JP4752564B2 - 海草類等の着生基盤の改質又は造成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アマモなどの海草類や微細藻類の着生基盤となる水底を、海草類や微細藻類の生育に好適な状態に改質し又は造成するための方法、並びに海草類や微細藻類の着生基盤用の水底造成物に関する。
海水中で生育する植物は、維管束をもたない海藻類(ホンダワラ類、コンブ類など)と、陸上植物と同様に維管束をもつ海草類(アマモ類など)に大別され、前者は岩礁に根を張って生育し、後者は砂質又は砂泥質中に地下茎を延ばして生育する。
海草類が群生している場所は海草藻場(通称、アマモ場)と呼ばれる。このような海草藻場は沿岸海域における海中動植物の生産場であり、有用魚介類の生息場、魚介類の産卵場、稚仔魚の生育場、餌場などとして不可欠な場所であると言える。
しかし、近年、沿岸海域における海草藻場は、海砂の流失、沿岸の埋め立て、底質のヘドロ化、水質汚染などの影響により急速な消失、衰退が続いている。このため水底に海草藻場を回復させることができる方法を早急に確立することが求められている。
従来、衰退または消失したアマモ場を回復するために、人工栽培したアマモや他の天然アマモ場から採取したアマモを移植することが行われており、その際にアマモを植え付ける方法として、アマモを固定するマットを用いる方法(例えば、特許文献1,2)、アマモの根を粘土で包み固定する方法(例えば、特許文献3)などが提案されている。
特開2002−171852号公報 特開平2−109923号公報 特公平7−2063号公報
しかし、このような従来技術を利用してアマモを移植しても、その過程でアマモの活性が低下しやすく、移植したアマモを根付かせることは容易ではない。また、底質のヘドロ化などにより環境が悪化した水底や水質汚濁が進んだ水域では、その環境の故にアマモ場が失われつつあるため、そのような水底にアマモを移植したとしても、アマモの生育を期待することは殆どできない。
また、近年、環境保全の観点から、沿岸海域などにおいてヘドロ化した底質を浄化する試みがなされており、底質の浄化方法の一つとして、好気性微生物の働きで底質の有機物(ヘドロ)を分解処理する方法が検討されている。この好気性微生物による有機物の分解を促進させる有効な手段として、底質で微細藻類(植物プランクトン)を繁殖させ、その光合成で放出される酸素により好気性微生物の働きを活性化させることが考えられる。しかし、ヘドロ化した底質では、微細藻類の着生・繁殖は不活発である。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、水底を海草類や微細藻類の着生基盤として好適な状態に改質し又は造成することができる方法並びに海草類や微細藻類の着生基盤用の水底造成物を提供することにある。
本発明者らは、水底でアマモなどの海草類(以下、「アマモ」を例に説明する)を生育・繁殖させるには、アマモの生理的性質に応じた底質の改善技術やアマモ自体の活性を高める技術の適用が不可欠であるとの見地から、近年アマモが減少しつつある原因とその対策について検討を行った。その結果、アマモ減少の原因の一つが、生育環境の悪化によって、アマモの根の成長にとって不可欠な酸素が根に十分に供給されなくなり、アマモの根が十分に成長できなくなる点にあることを突き止めた。すなわち、底質のヘドロ化によって底質(底質の間隙水)中の酸素が欠乏すること、また水質汚濁によってアマモの光合成が不十分となることなどにより、根からの酸素の直接的な取り込みや葉から根への酸素の供給が不十分になり、このためにアマモの根が十分に成長できず、アマモが底質中にしっかりと根を張ることができなくなる。この結果、アマモが十分に繁茂した状態まで成長できず、また波浪や潮流などの力で容易に引き抜かれてしまう。そして、このような原因の解明に基づいてさらに検討を進めた結果、(1)アマモを水底で安定して生育させるには、葉から根への酸素の供給を促進させることが重要であること、(2)珪酸や珪酸化合物をアマモが根を張る底質に供給することにより、アマモの活性が高められて葉からの根への酸素の供給が増大し、根の成長が効果的に促進されること、が判明した。
さらに、微細藻類についても、それらが着生する底質に珪酸や珪酸化合物を供給することにより微細藻類の活性が高められ、底質での繁殖が効果的に促進されることが判明した。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、その特徴は以下のとおりである。
[1]海草類又は/及び微細藻類が着生した若しくは海草類又は/及び微細藻類を着生させるべき水底において、鉄鋼製造プロセスで発生するスラグに有機物含有材を混合した敷設材を、海草類又は/及び微細藻類の着生基盤の少なくとも一部として水底に敷設し、前記スラグ中に含まれる珪酸又は/及び珪酸化合物を底質上又は/及び底質中に供給する海草類等の着生基盤の改質又は造成方法であって、
前記スラグは、高炉水砕スラグに平均粒径が1〜50mmの製鋼スラグを混合したスラグであり、前記有機物含有材は強熱減量が10〜20mass%であり、敷設材中の有機物含有材の割合が10〜30体積%であることを特徴とする海草類等の着生基盤の改質又は造成方法。
[2]上記[1]の方法において、製鋼スラグが脱珪スラグであることを特徴とする海草類等の着生基盤の改質又は造成方法。
底質に供給された珪酸や珪酸化合物から水中に溶出した珪素や珪酸が海草類に取り込まれ、海草類の葉や茎が強化されることによって太陽光を捉えやすくなるとともに、細胞からの二酸化炭素取り込みが促進されることにより光合成が活発化する。このため葉からの根への酸素の供給も増大して根の成長が促進され、海草類をより安定的に生育・繁殖させることができる。
また、同様に水中に溶出した珪素や珪酸が微細藻類に取り込まれることで、微細藻類を活性化させ、底質表面や内部で安定的に生育・繁殖させることができる。
以下、本発明による海草類等の着生基盤の改質又は造成方法を、海草類の着生基盤を例に説明する。
海草類は、水底の底質(天然の海草藻場であれば砂質又は砂泥質)中に地下茎を張り巡らせ、この地下茎から底質中に根を張って生育・繁殖するものである。海草類の代表的なものとしてアマモ類があり、アマモ類としては、例えば、アマモ、コアマモ、オオアマモ、リュウキュウスガモなどがある。
海草類(以下、「アマモ」を例に説明する)の根の成長には酸素が不可欠であり、水底で生育するアマモは、光合成により生じた酸素を葉から根に送り込む。また、根からも直接酸素を取り込んで成長に利用する。しかし、水質汚濁などが進むとアマモに太陽光が十分に当たらないため、光合成が十分に行われず、その結果、葉から根への酸素の供給が不足する。また、水底がヘドロ化すると底質中(底質の間隙水)で酸素の欠乏が生じ、アマモが根から十分な量の酸素を取り込めなくなる。すでに述べたように、本発明者らは、近年アマモが減少し、アマモ場が衰退・消失しつつある原因が、このようなアマモの根の酸素不足によるものであることを突き止めた。そこで本発明では、アマモが着生した又はアマモを着生させるべき底質において、底質上又は/及び底質中に珪酸又は/及び珪酸化合物を供給し、この珪酸や珪酸化合物から水中に溶出した珪素や珪酸が海草類に取り込まれることで、海草類の葉や茎が強化され光合成が活性化されることを通じて、葉からの根への酸素の供給が促進され、アマモが安定的に生育・繁殖できるようにするものである。
ここで、水底に現に着生した又は着生させるべきアマモとは、その水底で天然に成育しているアマモ、他所で採取し又は人工栽培したものを移植したアマモ、その水底で種子を播種して発芽・成育させたアマモなどのいずれでもよい。
陸上植物の生育にとって土壌中への珪酸や珪酸化合物の供給が有効であることは知られているが、アマモなどの海草類の生育・繁殖にとっても、珪酸や珪酸化合物が重要な役割を果すことが判明した。すなわち、底質に供給された珪酸・珪酸化合物からは珪素や珪酸が溶出してアマモに取り込まれ、その作用により茎や葉の強度が高くなって太陽光が捉えやすくなり、さらに、細胞からの二酸化炭素取り込みが促進される作用が得られ、これらによりアマモの光合成が促進される。この結果、根への酸素供給も増大して根の成長も促進され、アマモの生育・繁殖を促進させることができる。また、このようにアマモの光合成が活発化することにより、余剰の酸素が根を通じて底質に供給されるため、底質中の酸素濃度が高められる効果も得られる。
本発明法において、底質上又は/及び底質中に供給される珪酸又は/及び珪酸化合物は、珪酸や珪酸化合物そのものとして供給されてもよいし、珪酸又は/及び珪酸化合物含有物質として供給されてもよい。
珪酸化合物とは珪酸を化合物の一部として含有する物質である。本発明で使用される珪酸、珪酸化合物の種類に特別な制限はなく、例えば、シリカゲル、珪酸カルシウムなどのような珪酸塩などが挙げられる。
また、珪酸又は/及び珪酸化合物含有物質としては、鉄鋼製造プロセスで発生するスラグ(以下、便宜上“鉄鋼スラグ”という)が代表例として挙げられるが、これに限定されるものではない。
珪酸、珪酸化合物、珪酸又は/及び珪酸化合物含有物質は、それらの1種以上を用いることができる。
前記鉄鋼スラグとしては、高炉徐冷スラグ、高炉水砕スラグ等の高炉系スラグ、予備処理、転炉、鋳造等の工程で発生する脱炭スラグ、脱燐スラグ、脱硫スラグ、脱珪スラグ、鋳造スラグ等の製鋼スラグ、鉱石還元スラグ、電気炉スラグ等を挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、また2種以上のスラグを混合して用いることもできる。また、これらの鉄鋼スラグは、水和処理、炭酸化処理、エージング、水和硬化、炭酸化硬化等を経たものを用いてもよい。
珪酸、珪酸化合物、珪酸又は/及び珪酸化合物含有物質のなかでは、コスト・機能面から鉄鋼スラグが好ましく、そのなかでも特に高炉水砕スラグが好ましい。
鉄鋼スラグを底質に配置する形態の一つとして、アマモが根を張る着生基盤の少なくとも一部として水底に敷設することができる。
前記高炉水砕スラグは高温の溶融状態にある高炉スラグ(溶融スラグ)を噴流水で急冷して得られるものであり、この急冷する過程でスラグ中に溶け込んでいる窒素や水分などによってスラグが発泡するため、得られるスラグ粒子(海砂よりもやや粗めの粒子)は無数の内部気孔を有する多孔質組織となり、しかもその粒子は角張った形状(表面に多数の尖った部分を有する形状)を有している。
このような高炉水砕スラグを底質に配置した場合、特にアマモが根を張る着生基盤の少なくとも一部として水底に敷設した場合には、スラグ粒子が多孔質であることからガスを保持しやすく、このため底質中に存在する酸素ガスを保持(捕捉)し、この保持した酸素ガスを間隙水中に徐々に供給する能力を持つ。
また、高炉水砕スラグは、海中での安定性が海砂よりも格段に大きいため、波浪などによる流出が海砂などよりも非常に少なく、しかも、せん断抵抗性が高いために波浪などに対するアマモの拘束力が強く、且つアマモの地下茎や根が絡みやすいという特質がある。また、高炉水砕スラグは鉄鋼製造プロセスで大量に発生するものであるため、安価に且つ大量に入手することができる。このため、基盤そのものが波浪などによって流失しにくく、しかも、波浪などによる強い水流が作用してもアマモが抜けにくい着生基盤を低コストに造成することができる。高炉水砕スラグをアマモの着生基盤の少なくとも一部として水底に敷設する場合の敷設厚(形成される基盤厚さ)は、アマモの地下茎の深さなどに応じて適宜決めればよいが、一般には20cm以上の厚さとするのがよい。
また、高炉水砕スラグに平均粒径が1〜50mm程度の鉄鋼スラグ(例えば、製鋼スラグ)を適量混合し、これを着生基盤の少なくとも一部として水底に敷設した場合には、アマモの根がスラグ粒子に巻き付いて固定化されやすくなるため、波浪などの水流に対してアマモがより抜けにくくなる効果が得られる。
珪酸、珪酸化合物、珪酸又は/及び珪酸化合物含有物質を底質に供給する形態としては、必ずしも底質中に混入させるような形態でなくてもよく、例えば、底質上に敷設し、或いは散布するような形態でもよい。また、底質に層状に埋め込んでもよい。但し、アマモの根から珪酸等を効率的に吸収させるという観点からは、底質中に混入させる方が好ましい。また、珪酸又は/及び珪酸化合物含有物質として鉄鋼スラグ(好ましくは高炉水砕スラグ)を用いる場合には、上述したように、鉄鋼スラグをアマモの着生基盤の少なくとも一部として水底に敷設することが好ましい。さらに、鉄鋼スラグを底質中に混入させる場合には、鉄鋼スラグの割合(混合率)が5体積%以上、望ましくは10体積%以上となるように混入させることが好ましい。5体積%以上混入させることにより、珪酸又は/及び珪酸化合物物質としての効果が発揮されやすくなる。
鉄鋼スラグ(好ましくは高炉水砕スラグ)をアマモの着生基盤の少なくとも一部として水底に敷設する場合、アマモの生育性の面からは基盤中にある程度の量の有機物が存在した方がよいので、鉄鋼スラグ中に有機物を混合することが好ましい。鉄鋼スラグに有機物を混合するには、例えば、周囲又は他の水底から採取した天然砂、底泥、浚渫土(通常、これらは有機物を相当量含んでいる)などの有機物含有材(土砂、泥)を混合すればよい。この有機物含有材としては、強熱減量が5〜30mass%程度、好ましくは10〜20mass%程度のもの(例えば、海砂、浚渫土など)が適当であり、この有機物含有材の割合が1〜40体積%、好ましくは10〜30体積%程度となるように鉄鋼スラグに混合し、水底への敷設材として用いることが好ましい。
本発明が適用される対象となる水域は、一般に、アマモの生育に適した水深が10m以浅の水底(既存のアマモ場を含む)であり、沿岸海域などの海水域だけでなく汽水域なども含まれる。また、本発明により新規にアマモ場を造成する場合、造成場所として選定される海底としては、特に海底に光が十分に届く比較的水深の浅い海底、具体的には、海水の透明度がある程度高い水深2〜10m程度の海底であって、望ましくは水中光量が年平均で約15ly/d以上の海底であることが好ましい。また、他の好ましい条件としては、潮流が穏やかであること、波浪が少ないこと、水温が10〜25℃程度であること、海底面の傾斜が小さいこと、などが挙げられる。
本発明において水底に着生させるアマモとしては、既存のアマモ場を構成しているもの、移植したもの、その場所に種子を播いて発芽・生長させたもの、など任意である。
以上、本発明の詳細と好ましい実施形態をアマモを例に説明したが、他の海草類についても同様である。
また、微細藻類の場合も、微細藻類が着生した又は微細藻類を着生させるべき底質において、底質上又は/及び底質中に珪酸又は/及び珪酸化合物を供給し、この珪酸や珪酸化合物から水中に溶出した珪素や珪酸が微細藻類に取り込まれることで、微細藻類が活性化され、微細藻類が安定的に生育・繁殖できるようにするものである。このようにして繁殖する微細藻類からは光合成により生じた酸素が放出され、この酸素が底質に棲息する好気性微生物(ヘドロ分解菌)を活性化し、好気性微生物による有機物の分解作用を促進する。また、さきに述べたアマモなどの海草類の着生基盤も兼ねる場合には、微細藻類の光合成で放出された酸素が海草類の根から取り込まれ、海草類の生育をさらに助けることができる。
ここで、水底に現に着生した又は着生させるべき微細藻類とは、その水底で天然に成育している微細藻類、他所で採取し又は人工栽培したものを移植した微細藻類、その水底で発芽・成育させた微細藻類などのいずれでもよい。
底質に供給される珪酸や珪酸化合物の条件、供給源、供給方法・形態はさきに述べたとおりであり、供給場所も海草類とほぼ同じである。水深については、微細藻類の生育に必要な水中光量は年平均で約7ly/dでよいことから、海草類より深い水深でも適用可能である。
なお、微細藻類としては、例えば、珪藻類、ラン藻類、緑藻類、藍藻類、紅藻類、灰色藻類、クリプト藻類、渦鞭藻類、黄金色藻類、褐藻類、黄緑藻類、ハプト藻類、ラフィド藻類、ボーケリア藻類、ミドリムシ藻類、プラシノ藻類、車軸藻類等を挙げることができる。なかでも、付着性微細藻類である珪藻類、ラン藻類、緑藻類が特に有用である。
[実施例1]
沿岸海域において、底質が還元的になった水底(水深約5m)にアマモを移植する試験を行った。各々1m×1mの広さの試験区A,Bを1m離れた場所に設け、両試験区を下記のような試験条件とした上で、アマモを40本ずつ移植した。
・試験区A:何も処置をせず、元からある底質にアマモを移植した。
・試験区B:深さ30cmまでの底質に混合率が15体積%となるように脱珪スラグ(平均粒径20mm)を混合した。
アマモを移植してから1ヶ月後、2ヶ月後及び3ヶ月後におけるアマモの生存・繁殖状態を調べた結果を表1に示す。
これによれば、試験区Aでは移植したアマモは次第に本数が減少したのに対して、底質中に珪酸又は/及び珪酸化合物含有物質である脱珪スラグを埋設した試験区Bでは、アマモが順調に生育・繁殖し、本数が増加した。
Figure 0004752564
[実施例2]
沿岸海域において、底質が還元的になった水底(水深約5m)で微細藻類の繁殖性を調査する試験を行った。各々1m×1mの広さの試験区A,Bを1m離れた場所に設けた。試験区A,Bは、下記のような試験条件とした。
・試験区A:何も処置をせず、元からある底質とした。
・試験区B:深さ30cmまでの底質に混合率が15体積%となるように脱珪スラグ(平均粒径20mm)を混合した。
試験を開始してから1ヶ月後、2ヶ月後及び3ヶ月後に、それぞれの試験区の数カ所から底泥を採取して乾燥底泥1g当たりのクロロフィルA量を測定し、その平均値を求めた結果を表2に示す。このクロロフィルA量は底質に生息する微細藻類の量と比例する。また、実際に底泥を顕微鏡観察して微細藻類が存在していることを確認した。
表2によれば、試験区Aでは微細藻類は殆ど増殖していないのに対して、底質中に珪酸又は/及び珪酸化合物含有物質である脱珪スラグを混合した試験区Bでは、微細藻類が順調に生育・増殖していることが判る。
Figure 0004752564

Claims (2)

  1. 海草類又は/及び微細藻類が着生した若しくは海草類又は/及び微細藻類を着生させるべき水底において、鉄鋼製造プロセスで発生するスラグに有機物含有材を混合した敷設材を、海草類又は/及び微細藻類の着生基盤の少なくとも一部として水底に敷設し、前記スラグ中に含まれる珪酸又は/及び珪酸化合物を底質上又は/及び底質中に供給する海草類等の着生基盤の改質又は造成方法であって、
    前記スラグは、高炉水砕スラグに平均粒径が1〜50mmの製鋼スラグを混合したスラグであり、前記有機物含有材は強熱減量が10〜20mass%であり、敷設材中の有機物含有材の割合が10〜30体積%であることを特徴とする海草類等の着生基盤の改質又は造成方法。
  2. 製鋼スラグが脱珪スラグであることを特徴とする請求項1に記載の海草類等の着生基盤の改質又は造成方法。
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