JP2012085628A - アユ用藻類着生基盤 - Google Patents

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Abstract

【課題】日本の河川の急流である条件下で、アユの育成に必要不可欠の良質な餌となる藻類を、確実に着生且つ生育することが出来るアユ用藻類着生基盤を提供する。
【解決手段】SiO:63.9〜78.3%(重量%、以下同じ)、Al:11.6〜14.2%、Fe:3.60〜4.40%、MgO:1.52〜1.86%、CaO:1.73〜2.13%、KO:2.70〜3.32%、P:0.054〜0.068%を主成分とし、残部に他の微量元素を含有してなる、多孔質性を有する広域変成岩と、骨材とに、植物活性剤及び固化材を加え、これらを混合して均質化を図ると共に任意形状に固化させてなる藻類着生基盤を、河川内に固定的に敷設することで、藻類着生基盤上に藻類を着生且つ育成して、この藻類をアユの餌とすることが出来る。
【選択図】なし

Description

本発明は、魚類の住みよい河川環境を創設すると共に、アユの餌となる藻類を着生且つ育成してアユに餌を提供して保護育成するアユ用藻類着生基盤に関する。
本来、魚類や藻類などの水中動植物が豊富に生息しているはずの河川は、人口増加や産業経済の発展につれて、水道水や工業用水の確保、洪水防止などのため、ダム建設、護岸工事が進められた。また、河川流域の人口増加や工場建設に伴う生活排水や工場排水の増大と、これらの排水を起因とする不十分な排水処理水の河川流入があり、さらに、つりやボートなどのレジャーが盛んとなった。その結果、水流の減少、魚類や藻類などの生育環境の減少や悪化、水質の悪化、魚類の乱獲などにより、魚類や藻類などが特に大都市部において一時期激減した。
最近、大都市部においては、生活排水や工場排水の処理水の水質向上により、河川に魚類や藻類などが戻りつつある。一方で、アユをはじめとする川魚の漁場として有名な河川では、生育環境の減少や悪化、良質な餌の不足、冷水病の蔓延などにより、アユをはじめとする川魚の減少が続いている。この対策の1つとして、アユなどの稚魚の放流が行われているが、その放流直後に冷水病にかかるなど、十分な成果が得られていない。
このような状況下で、本出願人は、アユ用の藻類着生基盤として、後述する水中動植物増殖媒体を改良すれば、流用出来るのではないか考えられる以下のものを有している。
すなわち、石灰質や珪酸等からなる各種ネクトン、プランクトン、藻類、海藻等が埋没して堆積し、腐植溶性を帯びた結晶体となった貝化石を170°C〜300°Cの範囲で熱処理して結晶水を除去し賦活化させてなる熱処理貝化石に、少なくとも骨材及び固化剤を所定比率で混合し任意形状に固化させてなり、該固化物を水中に投入して水中動植物の育成場とする水中動植物増殖媒体である(特許文献1参照)。
また、上記の熱処理貝化石を、鉱山から掘り出して熱処理を経ない貝化石に置き換えた水中動植物増殖媒体である。このメリットは、水中動植物の育成効果が多少減るものの、貝化石の熱処理の過程で大量に消費する石油等の熱源を省略することが出来る点にある(特許文献2参照)。
また、SiO:63.9〜78.3%(重量%、以下同じ)、Al:11.6〜14.2%、Fe:3.60〜4.40%、MgO:1.52〜1.86%、CaO:1.73〜2.13%、KO:2.70〜3.32%、P:0.054〜0.068%を主成分とし、残部に他の微量元素を含有してなる広域変成岩を、水中に投入して水中動植物の育成場とする水中動植物増殖媒体である(特許文献3参照)。
特許第2813974号公報 特開平11−103715号公報 特開2007−117069号公報
しかしながら、上記した従来の水中動植物増殖媒体は、いずれも海域での魚類及び海藻の増殖の実証であり、日本の河川の特質である大雨や台風による急激な水量の増大と激流の発生、それに伴う土砂や流木による水中動植物増殖媒体に対する影響など、クリアーにしなければならない課題が多くある。したがって、このような河川特有の状況下であっても、放流アユの体力増強、天然アユの育成を目指し、アユの良質な餌となる藍藻、特にビロード藍藻、珪藻類が特異的に着生、生育出来るアユ用の藻類着生基盤の開発が期待されている。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、日本の河川のおかれた特殊の条件下でも、放流アユや天然アユの育成に必要不可欠の良質な餌となる藍藻や珪藻類を、確実に着生且つ生育することが出来るアユ用藻類着生基盤を提供することを課題とする。
本発明者は、長年、貝化石及び広域変成岩の組成、性質について、調査研究を続けてきた。また、魚の養殖、養殖漁場の水質及び底質の維持管理についても鋭意研究を続けて来た。その結果、SiO、Al、Fe、MgO、CaO、KO、Pを主成分とし、残部に他の微量元素を含有してなる、広域変成岩と、砂とに、植物活性剤及び固化材を加え、これらを混合して均質化を図ると共に任意形状に固化させた藻類着生基盤を、河川に固定的に敷設すると、藻類着生基盤の表面に良質な餌となる藍藻や珪藻類が従来のものより倍化する勢いで着生且つ育成し、急激な水量の増大や激流の発生によっても、藻類着生基盤自体が流失することがなく、また、土砂や流木による藻類着生基盤の表面にある藻類の剥離や表面の摩耗があっても、均質な藻類着生基盤における新しい表面が出現して、藻類の生育に必要な栄養成分を継続的に供給することになり、じきに藻類が藻類着生基盤表面の新表面に着生し且つ育成することを見い出し、本発明に到達したのである。
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、下記の構成からなることを特徴とするものである。
すなわち、請求項1の発明は、SiO:63.9〜78.3%(重量%、以下同じ)、Al:11.6〜14.2%、Fe:3.60〜4.40%、MgO:1.52〜1.86%、CaO:1.73〜2.13%、KO:2.70〜3.32%、P:0.054〜0.068%を主成分とし、残部に他の微量元素を含有してなる、多孔質性を有する広域変成岩と、骨材とに、植物活性剤及び固化材を加え、これらを混合して均質化を図ると共に任意形状に固化させて藻類着生基盤としてなり、該藻類着生基盤を河川に固定的に敷設し、前記藻類着生基盤上に藻類を着生且つ育成して、該藻類をアユの餌とするものである。
また、請求項2の発明は、SiO:63.9〜78.3%(重量%、以下同じ)、Al:11.6〜14.2%、Fe:3.60〜4.40%、MgO:1.52〜1.86%、CaO:1.73〜2.13%、KO:2.70〜3.32%、P:0.054〜0.068%を主成分とし、残部に他の微量元素を含有してなる、多孔質性を有する広域変成岩と、骨材とに、窒素、リン、カリウムを主成分とする栄養塩類及び固化材を加え、これらを混合して均質化を図ると共に任意形状に固化させて藻類着生基盤としてなり、該藻類着生基盤を河川に固定的に敷設し、前記藻類着生基盤上に藻類を着生且つ育成して、該藻類をアユの餌とするものである。
また、請求項3の発明は、SiO:63.9〜78.3%(重量%、以下同じ)、Al:11.6〜14.2%、Fe:3.60〜4.40%、MgO:1.52〜1.86%、CaO:1.73〜2.13%、KO:2.70〜3.32%、P:0.054〜0.068%を主成分とし、残部に他の微量元素を含有してなる、多孔質性を有する広域変成岩と、骨材とに、植物活性剤、窒素、リン、カリウムを主成分とする栄養塩類及び固化材を加え、これらを混合して均質化を図ると共に任意形状に固化させて藻類着生基盤としてなり、該藻類着生基盤を河川に固定的に敷設し、前記藻類着生基盤上に藻類を着生且つ育成して、該藻類をアユの餌とするものである。
また、請求項4の発明は、上記した植物活性剤が、杉、檜、松及びオオバコの熱水抽出物を所定の比率で含有するものであるものである。
また、請求項5の発明は、上記した骨材が、砂に対し1.0重量%〜5.0重量%のシリカフュームを混合したものである。
上記請求項1の発明による作用はつぎのとおりである。すなわち、アユ用藻類着生基盤中の藻類の生育に欠かせない栄養元素を含有している広域変成岩によりアユ用藻類着生基盤に藻類が着生し生育し、多孔質性の広域変成岩により栄養成分の保持並びに生成に寄与して藻類の着生、生育を継続し、植物活性剤によりさらに藻類の生育を促進させる。河川に藻類着生基盤を固定的に敷設することで流失が無く、藻類着生基盤の表面に着生している藻類と共に表面が摩耗しても、均質な藻類着生基盤における新しい表面が出現して、藻類の生育に必要な栄養成分を継続的に供給することになり、じきに藻類が藻類着生基盤表面の新表面に着生し且つ育成する。
上記請求項2の発明による作用は、上記請求項1の発明における植物活性剤に代えて、窒素、リン、カリウムを主成分とする栄養塩類でも、上記請求項1の発明とほぼ同じような作用がある。
上記請求項3の発明による作用は、上記請求項1の発明における植物活性剤にさらに窒素、リン、カリウムを主成分とする栄養塩類を加えると、上記請求項1の発明による作用がさらに促進する。
上記請求項4の発明による作用は、杉、檜、松及びオオバコの熱水抽出物を所定の比率で含有する植物活性剤により、上記請求項1及び3の発明による作用を明確に実現する。
上記請求項5の発明による作用は、砂に対し1.0重量%〜5.0重量%のシリカフュームを混合することで、強度が増し且つ耐久性も増加する。
以上詳述したように、本発明によれば、以下のような効果がある。
すなわち、請求項1の発明は、日本の河川のおかれた特殊の条件下でも、放流アユや天然アユの育成に必要不可欠の良質な餌となる藍藻や珪藻類を、確実に着生且つ生育することができる効果がある。
請求項2の発明は、植物活性剤に代えて、窒素、リン、カリウムを主成分とする栄養塩類としても、上述とほぼ同様の効果がある。
請求項3の発明は、植物活性剤に、窒素、リン、カリウムを主成分とする栄養塩類を加えると、上述の効果がさらに促進する。
請求項4の発明は、上述の効果を明確に実現する。
請求項5の発明は、強度と耐久性とが増すことで、長期間使用可能である効果がある。
本発明の実施形態のアユ用藻類着生基盤の上面に付着した藻類におけるアユのハミ跡の写真である。 本発明の実施形態のアユ用藻類着生基盤の側面に付着した藻類におけるアユのハミ跡を示す写真である。
以下に、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
請求項1の発明によるアユ用藻類着生基盤は、SiO:63.9〜78.3%(重量%、以下同じ)、Al:11.6〜14.2%、Fe:3.60〜4.40%、MgO:1.52〜1.86%、CaO:1.73〜2.13%、KO:2.70〜3.32%、P:0.054〜0.068%を主成分とし、残部に他の微量元素を含有してなる、多孔質性を有する広域変成岩と、骨材とに、植物活性剤及び固化材を加え、これらを混合して均質化を図ると共に、任意形状に固化させて藻類着生基盤としてなり、該藻類着生基盤を河川に固定的に敷設し、前記藻類着生基盤上に藻類を着生且つ育成して、該藻類をアユの餌とするものである。
前記広域変成岩は、緑色片岩、エクロジャント、花崗片麻岩、角閃岩、石墨片岩、紅簾石片岩、藍閃石片岩、緑閃片岩、緑泥片岩、千枚岩など種々あるが、アユ用藻類着生基盤に使用される広域変成岩の主成分は、上記の通りであるが、残部の他の微量元素は、Sr、Zr、Ru、Y、Ga、Zn、Cu、Ni、Mn、Ti、Cl、Naであり、上記の主成分と相俟って、アユの餌となる藻類の増殖を著しく促すものであると想定される。
本発明に使用される広域変成岩は、日本では現在のところ富山県のみで産するが、産地による限定がない。上記した主成分を有し、多孔質性を有する広域変成岩であれば、いかなる産地のものであってもよい。富山県で産する広域変成岩は、多孔質性が高く、その分析値が表1のとおりであるが、より具体的には、富山県内の数カ所の採掘場において採掘されたものと、且つこれらの採掘場から採掘された表1に示す成分の広域変成岩の類似品と、である。
Figure 2012085628
なお、上記富山県において採掘されている広域変成岩は、多孔質性が非常に高く、表1に示す成分値から明らかな通り、特に、ケイ素、アルミニウム、鉄、カリウムが非常に多く、カルシウムの含有率、すなわち、炭酸カルシウムの含有率が非常に低いことが特徴となっている。さらに、この広域変成岩の成分値は、採掘場間及び同じ採掘場でも鉱脈による若干の相違が認められる。
前記骨材は、川砂単独や、この川砂に数%のシリカフュームを混合したものが推奨される。シリカフュームは、高純度SiO2の非晶質球状微粒子であり、セメントなどの固化材と併用することで強度面や摩耗面を高めるものである。海砂も使用可能であるが、強度面から上記シリカフュームとの併用が望ましい。敷設する河川が暴れ川の場合には、強度面や摩耗面から骨材として川砂にシリカフュームを若干混合したものが良い。なお、骨材として使用する川砂や海砂など、あるいはこれらにシリカフュームの混合の有無などの差により、藻類の着生・生育面で若干の差があるものの、大きな差はなかった。
前記植物活性剤は、例えば、杉、檜、松及びオオバコの熱水抽出物を所定の比率で含有するものである。杉、檜及び松の熱水抽出物は、それぞれの葉、枝、幹、根、樹皮などを粉砕し、それぞれの粉砕物1重量部に対して水10重量部を添加し浸漬して、沸騰状態で5時間ほど煮沸したあと、静置して油脂分を除去し、さらにろ過して固形物を除去して、杉、檜及び松の各熱水抽出物を得る。一方、オオバコの熱水抽出物は、葉、茎、根あるいは植物全体1重量部に対して水10重量部を添加し浸漬して、沸騰状態で1時間ほど煮沸したあと、ろ過して固形物を除去して、オオバコの熱水抽出物を得る。これらの杉、檜、松及びオオバコの各熱水抽出物を所定の比率、例えば、杉45重量%、檜44重量%、松0.5重量%及びオオバコ0.5重量%で含有したものを植物活性剤とする。
なお、植物活性剤は、上記の杉、檜、松及びオオバコの熱水抽出物を所定の比率で含有するもの以外にも、例えば、松の抽出物やその他の各メーカーから発売されている植物活性剤も効果があると想定できるが、いずれも実証試験が必要である。
固化材は、セメントに代表されるが、その外に粘土、石膏、水ガラスなどの無機質のものから、合成樹脂エマルジョン、合成ゴムラテックスなど有機質の物が使用可能である。
そして、アユ用藻類着生基盤は、広域変成岩と、川砂とに、植物活性剤及び固化材を加え、これらを混合して均質化を図ると共に、この混合物を任意形状の型に入れ乾燥させて、固化させて得られるものである。そして、これら広域変成岩、川砂、植物活性剤及び固化材の配合比率は、表2、3で示すように、固化材としてセメントを使用した場合、コンクリートの配合比率のように、セメント1、川砂1.5、広域変成岩1.5の比率とするが、実際の配合比率は、施工の状況によりこれらの数値から最大プラスマイナス20%程度の範囲で変える必要がある。なお、植物活性剤は、水で10倍乃至1000倍まで希釈し、この希釈溶液を広域変成岩に限界まで吸収させることにより行う。
また、このアユ用藻類着生基盤は、特に形状に限定がないから、任意の形状に固化させたもので良く、正方形、矩形あるいは多角形の板状、円盤状などが考えられる。いずれにしても、このアユ用藻類着生基盤は、河川に固定的に敷設する必要があるので、ある程度大きめのものが敷設上都合がよいことが多い。さらに、アユ用藻類着生基盤の表面は、滑らかに仕上げるのが良い。その理由は、滑らかでないとアユの摂食行動が期待出来ないからである。
請求項2の発明によるアユ用藻類着生基盤は、SiO:63.9〜78.3%(重量%、以下同じ)、Al:11.6〜14.2%、Fe:3.60〜4.40%、MgO:1.52〜1.86%、CaO:1.73〜2.13%、KO:2.70〜3.32%、P:0.054〜0.068%を主成分とし、残部に他の微量元素を含有してなる、多孔質性を有する広域変成岩と、骨材とに、窒素、リン、カリウムを主成分とする栄養塩類及び固化材を加え、これらを混合して均質化を図ると共に任意形状に固化させて藻類着生基盤としてなり、該藻類着生基盤を河川に固定的に敷設し、前記藻類着生基盤上に藻類を着生且つ育成して、該藻類をアユの餌とするものである。
請求項2の発明のアユ用藻類着生基盤は、請求項1の発明のアユ用藻類着生基盤における植物活性剤を栄養塩類に代えたものである。すなわち、後に詳述するように、このアユ用藻類着生基盤は、植物活性剤に代えて全体重量の0.1〜1.0重量%の栄養塩類を添加したものであり、他の構成は請求項1の発明と同じであり、作用もほぼ同様である。
なお、栄養塩類は、各メーカーから一般に発売されている地上の植物用の窒素、リン、カリウムを主成分とするものであれば、使用可能であると想定できる。ただし、植物活性剤の場合と同様に実証試験をするべきである。
請求項3の発明によるアユ用藻類着生基盤は、請求項1の発明のアユ用藻類着生基盤に栄養塩類をさらに添加したものである。すなわち、後に詳述するように、このアユ用藻類着生基盤は、植物活性剤に加えてさらに全体重量の0.1〜1.0重量%の栄養塩類を添加したものであり、他の構成は請求項1の発明と同じであり、作用は請求項1や2の発明より大きく促進している。
次に、上記構成のアユ用藻類着生基盤の効果の確認のための試験を行ったのでその状況を説明する。
1.試験水域
和歌山県有田川上流花園地区
2.試験期間
第1回試験 平成21年8月8日〜同年9月16日の40日間
第2回試験 平成21年10月31日〜同年12月16日の47日間
3.試験方法の概要
試験水域である有田川上流花園地区の川底に、試験用に調整した各アユ用藻類着生基盤(幅21.5cm×長さ30.5cm×厚み5.0cm)を流失しないように敷設し、上記の試験期間経過後、各アユ用藻類着生基盤を引き上げて、各アユ用藻類着生基盤の表面に付着した藻類を100m2分金属ヘラで採取し、容器に入れ冷蔵保存した。採取藻類はデシケーター内で乾燥剤を交換しながら乾燥させて、乾燥重量を測定した。この乾燥藻類につきLorenzen法に準拠して植物色素量(μg/100cm2)を測定した。なお、植物色素量は、下記の式から求めたクロロフィルa量とフェオフィチン量との合計量(1)+(2)とした。
クロロフィルa(μg/cm2)=26.7(E665−E665a)×v/V×a (1)
フェオフィチン(μg/cm2)=26.7(1.6×E665−E665a)×v/V×a (2)
E665 :665nmの吸光度から750nmの吸光度を引いた値
E665a:塩酸添加後の抽出液について得た665nmの吸光度から750nmの吸光度を引いた値
v:抽出液の量(ml)
V:抽出させた藻類の量(g)
a:乾燥藻類の重量(g)
第1回試験は、平成21年8月8日〜同年9月16日であり、アユの生息時期であったため、アユ用藻類着生基盤の表面に付着した藻類は、図1及び2に示すように、アユが摂食した証のハミ跡が確認され、アユの生息時期から外れた第2回試験の場合より明らかに良好であることは目視で観察できていた。しかしながら、試験期間中に大雨による濁流でアユ用藻類着生基盤の表面に着生した藻類の多くが剥がされ、ごくわずかのサンプルしか採取出来なかったので、本発明のアユ用藻類着生基盤の効果を明確にすることが出来なかった。なお、第1回試験における各アユ用藻類着生基盤の配合割合は、表2のとおりである。表2の試験No1は、本発明の対象でない比較例である。
〈以下余白〉
Figure 2012085628
第2回試験は、平成21年10月31日〜同年12月16日であり、アユの生息時期のほぼ終了後であるため、図1及び2に示すようなハミ跡が確認されなかった。
第2回試験における各アユ用藻類着生基盤の配合割合は、表3のとおりである。なお、表3の試験No8は、本発明対象でない比較例である。
Figure 2012085628
第2回試験の試験No8〜No16の結果を表4に示す。
Figure 2012085628
以上のように、本発明の試験No10乃至No16は、いずれもアユ用藻類着生基盤上に、藻類が比較例8よりも数倍多く着生・生育しており、本発明の効果が確認出来た言える。なお、試験No9は、広域変成岩のみで、植物活性剤や栄養塩類が添加されていないが、藻類が比較例8よりも2倍近く着生・生育しており、広域変成岩の基盤構成要素としての有用性を裏付けている。
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体的な構成はこれに限定されず、例えば、本発明のものを湖沼や海域に敷設しても、充分に効果を得ることが出来ことから、本発明の要旨を逸脱しない範囲での変更・追加、各請求項における他の組み合わせにかかるものも、適宜可能であることが理解されるべきである。
本発明のアユ用藻類着生基盤は、日本の河川が急流であることによる流失を防ぎたく、且つ、土砂及び流木による藻類の剥離や表面の摩耗がある場合でも、放流アユや天然アユの育成に必要不可欠の良質な餌となる藍藻や珪藻類を、確実に着生且つ生育したいような場合に、その利用可能性が極めて高くなる。

Claims (5)

  1. SiO:63.9〜78.3%(重量%、以下同じ)、Al:11.6〜14.2%、Fe:3.60〜4.40%、MgO:1.52〜1.86%、CaO:1.73〜2.13%、KO:2.70〜3.32%、P:0.054〜0.068%を主成分とし、残部に他の微量元素を含有してなる、多孔質性を有する広域変成岩と、骨材とに、植物活性剤及び固化材を加え、これらを混合して均質化を図ると共に任意形状に固化させて藻類着生基盤としてなり、該藻類着生基盤を河川に固定的に敷設し、前記藻類着生基盤上に藻類を着生且つ育成して、該藻類をアユの餌とすることを特徴とするアユ用藻類着生基盤。
  2. SiO:63.9〜78.3%(重量%、以下同じ)、Al:11.6〜14.2%、Fe:3.60〜4.40%、MgO:1.52〜1.86%、CaO:1.73〜2.13%、KO:2.70〜3.32%、P:0.054〜0.068%を主成分とし、残部に他の微量元素を含有してなる、多孔質性を有する広域変成岩と、骨材とに、窒素、リン、カリウムを主成分とする栄養塩類及び固化材を加え、これらを混合して均質化を図ると共に任意形状に固化させて藻類着生基盤としてなり、該藻類着生基盤を河川に固定的に敷設し、前記藻類着生基盤上に藻類を着生且つ育成して、該藻類をアユの餌とすることを特徴とするアユ用藻類着生基盤。
  3. SiO:63.9〜78.3%(重量%、以下同じ)、Al:11.6〜14.2%、Fe:3.60〜4.40%、MgO:1.52〜1.86%、CaO:1.73〜2.13%、KO:2.70〜3.32%、P:0.054〜0.068%を主成分とし、残部に他の微量元素を含有してなる、多孔質性を有する広域変成岩と、骨材とに、植物活性剤、窒素、リン、カリウムを主成分とする栄養塩類及び固化材を加え、これらを混合して均質化を図ると共に任意形状に固化させて藻類着生基盤としてなり、該藻類着生基盤を河川に固定的に敷設し、前記藻類着生基盤上に藻類を着生且つ育成して、該藻類をアユの餌とすることを特徴とするアユ用藻類着生基盤。
  4. 前記植物活性剤は、杉、檜、松及びオオバコの熱水抽出物を所定の比率で含有するものである請求項1または3に記載のアユ用藻類着生基盤。
  5. 前記骨材は、砂に対し1.0重量%〜5.0重量%のシリカフュームを混合したものである請求項1乃至4から選ばれる1項に記載のアユ用藻類着生基盤。
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