手段18として使用されているが、薄板12の表面に接触して表面の高さ位置を測定する触針タイプのものを高さ位置検出手段18として使用することもできる。また、電子線を利用するタイプや原子間力を利用するタイプの位置センサを高さ位置検出手段18として使用することもできる。
【0021】
載物台14と高さ位置検出手段18とは互いに対して相対的に移動できるようになっている。高さ位置検出手段18が不動であり、高さ位置検出手段18に対して載物台14を移動させることが好ましい。
【0022】
表面形状測定装置10は、真空チャック16に負圧を供給し且つその負圧レベルを調整することができる圧力調整装置20と、制御装置22とをさらに備えている。制御装置22は、高さ位置検出手段18により獲得した情報の処理、載物台14や高さ位置検出手段18や圧力調整装置20の動作の制御を行う。本発明によれば、圧力調整装置20は少なくとも2段階のレベルに負圧を調整できればよい。図1においては、例として、2段階のレベルに負圧を調整することができる圧力調整装置20が示されているが、示されている構造の圧力調整装置20に限定される訳ではなく、3段階以上のレベルに調整することができる又は負圧レベルを無段調整することができる圧力調整装置であってもよい。
【0023】
図1に示されている圧力調整装置20においては、真空ポンプ24からリリーフ弁26を経由して供給される負圧が、負圧レギュレータ28に導かれ、真空レベルの高い負圧P(<0)に調整される。また、別経路では同様に、真空ポンプ24から供給される負圧が負圧レギュレータ30に導かれ、真空レベルの低い負圧P(<0)に調整される。なお、P>Pである。
【0024】
最初に、電磁開閉弁などにより構成される負圧供給弁32を開けることにより、吸引フィルタ36を通して真空チャック16に負圧Pを供給し、載物台14上に載置されている薄板12に高いレベルの負圧を作用させる。なお、このとき、同じく電磁開閉弁などにより構成される負圧供給弁34は閉じられている。その後、高さ位置検出手段18により薄板12に関して第1の表面形状測定を行い、薄板12の表面上の任意の位置A(x,y)における高さ位置Z(x,y)を測定し、負圧Pが作用しているときの薄板12の表面プロファイルを獲得する。
【0025】
次に、負圧供給弁32を閉じて負圧供給弁34を開けることにより、真空チャック16に負圧Pを供給し、載物台14上に載置されている薄板12に低いレベルの負圧を作用させる。その後、高さ位置検出手段18により薄板12に関し第2の表面形状測定を行い、薄板12の表面上の任意の位置A(x,y)における高さZ(x,y)を測定し、負圧Pが作用しているときの薄板12の表面プロファイルを獲得する。
【0026】
薄板12の表面形状の測定が終了すると、電磁開閉弁などにより構成される真空破壊弁38を開き、流量絞り40やリリーフ弁42などを通して大気中又は空気源から空気を取り入れ、真空状態(負圧)を解消させ、載物台14及び真空チャック16から薄板12を除去できるようにする。このとき、真空状態が急激に解消されて薄板12に衝撃が与えられないように、流量絞り40により空気の流量を予め適宜に調整しておく。
【0027】
上記負圧調整時に行われる負圧供給弁32、34及び真空破壊弁38の開閉動作は制御装置22によって制御される。
【0028】
さらに、図1に示されているように、実際に薄板12に作用している負圧をより正確に知るために負圧供給経路上において真空チャック16の近傍に圧力計38を設置することが好ましい。しかしながら、薄板12に作用する負圧として負圧レギュレータ28、30の設定値を利用することも可能である。また、制御装置22により負圧レギュレータ28の設定値を変えることができるようにして、負圧レギュレータ30及び負圧供給弁34を省略することも可能である。
【0029】
次に、図2及び図3を参照して、本発明の原理にしたがって、こうして得た薄板12の表面形状から、薄板12に作用する負圧による変形がないとき又は薄板12に作用する負圧及び薄板12の自重による変形がないときの薄板12の表面形状を推定する手順を説明する。
【0030】
載物台14に載置された薄板12は、一般的に水平状態で置かれるので、圧力調整装置20によって負圧を作用させられていない状態でも、自重により下方へ向かって、すなわち重力方向に撓み量δを生じ、その表面形状が変形している。さらに、薄板12の表面形状を高さ位置検出手段18により測定するために高さ位置検出手段18に対して載物台14を移動させるときに、載物台14上の薄板12の位置が変化することを回避するためなどの理由で、圧力調整装置20により薄板12に負圧を作用させると、薄板12は負圧による吸引力で下方にさらに撓みを生じて表面形状が変形する。また、載物台14に設けられた真空チャック16と薄板12との接触点(例えば、真空ピンチャックのピンと薄板12との接触点)からの距離が異なると、同じ負圧に対して生じる撓み量も異なる。このため、図3に示されているように、自然な状態の薄板12の表面形状と、載物台14上に載置されている状態又は負圧による吸引を受けている状態で撓みを生じている薄板12の表面形状とは、通常、異なっている。したがって、薄板12を載物台14に載置して負圧を作用させた状態では薄板12の自然な表面形状を測定又は推測することは困難である。
【0031】
これに対して、本発明の表面形状測定装置及び方法は、薄板12の表面上の任意の位置において、薄板12と真空チャック16との接触点からの距離に関わらず、薄板12に作用する負圧とそれにより生じる撓み量との間には一定の関係が成立していることを利用して、負圧を作用させたときに測定された薄板12の表面形状から自然な状態又は自重による重力が作用した状態での薄板12の表面形状を推定する。
【0032】
上記負圧と撓み量との間には、通常、概略比例関係が成立することが知られている。そこで、以下では、負圧と撓み量との間に比例関係があるものと仮定して、本発明の表面形状測定装置及び方法を説明する。しかしながら、本発明は負圧と撓み量との間に比例関係が成立する場合のみに限定されるものではない。すなわち、薄板の素材や真空チャックの構造などの影響を加味し、負圧と撓み量との間の関係をより正確に表すために、その間の関係を曲線により表す場合にも同様にして本発明を適用することができる。
【0033】
図2を参照して、負圧P=0であるときには、薄板12が自重により下方へ向かって撓み量δを生じている。ここで、質量M、面積Sの薄板12に自重により生じる撓みを解消させるのに必要とされる重力と反対方向の圧力を等価圧力P=MG/Sと定義する(G:重力加速度)。本発明によれば、先ず、圧力調整装置20により相対的に高い真空レベルを生じさせる負圧Pを載物台14上の薄板12に作用させる。このとき、薄板12は負圧Pによる吸引力で下方へ向かって撓み量δをさらに生じさせる。したがって、高さ位置検出手段18は、薄板12の表面上の任意の位置A(x,y)において、下方へ向かって撓み量δ+δを生じたときの薄板12の表面の高さ位置Z(x,y)を測定する。次に、圧力調整装置20により負圧レベルを切り換え、相対的に低い真空レベルを生じさせる負圧Pを載物台14上の薄板12に作用させ、薄板12は負圧Pによる吸引力で下方へ向かって撓み量δを生じさせる。したがって、高さ位置検出手段18は、負圧Pのときの測定と対応した位置A(x,y)において、下方へ向かって撓み量δ+δを生じたときの薄板12の表面の高さ位置Z(x,y)を測定する。なお、最初に負圧Pを作用させたときの薄板12の表面の高さ位置Z(x,y)を測定し、次に負圧Pを作用させたときの薄板12の表面の高さ位置Z(x,y)を測定してもよいことは言うまでもない。
【0034】
薄板12に負圧Pが作用しているときの薄板12の表面上の高さ位置Z(x,y)から、負圧及び自重により生じる撓みがないとき、すなわち撓み量が零のときの薄板表面の高さ位置Z(x,y)を復元するには、位置A(x,y)における高さ位置Z(x,y)に、負圧Pの作用により生じる撓み量δ (<0)と自重により生じる撓み量δ (<0)とを除去すればよい。
【0035】
(x,y)=Z(x,y)−δ −δ (1)
また、負圧Pのときと負圧Pのときに生じる撓み量の差Δδ(<0)は、
【0036】
【数3】
Figure 0004753497
【0037】
により求められる。ここで、薄板12の任意の位置A(x,y)における、負圧Pが作用するときと負圧Pが作用するときに生じる撓み量の差Δδは、負圧Pが作用するときと負圧Pが作用するときの高さ位置Z(x,y)の差 (x,y)−Z (x,y)に等しい。よって、式(1)及び式(2)から次式(3)が導かれる。
【0038】
【数4】
Figure 0004753497
【0039】
同様にして、薄板12に負圧が作用したときに生じる撓みのみがないとき、すなわち、薄板12に自重による撓みのみが生じているときの薄板12の表面の高さ位置Z(x,y)は、次式(4)により求められることが導かれる。
【0040】
【数5】
Figure 0004753497
【0041】
よって、本発明によれば、圧力調整装置20による負圧の変化量すなわち圧力変化量と、係る圧力変化に伴って高さ位置検出手段18により検出された薄板表面の変位量とに基づき、上記式(3)又は(4)を用いて、負圧を作用させたときの薄板12の表面形状から薄板12に作用する負圧による撓みがないとき又は薄板12に作用する負圧及び薄板12の自重による変形がないときの薄板12の表面形状を推定することが可能となる。
【0042】
以上、図1から図3に示されている本発明の実施態様を参照して、本発明を説明したが、本発明は上記実施態様に限定されるものではない。例えば、載物台14を高さ位置検出手段18に対して移動させる場合には、載物台14上に載置されている薄板12の水平方向位置が載置台14の移動により変位することを防止するために、調整可能な2段階の圧力はともに負圧であることが好ましい。しかしながら、例えば、高さ位置検出手段18を載物台14に対して移動させる場合には、調整可能な2段階の負圧の一方を周囲圧力と等しく設定すること、すなわち負圧による吸引力を薄板12に作用させずに薄板12の表面形状を測定することも可能である。
【0043】
また、薄板12に作用する負圧とそれにより生じる撓みとの間には、通常、直線により表される概略比例関係が成立するので、上記のように異なる2つの負圧が作用したときに生じる撓み量が分かれば、比例関係を表す直線を特定することができる。しかしながら、薄板12に作用する負圧とそれにより生じる撓みとが曲線により表される関係であるとしても、圧力調整装置20により3段階以上に負圧レベルを切り換え、各レベルの負圧を作用させたときの撓みを測定すれば、上記曲線を特定することが可能となり、薄板12に作用する負圧による変形がないとき又は薄板12に作用する負圧及び薄板12の自重による変形がないときの薄板12の表面形状を推定できるようになることは言うまでもない。
【0044】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、少なくとも2段階に負圧レベルを調整し、各々のレベルの負圧を薄板に作用させたときの薄板表面の高さ位置から圧力変化量(負圧変化量)とそれにより生じる薄板表面の高さ方向の変位量を求め、該圧力変化量と該薄板表面の高さ方向の変位量に基づいて、薄板の表面上の任意の位置において、薄板に作用する負圧とそのときに薄板に生じる撓みとの間の対応関係を特定することができる。したがって、薄板に作用する負圧による撓みがないとき又は薄板に作用する負圧及び薄板の自重による変形がないときの薄板の表面形状を推定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による表面形状測定装置の概略構成図である。
【図2】薄板の自重とそれにより生じる撓み及び薄板に作用する負圧とその負圧が作用したときに生じる撓みとの関係を示しているグラフである。
【図3】薄板の自重及びそれに作用する負圧により薄板の表面形状がどのように変形するかを示している略図である。
【符号の説明】
10…表面形状測定装置
12…薄板
14…載物台
16…真空チャック
18…高さ位置検出手段
20…圧力調整装置

Claims (4)

  1. 薄板を載物台に載せ、真空チャックにより該薄板に負圧を作用させて載物台に密着させ、薄板の表面形状を測定する表面形状測定装置であって、
    負圧を少なくとも2段階に調整することができる圧力調整装置により第1の負圧と第2の負圧を設定し、前記薄板の表面上の単数又は複数の予め定められた位置において、前記第1の負圧が作用したときの薄板表面と前記第2の負圧が作用したときの薄板表面との間の高さ方向の変位量を高さ位置検出手段により測定し、前記圧力調整装置により設定された前記第1の負圧と前記第2の負圧との間の圧力変化量と前記高さ位置検出手段により測定された前記変位量とに基づいて、前記薄板に作用する負圧による変形がないとき又は前記薄板に作用する負圧及び前記薄板の自重による変形がないときの前記薄板の表面形状を求めるようにしたことを特徴とする、表面形状測定装置。
  2. 前記薄板の自重による等価圧力をP、前記圧力調整装置により設定された第1の負圧をP、第2の負圧をPとし、前記薄板表面上の任意の位置A(x,y)において、第1の負圧Vが作用したときに前記高さ位置検出手段により測定された前記薄板表面の高さ位置をZ(x,y)、第2の圧力Pが作用したときに前記高さ位置検出手段により測定された前記薄板表面の高さ位置をZ(x,y)とするとき、
    前記薄板に作用する負圧及び前記薄板の自重による変形がないときの前記薄板表面の高さ位置Z(x,y)が、
    Figure 0004753497
    で表される、請求項1に記載の表面形状測定装置。
  3. 前記真空チャックが真空ピンチャックである、請求項1又は請求項2に記載の表面形状測定装置。
  4. 薄板を載物台に載せ、真空チャックにより該薄板に負圧を作用させて載物台に密着させ、薄板の表面形状を測定する表面形状測定方法であって、
    少なくとも2段階に負圧を調整し、前記薄板の表面上の単数又は複数の予め定められた位置において、第1の負圧が作用したときの薄板表面と第2の負圧が作用したときの薄板表面との間の高さ方向の変位量を測定し、前記第1の負圧と前記第2の負圧との間の圧力変化量と前記変位量に基づいて、前記薄板に作用する負圧による変形がないとき又は前記薄板に作用する負圧及び前記薄板の自重による変形がないときの前記薄板の表面形状を求めるようにしたことを特徴とする、表面形状測定方法。
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