JP4752467B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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本発明は、マトリックス型の液晶表示装置に関するものであり、特に、光源として疑似白色LEDを用いた際にJIS−Z9103−1995に規定されている安全色を表示す
ることのできる晶表示装置に関する。
液晶表示装置は自発光型の表示装置ではないので、その表示には他からの光を必要とし、例えば、その後方にバックライトを設け、後方からの光によって表示を行っている。このような透過型の液晶表示装置においては、その後方に設けられたバックライトからの白色光はカラーフィルタを透過して色光となり、観視される液晶表示装置の前方外部へ射出されるようになっている。
この直視する透過型の液晶表示装置のカラー表示は、デジタル表示計器などで用いられているセグメント型の液晶表示装置においては、例えば、光シャッタとしての液晶表示素子の外側に、セグメント電極に対応した形状に特定の色のカラーフィルタパターンを設け、各セグメント部分の形状を各特定の色に表示するようにしてカラー表示を行っている。このセグメント型の液晶表示装置が表示する各特定の色の色度、明度などは、バックライトの発光スペクトル、上記特定の色のカラーフィルタの分光透過率、及び液晶の電気光学特性によってほぼ定まる。
また、ノートPCや、カラーTVなどに広く用いられているマトリックス型の液晶表示装置においては、任意の文字や画像が表示できるように、画素電極が水平及び垂直方向に規則的に多数配列されており、この画素電極に対応し、光の三原色である赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタの画素を規則的に液晶表示素子の内側に設け、フルカラーのカラー表示を行っている。
この画素の細分化が十分になされていれば、ある一定距離以上離れてみると、目の分解能を超えるため赤(R)、緑(G)、青(B)の各々の色として認識されず、混合した色として認識される。
すなわち、マトリックス型の液晶表示装置においては、赤(R)、緑(G)、青(B)の三画素を用いて、それぞれ空間的に混合することによって、任意の文字や画像の中間色を表示している。所謂、並置加法混色によってカラー表示を行っている。
このマトリックス型の液晶表示装置では、光源であるバックライトとして、一般に白色光源が用いられている。液晶表示素子を無彩色の白黒シャッターとして機能させ、各画素の白黒シャッターの開閉の度合いを電気的に制御することによって、各画素の透過光量を変化させ中間調を表現し、フルカラーのカラー表示を行っている。
このマトリックス型の液晶表示装置の色再現域、明度、白表示時の色温度などは、バックライトの発光スペクトル、カラーフィルタの分光透過率、及び液晶の電気光学特性によってほぼ定まるものである。
バックライトの光源としては、演色性に優れた3波長域発光型蛍光ランプ(三波長管)が広く用いられ、またカラーフィルタとしては、耐熱性、耐光性などに優れた顔料分散型カラーフィルタが広く用いられている。
近年、青色発光のLED(Light Emitting Diode)の輝度が大幅に改善され、三波長管に代わり、演色性に優れ彩度が高いLEDが液晶表示装置のバックライトの光源として使用され始めた。
このLEDは、また、消費電力が少なく、寿命が長いといった長所を有しており、例えば、携帯電話用液晶表示装置のバックライトの光源として、青色発光のLEDと黄色発光の蛍光体とを組み合わせたタイプの疑似白色LEDが実用されている。
扨、表2は、JIS−Z9103−1995に規定されている安全色の内、透過光に関する基準色の色度座標を表したものであり、また、表3は、その基準色を用いて製品を製造する際の色のばらつきを許容する色度座標の範囲を表したものである。
また、図1は、該当する色の種類の内、赤を事例として赤の基準色の色度座標、及び色度座標の範囲を色度図上に表したものである。
Figure 0004752467
Figure 0004752467
安全色とは、安全標識や安全表示に使用する際に、安全に関する意味が明確に与えられている有彩色のことである。安全標識は、文字、図形、記号、イラストの組み合わせによって安全を表現した平面板であり、この安全色を用いることによって、安全に関する警告、指示、及び情報が一目で分かるようにしたものである。
このような安全色を透過型の液晶表示装置によって表示しようとした際に、前記セグメント型の液晶表示装置においては、例えば、三波長管、或いは疑似白色LEDをバックライトとして用い、また、セグメントの形状を上記文字、図形などにして、安全色を表示するように、セグメントの特定の色を安全色に設定したカラーフィルタを用いることによって、表2に示す安全色の各色(色の種類、全6色)を容易に表示することができる。
しかしながら、前記マトリックス型の液晶表示装置においては、任意に設定できる特定の色ではなく、規則的に多数配列された赤(R)、緑(G)、青(B)の三原色の画素を用いているため、その色再現域内に安全色の全6色のすべてを収め表示することは困難なことである。
図2は、液晶表示装置のバックライトの光源として実用されている疑似白色LEDの一例の発光スペクトルを示したものである。この疑似白色LEDを構成する青色LEDの材料としては、主にInGaNが用いられ、また黄色蛍光体の材料としては、YAG(Ittrium Aluminum Garnet)が用いられている。
この疑似白色LEDは、青色LEDに蛍光体を塗布し、青色光で蛍光体を励起させて黄色光とし、この黄色光と青色光との混色により白色光になるようにしている。
図2に示すように、この疑似白色LEDは、波長470nm近辺に青色発光の主波長を有し、波長570nm近辺に黄色発光の主波長を有し、この混色により白色が得られる。この疑似白色LEDの色度座標はWx=0.305、Wy=0.308であり、色温度は7200K程度である。
また、図3は、液晶表示装置用カラーフィルタとして用いられている顔料分散型カラーフィルタの一例の分光透過率を示したものである。この一例として示す顔料分散型カラーフィルタは、安全色を表示する際に最も好ましい性能を有するものである。
図3に示すように、この液晶表示装置用カラーフィルタを構成する赤色画素は、波長600nmにおいて透過率85%程度、且つ波長650nmにおいて透過率88%程度であり、緑色画素は、波長450nmにおいて透過率1%程度、波長525nmにおいて透過率85%程度、且つ波長650nmにおいて透過率3%程度、また、青色画素は、波長450nmにおいて透過率85%程度、且つ波長600nmにおいて透過率0%程度のもの
である。
Figure 0004752467
図2に示す疑似白色LEDをバックライトの光源とし、図3に示す液晶表示装置用カラーフィルタを色再現のカラーフィルタとして用いた液晶表示装置の性能は、表4に示すようなものとなる。
すなわち、図1に、表4中の赤の色度座標(x:0.614、y:0.349)を△印にて例示するように、前記JIS−Z9103で規定される安全色の色度座標の範囲内にはない。
JIS−Z9103−1995
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、バックライトの光源として疑似白色LEDを用いたマトリックス型の液晶表示装置において、JIS−Z9103−1995で規定される安全色の全6色のすべてを表示することのできる晶表示装置を提供することを課題とする。
本発明は、三原色である赤(R)、緑(G)、青(B)と、黄(Y)の着色画素で構成される液晶表示装置用カラーフィルタと、青色LEDに蛍光体を塗布し、青色光で蛍光体を励起させて黄色光とし、この黄色光と青色光との混色により疑似白色LEDを有し、JIS−Z9103−1995に規定されている安全色である赤(基準色の色度座標でx=0.613、y=0.325)、黄赤(基準色の色度座標でx=0.549、y=0.398)、黄(基準色の色度座標でx=0.481、0.475)、緑(基準色の色度座標でx=0.187、y=0.412)、青(基準色の色度座標でx=0.169、y=0.188)、赤紫(基準色の色度座標でx=0.375、y=0.225)を表示することを特徴とする液晶表示装置である。
また、本発明は、前記カラーフィルタが、赤色画素の波長600nmにおける透過率が35%程度、且つ波長650nmにおける透過率90%程度であり、緑色画素の波長450nmにおける透過率が2%程度、波長525nmにおける透過率が65%程度、且つ波長650nmにおける透過率が0%程度であり、青色画素の波長450nmにおける透過率が86%程度、且つ波長600nmにおける透過率が5%程度であり、黄色画素の波長500nmにおける透過率が7%程度、且つ波長650nmにおける透過率が96%程度であることを特徴とする液晶表示装置である。
本発明は、三原色である赤(R)、緑(G)、青(B)と、黄(Y)の着色画素で構成
される液晶表示装置用カラーフィルタと、青色LEDに蛍光体を塗布し、青色光で蛍光体を励起させて黄色光とし、この黄色光と青色光との混色により疑似白色LEDを有し、JIS−Z9103−1995に規定されている安全色である赤(基準色の色度座標でx=0.613、y=0.325)、黄赤(基準色の色度座標でx=0.549、y=0.398)、黄(基準色の色度座標でx=0.481、0.475)、緑(基準色の色度座標でx=0.187、y=0.412)、青(基準色の色度座標でx=0.169、y=0.188)、赤紫(基準色の色度座標でx=0.375、y=0.225)を表示することを特徴とする液晶表示装置であるので、バックライトの光源として疑似白色LEDを用いたマトリックス型の液晶表示装置において、JIS−Z9103−1995で規定される安全色の全6色のすべてを表示することのできる液晶表示装となる。
また、本発明は、前記カラーフィルタが、赤色画素の波長600nmにおける透過率が35%程度、且つ波長650nmにおける透過率90%程度であり、緑色画素の波長450nmにおける透過率が2%程度、波長525nmにおける透過率が65%程度、且つ波長650nmにおける透過率が0%程度であり、青色画素の波長450nmにおける透過率が86%程度、且つ波長600nmにおける透過率が5%程度であり、黄色画素の波長500nmにおける透過率が7%程度、且つ波長650nmにおける透過率が96%程度である液晶表示装置であるので、JIS−Z9103−1995で規定される安全色の全6色のすべてを表示することのできる液晶表示装置となる。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図4は、本発明による液晶表示装置用カラーフィルタの一実施例の分光透過率を示したものである。
図4に示すように、この液晶表示装置用カラーフィルタを構成する赤色画素の波長600nmにおける透過率は35%程度、且つ波長650nmにおける透過率は90%程度であり、緑色画素の波長450nmにおける透過率が2%程度、波長525nmにおける透過率が65%程度、且つ波長650nmにおける透過率が0%程度であり、青色画素の波長450nmにおける透過率が86%程度、且つ波長600nmにおける透過率が5%程度であり、黄色画素の波長500nmにおける透過率が7%程度、且つ波長650nmにおける透過率が96%程度である。
このような液晶表示装置用カラーフィルタは、図3に示す分光透過率を有する赤色画素、緑色画素、青色画素を形成する際に用いる各色フォトレジストの顔料組成を基本組成とし、上記図4に示す分光透過率を具現させるため、上記基本組成における組成比の調整を行い、或いは好ましい顔料への変更を行うことによって得ることができる。
赤色画素においては、赤色画素の形成に用いる顔料分散型赤色フォトレジストを調製する際に、用いている数種類の赤色顔料の組成比を調整し、赤色画素としての色純度を向上させ、黄色味を低減させたものとしている。
また、緑色画素においては、緑色画素の形成に用いる顔料分散型緑色フォトレジストを調製する際に、好ましい顔料への変更を行うことによって緑色画素としての色純度を向上させ、黄色味を低減させたものとしている。
また、青色画素においては、青色画素の形成に用いる顔料分散型青色フォトレジストを調製する際に、好ましい顔料への変更を行うことによって青色画素としての明度を向上させたものとしている。
図2に示す疑似白色LEDをバックライトの光源とし、図4に示す液晶表示装置用カラーフィルタを色再現のカラーフィルタとして用いた液晶表示装置の性能は、表6に示すようなものとなる。
すなわち、図1に、表6中の赤の色度座標(x:0.630、y:0.321)を×印にて例示するように、前記JIS−Z9103で規定される安全色の色度座標の範囲内にあり、安全色の全6色のすべてを表示することのできる液晶表示装置用カラーフィルタとなっている。
本発明に用いられる疑似白色LEDとしては、例えば、日亜化学工業(株)製、LED−b5(品番)があげられる。
Figure 0004752467
JISに規定されている安全色の内、赤の基準色の色度座標、及び色度座標の範囲を色度図上に表したものである。 液晶表示装置のバックライトの光源として実用されている疑似白色LEDの一例の発光スペクトルを示したものである。 顔料分散型カラーフィルタの一例の分光透過率を示したものである。 本発明による液晶表示装置用カラーフィルタの一実施例の分光透過率を示したものである。
符号の説明
R・・・赤色画素の分光透過率
G・・・緑色画素の分光透過率
B・・・青色画素の分光透過率
Y・・・黄色画素の分光透過率

Claims (2)

  1. 三原色である赤(R)、緑(G)、青(B)と、黄(Y)の着色画素で構成される液晶表示装置用カラーフィルタと、青色LEDに蛍光体を塗布し、青色光で蛍光体を励起させて黄色光とし、この黄色光と青色光との混色により疑似白色LEDを有し、JIS−Z9103−1995に規定されている安全色である赤(基準色の色度座標でx=0.613、y=0.325)、黄赤(基準色の色度座標でx=0.549、y=0.398)、黄(基準色の色度座標でx=0.481、0.475)、緑(基準色の色度座標でx=0.187、y=0.412)、青(基準色の色度座標でx=0.169、y=0.188)、赤紫(基準色の色度座標でx=0.375、y=0.225)を表示することを特徴とする液晶表示装置
  2. 前記カラーフィルタが、赤色画素の波長600nmにおける透過率が35%程度、且つ波長650nmにおける透過率90%程度であり、緑色画素の波長450nmにおける透過率が2%程度、波長525nmにおける透過率が65%程度、且つ波長650nmにおける透過率が0%程度であり、青色画素の波長450nmにおける透過率が86%程度、且つ波長600nmにおける透過率が5%程度であり、黄色画素の波長500nmにおける透過率が7%程度、且つ波長650nmにおける透過率が96%程度であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
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