JP4753211B2 - 太陽電池の特性計測装置、太陽電池の特性計測方法 - Google Patents

太陽電池の特性計測装置、太陽電池の特性計測方法 Download PDF

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Description

本発明は、太陽電池の特性を計測する技術に関する。
地球環境と化石エネルギーの有限性に関わる課題解決の喫緊性が年々高まる中、太陽エネルギーの直接的利用を原理とし、環境に優しい再生可能エネルギーへの期待は一段と高まっている。その中でも、太陽光発電システムの普及はこの10年、日本や欧州を中心に年率数10%で加速している。この急激な普及速度によって、太陽エネルギーを電気エネルギーへ直接変換する結晶型シリコン太陽電池の供給量の制約が顕在化してきた。このため、多くの大学、企業において薄膜型太陽電池の開発が急がれている。
前述した薄膜型太陽電池の一つとして色素増感太陽電池が有望視されている(特許文献1参照)。また、色素増感太陽電池の性能評価については各研究機関等において様々な方法が提案されている。その中の一つとして、ステップ法と呼ばれる方法がある。このステップ法においては、評価対象となる太陽電池に対し、ステップ状に強度が変化する光を照射してその際における太陽電池の開放電圧、短絡電流等の時間応答を計測する。そして、これらの計測データを用いて解析を行うことにより、電子の移動速度、拡散係数、密度等のパラメータを得る。このような解析を効率よく行うために、ステップ法を用いた太陽電池の特性計測に適した特性計測装置及び方法が望まれている。
特開2002−063949号公報
そこで本発明は、ステップ法を用いた太陽電池の特性計測に適した特性計測技術を提供することを目的とする。
本発明に係る太陽電池の特性計測装置は、計測対象となる太陽電池に対して照射されるべきレーザ光を出力する光源と、前記太陽電池と接続されて当該太陽電池の電気的特性の過渡応答を計測する計測ユニットと、を備える太陽電池の特性計測装置であって、前記計測ユニットが、(a)前記光源を制御することによって前記レーザ光の照射を開始させる制御手段と、(b)前記太陽電池から前記過渡応答に対応する複数の計測データを取得するデータ取得手段と、(c)前記レーザ光の照射が開始してから一定時間が経過した後に、前記データ取得手段によって取得された前記計測データをメモリに格納するデータ格納手段と、(d)前記データ取得手段が前記一定時間の経過後に取得した前記計測データの数を計数し、当該計測データの数が予め設定された第1の値に達したか否かを判定する第1の判定手段と、(e)前記第1の判定手段によって前記計測データの数が前記第1の値に達したと判定されたことに対応して、前記光源を制御することによって前記レーザ光の強度をステップ状に変化させる光強度変更手段と、(f)前記データ取得手段が前記レーザ光の強度の変化後に取得した前記計測データの数を計数し、当該計測データの数が予め設定された第2の値に達したか否かを判定する第2の判定手段と、(g)前記第2の判定手段によって前記計測データの数が前記第2の値に達したと判定されたときに、前記データ格納手段に対して前記計測データの格納を終了するよう指示する指示手段と、を含む、太陽電池の特性計測装置である。
本発明に係る太陽電池の特性計測方法は、計測対象となる太陽電池に対して照射されるべきレーザ光を出力する光源と、前記太陽電池と接続されて当該太陽電池の電気的特性の過渡応答を計測する計測ユニットと、を用いた太陽電池の特性計測方法であって、前記計測ユニットが、(a)前記光源を制御することによって前記レーザ光の照射を開始させる第1ステップ、(b)前記太陽電池から前記過渡応答に対応する複数の計測データを取得する処理を開始する第2ステップ、(c)前記レーザ光の照射が開始してから一定時間が経過した後に、前記計測データをメモリに格納する処理を開始する第3ステップ、(d)前記一定時間の経過後に取得した前記計測データの数を計数し、当該計測データの数が予め設定された第1の値に達したか否かを判定する第4ステップ、(e)前記第4ステップにおいて前記計測データの数が前記第1の値に達したと判定されたことに対応して、前記光源を制御することによって前記レーザ光の強度をステップ状に変化させる第5ステップ、(f)前記レーザ光の強度の変化後に取得した前記計測データの数を計数し、当該計測データの数が予め設定された第2の値に達したか否かを判定する第6ステップ、及び、(g)前記第6ステップにおいて前記計測データの数が前記第2の値に達したと判定されたときに、前記計測データを前記メモリに格納する処理を終了する第7ステップ、の各ステップを実行する、太陽電池の特性計測方法である。
前記光源は、例えば、発光素子と当該発光素子に対して駆動信号を供給するドライバとを含む。
前記太陽電池の電気的特性とは、例えば、開放電圧、短絡電流又は電荷の何れかである。
好ましくは、前記第1の値が前記第2の値よりも小さい。
本発明によれば、太陽電池に対するレーザ光の照射を開始した後、一定時間が経過してから計測データをメモリに格納しているので、レーザが安定した後の計測データを収集できる。また、前述の一定時間の経過後に取得した計測データの数が一定値(第1の値)に達したか否かを判定し、その後にレーザ光の強度をステップ状に変化させているので、レーザ光の強度が変化する前後の計測データを確実に、かつデータ量を必要以上に増加させることなく収集できる。更に、レーザ光の強度が変化した後の計測データの数が予め設定された一定値(第2の値)に達したときにデータの収集を終了しているので、いつも一定数の計測データを確実に、かつデータ量を必要以上に増加させることなく収集できる。従って、ステップ法を用いた太陽電池の特性計測技術に適した特性計測装置等を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、一実施形態の太陽電池の特性計測システムの全体構成を示すブロック図である。本実施形態に係る太陽電池の特性計測システム100は、計測ユニット1、レーザドライバ2、レーザ3、ホルダ4、表示部5、パーソナルコンピュータ(PC)6を含んで構成されている。これらのうち、計測ユニット1、レーザドライバ2、レーザ3、ホルダ4、表示部5を含んで太陽電池の特性計測装置が構成されており、この特性計測装置とパーソナルコンピュータ6とが通信手段によって接続されることにより全体として特性計測システムが構築されている。本実施形態の太陽電池の特性計測システムは微弱な電流/電圧を扱うことから、少なくともレーザ3、ホルダ4及び計測対象の太陽電池7などについては電気的にシールドされた暗室(図示せず)に設置される。また、パーソナルコンピュータ6についてはデスクトップ型、ノートブック型などいずれのタイプでもよい。
計測ユニット1は、レーザドライバ2に制御信号を供給することによってレーザ3の動作を制御する。また、計測ユニット1は、ホルダ4を通じて、レーザ3から出力されたレーザ光が計測対象の太陽電池7に照射された際の太陽電池7の開放電圧、短絡電流等を計測する。この計測ユニット1は、USB(Universal serial Bus)等の公知の通信手段を介してパーソナルコンピュータ6と相互に通信可能に接続されており、上記した開放電圧等の計測データをパーソナルコンピュータ6へ送信する。パーソナルコンピュータ6側において操作指示を入力することによって、計測ユニット1の動作をコントロールすることも可能である。計測ユニット1の詳細構成については後述する。
レーザドライバ2は、計測ユニット1から供給される制御信号に対応し、レーザ3に対して駆動信号を出力する。レーザ3は、この駆動信号の供給を受けて発光する。このレーザ3は、例えば半導体レーザや発光ダイオードなどである。レーザ3の発光波長は、例えば500〜700nm程度の範囲内で適宜設定される。これらのレーザドライバ2とレーザ3が本発明における「光源」に対応する。なお、図示を省略しているが、レーザ3と太陽電池7との間に適宜、レンズなどの光学手段が設けられていてもよい。
ホルダ4は、レーザ3から出力されるレーザ光が太陽電池7の所定位置へ照射されるように太陽電池7を保持する。このホルダ4には、太陽電池7の電極と接触可能に構成された端子が設けられている。また、ホルダ4には、太陽電池7の裏面温度を計測するための温度検出手段(例えば熱電対など)が設けられている。上述した計測ユニット1は、端子を介して太陽電池7の開放電圧等を取得するとともに、温度検出手段によって検出された太陽電池7の裏面温度を取得する。また、ホルダ4には太陽電池7の温度を一定に保つための温度制御手段が備わっていてもよい。
表示部5は、計測ユニット1から供給される画像信号に基づいて種々の画像を表示する。この表示部5は、例えば液晶表示装置などの薄型表示装置を用いて構成される。表示部5に表示される画像は、例えば計測時のパラメータ設定のための画像や、計測データのグラフなどである。
図2は、計測ユニット1の詳細構成を示すブロック図である。図2に示す計測ユニット1において、CPU10は、計測ユニット1の全体動作を制御する。このCPU10にはメモリ11が接続されている。メモリ11は、CPU10において実行されるプログラムを格納するROMや、計測ユニット1における計測データを記憶するRAMを含む。また、CPU10には、USB規格に基づいてパーソナルコンピュータ6との間で通信を行うための通信部(USB)12と、RS232C規格に基づいてパーソナルコンピュータ6との間で通信を行うための通信部(RS232C)13とが接続されている。さらに、CPU10は、上記した表示部5と接続されており、表示部5に対して画像信号を出力する。
ロジック回路14は、CPU10と接続されており、CPU10からの命令を受けてレーザドライバ2に対する制御信号を出力する処理や、太陽電池7の開放電圧、短絡電流などの特性を取得する処理、レーザ3の光量をモニターする処理、太陽電池7の裏面温度をモニターする処理などを実行する。このロジック回路14としては、例えばプログラマブルゲートアレイなどのプログラム可能なロジック回路が好適に用いられるが、専用チップであってもよい。
デジタルアナログ変換器15は、ロジック回路14から出力されるレーザドライバ2に対する制御信号をデジタルデータに変換する。変換されたデジタルデータはレーザドライバ2に入力される。
フォトダイオード(受光素子)16は、レーザ3から出力されるレーザ光の強度をモニターするために用いられる。例えば、図示しない半透過板がレーザ光の光路中に設けられ、その半透過板によって得られた反射光をフォトダイオード16に入射させることにより、レーザ光強度をモニターすることができる。レーザ光の強度をモニターすることにより、計測全体の信頼性が高まる。フォトダイオード16の出力信号はアンプ17、抵抗素子18からなる増幅回路によって増幅され、アナログデジタル変換器19によってデジタルデータに変換され、ロジック回路14に入力される。
温度センサ20は、例えば熱電対であり、ホルダ4にセットされた太陽電池7の裏面温度を検出する。温度センサ20の出力信号はアンプ21によって増幅され、アナログデジタル変換器22によってデジタルデータに変換され、ロジック回路14に入力される。
デジタルアナログ変換器26はロジック回路14から制御信号にて設定された負極電圧を出力する。バイアススイッチ28を太陽電池側に接点を繋ぎ太陽電池7へ逆バイアスをかけバイアススイッチ31を電流制限/スイッチ回路24側にして太陽電池7内で仮想0V状態(開放状態)にすることで太陽電池7内に電荷を貯める働きをする。次に溜まった電荷を抽出する為にレーザ3を消灯し、流れ出す電荷量を電流制限/スイッチ回路24で取得し、アナログデジタル変換器30に入力する。
電流制限/スイッチ回路24は太陽電池7に貯まっている電流をモニターする為のレンジ切替をリレーにて行う。レンジは複数段レンジ切替可能に工夫されており、数μAから数Aまでの電流モニターが可能である。選択された抵抗器とリレーの接点が接続されている。この抵抗器を流れる電流をモニターしてアナログデジタル変換器30に入力される。
アナログデジタル変換器27は、抵抗素子25を介して入力される太陽電池7の出力電流をデジタルデータに変換する。アナログデジタル変換器27から出力されるデジタルデータはロジック回路14に入力される。
アナログデジタル変換器29は、太陽電池7の出力電圧をデジタルデータに変換する。アナログデジタル変換器29から出力されるデジタルデータはロジック回路14に入力される。
なお、上述したCPU10、ロジック回路14が本発明における「制御手段」、「データ格納手段」、「第1の判定手段」、「光強度変更手段」、「第2の判定手段」、「指示手段」に相当する。また、CPU10及びロジック回路14と、デジタルアナログ変換器26、アナログデジタル変換器27、バイアススイッチ28、バイアススイッチ31、アナログデジタル変換器29、アナログデジタル変換器30などの回路系が「データ取得手段」に相当する。
次に、本実施形態の太陽電池の特性計測システムにおいて計測される特性と、その特性を得るときの計測ユニット1の動作について説明する。
図3は、太陽電池の開放電圧の過渡応答を計測する際の動作について説明するための図である。具体的には、図3(A)は開放電圧の計測時に直接的に関わる回路構成を模式的に示した図であり、図3(B)は計測によって得られる特性を模式的に示した図である。図3(A)に示すように、電流計測に関連する回路を開き、太陽電池7の開放電圧Vocがアナログデジタル変換器29に入力される状態とする(Vocモード)。そして、図3(B)に示すように、レーザ3から出力されるレーザ光の光量(光強度)をステップ状(階段状)に変化させ(図3(B)上段参照)、その際における太陽電池7の開放電圧Vocの過渡応答が計測される(図3(B)下段参照)。
図4は、太陽電池の短絡電流の過渡応答を計測する際の動作について説明するための図である。具体的には、図4(A)は短絡電流の計測時に直接的に関わる回路構成を模式的に示した図であり、図4(B)は計測によって得られる特性を模式的に示した図である。図4(A)に示すように、電流計測に関連する回路を閉じ、バイアススイッチ28をゼロ側にして、太陽電池7の短絡電流Iscがアナログデジタル変換器27に入力される状態とする(Iscモード)。そして、図4(B)に示すように、レーザ3から出力されるレーザ光の光量(光強度)をステップ状に変化させ(図4(B)上段参照)、その際における太陽電池7の短絡電流Iscの過渡応答が計測される(図4(B)下段参照)。
図5は、太陽電池の電荷を計測する際の動作について説明するための図である。具体的には、図5(A)は電荷の計測時に直接的に関わる回路構成を模式的に示した図であり、図5(B)は計測によって得られる特性を模式的に示した図である。短絡電流、開放電圧を監視しながら太陽電池7を仮想0V状態(開放状態)までスイープし、電流が流れなくなったところでレーザ光の光量をゼロにし、それと同時に太陽電池7に溜まった電荷の過渡応答をその瞬間より計測する(図5(C)参照)。
本実施形態に係る太陽電池の特性計測システムは以上のような構成を備えており、次に、太陽電池の特性を計測する際の計測ユニット1の動作についてフローチャート等を用いて詳細に説明する。図6は、計測ユニット1の動作を説明するためのフローチャートである。また、図7は、計測対象となる太陽電池の過渡特性の一例を示す図である。図7においては、一例として太陽電池の開放電圧の過渡特性が示されている。
計測ユニット1は、レーザドライバ2に対して制御信号を与えることによりレーザ3を発光させ、太陽電池7に対するレーザ照射を開始する(ステップS10)。より詳細には、CPU10がロジック回路14に命令を与え、それに対応してロジック回路14が制御信号を生成する。この制御信号がデジタルアナログ変換器15によってアナログ信号に変換され、レーザドライバ2に入力される。レーザ照射が開始された時点を図7における時刻t=0とする。計測ユニット1への処理開始の命令はパーソナルコンピュータ6を用いて入力することができる。
次に、計測ユニット1は、レーザ照射を開始した時点から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS11)。詳細には、CPU10がこの判定を行う。すなわち、CPU10は、レーザ照射を開始させるための命令をロジック回路14に与えた時点から計時処理を開始し、その後、所定時間が経過したか否かを判定する。ここでいう所定時間とは、レーザ3から出力されるレーザ光が安定するまでに確保される時間であり、例えば5分間くらいの時間が設定される。この所定時間を図7においてはT1と示している。所定時間T1が経過しないうちは(ステップS11;NO)、この判定処理が継続される。
所定時間T1が経過すると(ステップS11;YES)、計測ユニット1は、データ記憶を開始する(ステップS12)。詳細には、CPU10は、アナログデジタル変換器29から出力されるデジタルデータをロジック回路14から取得し、これを計測時刻と対応づけてメモリ11に格納する。なお、計測対象の一例として開放電圧を採り上げているため、CPU10はアナログデジタル変換器29からの出力データを取得しているが、それ以外の計測モード(図4,図5参照)の場合にはアナログデジタル変換器27の出力も取得される。
次に、計測ユニット1は、ステップS12におけるデータ記憶の開始以降、すなわち所定時間T1の経過後に取得したデータ数が所定数であるN1個に達したか否かを判定する(ステップS13)。詳細には、CPU10がこの処理を行う。ロジック回路14の側でデータ数を監視し、N1個に達した時点でCPU10に通知してもよい。ここでいうデータ数のN1個は適宜設定されるが、例えばN1=100個と設定される。なお、図7に示すように、一定時間T2を計測することによって、データ数が所定数に達したかを判断することも可能である。データ数がN1個に達しない間は(ステップS13;NO)、計測ユニット1によるデータ記憶が継続される。
データ数がN1個に達した場合には(ステップS13;YES)、計測ユニット1は、レーザドライバ2を制御することにより、レーザ3から出力されるレーザ光の強度を変化させる(ステップS14)。上述したように(図2〜図4参照)、計測ユニット1は、レーザ光の強度をステップ状に低下させる。詳細には、CPU10がロジック回路14に命令を与え、それに対応してロジック回路14が制御信号を生成する。この制御信号がデジタルアナログ変換器15によってアナログ信号に変換され、レーザドライバ2に入力される。レーザドライバ2は、制御信号に対応してレーザ3に供給する駆動信号を変化させる。それにより、レーザ光の強度が変化する。レーザ光の強度変化後も計測ユニット1によるデータ記憶処理は継続して実行される。
次に、計測ユニット1は、ステップS13におけるレーザ光の強度を変化させた時点より以降に取得し、メモリ11に格納したデータ数が所定数であるN2個に達したか否かを判定する(ステップS15)。詳細には、CPU10がこの処理を行う。ロジック回路14の側でデータ数を監視し、N2個に達した時点でCPU10に通知してもよい。ここでいうデータ数のN2個は適宜設定されるが、例えばN2=900個と設定される。上述したN1とこのN2との関係でいえば、全体のデータ数(N1+N2)に対して、例えばN1が10%、N2が90%くらいの割合とすることが好適である。なお、図7に示すように、一定時間T3を計測することによって、データ数が所定数に達したかを判断することも可能である。データ数がN2個に達しない間は(ステップS15;NO)、計測ユニット1によるデータ記憶が継続される。
データ数がN2個に達した場合には(ステップS15;YES)、計測ユニット1は、データを取得し、メモリ11に格納する処理を終了する(ステップS16)。また、計測ユニット1は、レーザドライバ2を制御することにより、レーザ3からのレーザ光の出力を停止させる。それにより、太陽電池7に対するレーザ照射が終了する(ステップS17)。以上で、一連の特性計測処理が終了する。その後、計測ユニット1は、パーソナルコンピュータ6からの要求があれば、それに応じて計測データを送信する。
以上のような本実施形態によれば、太陽電池に対するレーザ光の照射を開始した後、一定時間が経過してから計測データをメモリに格納しているので、レーザが安定した後の計測データを収集できる。また、前述の一定時間の経過後に取得した計測データの数が一定値(第1の値)に達したか否かを判定し、その後にレーザ光の強度をステップ状に変化させているので、レーザ光の強度が変化する前後の計測データを確実に、かつデータ量を必要以上に増加させることなく収集できる。更に、レーザ光の強度が変化した後の計測データの数が予め設定された一定値(第2の値)に達したときにデータの収集を終了しているので、いつも一定数の計測データを確実に、かつデータ量を必要以上に増加させることなく収集できる。従って、ステップ法を用いた太陽電池の特性計測技術に適した特性計測装置等を提供することが可能となる。
なお、本発明は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば、上述した実施形態においては、図6に示すフローチャートに沿って実行される処理における計測対象として太陽電池の開放電圧の過渡特性を例示していたが、他の過渡特性を計測する場合についても同様の処理を適用することができる。
太陽電池の特性計測システムの全体構成を示すブロック図である。 計測ユニットの詳細構成を示すブロック図である。 太陽電池の開放電圧の過渡応答を計測する際の動作について説明するための図である。 太陽電池の短絡電流の過渡応答を計測する際の動作について説明するための図である。 太陽電池の電荷を計測する際の動作について説明するための図である。 計測ユニットの動作を説明するためのフローチャートである。 計測対象となる太陽電池の過渡特性の一例を示す図である。
符号の説明
1…計測ユニット、2…レーザドライバ、3…レーザ、4…ホルダ、5…表示部、6…パーソナルコンピュータ(PC)、7…太陽電池、100…太陽電池の特性計測システム

Claims (8)

  1. 計測対象となる太陽電池に対して照射されるべきレーザ光を出力する光源と、前記太陽電池と接続されて当該太陽電池の電気的特性の過渡応答を計測する計測ユニットと、を備える太陽電池の特性計測装置であって、
    前記計測ユニットが、
    前記光源を制御することによって前記レーザ光の照射を開始させる制御手段と、
    前記太陽電池から前記過渡応答に対応する複数の計測データを取得するデータ取得手段と、
    前記レーザ光の照射が開始してから一定時間が経過した後に、前記データ取得手段によって取得された前記計測データをメモリに格納するデータ格納手段と、
    前記データ取得手段が前記一定時間の経過後に取得した前記計測データの数を計数し、当該計測データの数が予め設定された第1の値に達したか否かを判定する第1の判定手段と、
    前記第1の判定手段によって前記計測データの数が前記第1の値に達したと判定されたことに対応して、前記光源を制御することによって前記レーザ光の強度をステップ状に変化させる光強度変更手段と、
    前記データ取得手段が前記レーザ光の強度の変化後に取得した前記計測データの数を計数し、当該計測データの数が予め設定された第2の値に達したか否かを判定する第2の判定手段と、
    前記第2の判定手段によって前記計測データの数が前記第2の値に達したと判定されたときに、前記データ格納手段に対して前記計測データの格納を終了するよう指示する指示手段と、
    を含む、太陽電池の特性計測装置。
  2. 前記光源は、発光素子と当該発光素子に対して駆動信号を供給するドライバとを含む、
    請求項1に記載の太陽電池の特性計測装置。
  3. 前記太陽電池の電気的特性は、開放電圧、短絡電流又は電荷の何れかである、
    請求項1又は2に記載の太陽電池の特性計測装置。
  4. 前記第1の値が前記第2の値よりも小さい、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の太陽電池の特性計測装置。
  5. 計測対象となる太陽電池に対して照射されるべきレーザ光を出力する光源と、前記太陽電池と接続されて当該太陽電池の電気的特性の過渡応答を計測する計測ユニットと、を用いた太陽電池の特性計測方法であって、
    前記計測ユニットが、
    前記光源を制御することによって前記レーザ光の照射を開始させる第1ステップ、
    前記太陽電池から前記過渡応答に対応する複数の計測データを取得する処理を開始する第2ステップ、
    前記レーザ光の照射が開始してから一定時間が経過した後に、前記計測データをメモリに格納する処理を開始する第3ステップ、
    前記一定時間の経過後に取得した前記計測データの数を計数し、当該計測データの数が予め設定された第1の値に達したか否かを判定する第4ステップ、
    前記第4ステップにおいて前記計測データの数が前記第1の値に達したと判定されたことに対応して、前記光源を制御することによって前記レーザ光の強度をステップ状に変化させる第5ステップ、
    前記レーザ光の強度の変化後に取得した前記計測データの数を計数し、当該計測データの数が予め設定された第2の値に達したか否かを判定する第6ステップ、
    及び、
    前記第6ステップにおいて前記計測データの数が前記第2の値に達したと判定されたときに、前記計測データを前記メモリに格納する処理を終了する第7ステップ、
    の各ステップを実行する、太陽電池の特性計測方法。
  6. 前記光源は、発光素子と当該発光素子に対して駆動信号を供給するドライバとを含む、
    請求項5に記載の太陽電池の特性計測方法。
  7. 前記太陽電池の電気的特性は、開放電圧、短絡電流又は電荷の何れかである、
    請求項5又は6に記載の太陽電池の特性計測方法。
  8. 前記第1の値が前記第2の値よりも小さい、
    請求項5乃至7の何れか1項に記載の太陽電池の特性計測方法。
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