JP4752133B2 - 油圧式クラッチレリーズ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内側ハウジングと外側ハウジングと環状ピストンとによって前記内側ハウジングと前記外側ハウジングとの間に油圧室を形成し、前記油圧室内の油圧によって前記環状ピストン及びレリーズベアリングを前記回転伝達軸の軸方向へ移動してクラッチを遮断状態にする油圧式クラッチレリーズ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の油圧式クラッチレリーズ装置が特開平10−220496号公報に開示されている。図7(a),(b)は、特開平10−220496号公報に開示される油圧式クラッチレリーズ装置を示す。図7(a)に示す10はクラッチ主軸(本願で言う回転伝達軸)であり、クラッチハウジング11を貫通するクラッチ主軸10は、例えば車のトランスミッションのインプットシャフトである。クラッチハウジング11内のクラッチディスク12は、プレッシャプレート14を介したダイヤフラムスプリング15のばね力によって常にはフライホイール13に圧接されている。
【0003】
クラッチハウジング11に固定された環状の内側ハウジング16と外側ハウジング17との間には環状ピストン18が収容されている。環状ピストン18には環状のプレート板19がダイヤフラムスプリング15と対向するように結合されている。プレート板19の前面とダイヤフラムスプリング15との間にはレリーズベアリング20が配設されている。
【0004】
図7(b)に示すように、レリーズベアリング20の外輪201にはベアリングカバー21が嵌められており、ベアリングカバー21には接合フランジ211が一体形成されている。接合フランジ211は、皿ばね型のばね部材22のばね力によってプレート板19に押接されている。ばね部材22のばね力によってプレート板19に押接されているベアリングカバー21は、レリーズベアリング20の半径方向に移動可能である。即ち、ばね部材22は、ベアリングカバー21を介してレリーズベアリング20を半径方向の調心可能に支持する。
【0005】
内側ハウジング16と外側ハウジング17と環状ピストン18とによって形成される油圧室23内の油圧が高められると、環状ピストン18がダイヤフラムスプリング15側に向けて移動する。この環状ピストン18の移動は、レリーズベアリング20を介してダイヤフラムスプリング15の中心部に伝わり、ダイヤフラムスプリング15がクラッチディスク12とフライホイール13との接合を解除するように弾性変形する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
環状ピストン18を移動させる油圧室23内の油圧は、プレート板19を経由してレリーズベアリング20の外輪201に伝えられる。外輪201は、環状ピストン18の軸方向に対する環状ピストン18の受圧範囲H外にある。そのため、油圧室23内の油圧を高めた状態では、プレート板19の内周部と外周部とにはそれぞれ逆方向の荷重が掛かり、プレート板19の内周部を支点とした偏荷重がプレート板19に掛かることになる。このような偏荷重は、プレート板19の変形をもたらし易い。プレート板19の変形は、クラッチディスク12とフライホイール13との確実な離間をもたらす上で、即ちクラッチにおける確実な動力伝達遮断をもたらす上で支障となる。
【0007】
本発明は、クラッチにおける確実な動力伝達遮断をもたらし得る油圧式クラッチレリーズ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そのために本発明は、回転伝達軸を包囲する環状の内側ハウジングと、前記内側ハウジングを包囲する外側ハウジングと、前記内側ハウジングと前記外側ハウジングとの間に前記回転伝達軸の軸方向へ移動可能に収容された環状ピストンと、前記回転伝達軸の軸方向にて前記環状ピストンと隣合い、且つ前記回転伝達軸の軸方向へ移動可能なレリーズベアリングとを備え、前記内側ハウジングと前記外側ハウジングと前記環状ピストンとによって前記内側ハウジングと前記外側ハウジングとの間に油圧室を形成し、前記油圧室内の油圧によって前記環状ピストン及び前記レリーズベアリングを前記回転伝達軸の軸方向へ移動してクラッチを遮断状態にする油圧式クラッチレリーズ装置を対象とし、請求項1の発明では、前記レリーズベアリングにおける非回転輪である内輪の少なくとも一部を前記環状ピストンの軸方向に対する前記環状ピストンの受圧範囲内に配置し、前記レリーズベアリングを半径方向に対して調心可能に、回転輪である外輪とは離間した状態で前記非回転輪を前記環状ピストンに向けて付勢して支持する支持手段を備え、前記支持手段は、前記レリーズベアリングの外周側に配置されたばね部材と、前記ばね部材を支持するように前記環状ピストンの先端部の外周に一体形成されている支持フランジに止着された足場となる環状カバーと、前記非回転輪に結合されて前記支持フランジの先端面の内周部に押接されたベアリングカバーとを有し、前記ばね部材を介して前記ベアリングカバーを前記環状ピストンに向けて付勢した。
【0009】
非回転輪の少なくとも一部を環状ピストンの受圧範囲内に配置した構成は、油圧室内の油圧を高めた状態における環状ピストンに対する偏荷重を低減する。このような偏荷重の低減は、環状ピストン、あるいは環状ピストンから非回転輪に至る油圧力伝達経路を構成する部材がある場合にはこの部材の変形を防止する。環状ピストンあるいは前記部材の変形の防止は、クラッチにおける確実な動力伝達遮断を保障する。また、コストや摺動性の観点から環状ピストンを合成樹脂製とした場合、環状ピストンは型成形されることになる。特開平10−220496号公報に開示される装置では、環状ピストンの外周面に形成された周溝がばね部材の足場となるが、周溝を環状ピストンに一体形成しようとすると、そのためのスライド型追加が必要となり、金型費用が高くなる。ばね部材の足場を環状ピストンに別体で設けた構成は、コスト低減に寄与する。又、内輪を非回転輪とした構成は、環状の油圧室の小型化に有利である。環状の油圧室の小型化は、油圧式クラッチレリーズ装置の小型化に寄与する。
【0010】
請求項2の発明では、請求項1において、前記支持フランジの外周面に形成された凹部に前記環状カバーに形成された抜け止め片を嵌め込込むことで前記環状カバーを止着した。
【0011】
従って、環状カバーは、支持フランジから脱落することはない。
【0012】
請求項3の発明では、請求項1または請求項2において、前記環状カバーと前記ベアリングカバーとの間に前記ばね部材を介在した。
【0013】
非回転輪を環状ピストンの受圧範囲内に配置した場合には、前記偏荷重は零となり、前記偏荷重が支持フランジに作用することはない。非回転輪の一部を環状ピストンの受圧範囲内に配置した場合には、前記偏荷重は支持フランジの根元付近にのみ作用し、しかも偏荷重の大きさそのものが小さい。従って、油圧室内の油圧が高められた場合にも、支持フランジが変形することはない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。
【0015】
図1に示すように、30は車のトランスミッションにおけるインプットシャフトとなる回転伝達軸である。31は、プレッシャプレート(図示略)を介してクラッチディスク(図示略)をフライホイール(図示略)に圧接するダイヤフラムスプリングである。
【0016】
回転伝達軸30を挿通するクラッチハウジング32には環状の内側ハウジング33が回転伝達軸30を包囲するように固定されている。クラッチハウジング32には環状の外側ハウジング34が内側ハウジング33を包囲するように固定されている。環状の内側ハウジング33と外側ハウジング34との間には合成樹脂製の環状ピストン35及び環状のシール部材36が回転伝達軸30の軸方向へ移動可能に収容されている。内側ハウジング33、外側ハウジング34及び環状ピストン35は、内側ハウジング33と外側ハウジング34との間に環状の油圧室37を形成する。シール部材36は、油圧室37を密封する。油圧室37は、油通路341を介して図示しないクラッチマスタシリンダに接続されている。
【0017】
環状ピストン35の先端部の外周には支持フランジ38がダイヤフラムスプリング31と対向するように一体形成されている。支持フランジ38の前面とダイヤフラムスプリング31との間にはレリーズベアリング39が配設されている。環状ピストン35の移動方向に見た場合、レリーズベアリング39の内輪391は非回転輪であって、環状ピストン35の厚みの範囲内に含まれる。即ち、レリーズベアリング39の内輪391は、環状ピストン35の軸方向に対する環状ピストン35の受圧範囲H内に配置されている。
【0018】
レリーズベアリング39の内輪391には環状のベアリングカバー40が脱落不能に嵌められている。金属製のベアリングカバー40には接合フランジ401が半径方向の外側に延びるように一体形成されている。
【0019】
外側ハウジング34と支持フランジ38との間には圧縮ばね41が介在されている。圧縮ばね41の一端(不動端)と外側ハウジング34との間にはばね座42が介在されており、圧縮ばね41の他端(従動端)は支持フランジ38の背面に当接している。圧縮ばね41は、支持フランジ38をダイヤフラムスプリング31側に付勢している。
【0020】
支持フランジ38の外周部には環状突条43がダイヤフラムスプリング31に向けて突出するように一体形成されている。環状突条43には金属製の環状カバー44が嵌められている。図3に示すように、環状カバー44は、円筒部441と、円筒部441の一方の端縁に半径方向の内側に向けて折り曲げ形成された複数の係止片442と、円筒部441の他方の端縁に半径方向の外側に向けて折り曲げ形成された複数の掛け止め片443とを備えている。又、円筒部441の一方の端縁には複数の抜け止め片444が半径方向の内側に向けて折り曲げ形成されている。
【0021】
図2に示すように、支持フランジ38の外周面には凹部381が形成されている。凹部381は抜け止め片444と同数ある。各凹部381には抜け止め片444が嵌め込まれており、係止片442は、環状突条43の先端面431に掛け止められている。従って、環状カバー44は、環状突条43から脱落することはない。
【0022】
図1に示すように、ばね座42の外周部には複数の掛け止め片421が形成されている。掛け止め片421と環状カバー44の掛け止め片443とには伸縮可能なブーツ45が架設されている。ブーツ45及び環状カバー44は、環状ピストン35の外周面を被覆する防塵カバーを構成する。
【0023】
レリーズベアリング39の外輪392の一方の端面は、圧縮ばね41のばね力によってダイヤフラムスプリング31に常時接合しているが、外輪392の他方の端面は、支持フランジ38及びベアリングカバー40の接合フランジ401から離れている。従って、レリーズベアリング39の外輪392は、ダイヤフラムスプリング31と一体的に回転する。
【0024】
図2に示すように、環状カバー44の複数の係止片442は、環状突条43の先端面431から半径方向の内側に突出しており、係止片442の突出部とベアリングカバー40の接合フランジ401との間には皿ばね型のばね部材46が介在されている。環状カバー44は、環状突条43の先端面431から外周面に沿うように、且つ環状突条43の先端面431から半径方向の内側に向けて突出するように環状突条43に結合されている。
【0025】
ばね部材46は、係止片442を足場として接合フランジ401を支持フランジ38に押接している。ばね部材46のばね力によって支持フランジ38に押接されている接合フランジ401は、支持フランジ38の半径方向に移動可能である。即ち、レリーズベアリング39の外周側に配置されたばね部材46及び環状カバー44は、レリーズベアリング39を半径方向の調心可能に、ベアリングカバー40を環状ピストン35に向けて付勢して支持する支持手段を構成する。
【0026】
図示しないクラッチペダルを踏み込み操作すると、クラッチマスタシリンダから油圧室37へ圧油が供給され、油圧室37内の油圧が高まる。油圧室37内の油圧が高められると、環状ピストン35がダイヤフラムスプリング31側に向けて移動する。この環状ピストン35の移動は、レリーズベアリング39を介してダイヤフラムスプリング31の中心部に伝わり、ダイヤフラムスプリング31がクラッチディスクとフライホイールとの接合を解除するように弾性変形する。図示しないクラッチペダルの踏み込みを解除すると、油圧室37に供給された圧油が油通路341を介して排出される。
【0027】
第1の実施の形態では以下の効果が得られる。
(1-1)環状ピストン35を移動させる油圧室37内の油圧は、ベアリングカバー40を経由してレリーズベアリング39の内輪391に伝えられる。内輪391は、環状ピストン35の軸方向に対する環状ピストン35の受圧範囲H内にある。そのため、油圧室37内の油圧は、環状ピストン35と内輪391との間で偏荷重を発生させることなく内輪391に伝わる。従って、環状ピストン35、支持フランジ38、接合フランジ401等が変形することはなく、クラッチにおける確実な動力伝達遮断が保障される。
【0028】
(1-2)図7の従来装置では、プレート板19の変形を回避するため、プレート板19の強度を高めたり、プレート板19と環状ピストン18との結合強度を高める等の対策が必要となる。このような対策は、製作コストを増やすことになる。
【0029】
本実施の形態では、環状ピストン35及び支持フランジ38の変形のおそれがないため、環状ピストン35及び支持フランジ38の材質として強度の弱い合成樹脂の採用が可能である。環状ピストン35及び支持フランジ38の合成樹脂化は、コスト的に有利である。
【0030】
(1-3)図7の従来装置では、プレート板19の基部を環状ピストン18に埋め込むように環状ピストン18を型成形する必要があり、成形費用が高くなる。本実施の形態では、環状ピストン35と支持フランジ38とを合成樹脂で一体成形するため、成形費用が安くなる。
【0031】
(1-4)内輪391を非回転輪とした構成では、環状の油圧室37の径を最も小さくすることができる。環状の油圧室37の小径化は、内側ハウジング33、外側ハウジング34及び環状ピストン35の小径化をもたらし、油圧式クラッチレリーズ装置の小型化が可能である。
【0032】
(1-5)レリーズベアリング39を半径方向の調心可能に、ばね部材46で内輪391を環状ピストン35に向けて付勢して支持する支持手段を構成する環状カバー44は、ばね部材46の足場となる。本実施の形態では、環状ピストン35は、コストや摺動性の観点から合成樹脂製としており、環状ピストン35は型成形されることになる。環状ピストン35と一体形成される支持フランジ38も型成形されるが、ばね部材46の足場を作るための特別な金型は不要である。従って、ばね部材46の足場を環状ピストン35に別体で設けた構成は、コスト低減に寄与する。
【0033】
(1-6)ばね部材46の足場である環状カバー44は、防塵カバーを兼用する。このような兼用構成は、部品点数を減らしてコスト低減に寄与する。
次に、図4〜図6の第2の実施の形態を説明する。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が用いてある。
【0034】
図4に示すように、外側ハウジング34には円筒形状の防塵筒342がダイヤフラムスプリング31に向けて一体形成されている。図5に示すように、環状突条43に嵌められた環状カバー44Aの円筒部445の端部446は、円筒部445の他の部位に比べて僅かに拡径されており、防塵筒342の内周面には円筒部445の端部446が摺動可能に嵌入されている。図6は、環状カバー44Aの全体を示す斜視図である。防塵筒342及び環状カバー44Aは、環状ピストン35の外周面を被覆する防塵カバーを構成する。
【0035】
環状カバー44Aは、第1の実施の形態における環状カバー44と同じ役割を果たす。防塵筒342は外側ハウジング34に一体形成されており、第2の実施の形態における部品点数は、第1の実施の形態の場合よりも更に少なくなる。
【0036】
本発明では以下のような実施の形態も可能である。
(1)レリーズベアリング39における非回転輪(実施の形態では内輪391)の一部を環状ピストン35の軸方向に対する環状ピストン35の受圧範囲H内に配置すること。
【0037】
(2)レリーズベアリングの外輪を非回転輪とし、この外輪の少なくとも一部を環状ピストンの軸方向に対する環状ピストンの受圧範囲内に配置すること。
(3)皿ばね型のばね部材46の代わりにコイルばねを用いること。
【0038】
(4)支持フランジ38を環状ピストン35と別体で形成すること。
前記した実施の形態から把握できる請求項記載以外の発明について以下に記載する。
【0039】
〔1〕前記ベアリングカバーは、半径方向の外側に延びる接合フランジを備え、前記接合フランジは、前記支持フランジの先端面に前記ばね部材の付勢によって押接される請求項3に記載の油圧式クラッチレリーズ装置。
【0040】
〔2〕前記支持フランジは、その外周に前記レリーズベアリングに向けて突出する環状突条を備え、前記環状カバーは、前記環状突条の先端面から外周面に沿うように、且つ前記環状突条の先端面から半径方向の内側に向けて突出するように前記環状突条に結合されており、前記ばね部材は、前記環状突条の先端面から半径方向の内側に向けて突出する突出部に係合されている請求項3に記載の油圧式クラッチレリーズ装置。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明では、レリーズベアリングにおける非回転輪の少なくとも一部を環状ピストンの軸方向に対する前記環状ピストンの受圧範囲内に配置したので、クラッチにおける確実な動力伝達遮断をもたらし得るという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示す側断面図。
【図2】要部拡大側断面図。
【図3】環状カバー44の斜視図。
【図4】第2の実施の形態を示す側断面図。
【図5】要部拡大側断面図。
【図6】環状カバー44Aの斜視図。
【図7】従来装置を示し、(a)は側断面図。(b)は要部側断面図。
【符号の説明】
30…回転伝達軸。33…内側ハウジング。34…外側ハウジング。35…環状ピストン。37…油圧室。38…支持フランジ。39…レリーズベアリング。391…非回転輪としての内輪。40…ベアリングカバー。401…接合フランジ。44…防塵カバーを構成し、且つ足場となる環状カバー。46…ばね部材。
Claims (3)
- 回転伝達軸を包囲する環状の内側ハウジングと、前記内側ハウジングを包囲する外側ハウジングと、前記内側ハウジングと前記外側ハウジングとの間に前記回転伝達軸の軸方向へ移動可能に収容された環状ピストンと、前記回転伝達軸の軸方向にて前記環状ピストンと隣合い、且つ前記回転伝達軸の軸方向へ移動可能なレリーズベアリングとを備え、前記内側ハウジングと前記外側ハウジングと前記環状ピストンとによって前記内側ハウジングと前記外側ハウジングとの間に油圧室を形成し、前記油圧室内の油圧によって前記環状ピストン及び前記レリーズベアリングを前記回転伝達軸の軸方向へ移動してクラッチを遮断状態にする油圧式クラッチレリーズ装置において、
前記レリーズベアリングにおける非回転輪である内輪の少なくとも一部を前記環状ピストンの軸方向に対する前記環状ピストンの受圧範囲内に配置し、
前記レリーズベアリングを半径方向に対して調心可能に、回転輪である外輪とは離間した状態で前記非回転輪を前記環状ピストンに向けて付勢して支持する支持手段を備え、前記支持手段は、前記レリーズベアリングの外周側に配置されたばね部材と、前記ばね部材を支持するように前記環状ピストンの先端部の外周に一体形成されている支持フランジに止着された足場となる環状カバーと、前記非回転輪に結合されて前記支持フランジの先端面の内周部に押接されたベアリングカバーとを有し、前記ばね部材を介して前記ベアリングカバーを前記環状ピストンに向けて付勢した油圧式クラッチレリーズ装置。 - 前記支持フランジの外周面に形成された凹部に前記環状カバーに形成された抜け止め片を嵌め込込むことで前記環状カバーを止着した請求項1に記載の油圧式クラッチレリーズ装置。
- 前記環状カバーと前記ベアリングカバーとの間に前記ばね部材を介在した請求項1または請求項2に記載の油圧式クラッチレリーズ装置。
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